トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学

【発明の名称】 自動プロトコル・アシスタンス装置
【発明者】 【氏名】バオジュン・リ

【氏名】スティーブン・ウェイン・メッツ

【氏名】ロウランド・フレドリック・サウンダーズ

【氏名】ヤクシ・シェン

【要約】 【課題】X線トモシンセシス等において、異なる患者毎に最適化された手法を達成することを支援するプロトコル・アシスタンスを自動的に提供する。

【構成】X線源(102)と、この線源から放出されるX線を受光するように配置されているX線検出器(108)と、線源及び検出器に結合されて動作するコンピュータ(110)とを含むシステム(100)であって、コンピュータ(110)は、対象の走査での曝射回数を決定し、対象の低線量AEC曝射撮影を取得するか又はPAビュー及びAPビューの少なくとも一方を取得し、初期手法を算出し、この初期手法を用いて走査を実行するか又は走査を実行しないかを決定するように構成されている、システム(100)を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源(102)と、
該線源から放出されるX線を受光するように配置されているX線検出器(108)と、
前記線源及び前記検出器に結合されて動作するコンピュータ(110)と
を備えたシステム(100)であって、前記コンピュータ(110)は、
対象の走査での曝射回数を決定し、
前記対象の低線量AEC(自動曝射制御)曝射撮影を取得するか又はPA(後方/前方)ビュー及びAP(前方/後方)ビューの少なくとも一方を取得し、
初期手法を算出し、
前記初期手法を用いて前記走査を実行するか又は前記走査を実行しないかを決定する
ように構成されている、システム(100)。
【請求項2】
前記コンピュータ(110)は、前記走査を実行しないと自動的に決定されたときに、走査パラメータを変更するように利用者を促すように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記コンピュータ(110)は、前記走査を実行しないと決定されたときに、システムの復帰を待機するように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記コンピュータ(110)は、X線発生サブシステムが現状で受け入れられるような前記初期手法よりも低い曝射当たりのmAsを示唆するが、前記曝射回数を予め決定されたままに保つように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記コンピュータ(110)は、X線発生サブシステムが現状で受け入れられるような予め決定されたよりも少ない曝射回数を示唆するが、前記初期手法のままの前記曝射当たりのmAsを保つように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記コンピュータ(110)は、前記X線発生サブシステムとの実時間ネゴシエーションに基づいて、自動最適化アルゴリズムを介して、X線発生サブシステムが現状で受け入れられるような前記初期手法よりも低い曝射当たりのmAs及び決定されたよりも少ない曝射回数を示唆するように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記コンピュータ(110)はまた、前記X線発生サブシステムが現状で受け入れられるような予め決定されたよりも少ない曝射回数を示唆するが、前記初期手法のままの前記曝射当たりのmAsを保つように構成されている、請求項4に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記コンピュータ(110)はまた、前記X線発生サブシステムとの実時間ネゴシエーションに基づいて、自動最適化アルゴリズムを介して、前記X線発生サブシステムが現状で受け入れられるような前記初期手法よりも低い曝射当たりのmAs及び決定されたよりも少ない曝射回数を示唆するように構成されている、請求項5に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、X線の方法及び装置に関し、さらに具体的には、自動プロトコル・アシスタンス(助言)を提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線トモシンセシスでは、撮像対象に対して一定範囲のX線ビーム配向にわたって一連の低線量X線画像が取得される。異なる配向から対象を見るこの検査は、最終画像に深さ情報を盛り込むことを可能にする。深さ情報は、言うまでもなく、従来の(投影)X線撮像では入手不可能である。
【0003】
1回のトモシンセシス検査で取得される投影数の典型的な範囲は、フレーム・レートが6fpsまでの場合には41〜61である。X線経路に沿った組織厚みは、異なる角度では大幅に変化するため、自動曝射制御(AEC)モードにおいては曝射遮断(カットオフ)の起こる危険性が大きい。曝射遮断が生ずると、画質が劣化する。従って、トモシンセシスは典型的には、固定モードの曝射を用いている。
【特許文献1】米国特許第6944266号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、固定モードでの曝射にはワークフローの問題がある。患者間で一貫した画質を保証するために、取得手法は様々な患者厚みに基づいて調節されるべきである。さもないと、曝射不足又は曝射過多が生じ易い。前者では画質が劣化し、後者では患者の被曝過多の危険性がある。しかしながら、異なる患者毎に適正な手法を推定することは極めて困難な作業である。米国の今日の専門家は経験レベルのばらつきが大きい。経験の少ない専門家の場合には、単一エネルギでの胸部X線では再撮影が行なわれる場合もある。トモシンセシスでは、再撮影が増大し得る。従って、患者のための手法を選択するときの専門家の経験への依存を最小限にすることは、米国ウィスコンシン州のGE Healthcareによる自動曝射制御(AEC)のように、製造者にとって実効的な方策となりそうである。しかしながら、上で述べたように、AECモードでは曝射遮断の危険性が大きい。
【0005】
従って、異なる患者毎に最適化された手法を達成することを支援するプロトコル・アシスタンスを自動的に提供する方法及び装置を開発することにより、このワークフローの問題に対処することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一観点では、自動プロトコル・アシスタンスを提供する方法が提供される。この方法は、対象の走査での曝射回数を決定するステップと、対象の低線量AEC曝射撮影を取得するか又はPAビュー及びAPビューの少なくとも一方を取得するステップと、初期手法を算出するステップと、この初期手法を用いて走査を実行するか又は走査を実行しないかを自動的に決定するステップとを含んでいる。
【0007】
他の観点では、システムが、X線源と、この線源から放出されるX線を受光するように配置されているX線検出器と、線源及び検出器に結合されて動作するコンピュータとを含んでいる。コンピュータは、対象の走査での曝射回数を決定し、対象の低線量AEC曝射撮影を取得するか又はPAビュー及びAPビューの少なくとも一方を取得し、初期手法を算出し、この初期手法を用いて走査を実行するか又は走査を実行しないかを決定するように構成されている。
【0008】
さらにもう一つの観点では、対象の走査での曝射回数を決定し、対象の低線量AEC曝射撮影を取得するか又はPAビュー及びAPビューの少なくとも一方を取得し、初期手法を算出し、この初期手法を用いて走査を実行するか又は走査を実行しないかを決定することをコンピュータに指令するように構成されているプログラムを組み入れたコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本書では、例えば限定しないがX線トモシンセシス・システムのようなイメージング・システムに有用な方法及び装置について記載する。これらの装置及び方法は図面に関して説明され、図面では類似の参照符号が全図面において同じ構成要素を指す。かかる図面は制限的ではなく説明的であることを意図しており、本発明の装置及び方法の実施形態の一例の説明を容易にするために本書に含まれている。X線トモシンセシス・システムの設定で説明するが、本発明の利益はX線源を有する全てのシステムに齎されると思量される。
【0010】
図1は、例示的なX線トモシンセシス・イメージング・システム100を示す。イメージング・システム100は、X線源102及びコリメータ104を含んでおり、被検構造106にX線フォトンを照射する。例として、X線源102はX線管であってよく、被検構造106は患者、試験用ファントム又は他の被験無生物体であってよい。
【0011】
X線イメージング・システム100はまた、処理回路110に結合された検出器108を含んでいる。処理回路110(例えばマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はカスタムASIC等)は、メモリ112及び表示装置114に結合されている。メモリ112(例えばフレキシブル・ディスク、又はネットワーク若しくはインターネットのような他のディジタル・ソース等のコンピュータ読み取り可能な媒体から命令及び/又はデータを読み取るフレキシブル・ディスク・ドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、光磁気ディスク(MOD)装置、又はイーサネット装置(「イーサネット」は商標)等のネットワーク接続装置を含めたその他任意のディジタル装置、並びに開発中のディジタル手段等の1又は複数を含む)は、撮像データを記憶する。
【0012】
メモリ112はまた、本書に記載される作用を具現化するために処理回路110によって実行される命令を含んだコンピュータ・プログラムを記憶することができる。処理回路110は、装置114に表示するための画像を形成する。本書にさらに詳細に記載されるように、画像120は様々な構造(例えば軟組織、骨)を表わし得る。検出器108は、例えばフラット・パネル型固体画像検出器であってよいが、メモリ112にディジタル形態で記憶された従来のフィルム画像が処理されてもよい。一実施形態では、処理回路110はファームウェア(図示されていない)に記憶されている命令を実行する。一般的には、プロセッサが、後述する工程を実行するようにプログラムされる。
【0013】
言うまでもなく、本書に記載される方法は、システム100での実施に制限されてはおらず、イメージング・システムのその他多くの形式及び変形と関連して利用することができる。一実施形態では、処理回路110は、本書に記載される作用を果たすようにプログラムされているコンピュータであり、従って、本書で用いられるコンピュータとの用語は当技術分野でコンピュータと呼ばれている集積回路のみに限らず、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル論理コントローラ、特定応用向け集積回路、及び他のプログラム可能な回路を広範に指している。本書に記載される方法は、人間の患者の設定において記載されるが、本発明の利益は、小動物研究に典型的に用いられるシステムのような人間以外を対象とするイメージング・システムにも齎されると思量される。
【0014】
本書で用いる場合には、単数形で記載されており単数不定冠詞を冠した要素またはステップとの用語は、排除を明記していない限りかかる要素又はステップを複数備えることを排除しないものと理解されたい。さらに、本発明の「一実施形態」に対する参照は、所載の特徴を同様に組み入れている他の実施形態の存在を排除すると解釈されることを意図していない。
【0015】
また、本書で用いられる「画像を再構成する」との表現は、画像を表わすデータが生成されるが可視画像は形成されないような本発明の実施形態を排除するものではない。従って、本書で用いられる「画像」との用語は、可視画像及び可視画像を表わすデータの両方を広く指す。但し、多くの実施形態は少なくとも1枚の可視画像を形成する(か又は形成するように構成されている)。
【0016】
本書に記載される方法は医療の設定において記載されるが、産業の設定、又は例えば限定しないが空港若しくは他の運輸拠点での手荷物走査システムのような運輸の設定で典型的に用いられるシステム等のような非医用イメージング・システムにおいても、本発明の利益が齎されると思量される。
【0017】
自動プロトコル・アシスタンスの方法及びアルゴリズムは、一実施形態によれば下記のステップを有する(図2を参照されたい)。
【0018】
1.曝射回数を決定する。このステップを実行するためには二つの方法がある。
【0019】
a.一実施形態では、検査時間がどれだけの長さになるかを操作者が入力する(患者がどれだけの長さの時間にわたって保息していられるか等に基づいて)。もう一つの実施形態では、操作者が、患者がどれだけの長さの時間にわたって保息していられるか(1回又は複数)を入力し、システムが検出器サンプリング・レート(秒当たりフレーム数すなわちfps)に基づいて最大曝射回数を自動的に算出する。
【0020】
曝射回数=患者保息時間(1回又は複数)
/検出器サンプリング・レート(fps) (1)
b.予め決定された曝射回数を用いる(システム構成ファイル等に記憶されている)。
【0021】
2.患者の低線量AEC曝射撮影(「プリショット」)を取得する。代替的には、PA(後方/前方)ビュー又はAP(前方/後方)ビューを診断に用いることができ、この場合には、用いられる曝射は解剖学的ビュー及び患者の寸法に対する公称値となる。
【0022】
3.プリショットに基づいて初期手法を算出する。この計算は、下記の式を用いることができる(但し、必ず用いなければならない訳ではない)。
【0023】
曝射当たりの最適手法(mAs)
=AEC曝射手法(mAs)*k/曝射回数 (2)
式中、kは構成自在のファクタであり、応用又は解剖学的構造/ビューについて微調整することができる。kは、事前知識データベース及び患者全線量要件から導くことができる。
【0024】
4.初期手法をX線発生サブシステム(例えば発生器及び管等)へ伝達する。
【0025】
5.X線発生サブシステムがこの初期手法を受け入れる場合には、そのまま進んでX線源を作動させ、データを取得する。
【0026】
6.X線発生サブシステムがこの初期手法を拒絶する場合には、ユーザ・インタフェイスを介して操作者に下記の選択肢を掲げて決定させる。
【0027】
a.X線発生サブシステムがその熱状態(すなわち管の過熱等)から復帰するまで待機する。
【0028】
b.X線発生サブシステムが現状で受け入れられるようなさらに低い曝射当たりのmAsを示唆するが、曝射回数は保つ。
【0029】
c.X線発生サブシステムが現状で受け入れられるようなさらに少ない曝射回数を示唆するが、曝射当たりのmAsは保つ。
【0030】
d.X線発生サブシステムとの実時間ネゴシエーションに基づいて、自動最適化アルゴリズムを介して、X線発生サブシステムが現状で受け入れられるようなさらに低い曝射当たりのmAs及びさらに少ない曝射回数を示唆する。
【0031】
7.システムは、ユーザ・インタフェイスにおいて、操作者が毎回の検査毎に又は既定の選択(1又は複数)を設定することのいずれかによって上に掲げた選択肢からの選択を行なうための柔軟性を提供する。
【0032】
一つの技術的効果は、本書に記載した方法及び装置が、自動プロトコル・アシスタンスを介して操作者間のばらつきを最小限に抑えることにより、ディジタル・トモシンセシスでのワークフローを改善すると共に画質を高めることである。
【0033】
以上、実施形態の例について詳細に説明した。これらのアセンブリ及び方法は、本書に記載される特定の実施形態に限定されてはおらず、各々のアセンブリ及び/又は方法の構成要素を、本書に記載される他の構成要素と独立且つ別個に利用してよい。
【0034】
本発明を様々な特定の実施形態について記載したが、当業者であれば、特許請求の範囲の要旨及び範囲内で改変を施して本発明を実施し得ることを認められよう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】例示的なX線イメージング・システムを示す図である。
【図2】ワークフローを示す図である。
【符号の説明】
【0036】
100 イメージング・システム
102 X線源
104 コリメータ
106 被検構造
108 検出器
110 処理回路
112 メモリ
114 表示装置
120 画像
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成19年7月6日(2007.7.6)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一

【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博

【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久

【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志


【公開番号】 特開2008−23329(P2008−23329A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−177874(P2007−177874)