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【発明の名称】 生体組織のクリップ装置
【発明者】 【氏名】佐竹 基

【氏名】木村 耕

【要約】 【課題】生体組織をクリップで確実に把持できる生体組織のクリップ装置を提供する。

【構成】クリップ2と、このクリップ2に嵌着して装着することにより該クリップ2を閉成する締付部材と、この締付部材内に挿入可能で、前記クリップ2を所定の力量で前記締付部材内に引くために、前記クリップ2と連結する連結部とこの連結部に所定の力量以上の力量がかかったときに破断する破断部4aを有する連結部材4と、この連結部材4に接続した操作部材と、この操作部材を進退自在に挿通する導入管5と、前記締付部材3に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材4を介して前記クリップ2を前記締付部材3内に引き込むとき、前記導入管5の先端と当接する係合部材としての係合ウイング11と、前記導入管5の周面と係合して前記係合ウイング11が径方向に変形するのを阻止する係合部14とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップと、
このクリップに嵌着して装着することにより該クリップを閉成する締付部材と、
この締付部材内に挿入可能で、前記クリップを所定の力量で前記締付部材内に引くために、前記クリップと連結する連結部とこの連結部に所定の力量以上の力量がかかったときに破断する破断部を有する連結部材と、
この連結部材に接続した操作部材と、
この操作部材を進退自在に挿通する導入管と、
前記締付部材に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材を介して前記クリップを前記締付部材内に引き込むとき、前記導入管の先端と当接する係合部材と、
この係合部材に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材を介して前記クリップを前記締付部材内に引き込むとき、前記導入管の周面と係合して前記係合部材が径方向に変形するのを阻止する係合部と、
を具備することを特徴とする生体組織のクリップ装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記導入管に向って先細のテーパ部であることを特徴とする請求項1記載の生体組織のクリップ装置。
【請求項3】
クリップと、
このクリップに嵌着して装着することにより該クリップを閉成する締付部材と、
この締付部材内に挿入可能で、前記クリップを所定の力量で前記締付部材内に引くために、前記クリップと連結する連結部とこの連結部に所定の力量以上の力量がかかったときに破断する破断部を有する連結部材と、
この連結部材に接続した操作部材と、
この操作部材を進退自在に挿通する導入管と、
前記締付部材に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材を介して前記クリップを前記締付部材内に引き込んだとき、該締付部材が前記導入管内に収納されるのを阻止する係合部材とからなり、
前記締付部材の軸方向の長さを、前記操作部材によって前記連結部材を前記締付部材内に引き込み、前記クリップが生体組織を把持完了するまで、前記係合部材が、前記連結部材の破断部より先端側と合致しない長さにしたことを特徴とする生体組織のクリップ装置。
【請求項4】
クリップと、
このクリップに嵌着して装着することにより該クリップを閉成する締付部材と、
この締付部材内に周方向に回転が規制された状態で挿入可能で、前記クリップを所定の力量で前記締付部材内に引くために、前記クリップと連結する連結部とこの連結部に所定の力量以上の力量がかかったときに破断する破断部を有する連結部材と、
この連結部材に接続した操作部材と、
この操作部材を進退自在に挿通する導入管と、
前記締付部材に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材を介して前記クリップを前記締付部材内に引き込んだとき、該締付部材が前記導入管内に収納されるのを阻止する係合部材とからなり、
前記連結部材の破断部より先端側の変形方向と前記締付部材の係合部材の変形方向が重ならないように周方向にずらしたことを特徴とする生体組織のクリップ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば経内視鏡的に体腔内に挿入し、生体組織をクリップによって結紮する生体組織のクリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体腔内に挿入した内視鏡の鉗子チャンネルを介してクリップ装置を体腔内に挿入し、クリップ装置の先端部に設けたクリップをクリップ装置の手元操作部で操作することにより、生体組織をクリップで結紮する生体組織のクリップ装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特許文献1及び2の生体組織のクリップ装置の基本的構成は、図5〜図8に示すように構成されている。すなわち、1はクリップユニットを示し、生体組織を把持する一対のアーム2a,2aを有するクリップ2が設けられている。クリップ2の一対のアーム2a、2aは、基端部のループ部2b側が狭幅部2cに、先端側が広幅部2dの形成されている。このクリップ2にはクリップ2のアーム2a、2aを閉成する管状の締付部材3が設けられている。この締付部材3内にはクリップ2と係合する連結部を有する連結部材4が挿入されている。また、クリップ2と締付部材3とを収納可能な導入管5は内視鏡の鉗子チャンネル(図示しない)に挿通可能であり、この導入管5内には操作ワイヤ等の操作部材6が進退自在に挿通されている。
【0003】
また、締付部材3は、例えば、PPA(ポリフタルアミド)、PA(ポリアミド)等の適度な弾性を持つ高剛性の樹脂を射出成形することにより製作されている。この締付部材3には、クリップ2及び締付部材3を導入管5の前方に突出した際に、導入管5の前端部5aに係合して締付部材3が導入管5内に再度収納されるのを阻止する係合部材としての係合ウイング7が設けられている。すなわち、係合ウイング7は、締付部材3の外周部に対称的に一対設けられ、締付部材3の径方向に突没自在である。また、係合ウイング7は、クリップ2及び締付部材3が導入管5の前方に突出した際には導入管5の内径より外側に突出して導入管5の前端部5aに係合する。したがって、操作部材6によって締付部材3を導入管5内に引き込む引張り力が締付部材3に作用しても、係合ウイング7が導入管5の前端部5aに係合して締付部材3が導入管5内に再度収納されないようになっている。
【0004】
前記連結部材4は、例えば、液晶ポリマーやナイロンなどの高強度な樹脂材料を射出成形することにより製作され、連結部は円柱棒状で、その先端部には側面部から軸方向と直角方向に切り込みによって破断部4aが設けられている。すなわち、後述する手段によってクリップ2を所定の力量で締付部材3内に引き込むために、連結部材4の連結部に所定の力量以上の力量がかかったときに破断する破断部4aが設けられている。
【0005】
この破断部4aにはクリップ2のループ部2bが引っ掛けられてクリップ2が連結部材4に連結されている。連結部材4の基端部には二股状に分岐され、分岐部に切欠部4bを有する矢尻フック係合部4cが形成されている。さらに、連結部材4の中間部の軸部の相反する面には軸方向に亘って平面部4dが形成された非円形軸部4eが形成され、この非円形軸部4eは前記締付部材3の非円形孔部3aと嵌合されている。したがって、締付部材3に対して連結部材4が周方向に回転しないように回り止めされた状態に嵌合されている。また、前記操作部材6の先端部には連結部材4の矢尻フック係合部4cに係合する矢尻フック8が設けられている。
【0006】
さらに、締付部材3に設けられた係合ウイング7と連結部材4の破断部4aの位置関係について説明すると、図6(a)(b)に示すように、係合ウイング7の変形方向(矢印a方向)と破断部4aより先端側4cの変形方向(矢印b方向)とが一致している。しかも、締付部材3に対して連結部材4が周方向に回転しないように回り止めされた状態に嵌合されている。なお、図5において、9は手元操作部である。
【特許文献1】特開2002−191609号公報
【特許文献2】特開2004−121485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図5〜図7に示すように構成された従来のクリップユニット1は、体腔内の生体組織をクリップ2によって把持する過程で、次のような問題がある。
図7(a)〜(d)はクリップユニット1の生体組織を把持する過程を示すもので、図7(a)に示すように、クリップ2のループ部2bを連結部材4の連結部に設けられた破断部4aに係止し、クリップ2のアーム2aが最大開成状態に保持されている状態において、操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張ると、同図(b)に示すように、クリップ2のループ部2bが締付部材3の内部に引き込まれるため、クリップ2のアーム2a,2aが閉成し、生体組織をクリップ2のアーム2a,2a間に挟み込んだ状態となる。
この状態から、さらに操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張ると、通常はクリップ2が生体組織を把持完了した後に、連結部材4が破断部4aから破断し、クリップ2と締付部材3を含む連結部材4と操作部材6とが切り離され、クリップ2と締付部材3を含む連結部材4が体腔内の生体組織を把持した状態に留置されることになる。
しかしながら、連結部材4には、その軸部の側方から切込みによって破断部4aが設けられており、この破断部4aより先端側4cの変形方向(破断部4aの切り込み方向)と締付部材3の係合ウイング7の変形方向が同方向にある。しかも、締付部材3に対して連結部材4が回り止めされた状態に嵌合されている。
【0008】
したがって、同図(c)に示すように、操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張るとき、クリップ2を対象部位に強く押え付ける等、クリップ2に組織を過剰に挟んだ状態で引っ張ると、クリップ2が締付部材3に十分に引き込まれる、すなわち、クリップ2が十分に閉じる前に、連結部材4は、その破断部4aの連結点4b’を支点として連結部材4の先端側4cが矢印b方向に移動し、破断部4aが変形して締付部材3の係合ウイング7をその内面側から外方側に押圧する。このとき、係合ウイング7は締付部材3の径方向へ弾性変形できるように形成されているため、同図(d)に示すように、連結部材4の破断部4aより先端側4cがさらに矢印b方向に傾いて破断部4aから破断してしまい、生体組織を十分に挟み込むことができなくなる場合があり、これを防ぐために使用者には熟練が要していた。
前述したものは、連結部材4の軸部の側方から切込みにより先端側4cの変形方向(破断部4aの切り込み方向)と締付部材3の係合ウイング7の変形方向が同方向にある場合であるが、例えば、図8に示すように、変形方向を45°ずらしても同様の課題が生じていた。
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、クリップのアームによって生体組織を確実に把持した後に、連結部材が破断部で破断され、生体組織をクリップで確実に把持できる生体組織のクリップ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、クリップと、このクリップに嵌着して装着することにより該クリップを閉成する締付部材と、この締付部材内に挿入可能で、前記クリップを所定の力量で前記締付部材内に引くために、前記クリップと連結する連結部とこの連結部に所定の力量以上の力量がかかったときに破断する破断部を有する連結部材と、この連結部材に接続した操作部材と、この操作部材を進退自在に挿通する導入管と、前記締付部材に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材を介して前記クリップを前記締付部材内に引き込むとき、前記導入管の先端と当接する係合部材と、この係合部材に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材を介して前記クリップを前記締付部材内に引き込むとき、前記導入管の周面と係合して前記係合部材が径方向に変形するのを阻止する係合部とを具備することを特徴とする生体組織のクリップ装置にある。
【0010】
請求項2は、請求項1の前記係合部は、前記導入管に向って先細のテーパ部であることを特徴とする。
【0011】
請求項3は、クリップと、このクリップに嵌着して装着することにより該クリップを閉成する締付部材と、この締付部材内に挿入可能で、前記クリップを所定の力量で前記締付部材内に引くために、前記クリップと連結する連結部とこの連結部に所定の力量以上の力量がかかったときに破断する破断部を有する連結部材と、この連結部材に接続した操作部材と、この操作部材を進退自在に挿通する導入管と、前記締付部材に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材を介して前記クリップを前記締付部材内に引き込んだとき、該締付部材が前記導入管内に収納されるのを阻止する係合部材とからなり、前記締付部材の軸方向の長さを、前記操作部材によって前記連結部材を前記締付部材内に引き込み、前記クリップが生体組織を把持完了するまで、前記係合部材が、前記連結部材の破断部より先端側と合致しない長さにしたことを特徴とする生体組織のクリップ装置にある。
【0012】
請求項4は、クリップと、このクリップに嵌着して装着することにより該クリップを閉成する締付部材と、この締付部材内に周方向に回転が規制された状態で挿入可能で、前記クリップを所定の力量で前記締付部材内に引くために、前記クリップと連結する連結部とこの連結部に所定の力量以上の力量がかかったときに破断する破断部を有する連結部材と、この連結部材に接続した操作部材と、この操作部材を進退自在に挿通する導入管と、前記締付部材に設けられ、前記操作部材によって前記連結部材を介して前記クリップを前記締付部材内に引き込んだとき、該締付部材が前記導入管内に収納されるのを阻止する係合部材とからなり、前記連結部材の破断部より先端側の変形方向と前記締付部材の係合部材の変形方向が重ならないように周方向にずらしたことを特徴とする生体組織のクリップ装置にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、クリップのアームによって生体組織を確実に把持した後に、連結部材が破断部で破断され、生体組織をクリップで確実に把持できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1及び図2は生体組織のクリップ装置の第1の実施形態を示し、従来と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。図1はクリップユニット1の縦断側面図、図2(a)〜(d)はクリップユニット1が生体組織を把持する過程を示す縦断側面図である。
【0016】
本実施形態のクリップユニット1は、クリップ2、締付部材3及び連結部材4とから構成され、締付部材3に係合部材としての係合ウイング11が設けられている点においても従来と同じであるが、本実施形態の係合ウイング11は、図1に示すように構成されている。すなわち、例えば、PPA(ポリフタルアミド)、PA(ポリアミド)等の適度な弾性を持つ高剛性の樹脂を射出成形することにより形成された締付部材3は、管状であり、その外周部には径方向に弾性変形して突没自在な一対の係合ウイング11が対称的に設けられている。
【0017】
これら係合ウイング11の外面は締付部材3の前端部から後端部に向かって漸次上り勾配の傾斜面12に形成されている。さらに係合ウイング11の後端部には段差部13を介して後端側に向って突出する係合部14が設けられている。係合ウイング11の後端部の段差部13は、後述する手段によって連結部材4が導入管5に引き込まれたとき、導入管5の前端部5aに当接し、係合部14は、導入管5に挿入されて前端部5aの内面に嵌合した状態に係合することが特徴である。なお、係合部14は、導入管5に挿入されて前端部5aの外面に係合するようにしてもよい。
【0018】
さらに、係合ウイング11の係合部14の外面は、段差部13から先端部に向って漸次下り勾配のテーパ部に形成されている。そして、一対の係合部14の最も大きい外径D1は導入管5の内径D2と同じか、もしくは狭く形成されていて、係合部14が導入管5に嵌合されたとき、導入管5に食い込むことなく、導入管5に対して締付部材3が回転自在に嵌合している。さらに、係合ウイング11にその内方から外方へ押圧力が加わっても、係合ウイング11の係合部14が導入管5の前端部5aの内面に当接して拡開しないようになっている。
【0019】
このように係合ウイング11に係合部14を設けると、次のような利点がある。
【0020】
(a)係合ウイング11の係合部14が導入管5の前端部5aの内面に嵌合したとき、テーパ部によって導入管5の内面との間に隙間ができ、係合ウイング11の係合部14が導入管5に食い付くのを防止できる。
(b)クリップユニット1を体腔内の生体組織にアプローチする際に、手元操作部を操作して操作部材6を導入管5の内部で回転させ、クリップユニット1を目的の部位に位置決めするが、操作部材6の回転力を連結部材4を介して締付部材3に円滑に伝達させてクリップユニット1を目的の部位に容易に位置決めできる。
【0021】
(c)手元操作部を操作して操作部材6を引き込んだとき、係合ウイング11の係合部14に傾斜面15がガイドとなって締付部材3が導入管5に引き込められ、導入管5の前端部5aにクリップユニット1を簡単に位置決めできる。
【0022】
次に、本実施形態のクリップユニット1が体腔内の生体組織を把持する作用を説明する。図2(a)に示すように、クリップ2のループ部2bを連結部材4の破断部4aに係止し、クリップ2のアーム2aが最大開成状態に保持されている状態において、操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張ると、同図(b)に示すように、係合ウイング11の後端部の段差部13は導入管5の前端部5aに当接し、係合部14は、導入管5に挿入されて前端部5aの内面に嵌合した状態に係合する。
このとき、クリップ2のループ部2bが締付部材3の内部に引き込まれるため、クリップ2のアーム2a,2aが閉成し、生体組織をクリップ2のアーム2a,2a間に挟み込んだ状態となる。
この状態から、さらに操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張ると、同図(c)に示すように、連結部材4は、その破断部4aの連結点4b’を支点として連結部材4の先端側4cが矢印b方向に移動して傾き、締付部材3の係合ウイング11をその内面側から外方側に押圧する。しかし、係合ウイング11の係合部14が導入管5の前端部5aの内面に係合しているため、係合ウイング11の拡開を係合部14によって阻止する。したがって、連結部材4の破断部4aが変形することなく、ここに応力が集中することはない。故に、連結部材4の破断部4aは締付部材3の係合ウイング11の係合部14が設けられている箇所を通過して締付部材3の後端部まで引き込まれる。
そして、同図(d)に示すように、クリップ2のアーム2a,2aの広幅部2dが締付部材3に内部に引き込まれて生体組織を十分に挟み込んだ状態になったときに連結部材4の破断部4aが破断され、クリップ2と締付部材3を含む連結部材4と操作部材6とが切り離される。
なお、クリップ2によって生体組織を把持する際の破断力量が40Nであると仮定すると、操作部材6によって連結部材4を引っ張り、その力量が40Nに達する前に、破断部4aが破断されることはなく、クリップ2が生体組織を確実に把持した上で、クリップ2が締付部材3の内部の所定の位置まで引き込まれたときに破断部4aが破断される。
【0023】
連結部材4の破断部4aが破断されると、クリップユニット1と操作部材6との結合が解除され、クリップユニット1は生体組織を把持したまま体腔内に留置される。例えば、体腔内の出血部位の生体組織をクリップ2のアーム2a,2a間で挟み込んで圧迫し、その状態のままクリップユニット1を留置することによって、出血部位の血管を圧迫し出血を止めることができる。
【0024】
図3は第2の実施形態を示し、クリップユニット1の縦断側面図であり、従来及び第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
第1の実施形態に示すように、クリップ2は、アーム2a,2aの広幅部2dが締付部材3に内部に引き込まれたとき、生体組織を十分に挟み込んだ状態になり、この時点で連結部材4の破断部4aが破断される。つまり、アーム2a,2aの広幅部2dが締付部材3に内部に引き込まれる前に連結部材4の破断部4aが破断されないように係合ウイング11の拡開を係合部14によって阻止して連結部材4の破断部4aに応力が集中しないようにした。
【0025】
本実施形態の締付部材3の本体部16の軸方向の長さを長くし、アーム2a,2aの広幅部2dが締付部材3に内部に引き込まれる前に連結部材4の破断部4aに応力が集中して破断されないようにしたものである。
【0026】
すなわち、クリップ2の一対のアーム2a,2aの広幅部2dが締付部材3に内部に引き込まれると、生体組織を十分に挟み込んだ状態になる。そこで、連結部材4の前端部4fとアーム2a,2aの広幅部2dとの間の長さをL1とし、締付部材3の前端部3bと係合ウイング7に基端部11aとの間の長さ(本体部16の長さ)をL2としたとき、L1<L2にしたことにある。
【0027】
このように構成されたクリップユニット1によれば、操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張ると、係合ウイング11の後端部は導入管5の前端部5aに当接する。このとき、クリップ2のループ部2bが締付部材3の内部に引き込まれるため、クリップ2のアーム2a,2aが閉成し、生体組織をクリップ2のアーム2a,2a間に挟み込んだ状態となる。
この状態から、さらに操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張ると、連結部材4は締付部材3の本体部16を摺動しながら締付部材3の係合ウイング7方向に引き込まれる。クリップ2のアーム2a,2aの広幅部2dが締付部材3に内部に引き込まれて生体組織を十分に挟み込んだ状態になったときに本体部16内で連結部材4の破断部4aが破断され、クリップ2と締付部材3を含む連結部材4と操作部材6とが切り離される。
このとき、クリップ2のアーム2a,2aの広幅部2dが締付部材3に内部に引き込まれる前に連結部材4の破断部4aが係合ウイング7に対向すると、第1の実施形態と同様に、連結部材4は、その破断部4aの連結点4b’を支点として連結部材4の先端側4cが傾き、締付部材3の係合ウイング7をその内面側から外方側に押圧して連結部材4の破断部4aに応力が集中する。
【0028】
しかし、本体部16の長さL2が連結部材4の前端部4fとアーム2a,2aの広幅部2dとの間の長さをL1より長いため、クリップ2のアーム2a,2aの広幅部2dが締付部材3に内部に引き込まれて生体組織を十分に挟み込んだ状態になる前に連結部材4の破断部4aに応力が集中することはなく、生体組織を十分に挟み込んだ状態になったときに本体部16内で連結部材4の破断部4aが破断され、クリップ2と締付部材3を含む連結部材4と操作部材6とが切り離されることになる。
本実施形態によれば、締付部材3の係合ウイングに、第1の実施形態のような係合部14を設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
図4は第3の実施形態を示し、(a)はクリップユニット1の縦断側面図、(b)はB-B線に沿う断面図であり、従来と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
本実施形態は、連結部材4の破断部4aの切り込み方向と締付部材3に設けられた係合ウイング7の方向とが重ならないように周方向にずらしたことにある。
【0029】
すなわち、連結部材4の破断部4aの切り込み方向は、図4において上下方向に設けられており、締付部材3の一対の係合ウイング7は、図4において左右方向に設けられている。したがって、連結部材4の破断部4aの切り込み方向と締付部材3の係合ウイング7の方向とは周方向に90°ずれている。
【0030】
このように構成されたクリップユニット1によれば、操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張ると、係合ウイング7の後端部は導入管5の前端部5aに当接する。このとき、クリップ2のループ部2bが締付部材3の内部に引き込まれるため、クリップ2のアーム2a,2aが閉成し、生体組織をクリップ2のアーム2a,2a間に挟み込んだ状態となる。
この状態から、さらに操作部材6によって連結部材4を手元側に引っ張ると、連結部材4は締付部材3の係合ウイング7方向に引き込まれるが、連結部材4の破断部4aの切り込み方向と係合ウイング7とは周方向にずれているため、連結部材4が係合ウイング7の内面と摺動することはない。したがって、連結部材4が係合ウイング7を内側から外側方向に押圧することはなく、連結部材4は連結部材4の破断部4aに応力が集中することはなく、係合ウイング7の設けられている部分を通過する。そして、生体組織を十分に挟み込んだ状態になったときに連結部材4の破断部4aが破断され、クリップ2と締付部材3を含む連結部材4と操作部材6とが切り離されることになる。
本実施形態によれば、締付部材3の係合ウイングに、第1の実施形態のような係合部14を設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すクリップユニットの縦断側面図。
【図2】同実施形態を示し、(a)〜(d)はクリップユニットの作用説明図。
【図3】本発明の第2の実施形態を示し、クリップユニットの縦断側面図。
【図4】本発明の第3の実施形態を示し、(a)はクリップユニットの縦断側面図、(b)はA−A線に沿う断面図。
【図5】従来の生体組織のクリップ装置を示す斜視図。
【図6】従来のクリップユニットを示し、(a)は一部断面した側面図、(b)はC−C線に沿う断面図。
【図7】従来のクリップユニットを示し、(a)〜(d)は作用説明図。
【図8】従来のクリップユニットを示し、(a)は一部断面した側面図、(b)はB−B線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0032】
1…クリップユニット、2…クリップ、3…締付部材、4…連結部材、4a…破断部、5…導入管、6…操作部材、11…係合ウイング(係合部材)、14…係合部
【出願人】 【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
【出願日】 平成18年7月25日(2006.7.25)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−23257(P2008−23257A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−202342(P2006−202342)