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【発明の名称】 超音波診断装置
【発明者】 【氏名】須田 昌彦

【氏名】齋藤 隆由

【要約】 【課題】超音波診断装置において、表示器から引き出されているケーブルをアーム部材に挿通させることができるようにし、しかもケーブルに過度の負荷が加わらないようにする。

【構成】アーム機構16は、第1アーム部材20及び第2アーム部材22を有する。第1アーム部材20の基端部分には旋回機構18が設けられ、第2アーム部材22の作用端部分には旋回部分26が設けられる。第1アーム部材20の上端部分42と第2アーム部材22の下端部分44は連結部46を構成し、その内部には中間旋回機構24が設けられる。アーム機構16の全体にわたって緩やかに湾曲しているため、その内部を挿通するケーブルに過度の負荷は加わらない。連結部46においては曲率半径が緩やかな外周り経路に沿ってケーブルが引き回されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
超音波画像を表示するフラットパネルディスプレイとしての表示器と、
前記ベース部材と前記表示器との間に設けられ、前記表示器を保持しつつ前記表示器の位置を可変するアーム機構と、
を含み、
前記アーム機構は、
前記ベース部材によって支持された第1アーム部材と、
前記第1アーム部材によって支持された第2アーム部材と、
前記第1アーム部材と前記第2アーム部材との連結部に設けられた中間旋回機構と、
を有し、
前記ベース部材から前記表示器へ達するケーブルが前記第1アーム部材及び第2アーム部材の内部を通過し、
前記中間旋回機構の旋回角度が0度の原形状態において、前記第1アーム部材の上端部分と前記第2アーム部材の下端部分とからなる屈曲部がU字形態をなす、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記上端部分及び前記下端部分の内の一方はJ字形態を有し、前記上端部分及び前記下端部分の内の他方は左右反転J字形態を有する、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記上端部分及び前記下端部分はそれぞれ円形の水平断面を有し、
前記中間旋回機構は、前記上端部分及び前記下端部分の両者に跨って内蔵された、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、
前記中間旋回機構の動作をロックするロック機構が設けられた、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、
前記第1アーム部材の基端部分に設けられ、前記ベース部材に連結された下側旋回機構と、
前記第2アーム部材の作用端部分に設けられ、前記表示器を支持する上側旋回機構と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、
前記第1アーム部材は、
前記ベース部材から斜め上方に伸長した部分であって、傾斜した軸線を有する傾斜部分と、
前記傾斜部分に連なって軸線を傾斜状態から水平状態に移行させ、その後に前記上端部分に連なる緩やかに湾曲した湾曲部分と、
を有する、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、
前記原形状態おいて前記屈曲部の内部における垂直回転中心軸から水平方向に変位した外回り経路を前記ケーブルが通過している、ことを特徴とする超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置に関し、特に表示器を支持するアーム機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、超音波の送受波により得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成し、それを表示する装置である。超音波画像は装置本体に搭載された表示器に表示される。表示器としては従来からCRTが多用されてきたが、今後、液晶表示器、プラズマ表示器等のフラットパネルディスプレイの利用が増加すると予想される。装置本体(筐体、支柱、操作パネル、等)によって表示器を支持するため、アーム機構が利用される。アーム機構は、一般に複数の関節部を有し、それらによって表示器の位置及び姿勢を可変することが可能である。
【0003】
特許文献1には、超音波診断装置に関し、表示器としてCRTを搭載したアーム機構が開示されている。アーム機構は、第1アームと第2アームとを有する。それらのアームは平板形を有し、斜め方向に伸長している。第1アームと第2アームとの連結部分には回転機構が設けられている。その連結部分においては第1アームの軸線と第2アームの軸線とが鋭角に交差している。仮に、その連結部分の内部に表示器用のケーブルを通過させると、長年にわたる回転機構の繰り返し動作によってケーブルが傷む可能性がある。ケーブルをアーム機構の外側に引き回すと、表示器の運動の妨げとなったり、操作パネルの操作の邪魔になったりする。また、見栄え上も悪い。特許文献2には、超音波診断装置に関し、表示器としてのフラットパネルディスプレイを搭載したアーム機構が開示されている。第1アームと第2アームとの連結部分には回転機構が設けられている。第2アームは平行リンク機構を内蔵しており、その傾斜角度を変えることができる。アーム機構(特に第2アーム)の内部には複雑な機構が存在し、また連結部分においても同様であるので、アーム機構の内部にケーブルを挿通させることは困難であると思われ、その挿通を行った場合、特に連結部分内でケーブルが傷む可能性を指摘できる。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,669,639号公報
【特許文献2】国際公開WO2005/074806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波診断装置において、表示器から引き出されているケーブルによって表示器の運動が不必要に妨げられないようにし、またケーブルが操作パネルの操作の邪魔にならないようにするためには、ケーブルをアーム機構の内部に挿通させるのが望ましい。その場合に上記従来技術のように連結部分等において鋭角な屈曲構造を採用すると、どうしてもそこでケーブルが傷みやすくなる。あるいは、それがアーム機構の動きの障害になる。なお、表示器の交換やメンテナンスのことも考えると、ケーブルをアーム機構に簡単に通すことが可能で、またアーム機構からケーブルを簡単に引き出せることが望まれ、ケーブルを無理に曲げないで自然に湾曲させる挿通構造が求められる。
【0006】
本発明の目的は、表示器のケーブルを無理なく挿通でき、しかも表示器の位置を可変してもケーブルに負担をあまり生じさせない超音波診断装置用のアーム機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ベース部材と、超音波画像を表示するフラットパネルディスプレイとしての表示器と、前記ベース部材と前記表示器との間に設けられ、前記表示器を保持しつつ前記表示器の位置を可変するアーム機構と、を含み、前記アーム機構は、前記ベース部材によって支持された第1アーム部材と、前記第1アーム部材によって支持された第2アーム部材と、前記第1アーム部材と前記第2アーム部材との連結部に設けられた中間旋回機構と、を有し、前記ベース部材から前記表示器へ達するケーブルが前記第1アーム部材及び前記第2アーム部材の内部を通過し、前記中間旋回機構の旋回角度が0度の原形状態において、前記第1アーム部材の上端部分と前記第2アーム部材の下端部分とからなる屈曲部がU字形態をなす、ことを特徴とする超音波診断装置に関する。
【0008】
上記構成によれば、表示器がアーム機構によって支持される。アーム機構は、第1アーム部材と第2アーム部材とを有する。第1アーム部材はベース部材に対して支持され、望ましくは旋回可能に支持される。第2アーム部材は中間旋回機構によって第1アーム部材に対して旋回運動することが可能である。これにより、表示器の水平位置を可変することができる。第2アームは表示器を支持し、望ましくは旋回等可能に支持する。
【0009】
屈曲部はその原形状態においてU字形を有し、つまり、第1アームの上端部分と第2アームの上端部分はいずれも緩やかに湾曲した部分として構成され、それらの中をケーブルが通過する場合においても、ケーブルを過度に屈曲させる必要がなく、自然に湾曲させることが可能となる。特に、中間旋回機構が原形状態から移行して旋回状態となってもケーブルに対して自然なねじれ力以外に無理な力が及ぶことを防止できる。望ましくは、上端部分と下端部分とが水平回転面に対して対称の形態を有するように構成してもよい。表示器がフラットパネルディスプレイとして構成されるので、従来のようなかなり重い表示器を支持する必要がなく、アーム機構に要求される制約や条件が緩和され、その形態に自由度をもたせることが容易となる。従来においては必ずしも十分に応えられなかったケーブルの取り回しその他のニーズを満足させることができる。
【0010】
望ましくは、前記上端部分及び前記下端部分の内の一方はJ字形態を有し、前記上端部分及び前記下端部分の内の他方は反転J字形態を有する。J字形態と左右反転J字形態の連結体は上記U字形態に相当する。
【0011】
望ましくは、前記上端部分及び前記下端部分はそれぞれ円形の水平断面を有し、前記中間旋回機構は、前記上端部分及び前記下端部分の両者に跨って内蔵される。望ましくは、前記中間旋回機構の動作をロックするロック機構が設けられる。このようなロック機構あるいは各角度を維持するクリック機構は個々の旋回機構に設けることが可能である。
【0012】
望ましくは、前記第1アーム部材の基端部分に設けられ、前記ベース部材に連結された下側旋回機構と、前記第2アーム部材の作用端部分に設けられ、前記表示器を支持する上側旋回機構と、を含む。
【0013】
望ましくは、前記第1アーム部材は、前記ベース部材から斜め上方に伸長した部分であって、傾斜した軸線を有する傾斜部分と、前記傾斜部分に連なって軸線を傾斜状態から水平状態に移行させ、その後に前記上端部分に連なる緩やかに湾曲した湾曲部分と、を有する。傾斜部分と湾曲部分とが連絡しているので、装置本体の上側に存在する操作パネルその他の機器への物理的な干渉(衝突)をできるだけ回避でき(U字形の連結部の下方空間を確保あるいは増大可能)、湾曲部における軸線の変更角度も緩和できる(その部位においてケーブルに生じる応力を緩和できる)。望ましくは、アーム部材の挿通経路において、ケーブルの屈曲角度が最も大きい部位が連結部となるが、上記のようにその部位においても屈曲角度をかなり緩和できるので、ケーブルに過大な負荷は生じない。それ以外の前後の部位において屈曲角度が緩和されていれば、ある程度自由度をもってつまりテンションをあまりかけずにケーブルが挿通された状態を形成できるので、連結部での旋回運動によりケーブルにねじれ力が及んでも、ケーブルの広い範囲にわたってその力を分散できる。
【0014】
望ましくは、前記原形状態おいて前記屈曲部の内部における垂直回転中心軸から水平方向に変位した外回り経路を前記ケーブルが通過している。この構成によれば、ケーブルの屈曲角度を大きくできるので、その負荷を軽減できる。また、旋回機構の中心に軸部材を設けることが可能となるので、無駄なスペースが生じ難くなり、旋回機構それ全体を小型化できる。上記のU字形状を設計する場合においては、ケーブルの最小屈曲半径を考慮して、その通過経路における限界曲率半径を計算し、その通過経路がそれ以上の曲率半径に維持されるように、U字形状を定めるのが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、アーム機構において、表示器のケーブルを無理なく挿通でき、しかも表示器の位置を可変してもケーブルに負担があまり生じないという利点を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1には、本実施形態に係る超音波診断装置の装置が斜視図として示されている。この超音波診断装置は生体に対して超音波の送受波を行って、これにより得られた受信信号に基づいて断層画像などの超音波画像を形成する装置である。図1においては、超音波の送受波を行う超音波探触子については図示省略されている。
【0018】
図1に示されるように、超音波診断装置は、カートとしての装置本体10と、装置本体10に支持されたベース部材12と、ベース部材12によって支持された操作パネル14と、ベース部材12によって支持されたアーム機構16と、アーム機構16によって支持された表示器15と、を有している。装置本体10内には複数の電子回路基板が内蔵されている。ベース部材12は、支柱によって上下方向に昇降自在とされているものである。操作パネル14はキーボードやトラックボールを有し、ユーザーは操作パネル14を利用して各種の入力や動作の設定を行える。表示器15は本実施形態においてフラットパネルディスプレイとして構成されている。その表示器15には超音波画像が表示される。フラットパネルディスプレイに代えてCRTを設けることも可能であるが、前者の方が後者より軽量であって取り扱いが容易であるという利点がある。
【0019】
以下に、アーム機構16について詳述する。なお、図1においてX方向は第1水平方向としての奥行方向であり、Y方向は奥行方向に直交する第2水平方向としての幅方向である。Z方向は垂直方向である。アーム機構16は以下に詳述するように、ベース部材12からX方向に傾斜しつつ上方に立ち上がった上で湾曲及び屈曲した形態を有している。
【0020】
図2にはアーム機構16の斜視図が示されている。このアーム機構16は図1に示したベース部材によって支持されるものであり、また表示器15を保持するものである。アーム機構16は表示器の位置及び姿勢を自在に可変するための複数の関節部を有している。アーム機構16は、第1アーム部材20及び第2アーム部材22を有している。それらのアーム部材20,22においては、外側がケースであり、その内部に必要な構造体が収容されている。
【0021】
第1アーム部材20の下端部である基端部には、旋回機構18が設けられている。旋回機構18は固定リング状部材32と回転リング状部材34とを有し、それらの部材が相対的に回転運動する。その構造については後に図3を用いて説明する。
【0022】
第1アーム部材20は、その基端部から斜め上方に立ち上がった傾斜部分36と、その傾斜部分36に連なる湾曲部分38と、その湾曲部分38に水平部分40を介して連なる上端部分42とを有する。傾斜部分36は図示されるようにその水平断面が変形した楕円形態を有している。傾斜部分36は概ね直線的な形態を有しており、湾曲部分38によって第1アーム部材20における軸線が傾斜状態から徐々に水平状態に移行することになる。傾斜部分36と水平部分40のそれぞれの軸線の交差角度は90°を超えて180°より小さい鈍角である。上端部分42は水平部分40に連なりそれら全体として左右反転J形(あるいはJ形)を有する。上端部分42の上端面の向きは垂直上方を向いている。その部分の形状は完全なる円形である。
【0023】
第2アーム部材22は、下端部分44と、下端部分44に水平部分48を介して連なる作用端部分50とを有している。下端部分44はJ形(あるいは左右反転J形)を有する。第1アーム部材20の上端部分42と第2アーム部材22の下端部分44とを合わせて連結部46が構成されており、その連結部46は、後述する中間旋回機構24が旋回動作を行っていない(つまり旋回角度0°の)原形状態においてU字形を有する。
【0024】
第2アーム部材22における作用端部分50には旋回機構26が連結されている。旋回機構26は取付部28を有し、その取付部28には図1に示した表示器が連結される。取付部28と表示器15との間にチルト機構やスライド機構あるいはその他の関節機構を設けるようにしてもよい。旋回機構26において、上半分及び下半分の内の一方が固定部であり、他方が回転部である。この例では、上半分が下半分に対して相対的に旋回可能に構成されている。
【0025】
連結部46の内部には、すなわち上端部分42と下端部分44とに跨った屈曲部位には中間旋回機構24が設けられている。上端部分42及び下端部分44のいずれもその端面においては円形の形態が採用されており、中間旋回機構24はそれらの端面の接合状態を維持したままそれぞれのアーム部材20,22を水平方向に相対的に旋回させる機能を発揮する。連結部46は、上述した原形状態においてU字形を有しており、上端部分42及び下端部分44のいずれも緩やかに湾曲した形態を有しているため、後に説明するように、当該部分に対してケーブルを挿通させた場合においてもそのケーブルに対して過度に力が加わることを防止できるという利点がある。ちなみに、第2アーム部材22の内部にはロック機構が設けられており、ノブ30はそのロック機構のオン動作及びオフ動作を切り替えるものである。このロック機構を動作させることにより、中間旋回機構24における旋回位置をロックすることができ、本実施形態においては特に旋回角度0°の状態を維持することが可能である。もちろん、そのようなロック機構を旋回機構18及び旋回機構26に設けてもよく、あるいは各旋回機構に所定の角度間隔でクリック感を与える機構を採用するようにしてもよい。
【0026】
図3には、図2に示したアーム機構を側面方向から見た垂直断面が示されている。図3に示すアーム機構16は上述した原形状態のものであり、すなわち各旋回機構がいずれも旋回動作を行っておらず、それぞれの旋回角度が0°の状態を示すものである。第1アーム部材20は上述したように斜め方向に立ち上がる傾斜部分と湾曲部分38と上端部分42とを有している。第1アーム部材20はその途中において水平方向に湾曲した上で上方へ屈曲しているが、いずれの箇所における曲率もかなり緩やかなものとなっており、すなわち鋭角での部材連結が行われていないために、ケーブル100に対するダメージを極力少なくすることが可能である。これは第2アーム部材22についても同様であり、下端部分44が緩やかに湾曲した形態を有しており、これによってケーブル100の保全を図ることが可能である。
【0027】
図3を用いて更に説明すると、旋回機構18はその中心を通過する垂直に起立した回転軸18Bを有する。回転軸18Bの奥側においてケーブル100が挿通されている。その位置が符号18Aで示されている。旋回機構18の旋回によってもケーブル100に対して不必要な荷重が加わらないように、旋回機構18が構成されている。ケーブル100は、第1アーム部材20の内部を通過し、すなわち傾斜部分36及び湾曲部分38の内部を通過し、連結部46へ到達する。
【0028】
連結部46には上述した中間旋回機構24が内蔵されている。その中心には垂直方向に軸部材24Aが設けられている。この軸部材24Aは旋回における中心軸を構成するものである。中心軸から見て、緩やかな屈曲形態における内側104と外側102との内で外側102をケーブル100が通過している。すなわちU字形態を有する連結部46において屈曲が緩やかな側すなわち外回り経路に沿ってケーブル100が引き回されている。この構成により、第1アーム部材20に対して第2アーム部材22を旋回させてもケーブル100に対して不必要に過度の力が加わることを防止できる。またケーブル100に対して旋回により捻れが生じたとしても、連結部46におけるケーブル100の屈曲半径はかなり大きくなっているため、その捻れ力を広範囲において吸収して局所的に応力が生じてしまう問題を未然に防止することが可能である。ちなみに、ノブ30に連結されたロックピン52はロック機構の一部を構成するものであり、そのロックピン52の動作によって中間旋回機構24の動作を停止させることができ、すなわち原形状態を維持することが可能となる。
【0029】
ケーブル100は第2アーム22内にも通過しており、その場合においても外回り経路に沿って引き回された上で最終的に旋回機構26の下部に形成された開口26Aから表示器側に引き出されている。すなわち、図3に示されるように、表示器に連結されたケーブル100はそれ全体として局所的に過度に屈曲しているものではなく、屈曲部分あるいは湾曲部分においてもその曲率半径が大きくされているため、ケーブルへ生じる荷重を低減できるという利点がある。よって、以下に説明するように各旋回機構が動作した場合であってもケーブル100へ生じる負荷を軽減できる。
【0030】
図4には、旋回機構18の動作が示されている。符号200は図1に示したX方向に平行な基準軸線を示しており、符号202は図1に示したY方向に平行な基準軸線を示している。符号200で示す軸線が旋回角度0°に相当しており、そこから左右方向にアーム機構16を旋回させることが可能である。その旋回範囲がθ1及びθ2で示されている。θ1及びθ2のそれぞれは90°であり、すなわち旋回機構18は180°の旋回範囲を有している。換言すれば、旋回範囲が180°に制限されている。図5には、アーム機構16が一方方向へ旋回した状態が示されており、図6にはアーム機構16が他方方向へ旋回した状態が示されている(符号204及び符号206参照)。
【0031】
図7には、中間旋回機構24の動作が示されている。軸線206は第1アーム部材20を基準として見た場合における基準軸線を示しており、符号208は基準軸線206に直交する軸線を示している。θ3及びθ4は旋回範囲を表しており、図示されるように第1アーム部材20に対して第2アーム部材22は180°の範囲内で旋回運動する。換言すれば、その旋回範囲は180°に制限されている。図8には、第1アーム部材20に対して第2アーム部材22を符号210で示す方向へ90°旋回させた状態を示しており、図9はアーム部材20に対してアーム部材22を符号212で示す方向に90°旋回させた状態を示している。図示されるように、中間旋回機構24によれば第1アーム部材20と第2アーム部材22との上方から見た交差関係を自在に設定でき、これによって表示器の水平方向の位置決めを容易に行うことができる。もちろん、下側の旋回機構及び上側の旋回機構を共に動作させれば、表示器の位置や姿勢をより自在性をもって設定できるという利点がある。
【0032】
図10には、旋回機構26の動作が示されている。符号214は第2アーム部材22を基準とする基準軸線を示しており、符号216は基準軸線に直交する基準軸線を示している。図示されるようにθ5及びθ6によって旋回範囲が示されており、その範囲は180°である。換言すれば旋回角度が180°に制限されている。符号28は表示器の取付部を示している。図11には第2アーム部材に対して取付部28を符号218で示す方向に90°旋回させた状態が示されている。図12には第2アーム部材に対して符号220で示される方向に取付部28を90°旋回させた状態が示されている。
【0033】
以上のように、本実施形態によれば、それぞれ垂直の回転軸を有する3つの旋回機構を上中下の三段階に設けたので、2つのアーム部材のそれぞれの旋回角度を任意に設定して、表示器の可動位置を任意に設定でき、しかもその可動範囲を広げることができるという利点がある。また第1アーム部分が斜めに立ち上がった上で水平方向に伸長しているため、第2アーム部材が操作パネルやその他の装置上面上に設けられている機器に物理的に衝突してしまう可能性を低減できるという利点がある。また連結部分がU字形を有しているためその内部を通過するケーブルに対する負荷を軽減でき、特に連結部分の内部における外回り経路に沿ってケーブルが引き回されているためケーブルの屈曲半径を増大して捻れ力を広い範囲に渡って分散できるという利点がある。このような機構により、ケーブルはアーム機構の内部を通過することになるので、その外部にケーブルを引き回した場合における各種の問題を未然に防止でき、また見栄え上も良好である。更に、本実施形態においては各旋回機構がその中心位置に軸部材を有しており、その軸部材を回転軸と利用して簡易な機構によって旋回を実現できるので、各旋回機構を小型化できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】アーム機構の斜視図である。
【図3】アーム機構の断面図である。
【図4】下側の旋回機構の動作を説明するための図である。
【図5】下側の旋回機構の動作状態を示す図である。
【図6】下側の旋回機構の動作状態を示す図である。
【図7】中間旋回機構の動作を説明するための図である。
【図8】中間旋回機構の動作状態を示す図である。
【図9】中間旋回機構の動作状態を示す図である。
【図10】上側の旋回機構の動作を説明するための図である。
【図11】上側の旋回機構の動作状態を示す図である。
【図12】上側の旋回機構の動作状態を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
10 装置本体、12 ベース部材、14 操作パネル、15 表示器、16 アーム機構、18 旋回機構、20 第1アーム部材、22 第2アーム部材、24 中間旋回機構、26 旋回機構、36 傾斜部分、38 湾曲部分、42 上端部分、44 下端部分、46 連結部(屈曲部)、100 ケーブル。
【出願人】 【識別番号】390029791
【氏名又は名称】アロカ株式会社
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二

【識別番号】100096976
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 純


【公開番号】 特開2008−22874(P2008−22874A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195105(P2006−195105)