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【発明の名称】 超音波探触子
【発明者】 【氏名】長谷川 恭伸

【要約】 【課題】金属音の発生を抑制して特に患者への不快感を解消した短軸遥動探触子を提供する。

【構成】短冊状とした複数の圧電素子が長軸方向に並べられた圧電素子群と、前記長軸方向を中心として前記圧電素子群を短軸方向に左右に回転して遥動する回転機構部とを有し、前記回転機構部は少なくとも円弧状の歯を有する第1かさ歯車と、前記第1歯車に歯合して水平方向に回転する第2かさ歯車と、前記第2かさ歯車を回転する駆動モータとを備えた超音波探触子において、前記第2かさ歯車の回転シャフトと前記駆動モータとはベルトを用いたプーリー結合とするとともに、前記第1かさ歯車又は前記第2かさ歯車の少なくとも一方を樹脂とした構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短冊状とした複数の圧電素子が長軸方向に並べられた圧電素子群と、前記長軸方向を中心として前記圧電素子群を短軸方向に左右に回転して遥動する回転機構部とを有し、前記回転機構部は少なくとも円弧状の歯を有する第1かさ歯車と、前記第1歯車に歯合して水平方向に回転する第2かさ歯車と、前記第2かさ歯車を回転する駆動モータとを備えた超音波探触子において、前記第2かさ歯車の回転軸と前記駆動モータとはベルトを用いたプーリー結合とするとともに、前記第1かさ歯車又は前記第2かさ歯車の少なくとも一方を樹脂としたことを特徴とする超音波探触子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は圧電素子群を短軸方向に遥動して立体画像を得る超音波探触子(以下、短軸遥動探触子とする)を技術分野とし、特に操作音を小さくして患者への不快感を解消した簡易機構の短軸遥動探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
短軸遥動探触子は圧電素子群を長軸方向に電子走査し、短軸方向に機械的に走査(遥動)して立体画像を得るものとして知られる(特許文献1〜3)。このことから、例えば圧電素子を縦横に配列して二次元方向に電子走査するマトリクス型等に比較し、例えば配線(結線)及び走査回路を容易にするので、現実化されている。
【0003】
(従来技術の一例)第2図は一従来例(特許文献1参照)を説明する短軸遥動探触子の図で、同図(a)は長軸方向の、同図(b)は短軸方向の断面図である。
【0004】
短軸遥動探触子は圧電素子群1と回転機構部2とを備える。圧電素子群1は短冊状とした複数の圧電素子1aの幅方向を長軸方向に一致させ、長さ方向を短軸方向として図示しないバッキング材上に並べてなる。バッキング材は長軸方向に凸面の曲面状とした基台4上に固着されて、圧電素子群1を長軸方向にコンベックス状に湾曲する。
【0005】
そして、長軸方向の全領域にわたって圧電素子群1と電気的に接続したフレキシブル基板5が、短軸方向の一端側から下方に向かって導出する。但し、フレキシブル基板5の導電路5aと圧電素子1aの図示しない駆動電極とが電気的に接続する。図では直接的に接続されているが、例えば銀箔及び導線によって駆動電極と導電路5aとが間接的に接続されることもある。
【0006】
回転機構部2は保持板6、ケース7、第1かさ歯車8a、第2かさ歯車8b、回転シャフト9、及び駆動モータ10からなる。保持板6は長軸方向となる両端側の下面に脚部6(ab)を有し、圧電素子群1を有する基台4を上面に固定する。両端側の脚部6(ab)には、各脚部6(ab)を貫通する長軸方向(水平方向の直線X−X上)に各中心軸11(ab)が設けられる。脚部6(ab)は、中心軸11(ab)に対して回転自在とする。
【0007】
ケース7は上面を開口した凹状として、脚部6(ab)から突出した中心軸11(ab)の突出端を周壁にて結合(固定)する。底壁には長軸方向にスリット12を有し、圧電素子群1からのフレキシブル基板5を外部に導出する。スリット12には例えば樹脂13を埋設して密閉する。
【0008】
第1かさ歯車8aは一方の脚部6aの中心軸11(ab)より下方の脚部内面に設けられ、垂線方向の下端を頂点とした円弧状(扇状)の歯を有する。第2かさ歯車8bは中心軸11(ab)(直線X−X)に対して直交する垂直方向(直線Y−Y)の回転シャフト9に先端側が軸着し、第1かさ歯車8aと歯合して水平方向に回転する。回転シャフト9はケース7の底壁からシールリング14によって密閉されて外部に導出し、他端側が駆動モータ10と例えば金属歯車15(ab)を用いたギア結合する。
【0009】
これらの場合、第1及び第2かさ歯車8(ab)は金属とし、第1かさ歯車8aの円弧状とした歯を円状に並べた場合の円の直径は、第2かさ歯車8bの直径よりも大きい。また、回転シャフト9の金属歯車15aの直径は、駆動モータ10の金属歯車15bの直径よりも大きい。
【0010】
これらにより、駆動モータ10から第1かさ歯車8aまでのギア比を大きくすることによって、駆動モータ10の回転力(トルク)を大きく維持して第1かさ歯車8aへ伝達する。なお、ケース7には圧電素子群1を覆う図示しないカバーが設けられて圧電素子群1等を密閉封入し、オイル等の超音波媒質が充填される。
【0011】
このようなものでは、回転機構部2における第2かさ歯車8bの水平方向の左右の回転によって、第1かさ歯車8aは垂直面に対し、頂点を中心として左右の斜め上方に遥動する。すなわち、頂点を中心として垂直方向の左右に回転して遥動する。そして、保持板6の脚部6bは中心軸11(ab)に対して左右に回転遥動し、圧電素子群1は短軸方向にこれとは反対方向の左右に回転遥動する。そして、図示しない回転角検出機構によって基準位置からの短軸方向の回転角を検出し、被検体(生体)からの情報を得る。
【特許文献1】特願2005−175700号(日本電波工業)
【特許文献2】特許第2009589号公報(アロカ)
【特許文献3】特開2003−175033号公報(クレッツ)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の短軸遥動探触子では、いずれも金属とした第1及び第2かさ歯車8(ab)並びに金属歯車15(ab)の歯合時に特有の金属音を発生して、操作時において、医師(操作者)や特に患者に不快感を与える問題があった。
【0013】
なお、特許文献3(クレッツ)ではモータと圧電素子側の回転軸とをベルトを用いたプーリー結合によって直接的に動力を伝達するので、金属音の発生は解消される。しかし、この場合は、モータの回転力を確実に圧電素子側の回転軸に伝達するために、プーリーの直径比を大きくする必要がある。したがって、圧電素子側のプーリーが大きくなるので、コンパクトな設計を困難にする。
【0014】
これに対して、上記構成では駆動モータ10の動力を金属歯車15(ab)によるギア結合及び第1、第2かさ歯車8(ab)を用いた2段結合とするので、各金属歯車15(ab)及び第1、第2かさ歯車8(ab)を小さくできる。したがって、コンパクトな設計を容易にする。
【0015】
(発明の目的)
本発明は、金属音の発生を抑制して不快感を解消した短軸遥動探触子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
短冊状とした複数の圧電素子が長軸方向に並べられた圧電素子群と、前記長軸方向を中心として前記圧電素子群を短軸方向に左右に回転して遥動する回転機構部とを有し、前記回転機構部は少なくとも円弧状の歯を有する第1かさ歯車と、前記第1歯車に歯合して水平方向に回転する第2かさ歯車と、前記第2かさ歯車を回転する駆動モータとを備えた超音波探触子において、前記第2かさ歯車の回転シャフトと前記駆動モータとはベルトを用いたプーリー結合とするとともに、前記第1かさ歯車又は前記第2かさ歯車の少なくとも一方を樹脂とした構成とする。
【発明の効果】
【0017】
このような構成であれば、第2かさ歯車の回転シャフトと駆動モータとはベルトを用いたプーリー結合とし、第1かさ歯車又は第2かさ歯車の少なくとも一方を樹脂とする。したがって、いずれの場合でも、金属同士が歯合しないので、特有の金属音を発生することがない。これにより、超音波探触子の操作者や特に患者への不快感を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
第1図は本発明の一実施形態を説明する短軸遥動探触子の長軸方向の断面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
【0019】
短軸遥動探触子は、前述同様に、圧電素子群1と回転機構部2とを備える。圧電素子群1は圧電素子1aの幅方向を長軸方向としてバッキング材上に並べられたコンベックス状とし、圧電素子群1と電気的に接続するフレキシブル基板5が短軸方向の一端側から導出する。
【0020】
回転機構部2は、圧電素子群1を上面に固定する保持板6、保持板6の両端側の脚部6(ab)を回転自在とする中心軸11(ab)を有する凹状のケース7、保持板6の一方の脚部6aの下方に設けられて円弧状の歯を有する第1かさ歯車8a、第1かさ歯車8aと歯合して回転シャフト9がケース7の底壁から密閉導出した第2かさ歯車8b、及び駆動モータ10からなる。
【0021】
そして、ここでは、第1かさ歯車8aを樹脂とし、第2かさ歯車8bを金属とする。また、第2かさ歯車8bの回転シャフト9と駆動モータ10との回転軸とはベルト16を用いたプーリー結合とする。ここでも、第1かさ歯車8aの直径は第2かさ歯車よりも大きく、回転シャフト9のプーリー17aは駆動モータ10のプーリー17bよりも大きくし(ギア比を大きくし)、駆動モータ10の回転力を大きくする。各プーリー17(ab)及びベルト16は凹凸の溝が設けられて歯合するタイミングプーリー及びタイミングベルトとする。
【0022】
このような構成であれば、第2かさ歯車8bの回転シャフト9と駆動モータ10とはベルト16を用いたプーリー結合とするので、従来例のように金属歯車15(ab)の歯合時による金属音を発生しない。また、第1かさ歯車8aを樹脂として第2歯車8bを金属とするので、この場合も、歯合時の金属音を小さくできる。したがって、操作時における金属音を抑制して、特に患者に対する不快感を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態を説明する短軸遥動探触子の長軸方向の断面図である。
【図2】従来例を説明する短軸遥動探触子の図で、同図(a)は長軸方向の、同図(b)は短軸方向の断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 圧電素子群、1a 圧電素子、2 回転機構部、4 基台、5 フレキシブル基板、5a 導電路、6 保持台、7 ケース、8a 第1かさ歯車、8b 第2かさ歯車、9 回転シャフト、10 駆動モータ、11 中心軸、12 スリット、13 樹脂、14 シーリング、15 金属歯車、16 ベルト。
【出願人】 【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
【出願日】 平成18年7月25日(2006.7.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−23211(P2008−23211A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−201513(P2006−201513)