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【発明の名称】 手首に付ける脈拍計とその制御方法
【発明者】 【氏名】フランソワ クロプフェンシュタイン

【氏名】ロルフ フェッター

【氏名】フィリップ レネベイ

【氏名】ヴィクター ニューマン

【氏名】クリストフ ベルジュ

【要約】 【課題】ケースと締め付け用手首バンドとを有する手首に装着される脈拍計を提供すること。

【構成】前記ケースは、電子光学測定装置と電子回路とを有し、手首バンドは、前記ケースのバックカバーを手首に押し当てて保持し、前記電子光学測定装置は、複数個の光源と複数個の受光器とを有し、前記光源と受光器は、ケースのバックカバーに、手首の方向を向いて、マトリックス状に配置され、前記マトリックスは、2本のラインと少なくとも2本のコラムとを有し、前記ライは、前記手首の方向に直交する方向を向き、前記コラムは、前記手首の方向に平行な方向を向き、前記マトリックスの各ラインには、交互に光源と受光器とが配置され、前記マトリックスの各コラムには、交互に光源と受光器とが配置される。本発明は、この脈拍計を制御する方法も提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) ケース(14)と、
(B) 締め付け用手首バンド(16)と
を有する手首(12)に装着される脈拍計(10)において、
前記ケース(14)は、
(i) 脈拍計(10)の装着者の脈拍数(P)に関連する測定値を生成する電子光学測定装置(18)と、
(ii) 前記脈拍数(P)を計算するために、前記測定値を処理する電子回路(20)と
を有し、
前記手首バンド(16)は、前記ケース(14)のバックカバー(24)を手首(12)に押し当てて保持し、
前記電子光学測定装置(18)は、複数個の光源(E1、E2、E3)と複数個の受光器(R1、R2、R3)とを有し、
前記光源(E1、E2、E3)と受光器(R1、R2、R3)は、ケース(14)のバックカバー(24)に、手首(12)の方向を向いて、マトリックス状に配置され、
前記マトリックスは、2本のライン(L1、L2)と少なくとも2本のコラム(C1、C2、C3)とを有し、
前記ライン(L1、L2)は、前記手首(12)の方向(D1)に直交する方向を向き、
前記コラム(C1、C2、C3)は、前記手首(12)の方向(D1)に平行な方向を向き、
前記マトリックスの各ライン(L1、L2)には、交互に光源(E1、E2、E3)と受光器(R1、R2、R3)とが配置され、
前記マトリックスの各コラム(C1、C2、C3)には、交互に光源(E1、E2、E3)と受光器(R1、R2、R3)とが配置される
ことを特徴とする脈拍計。
【請求項2】
前記ライン(L1、L2)の光源(E1、E2、E3)と隣接する受光器(R1、R2、R3)との間の距離は、前記コラム(C1、C2、C3)の光源(E1、E2、E3)と隣接する受光器(R1、R2、R3)との間の距離に等しい
ことを特徴とする請求項1記載の脈拍計。
【請求項3】
前記マトリックスは、3本のコラム(C1、C2、C3)を有し、
前記第1ライン(L1)は、2個の受光器(R1、R3)に挟まれる光源(E2)を有し、
前記第2ライン(L2)は、2個の光源(E1、E3)に挟まれる受光器(R2)を有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の脈拍計。
【請求項4】
前記各光源(E1、E2、E3)は、赤外線を放射するダイオードで形成され、
前記各受光器(R1、R2、R3)は、光検知ダイオードで形成される
ことを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の脈拍計。
【請求項5】
前記電子回路(20)は、脈拍数計算ユニット(28)と選択回路(30)とを有し、
前記脈拍数計算ユニット(28)は、受光器(R1、R2、R3)で生成された受信信号(SR1、SR2、SR3)に対応する心拍数(P1、P2、P3)を算出し、
前記選択回路(30)は、脈拍数計算ユニット(28)により得られた心拍数(P1、P2、P3)の中から、最適心拍数(PO)を決定する
ことを特徴とする請求項1−4のいずれかに記載の脈拍計。
【請求項6】
前記電子回路(20)は、第1計算ユニット(26)と、脈拍数計算ユニット(28)と、選択回路(30)とを有し、
前記第1計算ユニット(26)は、受光器(R1、R2、R3)により生成された受信信号(SR1、SR2、SR3)の加算値に対応する仮想信号(SV)を計算し、
前記脈拍数計算ユニット(28)は、受光器(R1、R2、R3)により生成される受信信号(SR1、SR2、SR3)と仮想信号(SV)にそれぞれ対応する心拍数(P1、P2、P3、PV)を算出し、
前記選択回路(30)は、脈拍数計算ユニット(28)により得られた心拍数(PV)の中から、最適心拍数(PO)を決定する
ことを特徴とする請求項1−4のいずれかに記載の脈拍計。
【請求項7】
前記電子回路(20)は、脈拍数計算ユニット(28)により得られた心拍数(P1、P2、P3)の関数である測定信頼係数(IF)を計算する第3計算ユニット(32)を有する
ことを特徴とする請求項5又は6記載の脈拍計。
【請求項8】
請求項1−7のいずれかに記載の脈拍計(10)を制御する方法において、
(A) 光源(E1、E2、E3)が光ビーム(FL)を放射し、各受光器(R1、R2、R3)が、受光の関数として、受信信号(SR1、SR2、SR3)を生成する測定ステップと、
(B) 心拍数(P1、P2、P3)を、前記ステップ(A)で各受光器(R1、R2、R3)により生成された受信信号(SR1、SR2、SR3)から計算する脈拍計算ステップと、
(C) 最適心拍数(PO)を、前記ステップ(B)で得られた心拍数(P1、P2、P3)の中から選択するステップと
を有する
ことを特徴とする請求項1−7のいずれかに記載の脈拍計の制御方法。
【請求項9】
請求項1−7のいずれかに記載の脈拍計(10)を制御する方法において、
(A) 光源(E1、E2、E3)が光ビーム(FL)を放射し、各受光器(R1、R2、R3)が、受光の関数として、受信信号(SR1、SR2、SR3)を生成する測定ステップと、
(B) 心拍数(P1、P2、P3)を、前記ステップ(A)で各受光器(R1、R2、R3)により生成された受信信号(SR1、SR2、SR3)から計算する脈拍計算ステップと、
前記ステップ(A)とステップ(B)の間で、
(X) 受光器(R1、R2、R3)により生成された受信信号(SR1、SR2、SR3)の加算値に対応する仮想信号(SV)を計算するステップ
が実行され、
心拍数(PV)が、前記仮想信号(SV)から計算され、
最適心拍数(PO)が、前記ステップ(B)で得られた心拍数(P1、P2、P3)から選択される
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1−7のいずれかに記載の脈拍計の制御方法。
【請求項10】
前記ステップ(B)の後に、
(Y) 測定信頼係数(IF)を計算するステップ
が実行され、
前記ステップ(Y)の間、前記ステップ(B)で得られた心拍数(P1、P2、P3、PV)の間で比較が、行われる
ことを特徴とする請求項1−7のいずれかに記載の脈拍計の制御方法。
【請求項11】
前記ステップ(Y)の後に、
(Z) 前記ケース(14)の装着状態を検出ステップ
が実行され、
前記ステップ(Z)の間、信頼係数(IF)の関数として、脈拍計(10)が装着されているか否か、あるいはケース(14)が手首(12)に適正に固定されているか否かが、決定される
ことを特徴とする請求項1−7のいずれかに記載の脈拍計の制御方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、手首に付ける脈拍計とその制御方法に関する。
【0002】
本発明は、特に、ケースと、締め付け用手首バンドとを有する手首に装着される脈拍計に関する。前記ケースは、脈拍計の装着者の脈拍数に関連する測定値を生成する電子光学測定装置と、前記脈拍数を計算するために、前記測定値を処理する電子回路とを有する。前記手首バンドは、前記ケースのバックカバーを手首に押し当てて保持し、前記電子光学測定装置は、複数個の光源と複数個の受光器とを有し、前記光源と受光器は、ケースのバックカバーに、手首の方向を向いて、マトリックス状に配置される。
【背景技術】
【0003】
この種の脈拍計は、特許文献1に開示されている。この特許文献1の電子光学測定装置は、発光ダイオードを有する。この発光ダイオードが4個の光検出ダイオードが形成する四角の中心に配置される。その結果、各光検出ダイオードは、発光ダイオードから等距離に配置される。
【特許文献1】米国特許第2003/0065269号明細書
【0004】
この発光ダイオードと光検出ダイオードの配置は、一般的に良好な結果を生み出すが、パルス測定の信頼性の問題が時に見られる。その原因は、脈拍計の装着者の生理学上の差、例えば手首の血管の場所の差が原因である。測定の信頼性のこの種の問題は、手首にケースがしっかり取り付けられていない時にも、現れる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の欠点を解決することであり、本発明により、上記問題に対する簡単且つ経済的な解決方法が提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かくして、本発明は前述した種類の脈拍計を提案する。本発明の電子光学測定装置は、複数個の光源と複数個の受光器とを有し、前記光源と受光器は、ケースのバックカバーに、手首の方向を向いて、マトリックス状に配置され、前記マトリックスは、2本のラインと少なくとも2本のコラムとを有し、前記ラインは、前記手首の方向に直交する方向を向き、前記コラムは、前記手首の方向に平行な方向を向き、前記マトリックスの各ラインには、交互に光源と受光器とが配置され、前記マトリックスの各コラムには、交互に光源と受光器とが配置される。
【0007】
本発明の構成により、測定の信頼性が、受光器が光源の周囲に対称に配置されていなくても向上する。特に、手首の方向に直交する方向に沿った光源と受光器のカラムをシフトすることにより、脈拍計の装着者のさまざまな異なる生理学的特徴をカバーでき、装着者の血管の位置の差異を補償できる。
【0008】
本発明の装置により、脈拍計のケースを手首に適正に装着していないことが容易に検出され、装着者はパルスの測定エラーの原因をより簡単に検出できる。
【0009】
好ましくは、前記ラインの光源と隣接する受光器との間の距離は、前記コラムの光源と隣接する受光器との間の距離に等しい。この構成により、信号の強度を均一化することで各受信器により生成された信号の処理が容易になる。
【0010】
本発明の好ましい実施例によれば、前記マトリックスは、3本のコラムを有し、前記第1ラインは、2個の受光器に挟まれる光源を有し、前記第2ラインは、2個の光源に挟まれる受光器を有する。この構成により、コンパクトで且つ経済的な電子光学測定装置(脈拍計)を提供しながら、さまざまな装着者の生理学的特徴をカバーすることにより、利点を提供できる。特に、本発明の構成により、ケースのバックカバーで占有される表面を最小にする、特に手首の方向で、従来の装置に比べて小さくなる。
【0011】
本発明の構成により、受光器を光源に対し非対称に配置しても、受光器により生成される信号の信頼性を損なうことはない。本発明の装置により、信頼性のある受光信号が、装着者の体型と手首の血管の特徴に関わらず、得られる。
【0012】
好ましくは、前記各光源は、赤外線を放射するダイオードで形成され、前記各受光器は、光検知ダイオードで形成される。この光学測定システムにより、測定の信頼性と品質に関して最良の結果が得られる。
【0013】
本発明の好ましい実施例によれば、
前記電子回路は、脈拍数計算ユニットを有し、
前記脈拍数計算ユニットは、受光器で生成された受信信号と仮想信号計算ユニットにより得られた仮想信号にそれぞれ対応する心拍数を算出し、この仮想信号は、受光器により生成された受信信号の加算値に対応する。選択回路は、脈拍数計算ユニットにより得られた心拍数の中から、最適心拍数を決定する。この解決方法は、得られる信号の多様性を増加させ、さまざまな受光器の間の測定誤差を補償する。
【0014】
前記電子回路は、脈拍数計算ユニットにより得られた心拍数の関数である測定信頼係数を計算する第3計算ユニットを有する。この信頼性のインデックスにより、受光器により生成される種々の信号を最適に使用することにより、ありえない脈拍数の表示を回避し、ユーザに高品質な測定結果を提供する。さらに、信頼性のインデックスが所定値に達すると、電子回路は、ケースが手首に適正に装着されない状態、あるいは脈拍計が装着されていない状態を、知らせる。
【0015】
本発明はまた、脈拍計を制御する方法も提案する。この方法は、
(A) 光源が光ビームを放射し、各受光器が、受光の関数として、受信信号を生成する測定ステップと、
(B) 心拍数を、前記ステップ(A)で各受光器により生成された受信信号から計算する脈拍計算ステップと、
前記ステップ(A)とステップ(B)の間で、
(X) 受光器により生成された受信信号の加算値に対応する仮想信号を計算するステップが実行され、
心拍数が、前記仮想信号から計算され、
最適心拍数が、前記ステップ(B)で得られた心拍数から選択される。
【0016】
この方法のさらなる特徴によれば、
前記ステップ(B)の後に、
(Y) 測定信頼係数を計算するステップ
が実行され、
前記ステップ(Y)の間、前記ステップ(B)で得られた心拍数の間で比較が、行われ、
前記ステップ(Y)の後に、
(Z) 前記ケースの装着状態を検出ステップ
が実行され、
前記ステップ(Z)の間、信頼係数の関数として、脈拍計が装着されているか否か、あるいはケースが手首に適正に固定されているか否かが、決定される。
【実施例】
【0017】
図1−4は、手首12に装着された脈拍計10を示す。この脈拍計10は、手首12に、締め付け手首バンド16で締め付けられたケース14を有する。以下の説明において、手首12の腕の方向を方向D1とする。
【0018】
ケース14は、装着者の脈拍を測定する電子光学測定装置18と、この測定値を処理する電子回路20とを有する。この測定値を計算し、液晶ディスプレイのような表示装置22で、装着者の心拍数Pを表示する。
【0019】
電子光学測定装置18は、ケース14のバックカバー24内で表示装置22の裏側に配置される。締め付け用の手首バンド16は、ケース14のバックカバー24を、手首12に押しつけて保持して、電子光学測定装置18の動作を最適にする。
【0020】
本発明によれば、電子光学測定装置18は、少なくとも2個の光源(この実施例では3個の光源E1、E2、E3)と、少なくとも2個の受光器(この実施例では3個の受光器R1、R2、R3)とを有する。これらは、装着者の手首12の方向を向いて、マトリックスの形態で配置される。このマトリックスは、手首12の方向D1に直交する方向の2本のラインL1、L2と、方向D1に平行な方向の少なくとも2個のコラム(この実施例では3個のコラムC1、C2、C3)とを有する。さらに、マトリックスのラインL1は、光源E2と受光器R1,R3とを有する。ラインL2は、光源E1,E2と受光器R2とを有する。マトリックスのコラムC1は、光源E1と受光器R1とを有する。コラムC2は、光源E2と受光器R2とを有する。コラムC3は、光源E3と受光器R3とを有する。
【0021】
図に示した本発明の一実施例によれば、電子光学測定装置18は、3個の光源E1、E2、E3と、3個の受光器R1、R2、R3とを有する。前記各光源E1、E2、E3は、赤外線を放射する発光ダイオードにより形成される。前記各受光器R1、R2、R3は、光検知ダイオードにより形成され、それぞれ受信した光の品質の関数である受信信号SR1、SR2、SR3を生成する。
【0022】
マトリックスは、3個のコラムC1、C2、C3を有する。図2において、第1コラムC1は、第1ラインL1に第1受光器R1を、第2ラインL2に第1光源E1を有する。第2コラムC2は、第1ラインL1に第2光源E2を、第2ラインL2に第2受光器R2を有する。第3コラムC3は、第1ラインL1に第3受光器R3を、第2ラインL2に第3光源E3を有する。
【0023】
第1ラインL1において、第2光源E2は、第1受光器R1、第3受光器R3と整合する。第2ラインL2において、第1光源E1と第3光源E3は、第2受光器R2に整合する。
【0024】
マトリックスのラインL1、L2の光源E1、E2、E3と隣接する受光器R1、R2、R3との間の距離は、コラムC1、C2の光源E1、E2、E3と隣接する受光器R1、R2、R3との間の距離に等しい。
【0025】
図示した実施例によれば、ラインL1、L2は直線状であるが、曲線でもよく、また2つの平行した弓形あるいは切り取った弓形でもよい。
【0026】
図4は、本発明の脈拍計10の電子回路20の詳細図である。
【0027】
本発明の一実施例によれば、電子回路20は、第1計算ユニット26を有する。この第1計算ユニット26は、脈拍測定中に受光器R1、R2、R3により生成された受信信号SR1、SR2、SR3から、関連する仮想受信信号SVを生成する。この仮想受信信号SVは、3個の受信信号SR1、SR2、SR3を加算することにより生成される。
【0028】
電子回路20は、第2計算ユニット28を有する。この第2計算ユニット28は、受光器R1、R2、R3により生成された受信信号SR1、SR2、SR3と仮想受信信号SVから、対応する心拍数P1、P2、P3、PVを生成する。第2計算ユニット28は、受信信号SR1、SR2、SR3、SVを処理し、フィルタ(図示せず)を用いてノイズを除去する。このノイズは、主にケース14の手首12に対する微細な動きが原因である。
【0029】
電子回路20は、選択回路30を有する。この選択回路30は、第2計算ユニット28から得られた心拍数P1、P2、P3、PVから、最適心拍数POを選択する。この最適心拍数POは、設計で決められた基準をベースに選択され、例えば最小偏差(the smallest variance)しか有さない心拍数P1、P2、P3、PVが、最適心拍数POとして選択される。
【0030】
選択回路30により選択された最適心拍数POは、表示装置22に送られ、装着者はそれを見ることができる。
【0031】
最適心拍数POから、最適心拍数POにリンクした他のパラメータも計算し、表示することもできる。例えば、消費されたカロリー量あるいは脈拍測定の履歴に関連する他のデータである。
【0032】
本発明の一実施例によれば、電子回路20は、第3計算ユニット32を有する。この第3計算ユニット32は、第1計算ユニット26からの受信信号SR1、SR2、SR3、SV(あるいは、第1計算ユニット26からの心拍数P1、P2、P3、PV)から脈拍数の測定の信頼性係数IFの値を決定する。この第3計算ユニット32は、信頼性係数IFに影響を及ぼす。このIFは、心拍数P1、P2、P3、PVに対応する信号周波数の関数、これらの信号間の相関関数、これら信号の振幅の関数、心拍数P1、P2、P3、PVの履歴である。
【0033】
周波数に関しては、信号は所定の周波数帯域内になければならない。
【0034】
複数の信号の相関がとられると、すなわち複数の信号が、同一のデータ、特にある時点で類似の変動(variance)を有すると、このデータは信頼できるものであることを示している。その理由は、受光器R1、R2、R3の空間ダイバシティは、それらは、ケース14が正しく装着されていない時には、さまざまに影響を受けるからである。
【0035】
これら信号の振幅は、所定の範囲内になければならない。例えば、高すぎる振幅は、装着者が動いたことによる測定の信頼性の問題があることを示す。
【0036】
信頼係数IFの決定は、例えば心拍数P1、P2、P3、PVに対する偏差(variance)と分散(dispersion)の計算の結果を利用する。
【0037】
本発明の変形例によれば、第3計算ユニット32は、受信信号SR1、SR2、SR3と仮想受信信号SVを用いて、信頼係数IFを決定する。
【0038】
第3計算ユニット32は、信頼係数IFを表示装置22に送り、装着者に表示されている心拍数Pの信頼性について情報を与える。信頼係数IFが測定信頼性に問題があることを示す時には、電子回路20は心拍数Pの表示を中止して、間違った心拍数Pを表示しないようにする。
【0039】
好ましくは、信頼係数IFにより、電子回路20は、ケース14が手首12に適正に装着されていないことを検出することができ、この不適正な装着状態では、受光器R1、R2、R3の少なくとも1つに達する周囲光の量が多くなる。
【0040】
3個の光源E1、E2、E3と3個の受光器R1、R2、R3を具備する本発明の脈拍計は、さまざまな体型の装着者をカバーし、且つ電子光学測定装置18用のスペースと複雑性を抑えながら、心拍数の測定の信頼性を改善できる。さらにまた、本発明の構成により、ケース14が手首12にしっかりとは装着されていない問題を検出できる。
【0041】
本発明の一実施例によれば、第2受光器R2は、第2ラインL2の中心に配置され、光源E1、E2、E3に包囲されているため、光源E1、E2、E3から受光する。他の2つの受光器R1、R3は、隣接する2つの光源(それぞれ光源E1、E2と光源E2、E3)から受光する。この受光量のアンバランスを補償するために、第2受光器R2により生成される受信信号SR2を処理する電子アナログ回路のチャネルのゲインを減少させる。別の構成として、受信信号SR2のアンバランスは、第1計算ユニット26によりデジタル的に修正することもできる。
【0042】
本発明の脈拍計の制御方法を次に説明する。
本発明の方法は、電子光学測定装置18により行われる測定ステップを含む。このステップの間、光源E1、E2、E3は光ビームFLを装着者の手首12の方向に向けて放射する。この光ビームFLは、手首12内を伝搬し、このFLの一部は散乱されて戻ってきて受光器R1、R2、R3により検出される。受光の関数として、各受光器は、受信信号SR1、SR2、SR3を生成する。これにより、装着者の心拍数を、装着者の組織により吸収された光エネルギーの周期的変動を検出することにより、測定する。
【0043】
この心拍数Pを測定するステップの原理は、特許文献1に開示されている。
【0044】
本発明によれば、心拍数Pの測定ステップの後に、第1計算ユニット26により行われる仮想信号SVの計算ステップが続く。この計算ステップでは、受信信号SR1、SR2、SR3の加算に対応する仮想信号SVが、生成される。
【0045】
この仮想信号SVの計算ステップの後に、第2計算ユニット28により実行される心拍数P1、P2、P3、PVの計算ステップが続く。この計算ステップでは、受信信号SR1、SR2、SR3と仮想信号SVを処理して、対応する心拍数P1、P2、P3、PVが決定される。
【0046】
心拍数計算ステップの次に、選択回路30により行われる選択ステップが続く。この選択ステップでは、最適心拍数POが、パルス計算ステップの間に得られた心拍数P1、P2、P3、PVの中から選択される。この最適心拍数POが表示される。
【0047】
好ましくは、心拍数計算ステップの後に、第3計算ユニット32により行われる測定値の信頼係数IFの計算ステップが続く。この測定値信頼係数IFの計算ステップでは、受信信号SR1、SR2、SR3に対応する心拍数P1、P2、P3と、仮想信号SVに対応する心拍数PVとが互いに比較されて、信頼係数IFの値を決定する。この信頼係数IFは、実行された測定に対する信頼性と選択回路30により得られた最適心拍数POに対する信頼性を表す。
【0048】
信頼係数IFの計算ステップは、進行中の心拍数計算ステップから得られた心拍数P1、P2、P3、PVと、前の計算ステップの間に得られ登録されている前の値と比較することによっても行われる。これにより、その時間における心拍数最適心拍数POの決定が、実際のものであるか否かを決定できる。
【0049】
信頼係数IFは、次のものを考慮に入れて計算される。すなわち、周囲光に起因する心拍数P1、P2、P3、PVの連続的成分と交互に変化する成分の振幅値と、光源E1、E2、E3により放射された光に起因する心拍数P1、P2、P3、PVの連続的成分と交互に変化する成分の振幅値を考慮にいれる。周波数スペクトラムの偏差のような心拍数P1、P2、P3から得られた値を考慮にいれる。これらのパラメータを考慮することにより、脈拍計10が手首12にしっかりとは装着されていない場合、脈拍計10が装着されていない場合、例えばテーブルに置かれている場合とを区別することもできる。
【0050】
好ましくは、信頼係数IFを計算ステップの次に、ケース14が手首12にしっかりと装着されていない状態、あるいは脈拍計10が装着されていない状態を検出するステップが続く。このステップでは、信頼係数IFの値の関数として、電子回路20は、装着者に確実に装着されていないことを、表示装置22で示す。あるいは、電子回路20は、脈拍計が適切に装着されていないことを検出した時には、心拍数表示を中断する。
【0051】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の脈拍計が手首に装着された状態を示す上面図。
【図2】図1の脈拍計のケースのバックカバーと電子光学測定装置の底面図。
【図3】図1の脈拍計の線3−3に沿った断面図と電子光学測定装置の光源により放射された光ビームを表す図。
【図4】図1の脈拍計とそれに搭載された電子回路のフローチャート図。
【符号の説明】
【0053】
10 脈拍計
12 手首
14 ケース
16 締め付け手首バンド
18 電子光学測定装置
20 電子回路
22 表示装置
24 バックカバー
26 第1計算ユニット
28 第2計算ユニット
30 選択回路
32 第3計算ユニット
E1,E2,E3 光源
E1 第1光源
E2 第2光源
E3 第3光源
R1,R2,R3 受光器
R1 第1受光器
R2 第2受光器
R3 第3受光器
L1,L2 ライン
L1 第1ライン
L2 第2ライン
C1,C2,C3 コラム
C1 第1コラム
C2 第2コラム
C3 第3コラム
SR1,SR2,SR3,SV 受信信号
P1,P2,P3,PV 心拍数
PO 最適心拍数
【出願人】 【識別番号】505072926
【氏名又は名称】イーティーエー エスエー マニュファクチュア ホルロゲア スイス
【出願日】 平成19年7月20日(2007.7.20)
【代理人】 【識別番号】100081053
【弁理士】
【氏名又は名称】三俣 弘文


【公開番号】 特開2008−23341(P2008−23341A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−189057(P2007−189057)