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【発明の名称】 通常のシステム動作の間に撮像チェーンの問題点を事前対応的に検出するためのシステム及び方法
【発明者】 【氏名】トーマス・ジェイムズ・サボーリン

【氏名】グレゴリー・チャールズ・ストラットン

【氏名】マイケル・リチャード・モーリッツ

【要約】 【課題】システムが通常動作に使用されているときに実行できる能動型システムヘルス監視機能を提供する。

【構成】本発明のある種の実施形態は、医用撮像システム(100)の通常動作モードの間に該撮像システム(100)に関する診断を実施するための方法であって、探触子(115)によって診断ベクトルを発射する工程と、該診断ベクトルに少なくともその一部で基づいて信号データを回収する工程と、該信号データを処理して診断ステータスを決定する工程と、を含む方法を提供する。この診断ステータスは、医用撮像システム(100)の少なくとも1つの構成要素の動作条件を指示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用撮像システム(100)の通常動作モードの間に該撮像システム(100)に関する診断を実施するための方法であって、
探触子(115)によって診断ベクトルを発射する工程と、
前記診断ベクトルに少なくともその一部で基づいて信号データを回収する工程と、
前記信号データを処理して診断ステータスを決定する工程であって、該診断ステータスは医用撮像システム(100)の少なくとも1つの構成要素の動作条件を指示している決定工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記診断ベクトルは撮像システム(100)の前記少なくとも1つの構成要素の動作条件の決定を支援するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記診断ステータスは医用撮像システム(100)の撮像チェーンのうちのある構成要素の動作条件を指示している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記診断ベクトルを走査シーケンス内に挿入する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記診断ベクトルは、前記探触子(115)が空気中にあるときに発射がなされるように前記走査シーケンス内に挿入されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記診断ベクトルは、通常の撮像動作が中断されるほぼ直前に発射がなされるように前記走査シーケンス内に挿入されている、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記診断ベクトルは、通常の撮像動作が開始されるほぼ直前に発射がなされるように前記走査シーケンス内に挿入されている、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
医用撮像システム(100)のステータスを評価するためのシステムであって、
通常のシステム動作の間に診断ベクトルを発射するように適応させ、かつ該診断ベクトルに少なくともその一部で基づいて信号を回収するように適応させた収集構成要素と、
前記信号に少なくともその一部で基づいて医用撮像システム(100)の構成要素の診断ステータスを決定するように適応させた処理構成要素と、
を備えるシステム。
【請求項9】
前記診断ステータスを解析するように適応させたシステムヘルスモニタ(225)をさらに含む請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理構成要素は診断ステータスを決定するための1つまたは複数の処理モジュールを含む、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は全般的には医学的撮像に関する。本発明は具体的には、通常のシステム動作の間に撮像チェーンの問題点を事前対応的に検出するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像システムは、X線システム、コンピュータ断層(CT)システム、超音波(US)システム、電子ビーム断層撮像(EBT)システム、磁気共鳴(MR)システム、その他などの多種多様な撮像様式を包含している。撮像システムは、患者などの対象の画像を作成する。この画像は例えば、エネルギー源やエネルギー波に対する曝露を介して作成されることがある。例えば超音波ビームを患者内に伝播させ、患者内部の骨や組織から反射されたエコー信号を生成させることがある。別の例では、X線源を用いて対象を通過させるX線を発生させることがある。このX線はその一部が対象によって吸収されることがあり、また対象を通過したエネルギーに基づいて画像が作成されることがある。
【0003】
作成された画像は多くの目的で使用されることがある。例えば、対象にある内部欠陥が検出されることがある。さらに、内部構造や整列状態の変化が決定されることがある。対象内部の流体フローが示されることがある。さらに、この画像は対象内の構造の有無を示すことがある。
【0004】
医用撮像システムによって作成された画像は、担当医が正確な診断を行うのを支援するために使用されることがある。例えば担当医は、1つまたは複数の画像を用いて患者内である病変その他の異常構造を視覚的に特定することがある。別の例では担当医は、一連の患者往診にわたって得られた画像を比較してある構造の進行を検査すること、かつ/または処置の有効性を評価することがある。すなわち、担当医は病変の大きさ及び/または形の変化といった形態的変化を調べ、その特徴及び/または治療の有効性を評価することがある。
【0005】
例えば超音波撮像システムでは、一連のビームまたは音波が探触子によって生成される。送信された音波は走査対象で反射または散乱を受ける。ある音波はその一部が反射されるのみであることがある。反射された信号は探触子によって受信される。受信した信号は次いで、探触子から読み出されて処理され、ディジタル画像が作成される。
【0006】
超音波撮像システムが発生させる超音波ビームは走査シーケンスに基づく。この走査シーケンスは、探触子により発生させるビームのパラメータを指定している一連のベクトルを含む。このパラメータは例えば振幅及び方向を含むことがある。このベクトルは希望する画像の種類及び/または走査モードに基づくことがある。例えばBモード画像では、その走査シーケンスは2次元画像を作成するある面にわたってビームを扇形に広げるための一連のベクトルを指定することがある。別の例では、血流を調べるためにパルス波モードを使用することがある。走査シーケンスは様々な種類のベクトルを含むこと、かつ/またはこれらを混合させることがある。例えばある走査シーケンスは、86本のカラービームと混合させた100本のBモードビームを含むことがある。
【0007】
走査シーケンスに含まれることがある別のタイプのベクトルは「ジャンク(junk)」ベクトル、すなわち「条件付け(conditioning)」ベクトルである。ジャンクベクトルは、後続のベクトルのため及び/または切り替えモード時の初期条件を設定するために使用されることがある。ジャンクベクトルは例えば、後続のベクトルが組織内に音響エネルギーを有することが望ましい場合に発射される。例えばカラー発射シーケンス0〜10では、発射−1のところでこのシーケンスに1つのジャンクベクトルが追加され、実際のカラー発射について組織内の音響エネルギーに関する副次的影響が同じになるようにしている。
【0008】
ビームから反射された信号は超音波探触子によって受信される。次いで反射された信号は超音波システムの撮像チェーンによって処理される。すなわち、探触子のトランスジューサから信号が読み出された後に処理され、1つまたは複数の画像が作成される。
【0009】
超音波システムなどの目下の医用撮像システムは、撮像性能に関する問題点を評価するためにシステム上に常駐させたシステム診断を含むことがある。こうした診断システムは受動的である。すなわち、現場のサービス担当者及び/またはオペレータが診断を手動で起動させなければならない。例えば現場サービスエンジニアが直にあるいは遠隔で1つまたは複数の診断チェックを手動で起動させることがある。これらの診断を実行するとシステムのユーザにとってダウンタイムが生じることになる。換言すると、診断システムが利用されている間は撮像システムをその通常動作に使用することができない。したがって、システムが通常動作に使用されているときに実行できる能動的なシステムヘルス監視機能を有することが極めて望ましい。
【0010】
撮像システムのある面は容易に監視することができる。例えば、電源電圧、システム温度またはネットワーク接続のデータ誤り率はそのステータスのチェックを比較的簡単に行うことができる。しかし目下の方式は画像チェーンのステータスを能動的に監視することが不可能である。すなわち、より大きいあるいは進行中のシステム障害を示すことがある撮像チェーンの障害、エラー及び/またはアーチファクトは目下の方式では容易に監視することができない。したがって、画像チェーンのステータスを能動的に監視することが可能であることが極めて望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、システムが通常動作に使用されているときに実行できる能動型システムヘルス監視機能に対する要求が存在する。さらに、画像チェーンのステータスを能動的に監視する能力に対する要求が存在する。したがって、通常のシステム動作の間に撮像チェーンの問題点を事前対応的に検出するためのシステム及び方法に対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある種の実施形態は、探触子によって診断ベクトルを発射する工程と、診断ベクトルに少なくともその一部で基づいて信号データを回収する工程と、この信号データを処理して診断ステータスを決定する工程と、を含む医用撮像システムの通常動作モードの間に該撮像システムに関する診断を実施するための方法を提供する。この診断ステータスは医用撮像システムの少なくとも1つの構成要素の動作条件を指示する。
【0013】
本発明のある種の実施形態は、収集構成要素及び処理構成要素を含む医用撮像システムのステータスを評価するためのシステムを提供する。収集構成要素は通常のシステム動作の間に診断ベクトルを発射するように適応させている。収集構成要素は診断ベクトルに少なくともその一部で基づいて信号を回収するように適応させている。処理構成要素は該信号に少なくともその一部で基づいて医用撮像システムの構成要素の診断ステータスを決定するように適応させている。
【0014】
本発明のある種の実施形態は、コンピュータ上で実行させるための発射ルーチン、収集ルーチン及び処理ルーチンを含んだ命令組を含むコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。発射ルーチンは診断ベクトルを発射するように構成されている。収集ルーチンは、診断ベクトルに少なくともその一部で基づいて信号を回収するように構成されている。処理ルーチンは、該信号に少なくともその一部で基づいて医用撮像システムの構成要素の診断ステータスを決定するように構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上述した要約、並びに本発明のある種の実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読むことによってさらに十分な理解が得られよう。本発明の例証を目的として、図面ではある特定の実施形態を示している。しかし本発明は、添付の図面に示した配置や手段に限定するものではないことを理解すべきである。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に従った医用撮像システム100を表している。医用撮像システム100は、収集サブシステム110、収集ハードウェア115、画像表示サブシステム120、メモリ構成要素130、インタフェース構成要素140、及び受動型診断サブシステム150を含む。収集サブシステム110は、収集ハードウェア115及びメモリ構成要素130と連絡している。収集ハードウェア115は、収集サブシステム110及びメモリ構成要素130と連絡している。画像表示サブシステム120は、メモリ構成要素130及びインタフェース構成要素140と連絡している。インタフェース構成要素140は、収集サブシステム110及び画像表示サブシステム120と連絡している。受動型診断サブシステム150は、収集サブシステム110と連絡している。
【0017】
収集サブシステム110は、ハードウェア制御構成要素及び/または表示制御構成要素を含むことがある。ハードウェア制御構成要素は収集ハードウェア115を制御する。例えばハードウェア制御構成要素は、収集ハードウェア115を用いた画像の収集を構成しかつ開始させることがある。表示制御構成要素は、収集ハードウェア115が収集したデータに対応する情報を提供する。表示制御構成要素は、この情報を例えばメモリ構成要素130内に保存することがある。
【0018】
収集ハードウェア115は、医用画像を作成するための信号データを収集するように適応させている。収集ハードウェア115は例えば、超音波トランスジューサなどの探触子及び読み出し用電子回路を含むことがある。収集ハードウェア115は超音波などのエネルギーを放出することがあり、かつこの放出されたエネルギーに少なくともその一部で基づいて信号データを受信することがある。収集ハードウェア115は収集した信号データをメモリ構成要素130に提供する。
【0019】
画像表示サブシステム120は、1つまたは複数の処理モジュールを含むことがある。処理モジュールは、メモリ構成要素130内のデータの処理及び/または表示のために使用される。さらに、画像表示サブシステム120は、メモリ構成要素130内のデータなどのデータの処理及び/または表示を支援またはサポートするために追加的なユーティリティ、ライブラリ及び/またはモジュールを含むことがある。
【0020】
メモリ構成要素130は、収集ハードウェア115から収集したデータを保存、保持及び/または提供するように適応させている。例えばメモリ構成要素130は、収集ハードウェア115から収集した信号データを保存することがある。別の例ではメモリ構成要素130は、処理及び/または表示のために保存されている信号データを画像表示サブシステム120に提供することがある。メモリ構成要素130は例えば、フレーム及び/またはボリュームにグループ分けして信号データを保存するように適応させることがある。信号データからなるフレームは例えば2次元面とすることや3次元ボリュームとすることがある。さらにメモリ構成要素130は、保存されているデータ種別、性質及び/またはコンテンツに関連するタグなどの関連付け情報を管理するように適応させることがある。この関連付け情報は、例えば収集サブシステム110によって提供されることがある。関連付け情報は、収集ハードウェア115に関する撮像深度などの構成パラメータを含むことがある。メモリ構成要素130は例えばシネメモリとすることがある。
【0021】
インタフェース構成要素140は、収集サブシステム110及び/または画像表示サブシステム120を制御するように適応させている。例えばインタフェース構成要素140は信号データの収集を開始させるように収集サブシステム110を制御することがあり、また次いで収集したデータを処理して医用画像を作成した後にこの医用画像を表示させるように画像表示サブシステム120を制御することがある。インタフェース構成要素140はユーザによって使用されることがある。例えば担当医は、データの収集、データの処理及び処理済みデータの医用画像としての表示をさせるように撮像システム100を構成するためにインタフェース構成要素140を使用することがある。
【0022】
受動型診断サブシステム150は、医用撮像システム100の1つまたは複数の構成要素に対する1つまたは複数の診断テストを開始及び/または実施するように適応させている。受動型診断サブシステム150は、現場サービス担当者やオペレータなどユーザからのコマンドの時点でテストを開始及び/または実施する。ユーザは、受動型診断サブシステム150に対して手作業で1つまたは複数の診断テストの開始及び/または実施をさせる。受動型診断テストは現場で開始させることや、遠隔式で開始させることがある。すなわちユーザは、例えばユーザが医用撮像システム100に対して物理的に近くにいるときに、あるいはネットワークを介した遠隔式で、受動型診断サブシステム150にテストを開始させる。受動型診断サブシステム150の動作中に医用撮像システム100は、信号及び/または画像に対する収集、処理及び/または表示などの通常動作に使用できないことがある。ある種の実施形態では、その医用撮像システム100は受動型診断サブシステム150を含まない。
【0023】
動作時においてユーザは典型的には、インタフェース構成要素140を用いて医用撮像システム100による医用画像の収集に関する構成及び/または開始を行う。例えばユーザは、収集しようとする一連の画像、並びに使用しようとする1つまたは複数の撮像モードを指定することがある。例えば超音波システムでは、ユーザは一連のBモード画像が収集されるように撮像システムを構成することがある。
【0024】
インタフェース構成要素140は、収集サブシステム110及び/または画像表示サブシステム120に対するユーザの入力に基づいてコマンド及び/またはデータを送信する。例えばインタフェース構成要素140は、パルス波モードが使用されることを収集サブシステムに指示することがある。収集サブシステム110は一方、インタフェース構成要素140からのコマンド及び/またはデータに基づいて走査シーケンスを作成することがある。走査シーケンスは上で検討したように、所望の信号データを収集するための超音波ビームを発生させるように構成させた1つまたは複数のベクトルを含むことがある。
【0025】
収集サブシステム110は、走査シーケンス内のベクトル(複数のこともある)に基づいて超音波ビームを発生させるように収集ハードウェア115を制御する。例えば収集ハードウェア115は、データを収集するために収集サブシステム110からのベクトル(複数のこともある)に基づいてビーム形成することがある。収集ハードウェア115は、例えば超音波トランスジューサを用いてビームを発射または放出することがある。
【0026】
ある種の実施形態では、放出されたエネルギーからの反射エネルギー及び/または散乱エネルギーが少なくともその一部で収集ハードウェア115によって検知される。例えば、反射された超音波エネルギーが、収集ハードウェア115内の超音波トランスジューサにある1つまたは複数のチャンネルによって検知されることがある。受信信号はトランスジューサから読み取られ、メモリ構成要素130内に保存される。1つまたは複数のベクトルからの受信信号を合成して1つの画像フレームが作成されることがある。
【0027】
Bモードやパルス波データを収集するように構成されたベクトル以外に、本発明の実施形態は診断ベクトルに対応している。診断ベクトルは、医用撮像システム100の1つまたは複数の構成要素に関連するデータを収集するように適応させることがある。すなわち、2次元医用画像の作成に対応するように構成されたBモードベクトルと異なり、診断ベクトルは、医用撮像システム100の1つまたは複数の構成要素の診断ステータスを決定するために使用し得るような診断データの収集を可能とさせるようにパラメータによって指定される。診断ステータスは、例えば構成要素の動作条件を指示することがある。各診断ベクトルの設計及び設定は、システムのうちのテストしようとする部分に合わせてカスタマイズされることがある。例えば診断ベクトルは、医用撮像システム100の撮像チェーンの1つまたは複数の構成要素に関する診断ステータスの決定を支援し、該構成要素(複数のこともある)の適正または不適正な機能を指示するように構成されることがある。
【0028】
ある種の実施形態では、1つまたは複数の診断ベクトルが走査シーケンス内に多くの回数挿入されることがある。ある種の実施形態では、医用撮像システム100の通常動作の間に走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルが挿入される。例えば複数の診断ベクトルが連続的に走査シーケンス内に挿入されることがある。別法として、Bモードやカラードプラ・ベクトルなど1つまたは複数の非診断ベクトルによって分離させて走査シーケンス内に複数の診断ベクトルが挿入される。
【0029】
ある種の実施形態では、診断ベクトルがフレームごとに1回の割合で走査シーケンス内に挿入されることがある。ある種の実施形態では、医用撮像システム100が待機状態のときに診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入される。ある種の実施形態では、条件付けすなわちジャンクベクトルの代わりに診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入される。例えば、それに対する信号データを無視し得るような条件付けベクトルを挿入するのではなく、条件付けベクトルと同様の目的を果たし得る診断ベクトルが挿入されることがあり、またこれが医用撮像システム100の1つまたは複数の構成要素に関連する診断ステータス情報の収集に使用されることがある。
【0030】
ある種の実施形態では、探触子が空気中にあるときに診断ベクトルが発射されることがある。超音波探触子のケースでは、探触子が撮像対象と接触状態にないときに、例えば医用撮像システム100は探触子が空気中にあることを判定することができ、また走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルを挿入する機会を利用することができる。例えば、トランスジューサの音響的リングダウンが存在するような極めて浅い深度において1つまたは複数の診断ベクトルから受信した信号が調べるられることがある。別法として、リングダウンが全く存在しない(したがって、受信される信号がほとんどなく受信パターンがないような)これより深い深度において受信した信号内に存在するノイズが調べられることがある。いずれかのケース、あるいはこれら両方のケースにおいて、医用撮像システム100の収集ハードウェア115及び/または読み取りチャンネルの1つまたは複数の素子のステータスがテストされることがある。
【0031】
医用撮像システム100は、フリーズモードに対応することがある。フリーズモードとは、例えばプリントや保存のために目下表示されている画像を観察する目的、あるいはメモリ構成要素130からの以前の画像(これもプリントまたは保存されることがある)を検討する目的で、ユーザがデータのライブ収集の停止を希望するときのモードである。ある種の実施形態では、医用撮像システム100がフリーズモードに入ろうとしているときに、1つまたは複数の診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入されることがある。すなわち、フリーズモードに入る直前に、1つまたは複数の診断ベクトルが発射されることがある。例えばユーザは、医用撮像システム100をフリーズモードに変えるべきであることをインタフェース構成要素140を介して指示することがある。フリーズモードに至る前に、医用撮像システム100は、通常の撮像動作と干渉しないときに1つまたは複数の診断テストを実施する機会を利用できるように走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルを挿入することがある。
【0032】
同様にある種の実施形態では、医用撮像システム100が走査を再開するためにフリーズから脱しようとしているときに走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルが挿入されることがある。すなわち、フリーズモードを離れる直前に、1つまたは複数の診断ベクトルが発射されることがある。例えばユーザは、医用撮像システム100がフリーズモードを離れるべきであることをインタフェース構成要素140を介して指示することがある。走査を再開する前に、医用撮像システム100は、診断ベクトル及び/または診断テストが通常の撮像動作と干渉しないときに1つまたは複数の診断テストを実施する機会を利用できるように走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルを挿入することがある。
【0033】
メモリ構成要素130は、信号データを保存するように適応させている。この信号データは例えば、収集サブシステム110及び/または収集ハードウェア115から収集した信号データを含むことがある。メモリ構成要素130は、個別に、及び/または1つまたは複数のフレーム及び/またはボリュームの一部分として信号データを保存することがある。例えば、その信号データを単一フレームとして保存できるようにした128個の超音波ビームを発生させるための走査シーケンスが使用されることがある。メモリ構成要素130内には、信号データ及び/またはフレームの収集に使用される走査シーケンス、走査モード及び/またはベクトルに関する情報も保存されることがある。例えばメモリ構成要素130内のデータは、データ種別及び/または該データに関連するパラメータを指示するタグと関連付けされることがある。
【0034】
収集サブシステム110及び/または収集ハードウェア115から受信した信号データを保存すること以外に、メモリ構成要素130は、画像表示サブシステム120による処理が済んだデータを保存するように適応させることがある。例えば画像表示サブシステム120は、メモリ構成要素130内に保存された1つまたは複数のフレームデータを処理し、この処理済みのフレームを画像表示サブシステム120によって表示できるようにメモリ構成要素130内に保存することがある。
【0035】
画像表示サブシステム120は、データを処理するように適応させている。このデータは例えば、メモリ構成要素130内に保存されているデータとすることがある。このデータは例えば、収集サブシステム110及び/または収集ハードウェア115からの信号データとすることがある。例えば画像表示サブシステム120は、収集ハードウェア115から収集したデータフレーム、及びメモリ構成要素130内に保存されているデータフレームを処理することがある。データの処理には例えば、データに対する信号処理、画像処理及び/または表示処理を含むことがある。例えば画像表示サブシステム120は、画像を作成するためにデータフレームに対して信号処理ルーチンを利用し、次いで画像強調のためにこれに対して画像処理ルーチンを使用することがある。最後に、画像表示サブシステム120は、ユーザに対してモニター上に表示することによってこの強調画像を処理することがある。画像表示サブシステム120は、処理済みデータ及び/または1つまたは複数の画像などのデータを、インタフェース構成要素140を用い該データに少なくともその一部で基づいて表示することがある。
【0036】
画像表示サブシステム120は、データの処理を支援するためのライブラリ、変換器、管理構成要素及び/または処理モジュールを含むことがある。このデータは例えば、1つまたは複数の処理モジュールによって処理されることがある。この処理モジュールは、データに対して様々な種類の処理を実施するようにチェーン状にされることがある。上で検討したように、画像表示サブシステム120に処理させるデータは、メモリ構成要素130内に保存されていることがある。ある処理モジュールがデータに対するその処理の実施を完了した時点で、該処理モジュールは、この処理済みデータをメモリ構成要素130内に保存することがある。次いで第2の処理モジュールが、メモリ構成要素130からこの処理済みデータを取り出し、これをさらに処理することがある。したがって、処理済みの中間データをメモリ構成要素130内に保存することによって処理モジュールをチェーン状にすることができる。別法として、ある処理モジュールから別の処理モジュールにデータを直接伝達して処理モジュールをチェーン状にすることがある。
【0037】
ある種の実施形態では、上述したデータ処理に加えて、診断信号データを処理するように画像表示サブシステム120を適応させている。この診断信号データは例えば、1つまたは複数の診断ベクトルに少なくともその一部で基づいて収集ハードウェア115によって収集されることがある。この診断信号データは、信号データや処理済みデータ及び上で検討した画像と同様に、メモリ構成要素130内に保存されることがある。ある種の実施形態では、その画像表示サブシステム120は、診断信号データを処理するために、上で検討した処理モジュールと同様の1つまたは複数の処理モジュールを含む。この診断信号データは例えば、医用撮像システム100の1つまたは複数の構成要素の診断ステータスを決定するために処理されることがある。次いでこの診断ステータスは例えば、ユーザに対して表示され、現場サービスエンジニアに対して報告され、解析のためにシステムヘルス監視構成要素に提供され、かつ/またはログファイル内に保存されることがある。この診断ステータスは例えば、構成要素の動作条件を指示することがある。例えば診断ステータスは、収集ハードウェア115の読み取り素子の動作条件を指示することがある。別の例では、診断ステータスは、医用撮像システム100の読み取りチャンネルの動作条件を指示することがある。
【0038】
一実施形態では例えば、医用撮像システム100は、チャンネルアライブ(channel−alive)テストを実施するように適応させている。このチャンネルアライブ・テストは例えば、通常のシステム動作の間に実施されることがある。ここで収集ハードウェア115が128個のチャンネルを含むとしてみる。収集サブシステム110は走査シーケンス内に128個の診断ベクトルを挿入することができる。この診断ベクトルは連続して挿入されることがある。別法としてその診断ベクトルは、上で検討したように別のベクトルと混合されることがある。このケースでは、各診断ベクトルが中心ベクトルと同等となるように構成されることがある。すなわちそのベクトルは、開口内の中心に位置しかつトランスジューサ表面と垂直に導かれることがある。また通常のBモード走査シーケンスが同様の構成としたベクトルを利用することがあるが、走査シーケンス内の診断ベクトルが発射されるときに、収集ハードウェア115は単一の読み取りチャンネルのみを有効にするように構成させることがある。例えば収集サブシステム110は、診断ベクトルを収集ハードウェア115に伝達し、収集ハードウェア115が発射された診断ベクトルに基づいて信号データを受信した時点で読み取りチャンネルを1つだけ有効にするように指示することがある。128個の診断ベクトルの各ベクトルごとに、128個のチャンネルのそれぞれが各ベクトルごとに1つの割合で有効にされることがある。したがって、診断ベクトルの各ベクトルごとに異なる1つのチャンネルをオンにすることによって各チャンネルからの信号データを個別に解析することができる、このことは信号データが読み取りチャンネルの大部分または全部から収集されることになる典型的なBモード走査と異なる点である。信号データは例えば、メモリ構成要素130内に保存されることがある。信号データは例えば、画像表示サブシステム120によって解析されることがある。
【0039】
一実施形態では例えば、医用撮像システム100は、異なるスペクトル特性を有するように構成した一連の診断ベクトルを利用するように適応させている。例えば各診断ベクトルは、異なるナローバンド送信パルスを使用することがある。このパルスの周波数は、収集ハードウェア115のバンド幅全体に及ぶように選択されることがある。次いで各パルスからの受信信号が受け取られて処理されて、医用撮像システム100の信号チェーンの帯域通過フィルタ処理機能が評価されることがある。別の例では、各パルスからの受信信号が受け取られて処理されて、該信号に加えられる固定式復調の性能がテストされることがある。
【0040】
上で検討したように、医用撮像システム100の構成要素、素子及び/または機能は、単独で実現されることや、例えばハードウェア、ファームウェア及び/またはソフトウェア内の命令組における様々な形態の組み合わせで実現されることがある。ある種の実施形態は、汎用コンピュータその他の処理デバイス上で実行させるためにメモリ、ハードディスク、DVDまたはCDなどのコンピュータ読み取り可能な媒体上に常駐させた命令組として提供されることがある。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態に従った医用撮像システムのためのデータ/処理フローモデル200を表している。モデル200は、メインスレッド205、1つまたは複数の収集スレッド210、1つまたは複数の表示スレッド220、システムヘルスモニタ225、及びメモリ230を含む。モデル200の幾つかの構成要素をスレッドとして図示しているが、例えば1つまたは複数の処理やタスクなど別の実行コンテキストが使用されることがあることを理解すべきである。すなわち、モデル200の構成要素は例えば、1つまたは複数の処理、1つまたは複数の処理内部の1つまたは複数のスレッド、及び/または1つまたは複数の実行コンテキスト内部の1つまたは複数のルーチンとして実現されることがある。
【0042】
収集スレッド(複数のこともある)210は例えば、収集サブシステム上で実行されること、かつ/または収集サブシステムを制御することがある。この収集サブシステムは例えば上述した収集サブシステム110と同様とすることがある。収集スレッド(複数のこともある)210は例えば、収集ハードウェア上で実行されること、かつ/または収集ハードウェアを制御することがある。この収集ハードウェアは例えば上述した収集ハードウェア115と同様とすることがある。
【0043】
表示スレッド(複数のこともある)220は例えば、処理構成要素上で実行されること、かつ/または処理構成要素を制御することがある。この処理構成要素は例えば上述した画像表示サブシステム120と同様とすること、かつ/または画像表示サブシステム120を含むことがある。表示スレッド(複数のこともある)220は、表示ルーチン及び/または処理ルーチンを含むことがある。この表示ルーチンは例えば、信号及び/または画像データを表示するように構成されることがある。この処理ルーチンは例えば、信号及び/または画像データを処理するように構成されることがある。例えば各表示スレッド220は、上述した処理モジュールと同様の処理モジュールと関連付けされることがある。
【0044】
信号及び/または画像データは例えば、メモリ230内に保存されることがある。メモリ230は例えば上述したメモリ構成要素130と同様とすることがある。
【0045】
メインスレッド205は、収集スレッド210のうちの1つまたは幾つか、並びに表示スレッド220のうちの1つまたは幾つかと連絡している。メインスレッド205は例えば、収集スレッド(複数のこともある)210及び/または表示スレッド(複数のこともある)220に対して制御データを伝達することがある。収集スレッド(複数のこともある)210及び表示スレッド(複数のこともある)220はメモリ230及びシステムヘルスモニタ225と連絡している。収集スレッド(複数のこともある)210及び/または表示スレッド(複数のこともある)220は、メモリ230に制御及び/または画像データを伝達することがある。収集スレッド(複数のこともある)210及び/または表示スレッド(複数のこともある)220はシステムヘルスモニタ225にステータスデータを伝達することがある。
【0046】
動作時においてメインスレッド205は、収集スレッド(複数のこともある)210及び表示スレッド(複数のこともある)220を制御する。メインスレッド205は例えば、収集スレッド(複数のこともある)210及び/または表示スレッド(複数のこともある)220に制御データを伝達することがある。例えばメインスレッド205は、収集スレッド210に信号データを収集すべきであることを指示する制御データを伝達することがある。別の例では、メインスレッド205は収集スレッド(複数のこともある)210と表示スレッド(複数のこともある)220の両方に対して、診断テストが開始されるべきであること、並びにその結果をシステムヘルスモニタ225に伝達してユーザに対して表示させるべきであること指示する制御データを伝達することがある。
【0047】
収集スレッド(複数のこともある)210は、信号データを収集し、これをメモリ230内に保存することがある。収集スレッド(複数のこともある)210は例えば、メインスレッド205からのコマンドに基づいて信号データを収集することがある。収集スレッド(複数のこともある)210は例えば、収集ハードウェア115を用いて信号データを収集することがある。別の例では、収集スレッド(複数のこともある)210は、収集ハードウェア115に対して1つまたは複数の診断ベクトルを提供することによって、診断信号データを収集することがある。
【0048】
ある種の実施形態では、収集スレッド(複数のこともある)205は、システムヘルスモニタ225に対して収集データの一部または全部を伝達することがある。例えば収集スレッド205は、信号データの作成に使用される走査シーケンス内に1つまたは複数のベクトルのパラメータを伝達することがある。別の例では、収集スレッド205は信号データのフレーム、並びに該フレーム内にどんな種別のデータがあるかを指示する関連付けタグを提供することがある。
【0049】
表示スレッド(複数のこともある)220は、信号及び/または画像データを処理及び/または表示することがある。この信号及び/または画像データは例えば、メモリ230内に保存されることがある。表示スレッド(複数のこともある)220は、画像データを作成するために信号データを処理することがある。例えば、第1の表示スレッド220がメモリ230内に保存されている信号データフレームを処理して画像を作成することがあり、次いで第2の表示スレッド220が作成されたこの画像をさらに処理してこれを強調させることがある。最後に、第3の表示スレッド220が強調させたこの画像をユーザに対して表示させることがある。
【0050】
表示スレッド(複数のこともある)220が1つまたは複数の処理モジュールを含むこと、かつ/または表示スレッド(複数のこともある)220が1つまたは複数の処理モジュール内に含まれることがある。例えば、各処理モジュールがそれ自身のスレッド内で動作することがある。別の例では、1つのスレッドが複数の処理モジュールを駆動することがある。処理モジュールを、信号及び/または画像データを処理及び/または変換するように適応させることがある。例えば処理モジュールは、Bモード信号データのフレームをBモード画像に変換することがある。別の例では、処理モジュールが、ユーザに対して表示させるためにインタフェース構成要素140などのユーザインタフェースにカラードプラ画像を伝達することがある。
【0051】
ある種の実施形態では、1つまたは複数の表示スレッド(複数のこともある)220が診断信号データを処理することがある。例えば診断信号データは、診断ベクトルに少なくともその一部で基づいて1つまたは複数の収集スレッド(複数のこともある)210によって収集されることがある。この診断信号データは例えば、メモリ230内に保存されることがある。診断信号データは例えば、医用撮像システム100などの撮像システムの1つまたは複数の構成要素に関する診断ステータスを決定するために処理されることがある。表示スレッド(複数のこともある)220は例えば、ユーザに対して診断信号データ及び/または診断ステータスを表示することがある。別の例では、表示スレッド(複数のこともある)220は、さらに処理及び/または解析をさせるように処理済みの診断信号データをシステムヘルスモニタ225に伝達することがある。
【0052】
システムヘルスモニタ225は、収集スレッド(複数のこともある)210及び/または表示スレッド(複数のこともある)220からデータを受け取ることがある。ある種の実施形態では、システムヘルスモニタ225はメモリ230からデータを受け取る。システムヘルスモニタ225は例えば、表示スレッド(複数のこともある)220の処理構成要素上で動作することがある。
【0053】
このデータは、診断ステータス及び/または診断信号データなどのステータスデータ及び/または信号データを含むことがある。例えば収集スレッド(複数のこともある)210は、診断信号データの収集に使用した診断ベクトルの構成に関するステータスデータを提供することがある。別の例では表示スレッド220は、さらに処理及び/または解析させるために処理済みの診断信号データをシステムヘルスモニタ225に提供することがある。
【0054】
システムヘルスモニタ225は、画像システム内の欠陥を検出するためのデータを監視するように適応させている。システムヘルスモニタ225は、診断テストをトリガ及び/または開始することがある。この診断テストは、周期的に開始されることがある。上で検討したように、多種多様な時点で及び/または多種多様な条件下で走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルが挿入されることがある。例えば、撮像システムがフリーズモードに入ろうとするときの走査の中断の直前に、1つまたは複数の診断ベクトルが発射されることがある。別の例では、走査シーケンス内にフレームごとに1回の割合で診断ベクトルが挿入されることがある。別の例では、条件付けベクトルの代わりに診断ベクトルがトリガを受けることがある。
【0055】
ある種の実施形態では、システムヘルスモニタ225は、収集スレッド(複数のこともある)210及び/または表示スレッド(複数のこともある)220から受け取った診断信号データ及び/または診断ステータスに関する解析、処理、ログ記録、及び/またはユーザへの通知を行うように適応させている。例えばシステムヘルスモニタ225は、通常のシステム動作の間に、医用撮像システム100などの医用撮像システムの様々な下位構成要素の診断テストの開始、収集した診断信号データの解析、並びに解析結果のログ記録を周期的に行うことがある。さらにシステムヘルスモニタ225は、構成要素が故障する前に修復を実施できるように、撮像システムの構成要素のステータス内で検出された異常を現場サービスエンジニアに警報することがある。同様にある種の実施形態では、システムヘルスモニタ225は、受信診断ステータスに対するその解析に基づいてログ記録及び/またはユーザへの通知を行うように適応させている。
【0056】
上で検討したように、モデル200で図示した医用撮像システムの構成要素、素子及び/または機能は、単独で実現されることや、例えばハードウェア、ファームウェア及び/またはソフトウェアの命令組の形を様々な形式で組み合わせて実現されることがある。ある種の実施形態は、汎用コンピュータその他の処理デバイス上で実行させるためにメモリ、ハードディスク、DVDまたはCDなどのコンピュータ読み取り可能な媒体上に常駐させた命令組として提供されることがある。
【0057】
図3は、本発明の一実施形態に従った医用撮像システムの画像処理/表示サブシステム300における処理フローを表している。サブシステム300は画像表示サブシステム320及びメモリ構成要素330を含む。サブシステム300は医用撮像システムのバックエンドと呼ばれることがある。
【0058】
画像表示サブシステム320は、例えば上述した画像表示サブシステム120と同様とすることがある。メモリ構成要素330は、例えば上述したメモリ構成要素130と同様とすることがある。画像表示サブシステム320は、メモリ構成要素330と連絡している。
【0059】
動作時においてメモリ構成要素330は、1つまたは複数の収集フレームを含むことがある。これらのフレームは、例えば上述した収集ハードウェア115と同様の収集ハードウェアから収集したものとすることがある。これらのフレームは、1つまたは複数の動作モード及び/またはベクトル種別に関するデータを含むことがある。例えば図3に示すように、メモリ構成要素330は、Bモードデータ、カラードプラデータ及び診断データを含むフレームを含む。
【0060】
メモリ構成要素330内の1つまたは複数のフレームは、画像表示サブシステム320内の1つまたは複数の処理モジュールによって処理されることがある。これらの処理モジュールは、例えば図2を参照しながら上述した処理モジュールと同様とすることがある。上で検討したように、処理モジュールは一体にチェーン状にされることがある。例えば図3に示すように、メモリ構成要素330内のBモードデータに対する処理は、処理モジュールP1及びP2による処理を含むことがある。P1は、例えば収集した信号データの処理フレームとすると共に、その処理結果をメモリ構成要素330に戻して保存することがある。この収集信号データは、例えば上述した収集ハードウェア115などの収集ハードウェアによって収集されることがある。処理構成要素P1による処理の結果であるフレーム出力がモジュールP2によって処理されることがある。同様にカラードプラデータは、P3及びP4によって処理されることがある。処理済みのBモード及びカラードプラデータは次いで、例えば合成画像を形成するようにデータを組み合わせることができる処理モジュールP5によって処理されることがある。P5はさらに、得られた処理済みデータをディスプレイに提供することがある。ディスプレイは、例えば上述したインタフェース構成要素140などのインタフェース構成要素の一部とすることがある。
【0061】
ある種の実施形態では、サブシステム300は診断データを処理するために1つまたは複数の処理モジュールを含む。これらの処理モジュールは例えば上で検討した処理モジュールと同様とすることがある。同様にして、診断データを取り扱うための処理モジュールを一体にチェーン状にさせることがある。例えば図3に示すように、処理モジュールP6がメモリ構成要素330から診断信号データを取り出すことがある。診断信号データを処理した後で、処理モジュールP6は、この処理済みの診断信号データをメモリ構成要素330内に戻すようにして保存し、次に処理モジュールP7がこれをさらに処理できるようにすることがある。別法として、処理モジュールP6はこの処理済みの診断信号データを処理モジュールP7に直接伝達することがある。
【0062】
診断信号データは、処理が完了した後で表示されることがある。例えば、インタフェース構成要素140などのインタフェースにこの処理済みの診断信号データが伝達されてユーザに対して表示されることがある。別の例では、この処理済み診断信号データは、上述したシステムヘルスモニタ225と同様のシステムヘルスモニタに伝達されることがある。
【0063】
上で検討したチャンネルアライブ・テストの例に戻ると、発射された診断ベクトルに基づいた信号データが収集ハードウェア115によって受け取られた後、これが読み出されて、メモリ構成要素330と同様のメモリ内に保存されることがある。モジュールP6及びP7など1つまたは複数の診断処理モジュールにより、診断信号データのフレームを解析し、各システムチャンネルが有効な情報を包含するか否かを決定することがある。この解析は例えば、各チャンネルごとに診断ステータスを決定する。処理が完了した後、得られたデータ及び/またはステータスは、例えば上述したシステムヘルスモニタ225などのシステムヘルスモニタに伝達されることがある。得られたデータ及び/またはステータスは例えば、各チャンネルの動作条件を含むことがある。次いでシステムヘルスモニタは、現場または遠隔のサービススタッフが将来参照できるようにこのデータをログ記録することや、潜在的な欠陥が検出されたことを指示する警報を現場サービスエンジニアに送ることがある。別法として、その得られたデータ及び/またはステータスは、サービスキーが撮像システム内の適所にあるときに現場サービス担当者などのユーザに対して表示されることがある。
【0064】
上で検討したように、画像処理/表示サブシステム300の構成要素、素子及び/または機能は、単独で実現されることや、例えばハードウェア、ファームウェア及び/またはソフトウェアの命令組の形を様々な形式で組み合わせて実現されることがある。ある種の実施形態は、汎用コンピュータその他の処理デバイス上で実行させるためにメモリ、ハードディスク、DVDまたはCDなどのコンピュータ読み取り可能な媒体上に常駐させた命令組として提供されることがある。
【0065】
図4は、本発明の一実施形態に従って医用撮像システムの通常動作モードの間に該撮像システムに関する診断を実施するための方法400の流れ図を表している。方法400は、以下でより詳細に記載するような各工程を含む。工程410では、診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入される。工程420では、診断ベクトルが発射される。工程430では、信号データが回収される。工程440では、信号データが処理される。方法400について、上述したシステムの構成素子に関連して記載しているが、別の実現形態も可能であることを理解すべきである。
【0066】
工程410では、診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入される。診断ベクトルは例えば上で検討した診断ベクトルと同様とすることがある。この診断ベクトルは、医用撮像システムの1つまたは複数の構成要素に関連するデータを収集するように適応させることがある。すなわち、各診断ベクトルの設計及び設定は、システムのうちのテストしようとする部分に合わせてカスタマイズされることがある。医用撮像システムは例えば上述した医用撮像システム100と同様とすることがある。
【0067】
ある種の実施形態では、走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルが多くの回数挿入されることがある。ある種の実施形態では、医用撮像システムの通常の動作の間に走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルが挿入される。例えば複数の診断ベクトルが連続的に走査シーケンス内に挿入されることがある。別法として、Bモードやカラードプラ・ベクトルなどの1つまたは複数の非診断ベクトルによって分離させて複数の診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入されることがある。
【0068】
ある種の実施形態では、その診断ベクトルは、各フレームごとに1回の割合で走査シーケンス内に挿入されることがある。ある種の実施形態では、撮像システムが待機状態にあるときに走査シーケンス内に1つの診断ベクトルが挿入される。ある種の実施形態では、条件付けすなわちジャンクベクトルの代わりに診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入される。例えば、その信号データを無視できる条件付けベクトルを挿入するのではなく、条件付けベクトルと同じ目的を果たすことが可能な診断ベクトルが挿入されることがあり、また医用撮像システム100の1つまたは複数の構成要素に関連する診断ステータス情報を収集するために診断ベクトルが使用されることがある。
【0069】
ある種の実施形態では、探触子が空気中にあるときに発射されるようにしてその診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入されることがある。例えば超音波探触子のケースでは、探触子が撮像対象と接触状態にないときに、医用撮像システム100はこれを判定することができ、かつ走査シーケンス内に診断ベクトルを挿入する機会を利用することができる。
【0070】
ある種の実施形態では、医用撮像システムがフリーズモードに入ろうとしているするときに、診断ベクトルが走査シーケンス内に挿入されることがある。すなわち、フリーズモードに入る直前に、1つまたは複数の診断ベクトルを走査シーケンス内に挿入して発射させることがある。例えばユーザは、医用撮像システム100がフリーズモードに移行すべきであることをインタフェース構成要素140を介して指示することがある。フリーズモードに至る前に、医用撮像システム100は走査シーケンス内に診断ベクトルを挿入することがあり、これにより診断ベクトル及び/または診断テストが通常の撮像動作と干渉しない時点で1つまたは複数の診断テストを実施する機会を利用することができる。
【0071】
同様にある種の実施形態では、医用撮像システムが走査を再開するためにフリーズから脱しようとしているときに走査シーケンス内に診断ベクトルが挿入されることがある。すなわち、フリーズモードを脱する直前に、走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルを挿入して発射させることがある。例えばユーザは、医用撮像システム100がフリーズモードを離れるべきであることをインタフェース構成要素140を介して指示することがある。走査を再開する前に、医用撮像システム100は走査シーケンス内に1つまたは複数の診断ベクトルを挿入することがあり、これにより1つまたは複数の診断テストを通常の撮像動作と干渉しない時点で実施する機会を利用することができる。
【0072】
工程420では、診断ベクトルが発射される。この診断ベクトルは例えば、走査シーケンスに基づいて発射されることがある。この診断ベクトルは、例えば上述した工程410で走査シーケンス内に挿入された診断ベクトルとすることがある。この診断ベクトルは、例えば上述した収集ハードウェア115などの収集ハードウェアによって発射されることがある。
【0073】
上で検討したように、診断ベクトルは多種多様な条件下で発射されることがある。例えばその診断ベクトルは所定の時間期間経過後に発射されることがある。別の例ではその診断ベクトルは、医用撮像システムがフリーズモードに入る直前に発射されることがある。
【0074】
工程430では、信号データが回収される。この信号データは診断ベクトルに基づいて回収されることがある。例えばこの信号データは、例えば上述した工程420で発射された診断ベクトルからの反射エネルギーとすることがある。
【0075】
信号データは収集ハードウェアからの読み出されてメモリ内の保存されることがある。このメモリは、例えば上で検討したメモリ構成要素130、メモリ230及び/またはメモリ構成要素330と同様とすることがある。1つまたは複数の診断ベクトルからの信号データは例えば、フレーム内に保存されることがある。
【0076】
工程440では、信号データが処理される。この信号データは例えば、工程430で回収された信号データとすることがある。信号データは、例えば診断信号データを含むことがある。信号データは、例えば上述した画像表示サブシステム120と同様の画像表示サブシステムによって処理されることがある。この信号データは、例えば上述した処理モジュールなどの1つまたは複数の処理モジュールによって処理されることがある。
【0077】
診断信号データは例えば、医用撮像システム100などの医用撮像システムの1つまたは複数の構成要素の診断ステータスを決定するために処理されることがある。次いでこの診断ステータスは例えば、ユーザに対して表示されること、現場サービスエンジニアに対して報告されること、解析及び/またはログファイル内への保存のためにシステムヘルス監視構成要素に提供されることがある。
【0078】
方法400の工程のうちの1つまたは幾つかは、単独で実現されることや、例えばハードウェア、ファームウェア及び/またはソフトウェアの命令組の形で組み合わせて実現されることがある。ある種の実施形態は、汎用コンピュータその他の処理デバイス上で実行させるためにメモリ、ハードディスク、DVDまたはCDなどのコンピュータ読み取り可能な媒体上に常駐させた命令組として提供されることがある。
【0079】
本発明のある種の実施形態では、これらの工程のうちの1つまたは幾つかが省略されること、及び/またはその工程が記載した順序と別の順序で実施されることがある。例えば本発明のある種の実施形態では、幾つかの工程が実施されないことがある。さらに別の例では、ある工程が上で記載したのと異なる時間的順序(同時を含む)で実施されることがある。
【0080】
したがって、本発明のある種の実施形態は、システムが通常の動作で使用中に実行される能動的なシステムヘルス監視機能を提供する。さらにある種の実施形態は、画像チェーンのステータスを能動的に監視する能力を提供する。さらに本発明のある種の実施形態は、通常のシステム動作の間に撮像チェーンの問題点を事前対応的に検出するためのシステム及び方法を提供する。ある種の実施形態は、システムが通常の動作で使用中に実行される能動的なシステムヘルス監視機能に関する技術的効果を提供する。さらにある種の実施形態は、画像チェーンのステータスに対する能動的な監視に関する技術的効果を提供する。さらにある種の実施形態は、通常のシステム動作の間に撮像チェーンの問題点を事前対応的に検出することに関する技術的効果を提供する。
【0081】
本発明に関してある種の実施形態を参照しながら記載してきたが、本発明の趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であると共に等価物による置換が可能であることは当業者であれば理解するであろう。さらに多くの修正形態により、本発明の趣旨を逸脱することなく具体的な状況や材料を本発明の教示に適応させることができる。したがって、開示した特定の実施形態に本発明を限定しようという意図ではなく、本発明は添付の特許請求の範囲の域内に入るすべての実施形態を包含するように意図している。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態に従った医用撮像システムの図である。
【図2】本発明の一実施形態に従った医用撮像システムのためのデータ/処理フローモデルを表した図である。
【図3】本発明の一実施形態に従った医用撮像システムの画像処理/表示サブシステムの処理フローを表した図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って医用撮像システムの通常動作モードの間に該撮像システムに関する診断を実施するための方法の流れ図である。
【符号の説明】
【0083】
100 医用撮像システム
110 収集サブシステム
115 収集ハードウェア
120 画像表示サブシステム
130 メモリ構成要素
140 インタフェース構成要素
150 受動型診断サブシステム
200 処理フローモデル
205 メインスレッド
210 収集スレッド
220 表示スレッド
225 システムヘルスモニタ
230 メモリ
300 画像処理/表示サブシステム
320 画像表示サブシステム
330 メモリ構成要素
図4 流れ図
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成19年7月9日(2007.7.9)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一

【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博

【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久

【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志


【公開番号】 特開2008−23330(P2008−23330A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−179149(P2007−179149)