トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 磁性体検知システム及び磁性体器具搬入防止方法
【発明者】 【氏名】杉本 博

【要約】 【課題】磁性体器具のMRI撮影室への搬入を未然に検知し、磁場吸引事故を防止する。

【構成】開閉扉53を介しMRI撮影室に対して医療用器具の搬入/搬出が可能な前室の開閉扉53の近傍に磁場発生部1及び磁場検出部2を設け、この磁場発生部1によって形成される磁性体検知領域の磁場変化を前記磁場検出部2によって検出することにより前記磁性体検知領域に進入する医療用器具が磁性体器具か否かを判定する。そして、前記医療用器具が磁性体器具の場合、警告発生部5は磁性体器具のMRI撮影室への搬入に対する警告を医療従事者に対し発生し、扉開閉部6は開閉扉53を閉鎖することにより磁性体器具のMRI撮影室への搬入を阻止する。この場合、開閉扉53へ接近する医療用器具の有無を検知する接近検知部7を磁性体検知領域の手前近傍に設け、接近検知部7からの検知信号に基づいて磁場発生部1は起動され磁性体検知動作を開始する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用器具の搬入/搬出が可能な開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した所定領域に対し磁性体検出用の磁場を発生して磁性体検知領域を設定する磁場発生手段と、
前記磁性体検知領域における磁場強度を検出する磁場検出手段と、
前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域において前記磁場検出手段が検出した磁場強度に基づき前記医療用器具が磁性体器具か否かを判定する磁性体器具判定手段と、
この磁性体器具判定手段により前記医療用器具が磁性体器具と判定された場合、その判定結果に基づき前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入に対して警告を発生する警告発生手段とを
備えたことを特徴とする磁性体検知システム。
【請求項2】
前記医療用器具の前記磁性体検知領域に対する接近を検知する接近検知手段と、その検知結果に基づいて前記磁場発生手段を起動する磁場発生起動手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の磁性体検知システム。
【請求項3】
前記開閉扉の開閉を行なう扉開閉手段を備え、前記磁性体器具判定手段によって前記医療用器具が磁性体器具と判定された場合、前記扉開閉手段は、その判定結果に基づいて前記開閉扉を閉鎖し前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入を阻止することを特徴とする請求項1記載の磁性体検知システム。
【請求項4】
前記磁場発生手段は、前記磁性体検知領域に対して静磁場を発生することを特徴とする請求項1記載の磁性体検知システム。
【請求項5】
前記磁場発生手段は、対向して配置された2つの円環状コイルを備え、そのコイル半径と対向間隔に基づいて前記磁性体検知領域を設定することを特徴とする請求項1記載の磁性体検知システム。
【請求項6】
医療用器具の搬入/搬出が可能な開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した磁性体検知領域において前記MRI撮影室から漏洩する磁場の磁場強度を検出する磁場検出手段と、
前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域において前記磁場検出手段が検出した前記磁場強度に基づき前記医療用器具が磁性体器具か否かを判定する磁性体器具判定手段と、
この磁性体器具判定手段により前記医療用器具が磁性体器具と判定された場合、
その判定結果に基づいて前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入を阻止するための指示信号を発生する指示信号発生手段と、
前記指示信号に基づき前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入に対して警告を発生する警告発生手段とを
備えたことを特徴とする磁性体検知システム。
【請求項7】
前記医療用器具の前記開閉扉への接近を検知する接近検知手段を備え、前記接近検知手段により前記医療用器具の前記開閉扉への接近が検知され、更に、前記磁性体器具判定手段により前記医療用器具が磁性体器具と判定された場合、前記指示信号発生手段は、前記接近検知手段による検知結果と前記磁性体器具判定手段による判定結果に基づいて前記指示信号を発生することを特徴とする請求項6記載の磁性体検知システム。
【請求項8】
前記開閉扉の開閉を行なう扉開閉手段を備え、前記扉開閉手段は、前記指示信号に基づいて前記開閉扉を閉鎖し前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入を阻止することを特徴とする請求項6又は請求7に記載した磁性体検知システム。
【請求項9】
前記磁性体器具判定手段は、前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域における磁場強度と前記医療用器具が進入する前の前記磁性体検知領域における磁場強度との比較結果に基づいて磁性体器具の判定を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載した磁性体検知システム。
【請求項10】
前記磁性体器具判定手段は、前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域における磁場強度と前記医療用器具が進入する前の前記磁性体検知領域における磁場強度との差が所定閾値より大きい場合、前記医療用器具を磁性体器具と判定することを特徴とする請求項9記載の磁性体検知システム。
【請求項11】
前記磁場検出手段は、1次元配列あるいは2次元配列された磁気センサを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項6に記載した磁性体検知システム。
【請求項12】
前記磁気センサは、ホール素子、フラックスゲートセンサあるいは磁気抵抗素子の何れかであることを特徴とする請求項11記載の磁性体検知システム。
【請求項13】
前記警告発生手段は、警告音、警告光、警告メッセージの少なくとも何れかによって前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入に対する警告を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載した磁性体検知システム。
【請求項14】
前記接近検知手段は、1つあるいは複数個の接触スイッチ、超音波センサ、赤外線センサの何れかを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項6に記載した磁性体検知システム。
【請求項15】
磁場発生手段が、医療用器具の搬入/搬出が可能な開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した所定領域に対し磁性体検出用の磁場を発生して磁性体検知領域を設定するステップと、
磁場検出手段が、前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域における磁場強度を検出するステップと、
磁性体器具判定手段が、前記磁場検出手段によって検出された磁場強度に基づき前記医療用器具が磁性体器具であることを判定するステップと、
警告発生手段が、前記磁性体器具判定手段の判定結果に基づき前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入に対して警告を発生するステップとを
有することを特徴とする磁性体器具搬入防止方法。
【請求項16】
磁場検出手段が、医療用器具の搬入/搬出が可能な開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した磁性体検知領域において前記MRI撮影室から漏洩する磁場の磁場強度を検出するステップと、
磁性体器具判定手段が、前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域において前記磁場検出手段が検出した磁場強度に基づき前記医療用器具が磁性体器具であることを判定するステップと、
接近検知手段が、前記医療用器具の前記開閉扉への接近を検知するステップと、
指示信号発生手段が、前記接近検知手段による判定結果と前記接近検知手段による検知結果に基づいて前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入を阻止するための指示信号を発生するステップと、
警告発生手段が、前記指示信号に基づいて警告を発生するステップとを
有することを特徴とする磁性体器具搬入防止方法。
【請求項17】
前記警告を発生するステップに後続し、扉開閉手段が、前記指示信号に基づいて前記開閉扉を閉鎖し前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入を阻止するステップを有することを特徴とする請求項15又は請求項16に記載した磁性体器具搬入防止方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は磁性体検知システム及び磁性体器具搬入防止方法に係り、特に、磁性体を有した各種医療用器具のMRI撮影室への搬入を未然に検知することにより磁場吸引事故を防止する磁性体検知システム及び磁性体器具搬入防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング法(MRI)は、強力な静磁場中に置かれた生体組織の原子核スピンを、そのラーモア周波数をもつ高周波信号で励起し、この励起に伴って発生する磁気共鳴信号(MR信号)に基づいて画像データを再構成する画像診断法である。MRI装置は、被検体内から生じるMR信号を用いた画像診断装置であり、解剖学的診断情報のみならず生化学的情報や機能診断情報等多くの診断情報を得ることができるため、今日の画像診断の分野では不可欠なものとなってきている。
【0003】
ところで、上述のように磁気共鳴イメージング法では、被検体に対して強力な静磁場を印加する必要があり、MRI装置のガントリ(架台)に設けられた超電導コイル等が発生する静磁場は、被検体のみならずMRI撮影室の内部及び外部における広範囲な領域に分布する。そして、ガントリの周囲領域に磁性体を有したストレッチャーや酸素ボンベあるいは点滴台等の比較的大きな医療用器具(以下では、磁性体器具と呼ぶ。)が搬入された場合、これらの磁性体器具は、強力な静磁場領域に吸引(磁場吸引)されて検査中の被検体や医療従事者に衝突し、死亡事故等の重大事故に繋がることがある。
【0004】
特に、上述の静磁場は、検査が行なわれていない場合においても常時発生しており、このような場合に看護師や検査技師らの医療従事者がMRI撮影室の内部へ不用意に搬入した上述の磁性体器具は、ガントリ近傍における強力な静磁場領域に吸引されることにより被検体や医療従事者に危害を与え、更に、ガントリ等のユニットに対しても損傷を与える。
【0005】
このような磁場吸引に起因する事故を防止するために、従来、MRI撮影室の入り口に磁性体器具の持ち込みを禁止したポスターを貼付することによって注意を喚起する方法が行なわれてきた。しかしながら、緊急の医療行為に直面した医療従事者は、このようなポスターに気付くことなく磁性体器具のMRI撮影室への搬入を行ない、その結果、磁場吸引事故が発生する場合があった。
【0006】
一方、緊急時においても対応が可能となるように、空港における手荷物検査等に広く用いられているゲート式の金属探知機をMRI撮影室の入口近傍に設置し、磁性体器具のMRI撮影室への搬入を自動的に検知する方法も行なわれている。このゲート式の金属探知機は図7に示すように、MRI撮影室の入口に配置されたゲート51の側壁に金属の有無を検知する複数個の検出器52が取り付けられ、ゲート51を通過してMRI撮影室へ搬入される各種医療用器具に対し金属の有無を検知する。そして、金属を検知した場合には、ブザーや警告灯等の報知手段を用い当該医療従事者に対して警告を発する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
磁性体器具のMRI撮影室への搬入防止を目的として上述の金属探知機を用いた場合、この金属探知機は、磁場吸引事故の対象となり得ないアルミニューム等の非磁性体材料から構成されるストレッチャーや点滴台等の医療用器具(以下では、非磁性体器具と呼ぶ。)に対しても磁性体器具の場合と同様の警告を発生する。このため警告の発生頻度が高くなり、医療従事者は、医療行為が妨害されるのみならず磁性体器具の搬入を非磁性体器具の搬入と誤って認識してしまう場合がある。
【0008】
又、ストレッチャー等の大型の医療用器具の通過が可能なゲート型の金属探知機は、磁性体の検出に対して十分な検出感度を得ることが困難であるという問題点を有している。
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁性体器具のMRI撮影室への搬入を未然に検知することが可能な磁性体検知システム及び磁性体器具搬入防止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の磁性体検知システムは、医療用器具の搬入/搬出が可能な開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した所定領域に対し磁性体検出用の磁場を発生して磁性体検知領域を設定する磁場発生手段と、前記磁性体検知領域における磁場強度を検出する磁場検出手段と、前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域において前記磁場検出手段が検出した磁場強度に基づき前記医療用器具が磁性体器具か否かを判定する磁性体器具判定手段と、この磁性体器具判定手段により前記医療用器具が磁性体器具と判定された場合、その判定結果に基づき前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入に対して警告を発生する警告発生手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
又、請求項6に係る本発明の磁性体検知システムは、医療用器具の搬入/搬出が可能な開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した磁性体検知領域において前記MRI撮影室から漏洩する磁場の磁場強度を検出する磁場検出手段と、前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域において前記磁場検出手段が検出した前記磁場強度に基づき前記医療用器具が磁性体器具か否かを判定する磁性体器具判定手段と、この磁性体器具判定手段により前記医療用器具が磁性体器具と判定された場合、その判定結果に基づいて前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入を阻止するための指示信号を発生する指示信号発生手段と、前記指示信号に基づき前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入に対して警告を発生する警告発生手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
一方、請求項15に係る本発明の磁性体器具搬入防止方法は、磁場発生手段が、医療用器具の搬入/搬出が可能な開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した所定領域に対し磁性体検出用の磁場を発生して磁性体検知領域を設定するステップと、磁場検出手段が、前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域における磁場強度を検出するステップと、磁性体器具判定手段が、前記磁場検出手段によって検出された磁場強度に基づき前記医療用器具が磁性体器具であることを判定するステップと、警告発生手段が、前記磁性体器具判定手段の判定結果に基づき前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入に対して警告を発生するステップとを有することを特徴としている。
【0013】
又、請求項16に係る本発明の磁性体器具搬入防止方法は、磁場検出手段が、医療用器具の搬入/搬出が可能な開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した磁性体検知領域において前記MRI撮影室から漏洩する磁場の磁場強度を検出するステップと、磁性体器具判定手段が、前記医療用器具が進入した前記磁性体検知領域において前記磁場検出手段が検出した磁場強度に基づき前記医療用器具が磁性体器具であることを判定するステップと、接近検知手段が、前記医療用器具の前記開閉扉への接近を検知するステップと、指示信号発生手段が、前記接近検知手段による判定結果と前記接近検知手段による検知結果に基づいて前記医療用器具の前記MRI撮影室への搬入を阻止するための指示信号を発生するステップと、警告発生手段が、前記指示信号に基づいて警告を発生するステップとを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、磁性体器具のMRI撮影室への搬入を未然に検知することができるため、MRI撮影室における磁場吸引事故を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
以下に述べる本発明の第1の実施例における磁性体検知システムは、開閉扉を介しMRI撮影室に対して医療用器具の搬入/搬出が可能な前室の前記開閉扉の近傍に磁場発生部及び磁場検出部を設け、この磁場発生部によって形成される磁性体検知領域の磁場変化を前記磁場検出部によって検出することにより前記磁性体検知領域に進入する医療用器具が磁性体器具か否かを判定する。そして、前記医療用器具が磁性体器具の場合、この磁性体器具のMRI撮影室への搬入に対する警告を当該医療従事者に対して発生すると共に、上述の開閉扉を閉鎖することにより磁性体器具のMRI撮影室への搬入を阻止する。
【0017】
この場合、医療用器具の前記磁性体検知領域への接近を検知する接近検知部を磁性体検知領域の手前近傍に設け、この接近検知部からの検知信号に基づき磁場発生部は起動されて磁性体検知動作を開始する。
【0018】
(装置の構成)
本発明の第1の実施例につき図1乃至図3を用いて説明する。尚、図1は、本実施例における磁性体検知システムの全体構成を示すブロック図であり、図3は、この磁性体検知システムにおける各ユニットの実態配置図である。
【0019】
MRI撮影が行なわれる医療施設は、通常、図1に示すように被検体に対する静磁場や傾斜磁場の印加、RFパルスの照射、MR信号の受信等を行なうガントリ51や被検体を載置する天板(寝台)52等が設置され、前記被検体に対してMRI撮影が行なわれるMRI撮影室と、被検体の控え室を兼ねた前室と、静磁場電源、傾斜磁場電源、送受信部及び画像データ生成部等のユニットが設置されたCPU室(機械室)と、撮影条件の入力や画像データの表示等が行なわれる操作室を有している。
【0020】
そして、非磁性体の材料を用いたストレッチャーや点滴台等の医療用器具(非磁性体器具)は、MRI撮影室と前室を連絡する開閉扉53を介してMRI撮影室へ搬入される。このとき、MRI撮影室の内部及び外部の領域は、ガントリ51に設けられた図示しない超電導コイル等によって形成される静磁場の影響を受ける。
【0021】
図2は、MRI撮影室や前室等における磁場分布の具体例を示しており、寝台(天板)52に載置されガントリ51の中心部に搬入された被検体に対し、ガントリ51は強力な静磁場を印加する。このとき、MRI撮影室のみならずこのMRI撮影室に隣接した前室等において図2に示すような漏洩磁場が形成される。
【0022】
このような磁場分布のMRI撮影室に対する磁性体器具の搬入を防止する本実施例の磁性体検知システムでは、磁性体による磁場変化を検出するための磁場発生部及び磁場検出部が前室における開閉扉53の近傍に配置される。
【0023】
即ち、図1に示す本実施例の磁性体検知システム100は、開閉扉53の近傍において磁性体検知用の静磁場を発生し磁性体検知領域を形成する磁場発生部1と、医療用器具の進入前及び進入中における前記磁性体検知領域の磁場強度を検出する磁場検出部2と、後述の接近検知部7から供給される検知信号に従い磁場発生部1を起動する磁場発生起動部3を備えている。
【0024】
更に、磁性体検知システム100は、磁場検出部2が検出した磁場強度に基づいて上述の医療用器具が磁性体器具か否かを判定する磁性体器具判定部4と、この判定結果に基づき医療従事者に対して警告を発生する警告発生部5と、前記判定結果に基づいて開閉扉53を閉鎖し前記医療用器具(磁性体器具)のMRI撮影室への搬入を阻止する扉開閉部6と、前記医療用器具の磁性体検知領域への接近を検知する接近検知部7と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部8を備えている。
【0025】
次に、上述の各ユニットの詳細につき、図3に示した実態配置図を用いて説明する。磁性体検知システム100の磁場発生部1は、例えば、2つの円環状導体(コイル)を対向させその対向間隔がコイル半径に略等しくなるように配置した、所謂、ヘルムホルツコイルを有し、図示しない2枚の平面パネルの各々に取り付けられたコイルは、前室における開閉扉53の左右に夫々設置される。そして、磁場発生起動部3における後述の電源部から供給される直流電流がコイル中を矢印方向に流れることにより、2つのコイルによって囲まれた磁性体検知領域において比較的均一な静磁場が形成される。
【0026】
一方、磁場検出部2は、磁場発生部1が形成した磁性体検知領域における磁場強度を検出する1つあるいは複数個の磁気センサを備え、この磁気センサは、磁場発生部1のコイルと同様にして上述の平面パネルに取り付けられている。磁場強度を検出する上述の磁気センサとして、通常用いられているホール素子やフラックスゲートセンサ、あるいは、磁気抵抗素子等が好適であるが、特に限定されない。
【0027】
次に、磁場発生起動部3は、出力制御が可能な図示しない電源部を備えている。そして、この電源部は、磁場発生部1における2つのコイルの各々に接続され、磁性体検知用磁場の発生に必要な電流をこれらのコイルに対して供給する。但し、磁場発生部1のコイルに対する電流の供給は、医療用器具が磁性体検知領域に接近する際に接近検知部7から供給される検知信号に基づいて行なわれる。即ち、磁場発生部1に対する電流の供給は、医療用器具が磁性体検知領域に接近する場合を除いて行なわれることがないため、磁場発生部1が発生する磁性体検知用磁場がMRI撮影室におけるMR信号の収集を妨げる頻度は極めて低くなり、従って、良好なMRI撮影を効率よく行なうことが可能となる。
【0028】
磁性体器具判定部4は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、前記記憶回路には、医療用器具が磁性体検知領域に進入する前に磁場検出部2によって検出された磁性体検知領域の磁場強度が予め保存されている。一方、前記演算回路は、医療用器具の磁性体検知領域への進入時に磁場検出部2の磁気センサが検出した磁場強度の情報を磁場検出部2から受信し、同一部位(即ち同一磁気センサ)における医療用器具進入時の磁場強度と前記記憶回路に保存されている医療用器具進入前の磁場強度を比較する。そして、比較結果に基づいて磁性体検知領域に進入した医療用器具が磁性体器具か否かを判定し、磁性体器具と判定した場合にはその判定結果を警告発生部5及び扉開閉部6へ供給する。
【0029】
例えば、前記演算回路は、磁気センサによって検出された磁性体検知領域における医療用器具進入前の磁場強度と医療用器具進入時の磁場強度の差を算出し、この磁場強度の差が予め設定された閾値より大きい場合には、磁性体検知領域に進入した医療用器具は許容できない量の磁性体を有した磁性体器具であると判定する。
【0030】
次に、警告発生部5は、磁性体器具判定部4から供給される上述の判定結果に基づき、開閉扉53に磁性体器具が接近したことを医療従事者に報知するための警告の発生や表示を行なう。具体的には、ブザーや音声等による警告音の発生やLEDやランプ等による警告光の発生、あるいは、警告メッセージの表示等により医療従事者に対して警告を行なう。
【0031】
一方、扉開閉部6は、開閉扉53の開閉を行なう開閉駆動部と、この開閉駆動部を制御する開閉制御部(何れも図示せず)を備えている。そして、前記開閉駆動部は、磁性体器具判定部4から供給される上述の判定結果に基づいて開閉扉53を閉鎖するための開閉制御信号を生成し、前記開閉駆動部は、前記開閉制御部から供給される開閉制御信号に従って開閉扉53を閉鎖することにより、開閉扉53に接近した磁性体器具のMRI撮影室への搬入を阻止する。
【0032】
次に、接近検知部7は、例えば、複数個の接触スイッチが2次元配列されたマットを有し、磁性体検知領域の手前近傍における床面に配置された前記マットの上を通過して磁性体検知領域へ進入する医療用器具の有無を上述の接触スイッチによって検知する。この場合、接近検知部7は、医療用器具の移動に伴なって変化する接触スイッチのON/OFF状態に基づいてその移動方向を判定し、医療用器具が磁性体検知領域に侵入する場合のみ磁場発生起動部3に対して検知信号を供給する。
【0033】
(磁性体器具の搬入防止手順)
次に、MRI撮影室に対する磁性体器具の搬入防止手順につき図4のフローチャートを用いて説明する。
【0034】
磁性体検知領域に進入する磁性体器具の検知に先立ち、磁性体検知システム100のシステム制御部8は、磁場発生起動部3の電源部を制御し磁場発生部1における2つのコイルに対して電流を供給する。そして、電流の供給を受けた磁場発生部1は、医療用器具進入前の磁性体検知領域に対して磁場を発生する。一方、磁場検出部2の磁気センサは、磁性体検知領域における磁場強度を検出し、その検出結果を磁性体器具判定部4の記憶回路に保存する(図4のステップS1)。
【0035】
次に、磁性体検知領域の手前近傍における床面に設置された接近検知部7を通過する医療用器具に対し、接近検知部7に設けられた複数個の接触センサはそのON/OFF状態の変化に基づいて移動方向を検知する。そして、前記医療用器具が磁性体検知領域に接近している場合には、磁場発生起動部3に対して検知信号を供給する(図4のステップS2)。次いで、磁場発生起動部3の電源部は、この検知信号に基づいて磁場発生部1のコイルに電流を供給し、この電流の供給を受けた磁場発生部1は、磁性体検知領域に対して磁性体検知用の磁場を発生する。
【0036】
一方、磁場検出部2は、磁性体検知領域において形成された磁場の強度を継続して検出し、医療用器具が磁性体検出領域に進入した状態における磁場強度の検出結果を磁性体器具判定部4の演算回路に供給する(図4のステップS3)。
【0037】
上述の検出結果(即ち、医療用器具進入時の磁場強度)を受信した磁性体器具判定部4の演算回路は、医療用器具進入時の磁場強度と自己の記憶回路に予め保管されている医療用器具進入前の磁場強度を比較し(図4のステップS4)、この比較結果に基づいて磁性体検知領域に進入した医療用器具が磁性体器具か否かを判定する(図4のステップS5)。そして、前記医療用器具が磁性体器具であると判定した場合には、この判定結果を警告発生部5及び扉開閉部6へ供給する。
【0038】
磁性体器具判定部4から上述の判定結果を受信した警告発生部5は、開閉扉53に対して磁性体器具が接近したことを医療従事者に報知するための警告の発生あるいは表示を行なう(図4のステップS6)。一方、前記判定結果を受信した扉開閉部6の開閉制御部は、開閉扉53を閉鎖するための開閉制御信号を開閉駆動部へ供給し、開閉駆動部は、この開閉制御信号に従って開閉扉53を閉鎖し開閉扉53に接近した磁性体器具のMRI撮影室への搬入を阻止する(図4のステップS7)。
【0039】
尚、上述の磁場発生部1が有するヘルムホルツコイルは、2つの円環状コイルが水平方向に配列される場合について述べたが、垂直方向や他の方向に配列されていてもよく、又、コイルの数は2つに限定されない。更に、磁場発生部1に備えられるコイルは上述のヘルムホルツコイルに限定されるものではなく、例えば、前室における開閉扉近傍の上下方向あるいは左右方向の何れか一方に1つあるいは複数のコイルが設けられていてもよい。又、コイルの形状は円環状に限定されるものではなく、例えば、矩形の環状コイルであっても構わない。
【0040】
一方、上述の実施例における磁場発生部1は、磁性体検知領域に対して静磁場(直流磁場)を発生する場合について述べたが、交番磁場(交流磁場)であっても構わない。更に、磁場発生起動部3は、磁場発生用の電流を供給することによって磁場発生部1を起動する場合について述べたが他の方法によって起動してもよい。
【0041】
以上述べた本発明の第1の実施例によれば、磁性体器具のMRI撮影室への搬入を未然に検知することができるため、MRI撮影室における磁場吸引事故を防止することが可能となる。
【0042】
特に、本実施例では、磁場吸引事故の原因となる磁性体を有した医療用器具(磁性体器具)がMRI撮影室の開閉扉に接近する場合に対してのみ警告の発生や開閉扉の閉鎖が行なわれるため、通常用いられている非磁性体器具のMRI撮影室への搬入に対して誤った警告の発生や開閉扉の閉鎖を行なうことが無くなり、効率のよい医療行為を行なうことができる。又、磁性体器具の検知は、前記開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した前室において行なわれるため、吸引事故を確実に防止することができる。
【0043】
一方、上述の実施例では、接近検知部を磁性体検知領域の手前近傍に設置することにより、医療用器具が磁性体検知領域に接近する場合のみ磁場発生部が起動される。このため、磁場発生部が発生する磁性体検出用磁場がMRI撮影室におけるMR信号の収集を妨げる頻度は極めて低くなり、従って、ノイズの少ない良好なMRI撮影を効率よく行なうことが可能となる。このとき、磁場発生部に供給される電流も医療用器具が磁性体検知領域に接近する場合に限定されるため、磁場発生における消費電力を低減することができる。
【0044】
又、上述の接近検知部は、医療用器具の移動方向を検知することも可能なため、MRI撮影室から搬出された医療用器具が接近検知部を通過する場合には磁場発生部の起動は行なわれない。従って、MR信号の収集を妨げる頻度は更に低減される。
【実施例2】
【0045】
次に本発明の第2の実施例における磁性体検知システムについて説明する。この磁性体検知システムは、開閉扉を介しMRI撮影室に対して医療用器具の搬入/搬出が可能な前室の開閉扉近傍に磁場検出部を設け、この磁場検出部の近傍に設定された磁性体検知領域に対してMRI撮影室のガントリが形成する漏洩磁場の変化を、前記磁場検出部を用いて検出することにより磁性体検知領域あるいはその近傍に位置する医療用器具が磁性体器具か否かを判定する。一方、磁性体検知領域を経て開閉扉へ接近する医療用器具を検知する接近検知部を前記磁性体検知領域の手前近傍に設け、磁性体検知領域の近傍に位置する前記医療用器具が磁性体検知領域を経て開閉扉に接近するか否かを検知する。そして、前記医療用器具が開閉扉に接近する磁性体器具の場合、この磁性体器具のMRI撮影室への搬入に対する警告を当該医療従事者に対して発生すると共に、上述の開閉扉を閉鎖することにより磁性体器具のMRI撮影室への搬入を阻止する。
【0046】
(装置の構成)
本発明の第2の実施例につき図5を用いて説明する。尚、図5は、本実施例における磁性体検知システムの全体構成を示すブロック図である。
【0047】
即ち、図5に示す本実施例の磁性体検知システム200は、MRI撮影室のガントリ51によって形成された磁性体検知領域における漏洩磁場強度を検出する磁場検出部12と、磁場検出部12が検出した漏洩磁場強度の変化に基づいて磁性体検知領域の近傍に位置する医療用器具が磁性体器具か否かを判定する磁性体器具判定部14と、前記医療用器具が開閉扉53へ接近する否かを検知する接近検知部17を備え、更に、上述の検知結果及び判定結果から前記医療用器具が開閉扉53に接近する磁性体器具である場合には、医療従事者に対して警告を発生する警告発生部15と、開閉扉53を閉鎖して前記医療用器具(磁性体器具)のMRI撮影室への搬入を阻止する扉開閉部16と、上述の各ユニットを統括的に制御すると共に前記医療用器具が開閉扉53に接近する磁性体器具か否かを判定するシステム制御部18を備えている。
【0048】
そして、磁性体検知システム200の磁場検出部12は、開閉扉53の近傍に設定された磁性体検知領域における漏洩磁場強度を検出する1つあるいは複数個の磁気センサを備えている。この磁気センサとして、ホール素子やフラックスゲートセンサ、あるいは、磁気抵抗素子等が好適であるが特に限定されない。
【0049】
磁性体器具判定部14は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、前記記憶回路には、医療用器具が磁性体検知領域の近傍に存在する前に磁場検出部12が検出した磁性体検知領域の漏洩磁場強度が予め保存されている。一方、前記演算回路は、医療用器具が磁性体検知領域の近傍に存在する場合に磁場検出部12が検出する前記磁性体検知領域における漏洩磁場強度の情報を磁場検出部12から受信し、医療用器具存在時の漏洩磁場強度と前記記憶回路に保管されている医療用器具存在前の漏洩磁場強度を比較する。そして、この比較結果に基づいて磁性体検知領域の近傍に存在する医療用器具が磁性体器具か否かを判定し、この判定結果をシステム制御部18へ供給する。
【0050】
一方、接近検知部17は、例えば、複数個の接触スイッチが2次元配列されたマットを有し、磁性体検出領域の手前近傍における床面に設置されている。そして、このマット上における医療用器具の移動に伴って変化する前記接触スイッチのON/OFF状態に基づいて医療用器具が開閉扉53へ接近するか否かを検知し、この検知結果をシステム制御部18へ供給する。
【0051】
システム制御部18は、CPUと記憶回路を備え、磁性体検知システム200の各ユニットを統括的に制御する。更に、本実施例におけるシステム制御部18は、磁性体器具判定部14から供給される判定結果(即ち、磁性体検知領域の近傍に存在する医療用器具が磁性体器具か否かの判定結果)と接近検知部17から供給される検知結果(即ち、磁性体検知領域の近傍に存在する医療用器具が開閉扉53へ接近するか否かの検知結果)に基づいて前記医療用器具が開閉扉53に接近する磁性体器具か否かを判定し、この判定結果に基づき警告発生部15及び扉開閉部16に対して指示信号を供給する指示信号発生部19を備えている。
【0052】
即ち、医療用器具が開閉扉53に接近する磁性体器具であると判定した場合、システム制御部18の指示信号発生部19は、警告発生部15に対し磁性体器具の開閉扉53への接近を医療従事者に報知するための指示信号を供給し、扉開閉部16に対し開閉扉53を閉鎖するための指示信号を供給する。
【0053】
次に、警告発生部15は、システム制御部18の指示信号発生部19から供給される指示信号に基づき、開閉扉53に磁性体器具が接近していることを医療従事者に報知するための警告の発生や表示を行なう。具体的には、ブザーや音声等による警告音の発生やLEDやランプ等による警告光の発生、あるいは、警告メッセージの表示等により医療従事者に対する報知を行なう。
【0054】
一方、扉開閉部16は、開閉扉53の開閉を行なう開閉駆動部と、この開閉駆動部を制御する開閉制御部(何れも図示せず)を備えている。前記開閉制御部は、システム制御部18の指示信号発生部19から供給される指示信号に基づき、開閉扉53を閉鎖するための開閉制御信号を生成し、前記開閉駆動部は、前記開閉制御部から供給される開閉制御信号に従って開閉扉53を閉鎖し磁性体器具のMRI撮影室への搬入を阻止する。
【0055】
(磁性体器具の搬入防止手順)
次に、MRI撮影室に対する磁性体器具の搬入防止手順につき図6のフローチャートを用いて説明する。
【0056】
磁性体器具の検知に先立ち、磁性体検知システム200の磁場検出部12における磁気センサは、磁性体検知領域の近傍に医療用器具が存在する前に前記磁性体検知領域に形成されるMRI装置の漏洩磁場強度を検出し、その検出結果を磁性体器具判定部14の記憶回路に保存する(図6のステップS11)。
【0057】
次いで、磁場検出部12は、磁性体検知領域における漏洩磁場強度を継続して検出し、医療用器具が磁性体検出領域の近傍に存在する状態での漏洩磁場強度の検出結果を磁性体器具判定部14の演算回路に供給する(図6のステップS12)。
【0058】
上述の検出結果(医療用器具存在時の漏洩磁場強度)を受信した磁性体器具判定部14の演算回路は、この漏洩磁場強度と自己の記憶回路に予め保存されている医療用器具存在前の漏洩磁場強度とを比較し(図6のステップS13)、この比較結果に基づいて磁性体検知領域の近傍に存在する医療用器具が磁性体器具か否かを判定する(図6のステップS14)。そして、この判定結果をシステム制御部18へ供給する。
【0059】
一方、接近検知部17は、磁性体検知領域の近傍に位置する医療用器具が、開閉扉53に接近するか否かを自己の接触スイッチにおけるON/OFF状態の変化に基づいて検知し(図6のステップS15)、この検知結果をシステム制御部18へ供給する。
【0060】
次に、システム制御部18の指示信号発生部19は、磁性体器具判定部14から供給された判定結果と接近検知部17から供給された検知結果に基づいて前記医療用器具が開閉扉53に接近する磁性体器具か否かを判定し、この判定結果に基づいて警告発生部15及び扉開閉部16に対して指示信号を供給する(図6のステップS16)。
【0061】
指示信号発生部19から上述の指示信号を受信した警告発生部15は、磁性体器具が開閉扉53に対して接近していることを医療従事者に報知し(図6のステップS17)、前記指示信号を受信した扉開閉部16は、開閉扉53を閉鎖することにより磁性体器具のMRI撮影室への搬入を阻止する(図6のステップS18)。
【0062】
以上述べた本発明の第2の実施例によれば、磁性体器具のMRI撮影室への搬入を未然に検知することができるため、MRI撮影室における磁場吸引事故を防止することが可能となる。
【0063】
特に、本実施例では、磁場吸引事故の原因となる磁性体を有した医療用器具(磁性体器具)がMRI撮影室の開閉扉へ接近する場合に対してのみ警告の発生や開閉扉の閉鎖が行なわれるため、通常用いられている非磁性体器具のMRI撮影室への搬入に対して誤った警告等を発生することが無くなり、効率のよい医療行為を行なうことができる。
【0064】
又、磁性体器具の検知は、開閉扉を介してMRI撮影室と隣接した前室において行なわれるため、吸引事故を確実に防止できる。更に、磁性体器具の検知は、MRI装置のガントリから発生する漏洩磁場を用いているため、磁性体検出用の磁場発生器と磁場発生起動部が不要となり、磁性体検知システムの構成が簡単になる。又、MRI撮影室におけるMR信号の収集を妨げる磁性体検出用磁場の発生が不要なため、良好なMRI撮影を効率よく行なうことができる。
【0065】
一方、上述の実施例では、接近検知部を磁性体検知領域の手前近傍に設置することにより、開閉扉に接近する医療用器具を検知することができる。そして、この検知結果と磁性体検知領域近傍に位置した医療用器具が磁性体器具か否かの判定結果に基づいて開閉扉に近接する磁性体器具を精度よく検知することが可能となる。
【0066】
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、変形して実施することが可能である。例えば、上述の第1及び第2の実施例では、図面を簡単にするために1つの磁気センサからなる磁場検出部2及び磁場検出部12について示したが、複数の磁気センサが1次元あるいは2次元に配列された磁場検出部であってもよい。特に、磁性体検知領域に進入する医療用器具が種々の形状を有する場合には、磁性体検知領域の磁場も複雑に変化する。このため、磁性体器具を精度よく検知するためには複数の磁気センサが配列された磁場検出部が好適である。
【0067】
又、上述の第1及び第2の実施例では、複数の接触センサが2次元配列された接近検知部7及び接近検知部17によって医療用器具の開閉扉53への接近を検知する場合について述べたが、1つあるいは複数の超音波センサや赤外線センサ等を備え、超音波の透過/反射情報や赤外線の透過/反射情報等によって、医療用器具の開閉扉53への接近を検知してもよい。
【0068】
又、図1における磁場発生起動部3、磁性体器具判定部4、警告発生部5及びシステム制御部8、あるいは図5における磁性体器具判定部14、警告発生部15及びシステム制御部18は、磁場発生部1、磁場検出部2及び12と同様にして前室に設置される場合について述べたが、これに限定されるものではなく、CPU室や操作室等に設置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施例における磁性体検知システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】MRI装置のガントリが形成するMRI撮影室の内部及び外部の磁場分布を示す図。
【図3】本発明の第1の実施例における磁性体検知システムの実態配置図。
【図4】同実施例のMRI撮影室に対する磁性体器具の搬入防止手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施例における磁性体検知システムの全体構成を示すブロック図。
【図6】同実施例のMRI撮影室に対する磁性体器具の搬入防止手順を示すフローチャート。
【図7】従来の磁性体検知に使用される金属探知機を説明するための図。
【符号の説明】
【0070】
1…磁場発生部
2、12…磁場検出部
3…磁場発生起動部
4、14…磁性体器具判定部
5、15…警告発生部
6、16…扉開閉部
7、17…接近検知部
8、18…システム制御部
51…ガントリ
52…寝台(天板)
53…開閉扉
100、200…磁性体検知システム
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
【識別番号】594164531
【氏名又は名称】東芝医用システムエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩


【公開番号】 特開2008−17989(P2008−17989A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191535(P2006−191535)