| 【発明の名称】 |
X線CT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 周平
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| 【要約】 |
【課題】スキャノグラム画像に基づくスキャン用X線照射量指令情報をスキャナ回転部に伝送する時間を短縮して撮影スループットの向上を図り、前記スキャナ回転部の大容量の記憶装置を不要として経済的なX線CT装置を提供する。
【構成】被検体のスキャノグラム投影データとスキャン条件とを用いて被検体モデルを作成する。このモデルと画像SD値とに基づいてビュー毎の本スキャン計測用のX線照射量指令値を算出し、この算出値からビュー間のX線照射量指令値の差(X線照射量指令値変化量)を算出してこれらの関係をテーブル化する。このテーブルから対応するビューのX線照射量指令値変化量を読み出し、これをX線制御部に伝送する。この伝送されたX線照射量指令値変化量に現在のX線照射量指令値を加算または減算して次のビューにおけるX線照射量指令値を算出し、このX線照射量指令値により次のビューのX線を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体に照射するX線を発生するためのX線発生手段と、 前記被検体を挟み前記X線発生手段と対向配置して被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、 前記X線発生手段とX線検出手段とを搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、 このスキャナ回転手段に搭載され前記X線発生手段から照射されるX線照射量を制御するX線制御手段と、 前記被検体のスキャノグラム画像を撮影して得られるスキャノグラム投影データから前記被検体断面モデルを作成する手段と、 この被検体断面モデルに基づいて離散的な前記X線発生手段の位置である各ビュー毎のスキャン時のX線照射量指令値を算出するX線照射量指令値算出手段と、 この手段で算出したX線照射量指令値に基づいて前記X線制御手段でX線量を制御してスキャンするX線CT装置であって、 前記X線照射量指令値算出手段は、前記スキャナ回転手段のスキャン開始角度におけるX線照射量指令値を含む各ビュー毎のX線照射量の指令値を算出するビュー対応X線照射量指令値算出手段と、 前記ビュー毎のX線照射量の指令値から各ビュー間のX線照射量指令値の変化量を算出するX線照射量指令値変化量算出手段とを備え、前記X線照射量指令値算出手段から前記X線照射量指令値の初期値と前記各ビュー間のX線照射量指令値の変化量とを前記X線制御手段に伝送し、前記X線制御手段は、前記伝送されたX線照射量指令値の初期値とX線照射量指令値の変化量とに基づいてX線照射量指令値を決定するX線照射量指令値決定手段を備え、このX線照射量指令値決定手段で決定したX線照射量指令値でX線量を制御してスキャンすることを特徴とするX線CT装置。 【請求項2】 前記X線照射量指令値決定手段は、現在のX線照射量指令値に前記X線照射量指令値変化量算出手段で算出した次のビューのX線照射量指令値との差であるX線照射量指令値の変化量を加算または減算して次のビューにおけるX線照射量指令値を決定する手段であることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はX線CT装置に係り、特に被検体に照射するX線量を適正化して前記被検体への被曝X線量を低減する技術に関する。 【背景技術】 【0002】 X線CT装置は、X線管から扇状のX線ビームを被検体に照射し、該被検体を透過したX線を前記X線管と対向する位置に配置したX線検出器で検出し、この検出したデータを画像処理して被検体の断層像を得るものである。 前記X線検出器は、円弧状に配列された数百にも及ぶ検出素子群で構成され、被検体を挟んでX線管に対向して配置されており、検出器素子の数に対応した数の放射状に分布するX線通路を形成し、X線管と検出器とが一体となって被検体の周りを回転して一定の角度ごとに被検体の透過X線を検出する。 【0003】 このX線CT装置において、近年、X線管とX線検出器を被検体の周りに連続して回転させると共に、被検体を載置した寝台を移動させて計測する螺旋CTが開発され、さらにスライス方向に複数列のX線検出素子アレイを配列し、1回のX線曝射によって2次元のX線データを収集し、複数のCT画像が得られるマルチスライス型X線CT装置が開発されたことによって、“短時間で広い範囲のスキャンが可能”、“体軸方向に連続したデータを得て三次元画像を生成する”などの特徴を有し、広く診断に供されている。 【0004】 上記のように、X線CT装置においては、高機能、高性能化が進んで診断能は各段に向上したが、一方、被検体への被曝X線量の低減にも配慮する必要がある。これは、X線を照射する角度によって被検体の検査部位の厚み、すなわちX線吸収率が異なるために、前記検査部位や検査角度に応じて必要とされるX線照射量も異なるので、該X線照射量を適正に制御することによって上記被曝X線量の低減が可能になる。 例えば、胸部撮影の場合、肺の内部に多くの空気が含まれているため、X線吸収量が小さくなり、X線照射角度によって適正なX線照射量が異なるので、X線照射角度に応じて照射するX線量を適正に制御することが望ましい。 【0005】 そこで、被検体に過剰なX線を照射しないようにするために、被検体の形状を近似し、該被検体の体厚に応じてスキャン中にX線管の陽極と陰極間に流れる電流(以下、管電流と記す)を制御する自動露出制御機能(CT Auto Exposur Control;CT-AEC機能)による被曝低減技術が特許文献1〜3に開示されている。 【0006】 (1)特許文献1 本計測中に被検体の形状を演算しながらスキャン軌道の手前のX線透過データを用いて断層像撮影時の各位置での管電流指令値を算出してX線照射量を制御するもので、断層像の計測中、現在位置より手前の角度や、1周期前の透過X線データをもとにして各位置の管電流指令値を外挿により求めてX線照射量を制御する。 【0007】 (2)特許文献2 1方向からの透視画像(以下、スキャノグラム画像と記す)から被検体の形状を近似して管電流指令値を求め、この指令値に対応してX線照射量を制御するもので、断層像の計測を行う前に、前記スキャノグラム画像データから被検体断面モデルを求め、このモデルに対応して離散的なX線管の位置であるビュー毎に管電流指令値を算出し、この算出した管電流指令値になるように管電流を制御してX線照射量を制御する。 【0008】 (3)特許文献3 2方向からのスキャノグラム画像から被検体の形状を近似して管電流指令値を求め、この指令値に対応してX線照射量を制御するもので、断層像の計測を行う前に、前記2方向からのキャノグラム画像の各位置のX線透過データに応じて断層像撮影時の各位置での管電流指令値を算出し、この算出した管電流指令値になるように管電流を制御してX線照射量を制御する。 【0009】 【特許文献1】特開平10-309271号公報 【特許文献2】特開2006-116137号公報 【特許文献3】特開平9-108209号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 上記特許文献1〜3に開示されている被曝低減技術には以下の課題がある。 特許文献1による本計測中に被検体の形状を演算しながら管電流指令値を算出してX線照射量を制御する手法は、前記被検体の形状と管電流指令値とを本計測中に演算して求めなければならないので、スキャナ回転部に高速な演算手段を備えなければならない。このため、スキャナ回転部が大型で高コストなものとなる。また、X線照射量の予測が困難であることから、X線照射量を操作者があらかじめ把握することができないので、スキャン開始前にX線照射量を修正して被曝X線量を低減することができない。 【0011】 これに対して、特許文献2,3による1方向または2方向からのスキャノグラム画像から被検体の形状を近似してX線照射量を制御する手法は、上記特許文献1の問題は無いが、X線照射量を制御するための管電流指令値が膨大になることに起因して発生する問題がある。 【0012】 すなわち、AEC制御には、被検体の厚みを考慮して制御する場合、被検体の体軸方向の部位を考慮して制御する場合、及び前記両方を考慮して制御する場合などがある。 また、X線照射開始角度は、操作者が計測開始指示を発してからの待ち時間を短くするために複数のスキャン開始角度が設けられており、前記計測開始指令により現在のスキャナ回転部の位置に最も近いスキャン開始角度を選択してスキャンが開始されるように構成されている。 【0013】 このように、X線照射量指令値(例えば、管電流指令値)は、上記被検体の厚みや部位及びこれらの両方に応じて上記スキャン開始角度毎に用意しなければならないので、前記X線照射量指令値は膨大な量となる。 この膨大な量のX線照射量指令値を本計測前にスキャナ静止部からスキャナ回転部の記憶装置に伝送して記憶しておき、前記選択したスキャン開始角度に対応したX線照射量指令値を前記記憶装置から読み出し、この読み出したX線照射量指令値になるように被検体に照射するX線を制御していた。 【0014】 上記特許文献1または2によるAECを用いてX線を制御して被曝X線量を低減する場合は、スキャン開始前に、ビュー毎のX線照射量指令情報をスキャナ静止部の演算装置で演算して求め、この求めたX線照射量指令情報をスキャナ回転部に搭載した記憶装置に伝送して該記憶装置に記憶しておく必要がある。 【0015】 このため、上記スキャナ静止部の演算装置で求めた膨大なX線照射量指令情報をスキャナ回転部の記憶装置に伝送する時間が長くなり、これによって撮影スループットが制限されると共に前記記憶装置には記憶容量の大きいものが必要となり、コストアップの要因となっていた。 【0016】 そこで、本発明は、スキャノグラム画像に基づくX線照射量指令情報をスキャナ回転部の記憶装置に伝送する時間を短縮して撮影スループットの向上を図ること及び前記スキャナ回転部の大容量の記憶装置を不要とすることによって経済的なX線CT装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0017】 上記目的を達成するために、本発明に係るX線CT装置は、被検体に照射するX線を発生するためのX線発生手段(X線管)と、前記被検体を挟み前記X線発生手段と対向配置して被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、前記X線発生手段とX線検出手段とを搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、このスキャナ回転手段に搭載され前記X線発生手段から照射されるX線照射量を制御するX線制御手段と、前記被検体のスキャノグラム画像を撮影して得られるスキャノグラム投影データから前記被検体断面モデルを作成する手段と、この被検体断面モデルに基づいて離散的な前記X線発生手段の位置である各ビュー毎のスキャン時のX線照射量指令値を算出するX線照射量指令値算出手段と、この手段で算出したX線照射量指令値に基づいて前記X線制御手段でX線量を制御してスキャンするX線CT装置であって、前記X線照射量指令値算出手段は、前記スキャナ回転手段のスキャン開始角度におけるX線照射量指令値を含む各ビュー毎のX線照射量の指令値を算出するビュー対応X線照射量指令値算出手段と、前記ビュー毎のX線照射量の指令値から各ビュー間のX線照射量指令値の変化量を算出するX線照射量指令値変化量算出手段とを備え、前記X線照射量指令値算出手段から前記X線照射量指令値の初期値と前記各ビュー間のX線照射量指令値の変化量とを前記X線制御手段に伝送し、前記X線制御手段は、前記伝送されたX線照射量指令値の初期値とX線照射量指令値の変化量とに基づいてX線照射量指令値を決定するX線照射量指令値決定手段を備え、このX線照射量指令値決定手段で決定したX線照射量指令値でX線量を制御してスキャンすることを特徴とする。 【0018】 また、本発明の第2の特徴に係るX線CT装置の前記X線照射量指令値決定手段は、現在のX線照射量指令値に前記X線照射量指令値変化量算出手段で算出した次のビューのX線照射量指令値との差であるX線照射量指令値の変化量を加算または減算して次のビューにおけるX線照射量指令値を決定することを特徴とする。 【0019】 本発明の第1,第2の特徴に係るX線CT装置は、前回のビューのX線照射量指令値と次のビューのX線照射量指令値との差のみをスキャナ回転手段に搭載されたX線制御手段に送り、前記ビュー間におけるX線照射量指令値変化量と前回のX線照射量指令値とから今回のX線照射量指令値を求めるようにしたので、スキャナ静止側からスキャナ回転部側に送るデータは、スキャン開始角度のX線照射量指令値とビュー間におけるX線照射量指令値変化量のみとなり、かつこれらのデータをスキャン中にリアルタイムで送るようにした。 したがって、従来のように、本スキャン計測前にスキャン開始角度毎のビューに対応する大量のX線照射量指令値をスキャナ回転手段に搭載した記憶部に伝送して記憶しておく必要がないので、前記伝送時間が短縮されて撮影スループットが向上し、かつ大容量の記憶装置は不要となって経済的なAEC制御機能を備えたX線CT装置とすることができる。 【発明の効果】 【0020】 本発明によれば、スキャン開始角度のX線照射量指令値とビュー間におけるX線照射量指令値変化量のみをスキャン中にリアルタイムでスキャナ静止側からスキャナ回転部側に伝送する構成としたので、前記伝送時間が短縮されて撮影スループットが向上し、かつスキャナ回転部に大容量の記憶装置を設ける必要がないのでは経済的なAEC制御機能を備えたX線CT装置を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 以下、添付図面に従って、本発明に係るX線CT装置の好ましい実施の形態について詳説する。 図1は、本発明の実施形態が適用される螺旋スキャンが可能なX線CT装置の全体構成を示す図である。 【0022】 このX線CT装置は、被検体にX線を照射して前記被検体の透過X線データを収集し、この収集した透過X線データを再構成演算して断層像を得るもので、被検体にX線を照射して前記被検体を透過したX線データを収集するスキャナガントリ1と、被検体を載置する移動可能な寝台2と、各種操作パラメータの設定を行うと共に収集した透過X線データに基づいて断層像を再構成し表示する操作コンソール3とにより構成される。 【0023】 前記スキャナガントリ1は、スキャナ静止部4とスキャナ回転部5とで構成され、その中心部に被検体が挿入される開口部6が設けられ、前記スキャナガントリ1の前面には寝台2が配置される。 【0024】 前記スキャナ回転部(回転盤)5には、被検体に照射するX線を発生するX線管7(X線発生手段)と、前記被検体を透過した透過X線データを検出し収集するX線検出部8(X線検出手段;X線検出器及びこの検出器で検出した透過X線データを収集するデータ収集装置)と、後述のスキャナ回転盤側制御装置10からのX線照射量指令値に応じた前記X線管7の陽極と陰極間に印加する直流の高電圧(以下、管電圧と記す)と前記陽極と陰極間に流れる管電流とを制御する機能を備えたX線高電圧装置9と、前記被検体に照射するX線照射量を制御する前記X線照射量指令値及び前記スキャナ回転部5等を制御するスキャナ回転盤側制御装置10とが搭載され、スキャナ回転部5のスリップリング12とスキャナ静止部4のブラシ(図示省略)により、図示省略の商用交流電源からの電力を前記X線高電圧装置9に供給し、また静止側制御装置11を介して前記操作コンソール3と前記スキャナ回転盤側制御装置10間の信号伝達を行うように構成されている。 【0025】 このように構成されたスキャナ回転部(回転盤)5は、前記スキャナ回転盤側制御装置10で前記操作コンソール3からの操作指令に対応したスキャナ制御信号を生成して、この制御信号に基づいてスキャナ回転盤5を回転させる図示省略の回転駆動機構により前記スキャナ回転盤5を所定の回転数で回転させて固定したスキャナガントリ本体が連続回転スキャンを行うと同時に前記寝台2を被検体の体軸方向に移動させることによって、X線管7を被検体に対し相対的に螺旋運動をさせてスキャンする。 なお、上記図1ではX線の照射範囲を制限するスリットを有するコリメータと、寝台2を制御する寝台制御部の図示は省略している。 【0026】 前記操作コンソール3は、図示省略のキーボードやマウス等の入力装置から患者情報、撮影条件等のスキャン情報を入力して操作する操作装置13と、撮影された断層画像等を表示する表示装置14と、前記操作装置13からの操作指令に基づいてシステム全体を制御し、前記X線検出部8で検出した透過X線データを用いて断層像を再構成する操作制御装置15とにより成る。 【0027】 次に、上記図1のX線CT装置で本発明を実施するための各部の機能について図2に示す機能ブロック図により詳細に説明する。 【0028】 操作制御装置15は、操作装置13からの操作指令に基づいてX線CT装置全体を制御するCTシステム制御装置16と、後述のスキャノグラム画像データから本計測用のX線照射量指令値(例えば、管電流指令値)の演算等を行う演算処理装置17と、前記X線検出部8で検出した透過X線データから断層像を再構成する画像処理装置18とから成る。 【0029】 スキャナガントリ1の静止側制御装置11は、前記操作制御装置15のCTシステム制御装置16からの操作信号が入力されてスキャノグラム撮影及び本スキャンを行うための信号を生成する主制御部19と、この主制御部19で生成した信号を前記ブラシとスリップリング12を介して回転盤側制御装置10に送信する静止側通信制御部20と、前記X線検出部8で検出した離散的なX線管の位置であるビュー毎の透過X線データの取り込みタイミングを生成し、このタイミング指令を回転盤制御装置10に送信する静止側Trigger信号通信制御部21とから成り、該静止側Trigger信号通信制御部21で生成する前記ビュー毎の透過X線データの取り込みタイミングは、回転角度検出部22でスキャナ回転盤5の回転角度を検出し、この検出信号に基づいて生成する。 【0030】 スキャナガントリ1の回転盤側制御装置10は、前記静止側制御装置11の主制御部19からのX線照射量指令信号やスキャナ回転盤5の回転制御指令信号等の制御信号を前記静止側通信制御部20からブラシ(図示省略)とスリップリング12を介して取り込む回転盤側通信制御部23と、この回転盤側通信制御部23に取り込んだX線照射量指令信号に基づいて被検体に照射するX線照射量を制御するX線制御部24と、同じく前記回転盤側通信制御部23に取り込んだスキャナ回転盤の回転制御信号に対応してスキャナ回転盤を回転駆動する回転駆動部25と、前記静止側Trigger信号通信制御部21で生成したビュー毎の透過X線データの取り込みタイミング信号を前記ブラシとスリップリング12を介して取り込む回転盤側Trigger信号通信制御部26とから成る。 【0031】 前記X線制御部24は、前記演算処理装置17で演算して求めた現在のX線照射量指令値と次のビューにおけるX線照射量指令値との差であるX線照射量指令値の変化分を前記現在のX線照射量指令値に加算または減算して次のX線照射量指令値を求め、このX線照射量指令値に対応する管電圧及び管電流を前記X線高電圧装置9で制御し、この制御された管電圧をX線管7の陽極と陰極間に印加すると共に前記X線管7の陽極と陰極間に流れる管電流を前記X線照射量指令値に基づいて制御する。 【0032】 前記回転駆動部25は、スキャナ回転盤5の回転制御信号に応じたスキャナ回転盤の駆動電力を発生し、該駆動電力を図示省略のスキャナ回転駆動機構に入力して前記回転制御信号に対応した回転数でスキャナ回転盤5を回転させてスキャンする。また、この回転駆動部25は、スキャノグラム撮影を行うために前記スキャナ回転盤5を所定の角度位置に固定する機能も有する。 【0033】 前記回転盤側Trigger信号通信制御部26は、前記静止側Trigger信号通信制御部21で生成したビュー毎の透過X線データの取り込みタイミング信号をブラシとスリップリング12を介して取り込み、この取り込んだ信号をX線制御部24に入力し、この入力された信号のタイミングで前記X線制御部24からX線照射量指令値を出力してこれをX線高電圧装置9に入力する。 【0034】 前記寝台2は、前記静止側制御装置11の主制御部19からの寝台移動制御信号が寝台制御装置27に入力されて、この寝台制御装置27により撮影位置に移動制御される。 このように構成されたX線CT装置は、X線管7から被検体にX線が照射され、前記被検体を透過したX線をX線検出部8で検出し、この検出した透過X線データを画像処理装置18に取り込んで断層像を再構成し、この再構成画像を表示装置14に表示して診断に供する。 【0035】 次に、本発明である被曝低減技術について説明するが、ここでは1方向からのスキャノグラム画像データを用いて管電流を制御する例について説明する。 【0036】 1方向からのスキャノグラム画像による場合は、該スキャノグラム画像データを用いて被検体の形状を近似し、この近似した被検体モデルを用いてX線照射量が最少となる管電流指令値を前記演算処理装置17で演算して求める。 この演算結果に従ってX線照射量を制御するAEC制御には、図3の(a)に示すように被検体のX,Y方向の厚みを考慮してX線照射量を制御する場合、(b)に示すように被検体のZ方向の部位を考慮してX線照射量を制御する場合、及び被検体のX,Y,Z方向を考慮してX線照射量を制御する場合などがある。 【0037】 前記(a)の場合は、Y方向の時は被検体の体厚が小さいので管電流は少なく、X方向の時は被検体の体厚が大きいので管電流は多くなる。 前記(b)の場合は、Z方向の部位が胸部の場合は管電流を多くし、腹部の場合は管電流を少なくする。 そして、前記(c)の場合は、被検体の体厚及び部位に応じて管電流を制御する必要がある。 【0038】 このような1方向からのスキャノグラム画像データを用いて最少のX線照射量で目標の画質の断層画像を得るための本発明の動作を図4に示すフローチャートに従って説明する。 図4において、ステップS100〜S114までは本計測前のスキャン準備処理で、ステップS116〜S126までが本スキャンによる計測処理である。 【0039】 (1)スキャノグラム撮影(S100) 被検体のスキャノグラム画像を撮影する。被検体のスキャノグラム画像を撮影する手順とスキャンにおけるCT画像を撮影する手順とは基本的には同じである。このスキャノグラム撮影で得られたスキャノグラム投影データは、スキャナガントリ1の回転盤5を回転させずに被検体に対して一定方向、例えば被検体の背面方向からX線を照射して、X線検出部8によって検出された被検体を透過したX線データである。 【0040】 (2)スキャノグラム画像作成(S102) 前記スキャノグラム投影データを画像処理装置18に取り込んで該画像処理装置18でスキャノグラム画像を作成し、CTシステム制御装置16の記憶部に記憶する。このとき得られるスキャノグラム画像は一定方向、例えば背面から正面へ透過するX線による像を正面方向から見たもので、このスキャノグラム画像はスキャン時の被検体のスライス位置(CT画像再構成位置)設定のために利用される。前記スキャノグラム投影データは、スキャノグラム画像作成に用いるだけでなく、本発明の特徴であるスキャンにおける最少のX線照射量とするためのX線照射量指令値の決定にも用いる。 【0041】 (3)スキャン条件入力(S104) 操作者は、表示装置14に表示されたスキャノグラム画像を参照して操作装置13からスキャン条件としての寝台2の天板移動ピッチ、スキャン開始位置、スキャン終了位置等を入力する。 これらの入力データを用いてCTシステム制御装置16により、被検体のCT画像撮影範囲とスライス位置zが決定される。 ここで、スキャン開始位置、スキャン終了位置は一連のスキャンで得られる最初のCT画像のz位置、最後のCT画像のz位置を各々意味している。 なお、このステップでは、他のスキャン条件(管電圧指令値、スキャン開始位置における管電流指令値、スキャン時間、X線コリメーション条件、再構成フィルタ関数の種類、視野サイズ、診断対象サイズ等)も入力され、これらはCTシステム制御装置16の記憶部に記憶される。 【0042】 (4)被検体モデルの作成(S106) 前記ステップS104のスキャン範囲(スキャン開始位置からスキャン終了位置までの範囲)における前記スキャノグラム画像データをCTシステム制御装置16の記憶部から演算処理装置17に読み込み、この読み込んだスキャノグラム画像データを演算処理装置17で解析して被検体3次元モデルを生成し、これをCTシステム制御装置16の記憶部に記憶する。 この被検体3次元モデルは、z位置に対応する被検体の各断面を水に等価なX線吸収係数を持つ楕円断面として近似したもので、その近似方法については特許文献3に開示されているので、ここではその説明は省略する。 【0043】 (5)目標画質値の入力(S108) 目標とする画質を維持しつつX線照射量を最少にするために、操作者は、目標とする画質の値である画像ノイズ標準偏差値(Standard Deviation;以下、画像SD値と記す)を操作装置13から入力し、これをCTシステム制御装置16に記憶する。 【0044】 (6)本スキャン計測用X線照射量指令値の算出(S110) X線CT装置は、上記[発明が解決しようとする課題]のところで述べたように、X線照射開始角度は、操作者が計測開始指示を発してから計測開始までの待ち時間を短くするために複数のスキャン開始角度が設けられており、前記計測開始指令により現在のスキャナ回転盤5の位置に最も近いスキャン開始角度を選択してスキャンが開始されるように構成されている。 このため、X線照射量指令値を被検体の撮影範囲に応じて上記スキャン開始角度毎に用意しなければならない。 【0045】 そこで、本スキャンで計測するときに用いるX線照射量指令値を上記画像SD値、被検体モデル等を用いて演算処理装置17でスキャンが開始されるスキャナ回転盤5の角度毎(ビュー毎)に演算して求める。 なお、本実施形態では、X線照射量指令値としての管電圧と管電流のうち、管電圧は一定で管電流を可変して制御するものとし、以下の説明ではX線照射量指令値を管電流指令値として説明する。 したがって、上記スキャナ回転盤5の角度毎に演算するX線照射量指令値は管電流指令値である。 【0046】 上記演算処理装置17では、予めCTシステム制御装置16に記憶してあるスキャン開始角度毎の管電流初期値を用いて前記被検体モデルのスキャン範囲における目標の画像SD値が得られる各ビューに対応する管電流指令値を求める。 この結果より、ビュー間(前回のビューと今回のビュー)における管電流指令値の差、すなわち管電流指令値変化量を求め、ビューと管電流指令値変化量との関係をテーブル化し、これをCTシステム制御装置16に記憶する。 【0047】 このようにして求めたビューと管電流指令値変化量との関係のテーブルをスキャン開始角度毎に用意しておき、選択されたスキャン開始角度に対応する管電流指令値変化量のみを上記テーブルから読み出し、スキャナ回転盤側で前回のビューの管電流指令値に前記管電流指令値変化量を加算又は減算して今回のビューの管電流指令値を求め、この管電流指令値に対応したX線量になるようにX線管7に流れる管電流を上記X線制御部24で制御する。 【0048】 (7)スキャン開始回転角度のX線照射量指令値の初期値出力(S112) CTシステム制御装置16は、演算処理装置17で求めたスキャン開始角度に設定されたX線管7の角度情報と管電流指令値の初期値とを合わせて静止側制御装置の主制御部19に出力する。 【0049】 (8)スキャン開始回転角度のX線照射量指令値の設定(ステップS114) 主制御部19は、前記スキャン開始角度に設定されたX線管7の角度情報と管電流指令値の初期値を静止側通信制御部20に出力し、静止側通信制御部20はスリップリング12を介して回転盤側制御装置10の回転盤側通信制御部23に伝達する。この伝達された前記管電流指令値の初期値はX線制御部24に入力されてスキャン開始角度の管電流指令値として設定し、操作者からのスキャン開始指令を待つ。 【0050】 (9)スキャン開始回転角度検出(S116) 操作者が操作装置13からスキャン開始指令を入力すると、CTシステム制御装置16は、回転角度検出部22で検出した角度情報から上記ステップS114で設定したスキャン開始角度を検出する。 【0051】 (10)X線照射開始、X線透過データ収集開始(S118) 回転角度検出器22で検出したスキャナ回転盤5の回転角度信号がCTシステム制御装置16に入力されてスキャン開始角度を検出すると、このスキャン開始角度から開始する上記ステップS116で設定した管電流指令値に対応するX線量になるようにX線高電圧装置9により管電圧、管電流を制御する。 また、静止側制御装置11は、スキャナ回転盤5の回転角度に同期してX線検出部8で検出する透過X線データ収集信号を取り込むタイミング信号を静止側Trigger制御部21から発行し、この信号を回転盤側制御装置10の回転盤側Trigger制御部26を介してX線検出部8に伝達する。X線検出部は、この信号に同期してX線透過データを収集し、これによりスキャンが開始される。 【0052】 (11)管電流指令値変化量の取り込みと管電流指令値の算出(S120) CTシステム制御装置16は、スキャン開始と共に上記テーブル(ビューと管電流指令値変化量との関係のテーブル、以下、単にテーブルと記す)からスキャン開始における管電流指令値と次のビューにおける管電流指令値との差である管電流指令値変化量を読み出し、これを主制御部19に送る。 主制御部19は前記読み出した管電流指令値変化量を静止側通信制御部20に送り、この管電流指令値変化量は回転盤側通信制御部23を介してX線制御部24に入力される。 X線制御部24は、スキャン開始時の管電流指令値に前記管電流指令値変化量を加算又は減算して次のビューにおける管電流指令値を算出する。 【0053】 (12)管電流制御と透過X線データの収集(S122) 回転角度検出器22からのスキャナ回転盤5の回転角度信号がCTシステム制御装置16に入力されて今回のビューのスキャン角度を検出すると、この検出信号、すなわち、今回のビューにおけるX線検出部8のX線検出器で検出した透過X線データをデータ収集装置(図示省略)に取り込んでこのデータを画像処理装置18に送るタイミング信号を主制御部19→静止側Trigger信号通信制御部21→回転盤側Trigger信号通信制御部26を介してX線制御部24とX線検出部8に送る。 【0054】 X線制御部24は、上記ステップS120で算出した今回のビューにおける管電流指令値をX線高電圧装置9に入力し、該X線高電圧装置9は前記管電流指令値になるように管電流を制御して該管電流指令値に対応したX線量をX線管7から発生して被検体に照射する。 一方、X線検出部8は図示省略のデータ収集装置に取り込んだ透過X線データを画像処理装置18に送る。 【0055】 このように、今回のビューにおける透過X線データを収集して画像処理装置18に取り込むと、該画像処理装置18は透過X線データの収集取り込み終了信号を演算処理装置17を経由してCTシステム制御装置16に送る。 CTシステム制御装置16は、上記テーブルから現在のビューにおける管電流指令値と次のビューにおける管電流指令値との差である管電流指令値変化量を読み出し、これを主制御部19→静止側通信制御部20→回転盤側通信制御部23の経路でX線制御部24に入力し、該X線制御部24は、現在の管電流指令値に前記管電流指令値変化量を加算又は減算して次のビューにおける管電流指令値を算出する。 【0056】 そして、回転角度検出器22からのスキャナ回転盤5の回転角度信号がCTシステム制御装置16に入力されて今回のビューのスキャン角度を検出すると、この検出信号を主制御部19→静止側Trigger信号通信制御部21→回転盤側Trigger信号通信制御部26を介してX線制御部24とX線検出部8に送る。 X線制御部24は、上記で算出した今回のビューにおける管電流指令値をX線高電圧装置9に出力し、該X線高電圧装置9は前記管電流指令値になるように管電流を制御して該管電流指令値に対応したX線量をX線管7から発生して被検体に照射すると共にX線検出部8は図示省略のデータ収集装置に取り込んだ透過X線データを画像処理装置18に送る。 【0057】 上記ステップS122の動作を上記ステップS104で設定したスキャン開始位置からスキャン終了位置まで繰り返してX線量を制御し、透過X線データを検出してこのデータを画像処理装置18に送る。 【0058】 (13)計測終了の判断(S124) スキャン終了位置に達して透過X線データの収集と該データの画像処理装置18への送信が完了すると、スキャンは終了して次のステップS126に進む。 なお、上記収集した透過X線データにはビュー情報が付帯されている。 【0059】 (14)断層画像の再構成と画像表示(S126) 画像処理装置18に取り込まれたスキャン開始位置からスキャン終了位置までの透過X線データを用いて断層画像を再構成して、この再構成された断層画像を表示装置15で表示制御して該表示装置15に表示する。 【0060】 このように、前回のビューのX線照射量指令値(上記実施形態の場合は管電流指令値)と次のビューのX線照射量指令値との差のみをスキャナ回転部のX線制御部に送り、前記ビュー間におけるX線照射量指令値の差(X線照射量指令値変化量)と前回のX線照射量指令値とから今回のX線照射量指令値を求めるようにしたので、スキャナ静止側からスキャナ回転部側に送るデータはX線照射量指令値の差のみで良いものとなる。したがって、従来のように、本スキャン計測前にスキャン開始角度毎のビューに対応する大量のX線照射量指令値をスキャナ回転盤5の記憶部に伝送して記憶しておく必要がないので、前記伝送時間が短縮されて撮影スループットが向上し、かつ大容量の記憶装置は不要となって経済的なAEC制御機能を備えたX線CT装置とすることができる。 【0061】 なお、上記の実施形態では、X線検出部8の検出データ取り込みタイミング信号とX線照射量指令値の変化量とを分けて回転盤側制御装置10に送るようにしたが、本発明はこれに限定するものではなく、前記タイミング信号にX線照射量指令値の変化量を付加して静止側Trigger信号通信制御部21から回転盤側Trigger信号通信制御部26に送り、この回転盤側Trigger信号通信制御部26で前記タイミング信号とX線照射量指令値の変化量とを分離し、それぞれX線検出部8とX線制御部24に送るようにしても良い。 【0062】 また、上記の実施形態では、管電圧を一定にして管電流を制御するAEC(自動露出制御)の例について述べたが、本発明はこれに限定するものでは無く、管電圧と管電流の両方を制御するAECに用いることも可能である。 【0063】 以上は、1方向からのスキャノグラム画像により被検体モデルを作成し、このモデルを用いて被曝低減を図るX線制御についての説明であるが、2方向からのスキャノグラム画像を用いた場合も上記と同様にX線を制御すれば良い。 【図面の簡単な説明】 【0064】 【図1】本発明の実施形態が適用される螺旋スキャンが可能なX線CT装置の全体構成を示す図。 【図2】図1に示すX線CT装置の機能ブロック図。 【図3】自動露出制御の説明図。 【図4】本発明の動作フローチャート図。 【符号の説明】 【0065】 1 スキャナガントリ、3 操作コンソール、4 スキャナ静止部、5 スキャナ回転部(回転盤)、7 X線管、8 X線検出部、9 X線高電圧装置、10 スキャナ回転盤側制御装置、11 静止側制御装置、13 操作装置、14 表示装置、15 操作制御装置、16 CTシステム制御装置、17 演算処理装置、18画像処理装置、19 主制御部、20 静止側通信制御部、21 静止側Trigger信号通信制御部、22 回転角度検出部、23 回転盤側通信制御部、24 X線制御部、25 スキャナ回転盤駆動部、26 回転盤側Trigger信号通信制御部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成18年7月12日(2006.7.12) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−17964(P2008−17964A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−191241(P2006−191241) |
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