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【発明の名称】 温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定方法及び装置
【発明者】 【氏名】ホン イー ジュー

【要約】 【課題】温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性を測定する。

【構成】温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性を測定するために、磁気共鳴(MR)システムの磁場の有効範囲内の任意の1つの点Aにプローブを設け、この点の磁気共鳴信号を測定し、MRシステムの処理装置によってバックグラウンド磁気誘導B0を計算し、点Aに試験を受ける磁性体を配置し、温度制御装置によって、試験を受ける磁性体を加熱する加熱装置を制御し、温度センサを用いて磁性体の温度を収集し、プローブを用いてMR情報を測定し、前記処理装置によって前記情報に基づいて、さまざまな温度に対する点Aにおける磁性体の対応する磁気誘導を計算し、各磁気誘導からバックグラウンド磁気誘導B0を減算し、各温度における磁性体自体の磁気誘導を求め、温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性を測定する方法において、
磁気共鳴システムの磁場の有効範囲内の任意の1つの点Aにプローブを設けて、この点Aの磁気共鳴信号を測定し、磁気共鳴システムの処理装置によって、バックグラウンド磁気誘導B0を計算するステップと、
前記点Aに試験を受ける磁性体を配置し、磁気共鳴システムの温度制御装置によって、試験を受ける磁性体を加熱する加熱装置を制御し、温度センサを用いて磁性体の温度を収集し、前記プローブを用いて磁気共鳴情報を測定し、前記磁気共鳴システムの処理装置によって、前記磁気共鳴情報に基づいて、さまざまな温度に対する前記点Aにおける磁性体の磁気誘導を計算するステップと、
前記各磁気誘導から前記バックグラウンド磁気誘導B0を減算し、それらの各温度における前記磁性体自体の磁気誘導を求め、温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性を得るステップと
が含まれていることを特徴とする温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定方法。
【請求項2】
前記プローブが送受信コイルとこのコイルに配置された試料検出球とから構成され、前記送受信コイルが、前記検出球に無線周波数パルス列を送り、前記検出球を活性化させて磁気共鳴信号を発生させ、前記磁気共鳴信号を受信して、前記検出球の位置における磁気誘導を計算する前記磁気共鳴システムの処理装置にフィードバックすることを特徴とする請求項1に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定方法。
【請求項3】
前記試料検出球が水素または炭素を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定方法。
【請求項4】
前記磁気共鳴システムの温度制御装置が前記加熱装置及び前記温度センサを制御するステップは、
前記温度センサによって収集された試験を受ける前記磁性体の現在温度が事前設定温度より低い場合には前記温度制御装置が、試験を受ける前記磁性体を定格電力で加熱するように前記加熱装置を制御するステップと、
前記温度センサによって収集された試験を受ける前記磁性体の現在温度が事前設定温度より高い場合には前記温度制御装置が、試験を受ける前記磁性体を前記定格電力より低い事前設定電力で加熱するように前記加熱装置を制御するステップと
を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定方法。
【請求項5】
前記加熱装置が、熱伝導モード、熱放射モード、または、両方の組み合わせモードを利用して、試験を受ける前記磁性体を加熱することを特徴とする請求項1に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定方法。
【請求項6】
温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性を測定する装置において、
磁気共鳴システムの磁場の有効範囲内に配置され試験を受ける磁性体と、
試験を受ける前記磁性体の温度を収集する温度センサと、
試験を受ける前記磁性体を加熱する加熱装置と、
前記温度センサから信号を受信して、試験を受ける前記磁性体を加熱するように前記加熱装置を制御する温度制御装置と、
前記磁場の前記有効範囲内の特定の点における磁気誘導を検出するプローブと、
前記プローブによって測定された磁気共鳴信号を受信して、前記点における磁気誘導情報を計算するための磁気共鳴システムの処理装置と
が含まれていることを特徴とする温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定装置。
【請求項7】
前記プローブが送受信コイルとこのコイルに配置された試料検出球とから構成され、前記送受信コイルが、前記検出球に無線周波数パルス列を送り、前記検出球を活性化させて磁気共鳴信号を発生させ、前記送受信コイルが、前記磁気共鳴信号を受信して、前記検出球の位置における磁気誘導を計算する前記磁気共鳴システムの処理装置にフィードバックすることを特徴とする請求項6に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定装置。
【請求項8】
前記試料検出球が水素または炭素を含んでいることを特徴とする請求項7に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定装置。
【請求項9】
前記温度制御装置が、前記磁気共鳴システムの温度制御装置、または、前記磁気共鳴システムから独立した温度制御装置であることを特徴とする請求項6に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定装置。
【請求項10】
試験を受ける前記磁性体が前記加熱装置の上方に配置され、前記プローブが試験を受ける前記磁性体の上方に配置されることを特徴とする請求項6に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定装置。
【請求項11】
さらに、前記加熱装置と試験を受ける前記磁性体とを支持する固定装置が含まれていることを特徴とする請求項6に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定装置。
【請求項12】
前記温度センサが、試験を受ける前記磁性体に密接に接触していることを特徴とする請求項6に記載の温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、物理科学の分野に関し、特に核磁気共鳴の分野に関する。具体的に、本発明は、温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、磁性体の温度パラメータの測定に、引張り方法、すなわち、あらかじめ設定された温度で試験コイルを引っ張る方法が広く用いられている。試験試料が試験コイル内の石英管内部に配置されている間に、この温度下における試料の磁気特性が、試験コイルの引張り方法によって測定され、記録される。この測定装置の主たる欠点は、毎回試験コイルを手動で引っ張らなければならず、従って、各試料の測定精度が、オペレータの手動引っ張り速度によって決まるという点にある。引張り速度の誤差が比較的大きい場合、測定精度の偏差が顕著であり、この装置の手動操作による誤差が非常に大きくなるという克服不可能な欠点をもたらすことになる。さらに、この測定装置は、毎回1つの試料磁性体の試験だけしか実施することができず(手動引張りの制限のため)、従って、この測定装置を試験手順に利用すると、時間、費用、及び、エネルギー的に問題となる浪費を生じることになる。さらに、この測定装置には、毎回測定結果の脆弱性及び低再現性を伴う等の欠点がある。
【0003】
従来技術文献には、磁気遮蔽マスク内部のデスク上に加熱炉を備えた装置の開示がある(例えば、特許文献1参照)。試料室及び試料材料が加熱炉内に配置され、加熱路は冷却ジャケットによって密閉され、断熱カバーによって覆われている。プローブ及びその支持体がデスクに固定されている。プローブ、磁力計、及び、作図器が直列に接続され、熱電対が作図器に接続されている。しかし、この装置は、比較的複雑な構造をしていて、磁石試料の温度パラメータを測定するには特殊装置が必要になり、従ってコストが比較的高い。
【0004】
現在のMRI(磁気共鳴断層撮影)システムでは、均一なバックグラウンド磁場を実現するために、アモルファス合金のような磁性体が一般に用いられる。しかし、今日、磁性体(例えば、アモルファス合金)の供給業者によって、その製品の温度パラメータが提供されることはめったにない。MRIシステムの磁石を設計し、その安定性を推定するには、関連磁性体の温度パラメータを得ることが重要になる。
【0005】
MRIシステムを製造するメーカの一部にとっては、その製品における永久磁石または強磁性体の温度パラメータを得ることが不可欠である。しかし、温度パラメータを得るために新たな装置を購入すると、コストが増大し、測定結果は正確ではない。
【0006】
【特許文献1】中国実用新案出願公開第98241658.X号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明の課題は、温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性を測定し、既存の磁気共鳴断層撮影システムによって磁性体の温度パラメータを正確に測定する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性を測定する方法において、
磁気共鳴システムの磁場の有効範囲内の任意の1つの点Aにプローブを設けて、この点Aの磁気共鳴信号を測定し、磁気共鳴システムの処理装置によって、前記点におけるバックグラウンド磁気誘導B0を計算するステップと、
前記点Aに試験を受ける磁性体を配置し、磁気共鳴システムの温度制御装置によって、試験を受ける磁性体を加熱する加熱装置を制御し、温度センサを用いて磁性体の温度を収集し、前記プローブを用いて磁気共鳴情報を測定し、前記MRシステムの処理装置によって、前記磁気共鳴情報に基づいて、さまざまな温度に対する前記点Aにおける磁性体の磁気誘導を計算するステップと、
前記各磁気誘導から前記バックグラウンド磁気誘導B0を減算し、それらの各温度における前記磁性体自体の磁気誘導を求め、温度に対する、試験を受ける磁性体の磁気誘導の変動特性を得るステップとが含まれている。
【0009】
前記プローブは送受信コイルとこのコイルに配置された試料検出球とから構成され、前記送受信コイルは、前記検出球に無線周波数パルス列を送り、検出球を活性化させて磁気共鳴信号を発生させ、前記磁気共鳴信号を受信して、前記検出球の位置における磁気誘導を計算する磁気共鳴システムの処理装置にフィードバックする。
【0010】
前記試料検出球は水素または炭素を含んでいる。
【0011】
前記磁気共鳴システムの温度制御装置が前記加熱装置及び前記温度センサを制御するステップは、
前記温度センサによって収集された試験を受ける前記磁性体の現在温度が事前設定温度より低い場合には前記温度制御装置が、試験を受ける前記磁性体を定格電力で加熱するように前記加熱装置を制御するステップと、
前記温度センサによって収集された試験を受ける前記磁性体の現在温度が事前設定温度より高い場合には前記温度制御装置が、試験を受ける前記磁性体を定格電力より低い事前設定電力で加熱するように前記加熱装置を制御するステップと
を含んでいる。
【0012】
前記加熱装置は、熱伝導モード、熱放射モード、または、両方の組み合わせモードを利用して、試験を受ける前記磁性体を加熱する。
【0013】
温度に対する磁性体の磁気誘導の変動特性の測定装置において、
磁気共鳴システムの磁場の有効範囲内に配置され試験を受ける磁性体と、
試験を受ける前記磁性体の温度を収集する温度センサと、
試験を受ける前記磁性体を加熱する加熱装置と、
前記温度センサから信号を受信して、試験を受ける前記磁性体を加熱するように前記加熱装置を制御する温度制御装置と、
前記磁場の有効範囲内の特定の点における磁気誘導を検出するプローブと、
前記プローブによって測定された磁気共鳴信号を受信して、前記点における磁気誘導情報を計算するための磁気共鳴システムの処理装置と
が含まれている。
【0014】
前記プローブは送受信コイルとこのコイルに配置された試料検出球とから構成され、前記送受信コイルは、前記検出球に無線周波数パルス列を送り、検出球を活性化させて磁気共鳴信号を発生させ、前記送受信コイルが、前記磁気共鳴信号を受信して、前記検出球の位置における磁気誘導を計算する磁気共鳴システムの処理装置にフィードバックする。
【0015】
前記試料検出球は水素または炭素を含んでいる。
【0016】
前記温度制御装置は、磁気共鳴システムの温度制御装置、または、磁気共鳴システムから独立した温度制御装置である。
【0017】
試験を受ける前記磁性体は前記加熱装置の上方に配置され、前記プローブは試験を受ける前記磁性体の上方に配置される。
【0018】
前記加熱装置と試験を受ける前記磁性体とを支持する固定装置も含まれている。
【0019】
前記温度センサは前記未知の磁性体に密接に接触している。
【0020】
本発明の有用な効果は、既存のMRIシステムを利用して、コストを低下させ、精度を高めて、磁性体の温度パラメータを測定することが可能になる点にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下において添付の図と組み合わせて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1には、本発明のフローチャートが示されている。
【0023】
磁気共鳴(MR)装置の磁場の有効範囲内の任意の1つの点Aにプローブが設けられている。プローブによってこの点AのMR信号が測定され、MRシステムの処理装置によって、バックグラウンド磁気誘導B0が計算される。
【0024】
プローブは、中心に水素を含む小球fを備えたコイルgである。MRIシステムによって、人体組織に関する共鳴信号が最適化されるので、小球fは人体組織と同様のシリカゲル製であると望ましい。代わりに、検出球の製造に炭素質材料を用いることも可能であり、MRシステムの炭素測定の特性を利用して、小球fにおけるMR信号を得ることが可能である。MRシステムにはプローブが接続され、MRシステムの処理装置によって、無線周波数パルスを送り出すようにコイルgが制御される。コイルgは、既存のMRIシステムにおける一般的な送受信コイルである。パルスによってシリカゲル小球fが活性化してMR信号を発生し、コイルgがこの信号を受信して、MRシステムに送り、MRシステムでは、これを解析して共鳴周波数f0を得ると、B0=2πf0/γにより点Aにおける現在のバックグラウンド磁場の磁気誘導B0を算出する(γは水素の磁気回転比であり、γ=2.68×108rad/(s×T)である。ここで、radはラジアンを表わし、sは秒を表わし、Tはテスラを表わしている。)。
【0025】
試験を受ける磁性体が前記点Aに設けられる。MRシステムの温度制御装置は、試験を受ける磁性体を加熱するように加熱装置を制御する。温度センサは、前記磁性体の温度を収集し、プローブはMR情報を測定する。MRシステムの処理装置は、この情報に基づいて、さまざまな温度下にあり試験を受ける磁性体の点Aにおける磁気誘導を計算する。
【0026】
試験を受ける磁性体、加熱装置、及び、非磁性重量体(ベース)は、互いに固定されている。加熱装置は、試験を受ける磁性体に密接に接触するように配置され、熱伝導によって磁性体を加熱する。あるいはまた、加熱装置は、試験を受ける磁性体が配置された空間につながれて、熱放射によって磁性体を加熱する。試験を受ける磁性体には温度センサが固定されており、加熱装置と温度センサは、それぞれ、MRシステムの温度制御装置の出力端と温度収集端子とに接続されている。試験を受ける磁性体、加熱装置、及び、非磁性重量体は、MRI領域内の点Aに配置されており、試験を受ける磁性体は点Aにできるだけ近接して配置されている。MRシステムの温度制御装置の端子が利用できない場合、加熱装置及び温度センサに接続され、比例積分微分(PDI)制御のような何らかのアルゴリズムによって加熱電流出力を調整し、それにより加熱装置の温度を制御する追加温度制御装置を利用することも可能である。
【0027】
温度制御装置は、試験を受ける前記磁性体を事前設定温度T1まで加熱するように、前記加熱装置を制御する。
【0028】
点Aにおいて事前設定温度T1で試験を受ける磁性体のMR信号が測定され、この点Aにおける磁気誘導B1が計算される。
【0029】
試験を受ける磁性体はT2まで加熱される。
【0030】
点AにおいてT2で試験を受ける磁性体のMR信号が測定され、この点Aにおける磁気誘導B2が計算される。
【0031】
試験を受ける磁性体は、T3、T4、...Tnまで加熱され、点AにおいてT3、T4、...Tnでの磁性体の対応するMR信号がそれぞれ測定され、磁気誘導B3、B4、...Bnが計算される。
【0032】
前記各磁気誘導からバックグラウンド磁気誘導B0を減算し、それらの各温度における前記磁性体自体の磁気誘導(バックグラウンド磁場の磁気誘導を除く)が求められ、その結果、温度に対する試験を受ける磁性体の磁気誘導の変動特性が得られる。
【0033】
点Aにおける温度T及び磁気誘導Bの曲線が描かれている。点Aが試験を受ける磁性体に極めて近接しているので、温度変動に対するバックグラウンド磁場B0内の強磁性体の特性を求めることが可能である。
【0034】
もちろん、さまざまな温度下において試験を受ける磁性体の磁気誘導は最初に測定することが可能であり、次に、MRIの有効磁場から磁性体を取り除いて、バックグラウンド磁気誘導が測定される。その後、磁性体自体の磁気誘導が計算され、温度変動に対する、試験を受ける磁性体の特性曲線を得ることが可能になる。
【0035】
図2には、本発明による装置の概略図が示されている。本MRIシステムの場合、MRIの有効撮像範囲内の点Aのすぐ下に、固定装置bが設けられている。固定装置bは、試験を受ける磁性体eを固定するために、病院用ベッドaに設けられている。この例の場合、磁性体eは強磁性である。固定装置bには加熱装置cが設けられている。加熱装置cは、単純な構造の金属片を用いて、試験を受ける強磁性体を加熱するか、あるいは、温度を維持するのが望ましい。磁場の干渉を軽減し、温度パラメータの測定精度を高めるために、金属片にはアルミニウムのような非磁性金属材料を選択することが可能である。加熱装置cは、試験を受ける強磁性体に密接に接触させることもできるし、あるいは、その強磁性体から特定の距離を保つことも可能である。それらが接触する方法については本明細書において制限されない。加熱装置cは試験を受ける磁性体の上側または下側に密着させることが可能である。試験を受ける磁性体は加熱装置内に配置することも可能であり、加熱装置cは試験を受ける磁性体を半密閉状態にしたまま加熱する。熱損失及び温度低下を最小限に抑えることを主目的として、熱放射によって試験を受ける磁性体を加熱することも可能である。温度センサdは、未知の強磁性体に密接に接触した状態で、試験を受ける磁性体の温度をリアルタイムで測定するために利用される。温度制御装置は、温度センサd及び加熱装置cに接続されて、温度センサdから温度測定情報を受信し、その加熱プロセスにおいて加熱装置cを制御するために利用される。温度制御装置として、本MRIシステム内の温度制御装置とMRIシステムからは独立した追加温度制御装置との両方を採用することが可能である。プローブは送受信コイルgとこのコイルg内のシリカゲル小球fとから構成されている(図3に示されている)。送受信コイルgはMRIシステムの局部コイル端子に接続されており、一方シリカゲル小球fはコイルの中心においてコイルgによって包囲されている。シリカゲル小球は、コイルgによって送られるRF信号によって活性化し、MR信号を発生する。次に、この信号がコイルgによって受信され、解析のためにMRシステムに送られる。小球fの共鳴周波数は計算することが可能である。この周波数に基づいて、シリカゲル小球fの範囲内の平均磁気誘導Bを計算することができる。プローブは、試験を受ける磁性体の測定点に接触しており、従って、プローブの磁気誘導Bの計算は、試験を受ける磁性体の磁気誘導を求めることを意味する。多くの磁性体は、磁場内で励起されると、十分に均一ではない磁場を発生するので、ガウスメータのような一般的な磁気誘導測定装置によって正確に測定できることはめったにない。ガウスメータのプローブは、サイズが比較的大きいので、磁場内の特定の点における磁気誘導を正確に測定することはできない。しかし、本発明におけるプローブは極めて小さくすることが可能であり、従って、プローブの有効範囲内の磁場の均一性は比較的向上する可能性がある。従って、磁場内の特定の点について正確な測定が実施可能になる。磁場の測定に用いられる本MRシステム内の装置は、シムアレイと呼ばれ、主としてMRシステム内の均一な磁場の補正(デバッギング)に用いられ、複数の点における磁場を同時に測定するために1つの円弧または半円弧上に分散された複数のプローブを含んでいる。本発明においては1つのプローブだけが必要である。シムコイル内にプローブを直接導入するか、あるいは、シムコイル上により小さいコイルが作られるようにすることが可能である。得られた磁気誘導はシリカゲル小球fの空間内における平均値であるので、小球fが十分に小さければ、「点測定」が実現され得る。MRシステムの処理装置は、RFパルスと信号収集との制御(送信および受信)に利用される。MRシステムはここでは直接利用されるので、MRシステムの局部コイルの接続にいったん用いられた端子にプローブ(シリカゲル小球を包囲するコイル)を接続することだけが必要であり、これによって、システムが動作可能になる。
【0036】
試験を受ける上記磁性体、加熱装置、温度センサおよびプローブは、全て、単一でも、複数でもかまわない。複数の磁石の温度パラメータは同時に測定することが可能である。
【0037】
温度センサは、試験を受ける磁性体に密着しており、センサの出力ラインはMRシステムの温度制御装置に接続されている。温度制御装置は、温度センサによって測定された現在温度に基づいて適切な出力電圧及び電流を計算し、加熱装置に出力する。温度制御装置は下記のステップを実施するのが望ましい。温度制御装置は、試験を受ける磁性体の、温度センサによって測定された現在温度と、事前設定温度とに基づいて、最適の電流を計算し、加熱装置に出力する。例えば、現在温度がまだ事前設定温度(例えば10℃)に達していない場合、出力は加熱のための定格電力になり、試料の現在温度が既に事前設定温度(例えば10℃)を超えている場合、出力電力は、オーバシュート(温度が目標温度を過度に超える)を阻止するために例えば定格電力の10%まで低減することが必要になる。試料温度が目標温度以下で安定している場合、加熱装置から得られた熱及び環境温度の相違によって失われる熱をならし、その結果試料温度を目標温度以下で安定した状態に保つことができるようにするために、出力電流を動的にかつ瞬時に変化させることが必要になる。
【0038】
全ての永久磁石磁気共鳴システムにおいては、温度が指定値を超えると、磁石が影響を受けるので、主として、動作プロセス中のシステムの温度を制御するために温度制御装置が設けられている。温度を直接制御するために、試験を受ける磁性体に追加温度センサ及び加熱装置を追加し、他方の端部をMRシステムの温度制御装置に接続することだけが必要である。MRシステムの温度制御装置の全ての出力チャネルが使用されている場合、同じ外部温度制御装置を外部から接続して、試験を受ける磁性体の温度を制御し、磁性体の温度と磁気誘導との関係を測定することが可能である。
【0039】
本発明の有用な効果は、MRIシステムを利用して、強磁性体の温度パラメータを簡便にかつ正確に得ることができる点にあり、本発明によれば、MRIシステムに関するさらなる用途が得られる。さらに、本発明及びその装置は、構造が単純で、コストがそれほど高くない。
【0040】
ここに開示の実施形態は、例証のためのものとみなすべきであり、制限のためのものとみなすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のフローチャート
【図2】本発明による装置の概略図
【図3】本発明によるプローブの1つの実施形態の概略図
【符号の説明】
【0042】
a 病院用ベッド
b 固定装置
c 加熱装置
d 温度センサ
e 磁性体
f シリカゲル球体
g 送信コイル
【出願人】 【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【出願日】 平成19年7月18日(2007.7.18)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖


【公開番号】 特開2008−23339(P2008−23339A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−186736(P2007−186736)