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【発明の名称】 生体磁気計測装置
【発明者】 【氏名】山口 雄二

【氏名】小宮山 潤一

【氏名】風見 邦夫

【要約】 【課題】信号線の簡略化、軽量化、およびS/N比の向上を図った生体磁気計測装置を提供する。

【構成】磁気シールドルーム内の生体の神経や脳の反応を検査する生体磁気計測装置において、前記磁気シールドルーム内に配置されたスクイッドセンサを含む機器からの信号と、前記磁気シールドルーム外に配置され前記信号の処理を行う電子回路系を結ぶ配線を光ファイバを用いて接続した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気シールドルーム内の生体の神経や脳の反応を検査する生体磁気計測装置において、前記磁気シールドルーム内に配置されたスクイッドセンサを含む機器からの信号と、前記磁気シールドルーム外に配置され前記信号の処理を行う電子回路系を結ぶ配線を光ファイバを用いて接続したことを特徴とする生体磁気計測装置。
【請求項2】
前記磁気シールドルーム外に配置された電子回路系はバイアス電流源経路、信号出力経路、フィードバック経路を含むことを特徴とする請求項1記載の生体磁気計測装置。
【請求項3】
前記電子回路系はFLL回路、データアクイジション回路、CPUを含むことを特徴とする請求項2記載の生体磁気計測装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、生体磁気計測用の磁気シールドルーム内外を結ぶ信号の授受に関し、詳しくは、従来シールド線で給電したものを光ケーブルで行うようにした生体磁気計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術における生体磁気計測の分野では非常に微弱な磁場を使うため、磁気シールドルームで環境磁場を遮断すると共に外部からの電磁気的雑音の侵入を極力抑えている。
【0003】
図2は生体磁気計測装置の従来例を示す概略図である。図において、1は磁気シールドルーム、2はこの中に配置され被験者を乗せるベッド、3は脳から発生する磁場を検出するSQUID(Superconducing Quantum Interference Device)、4はセンサ部を極低温に保つデュワー、5は磁気シールドルーム外に配置されセンサの駆動と信号処理を行う電子回路系である。
【0004】
電子回路系5は図では省略するが、FLL(Flux locked loop)回路、データアクイジョン回路、CPUなどから構成されている。
そして、磁気シールドルームと電子回路系は銅線からなる信号線6により接続されている。
【0005】
図3はFLL回路の概念を示す図である。図において、SQUIDセンサ3に入力された微弱な信号Vinを増幅器7で増幅し、それらを積分器8によって積分する。その後フィードバック回路9に送り、SQUIDセンサ3の受ける磁場をゼロに保つように制御する。
【0006】
すなわち、外から加えられた摘出すべき磁気信号と同じ大きさで反対方向の磁場をフィードバックコイルに流す。このコイルに流れている電流を測ることで磁場を摘出することができる。
【0007】
図4は生体磁気計測の1チャネルのSQUIDセンサの信号線の接続関係を示すものである。実際の測定では、数百個のSQUIDセンサを使用し、それらは、デュワーと呼ばれる液体ヘリウム容器中に置かれる。図において10はバイアス電流源、11はフィードバック電流源である。
【0008】
また、デュワーは、磁気シールドルーム内に設置され、SQUIDセンサ3の微弱信号は、図4に示すように1チャネルあたり、最低6本の信号線によって、磁気シールドルームの外の電子機器(FLL-Flux Locked Loop回路等)に接続される。
このような従来の生体磁気計測は、例えば、下記の特許文献等に開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2003−265431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
即ち、160チャネルのセンサを持つシステムでは、6×160=960本もの信号線の接続が必要となる。通常、これらの接続線は数メートル以上の距離になる。
このように、多数の信号線がシールドルーム内外を長距離伝送されることは信号品質の劣化を招き、また、物理的にも信号ケーブルの設置工事(配線)が困難になるという問題があった。
【0011】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、シールドルーム内を接続する信号線を光−電気(電気−光)変換することによって、信号線の簡略化、軽量化、およびS/N比の向上を図った生体磁気計測装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決した本発明は、次の通りである。
(1) 磁気シールドルーム内の生体の神経や脳の反応を検査する生体磁気計測装置において、前記磁気シールドルーム内に配置されたスクイッドセンサを含む機器からの信号と、前記磁気シールドルーム外に配置され前記信号の処理を行う電子回路系を結ぶ配線を光ファイバを用いて接続したことを特徴とする。
【0013】
(2) 前記磁気シールドルーム外に配置された電子回路系は、バイアス電流源経路、信号出力経路、フィードバック経路を含むことを特徴とする請求項1記載の生体磁気計測装置。
【0014】
(3) 前記電子回路系はFLL回路、データアクイジション回路、CPUを含むことを特徴とする請求項2記載の生体磁気計測装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1乃至3によれば、磁気シールドルーム内に配置されたスクイッドセンサを含む機器からの信号と、前記磁気シールドルーム外に配置され前記信号の処理を行う電子回路系を結ぶ配線を光ファイバを用いて接続しているので、
【0016】
1)接続ケーブル数が1/3になる。
2)信号経路が誘起する電磁界ノイズが皆無となる。
3)伝送経路での電磁界ノイズの影響を受けない
4)光ケーブルであるため、細線化、かつ軽量化される。
5)長距離伝送であってもS/Nが悪化しない。
等の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の生体磁気計測装置のセンサ部とFLL回路の一実施例を示す要部ブロック図である。
尚この図で、図4に表した従来のブロック図と符号が同じものはその機能は同じであるので詳しい説明は省略する。
【0018】
本発明システムの特徴は、シールドルーム内を接続する信号線を光−電気(電気−光)変換することによって、信号線の簡略化、軽量化、また、S/N比の向上を図った点にある。
【0019】
図1において、12はバイアス電流源10の電気信号を光信号に変換する第1電気→光変換器、13は第1光→電気変換器で、これらは光ケーブル11aにより接続されている。
14は増幅器7からの電気信号を光信号に変換するための第2電気→光変換器、15は第2光→電気変換器で、これらは光ケーブル11bにより接続されている。
【0020】
16はフィードバック電流源の電気信号を光信号に変換する第3電気→光変換器、17は第3光→電気変換器で、これらは光ケーブル11cにより接続されている。
【0021】
上述の構成おいて、シールドルーム外に配置されたバイアス電流源10の電気信号は第1電気→光変換器12により光信号に変換され、光ケーブル11aによりシールドルーム内に伝送され、シールドルーム内に配置された第1光電変換器13により電気信号に変換されてバイアス電流となる。
【0022】
また、SQUIDセンサ3から出力して増幅器7に入力した電気信号はシールドルーム内に配置された第2電気→光変換器14により光信号に変換され、光ケーブル11bによりシールドルーム外に伝送され、シールドルーム外に配置された第2光電変換器15により電気信号に変換され、積分器8により積分されて信号出力となる。
【0023】
また、フィードバック電流源11の電気信号は第3電気→光変換器16により光信号に変換され、光ケーブル11cによりシールドルーム内に伝送され、シールドルーム内に配置された第3光→電気変換器により電気信号に変換されてフィードバック電流となる。
【0024】
上述の構成によれば、SQUIDセンサとシールとルーム外に配置されたFLL回路部を3本の光ケーブル11で接続することができる。
【0025】
通常、数百チャネルのセンサはマルチプレクサ方式のA/D変換器によってディジタル化される。したがって、光スイッチ等により、信号伝送経路もその切り替えタイミングに同期して切り替えることにより、さらにケーブルの本数を少なくすることができる。
従って、数百チャネルのセンサからの信号および、センサの制御信号の伝送を光ケーブルで行うことによって、システムの軽量化、高性能化を実現することができる。
【0026】
以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
従って本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の生体磁気計測装置の構成ブロック図である。
【図2】従来の生体磁気計測装置の一例を示す概略図である。
【図3】FLL回路の概念を示す図である。。
【図4】生体磁気計測の1チャネルのSQUIDセンサの信号線の接続関係を示す図である。。
【符号の説明】
【0028】
1 磁気シールドルーム
2 ベッド
3 SQUIDセンサ
4 デュワー
5 電子回路系
6 接続線
7 増幅器
8 積分器
9 フィードバック回路
10 バイアス電流源
11 フィードバック電流源
12 第1電気→光変換器
13 第1光→電気変換器
14 第2電気→光変換器
15 第2光→電気変換器
16 第31電気→光変換器
17 第3光→電気変換器
【出願人】 【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【出願日】 平成18年7月24日(2006.7.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−23152(P2008−23152A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−200500(P2006−200500)