| 【発明の名称】 |
パラレルイメージング方法およびMRI装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】池崎 吉和
|
| 【要約】 |
【課題】3個以上の受信コイルを用いたパラレルイメージングにおいて、少ない演算量かつ短い処理時間で合成画像を得る。
【構成】3個以上の受信コイルを用い且つ位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って各受信コイルのデータを収集し、各データから画像aiをそれぞれ生成する(ステップQ2)。各画像aiの組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選び、選んだ画像の組合せ及び対応する受信コイルの感度係数の正方行列を利用した演算により合成画像を得る(ステップQ3)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 3個以上の受信コイルを用い且つ位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って前記各受信コイルのデータを収集し、前記各データから画像をそれぞれ生成し、前記各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選び、選んだ画像の組合せ及び前記各受信コイルの感度分布を利用して前記演算により合成画像を得ることを特徴とするパラレルイメージング方法。 【請求項2】 請求項1に記載のパラレルイメージング方法において、前記受信コイルの各組合せに対応する受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗に基づいて、前記各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶことを特徴とするパラレルイメージング方法。 【請求項3】 請求項1に記載のパラレルイメージング方法において、前記受信コイルの配置および前記フェーズエンコード方向に基づいて、前記各画像の中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶことを特徴とするパラレルイメージング方法。 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載のパラレルイメージング方法において、前記受信コイルが、第1の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第1の受信コイルと並んだ第2の受信コイルと、位相エンコード方向に前記第1の受信コイルと対向する第3の受信コイルとからなり、リダクションファクターR=2とすることを特徴とするパラレルイメージング方法。 【請求項5】 請求項4に記載のパラレルイメージング方法において、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,si2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とすると共にmチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗を|Skm|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列をSkmとするとき、前記演算が、
により表されることを特徴とするパラレルイメージング方法。 【請求項6】 請求項1から請求項3のいずれかに記載のパラレルイメージング方法において、前記受信コイルが、第1の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第1の受信コイルと並んだ第2の受信コイルと、位相エンコード方向に前記第1の受信コイルと対向する第3の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第3の受信コイルと並んだ第4の受信コイルとからなり、リダクションファクターR=2とすることを特徴とするパラレルイメージング方法。 【請求項7】 請求項6に記載のパラレルイメージング方法において、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,si2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とすると共にmチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗を|Skm|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列をSkmとするとき、前記演算が、
により表されることを特徴とするパラレルイメージング方法。 【請求項8】 請求項1から請求項3のいずれかに記載のパラレルイメージング方法において、前記選んだ画像の組合せに対応する受信コイルを第1チャンネルから第Lチャンネルまでとし、リダクションファクターをRとするとき、第1チャンネルから第Lチャンネルまでの中からRチャンネルを選んだ各組合せを一般的に第1Rチャネルから第RRチャネルとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元のR点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,…,siRとし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,…,skRを各行とする正方行列の行列式の2乗を|S1R-RR|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,…,skRを各行とする正方行列をS1R-RRとするとき、前記演算が、
により表されることを特徴とするパラレルイメージング方法。 【請求項9】 3個以上の受信コイルと、前記3個以上の受信コイルを用い且つ位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って前記各受信コイルのデータを収集するスキャン手段と、前記各データから画像をそれぞれ生成する画像生成手段と、前記各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶ組合せ選択手段と、選んだ画像の組合せ及び前記各受信コイルの感度分布を利用して前記演算により合成画像を得る演算手段とを具備したことを特徴とするMRI装置。 【請求項10】 請求項9に記載のMRI装置において、前記組合せ選択手段は、前記受信コイルの各組合せに対応する受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗に基づいて、前記各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶことを特徴とするMRI装置。 【請求項11】 請求項9に記載のMRI装置において、前記組合せ選択手段は、前記受信コイルの配置および前記フェーズエンコード方向に基づいて、前記各画像の中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶことを特徴とするMRI装置。 【請求項12】 請求項9から請求項11のいずれかに記載のMRI装置において、前記受信コイルが、第1の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第1の受信コイルと並んだ第2の受信コイルと、位相エンコード方向に前記第1の受信コイルと対向する第3の受信コイルとからなり、前記スキャン手段が、リダクションファクターR=2とすることを特徴とするMRI装置。 【請求項13】 請求項12に記載のMRI装置において、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,si2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とすると共にmチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗を|Skm|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列をSkmとするとき、前記演算手段が、
により表される演算を行うことを特徴とするMRI装置。 【請求項14】 請求項9から請求項11のいずれかに記載のMRI装置において、前記受信コイルが、第1の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第1の受信コイルと並んだ第2の受信コイルと、位相エンコード方向に前記第1の受信コイルと対向する第3の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第3の受信コイルと並んだ第4の受信コイルとからなり、前記スキャン手段が、リダクションファクターR=2とすることを特徴とするMRI装置。 【請求項15】 請求項14に記載のMRI装置において、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,si2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とすると共にmチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗を|Skm|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列をSkmとするとき、前記演算手段が、
により表される演算を行うことを特徴とするMRI装置。 【請求項16】 請求項9から請求項11のいずれかに記載のMRI装置において、前記組合せ選択手段が選んだ画像の組合せに対応する受信コイルを第1チャンネルから第Lチャンネルまでとし、リダクションファクターをRとするとき、第1チャンネルから第Lチャンネルまでの中からRチャンネルを選んだ各組合せを一般的に第1Rチャネルから第RRチャネルとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元のR点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,…,siRとし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,…,skRを各行とする正方行列の行列式の2乗を|S1R-RR|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,…,skRを各行とする正方行列をS1R-RRとするとき、前記演算手段が、
により表される演算を行うことを特徴とするMRI装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、パラレルイメージング方法およびMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置に関し、さらに詳しくは、3個以上の受信コイルを用いて、少ない演算量かつ短い処理時間で折返しを元に戻した合成画像を得ることが出来るパラレルイメージング方法およびMRI装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、複数個の受信コイルを用いて位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って各受信コイルのデータを収集し、各データから各画像を生成し、各受信コイルの感度分布の差を利用した折返しを元に戻す(unfolding)演算により折返しを元に戻した合成画像を得るパラレルイメージング方法が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。 【特許文献1】特開2003−79595号公報 【非特許文献1】Klaas P. Pruessmann et al.“SENSE:Sensitivity Encoding for Fast MRI”Magnetic Resonance in Medicine 42(1999) pp.952-962 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 従来の折返しを元に戻す演算では、受信コイル数がN(≧3)個になると、受信コイル数が2個の場合の演算量に対して、演算量がN個から2個を取り出す組合せ数倍になり、演算量が急激に増加してしまう問題点があった。例えば、受信コイル数が3個になると演算量が3倍に増加し、受信コイル数が4個になると演算量が6倍に増加してしまう。 そこで、本発明の目的は、3個以上の受信コイルを用いて、少ない演算量かつ短い処理時間で折返しを元に戻した合成画像を得ることが出来るパラレルイメージング方法およびMRI装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 第1の観点では、本発明は、3個以上の受信コイルを用い且つ位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って前記各受信コイルのデータを収集し、前記各データから画像をそれぞれ生成し、前記各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選び、選んだ画像の組合せ及び対応する受信コイルの感度係数の正方行列を利用した演算により合成画像を得ることを特徴とするパラレルイメージング方法を提供する。 【0005】 一般的に、パラレルイメージング方法では、N個の受信コイルの各校正データc(n)から複素数画像C(n)をそれぞれ生成し、ボディコイルの校正データc(0)から複素数画像C(0)を生成し、各受信コイルの複素数画像C(n)をボディコイルの複素数画像C(0)で割り算することにより各受信コイルの感度マップs(n)を得る。そして、各受信コイルの感度マップs(n)を順に並べた感度マトリクスSと各受信コイルのデータh(n)から生成した複素数画像a(n)を順に並べた画像マトリクスAとから次式により合成画像Vを求める。 V=(S*Ψ-1S)-1S*Ψ-1A 上式で、S*は、Sの随伴行列(conjugate transpose)である。Ψは、noise correlation matrix である。この計算は、画素毎に行われる。 なお、上式は、非特許文献1(Klaas P. Pruessmann et al.“SENSE:Sensitivity Encoding for Fast MRI”Magnetic Resonance in Medicine 42(1999) pp.952-962)に記載されている。 【0006】 説明の簡単化のために、noise correlation matrix を使用しないとすると、(数1)となる。 【数1】
【0007】 例えば、受信コイル数N=3とし、リダクションファクターR=2とすると、(数2)となる。 【数2】
aiは、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値である。 si1,si2は、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数である。 【0008】 (数1)に(数2)を入れて展開すると、(数3)となる。 【数3】
|Skm|2は、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗である。 Skmは、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列である。 【0009】 (数3)から、受信コイル数がN(≧3)個になると、受信コイル数が2個の場合の演算量に対して、演算量がN個から2個を取り出す組合せ数だけ倍増し、演算量が急激に増加してしまうことが判る。 【0010】 ここで、(数3)における|S12|2,|S13|2,|S23|2に着目すると、もしも|S12|2が|S13|2や|S23|2に比べて小さいなら、|S12|2の項を無視してもほとんど影響を受けない。すなわち、(数4)とすることが出来る。 【数4】
【0011】 (数4)は、各画像の組合せA12,A13,A23の中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せA13,A23を選び、選んだ画像の組合せA13,A23及び対応する受信コイルの感度係数の正方行列S13,S23を利用した演算により合成画像Vを得ることに外ならない。 【0012】 上記第1の観点によるパラレルイメージング方法では、例えば(数4)により合成画像を得るが、これは(数3)に比べると、演算量が少なくて済む。よって、短い処理時間で折返しを元に戻した合成画像を得ることが出来る。 【0013】 第2の観点では、本発明は、上記第1の観点によるパラレルイメージング方法において、前記受信コイルの各組合せに対応する受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗に基づいて、前記各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶことを特徴とするパラレルイメージング方法。 上記第2の観点によるパラレルイメージング方法では、1回だけ受信コイルの各組合せに対応する受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗を計算する必要があるが、各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを正確に選ぶことが出来る。 【0014】 第3の観点では、本発明は、前記第1の観点によるパラレルイメージング方法において、前記受信コイルの配置および前記フェーズエンコード方向に基づいて、前記各画像の中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶことを特徴とするパラレルイメージング方法を提供する。 2つの受信コイルの配置がフェーズエンコード方向に対向している場合のこれら受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗は、周波数エンコード方向に並んでいる場合のこれら受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗よりもずっと大きな値になる。つまり、受信コイルの配置がフェーズエンコード方向に対向している受信コイルの画像の組合せを選び、受信コイルの配置が周波数エンコード方向に並んでいる受信コイルの画像の組合せを選ばなければよい。 上記第3の観点によるパラレルイメージング方法では、各受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗を計算しなくても、受信コイルの配置およびフェーズエンコード方向に基づいて、演算に用いる画像の組合せを選ぶことが出来る。 【0015】 第4の観点では、本発明は、前記第1から前記第3のいずれかの観点によるパラレルイメージング方法において、前記受信コイルが、第1の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第1の受信コイルと並んだ第2の受信コイルと、位相エンコード方向に前記第1の受信コイルと対向する第3の受信コイルとからなり、リダクションファクターR=2とすることを特徴とするパラレルイメージング方法を提供する。 上記第4の観点によるパラレルイメージング方法では、3個の受信コイルを用いて、少ない演算量かつ短い処理時間で折返しを元に戻した合成画像を得ることが出来る。 【0016】 第5の観点では、本発明は、前記第4の観点によるパラレルイメージング方法において、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,si2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とすると共にmチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗を|Skm|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列をSkmとするとき、前記演算が、
により表されることを特徴とするパラレルイメージング方法を提供する。 上記第5の観点によるパラレルイメージング方法では、従来方法に比べて演算量を2/3に低減できる。 【0017】 第6の観点では、本発明は、前記第1から前記第3のいずれかの観点によるパラレルイメージング方法において、前記受信コイルが、第1の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第1の受信コイルと並んだ第2の受信コイルと、位相エンコード方向に前記第1の受信コイルと対向する第3の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第3の受信コイルと並んだ第4の受信コイルとからなり、リダクションファクターR=2とすることを特徴とするパラレルイメージング方法を提供する。 上記第6の観点によるパラレルイメージング方法では、4個の受信コイルを用いて、少ない演算量かつ短い処理時間で折返しを元に戻した合成画像を得ることが出来る。 【0018】 第7の観点では、本発明は、前記第6の観点によるパラレルイメージング方法において、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,si2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とすると共にmチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗を|Skm|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列をSkmとするとき、前記演算が、
により表されることを特徴とするパラレルイメージング方法を提供する。 上記第7の観点によるパラレルイメージング方法では、従来方法に比べて演算量を2/3に低減できる。 【0019】 第8の観点では、本発明は、前記第1から前記第3のいずれかの観点によるパラレルイメージング方法において、前記選んだ画像の組合せに対応する受信コイルを第1チャンネルから第Lチャンネルまでとし、リダクションファクターをRとするとき、第1チャンネルから第Lチャンネルまでの中からRチャンネルを選んだ各組合せを一般的に第1Rチャネルから第RRチャネルとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元のR点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,…,siRとし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,…,skRを各行とする正方行列の行列式の2乗を|S1R-RR|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,…,skRを各行とする正方行列をS1R-RRとするとき、前記演算が、
により表されることを特徴とするパラレルイメージング方法を提供する。 上記第8の観点によるパラレルイメージング方法では、従来方法に比べて演算量を低減できる。 【0020】 第9の観点では、本発明は、3個以上の受信コイルと、前記3個以上の受信コイルを用い且つ位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って前記各受信コイルのデータを収集するスキャン手段と、前記各データから画像をそれぞれ生成する画像生成手段と、前記各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶ組合せ選択手段と、選んだ画像の組合せ及び前記各受信コイルの感度分布を利用して前記演算により合成画像を得る演算手段とを具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第9の観点によるMRI装置では、前記第1の観点によるパラレルイメージング方法を好適に実施できる。 【0021】 第10の観点では、本発明は、前記第9の観点によるMRI装置において、前記組合せ選択手段は、前記受信コイルの各組合せに対応する受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗に基づいて、前記各画像の組合せの中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第10の観点によるMRI装置では、前記第2の観点によるパラレルイメージング方法を好適に実施できる。 【0022】 第11の観点では、本発明は、前記第9の観点によるMRI装置において、前記組合せ選択手段は、前記受信コイルの配置および前記フェーズエンコード方向に基づいて、前記各画像の中から折返しを元に戻す演算に用いる画像の組合せを選ぶことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第11の観点によるMRI装置では、前記第3の観点によるパラレルイメージング方法を好適に実施できる。 【0023】 第12の観点では、本発明は、前記第9から前記第11のいずれかの観点によるMRI装置において、前記受信コイルが、第1の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第1の受信コイルと並んだ第2の受信コイルと、位相エンコード方向に前記第1の受信コイルと対向する第3の受信コイルとからなり、前記スキャン手段が、リダクションファクターR=2とすることを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第12の観点によるMRI装置では、前記第4の観点によるパラレルイメージング方法を好適に実施できる。 【0024】 第13の観点では、本発明は、前記第12の観点によるMRI装置において、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,si2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とすると共にmチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗を|Skm|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列をSkmとするとき、前記演算手段が、
により表される演算を行うことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第13の観点によるMRI装置では、前記第5の観点によるパラレルイメージング方法を好適に実施できる。 【0025】 第14の観点では、本発明は、前記第9から前記第11のいずれかの観点によるMRI装置において、前記受信コイルが、第1の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第1の受信コイルと並んだ第2の受信コイルと、位相エンコード方向に前記第1の受信コイルと対向する第3の受信コイルと、周波数エンコード方向に前記第3の受信コイルと並んだ第4の受信コイルとからなり、前記スキャン手段が、リダクションファクターR=2とすることを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第14の観点によるMRI装置では、前記第6の観点によるパラレルイメージング方法を好適に実施できる。 【0026】 第15の観点では、本発明は、前記第14の観点によるMRI装置において、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元の2点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,si2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とすると共にmチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする行列式の2乗を|Skm|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,sk2を第1行とし、mチャンネルの受信コイルの感度係数sm1,sm2を第2行とする正方行列をSkmとするとき、前記演算手段が、
により表される演算を行うことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第15の観点によるMRI装置では、前記第7の観点によるパラレルイメージング方法を好適に実施できる。 【0027】 第16の観点では、本発明は、前記第9から前記第11のいずれかの観点によるMRI装置において、前記組合せ選択手段が選んだ画像の組合せに対応する受信コイルを第1チャンネルから第Lチャンネルまでとし、リダクションファクターをRとするとき、第1チャンネルから第Lチャンネルまでの中からRチャンネルを選んだ各組合せを一般的に第1Rチャネルから第RRチャネルとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点の画素値をaiとし、iチャンネルの受信コイルの画像上の点で折返しにより重なっている元のR点のiチャンネルの受信コイルに対応する各感度係数をsi1,…,siRとし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,…,skRを各行とする正方行列の行列式の2乗を|S1R-RR|2とし、kチャンネルの受信コイルの感度係数sk1,…,skRを各行とする正方行列をS1R-RRとするとき、前記演算手段が、
により表される演算を行うことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第16の観点によるMRI装置では、前記第8の観点によるパラレルイメージング方法を好適に実施できる。 【発明の効果】 【0028】 本発明のパラレルイメージング方法およびMRI装置によれば、3個以上の受信コイルを用いたパラレルイメージングにおいて、少ない演算量かつ短い処理時間で折返しを元に戻した合成画像を得ることが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0029】 以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。 【実施例1】 【0030】 図1は、実施例1にかかるMRI装置100を示すブロック図である。 このMRI装置100において、マグネットアセンブリ101は、内部に被検体を挿入するための空間部分(ボア)を有し、この空間部分を取りまくようにして、被検体に一定の静磁場を印加する静磁場コイル101Cと、X軸,Y軸,Z軸の勾配磁場を発生するための勾配コイル101Gと、被検体内の原子核のスピンを励起するためのRFパルスを与える送信コイル101Tと、被検体からのNMR信号を受信するためのボディコイル101(0)およびI(≧3)チャンネルの受信コイル101(1),…,101(I)とが配置されている。 静磁場コイル101C,勾配コイル101G,送信コイル101Tは、それぞれ静磁場電源102,勾配コイル駆動回路103,RF電力増幅器104に接続されている。また、ボディコイル101(0),受信コイル101(1),…,101(I)は、それぞれ前置増幅器105(0),105(1),…,105(I)に接続されている。 なお、ボディコイル101(0)を送信コイル101Tとして使用する場合もある。 また、静磁場コイル101Cの代わりに永久磁石を用いてもよい。 【0031】 シーケンス記憶回路108は、計算機107からの指令に従い、記憶しているパルスシーケンスに基づいて勾配コイル駆動回路103を操作し、勾配コイル101Gから勾配磁場を発生させると共に、ゲート変調回路109を操作し、RF発振回路110の搬送波出力信号を所定タイミング・所定包絡線形状・所定位相のパルス状信号に変調し、それをRFパルスとしてRF電力増幅器104に加え、RF電力増幅器104でパワー増幅した後、送信コイル101Tに印加する。 【0032】 セレクタ111は、ボディコイル101(0),受信コイル101(1),…,101(I)で受信され前置増幅器105(0),105(1),…,105(I)で増幅されたNMR信号をm個のレシーバ112(1),112(2),…,112(m)に伝達する。これは、ボディコイル101(0),受信コイル101(1),…,101(I)とレシーバ112(1),112(2),…,112(m)の対応を可変にするためである。 【0033】 レシーバ112(1),112(2),…,112(m)は、NMR信号をデジタル信号に変換し、計算機107に入力する。 【0034】 計算機107は、レシーバ112からデジタル信号を読み込み、処理を施して、MR画像を生成する。また、計算機107は、操作卓113から入力された情報を受け取るなどの全体的な制御を受け持つ。 表示装置106は、画像やメッセージを表示する。 【0035】 図2は、実施例1に係るボディコイル101(0)およびI=3の場合の受信コイル101(1),101(2),101(3)の配置例を示す概念図である。 第1チャンネルCH1の受信コイル受信コイル101(1)は被検体Hの上の左寄りに置かれ、第2チャンネルCH2の受信コイル受信コイル101(2)は被検体Hの上の右寄りに置かれ、第3チャンネルCH3の受信コイル受信コイル101(3)は被検体Hの下に置かれている。 被検体Hの上下方向が位相エンコード方向Pであり、被検体Hの左右方向が周波数エンコード方向Fである。 【0036】 図3は、実施例1に係るパラレルイメージング処理を示すフロー図である。 ステップQ1では、ボディコイル101(0)を用い且つ位相エンコードステップを間引かないスキャンを行って校正用データを収集する。また、受信コイル101(1),101(2),101(3)を用い且つリダクションファクターR=2で位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って校正用データを収集する。そして、それら校正用データを基に、受信コイル101(1)の感度係数s11,s12と、受信コイル101(2)の感度係数s21,s22と、受信コイル101(3)の感度係数s31,s32とを求める。 【0037】 ステップQ2では、受信コイル101(1),101(2),101(3)を用い且つリダクションファクターR=2で位相エンコードステップを間引いたスキャンを行ってデータを収集する。そして、それらデータを基に、受信コイル101(1)の画像a1と、受信コイル101(2)の画像a2と、受信コイル101(3)の画像a3とを求める。 【0038】 ステップQ3では、
により、合成画像Vを生成する。そして、処理を終了する。 【0039】 実施例1のMRI装置100によれば、従来方法に比べて演算量を2/3に低減でき、処理時間も短縮できる。 【実施例2】 【0040】 図4は、実施例2に係るボディコイル101(0)およびI=3の場合の受信コイル101(1),101(2),101(3),101(4)の配置例を示す概念図である。 第1チャンネルCH1の受信コイル受信コイル101(1)は被検体Hの上の左寄りに置かれ、第2チャンネルCH2の受信コイル受信コイル101(2)は被検体Hの上の右寄りに置かれ、第3チャンネルCH3の受信コイル受信コイル101(3)は被検体Hの下の左寄りに置かれ、第4チャンネルCH4の受信コイル受信コイル101(4)は被検体Hの下の右寄りに置かれている。 被検体Hの上下方向が位相エンコード方向Pであり、被検体Hの左右方向が周波数エンコード方向Fである。 【0041】 図5は、実施例2に係るパラレルイメージング処理を示すフロー図である。 ステップT1では、ボディコイル101(0)を用い且つ位相エンコードステップを間引かないスキャンを行って校正用データを収集する。また、受信コイル101(1),101(2),101(3),101(4)を用い且つリダクションファクターR=2で位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って校正用データを収集する。そして、それら校正用データを基に、受信コイル101(1)の感度係数s11,s12と、受信コイル101(2)の感度係数s21,s22と、受信コイル101(3)の感度係数s31,s32と、受信コイル101(4)の感度係数s41,s42とを求める。 【0042】 ステップT2では、受信コイル101(1),101(2),101(3),101(4)を用い且つリダクションファクターR=2で位相エンコードステップを間引いたスキャンを行ってデータを収集する。そして、それらデータを基に、受信コイル101(1)の画像a1と、受信コイル101(2)の画像a2と、受信コイル101(3)の画像a3と、受信コイル101(4)の画像a4とを求める。 【0043】 ステップT3では、
により、合成画像Vを生成する。そして、処理を終了する。 【0044】 実施例2のMRI装置によれば、従来方法に比べて演算量を2/3に低減でき、処理時間も短縮できる。 【実施例3】 【0045】 図6は、実施例3に係るパラレルイメージング処理を示すフロー図である。 ステップG1では、ボディコイル101(0)を用い且つ位相エンコードステップを間引かないスキャンを行って校正用データを収集する。また、受信コイル101(1),…,101(I)を用い且つリダクションファクターRで位相エンコードステップを間引いたスキャンを行って校正用データを収集する。そして、それら校正用データを基に、i=1,…,Iとするとき、受信コイル101(i)の感度係数si1,…,siRを求める。 【0046】 ステップG2では、受信コイル101(1),…,101(I)を用い且つリダクションファクターRで位相エンコードステップを間引いたスキャンを行ってデータを収集する。そして、それらデータを基に、受信コイル101(i)の画像aiを求める。 【0047】 ステップG3では、受信コイル101(1),…,101(I)の中からR個を選び、組合せを作る。作られる組合せの数は、組合せ数ICR個になる。次いで、各組合せに属する受信コイルの感度係数の正方行列の行列式の2乗を計算する。例えば、ある組合せに受信コイル101(1R),…,101(RR)が属するなら、次式のような感度係数の正方行列の行列式の2乗|S1R-RR|2を計算する。
そして、値を比較し、例えば値の平均値の20%以上の値を持つ組合せだけを選ぶ。 【0048】 ステップG4では、選んだ組合せだけを用いて、
により、合成画像Vを生成する。そして、処理を終了する。 【0049】 実施例3のMRI装置によれば、従来方法に比べて演算量を低減でき、処理時間も短縮できる。 【産業上の利用可能性】 【0050】 本発明のパラレルイメージング方法及びMRI装置は、高速MRIに利用できる。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】実施例1に係るMRI装置を示す構成ブロック図である。 【図2】実施例1に係る受信コイルの配置を示す概念図である。 【図3】実施例1に係るパラレルイメージング処理を示すフロー図である。 【図4】実施例2に係る受信コイルの配置を示す概念図である。 【図5】実施例2に係るパラレルイメージング処理を示すフロー図である。 【図6】実施例3に係るパラレルイメージング処理を示すフロー図である。 【符号の説明】 【0052】 8 シーケンス記憶回路 100 MRI装置 107 計算機 101T 送信コイル 101(0) ボディコイル 101(1)〜101(I) 受信コイル
|
| 【出願人】 |
【識別番号】300019238 【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
|
| 【出願日】 |
平成18年7月12日(2006.7.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095511 【弁理士】 【氏名又は名称】有近 紳志郎
|
| 【公開番号】 |
特開2008−17958(P2008−17958A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−190999(P2006−190999) |
|