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【発明の名称】 レーザー誘起液体噴流発生デバイス
【発明者】 【氏名】渡邉 浩平

【要約】 【課題】細チューブ先端から噴射される液体ジェット流の方向を制御でき、血栓を広範囲に破砕することができるレーザー誘起液体噴流発生デバイスを提供する。

【構成】レーザー照射部1から液体導入部9内の液体Wに向かってレーザー光を照射しジェット流Jを生じさせ、細チューブ11を通って外部に噴射するデバイスにおいて、レーザー発振器1から細チューブ接続部10との間を基端側と先端側に分ける基端側部材B1と先端側部材B2とを相互に連結する連結部Cに、先端側部材B2を基端側部材B1に対し回転可能とした回転手段Rを設け、先端側部材B2を回転するとき、回転手段Rにより細チューブ11が軸線を中心として光ファイバー2とは独立に回転するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光を吸収する所定の液体が充填される液体導入部と、当該液体導入部内に配置され、レーザー発振器からのレーザー光が導光される光ファイバーのレーザー照射部が収容される光ファイバー収容部と、を有し、前記レーザー照射部から前記液体に向かって照射したレーザー光により前記液体に生じるジェット流を、前記液体導入部の先端に細チューブ接続部を介して接続された細チューブを通って外部に噴射するレーザー誘起液体噴流発生デバイスにおいて、
前記レーザー発振器から前記細チューブ接続部との間を基端側と先端側に分けることにより形成される基端側部材と先端側部材とを連結部により相互に連結し、当該連結部に前記先端側部材を前記基端側部材に対し回転可能とした回転手段を設け、前記先端側部材を回転するとき、当該回転手段により前記細チューブが軸線を中心として前記光ファイバーとは独立に回転するようにしたことを特徴とするレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【請求項2】
前記回転手段は、前記先端側部材と前記基端側部材を凹凸嵌合することにより回転可能に連結したことを特徴とする請求項1に記載のレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【請求項3】
前記回転手段は、前記先端側部材を回転させる回転動力源を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【請求項4】
前記回転手段は、前記回転動力源からの回転を増速若しくは減速して前記先端側部材に伝達する回転伝達機構を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【請求項5】
前記回転手段は、前記先端側部材の回転角度を任意に調節し、所定位置に固定する位置決め機構を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【請求項6】
前記回転手段は、前記液体導入部と前記細チューブ接続部との間に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【請求項7】
前記液体導入部は、前記レーザー照射部を内部に収容可能であり前記ジェット流を生じさせるジェット発生管部を有し、当該ジェット発生管部の先端部と前記細チューブ接続部とを液密に接続し、前記ジェット発生管部の先端部を中心として前記細チューブ接続部を介して前記細チューブが回転し得るようにしたことを特徴とする請求項6に記載のレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【請求項8】
前記液体導入部は、前記ジェット発生管部が前記細チューブ接続部と共に回転し得るように接続したことを特徴とする請求項6に記載のレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【請求項9】
前記細チューブは、カテーテルにより構成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のレーザー誘起液体噴流発生デバイス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に向ってレーザー光を照射することによりジェット流を発生させるレーザー誘起液体噴流発生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人の血管が閉塞する血栓症の治療を行う手段として、レーザー光により液体ジェット流を発生させ、物理的に破砕する方法が行われている。この治療法は、重篤な副作用がある血栓溶解剤を大量に投与する必要がなく、早期血液再開が可能なことから、血栓症の治療として大いに期待されている。特に、脳組織は、6時間以上虚血状態が続くと、それに伴う神経症状の回復は困難とされているが、発症後数時間で血流再開できると、極めて治療効昇の高いものとなる。
【0003】
下記特許文献1、2及び非特許文献1では、カテーテル内に挿入した光ファイバーに、レーザー発振器からのレーザーをパルス導光し、前記カテーテル内に充填された生理食塩水等を急激に加熟し、液体ジェット流を誘起し、この液体ジェット流の力により血栓等を破砕し除去する方法が記載されている。
【0004】
この方法では、液体ジェット流の力を低減させることなく血栓等に到達させて治療効果を高めるために、光ファイバーが内部に挿入された状態のカテーテルを血栓等の近くまで導き、液体ジェット流を発生させている。
【0005】
ところが、従来のカテーテルは、塩化ビニルやPCB(ポリクロロビフェニル)あるいは下記特許文献2で記載されているように、ポリプロピレンやポリイミド等を材料として成形された、長尺で細いチューブ(送液チューブなどと区別するため、以下「細チューブ」と称すこともある)であり、レーザーを吸収し易い材料であるため、強力なレーザー光を使用すると、その熱的影響を受けやすい。
【0006】
特に、このような材料で形成された細径で柔軟なカテーテル(通常外径0.9mm程度)内に、外径(コア径)0.4mm程度の光ファイバーを挿入すると、カテーテルの内面と光ファイバーの外面との間は、極めて小さな間隙が存在するのみとなる。この状態で強力なレーザー光を照射すれば、レーザー光の熱がカテーテルに伝わり、かつレーザーエネルギーがカテーテル材料に吸収されることにより、カテーテルが変形、穿孔する虞があり、円滑な液体ジェット流の噴射を妨げたり、カテーテル自体の寿命も短くなったりする。
【0007】
このため、特許文献3に開示されたデバイスでは、耐熱性を有しかつ剛性のある本体内でレーザー光の照射を行い、発生した液体ジェット流の力を本体内及びカテーテル内に充填された液体を伝播して患部まで導くようにしている。このようにすると、細いカテーテルの使用であっても、レーザー光による光熱的影響を受けることもなく、より強力にレーザー照射でき、しかも長時間に渡って使用でき、円滑な操作も可能となる。
【0008】
しかし、このデバイスは、レーザー光による光熱的影響は確かに回避できるものの、デバイスの操作性について改善の余地がある。一般に、血管内治療は、血管径に比べてかなり小径のカテーテルを用いなければならないため、液体ジェット流の力による作用は、カテーテルの先端前方若しくはその周辺に限定されることになる。
【0009】
このため、カテーテルより大径の血管を塞ぐ血栓に向って液体ジェット流を噴射しても、カテーテルの先端前方の血栓は有効に破砕できるが、血栓を全体にわたり速やかに破砕することは難しい。特に、カテーテルの先端から噴射する液体ジェット流の方向制御も困難なため、血管壁にこびりついた血栓は、除去が困難で、治療効果は、術者の技量に大きく左右される。
【0010】
また、光ファイバーとレーザー発振器とは完全固定の状態で接続しなければならないため、術者が液体ジェット流の噴射方向を意図する方向へ向けようと、カテーテルを回転させると、光ファイバーに捻りが生じ、操作に支障をきたし、最悪の場合、光ファイバーを損傷する虞がある。
【特許文献1】特開2003−111766号公報(段落番号[0014][0015]、図1参照)
【特許文献2】特開2002−521084号公報(段落番号[0004][0010][0096]、図27E参照)
【特許文献3】特開2005−169094号公報(要約、段落番号[0019]、図2参照)
【非特許文献1】日レ医誌第22巻第3号(2001)(第217頁参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、細チューブ先端から噴射される液体ジェット流の方向を制御でき、血栓を広範囲に破砕することができるレーザー誘起液体噴流発生デバイスを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、光ファイバーに捻れなどの悪影響を及ぼすことなく細チューブを回転させ、操作性のよい、治療効果を高めることができるレーザー誘起液体噴流発生デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明のレーザー誘起液体噴流発生デバイスは、レーザー光を吸収する所定の液体が充填される液体導入部と、当該液体導入部内に配置され、レーザー発振器からのレーザー光が導光される光ファイバーのレーザー照射部が収容される光ファイバー収容部と、を有し、前記レーザー照射部から前記液体に向かって照射したレーザー光により前記液体に生じるジェット流を、前記液体導入部の先端に細チューブ接続部を介して接続された細チューブを通って外部に噴射するレーザー誘起液体噴流発生デバイスにおいて、前記レーザー発振器から前記細チューブ接続部との間を基端側と先端側に分けることにより形成される基端側部材と先端側部材とを連結部により相互に連結し、当該連結部に前記先端側部材を前記基端側部材に対し回転可能とした回転手段を設け、前記先端側部材を回転するとき、当該回転手段により前記細チューブが軸線を中心として前記光ファイバーとは独立に回転するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、レーザー誘起液体噴流発生デバイスのレーザー発振器から細チューブ接続部との間を基端側と先端側に分け、連結部で連結し、当該連結部に前記先端側部材を前記基端側部材に対し回転可能とした回転手段を設け、前記先端側部材を回転させることにより細チューブが軸線を中心として光ファイバーとは独立に回転するようにしたので、先端側部材を回転することにより、経皮的に体内に挿入した細チューブを回転させることができ、例えば、細チューブ先端もしくはその側面に側孔が開設されている場合、この側孔から噴射される液体ジェット流の指向性を、術者の意図する方向へ制御することができ、デバイスの操作性が向上し、術者の技量に左右されることなく、所定位置の血栓を容易に破砕でき、結果として治療効果を更に高めることができる。
【0015】
また、液体ジェット流を一定方向のみでなく多方向に向って噴射できるので、液体ジェット流が細チューブ前面の血栓のみでなく血栓全体に作用させることができ、破砕する範囲が拡大し、広範囲の血栓を破砕できる。
【0016】
さらに、術者が体外の回転手段を操作することにより体内の細チューブのみを回転させることができるので、光ファイバーが捻れることはなく、また、液体ジェット流を供給しつつ細チューブを回転しつつ前進させることもでき、これにより細チューブが血栓中を良好に通過しながら血栓を破砕でき、血栓の除去をより容易に、より確実に行うことができ、治療効果を更に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態の全体を示す概略図、図2は図1の要部を示す拡大断面図、図3は図2のA部拡大断面図、図4はレーザー照射部の拡大断面図である。なお、本明細書において「基端側」とはレーザー発振源に近い側、「先端側」とは液体ジェット流を噴射する側を指称するものとする。
【0019】
本実施形態のレーザー誘起液体噴流デバイスは、図1に示すように、概してレーザー発振器1と、レーザー発振器1からのレーザー光が導光される光ファイバー2と、光ファイバー2の基端部分を保持する保持部3と、レーザー発振器1と光ファイバー2とを連結するフェルール4(レーザー発振器1内まで伸延して光ファイバー2を内包する筒体であるが、図ではナットのみを示す)と、レーザー発振器1から伸延された光ファイバー2を内包するように設けられた保護チューブ5(送液チューブともいわれる)と、レーザー光によって生じた液体ジェット流を噴射するジェット発生管部6が隔壁部材7の内部に設けられかつ最外部に外管8を有し、さらに光ファイバー2のレーザー照射部13を収容可能な光ファイバー収容部20を備えた液体導入部9と、外管8の先端に後述する回転手段Rを介して設けられた細チューブ接続部10と、細チューブ接続部10の先端に設けられ、経皮的に体内に挿入される細チューブ11(本実施形態ではカテーテル)と、レーザー発振器1から細チューブ接続部10との間の所定位置を基端側と先端側に分けることにより生じる基端側部材B1と先端側部材B2とを相互に連結する連結部Cと、先端側部材B2を基端側部材B1に対し回転可能とする回転手段Rと、を有している。なお、レーザー発振器1、光ファイバー2及びフェルール4に関しては公知に属するため、説明は省略する。
【0020】
さらに詳述する。まず、保持部3は、本管3aと分岐管3bとを有する、いわゆるYコネクタであり、分岐管3bには、レーザー光を吸収する所定の液体W(生理食塩水あるいは血栓溶解剤等の薬剤を溶かした薬液などであり、図中矢印で示す)を供給する液体供給ポンプP(シリンジポンプや輸液ポンプ等)が連結され、本管3aには、分岐管3bから供給された液体Wを、液体導入部9や細チューブ11に導くと共に内部の光ファイバー2を保護する保護チューブ5が連結されている。
【0021】
液体導入部9は、図2に示すように、保護チューブ5の先端に連結された外管8を有し、外管8内に隔壁部材7とジェット発生管部6が設けられている。ジェット発生管部6内には、光ファイバー2のレーザー照射部13が収容されているが、この収容部分を光ファイバー収容部20と称することもある。
【0022】
隔壁部材7は、ポリウレタンなどの樹脂により構成されたチューブであるが、機械的強度が要求される部材ではないので、水平に静置した際に変形が生じない程度の強度を有する材料であればよい。隔壁部材7の基端側は、流路抵抗を軽減するために円錐状に形成された仕切壁7aにより封止され、先端側は、開放端であり、液体流路を有する支持体などを用いてジェット発生管部6あるいは外管8に支持することが好ましい。
【0023】
ジェット発生管部6は、隔壁部材7の基端側から細チューブ接続部10まで伸延され、内部に光ファイバー2が挿通されているが、光ファイバー2は、隔壁部材7の円錐状仕切壁7aを貫通し、ジェット発生管部6の略中間部まで伸延されているのみで、ジェット発生管部6には固定されてない。
【0024】
ジェット発生管部6は、所定長の細い中空直管であり、基端側は開放端であるが、先端部は細チューブ接続部10内に挿入されている。ジェット発生管部6の内部には、光ファイバー2が所定部位まで挿入され、ここで発生したジェット流Jを細チューブ11に向って噴射するようになっている。ジェット発生管部6の先端は、ジェット流Jの損失を防ぐため、細チューブ接続部10(カテーテルハブ16)の基端側に向って広がった内面に当接させることが好ましい。これによりジェット発生管部6と細チューブ11とが確実に液密に接続し、ジェット流Jの損失が防止される。
【0025】
ジェット発生管部6の内部でレーザー照射を行なうと、レーザー光の漏れを防止する必要があるが、本実施形態では、外管8の内部に形成された液体通過路自体(ジェット発生管部6、隔壁部材7、外管8など)と、この液体通過路を通過する液体Wとによりこれを行い、レーザー光による外部への光熱的影響を遮断している。
【0026】
ジェット発生管部6は、内部でレーザー照射を行なうため、その構成材料としては、レーザー光及びそれにより誘発される熱に対抗する材料であることが望ましい。例えばレーザーの反射率が高い材料としては、金、白金、銀、銅、アルミニウム等及びその合金(例えば18金や白金イリジウム)等が挙げられる。また、耐熱性材料としては、チタン、タングステン、ニッケル等の高融点材料及びその合金(例えばステンレス、インコネル(商標名)やハステロイ(商標名))等が挙げられるが、これらはレーザー光の反射率が低いため、前述の反射率の高い材料をメッキや圧着等の方法でコーティングしたり、前述のレーザーの反射率が高い材料のパイプを更に内面に重ねて使用したりするのがより好ましい。
【0027】
また、このような金属材料のみでなく下記のレーザー透過性の高い合成樹脂なども使用することもできる。例えば、フッ素系樹脂(テトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP))や無水石英、ガラス、サファイアなどを用いることができるが、PTFEは水と接触した状態でレーザー照射すると、白化が進み、伝達損失を高める虞があるので、フッ素系樹脂の中では、PFA、C−H結合を含まない全フッ素化ポリマーとして旭硝子k.k.のルキナ(登録商標)や、同社のサイトップ(登録商標)が好ましい。
【0028】
このようなレーザー透過性材料を用いることにより、ジェット発生管部6にレーザーエネルギーが吸収されて高熱を生じることが防止される。なお、ジェット発生管部6を透過したレーザー光は、ジェット発生管部6の外側を流れる液体Wに吸収されるため、外部に漏れることはない。
【0029】
このような材料により構成されたジェット発生管部6は、パルス的にレーザー光を照射することにより発生するジェット流Jを実質的に損失することなく細チューブ11の先端から噴射させることができるように、ジェット流J発生時に発生する高圧を受けても径方向に伸展しないものであることが好ましい。
【0030】
伸展率としては、ジェット流Jを実質的に損失することなく噴射できるものであれば、特に限定されるものではないが、具体的には、ジェット発生管部6あるいは当該ジェット発生管部6をさらに長くしたチューブの一端を液密に封止した状態で、20気圧の静水をジェット発生管部6又は前記チューブ内に流入させて加圧した時の径方向の拡張率(拡張時の径と拡張前の径との差の拡張前の径に対する割合)が1%未満、より好ましくは、0.5%未満であればより確実にジェット流Jを噴射でき、好ましい。
【0031】
また、ジェット発生管部6は、ジェット流Jが効率的に前方に向かい、ジェット流Jの反動が逃げないようにすることが好ましいことから、図2,3に示すように、光ファイバー2との間の隙間Gと、光ファイバー2とジェット発生管部6が重なり合う部分(以下簡単のため、オーバーラップ部分)の長さLoを決定している。隙間Gは、狭くすればする程、オーバーラップ部分の長さLoは、長くすればする程、ジェット流Jの基部側への逆流に対する抵抗が増すため、より強力なジェット流Jを前方に噴射することができる。なお、術者がオーバーラップする部分の長さLoを調整する機構(不図示)を付与すれば、ジェット流Jの強弱を調節制御することもでき、利便性や操作性が向上する。
【0032】
光ファイバー2の外径やジェット発生管部6の内径は、特に限定されないが、具体的に例示すれば、水や生理食塩水のように低粘度の液体中でジェット流Jを発生させる場合には、ジェット発生管部6の内径は、光ファイバー2の外径の1.05〜1.50倍、オーバーラップする部分の長さLoは30〜150mmが望ましく、より望ましくは光ファイバー2の外径は600〜800μm、ジェット発生管部6の内径は700〜1000μmが好適である。つまり、隙間Gは、50μm〜200μmである。
【0033】
なお、図示の例では、外管8とジェット発生管部6とを別体としているが、本発明は、これに限定されるものではなく、上述したジェット発生管部6として要求される特性を有する限りにおいて、外管8の内部の一部を管状に形成してジェット発生管部6としてもよい。
【0034】
レーザー照射部13は、図3,4に示すように、光ファイバー2の先端部に形成されているが、光ファイバー2の外周を覆う被覆h(ポリイミド樹脂)の内、先端部のみを剥離して形成している。例示的に示すと、図4に示すように、コア部2aの径d1は0.60mm、クラッド部2bの部分の径d2は0.66mm、被覆hの部分の径d3は0.71mmの場合、剥離部分の長さsは約3mm程度であることが好ましい。
【0035】
レーザー照射部13の位置は、ジェット発生管部6の先端との間に所定の距離L1を有していることが好ましい。このようにすれば、ジェット発生管部6内で発生したジェット流Jを、不必要に拡散させることなく、また、実質的に弱めることなく液体導入部9の噴出口に向って強力に噴出できることになる。
【0036】
特に、本実施形態では、図3に示すように、液体導入部9の先端と細チューブ接続部10との間で基端側と先端側に分け、これにより生じる基端側部材B1と先端側部材B2とを連結部Cにより相互に連結し、先端側部材B2が基端側部材B1に対し回転可能とした回転手段Rが設けられている。
【0037】
連結部Cは、外管8の先端に設けられた突部30と、細チューブ接続部10の本体14に設けられた凹部31とからなり、突部30と凹部31を凹凸嵌合することにより基端側部材B1と先端側部材B2とを連結している。
【0038】
回転手段Rは、先端側部材B2を基端側部材B1に対し回転させることができるものであればどのようなものであってもよいが、本実施形態では、突部30の中間部位に設けられた環状突起32と、細チューブ接続部10の基端側に形成された抜け止め用の突起33と、環状突起32と凹部31との間に設けられたOリングOとから構成され、外管8を細チューブ接続部10に連結するとき、環状突起32が抜け止め用の突起33を越えて係合し、外管8と細チューブ接続部10が脱着可能に係合すると共に先端側部材B2が基端側部材B1に対し回転できる構成となっている。なお、OリングOは、内部の液体Wを封止する機能も有しているが、環状突起32と抜け止め用の突起33との間に設けてもよい。
【0039】
ここに、外管8は、ポリカーボネイト等の合成樹脂などにより構成されているが、これのみでなく、通常切削加工及び射出成形に用いられる塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の高分子材料や、ステンレスやその他の金属及び合金でも良い。
【0040】
ジェット発生管部6の外面は、本体14の内面に接着剤などにより液密に固着されているが、外管8(基端側部材B1)には固着されていない。このため、本体14を外管8(基端側部材B1)に対し回転すると、これに連動してジェット発生管部6が光ファイバー2を回転させることなく回転可能となる。
【0041】
細チューブ接続部10は、本体14の先端に一体に形成された細長く突出した接合突出部14aを有し、接合突出部14aの基端側には外周面が円弧状に膨出された膨出部14bが形成されている。この膨出部14bは、スリーブ部材15の基端部がこれを超えて嵌合し、いわばワンタッチ式に連結できるようにしている。スリーブ部材15の先端部は、カテーテルハブ16の基端側と螺合されている。
【0042】
カテーテルハブ16は、先端部には耐キンクプロテクタ17が設けられ、内部の細チューブ11の折れ曲がりを防止しており、内部にはジェット発生管部6の先端部が挿入され、細チューブ11とジェット発生管部6が連通されている。カテーテルハブ16の内面とジェット発生管部6の先端部との間は、液体Wが漏れないように密着しているが、この密着をより確実にするために接着剤等を使用し、両者を固着してもよい。
【0043】
細チューブ11は、一般的に、カテーテルと称され、細く曲がりくねった血管であっても容易に挿入できるように、全体的には細くて柔軟であるが、同時に強度も有する管である。本実施形態では、細チューブ11は、その先端を湾曲形状としたり、先端近傍の側部には1個あるいは適数個の通孔(不図示)、あるいは液体ジェット流が細チューブの長手方向に対して側方あるいは斜め方向に向うようにしたルーメンを形成することが望ましい。
【0044】
このような細チューブ11の構成材料としては、例えば、1層のHDPE(High Density Polyethylene)あるいは2層のLLDPE(Linear Low Density Polyethylene)がある。ただし、これのみでなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂等の各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種ゴムも使用できる。
【0045】
このような構成の回転手段Rであれば、基端側部材B1は、外管8、隔壁部材7及び光ファイバー2などになり、先端側部材B2は、細チューブ接続部10、ジェット発生管部6及び細チューブ11などになるが、基端側部材B1と先端側部材B2との間に、凹部31と凸部30からなる回転手段Rが存在することになる。しかも、光ファイバー2は、レーザー発振器1から保護チューブ5を通り、外管8内のジェット発生管部6や隔壁部材7に覆われており、先端側部材B2とは連結関係にないものとなっている。したがって、先端側部材B2を持って先端側部材B2を回転しても、細チューブ11が軸線を中心として光ファイバー2とは独立に回転することになり、光ファイバー2に捻れを生じることはない。
【0046】
また、ジェット発生管部6を細チューブ接続部10(カテーテルハブ16)の内面に当接させた場合でも、ジェット発生管部6が本体14及び細チューブ接続部10(カテーテルハブ16)と連動して回転するので、ジェット発生管部6が回転せずに細チューブ接続部10(カテーテルハブ16)のみが回転して細チューブ接続部10(カテーテルハブ16)の内面が硬いジェット発生管部6の先端で削られたり摩耗することがなく、かつジェット発生管部6と細チューブ接続部10(カテーテルハブ16)との液密性を確実に保つことができる。
【0047】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0048】
基端側部材B1となる光ファイバー2、保持部3、フェルール4及び液体導入部9は、予め嵌合や接着等の方法で組み立てられている。
【0049】
また、連結部Cである外管6の突部30と細チューブ接続部10の凹部31を凹凸嵌合し、液体導入部9の先端に細チューブ接続部10を連結する。これにより回転手段Rも同時に形成されることになる。なお、この段階では、細チューブ11やカテーテルハブ16は細チューブ接続部10に接続されていない。
【0050】
そして、フェルール4とレーザー発振器1とを接続し、保持部3の液体注入口3aと液体供給ポンプ10とを接続すると、事前準備は完了する。
【0051】
液体供給ポンプ10より液体Wを供給すると、液体Wは、保持部3→保護チューブ5→隔壁部材7の外周→外管8の内部流路→隔壁部材7の内部流路→ジェット発生管部6の順に流れる。ジェット発生管部6の先端から液体Wが流出した時点で満液状態となり、いわゆるプライミングが完了する。
【0052】
術者は、ガイドワイヤー(不図示)を生体内に挿入し、次いでガイドワイヤーの基端側を生体より突出させ、ここにYコネクター(不図示)を接続したガイディングカテーテル(不図示)を通し、両者を血栓の近傍まで進める。
【0053】
そして、ガイドワイヤーの先端が血栓の位置まで到達し、ガイディングカテーテルがその手前まで到達すると、ガイドワイヤーをガイドとして細チューブ11を血管内に挿入する。細チューブ11の先端がガイディングカテーテルの先端より突出しかつ血栓近傍に到達すると、ガイドワイヤーを抜去する。
【0054】
そして、細チューブ接続部10にカテーテルハブ16を液密に接続し、細チューブ11の基端側とジェット発生管部6の先端側とを液密状態とした後、液体供給ポンプPを作動する。
【0055】
液体Wは、保持部3、保護チューブ5及び外管8で満液状態であるが、外管8内では、隔壁部材7の先端側でUターンして隔壁部材7内に入り、ジェット発生管部6の基端側でUターンしてジェット発生管部6より細チューブ11に流れる。このような流れ状態にすると、レーザー照射時にジェット発生管部6の先端に新鮮な液体Wが当たり、冷却効率が向上し、レーザー光の光熱的影響を抑制できる。
【0056】
液体Wが細チューブ11の先端より流出すると、満液状態になったことが分るので、ここでレーザー発振器1を動作させると、光ファイバー2の先端のレーザー照射部13よりレーザー光がパルス的に照射される。
【0057】
レーザー照射によりジェット発生管部6内の液体Wの一部は、急激に蒸発気化し、発生するバブルによる体積膨張が加圧力となり、ジェット発生管部6内の液体Wを急激に先端側へと押し出す。本実施形態では、レーザー照射が細チューブ11の内部ではなく、ジェット発生管部6内で行なわれるため、前記加圧力によりジェット発生管部6が変形等することはなく、バブルによる加圧力は、確実にその前方の液体Wに作用する。
【0058】
これにより液体ジェット流Jが発生することになり、発生した液体ジェット流Jは、細チューブ11内の液体Wを介して伝播し、細チューブ11の先端前方の血栓に向かって噴射され、血栓に衝突し、これを破砕する。場合によっては血栓溶解剤等の薬剤を使用し、この薬剤の補助により血栓を破砕することもある。
【0059】
このような治療中、術者は、先端側部材B2を基端側部材B1に対し手動により回転させる。基端側部材B1、つまり、外管8、隔壁部材7及び光ファイバー2は、固定状態であり、先端側部材B2、つまり、細チューブ接続部10、ジェット発生管部6及び細チューブ11は、外管8の凸部12を中心として回転する。
【0060】
このように基端側部材B1と先端側部材B2との間に回転手段Rを設けると、細チューブ接続部10、ジェット発生管部6及び細チューブ11のみが回転し、他の部位には回転は伝わらない。したがって、光ファイバー2には回転が伝わらず、しかも光ファイバー2はジェット発生管部6や保護チューブ5内に内包されているので、捻れが生じることはない。また、ジェット発生管部6が回転しても、OリングOによりシールされているため、液体Wの漏れはなく、ジェット発生管部6も回転手段Rおよび細チューブ11と共に回転するので、カテーテルハブ16がジェット発生管部6により削られたり摩耗することもない。したがって、ジェット発生管部6と細チューブ11やカテーテルハブ16との間の液密状態は確実に保持される。
【0061】
細チューブ11全体がその軸線を中心として回転すると、細チューブ11の先端位置を適宜変更することができ、液体ジェット流Jを噴射する方向を調節できる。
【0062】
この場合、細チューブ11の先端を湾曲形状にしたりあるいは先端近傍に通孔やルーメンを形成すれば、液体ジェット流Jの噴射方向をさらに種々の方向にすることができ、手技が一層容易となり、操作性もさらに向上することになる。
【0063】
また、細チューブ11を回転すれば、細チューブ11を血栓内に容易に挿通させることもでき、細チューブ11の先端を血栓の中を回転しながら軸方向に進退させると、血栓内部まで液体ジェット流を作用させることができ、より容易に、より迅速に、より確実に血栓の破砕、除去を行うことができる。
【0064】
この結果、血管径よりも外径が小さい細チューブ11であっても、血栓の破砕範囲が増大し、全ての血栓を容易に除去することができ、手技時間の短縮や治療効果が大幅に向上することになる。
【0065】
血栓の破砕が確認されると、ガイディングカテーテルの基端部に接続されたYコネクターのポートから血栓破砕片を吸引し、体外に取り出す。以上の手順により、血管内での血液の再還流が開始される。
【0066】
<第2実施形態>
図5は本発明の第2実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。図中、前記実施形態と同様の部材は同一符号を使用し、以下説明を省略する。
【0067】
本実施形態は、保護チューブ5の先端に連結部Cとしてチューブコネクタ18を設け、チューブコネクタ18の先端側と外管8の基端側との間に回転手段Rを設けている。
【0068】
回転手段Rの構成は、基本的には第1実施形態のものと同様であるが、本実施形態では、チューブコネクタ18の先端側に環状突起32を設け、外管8の基端側に抜け止め用の突起33を形成し、外管8とチューブコネクタ18を連結するとき、環状突起32が抜け止め用の突起33を越えて係合するようになっている。なお、環状突起32と、外管8の凹部31との間にも、内部の液体Wを封止するOリングOが設けられている。
【0069】
このように連結部Cとしてチューブコネクタ18を使用し、チューブコネクタ18の先端側と外管8の基端側との間に回転手段Rを設けると、基端側部材B1は、保護チューブ5、チューブコネクタ18、隔壁部材7及び光ファイバー2となり、先端側部材B2は、外管8、ジェット発生管部6及び細チューブ接続部10となる。なお、第1実施形態では、隔壁部材7を外管8あるいはジェット発生管部6により支持しているが、本実施形態では、チューブコネクタ18を利用して支持することもできる。
【0070】
本実施形態では、液体導入部9の一部を利用して回転手段Rを設けているので、第1実施形態のように、回転手段Rを液体導入部9の先端側に別途設ける場合に比し、回転手段Rの大きさ分だけデバイスをコンパクトにでき、結果としてデバイスの操作性が向上する。
【0071】
本実施形態においても、回転手段Rを回転しても先端側部材B2が回転するのみであるため、光ファイバー2に捻りを生じさせることはない。なお、回転手段Rを設ける位置に関しては、外管8の基端側のみでなく、外管8の先端側でもよい。
【0072】
<第3実施形態>
図6は本発明の第3実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図であり、図7は同実施形態の回転手段の拡大図である。図中、前記実施形態と同様の部材は同一符号を使用し、以下説明を省略する。
【0073】
本実施形態は、回転手段Rを操作して細チューブ11を回転させる場合、その回転位置あるいは回転角度を保持できるように位置決め機構40を設けたものである。
【0074】
例えば、第1実施形態のように、回転手段Rを細チューブ接続部10と外管8の先端との間に設けている場合には、図6に示すように、先端側部材B2である細チューブ接続部10の本体14における基端側端面と、基端側部材B1である外管8の先端側の端面との間に位置決め機構40としてラチェット機構を設ける。
【0075】
ラチェット機構は、例えば、図7に示すように、外管8の先端側の端面に環状に連続的に形成した爪部41と、細チューブ接続部10の基端側端面に1つ若しくは複数個設けられ、先端が円弧状とされた突起部42とを有するものである。ただし、突起部42と爪部41が相互に弾性的に噛合するように、回転手段Rの環状突起32と凹部31との間と、環状突起32と抜け止め用の突起33との間にそれぞれOリングOを設けることが好ましい。これらOリングOは、突起部42と爪部41の弾性的噛合を確立するのみでなく、回転手段Rの操作時に外管8内などの液漏れを防止する。
【0076】
このようなラチェット機構を有する回転手段Rでは、先端側部材B2である細チューブ接続部10を回転させると、爪部41に突起部42が弾性的に係合するため、術者が細チューブ接続部10から手を離しても、その回転位置あるいは回転角度が保持されることになる。
【0077】
この結果、術者は、液体ジェット流を噴射したい方向を決定した後、細チューブ11の位置を精度よく調整し、位置決めすることができ、位置ずれを起こすことなく連続的にジェット噴射を行なうことができ、操作性が極めて向上し、これに伴う治療効果も更に高めることができる。
【0078】
なお、本実施形態の位置決め機構40は、ねずみ歯状のつめによるラチェット機構を用いているが、つめの形状は、角歯型やのこ歯状など各種のものを使用することが可能である。また、位置決め機構40は、単純な機械要素のみで構成する必要はなく、複雑な制御系を伴うものであってもよい。例えば、ステッピングモータなどを使用することもできる。
【0079】
<第4実施形態>
図8は本発明の第4実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。図中、前記実施形態と同様の部材は同一符号を使用し、以下説明を省略する。
【0080】
本実施形態は、回転手段Rでの先端側部材B2の回転を増速若しくは減速して細チューブ11に伝達するようにしたものである。先端側部材B2の回転に対し細チューブ11の回転数を増加させれば、広範な血栓に対して液体ジェット流を適数回作用させる場合に便利であり、逆に細チューブ11の回転数を減少させれば、局所的に付着した血栓に対して有効に液体ジェット流を作用させることができ、総じて、デバイスの治療効果を向上させることができ、好ましいものとなる。
【0081】
回転手段Rでの先端側部材B2の回転を変動させるには、回転伝達機構50を用いる。回転伝達機構50は、例えば、第1実施形態のように、回転手段Rを細チューブ接続部10と外管8の先端との間に設けている場合には、図8に示すように、先端側部材B2である細チューブ接続部10の本体14と接合突出部14aとを分割し、本体14の先端側端部と接合突出部14aの基端側端部との間に設ける。接合突出部14aは、外管8から突出された略U字状の支持部ラケット51の先端で軸受部52を介して回転可能に支持する。
【0082】
回転伝達機構50は、例えば、本体14の先端側側部の外周面に駆動ギアG1を形成し、支持ブラケット51の底部にフェースギアG2を回動可能に設け、支持ブラケット51の側部に中間ギアG3を回動可能に設け、接合突出部14aの基端側に支持ブラケット51を挿通する軸53を突出し、軸53は支持ブラケット51に軸受52を介して回動可能に支持し、軸53の基端側には被動ギアG4を固着する。
【0083】
そして、本体14を回転すると、駆動ギアG1が回転し、この回転が、フェースギアG2、中間ギアG3を介して被動ギアG4に伝達され、最終的には接合突出部14aに回転が伝達され、細チューブ11が軸中心に回転する。
【0084】
なお、回転の増減速は、前述の各種ギアの直径及び歯数、場合によってはその個数を適切に選択することにより行うことができ、また、回転伝達機構50は、ギアのみに限定されるものではなく、ベルトあるいはローラなど各種機械要素を用いることもできる。
【0085】
<第5実施形態>
図9は本発明の第5実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。図中、前記実施形態と同様の部材は同一符号を使用し、以下説明を省略する。
【0086】
上述した各実施形態は、全て術者が手動により回転手段Rを回転させるものであるが、これを回転動力源を用いて行なってもよい。
【0087】
例えば、第1実施形態のように、回転手段Rを細チューブ接続部10と外管8の先端との間に設けている場合には、図9に示すように、外管8の先端側側部に回転動力源として駆動モータMを設け、モータ軸に駆動ギアG5を取り付ける。一方、細チューブ接続部10の基端側外周面には被動ギアG6を形成する。
【0088】
駆動ギアG5を被動ギアG6に噛合させた状態で、駆動モータMを回転すると、細チューブ接続部10は、外管8の突部30を中心として回転し、細チューブ接続部10に設けられた細チューブ11を回転させることができる。
【0089】
このように駆動モータMを用いて細チューブ11を回転すると、術者は細チューブ11の操作のみに注意を払えばよく、デバイスの操作性が向上するのみでなく、治療の確実性が向上する。
【0090】
なお、回転動力源は、駆動モータMのみでなく、ぜんまいバネなどにより回転するものであってもよく、また、駆動モータMの設置位置は、外管8の先端側側部に限定されるものではなく、外管8の基端側に設けてもよい。
【0091】
<第6実施形態>
図10は本発明の第6実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。図中、前記実施形態と同様の部材は同一符号を使用し、以下説明を省略する。
【0092】
本実施形態は、ジェット発生管部6の先端側に中間キャップ19を設けたものである。中間キャップ19の素材としては、シリコーンゴムのように高い柔軟性を有する樹脂が望ましい。
【0093】
このようにすれば、ジェット発生管部6と細チューブ11とを、細チューブ接続部10(カテーテルハブ16)を介してより加圧した状態で接続することができ、デバイスの液密性が更に高められ、よりジェットを効率よく細チューブ11に伝達でき、結果としてデバイスの性能が向上する。
【0094】
また、中間キャップ19を介在させることにより、上述した他の実施形態のものよりも細チューブ接続部10に対しジェット発生管部6を加圧した状態で嵌合する力がより強力にできるため、ジェット発生管部6を固定し安定的に保持した状態で、回転手段Rにより細チューブ11を回転させることが可能となる。ただし、この場合には、ジェット発生管部6は外管8と接着剤等により固定し、細チューブ接続部10(本体14)には接着固定せず、細チューブ11とジェット発生管部6とは中間キャップ19の加圧嵌合により液密状態を保持する。これにより先端側部材B2が基端側部材B1に対し回転することになる。
【0095】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、前述した実施形態は、回転手段Rを外管8の近傍に設けたものであるが、本発明は、これのみに限定されるものではなく、例えば、保持部3の近傍、保護チューブ5の中間部などにも設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、液体導入部内に充填された液体に吸収し易い波長のレーザー光を、光ファイバーの先端からパルス状に照射し、液体を急激に加熱し蒸発させ、蒸気が及ぼす加圧力によって生じた液体ジェット流により、血栓を破砕する治療用具として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1実施形態の全体を示す概略図である。
【図2】図1の要部を示す拡大断面図である。
【図3】図2のA部拡大断面図である。
【図4】レーザー照射部の拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。
【図7】同実施形態の回転手段の拡大図である。
【図8】本発明の第4実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第6実施形態を示すジェット発生管部分の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0098】
1…レーザー発振器、
2…光ファイバー、
3…保持部、
4…フェルール、
5…保護チューブ(送液チューブ)、
6…ジェット発生管部、
7…隔壁部材、
8…外管、
9…液体導入部、
10…細チューブ接続部、
11…細チューブ、
13…レーザー照射部、
14…本体、
18…チューブコネクタ、
19…中間キャップ、
20…光ファイバー収容部、
30…突部、
31…凹部、
32…環状突起、
33…抜け止め用の突起、
40…位置決め機構、
41…爪部、
42…突起部、
50…回転伝達機構、
51…支持部ラケット、
B1…基端側部材、
B2…先端側部材、
C…連結部、
G1〜G6…ギア、
J…ジェット流、
M…駆動モータ、
O…Oリング、
R…回転手段、
W…液体。
【出願人】 【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100072349
【弁理士】
【氏名又は名称】八田 幹雄

【識別番号】100110995
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰男

【識別番号】100114649
【弁理士】
【氏名又は名称】宇谷 勝幸


【公開番号】 特開2008−17865(P2008−17865A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−189571(P2006−189571)