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【発明の名称】 核磁気共鳴撮像装置
【発明者】 【氏名】高橋 哲彦

【氏名】瀧澤 将宏

【要約】 【課題】テーブル移動に伴う画質劣化を、撮像パルスシーケンスにおいて抑制することのできるMRI装置を提供する。

【構成】本発明では、撮像空間に空間分布が一様な磁場パルス(B0パルス)を印加するためのB0コイルをさらに備える。テーブルを連続移動させるパルスシーケンスにおいて、テーブルの移動方向について傾斜磁場パルスを印加するのと同期して、B0パルスを印加する。これにより、テーブル移動に伴って励起領域に印加される傾斜磁場量が変化するのを、B0パルスで補正することができる。よって、取得される核磁気共鳴(NMR)信号は、テーブル移動による傾斜磁場量の変化の影響を受けず、画質劣化を抑制できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像空間に静磁場を発生する静磁場発生部と、被検体を搭載して前記撮像空間に配置するテーブルと、前記テーブルを連続的に移動させる駆動部と、前記撮像空間に傾斜磁場パルスを印加する傾斜磁場発生部と、前記撮像空間に高周波磁場パルスを照射する高周波照射部と、前記被検体が発生する核磁気共鳴信号を取得する検出部と、前記検出部の検出信号を演算処理し画像を生成する信号処理部と、前記駆動部、前記高周波照射部および前記傾斜磁場発生部の動作を制御して所定のパルスシーケンスを実行させる制御部とを有し、
前記撮像空間に空間分布が一様な磁場パルス(B0パルス)を印加するためのB0コイルをさらに備え、
前記パルスシーケンスは、前記テーブルを連続的に移動させながら、前記高周波磁場パルスの照射および前記傾斜磁場パルスの印加を行うものであり、
前記制御部は、前記パルスシーケンスにおいて、前記テーブルの移動方向について前記傾斜磁場パルスを印加するのと同期して、前記B0パルスを印加することを特徴とする核磁気共鳴撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の核磁気共鳴撮像装置において、前記制御部は、前記B0パルスの磁場強度を、同期する前記傾斜磁場パルスの強度に対応した強度に設定することを特徴とする核磁気共鳴撮像装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の核磁気共鳴撮像装置において、前記制御部は、前記B0パルスの磁場強度を、1パルス内で時間に線形に変化させることを特徴とする核磁気共鳴撮像装置。
【請求項4】
請求項1ないし3に記載の核磁気共鳴撮像装置において、前記制御部は、前記B0パルスの強度を、同期する前記傾斜磁場パルスの強度と、前記高周波磁場パルスの照射から該傾斜磁場パルスの印加までのテーブル移動距離との積に設定することを特徴とする核磁気共鳴撮像装置。
【請求項5】
請求項1ないし4に記載の核磁気共鳴撮像装置において、前記パルスシーケンスは、90°励起用高周波磁場パルスと、180°励起用高周波磁場パルスと、該180°励起用高周波磁場パルスの前後に、所定の方向に印加される拡散強調用傾斜磁場パルスとを含む拡散強調画像撮像シーケンスであることを特徴とする核磁気共鳴撮像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の核磁気共鳴撮像装置において、前記拡散強調用傾斜磁場パルスは、前記テーブルの移動方向に印加され、前記B0パルスは、前記拡散強調用傾斜磁場パルスと同期して印加されることを特徴とする核磁気共鳴撮像装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化する核磁気共鳴撮像(MRI)装置に関し、特に、被検体を搭載したテーブルを連続的に移動させながら被検体を励起しNMRデータを取得することにより、広い部位を撮像する連続ムービングベッド撮像法を行うMRI装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置では、位相エンコード量を変えながらシーケンスを繰り返し実行し、1枚の画像再構成に必要なエコー信号を取得する。そのため、画像の取得時間は繰り返し回数が大きく影響する。高速撮像を行う場合には、一般的には、1回の繰り返し内に複数のエコー信号を発生させるマルチエコータイプのシーケンスが用いられている。たとえば、FSEシーケンスやEPIシーケンスがそれに当たる。また、脳梗塞や、全身の腫瘍診断には、拡散強調撮像(DWI)方法が用いられる。
【0003】
全身の腫瘍を診断するために全身MRIという撮影方法が開発されつつある。全身MRIの公知技術としては、種々の技術があるが、例えば非特許文献1が知られている。非特許文献1記載の技術では、ベッド移動方向と読み出し傾斜磁場方向をそろえ、2Dもしくは3D撮像を行う。ベッド移動に伴い被検体が移動するのに合わせて、励起周波数を変化させることにより、装置座標系での撮像領域をベッド移動に併せて移動させる。これにより、被検体座標系での被検体位置を固定したまま撮影を行う。
【0004】
ムービングベッド撮像法は、マルチステーション撮像と比べて、ステーション間でベッドを移動する時間(3−5s)が不要なため、撮像が高速化できるメリットがある。ベッドを動かしながら撮像することに伴う画質劣化は、信号処理で回復する方法や、ベッド移動速度を、画質劣化が起きない範囲に低速にすることで抑制できることが報告されている。これらの撮像方法では、体軸方向の折り返しアーチファクトを避けるために、非特許文献1のように体軸方向を読み出し傾斜磁場方向とする方法の他に、体軸方向を2次元撮像のスライス方向とする方法がある。
【0005】
従来の連続テーブル移動撮影の一例の概要を簡単に説明する。被検体と撮影空間との関係を図9に示す。図9中の領域1001は撮影空間を表し、被検体401はテーブル1002上に載置されている。テーブル1002はX方向に自由に移動する。テーブル1002を移動させることにより撮影空間1001と被検体401との位置関係が変わるので、異なる部位の画像を取得できる。
【0006】
例えば、テーブル1002に対して水平に撮影断面が設定された場合(つまり、Z方向がスライス方向である場合)は、図10(a)、(b)のようになる。図10(a)は、テーブル1002を真上から見た場合であり、図10(b)は真横から見た場合である。この場合、撮影中のテーブル1002の+(−)X方向への移動に伴って、撮影領域501も被検体に対して相対的に−(+)X方向に移動する。
【0007】
このとき、テーブル移動方向と読み出し傾斜磁場の方向を同一方向に設定して、テーブル1002の移動に連動して、パルスシーケンスの位相エンコード量を再帰的に変化させながらエコー信号を計測する。そして、パルスシーケンスの1回の繰り返し時間で計測されたエコー信号を読み出し方向(Kx)に1次元フーリエ変換すると、図11(a)に示す様なハイブリッドデータを取得できる。図10(a)は横軸は、位置(X)を表し、縦軸が印加された位相エンコード量(Ky)を表す。撮影の進行に伴い、テーブル1002の位置が移動しているので、取得されたデータの位置(X)が移動するが、位相エンコード量を再帰的に繰り返しているので、同じ位相エンコード量で取得されたハイブリッドデータを配置すると、X方向の位置が連続につながる(即ち、502−1と502−9、502−2と502−10、等)。このようにX方向の位置が合わされるようにして結合された結果が図10(b)である。それぞれのライン503−1〜503−8では、エコー信号の計測時に印加された位相エンコード量が異なるので、Ky方向にフーリエ変換することで最終画像となる。
【0008】
上記のようなテーブルを連続移動させながら行う撮影では、1枚の撮影スライス内で被検体のテーブル移動方向の広範囲な情報を得ることができる。一方、テーブル移動速度をパルスシーケンスの実行時間(例えば、繰り返し時間)に対応して制御、あるいは逆に、パルスシーケンスの実行時間(例えば、繰り返し時間TR)をテーブル移動速度に対応して制御することによって、撮影領域が断絶されることなく上記ハイブリッドデータの結合ができるようにする必要がある。
【0009】
テーブル連続移動撮影では、テーブル移動速度が遅い場合は、被検体位置の変化が画像に与える影響が少ないが、テーブル移動速度が速くなるにつれ、エコー信号間の被検体位置の変化が大きくなり、正しく画像が再構成できない問題がある。図10のように撮像断面を設定する場合では、テーブル1002の移動速度Vは、シーケンスの繰り返し時間TRと読み出し傾斜磁場方向の撮影視野FOVx、位相エンコード方向のデータ取得点数N、繰り返し時間TRを用いて、
V=FOVx/(N×TR)・・・(式1)
と計算される。典型的なテーブル速度は、1cm/s〜3cm/sであり、これ以上の速度になると画質が劣化するという研究報告がある。
【0010】
このため、従来のテーブル連続移動撮像では、テーブルの移動速度は、パルスシーケンスの励起と信号検出との時間間隔において実質的に移動が無視できる程度の低速に設定されている。たとえば、ベッド移動速度2cm/sで、典型的なパルスシーケンス(SE,GrE)の読み出し傾斜磁場印加時間を10msとすると、読み出し傾斜磁場印加時間に移動する距離は、0.2mmである。MRIの画素サイズは、典型的には1〜2mm、スライス厚さは、2〜5mmであるので、0.2mmというパルスシーケンス実行中の移動距離は、画素サイズの10〜20%程度であり無視しうる変動である。よって、ベッド移動に伴う画質劣化が無視できる。このため従来例では、非特許文献1のように、RF励起パルス間でのみ励起周波数を変えることで画質劣化を抑制しており、励起と信号検出の時間間隔でのテーブル移動については考慮していない。
【0011】
一方、特許文献1では、テーブルを体軸方向に移動させながら取得したk空間データの位相を体軸方向について補正することにより、k空間データ取得中のテーブル位置の変化により、取得データに含まれる位相量を除去する方法を開示している。
【非特許文献1】Yodong Zhu et al. Extended field-of-view imaging with table translation and frequency sweeping, Magnetic Resonance in Medicine 49:1106-1112,2003.
【特許文献1】特表2005−503874号公報(WO2003/027701)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
全身をMRI装置で撮像する場合には、従来は250〜500s程度の撮影時間が必要であるが、X線CTのように、15s〜30s程度の高速撮像が潜在的に望まれている。そのためには、マルチエコーシーケンスを適用し、ベッド移動速度を5−10倍に上げる必要がある。しかしながら、例えばベッド移動速度を20cm/sまで大きくした場合、典型的なパルスシーケンス(SE,GrE)の読み出し傾斜磁場印加時間は10ms程度であるため、その間にベッドが移動する距離が2mmになる。MRI装置の一般的な画素サイズは1−2mmなので、シーケンス実行中のこの移動距離は、対画素サイズで100%となり無視できない。このため、従来は、ベッド移動に伴う画質劣化が大きく実用には供されていない。
【0013】
また、全身MRIの臨床適用のひとつに腫瘍検出のために全身DWIがあるが、連続テーブル移動MRI、特に高速テーブル移動でのDWIは提案されていない。
【0014】
また、取得したデータを補正することにより、テーブル移動の影響を除去する手法は、特許文献1に提案されているが、テーブル移動の影響が抑制されたデータを取得する手法については提案されていない。
【0015】
本発明の目的は、テーブル移動に伴う画質劣化を、撮像パルスシーケンスにおいて抑制することのできるMRI装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明のMRI装置は、撮像空間に静磁場を発生する静磁場発生部と、被検体を搭載して撮像空間に配置するテーブルと、テーブルを連続的に移動させる駆動部と、撮像空間に傾斜磁場パルスを印加する傾斜磁場発生部と、撮像空間に高周波磁場パルスを照射する高周波照射部と、被検体が発生する核磁気共鳴信号を取得する検出部と、検出部の検出信号を演算処理し画像を生成する信号処理部と、駆動部、高周波照射部および傾斜磁場発生部の動作を制御して所定のパルスシーケンスを実行させる制御部とを有する。このMRI装置には、撮像空間に空間分布が一様な磁場パルス(B0パルス)を印加するためのB0コイルをさらに備えられている。パルスシーケンスは、テーブルを連続的に移動させながら、高周波磁場パルスの照射および傾斜磁場パルスの印加を行うものである。制御部は、パルスシーケンスにおいて、テーブルの移動方向について傾斜磁場パルスを印加するのと同期して、B0パルスを印加する。これにより、テーブル移動に伴って励起領域に印加される傾斜磁場量が変化するのを、B0パルスで補正することができる。よって、取得される核磁気共鳴(NMR)信号は、テーブル移動による傾斜磁場量の変化の影響を受けず、画質劣化を抑制できる。
【0017】
上記制御部は、前記制御部は、前記B0パルスの磁場強度を、同期する傾斜磁場パルスの強度に対応した強度に設定する構成にすることができる。また、B0パルスの磁場強度を、1パルス内で時間に線形に変化させる構成にすることも可能である。これにより、1パルス時間内におけるテーブル移動に対応することができる。また、制御部は、B0パルスの強度を、同期する傾斜磁場パルスの強度と、高周波磁場パルスの照射から傾斜磁場パルスの印加までのテーブル移動距離との積に設定する構成にすることもできる。
【0018】
パルスシーケンスは、90°励起用高周波磁場パルスと、180°励起用高周波磁場パルスと、180°励起用高周波磁場パルスの前後に、所定の方向に印加される拡散強調用傾斜磁場パルスとを含む拡散強調画像撮像シーケンスを用いることができる。特に、拡散強調用傾斜磁場パルスが、テーブルの移動方向に印加される場合、B0パルスを拡散強調用傾斜磁場パルスと同期して印加することにより、特に有効である。拡散強調用傾斜磁場パルスは、強度が大きいため、テーブル移動に伴う画質劣化が生じやすいが、B0パルスを印加することにより、画質劣化を抑制することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の核磁気共鳴撮像(MRI)装置について、図面を参照して詳述する。
(第1の実施の形態)
まず、図1を用いて、第1の実施の形態のMRI装置の構成について説明する。MRI装置は、被検体401の周囲の撮像空間に静磁場を発生する磁石402と、撮像空間に空間分布がフラット(0次成分)な磁場を発生するB0コイル415、撮像空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル403と、撮像空間に高周波磁場を発生するRF(高周波)コイル404と、被検体401が発生するNMR信号を受信するRFプローブ405とを備えている。この他に、被検体401を搭載するベッド(テーブル)412、RF送信部410、信号検出部406、傾斜磁場電源409、B0コイル電源416、モニタ機器415、ベッド制御部414、信号処理部407、制御部411および画像表示部408を備えている。
【0020】
B0コイル515は、空間分布がフラット(0次成分)な磁場を発生するように構成されたコイルを含み、B0コイル電源416からの信号に応じて強度分布が均一な磁場を発生する。傾斜磁場コイル403は、x、y、zの3方向の傾斜磁場コイルを含み、傾斜磁場電源409からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。なお、傾斜磁場コイル403は、撮像空間の中心(x=0,y=0,z=0)で傾斜磁場の磁場強度が0となるように設計されている。
【0021】
B0コイル415および傾斜磁場コイル403は、高速な制御(典型的には1ms以下のパルス制御)を可能とするために渦電流を抑える必要があるため、アクティブシールド型であることが望ましい。具体的には、B0コイル415および傾斜磁場コイル403はそれぞれ所定の磁場を発生するメインコイルと、漏れ磁場を打ち消す磁場をアクティブに発生するシールドコイルとを備えるように構成する。
【0022】
RFコイル404は、RF送信部410の信号に応じて高周波磁場を発生する。一方、RFプローブ405で受信されたNMR信号は、信号検出部406で検出された後、信号処理部407で信号処理され、さらに画像再構成処理により画像信号に変換される。再構成された画像は、画像表示部408に表示される。
【0023】
B0コイル電源416、傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号検出部406は制御部411で制御される。一般に、傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号検出部406の制御は、撮像パルスシーケンスと呼ばれているが、本実施の形態ではB0コイル電源416の制御も含めて、撮像パルスシーケンスと呼ぶ。
【0024】
ベッド412は、被検体401を搭載し、撮像空間に配置するためのものである。ベッド412は、被検体401のHF(頭頂−足)方向(図1中矢印413)に移動させる駆動部を内蔵する。ベッド制御部414は、撮像パルスシーケンスの実行と整合を取りつつ、ベッド412を駆動して、被検体401の位置を移動させる。本実施の形態のベッド412の移動速度は、頭頂部から足方向へ向けた移動速度v=2.0cm/s−20.0cm/sである。
【0025】
生体のモニタ機器415は生体の拍動もしくは脈波、心電波、呼吸動をモニタし、それらは電気信号もしくは光信号に変換され、制御部411ヘリアルタイムで送る。
【0026】
RFプローブ405、信号検出部406、信号処理部407の一部を図2に示す。図2のように、RFプローブ405は、RF受信コイル301と、それに接続されたプリアンプ302とを含み、RF受信コイル301が受信した信号をプリアンプ302により増幅する。信号検出部406は、AD変換・直交検波回路303を備え、プリアンプ302の出力をAD変換した後直交検波する。AD変換・直交検波回路303で行われる直交検波は、撮像する信号の周波数に応じてチャンネル毎に変えることが望ましい。信号処理部407は、フーリエ変換部304と演算部305とを備え、直交検波後の信号をフーリエ変換部304によりフーリエ変換し、RF受信コイル301で検出したMRI画像を再構成する。この画像信号に対して、必要に応じて演算部305によってさらに演算処理(例えば複数チャンネルから並列に信号を検出した場合の画像合成演算など)をする。再構成画像や演算処理後の画像は、画像表示部408に表示される。
【0027】
なお、現在MRIの形態的な撮像対象は、臨床で普及しているものとしては、被検体401の主たる構成物質、プロトンである。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和現象の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、血管(血液、血流)などの機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
【0028】
次に、撮像パルスシーケンスについて説明する。本実施例に用いられる撮像パルスシーケンスとしては、一般的な各種のパルスシーケンスを用いることができるが、本実施の形態では3Dグラディエントエコーシーケンスを用いる場合について説明する。まず、一般的な3Dグラディエントエコーシーケンスの手順について図3を用いて説明する。図3のようにスライス選択傾斜磁場パルス602を印加するのと同時に、RFパルス601を照射した後、スライスエンコード傾斜磁場パルス603と位相エンコード傾斜磁場パルス604を印加する。その後、ディフェイズパルス605および読み出し傾斜磁場パルス606を印加し、これによって所定のエコー時間TE608に生じるエコー信号607を検出する。これらのパルスシーケンスを繰り返し時間(TR)(高周波パルス601の間隔)609で繰り返す。なお、繰り返し時間TR609毎にスライスエンコードおよび位相エンコード傾斜磁場パルス603、604の量を変え、異なるスライス/位相エンコードを与え、それぞれのエンコードで得られるエコー信号607を検出する。
【0029】
以上の操作をエンコードの数だけ繰り返し、所定の画像取得時間で1枚の3D画像再構成に必要なエコー信号を取得する。スライスエンコードと位相エンコードの数は通常1枚の3D画像あたり32、64、128、256、512等の値の組み合わせが選ばれる。各エコー信号は通常128、256、512、1024個のサンプリングデータからなる時系列信号として得られる。これらのデータを3次元フーリエ変換して1枚の3DのMR画像を作成する。高速撮像に特化した場合、TEは、1ms、TRは2ms、1エコーの周波数エンコード数は128、位相エンコードとスライスエンコード数は40(ハーフスキャン適用)×16に設定することができる。全エンコードのデータを取得するのに要する時間は1.24sである。ベッド412の移動速度を10cm/sに設定した場合、全エンコードのデータを取得する間に、ベッド412は12.4cm移動する。
【0030】
本実施の形態では、ベッド412の移動量が大きいため、これに伴う画質劣化を抑制するために、図4のように所定のタイミングでB0パルスを印加を追加した撮像パルスシーケンスを実行する。なお、以下の説明において、(x,y,z)は各領域内の位置を表し、図1のようにxをRL方向(被検体の左右方向)、yをAP方向(被検体の前後方向)、zをHF方向とする。ベッド412の移動方向は、z方向とする。ここでは、ベッド移動方向(z)を、リードアウト軸(Gr)と一致させている。xおよびy方向については、Gs方向およびGp方向のいずれに設定してもよい。
【0031】
図4の撮像パルスシーケンスと一般的な図3の撮像パルスシーケンスとの相違点は、Grと連動して、B0コイル415からパルス磁場を印加する点である。B0パルス磁場の印加タイミングおよび波形について以下説明する。
【0032】
RFパルス601の照射時を時間の原点(t=0)として考えると、RFパルス601の照射から読み出し傾斜磁場パルスGr606が印加されるまでに、ベッド412は移動する。ベッド412の移動速度をvとして、時間をtとすると、移動距離A(t)=v・tで表される。なお、傾斜磁場コイル403のz方向コイルは、撮像空間の中心(z=0)において磁場強度0の傾斜磁場を印加するように設計されているため、t=0において傾斜磁場パルスGr(t)を印加すると撮像視野内の点(x、y、z)(x、y、zは、装置座標系での位置)には、それぞれGr(t)×zの強度の傾斜磁場が印加される。
【0033】
一方、速度vで移動する被検体401内の特定の部位(励起部位)は、ベッド412の移動により時々刻々と移動し、その位置は、装置座標系では(x、y、z+vt)と記述される。従って、時刻tにおける被検体401内の特定の部位(x、y、z+vt)には、z方向についてGr(t)×(z+vt)の傾斜磁場が印加される。本実施の形態のようにベッド412の移動速度v(v=2.0cm/s−20.0cm/s)が高速な場合には、ヘッド412の移動によって特定の部位に印加される傾斜磁場の大きさの変化、すなわちGr(t)×zと(Gr(t)×(z+vt))との差(Gr(t)×vt)が無視できなくなる。そこで、本実施の形態では、zに線形な強度分布をもつGr(t)パルスを印加するときに、B0コイルで(−Gr(t)×vt)の磁場を印加することにより高速移動の影響を除去する。
【0034】
具体的な、B0パルス701,702の波形を図4に示す。B0パルスは、z方向の傾斜磁場パルスGr605、606の波形と、(−vt)とを掛け合わせた波形である。よって、B0パルス701,702は、傾斜磁場パルスGr605、606と同期して印加され、そのパルス波形は、(−vt)の変化に依存して傾斜している。なお、時間tの原点は、RFパルス601の照射時であるので、(−vt)は、RFパルス601の照射ごとにゼロにリセットされる。
【0035】
このように、B0パルス701、702を印加することにより、上記特定部位に印加される傾斜磁場Gr(=Gz)=Gr(t)×(z+vt)に、B0=(−Gr(t)×vt)が重畳して印加され、(Gr(t)×(vt))の項を打ち消すことができる。よって、特定部位に本来印加すべき(Gr(t)×z)の磁場を印加することができ、ベッド412の移動に起因する傾斜磁場の大きさの変化、(Gr(t)×(vt))を補正することができる。これにより、ベッド移動による印加傾斜磁場の大きさの変化に起因して、取得されるデータに誤差が含まれることを抑制することができる。
【0036】
なお、図4に示したように、B0パルス701,702のパルス波形は、vtの変化に依存して傾斜しているが、ディフェイズパルス605の幅・振幅が十分に小さいときは、パルス701内でvtが一定という近似をし、矩形のパルス701を印加することも可能である。
【0037】
つぎに、図5(a)を用いて、ベッド412の位置と傾斜磁場強度の関係を模式的に示す。RFパルス601の励起直後t=0の状態では、傾斜磁場Gz(=Gr)は印加されないので、図5(a)に記載のグラフ901のように、Gzは、全空間でゼロである。ディフェイズパルス605が印加される時間をt、読み出し用傾斜磁場パルス606が印加される時間をt(=TE)とすると、RFパルス601で励起された核磁化は、時間t=tでは、v・t移動しているので、この核磁化が受ける傾斜磁場(Gz’(t)・z)902は、Gz(t)(z−v・t)と表される。(なお、傾きGz(t)は、ディフェイズパルス605の大きさGr(t)と等しい。)したがって、B0コイル415から、グラフ902のGz切片の値に相当するB0(t)=Gz(t)(−vt)の大きさの空間分布が一様なB0磁場パルス701を印加すれば、ベッド412の移動により核磁化が移動していても実質的に移動していないのと同様の傾斜磁場を受けることができる。すなわち、
Gz’(t)・z−B0(t)=Gz(t)・z
である。
【0038】
つぎに、時間t=tでは、RFパルス601で励起された核磁化は、v・t移動しているので、この核磁化が受ける傾斜磁場Gz’(t)903は、Gz(t)(z−vt)と表される。(なお、傾きGz(t)は、読み出し用傾斜磁場パルス606の大きさGr(t)である。)したがって、グラフ903のGz切片の値に相当するB0(t)=Gz(t)(−vt)の大きさの空間分布が一定なB0磁場パルス702を印加すれば、ベッド412の移動により核磁化が移動していても実質的に、移動がしていないのと同様の傾斜磁場を受けることができる。すなわち、
Gz’(t)・z−B0(t)=Gz(t)・z
である。
【0039】
なお、B0パルス702における磁場の大きさB0(t)は、図4に示したように、B0パルス702内でもベッドが連続移動しているため、時間tに対して線形に変化している。これを、図5(b)を用いて、具体的に説明する。図5(b)は、図5(a)のグラフ903と、その時間tの前後の時間t=t−α(ただし、αは微小時間)およびt=t+αでの傾斜磁場Gzのグラフ904、905を示している。t=t−αにおける傾斜磁場Gz(t−α)のグラフ904から、グラフ904のGz切片の値に相当するB0(t−α)の大きさは、B0(t)よりも小さいことがわかる。逆に、グラフ905のGz切片の値に相当するB0(t+α)の大きさは、B0(t)よりも大きい。このように、B0パルス702における磁場の大きさB0(t)は、B0パルス702内でも時間に対して線形に変化している。
【0040】
なお、B0パルス702の時間幅が小さく、傾斜磁場強度Grがさほど大きくないときには、簡略的な考えとして、パルス内では平均的な値を用いることも可能である。
【0041】
上述してきたように、第1の実施の形態では、B0コイル415から所定のタイミングの所定の波形のB0パルスを印加することにより、テーブル移動に伴って励起領域に印加される傾斜磁場に生じる誤差を打ち消すことができ、テーブル移動がない場合と同等の傾斜磁場を励起領域に印加することができる。よって、取得されるNMR信号には、テーブル移動に伴う誤差成分は含まれないため、テーブル移動に伴う画質劣化を、撮像パルスシーケンスにおいて抑制することができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態のMRI装置として、典型的なDWI(拡散強調画像)撮像方法に、第1の実施の形態と同様のB0パルスを適用した撮像パルスシーケンスを実行するMRI装置について説明する。高強度の傾斜磁場を印加するDWI等のパルスシーケンスは、高速でベッドを移動させる場合のみならず、低速でベッドを移動させる場合であっても、ベッド移動に伴う傾斜磁場印加強度の変化が大きくなるため、B0パルスを適用することによって画質劣化を抑制する効果が得られる。
【0043】
本実施の形態のMRI装置が実行する撮像パルスシーケンスは、図6のように、一般的な2D−SE−EPIに拡散傾斜磁場を付与したパルスシーケンスを用いる。図6のパルスシーケンスでは、拡散するプロトンの位相を分散させて信号を生じさせないようにするためのMPG(motion probing gradient)パルス105,107が、Gs方向に印加されている。ここでは、Gs方向をベッド412移動方向(z方向)とする。すなわち、撮像断面は体軸に直交する方向(TRS)で、MPGの方向が体軸(z)方向である。
【0044】
以下、パルスシーケンスを具体的に説明する。90度パルス101はスライス傾斜磁場パルス103と共に印加され、リフェイズパルス104のあとMPGパルスの前半部分105が印加される。その後、スライス傾斜磁場パルス106と180度パルス102が同時に印加され、引き続き、MPGパルスの後半部分107が印加される。MPGパルスの印加が終わったら、位相エンコードパルスのプリパルス108と読み出し傾斜磁場パルスのディフェイズパルス111を印加する。次に、読み出し傾斜磁場パルス112、位相エンコードパルスのブリップ傾斜磁場109、反転読み出し傾斜磁場パルス113、ブリップ傾斜磁場109、読み出し傾斜磁場パルス114…と繰り返す。エコー信号117〜121は、読み出し傾斜磁場パルスの印加と同時に検出される。
【0045】
典型的なMPGパルス105、107の幅は、20ms、2つのMPGパルスの間隔は30ms、エコータイム(TE)124は、60ms、繰り返し時間(TR)125は、100〜150msである。インターエコータイム110は、1msである。ブリップパルス109の数は、位相エンコード数から決められ、40〜80個程度である。
【0046】
ベッド速度を10cm/sとすると、TR=100msの場合、1TR間にベッド412が移動する距離は1cmであるので、1TR間でのベッド移動距離は無視できない。そこで、本実施の形態では、傾斜磁場パルスGs103〜107に対応させてB0パルス126〜130を印加し、励起領域に印加される傾斜磁場を補正する。具体的には、B0パルス126〜130の強度(波形)は、図6のように、Gsパルス103〜107波形にベッド移動量(−vt)131を掛けた(Gs(t)×(−vt))である。
【0047】
このように、第2の実施の形態では、ベッド412の移動方向(z方向)と傾斜磁場Gsの方向とが一致しているため、傾斜磁場パルスGs103〜107に対応させてB0パルス126〜130を印加することにより、ベッド412の移動に起因する傾斜磁場Gsの誤差(Gs(t)×(vt))を打ち消す。これにより、ベッド移動により、取得されるデータに生じる誤差を抑制することができる。DWIのパルスシーケンスは、高強度の傾斜磁場を印加するため、高速でベッドを移動させる場合のみならず、低速でベッドを移動させる場合であってもベッド移動に伴う傾斜磁場印加強度の変化が大きいが、本実施の形態のようにB0パルスを適用することによって画質劣化を抑制する効果が得られる。
【0048】
(第3の実施の形態)
つぎに、本発明の第3の実施の形態のMRI装置について図7を用いて説明する。
第3の実施の形態のMRI装置は、第2の実施の形態と同様に、DWI撮像方法にB0パルスを適用した撮像パルスシーケンスを実行するものであるが、第2の実施の形態と異なり、ベッド移動方向(z方向)と読み出し傾斜磁場Grの方向が一致するように設定されている。すなわち、撮像断面は、SAG(矢状断面)またはCOR(冠状断面)であり、MPG105,107は、RL(左右)方向(図1のx方向)またはAP(前後)方向(y方向)に印加する。
【0049】
この場合、図7に示したように、B0パルス201〜206をベッド移動方向であるGr方向の傾斜磁場パルス111〜116に対応させて印加する。傾斜磁場パルスGr111〜116は、読み出し傾斜磁場パルスのディフェイズパルス111と読み出し傾斜磁場パルス112〜116である。B0パルス201〜206のそれぞれの強度(波形)は、Grパルス111〜116の強度(Gr)にベッド移動量(−vt)207を掛けた(Gr(t)×(−vt))である。
【0050】
このように、第3の実施の形態では、ベッド412の移動方向(z方向)が読み出し傾斜磁場Gr方向であっても、傾斜磁場パルスGr111〜107を補正するB0パルス201〜206を印加することにより、ベッド412の移動に起因して、励起領域に印加される傾斜磁場Grの誤差(Gr(t)×(vt))を打ち消すことができる。これにより、ベッド移動により、取得されるデータに生じる誤差を抑制することができる。
【0051】
(第4の実施の形態)
つぎに、本発明の第4の実施の形態のMRI装置について図8を用いて説明する。
第4の実施の形態のMRI装置は、第2の実施の形態と同様に、DWI撮像方法にB0パルスを適用した撮像パルスシーケンスを実行するものであるが、第2の実施の形態と異なり、ベッド移動方向(z方向)と位相エンコード傾斜磁場Gpの方向が一致するように設定されている。すなわち、撮像断面は、SAG(矢状断面)またはCOR(冠状断面)であり、MPG105,107は、AP(前後)方向(y方向)またはRL(左右)方向(図1のx方向)に印加する。
【0052】
この場合、図8に示したように、B0パルス1101〜1102をベッド移動方向であるGp方向の傾斜磁場パルス108〜109に対応させて印加する。Gp方向の傾斜磁場パルス108〜109は、位相エンコードパルスのプリパルス108と、複数のブリップ傾斜磁場109である。B0パルス1101〜1102のそれぞれの強度(波形)は、Gpパルス108〜109の強度(Gr)にベッド移動量(−vt)1103を掛けた(Gp(t)×(−vt))である。
【0053】
このように、第4の実施の形態では、ベッド412の移動方向(z方向)が位相エンコード傾斜磁場Gp方向であっても、傾斜磁場パルスGp108〜109を補正するB0パルス1101〜1102を印加することにより、ベッド412の移動に起因して、励起領域に印加される傾斜磁場Gpの誤差(Gp(t)×(vt))を打ち消すことができる。これにより、ベッド移動により、取得されるデータに生じる誤差を抑制することができる。
【0054】
第1〜第4の実施の形態において、B0パルスの印加は、視野内のすべての磁化の位相を早めたり遅らせたりする制御と等価であるので、本実施例で示した操作は、RF照射周波数、RF照射位相、RF受信位相の制御を行うことによって(部分的に適用することも含めて)、得られる作用と同等である。しかし、本実施の形態では、B0コイル415を傾斜磁場コイル403と同期して動作させることにより実施することができるため、パルスシーケンスの設計が簡便である、という大きな特徴がある。また、オブリーク撮像にも適用でき、さらに、EPIのようなマルチエコーシーケンスや、高強度のMPGパルスを用いる拡散強調撮影にも適用できる。
【0055】
上述してきたように、本発明は、テーブルを連続的に移動中に被検体を励起しNMRデータを取得することにより、広い部位を撮像するムービングベッド全身撮像法において、高速でテーブル移動するMRI装置、もしくはDWIのような高強度の傾斜磁場を印加するパルスシーケンスにおいて画質劣化を抑制する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施の形態のMRI装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1のMRI装置の一部の構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施の形態で実施する3Dグラディエントエコーシーケンスの典型例を示す説明図。
【図4】第1の実施の形態において実施する、図3のシーケンスにB0パルスを追加した本発明のパルスシーケンスを示す説明図。
【図5】(a)第1の実施の形態において、ベッドの移動に伴い、励起領域に印加される傾斜磁場が移動しことを示すグラフ、(b)B0パルス702内の時間tbの前後において、傾斜磁場が移動し、印加すべきB0が変化することを示すグラフ。
【図6】第2の実施の形態のベッド移動方向がGs方向のDWI撮像シーケンスにB0パルスを適用したパルスシーケンスを示す説明図。
【図7】第3の実施の形態のベッド移動方向がGr方向のDWI撮像シーケンスにB0パルスを適用したパルスシーケンスを示す説明図本発明の他の実施例を示す図。
【図8】第4の実施の形態のベッド移動方向がGp方向のDWI撮像シーケンスにB0パルスを適用したパルスシーケンスを示す説明図。
【図9】従来のムービングベッド撮像方法の概要を示す説明図。
【図10】従来のムービングベッド撮像方法において、テーブルに対して水平に撮像断面を設定した場合の撮像領域の移動を示すための、(a)上面図および(b)側面図。
【図11】(a)従来のムービングベッド撮像方法において、ベッドの位置(撮像領域)と取得されるデータとの関係を示す説明図、(b)取得データを連続的につなげた状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0057】
126〜130…B0パルス、401…被検体、402…磁石、403…傾斜磁場コイル、404…RFコイル、405…RFプローブ、406…信号検出部、407…信号処理部、408…画像表示部、409…傾斜磁場電源、410…RF送信部、411…制御部、412…ベッド、415…B0コイル、416…B0コイル電源、701、702…B0パルス。
【出願人】 【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】 【識別番号】100099852
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 公子

【識別番号】100099760
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 佳三


【公開番号】 特開2008−17925(P2008−17925A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190500(P2006−190500)