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【発明の名称】 手術支援ナビゲーションシステム
【発明者】 【氏名】谷口 拡樹

【氏名】垣添 忠生

【氏名】小林 寿光

【要約】 【課題】手術手技プロトコルの知識データベースを基に、手術の状況に応じて必要なナビゲーション機能を術者に提示する。

【構成】患者体内に挿入可能な内視鏡装置やそれに付随する術具と医用診断装置5aとを機能統合する手術支援ナビゲーションシステムにおいて、術者情報や患者の疾病情報、手術環境や手術手技および手術手技ワークフローからなる手術手技プロトコルを入力する手術手技プロトコル入力装置2bと、該手術手技ワークフローを手術手段プロトコルに基づいて細分化し保存し、該細分化された手術手技ワークフローと術者情報や患者の疾病情報からなる知識データベースを構築する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者体内に挿入可能な内視鏡装置やそれに付随する術具と医用診断装置とを機能統合する手術支援ナビゲーションシステムにおいて、術者情報や患者の疾病情報、手術環境や手術手技および手術手技ワークフローからなる手術手技プロトコルを入力する手術手技プロトコル入力手段と、該手術手技ワークフローを手術手段プロトコルに基づいて細分化し保存する手段と、該細分化された手術手技ワークフローと術者情報や患者の疾病情報からなる知識データベースを構築する手段と、該知識データベースを基に該手術手技ワークフローをユーザ毎の手術手技ワークフローに再構築する手段と、再構築された手術手技ワークフローを基に手術で経時的に必要となるナビゲーション機能を備えたことを特徴とする手術支援ナビゲーションシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、患者体内に挿入可能な内視鏡装置やそれに付随する術具と磁気共鳴イメージング装置やX線CT装置、超音波装置などの医用画像診断装置とを機能統合する手術支援ナビゲーションシステムにおいて、術者情報や患者の疾病情報、手術環境や手術手技および手術手技のワークフロー等の手術手技プロトコルに基づいて、手術の状況に応じて必要なナビゲーション機能を術者に提示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の手術支援ナビゲーションシステムは、[特許文献1]に記載されたように、複数の外科手術に対応する。
【特許文献1】特開2003−79637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、装置側から見ると運用管理が煩雑になり、稼働率が増大する。また、ユーザ側から見るとナビゲーション操作が複雑になり、ナビゲーション機能の操作回数が増大する。つまり、いくらナビゲーション機能が充実していても、装置そのものやそれを操作するユーザに負担がかかることになり、最終的にはユーザが自分の動作をナビゲーションシステムに合わせるように調整することになる。まして、手術場環境で緊急性を要する際に手術支援ナビゲーションシステムを使用する場合、術者は両手を塞がれ、じかにナビゲーションシステムを操作できない状況に陥る可能性がある。また、患者情報や複数の画像情報やモニタリングしながら手術をするため、必要なときに必要な情報を簡単に取り出せ、解析/閲覧できる機能が必要になる。さらに手術手技は同一でも手術の進捗状況により術者が求めるナビゲーション機能は異なるため、術者固有で術者が最も扱い易いユーザーインターフェースが必要である。
本発明は、手術手技プロトコルによる知識データベースを基に、手術の状況に応じて必要なナビゲーション機能を術者に提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、患者体内に挿入可能な内視鏡装置やそれに付随する術具と医用診断装置とを機能統合する手術支援ナビゲーションシステムにおいて、術者情報や患者の疾病情報、手術環境や手術手技および手術手技ワークフローからなる手術手技プロトコルを入力する手術手技プロトコル入力手段と、該手術手技ワークフローを手術手段プロトコルに基づいて細分化し保存する手段と、該細分化された手術手技ワークフローと術者情報や患者の疾病情報からなる知識データベースを構築する手段と、該知識データベースを基に該手術手技ワークフローをユーザ毎の手術手技ワークフローに再構築する手段と、再構築された手術手技ワークフローを基に手術で経時的に必要となるナビゲーション機能を備えたことを特徴とする手術支援ナビゲーションシステムによって達成される。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、手術手技プロトコルによる知識データベースを基に、手術の状況に応じて必要なナビゲーション機能を術者に提示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0007】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係わる手術支援ナビゲーションシステムの構成図である。手術支援ナビゲーションシステム1は、マウス、タッチスクリーン、音声等のナビゲーション操作入力装置2bを用いて、ナビゲーション機能を選択し、その結果をモニタ2aに表示し、解析/閲覧できるナビゲーション装置2と、磁気式センサや光学式センサ等の各種位置検出装置4aから取得した位置情報をナビゲーション装置2に送信する位置取得装置4と、磁気共鳴イメージング装置、X線CT装置、超音波装置等の医用画像診断装置5aから取得した医用診断画像や麻酔器、内視鏡装置等の患者モニタ5bからモニタリングした患者管理情報や実画像情報をナビゲーション装置2に送信する画像取得装置5と、術具操作入力装置6aによって内視鏡装置やそれに付随する術具6b(手術ロボット鉗子等を含む)を操作する際の操作入力情報をナビゲーション装置2に送信する術具情報取得装置6と、それぞれの装置毎に手術プロトコルに関する情報が格納される知識データベース3を有して構成されている。知識データベース3は上述のように各装置に配されてもよいし、図1のように一元管理されていてもよい。ネットワーク7は通信手段として、光スイッチを介して光インターフェースにてPC間を接続する形態をとってもよいし、ネットワークを用いてPC間を接続する形態でもよい。また、PCIバス等のシェアードバスによって専用ケーブルを用いてPC間を接続する形態や、スイッチド・ファブリック技術によってPCI-to-PCIブリッジ機能を用いてPC間を接続する形態であってもよい。
【0008】
図2のように、ナビゲーション装置2、位置取得装置4、画像取得装置5、術具情報取得装置6はそれぞれ通信インターフェース(以下、通信I/F)、CPU、メモリ、データベースを有している。ナビゲーション装置2は、ナビゲーション操作入力装置からの入力情報をCPU2cにて各処理装置に処理命令を送信する。処理内容が画像処理であればナビゲーション装置内2へ、位置情報の取得であれば位置取得装置4へ、画像情報の取得であれば画像取得装置5へ、術具情報の取得であれば術具情報取得装置6へ、通信I/Fを介して処理命令を転送し、その処理結果を表示インターフェース(以下、表示I/F)2eを介してモニタ2aに映し出す。メモリ2dは、取得した画像情報や位置情報、術具の制御情報を記憶する。情報のread/writeの制御はCPU(2c)が担当する。モニタ2aは、実内視鏡画像や医用診断画像および医用診断画像を画像処理し加工した情報を表示I/F(2e)により切り替えて表示する。
データベース3aは術前に取得した医用診断画像や患者情報といったDICOM情報や、知識データベースや手術手技プロトコルのスケジュールに沿った術中の医用診断画像や画像処理・加工画像を保存する。
【0009】
位置取得装置4は、ナビゲーション装置からの指令を受け、位置情報を取得しナビゲーション装置に転送する役目を果たす。CPU(4c)は位置検出装置4aの種別の判断、外部の位置検出装置との通信接続/切断、位置情報のメモリ4dやデータベース3bへのread/writeの制御を行う。位置検出装置4aとして、光学式位置検出装置4a-1や磁気式位置検出装置4a−2が一つあるいは複数、位置取得装置に接続される。
データベース3bは知識データベースや手術手技プロトコルのスケジュールに沿った術中の位置情報を保存する。
【0010】
画像取得装置5は、ナビゲーション装置からの指令を受け、画像情報を取得しナビゲーション装置に転送する役目を果たす。CPU(5c)は医用画像診断装置5aの種別の判断、外部の医用画像診断装置との通信接続/切断、医用画像情報のメモリ5dやデータベース3cへのread/writeの制御を行う。また、患者モニタ5bの種別の判断、外部の患者モニタとの接続/切断、患者情報のメモリ5dやデータベース3cへのread/writeの制御を行う。医用画像診断装置には、術中に撮影できる医用画像診断装置が該当し、超音波装置5a-1、XR装置5a-2、X線CT装置5a-3、磁気共鳴イメージング装置5a-4がある。また、患者モニタには、麻酔器5b-1、内視鏡装置5b-2、術者、患者、スタッフの手術場状況をモニタリングする手術場モニタ5b-3がある。データベース3cは知識データベースや手術手技プロトコルのスケジュールに沿った術中画像情報を保存する。
【0011】
術具情報取得装置6は、ナビゲーション装置からの指令を受け、術具を駆動するアクチュエータからの制御情報(駆動方向情報や内界センサ情報等)を取得しナビゲーション装置に転送する役目を果たす。CPU(6c)は術具6bの種別の判断、アクチュエータとの通信接続/切断、術具制御情報のメモリ6dやデータベース3dへのread/writeの制御を行う。尚、術具6bはアクチュエータによって駆動するロボット術具を含むが、手動によって動作する術具は含まない。データベース3dは知識データベースや手術プロトコルのスケジュールに沿った術中におけるアクチュエータからの制御情報を保存する。
【0012】
図3はモニタ2a上に表示されるナビゲーション画面8である。ナビゲーション画面8は、手術手技プロトコル画面8aで設定された手術プロトコルにより、患者の画像情報やナビゲーション設定情報の読込/書込を担当するデータ管理部8b、手術支援ナビゲーションシステムと外部装置との接続確立や切断要求を担当する自己診断部8c、術前画像または最新の術中画像を用いた手術計画を担当する手術計画立案部8d、術中画像を用いた画像解析・画像表示による手術支援を担当する術中操作部8eに画面遷移する。
【0013】
図4は手術手技プロトコル画面8aの一例である。画面上部は手術全体のタイムスケジュールを示している。このタイムスケジュールに併せて図3に示す画面毎の機能モジュールのスケジュールを決定する。各機能のスケジュール管理は手術手技プロトコル画面中央部のフォームにより実現される。画面右上部には、術式や対象部位、術者情報や患者情報等、術前における手術手技の決定事項(決定情報)を示す。この決定事項は変更が可能であり、後述する知識データベースにより、変更箇所に関連する事項は有機的に変更される。例えば、手術直前で一部手術手技が変更になったり、術者の変更が余儀なくされた場合に、その事項に関連する機能およびスケジュールが有機的に変更される。画面左には、その術式における手術プロトコルの機能モジュールアイコンが配置されており、それぞれの機能モジュールアイコンを組み合わせてタイムスケジュールやマイルストーン等を設定することができる。画面右中央部には現在使用している/または使用する予定である機能モジュールアイコンのプロパティを示す。例えば、位置合わせの機能モジュールのプロパティでは、どのツールを用いて位置合わせするのか、どの画像を用いるのか、マーカに何を使うのか等、手術の状況により変更する情報を示す。これまでの説明は主に、手術計画時における手術手技プロトコル画面の使用方法についてである。画面右下部には、手術経過時における手術手技プロトコル画面での手術状況を示している。これにより、数分前の手術状況を画面でプレイバックすることができる。
【0014】
図5,6は知識データベースのスキーマを示している。知識データベースのスキーマS1は、機能モジュールと関連するユーザーインターフェースのアイコンとタスクからなる複数個のリレーショナル・テーブルを含む。テーブルの関係は、テーブル間を結ぶ線により表される。値FK1,FK2,FK3の指標は関連テーブルへの外部キーであり、関連テーブルを指定する必要があることを表す。これに反すればデータベースはエラーを返す。知識データベースに組み込まれた各種機能モジュールを全体的に特徴づけるために、テーブルの簡単な説明をする。
【0015】
術式テーブルS2はレコードとして、術式名称、対象部位ID、体位、医師ID、患者ID、麻酔ID、宗教、モダリティ、トータルの手術時間を含み、手術手技や手術に係わるスタッフ・患者の情報を有することができる。
【0016】
計画テーブルS3はレコードとして、概念ID、スケジュールID、重要度、緊急度、関連度、依存度を含み、主に術式と画像との関係、術式と位置情報との関係、術式と術具との関係、術式と機能モジュールとの関係や、それらとスケジュールとの関係を記述する。
【0017】
ソフトウェア構造化モデルは、ユーザの代理として、必要な情報やサービスを検索し、状況に合わせて行動を柔軟に修正するなどの機能を有する。ソフトウェア構造化モデルは振る舞いの動作規則に従って、ユーザが与えたゴールに向かって自らの挙動を決定し、実行する。実行に失敗した場合には再プランニングを行い、別の方法によりゴールを目指す。計画を遂行する際には、その機能モジュールを有する装置に移動し、プランニング通りに処理を実行し、ナビゲーション装置に処理結果を返すことになる。また、プランニングにおいて必須となる手術手技プロトコルによる知識データベースをソフトウェア構造化モデルが移動する装置毎に持つことができる。プランニングはこれらの手術手技プロトコルデータベースに含まれる動作規則に基づいて行われる。動作規則には、手術スケジュールに照し合わせた状況でのゴールを解決するための行動プランが定義されている。ソフトウェア構造化モデルは、その場、その時の状況に合わせて適切な行動を採り、行動プランを生成する。適切な行動を採るための評価方法としては、ニューラルネットワーク等がある。
【0018】
本実施形態により、手術の状況に応じて、使用者の行動(動作)パターンに対応するナビゲーション機能を提示することができ、ナビゲーションシステムがユーザに合わせてその動作を調整することができる。つまり、必要なときに必要な情報を簡単に取り出せ、解析/閲覧できるため、術者は手術に注力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】手術支援ナビゲーションシステム構成図。
【図2】手術支援ナビゲーションシステムブロック図。
【図3】手術支援ナビゲーション画面遷移図。
【図4】手術手技プロトコル設定画面。
【図5】知識ベーススキーマ1。
【図6】知識ベーススキーマ2。
【図7】ソフトウェア構造化モデルの状態遷移図。
【図8】実施例1。
【符号の説明】
【0020】
2 ナビゲーション装置、2a モニタ、2b ナビゲーション操作入力装置、3 知識データベース、4 位置取得装置、4a 位置検出装置、5 画像取得装置、5a 医用画像診断装置、6 術具情報取得装置、6a 術具操作入力装置、
【出願人】 【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
【識別番号】590001452
【氏名又は名称】国立がんセンター総長
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−17997(P2008−17997A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191652(P2006−191652)