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【発明の名称】 内視鏡用流体供給装置及び内視鏡
【発明者】 【氏名】鈴木 啓太

【要約】 【課題】処置具を鉗子チャンネルに挿通した状態でも流体を鉗子チャンネルに供給でき、かつ、吸引チャンネルへの流体漏れを抑えることができる内視鏡用流体供給装置及びこれを備える内視鏡を提供すること。

【構成】チャンネル送液用切替弁10は、図示しない処置具とシリンジから供給される液体とが挿通される供給管部17と、供給管部17が軸線方向に押圧されたときに、供給管部17を鉗子口2から鉗子チャンネル3内に前進させ、かつ、押圧状態が解除されたときに、供給管部17を鉗子口2から取り出す方向に後退させる進退機構18と、供給管部17が鉗子チャンネル3を前進することにより、供給管部17から鉗子チャンネル3に流れた液体が吸引チャンネル8へ流れるのを規制する弁部20とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端に鉗子口を有して処置具が挿通される鉗子チャンネルと、該鉗子チャンネルの途中に設けられた分岐部から分岐されて吸引源と接続される吸引チャンネルと、を有する内視鏡と接続される内視鏡用流体供給装置であって、
前記処置具と流体供給源から供給される流体とが挿通される供給管部と、
前記供給管部が軸線方向に押圧されたときに、前記供給管部を前記鉗子口から前記鉗子チャンネル内に前進させ、かつ、前記押圧状態が解除されたときに、前記供給管部を前記鉗子口から取り出す方向に後退させる進退機構と、
前記供給管部が前記鉗子チャンネルを前進することにより、前記供給管部から前記鉗子チャンネルに流れた流体が前記吸引チャンネルへ流れるのを規制する弁部とを備えていることを特徴とする内視鏡用流体供給装置。
【請求項2】
前記流体供給源が接続される第一開口が配された第一管路及び前記処置具が挿通される第二開口が配された第二管路を有して、前記鉗子口と接続される口金部を備え、
前記第一開口及び前記第二開口が、前記供給管部と連通されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用流体供給装置。
【請求項3】
前記進退機構が、前記口金部を前記鉗子口に対して固定する取付部と、
該取付部に対して前記供給管部を前記鉗子チャンネルから後退する方向に付勢する付勢部とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用流体供給装置。
【請求項4】
前記進退機構が、前記流体供給源から供給される流体の圧力を受けて、前記付勢部の付勢力に対抗して前記供給管部を前進させる受圧部を備え、
該受圧部が、前記供給管部の前進に伴い、前記供給管部と前記第一管路とを連通させることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用流体供給装置。
【請求項5】
前記供給管部が、前記鉗子口から前記分岐部までの長さよりも軸方向に長く形成され、
前記弁部が、前記供給管部の先端側に配され、該供給管部の外壁面と前記分岐部よりも前記鉗子チャンネルの先端側の内壁面との間に形成される隙間を塞ぐ環状部材であることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の内視鏡用流体供給装置。
【請求項6】
処置具が挿通される鉗子口を有する鉗子チャンネルと、
該鉗子チャンネルの途中に設けられた分岐部にて分岐されて、吸引源と接続される吸引チャンネルと、
請求項1から5の何れか一つに記載の内視鏡用流体供給装置とを備えていることを特徴とする内視鏡。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の鉗子チャンネルに流体を供給する際に使用するための内視鏡用流体供給装置及びこれを備える内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡を用いて観察・医療処置を行う場合、薬液や生理食塩水等を内視鏡の鉗子チャンネルを介して送水することがある。この際、鉗子チャンネルと連通した鉗子口に直接、又は、弁を有する内視鏡用流体供給装置(例えば、特許文献1参照。)を介してシリンジ等の流体供給源を接続して送液している。
【特許文献1】特開平6−304130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の内視鏡では、処置具を鉗子チャンネルに挿通した状態では、処置具と鉗子チャンネルとの間の隙間が狭いので、流体を鉗子チャンネルに流入しても隙間に流体が流れにくく、鉗子チャンネルを逆流する可能性がある。そのため、分岐した吸引チャンネルに流体が流れ込み、内視鏡の吸引状態を制御するための吸引ボタンの隙間から流体が外部に漏れてしまう場合がある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、処置具を鉗子チャンネルに挿通した状態でも流体を鉗子チャンネルに供給でき、かつ、吸引チャンネルへの流体漏れを抑えることができる内視鏡用流体供給装置及びこれを備える内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る内視鏡用流体装置は、基端に鉗子口を有して処置具が挿通される鉗子チャンネルと、該鉗子チャンネルの途中に設けられた分岐部から分岐されて吸引源と接続される吸引チャンネルと、を有する内視鏡と接続される内視鏡用流体供給装置であって、前記処置具と流体供給源から供給される流体とが挿通される供給管部と、前記供給管部が軸線方向に押圧されたときに、前記供給管部を前記鉗子口から前記鉗子チャンネル内に前進させ、かつ、前記押圧状態が解除されたときに、前記供給管部を前記鉗子口から取り出す方向に後退させる進退機構と、前記供給管部が前記鉗子チャンネルを前進することにより、前記供給管部から前記鉗子チャンネルに流れた流体が前記吸引チャンネルへ流れるのを規制する弁部とを備えていることを特徴とする。
【0006】
この発明は、供給管部と鉗子チャンネルとを連通させることによって、供給管部に処置具を挿入でき、かつ、供給管部を通じて流体を鉗子チャンネルに流通させることができる。この際、吸引チャンネルへの流体の流通を弁部により規制することができ、供給管部に流入した流体を吸引チャンネルに流すことなく鉗子チャンネルに流通させることができる。
【0007】
また、本発明に係る内視鏡用流体装置は、前記内視鏡用流体装置であって、前記流体供給源が接続される第一開口が配された第一管路及び前記処置具が挿通される第二開口が配された第二管路を有して、前記鉗子口と接続される口金部を備え、前記第一開口及び前記第二開口が、前記供給管部と連通されていることを特徴とする。
【0008】
この発明は、流体供給源から流体を供給管部に供給する際、流体供給源を第一開口に接続することにより、処置具の有無にかかわらず流体を鉗子チャンネルに流通させることができる。
【0009】
また、本発明に係る内視鏡用流体装置は、前記内視鏡用流体装置であって、前記進退機構が、前記口金部を前記鉗子口に対して固定する取付部と、該取付部に対して前記供給管部を前記鉗子チャンネルから後退する方向に付勢する付勢部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明は、取付部を鉗子口に装着した状態で、付勢部による付勢方向と逆方向に供給管部を押圧することにより、供給管部を鉗子チャンネル内へ前進させることができ、流体を供給することができる。また、流体供給を終了したときには、付勢部の付勢力によって、供給管部を鉗子チャンネルから容易に取り出すことができる。
【0011】
また、本発明に係る内視鏡用流体装置は、前記内視鏡用流体装置であって、前記進退機構が、前記流体供給源から供給される流体の圧力を受けて、前記付勢部の付勢力に対抗して前記供給管部を前進させる受圧部を備え、該受圧部が、前記供給管部の前進に伴い、前記供給管部と前記第一管路とを連通させることを特徴とする。
【0012】
この発明は、流体を供給することにより、その圧力により供給管部を鉗子チャンネル内で前進させることができ、かつ、第一管路から供給管部に流体を供給することができる。従って、流体を自動的に鉗子チャンネルに供給することができる。
【0013】
また、本発明に係る内視鏡用流体装置は、前記内視鏡用流体装置であって、前記供給管部が、前記鉗子口から前記分岐部までの長さよりも軸方向に長く形成され、前記弁部が、前記供給管部の先端側に配され、該供給管部の外壁面と前記分岐部よりも前記鉗子チャンネルの先端側の内壁面との間に形成される隙間を塞ぐ環状部材であることを特徴とする。
【0014】
この発明は、供給管部が鉗子チャンネルに挿入された状態で流体を供給したとき、供給管部から排出された流体が、供給管部の外壁面と分岐部よりも鉗子チャンネルの先端側の内壁面との間に形成される隙間を介して吸引チャンネル側に流れようとしても、環状部材が流体の移動を規制することができる。従って、処置具と鉗子チャンネルとの隙間が小さくても、供給管部を通して鉗子チャンネルの先端側に流体を流通させることができる。
【0015】
本発明に係る内視鏡は、処置具が挿通される鉗子口を有する鉗子チャンネルと、該鉗子チャンネルの途中に設けられた分岐部にて分岐されて、吸引源と接続される吸引チャンネルと、本発明に係る内視鏡用流体装置とを備えていることを特徴とする。
【0016】
この発明は、本発明に係る内視鏡用流体供給装置を備えているので、供給管部と鉗子チャンネルとを連通させることによって、供給管部に処置具を挿入でき、かつ、供給管部を通じて流体を鉗子チャンネルに流通させることができる。この際、吸引チャンネルへの流体の流通を弁部により規制することができ、供給管部に流入した流体を吸引チャンネルに流すことなく鉗子チャンネルに流通させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、処置具を鉗子チャンネルに挿通した状態でも流体を鉗子チャンネルに供給でき、かつ、吸引チャンネルへの流体漏れを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る第1の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る内視鏡1は、図示しない処置具が挿通される鉗子口2を有する鉗子チャンネル3と、鉗子チャンネル3の途中に設けられた分岐部5にて分岐されて、ユニバーサルコード6を介して吸引源7と接続される吸引チャンネル8と、シリンジ(流体供給源)S内の液体を鉗子チャンネル3に送液するためのチャンネル送液用切替弁(内視鏡用流体供給装置)10とを備えている。
【0019】
鉗子口2は鉗子チャンネル3の基端に設けられている。分岐部5にて分岐された吸引チャンネル8の途中には、分岐部5と吸引源7との連通状態を制御する吸引ボタン11が設けられている。吸引ボタン11は、通常時にはバネ部11Aにより付勢されて吸引源7との連通を規制するとともに、通路11Bに沿って移動して分岐部5と吸引源7とを連通させる切替部11Cと、切替部11Cを通路11Bに沿って移動させるボタン部11Dとを備えている。
【0020】
チャンネル送液用切替弁10は、シリンジSが接続される第一開口12Aが配された第一管路12及び図示しない処置具が挿通される第二開口13Aが配された第二管路13を有して、鉗子口2と接続される口金部15と、第一管路12及び第二管路13と連通された流通路16を有する供給管部17と、供給管部17が軸線方向に押圧されたときに、供給管部17を鉗子口2から鉗子チャンネル3内に前進させ、かつ、押圧状態が解除されたときに、供給管部17を鉗子口2から取り出す方向に後退させる進退機構18と、供給管部17が鉗子チャンネル3を前進することにより、供給管部17から鉗子チャンネル3に流れた液体が吸引チャンネル8へ流れるのを規制する弁部20とを備えている。
【0021】
口金部15の第一開口12Aは、シリンジSのルアーフィッティングに対応した形状となっている。第二開口13Aには、ゴム製の鉗子栓21が配されている。
供給管部17は、可撓性を有して口金部15から突出するようにして接続されている。供給管部17の外径は、口金部15よりも小さく、かつ、鉗子チャンネル3の内径と所定の隙間を介して嵌合可能な大きさに形成されている。供給管部17の長さは、鉗子口2から分岐部5までの鉗子チャンネル3の長さよりも軸方向に長く形成されている。口金部15と供給管部17とが接続された部分には、後述するバネ部材25の一端が係止される段部22が設けられている。
【0022】
進退機構18は、口金部15を鉗子口2に固定する取付部23と、取付部23に対して供給管部17を鉗子チャンネル3から後退する方向に付勢するバネ部材(付勢部)25とを備えている。取付部23には、鉗子口2に着脱可能に係合される図示しない係合孔が形成されている。バネ部材25は、一端が段部22に係止された状態で供給管部17の外面に所定の長さにコイル状に巻回され、他端が取付部23に接続されている。バネ部材25は、シリンジSに液体が充填された状態でプランジャーPを押圧する際の押圧力よりも小さい力でも圧縮するような状態で供給管部17の外周に巻回されている。
【0023】
弁部20は、供給管部17の先端近傍の外面に装着され、供給管部17の外壁面と、分岐部5よりも鉗子チャンネル3の先端側の内壁面との間に形成される隙間を塞ぐ外径のOリング(環状部材)26を備えている。
【0024】
次に、本実施形態に係る内視鏡1及びチャンネル送液用切替弁10の作用について説明する。
まず、内視鏡1の鉗子口2から供給管部17の先端側を鉗子チャンネル3に挿入し、チャンネル送液用切替弁10の取付部23を鉗子口2に固定する。また、吸引源7とユニバーサルコード6とを接続して、吸引源7と吸引チャンネル8とを連通させる。
【0025】
この状態で内視鏡1を体腔内に挿入し、所定の処置を行う。
シリンジSから送液する場合には、液体が充填されたシリンジSを第一開口12Aに接続する。このとき、図示しない処置具を鉗子栓21から第二管路13を介して鉗子チャンネル3内に挿通させておく。
【0026】
この状態でシリンジSのプランジャーPを押圧する。この際、プランジャーPの押圧にともなって口金部15が移動し、段部22にてバネ部材25を押圧してこれを圧縮させる。なお、シリンジSの代わりに図示しない送液用のポンプを第一開口12Aに装着した場合には、口金部15を手動により鉗子チャンネル3に押し込む。
【0027】
そして、供給管部17が鉗子チャンネル3内に挿入されて先端方向に前進し、Oリング26を含む先端部分が、分岐部5よりもさらに鉗子チャンネル3の先端側に到達する。このとき、供給管部17と鉗子チャンネル3との間に形成された隙間が、Oリング26によって封止され、分岐部5よりも先端側の鉗子チャンネル3と吸引チャンネル8とが遮断される。
【0028】
バネ部材25の付勢力が、プランジャーPが受けるシリンジS内の液体の圧力以上になった場合には、口金部15が内視鏡1に対して停止して、バネ部材25が圧縮された状態で代わりにプランジャーPが軸方向に移動する。そのため、シリンジS内の液体が口金部15に吐出される。この液体は、第一管路12から流通路16に流入する。
【0029】
この際、流通路16と処置具との隙間が小さくても、供給管部17から吐出された液体は、供給管部17と鉗子チャンネル3との隙間には回り込まずに鉗子チャンネル3内を流れていく。こうして、液体が鉗子チャンネル3から患部に放出される。
【0030】
送液が終了した際には、プランジャーPへの押圧力を緩和させることによって、バネ部材25が伸びて元の状態に戻るように段部22を押圧し、供給管部17が鉗子チャンネル3内を手元側に移動する。供給管部17が分岐部5を通過して鉗子チャンネル3と吸引チャンネル8とが再び連通された際、吸引ボタン11を押圧することによって、吸引源7と吸引チャンネル8とが連通されて、鉗子チャンネル3が吸引される。こうして、処置を終了する。
【0031】
この内視鏡1及びチャンネル送液用切替弁10によれば、供給管部17と鉗子チャンネル3とを連通させることによって、第二管路13を介して供給管部17に処置具を挿入でき、かつ、第一管路12から流通路16を通じて液体を鉗子チャンネル3に流通させることができる。この際、分岐部5から吸引チャンネル8への液体の流通を弁部20により規制することができ、供給管部17から流入した液体を鉗子チャンネル3の先端側にそのまま流通させることができる。
【0032】
従って、処置具を鉗子チャンネル3に挿通したために、処置具と鉗子チャンネル3との隙間が小さくなった場合や、ポンプによって高い圧力で液体が鉗子チャンネル3に流入した場合でも、液体が吸引チャンネル8に流入するのを抑えて鉗子チャンネル3に供給させることができる。また、吸引チャンネル8と吸引ボタン11との間に隙間が形成されても、液体が吸引チャンネル8に流入しないので、吸引チャンネル8からの液体漏れを好適に抑えることができる。
【0033】
また、シリンジSから液体を供給管部17に供給する際、シリンジSを第一開口12Aに接続することにより、処置具の有無にかかわらず液体を流通路16を介して鉗子チャンネル3に流通させることができる。
【0034】
また、取付部23を鉗子口2に装着した状態で、バネ部材25による付勢方向と逆方向に供給管部17を押圧することにより、供給管部17を鉗子チャンネル3内へ前進させることができ、プランジャーPの操作のみにより液体を供給することができる。そして、液体が供給管部17と鉗子チャンネル3との隙間を介して吸引チャンネル8に流れようとしても、Oリング26が液体の移動を規制するので、鉗子チャンネル3の先端側に液体を流通させることができる。一方、流体供給を終了したときには、バネ部材25の付勢力によって、供給管部17を鉗子チャンネル3から容易に取り出すことができる。
【0035】
次に、第2の実施形態について図3から図5を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、図3に示すように、本実施形態に係る内視鏡30が有するチャンネル送液用切替弁31の弁部32が、Oリング26の代わりに蓋部材33を備えているとした点である。
【0036】
蓋部材33は、図4及び図5に示すように、可撓性を有し、鉗子チャンネル3に挿入された際に、吸引チャンネル8側に突出するよう曲面形状に形成され、分岐部5にて吸引チャンネル8の開口部分を覆って封止できる大きさとなっている。蓋部材33は、周縁部が供給管部17の先端に接続されている。
【0037】
このチャンネル送液用切替弁31及びこれを備える内視鏡30の作用について、第1の実施形態と同様にシリンジSにて送液する場合について説明する。
まず、第1の実施形態と同様の準備を実施して内視鏡30を体腔内に挿入し、液体が充填されたシリンジSを第一開口12Aに接続する。このとき、図示しない処置具を鉗子栓21から第二管路13を介して鉗子チャンネル3内に挿通させておく。
【0038】
この状態でシリンジSのプランジャーPを押圧する。この際、プランジャーPの押圧にともなって口金部15がバネ部材25を押圧してこれを圧縮させながら移動する。そして、供給管部17が鉗子チャンネル3内に挿入されて先端方向に前進し、蓋部材33が分岐部5に到達する。このとき、分岐部5にて吸引チャンネル8が蓋部材33によって封止され、鉗子チャンネル3と吸引チャンネル8とが遮断される。
【0039】
バネ部材25の付勢力が、プランジャーPが受けるシリンジS内の液体の圧力以上の大きさとなった場合には、バネ部材25が圧縮された状態でプランジャーPが軸方向に移動して、シリンジS内の液体が口金部15に吐出される。この液体は、第一管路12から流通路16に流入する。
【0040】
この際、吸引チャンネル8が蓋部材33によって分岐部5にて封止されているので、供給管部17から吐出された液体は、吸引チャンネル8側に流れずに鉗子チャンネル3内に流入して先端側にそのまま流れる。こうして、液体が、鉗子チャンネル3から患部に放出される。
【0041】
この内視鏡30及びチャンネル送液用切替弁31によれば、第1の実施形態に係る内視鏡1及びチャンネル送液用切替弁10と同様の効果を奏することができる。
【0042】
次に、第3の実施形態について図6から図8を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る内視鏡40のチャンネル送液用切替弁41の第一管路42と第二管路43とが、第一開口42Aに接続されたポンプ(流体供給源)Puによる液体の吐出圧に応じて連通されるとした点である。
【0043】
口金部45は、略筒状に形成され、先端側に第一開口42A及び第二開口43Aが配され、基端側には、鉗子口2に装着される取付部46が配されている。第一開口42Aは、ポンプPuと接続しやすい形状となっている。口金部45の内部には、先端側から基端側に向かって所定の長さに突出して仕切部47が設けられている。この仕切部47によって、第一管路42と第二管路43とが形成されている。口金部45の基端面には、供給管部17が挿通可能な貫通孔45Aが設けられている。
【0044】
第一管路42と第二管路43とは、仕切部47に設けられた側孔47Aによって連通されている。口金部45の基端側には、後述するピストン部50が、仕切部47の先端と取付部46との間を軸方向に移動可能に嵌合されている。
【0045】
進退機構48は、第一管路42内に延びて配され、ポンプPuから供給される液体の圧力を受けて供給管部17を移動させるピストン部50と、ピストン部50を付勢するバネ部材51と、第一面52aにピストン部50が立設され、第二面52bにバネ部材51が接続された板状の台部52とをさらに備えている。
【0046】
ピストン部50は、第一管路42の内径と略同一の外径を有しており、所定の隙間を介して第一管路42に嵌合されている。ピストン部50の長さは、台部52がバネ部材51を押圧しながら取付部46側に最も移動した際に、側孔47Aにて第一管路42と第二管路43とが連通可能となる長さに形成されている。ピストン部50の先端は、第一開口42Aから流入した液体からの圧力を受ける受圧面(受圧部)50aとなっている。バネ部材51は、第1の実施形態とは異なり、供給管部17に巻回されずに口金部45内に配され、一端が台部52の第二面52bに接続され、他端が取付部46に接続されている。台部52には、第二管路43と流通路16とを連通させる連通孔52Aが設けられている。
【0047】
次に、本実施形態に係る内視鏡40及びチャンネル送液用切替弁41の作用について説明する。
まず、第1の実施形態と同様の準備を実施して内視鏡40を体腔内に挿入し、ポンプPuを第一開口42Aに接続する。このとき、図示しない処置具を鉗子栓21から第二管路43を介して鉗子チャンネル3内に挿通させておく。
【0048】
この状態でポンプPuから流体を送出する。この際、第一開口42Aから第一管路42に注入された液体の圧力により受圧面50aを介してピストン部50が押圧され、台部52が、バネ部材51を押圧してこれを圧縮させながら先端側から基端側に移動する。そして、供給管部17が鉗子チャンネル3内に挿入されて先端方向に前進し、Oリング26を含む先端部分が、分岐部5よりもさらに鉗子チャンネル3の先端側に到達する。このとき、供給管部17と鉗子チャンネル3との間に形成された隙間が、Oリング26によって封止され、鉗子チャンネル3と吸引チャンネル8とが遮断される。
【0049】
さらに台部52が移動することにより、ピストン部50の先端が側孔47Aを通過して第一管路42と第二管路43とが連通される。こうして、第一管路42内の液体が第二管路43を経由して連通孔52Aから流通路16に放出される。ここで、供給管部17と鉗子チャンネル3との隙間がOリング26によって封止されているので、第1の実施形態と同様に、供給管部17から吐出された液体は、供給管部17と鉗子チャンネル3との隙間には回り込まずに鉗子チャンネル3内に流入する。こうして、液体が鉗子チャンネル3から患部に散液される。
【0050】
この内視鏡40及びチャンネル送液用切替弁41によれば、第1の実施形態に係る内視鏡1及びチャンネル送液用切替弁10と同様の効果を奏することができる。特に、液体をポンプPuから供給することにより、その圧力により供給管部17を鉗子チャンネル3内で前進させることができ、かつ、第一管路42から供給管部17に流体を供給することができる。従って、液体を自動的に鉗子チャンネル3に供給することができる。
【0051】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、内視鏡とチャンネル送液用切替弁とが別体としているが、鉗子口に一体となって接続されていても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡及びチャンネル送液用切替弁を示す全体概要図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡及びチャンネル送液用切替弁の使用状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡及びチャンネル送液用切替弁を示す全体概要図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るチャンネル送液用切替弁を示す要部斜視図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る内視鏡及びチャンネル送液用切替弁を示す全体概要図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るチャンネル送液用切替弁を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るチャンネル送液用切替弁を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1,30,40 内視鏡
2 鉗子口
3 鉗子チャンネル
5 分岐部
7 吸引源
8 吸引チャンネル
10,31,41 チャンネル送液用切替弁(内視鏡用流体供給装置)
12,42 第一管路
12A,42A 第一開口
13,43 第二管路
13A,43A 第二開口
15,45 口金部
17 供給管部
18,48 進退機構
20,32 弁部
23 取付部
25,51 バネ部材(付勢部)
26 Oリング(環状部材)
50a 受圧面(受圧部)
【出願人】 【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
【出願日】 平成18年7月24日(2006.7.24)
【代理人】 【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄

【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義

【識別番号】100086379
【弁理士】
【氏名又は名称】高柴 忠夫

【識別番号】100129403
【弁理士】
【氏名又は名称】増井 裕士


【公開番号】 特開2008−23187(P2008−23187A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−200982(P2006−200982)