| 【発明の名称】 |
医療用処置具 |
| 【発明者】 |
【氏名】荒木 哲也
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| 【要約】 |
【課題】医療用処置具の先端の作用部を首振り可能にすると共に、挟持片を確実に開閉できるようにする。
【構成】医療用処置具の先端の作用部13を回動自在に取り付ける。シャフト部に、把持ハンドルの動きを先端部に伝える連接棒25と、ダイアルの動きを先端部に伝える連接棒26a及び26bを設ける。連接棒25の動きを、スリット72を有するスリット板71と、てこ部材75、てこ部材60とにより構成される第1の運動変換機構により、挟持片の開閉の動きに変換する。連接棒26a、26bの動きを、連接棒26a及び26bの先端のラック部86a及び86bと、ラック部86a及び86bに歯合するピニオンギア84a及び84bと、円筒部50から延出しているギア部58a及び58bとにより構成される第2の運動変換機構により、作用部13の揺動の動きに変換する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の挟持片が配設され、回動自在に取り付けられた作用部と、 前記挟持片の開閉操作を行う把持ハンドルと、 前記作用部と基体とを連結するシャフト部と、 前記作用部の首振り操作を行う首振り操作部と、 前記把持ハンドルの動きに応じて移動し、前記把持ハンドルの動きを前記シャフト部の先端部に伝える第1の連接棒と、 前記首振り操作部の動きに応じて移動し、前記首振り操作部の動きを前記シャフト部の先端部に伝える第2の連接棒と、 前記第1の連接棒の動きを前記挟持片の開閉の動きに変換する第1の運動変換機構と、 前記第2の連接棒の動きを前記作用部の揺動の動きに変換する第2の運動変換機構と を備えるようにしたことを特徴とする医療用処置具。 【請求項2】 前記第1の運動変換機構は、前記第1の連接棒の先端に設けられ、斜め方向のスリットを有するスリット板と、 一端が前記スリット板のスリットに係合され、他端が第2のてこ部材の一端に連結された第1のてこ部材と、 一端が前記第1のてこ部材の他端に連結され、他端が前記挟持片の一端に連結された第2のてこ部材と からなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の医療用処置具。 【請求項3】 前記第1のてこ部材と、前記第2のてこ部材とを球状のジョイントで連結するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の医療用処置具。 【請求項4】 前記第2の変換機構は、前記第2の連接棒の先端に設けられたラックと、 前記ラックと歯合されたピニオンギアと、 前記作用部から延出され、前記第2のピニオンギアと歯合されたギア部と からなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の医療用処置具。 【請求項5】 更に、前記首振り操作部の動きに応じて、前記第2の連接棒と相対する方向に前後に移動する第3の連接棒と、 前記第3の連接棒の先端に設けられた第2のラックと、 前記第2の連接棒と相対する方向から、前記第2のラックと歯合された第2のピニオンギアと、 前記作用部から延出され、前記ピニオンギアと歯合された第2のギア部とを設ける ようにしたことを特徴とする請求項4に記載の医療用処置具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、患部の組織の把持、切断に用いられる医療用処置具に関するもので、特に、先端を首振り可能にしたものに関する。 【背景技術】 【0002】 手術時に患部の組織を把持したり、切断したりするのに、鉗子と呼ばれる医療用処置具が使用されている。従来のこのような医療用処置具は、シャフトの先端に挟持片が配設され、把持ハンドルの操作により、挟持片が開閉され、この挟持片により、患部の組織の把持や切断が行われる。 【0003】 しかしながら、このような従来の医療用処置具では、その先端の角度が固定されているため、患者の体内に確保したトンネル状の通路に医療用処置具の先端を挿入して手術を行うような場合に、通路の周辺の広がりを持って処置することが困難である。 【0004】 そこで、例えば、特許文献1に示されるように、複数の短管を継手を介して連結して、先端を首振り可能とした医療用処置具が提案されている。 【特許文献1】特開2006−102093号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 このように、先端を首振り可能にした医療用処置具では、先端の角度を簡単に調整できるようにすると共に、先端の角度がどのようになっていても、把持ハンドルの操作により、挟持片をスムーズに開閉できるようにする必要がある。 【0006】 把持ハンドルの操作により挟持片を開閉させる機構としては、把持ハンドルにより連接棒を前後に動かし、この連接棒に連動して、挟持片を開閉させるようにすることが考えられる。ところが、連接棒を介して挟持片に伝えるような構成では、先端の角度の変化にフレキシブルに対応することが難しい。 【0007】 そこで、先端の角度にフレキシブルに対応できる伝達機構として、把持ハンドルの動きをワイヤー等で伝達して挟持片を開閉するようにした構成が考えられる。しかしながら、ワイヤーを用いた機構では、ガタツキが生じる可能性がある。 【0008】 また、特許文献1に示したように、複数の短管を継手を介して連結した構成では、2本のワイヤーにより、先端部を屈曲させるようにしている。このような構成では、首振り機構にガタツキが生じやすい。 【0009】 本発明は、上述の課題を鑑み、先端を首振り可能にすると共に、挟持片を確実に開閉できるようにした医療用処置具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上述の課題を解決するために、本発明は、一対の挟持片が配設され、回動自在に取り付けられた作用部と、挟持片の開閉操作を行う把持ハンドルと、作用部と基体とを連結するシャフト部と、作用部の首振り操作を行う首振り操作部と、把持ハンドルの動きに応じて移動し、把持ハンドルの動きをシャフト部の先端部に伝える第1の連接棒と、首振り操作部の動きに応じて移動し、首振り操作部の動きをシャフト部の先端部に伝える第2の連接棒と、第1の連接棒の動きを挟持片の開閉の動きに変換する第1の運動変換機構と、第2の連接棒の動きを作用部の揺動の動きに変換する第2の運動変換機構とを備えるようにしたことを特徴とする。 【0011】 好ましくは、第1の運動変換機構は、第1の連接棒の先端に設けられ、斜め方向のスリットを有するスリット板と、一端がスリット板のスリットに係合され、他端が第2のてこ部材の一端に連結された第1のてこ部材と、一端が前記第1のてこ部材の他端に連結され、他端が挟持片の一端に連結された第2のてこ部材とからなるようにしたことを特徴とする。 【0012】 好ましくは、第1のてこ部材と、第2のてこ部材とを球状のジョイントで連結するようにしたことを特徴とする。 【0013】 好ましくは、第2の変換機構は、第2の連接棒の先端に設けられたラックと、ラックと歯合されたピニオンギアと、作用部から延出され、ピニオンギアと歯合されたギア部とからなるようにしたことを特徴とする。 【0014】 好ましくは、更に、首振り操作部の動きに応じて、第2の連接棒と相対する方向に前後に移動する第3の連接棒と、第3の連接棒の先端に設けられた第2のラックと、第2の連接棒と相対する方向から、第2のラックと歯合された第2のピニオンギアと、作用部から延出され、第2のピニオンギアと歯合された第2のギア部とを設けるようにしたことを特徴とする。 【発明の効果】 【0015】 本発明によれば、一対の挟持片が配設され、回動自在に取り付けられた作用部と、挟持片の開閉操作を行う把持ハンドルと、作用部と基体とを連結するシャフト部と、作用部の首振り操作を行う首振り操作部と、把持ハンドルの動きに応じて移動し、把持ハンドルの動きをシャフト部の先端部に伝える第1の連接棒と、首振り操作部の動きに応じて移動し、首振り操作部の動きをシャフト部の先端部に伝える第2の連接棒と、第1の連接棒の動きを挟持片の開閉の動きに変換する第1の運動変換機構と、第2の連接棒の動きを作用部の揺動の動きに変換する第2の運動変換機構とを備えるようにしているので、作用部を簡単に首振り動作できると共に、作用部の角度をどのようにした場合でも、把持ハンドルの操作により、挟持片を確実に開閉できる。 【0016】 また、本発明によれば、第1の運動変換機構は、第1の連接棒の先端に設けられ、斜め方向のスリットを有するスリット板と、一端がスリット板のスリットに係合され、他端が第2のてこ部材の一端に連結された第1のてこ部材と、一端が前記第1のてこ部材の他端に連結され、他端が挟持片の一端に連結された第2のてこ部材とからなるようにしている。このような構成では、挟持片には、揺動の力のみが加わり、前後方向等の無駄な力を受けることがない。このため、挟持片を、ガタツキが生じることなく、確実に開閉させることができる。また、作用部にも無駄な力が加われないので、作用部の回動部分にガタツキが生じることがない。 【0017】 また、本発明によれば、第1のてこ部材と、第2のてこ部材とを球状のジョイントで連結するようにしている。このため、作用部がどのような角度であっても、第1の連接棒の動きを挟持片に確実に伝えることができる。 【0018】 また、本発明によれば、第2の変換機構は、第2の連接棒の先端に設けられたラックと、ラックと歯合されたピニオンギアと、作用部から延出され、ピニオンギアと歯合されたギア部とからなるようにしている。このように、ラック・アンド・ピニオンの機構により、作用部を回動させているため、スムーズで、確実に、作用部の首振り操作を行うことができる。 【0019】 また、本発明によれば、更に、首振り操作部の動きに応じて、第2の連接棒と相対する方向に前後に移動する第3の連接棒と、第3の連接棒の先端に設けられた第2のラックと、第2の連接棒と相対する方向から、第2のラックと歯合された第2のピニオンギアと、作用部から延出され、第2のピニオンギアと歯合された第2のギア部とを設けるようにしている。このように、2本の連接棒を使って、作用部の首振りを行っているので、作用部の首振りの動きがスムーズで、確実になる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 第1実施形態. 以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の医療用処置具1の全体構成を示す斜視図である。この医療用処置具1は、例えばステンレス鋼等の金属から形成されている。 【0021】 図1において、11及び12は把持ハンドル、13は作用部、14はシャフト部、15は首振り操作部としてのダイアル部である。 【0022】 把持ハンドル11及び12は、作用部13に設けられた挟持片21及び22を開閉させるものである。把持ハンドル11は、基体10に回動自在に取り付けられる。把持ハンドル12は、基体10と一体的に形成されている。把持ハンドル11及び12には、組織の把持、切断を行う際に、手術者の指が挿入される指穴16及び17がそれぞれ設けられる。 【0023】 作用部13には、挟持片21及び22が設けられる。挟持片21及び22は、組織を把持したり、切断したりする部分である。挟持片21及び22は、把持ハンドル11及び12の操作により、開閉される。挟持片21及び22の開閉機構については、後に詳述する。 【0024】 また、本発明の第1実施形態の医療用処置具1には、作用部13がシャフト部14の先端部18に回動自在に取り付けられており、医療用処置具1の先端の作用部13は、軸57を中心に首振りができるようになっている。すなわち、ダイアル部15を回転させると、これに伴って、作用部13が揺動する。これにより、手術を行うのに最適な角度となるように、作用部13の角度を調整することができる。作用部13の首振り機構については、後に詳述する。 【0025】 シャフト部14は、基体10と作用部13とを連結している。シャフト部14内には、図2に示すように、把持ハンドル11の操作による動きをシャフト部14の先端部18に伝える連接棒25と、ダイアル部15の操作による動きをシャフト部14の先端部18に伝える連接棒26a及び26bが配設される。 【0026】 図2に示すように、把持ハンドル11は、ピン31により、基体10に回動自在に取り付けられる。把持ハンドル11の先端と連接棒25の一端とは、ピン32により回動自在に連結される。したがって、把持ハンドル11を回動させると、ピン31を支点として、把持ハンドル11の先端が揺動し、これに連結された連接棒25が前後に移動する。連接棒25が前後に移動すると、図1におけるシャフト部14の先端部18の内部にある第1の運動変換機構に連接棒25の前後の動きが伝えられる。 【0027】 シャフト部14の先端部18及び作用部13には、後に説明するように、連接棒25の前後の動きを挟持片21及び22の開閉の動きに変換する第1の運動変換機構が設けられる。これにより、把持ハンドル11の操作により、挟持片21及び22を開閉させることができる。 【0028】 また、ダイアル部15を回転させると、図2における連接棒26a及び26bが逆方向に前後に移動する。つまり、図1に示すように、基体10の背部には、溝19が形成される。この溝19内に、図2に示すように、平板状の連結部材35a及び35bが対向して配置される。連結部材35a及び35bには、ガイド溝36a及び37a、ガイド溝36b及び37bがそれぞれ形成される。連結部材35a及び35bは、ガイド溝36a及び36b、ガイド溝37a及び37bに沿って、直線的に移動する。 【0029】 ダイアル部15の底面には、突起38a及び38bが形成される。ダイアル部15が回転軸40に取り付けられ、ダイアル部15の突起38a及び38bが連結部材35a及び35bの一端の凹部39a及び39bにそれぞれ挿入される。また、ダイアル部15には、セレーション49が設けられている。基体10には、スプリングにより付勢された突出部42が設けられる。ダイアル部15を回転軸40に取り付けると、突出部42の先端がセレーション49に係合する。その結果、ダイアル部15の回転は、セレーション49の溝でノッチングされる。 【0030】 連結部材35a及び35bの一端は、それぞれ、ピン43a及び43bにより、L字状てこ部材44a及び44bの一端に回動自在に連結される。L字状てこ部材44a及び44bの他端は、ピン45により、基体10に回動自在に取り付けられる。L字状てこ部材44a及びL字状てこ部材44bの中間部は、それぞれ、ピン48a及び48bにより、連接棒26a及び26bの一端に回動自在に連結される。 【0031】 ダイアル部15を回転させると、連結部材35a及び35bが互いに反対方向に直線的に移動する。連結部材35a及び35bが移動すると、L字状てこ部材44a及び44bはピン45を支点として互いに反対方向に揺動する。L字状てこ部材44a及び44bの動きは、連接棒26a及び26bにそれぞれ伝えられ、L字状てこ部材44a及び44bが揺動すると、連接棒26a及び26bが互いに反対方向に前後に移動する。このように、ダイアル部15を回転させると、連接棒26a及び26bが互いに反対方向に前後に移動する。 【0032】 連接棒26a及び26bの動きは、図1におけるシャフト部14の先端部18に伝えられる。シャフト部14の先端部18には、後に説明するように、連接棒26a及び26bの動きを、作用部13を揺動させる動きに変換する第2の運動変換機構が設けられている。これにより、ダイアル部15の回転操作により、作用部13の首振り動作を行うことができる。 【0033】 このように、本発明の第1実施形態の医療用処置具1では、把持ハンドル11及び12を開閉操作し、挟持片21及び22を開閉させることで、患部の組織を把持したり、切断したりすることができる。そして、ダイアル部15を回転させることで、作用部13の首振り動作が可能となる。 【0034】 図3は、シャフト部14の先端部18及び作用部13の構成を示す分解斜視図である。図3において、作用部13は、円筒部50と、挟持片21及び22とから構成される。挟持片21は、円筒部50と一体的に形成されている。挟持片21には、挟持片22の形状に対応した開口51が形成されており、この開口51を囲む周縁にブレードが形成されている。挟持片22には、その周縁にブレードが形成されている。開口51内に挟持片22が配置され、円筒部50の軸挿入口52と、挟持片22軸挿入口53とに連通して、ピン54が挿入され、円筒部50に挟持片22が回動自在に取り付けられる。 【0035】 円筒部50の端面からは、突出片56a及び56bが延出される。この突出片56a及び56bの中心には、軸挿入口57a及び57bがそれぞれ形成される。また、突出片56a及び56bの周囲には、ギア58a及び58bが形成される。 【0036】 円筒部50内にてこ部材60が配置され、円筒部50の軸挿入口59とてこ部材60の軸挿入口61とに連通して、ピン62が挿入され、円筒部50内にてこ部材60が回動自在に取り付けられる。 【0037】 てこ部材60の一端には、U字形のジョイント部63が形成され、てこ部材60の他端には、球形のジョイント部64が形成される。てこ部材60の一端のU字形のジョイント部63が挟持片22のピン65に係合され、てこ部材60の一端と挟持片22とが回動自在に連結される。 【0038】 一方、シャフト部14の先端部18には、先端カバー70が取り付けられる。連接棒25、連接棒26a及び26bの先端は、先端カバー70内に配置される。 【0039】 連接棒25の先端には、スリット板71が設けられる。スリット板71には、斜め方向にスリット72が形成される。 【0040】 先端カバー70の側面に、軸挿入口80が形成される。軸挿入口80に、ピン74が挿入され、このピン74がてこ部材75の軸挿入口76に挿通され、てこ部材75が先端カバー70内に回動自在に取り付けられる。 【0041】 てこ部材75の一端は、ガイドピン77により、スリット72内に摺動自在に係合される。てこ部材75の他端には、球形のジョイントの受け側を構成するジョイント部73が形成される。てこ部材75の他端のジョイント部73と、てこ部材60の他端のジョイント部64とが係合され、てこ部材75とてこ部材60とが自在に連結される。 【0042】 先端カバー70の上面には、軸挿入口81a及び82aが形成され、先端カバー70の下面には、軸挿入口81b及び82bが形成される。軸挿入口81a及び81bには、ピン83a及び83bがそれぞれ挿入され、このピン83a及び83bにより、ピニオンギア84a及び84bが先端カバー70内に回転自在に取り付けられる。 【0043】 軸挿入口82a及び82b、軸挿入口57a及び57bに連通して、ピン85a及び85bがそれぞれ挿入され、このピン85a及び85bにより、先端カバー70と、円筒部50とが回動自在に取り付けられる。そして、ピニオンギア84a及び84bがギア部58a及び58bにそれぞれ歯合される。 【0044】 連接棒26a及び26bの先端には、ラック部86a及び86bが形成される。連接棒26a及び26bは、連接棒25を挟んだ状態で互いに対応するように配置され、連接棒26a及び26bのラック部86a及び86bは、先端カバー70を通過して、相対する方向から、ピニオンギア84a及び84bにそれぞれ歯合される。 【0045】 かかる構成からなる本発明の第1実施形態の医療用処置具1では、スリット72を有するスリット板71と、その一端がスリット72に係合され、他端がてこ部材60に連結されたてこ部材75と、その一端が挟持片22に連結され、その他端がてこ部材75に連結されたてこ部材60とにより、連接棒25の前後の動きを挟持片21及び22の開閉の動きに変換する第1の運動変換機構が構成される。 【0046】 図4及び図5は、挟持片21及び22の開閉機構を示すものである。図4は、挟持片21及び22を開いているときの状態を示し、図5は、挟持片21及び22を閉じているときの状態を示している。 【0047】 図4に示される第1の運動変換機構について以下に説明する。挟持片21及び22を開くときには、連接棒25が矢印A11方向に移動される。連接棒25が矢印A11方向に移動されると、スリット72に沿ってガイドピン77が矢印A12方向に移動し、これに伴っててこ部材75の先端73が矢印A13方向に回動し、てこ部材60の先端のジョイント部63が矢印A14方向に回動し、これに伴って挟持片22が矢印A15の方向に回動する。これにより、図4に示すように、22が開いた状態になる。 【0048】 これに対して、図5に示すように、連接棒25を矢印A21方向に移動させると、スリット72に沿ってガイドピン77が矢印A22方向に移動し、これに伴っててこ部材75の先端73が矢印A23に方向に回動し、てこ部材60の先端のジョイント部63が矢印A24方向に回動し、これに伴って挟持片22が矢印A25方向に回動する。これにより、図5に示すように、22が閉じた状態になる。 【0049】 このように、本発明の第1実施形態の医療用処置具1では、連接棒25の前後の動きを挟持片22の開閉の動きに変換する第1の運動変換機構を、スリット72を有するスリット板71と、てこ部材75、てこ部材60とにより構成するようにしている。そして、てこ部材75とてこ部材60とは、球形のジョイント(球形ジョイント部64、ジョイント部73)で結合するようにしている。このため、作用部13をどのような角度に揺動させても、挟持片22を確実に開閉させることができる。 【0050】 また、連接棒25の前後の動きを、スリット板71及びてこ部材75により揺動運動に変換した後に、この揺動運動をてこ部材60に伝え、挟持片22に伝えている。この場合、挟持片22には、てこ部材60の揺動の力のみが加わり、無駄な力を受けることがない。このため、挟持片22を、ガタツキが生じることなく、確実に開閉させることができる。また、作用部13全体にも無駄な力が加われないので、作用部13の回動部分にガタツキが生じることがない。 【0051】 また、本発明の第1実施形態の医療用処置具1では、連接棒26a及び26bの先端のラック部86a及び86bと、ラック部86a及び86bに歯合するピニオンギア84a及び84bと、円筒部50から延出しているギア部58a及び58bとにより、連接棒26a及び26bの動きを作用部13を揺動させる動きに変換する第2の運動変換機構が構成される。 【0052】 つまり、図6に示すように、連接棒26aを矢印B11方向に移動させると、連接棒26aのラック部86aと歯合されているピニオンギア84aが矢印B12方向に回転する。ピニオンギア84aが矢印B12方向に回転されると、この回転がギア部58aに伝えられ、ギア部58aが矢印B13方向に回転し、作用部13が矢印B14方向に回動する。このとき、連接棒26bは連接棒26aと反対方向の矢印B21方向に移動される。連接棒26a及び26bは、相対する方向からピニオンギア84a及び84bに歯合されているため、連接棒26bを矢印B21方向に移動させると、図示されないピニオンギア84bは、ピニオンギア84aと同一方向の矢印B12方向に回転される。この回転がギア部58bに伝えられ、作用部13が矢印B14方向に回動する。 【0053】 このように、本発明の第1実施形態の医療用処置具1では、連接棒26a及び26bの前後の動きを作用部13の揺動の動きに変換する第2の運動変換機構を、連接棒26a及び26bの先端のラック部86a及び86bと、ラック部86a及び86bに歯合するピニオンギア84a及び84bと、円筒部50から延出しているギア部58a及び58bとにより構成するようにしている。このように、ラック・アンド・ピニオンの機構により、作用部13を回動させているため、作用部13の角度を、スムーズに、確実に調整することができる。 【0054】 第2実施形態. 図7は、本発明の第2実施形態のシャフト部14の先端部18及び作用部13の構成を示す分解斜視図である。 【0055】 前述の第1実施形態では、連接棒26a及び26bの前後の動きを作用部13の揺動の動きに変換する第2の運動変換機構を、連接棒26a及び26bと、連接棒26a及び26bの先端のラック部86a及び86bと、ラック部86a及び86bに歯合するピニオンギア84a及び84bと、円筒部50から延出しているギア部58a及び58bとにより構成するようにしている。この第1実施形態の場合には、相対するように配設された2本の連接棒26a及び26bを使って、作用部13の首振りを行っているので、作用部13の首振りの動きがスムーズで、確実になるという利点がある。 【0056】 これに対して、この第2実施形態では、1本の連接棒26aと、連接棒26aの先端のラック部86aと、ラック部86aに歯合するピニオンギア84aと、円筒部50から延出しているギア部58aとにより構成するようにしている。このように、この実施形態では、1本の連接棒26aで、作用部13の首振りを行うことができ、器具の小型化を図ることができる。他の構成については、前述の第1実施形態と同様であり、その説明は、省略する。 【0057】 本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。 【産業上の利用可能性】 【0058】 本発明は、鉗子のように、患部の組織の把持、切断に用いられる医療用処置具として用いることができる。 【図面の簡単な説明】 【0059】 【図1】本発明の第1実施形態の医療用処置具の全体構成を示す斜視図である。 【図2】本発明の第1実施形態の医療用処置具における連接棒の移動機構の説明に用いる斜視図である。 【図3】本発明の第1実施形態のシャフト部の先端及び作用部の構成を示す分解斜視図である。 【図4】挟持片の開閉機構の説明図である。 【図5】挟持片の開閉機構を説明図である。 【図6】作用部の首振り機構の説明図である。 【図7】本発明の第2実施形態のシャフト部の先端部及び作用部の構成を示す分解斜視図である。 【符号の説明】 【0060】 1 医療用処置具 10 基体 11、12 把持ハンドル 13 作用部 14 シャフト部 15 ダイアル部 16,17 指穴 18 先端部 19 溝 21,22 挟持片 25 連接棒 26a,26b 連接棒 35a,35b 連結部材 36a,36b,37a,37b ガイド溝 38a,38b 突起 39a,39b 凹部 40 回転軸 42 突出部 44a,44b L字状てこ部材 49 セレーション 50 円筒部 51 開口 56a,56b 突出片 58a,58b ギア部 60 てこ部材 63 U字形のジョイント部 64 球形ジョイント部 65 ピン 70 先端カバー 71 スリット板 72 スリット 73 ジョイント部 75 てこ部材 76 軸挿入口 77 ガイドピン 80 軸挿入口 84a,84b ピニオンギア 86a,86b ラック部
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| 【出願人】 |
【識別番号】506235937 【氏名又は名称】荒木 哲也
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| 【出願日】 |
平成18年7月10日(2006.7.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097216 【弁理士】 【氏名又は名称】泉 和人
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| 【公開番号】 |
特開2008−17876(P2008−17876A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−189675(P2006−189675) |
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