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【発明の名称】 湾曲可能な支管を有する外科用内視鏡
【発明者】 【氏名】トーマス ヴォスニツア

【氏名】ウーヴェ シェレル

【要約】 【課題】製造コスト及び洗浄性を改善した湾曲可能な支管を有する外科用内視鏡を提供する。

【構成】シャフト2と該シャフト2から側方へ延び手操作で湾曲させ得る支管3とを有する外科用内視鏡において、前記支管を、手による湾曲操作によって永続的に変形可能なプラスチック又は金属からなる単層パイプにより構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト(2)と、該シャフトから側方へ延び手操作で湾曲させ得る支管(3,17)とを有する外科用内視鏡(1)において、前記支管(3,17)が、手による湾曲操作によって永続的に変形可能な材料からなる単層パイプにより構成されていることを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記湾曲可能な支管(3,17)が、湾曲操作によって永続的な変形可能な金属からなることを特徴とする請求項1に係る内視鏡。
【請求項3】
前記湾曲可能な支管(3,17)が、高温において原形にもどる記憶合金からなることを特徴とする請求項2に係る内視鏡。
【請求項4】
前記湾曲可能な支管(3,17)が、結合箇所(13,10)によって、剛性の金属からなる前記シャフト(2)に接合されていることを特徴とする請求項1に係る内視鏡。
【請求項5】
前記結合箇所が、管継手(10)として構成されていることを特徴とする請求項4に係る内視鏡。
【請求項6】
前記湾曲可能な支管(3,17)が、ベローズとして構成されていることを特徴とする請求項1に係る内視鏡。
【請求項7】
前記湾曲可能な支管(3,17)が、記憶合金製ワイヤで補強したプラスチックチューブとして構成されていることを特徴とする請求項1に係る内視鏡。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1の包括部分に記載されている種類の内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
側方へ分岐する支管を有する医療用内視鏡は、多くの使用事例について使用されている。この場合、1つの有効ダクトは、シャフト内をシャフト近位端まで延び、一方、他の有効ダクトは、側方へ延びる支管へ分岐する。このように多くの内視鏡の場合、真っすぐに延びる有効ダクト内には、光学系が延びており、側方へ分岐する有効ダクト内には、作業器具、例えば、湾曲自在な鉗子、カテーテルなどが延びている。
【0003】
この種の内視鏡は、DE10351185B4に開示されている。ここでは、剛性の材料からなり真っすぐに延びるシャフト内には、作業ダクトが延びている。側方へ分岐する支管内には、光伝送繊維から形成された光学系が延びている。支管は、湾曲自在に構成され、更に詳細にいえば、内部に弾性的に湾曲自在な金属ベローズを有し且つ外部に弾性チューブを有する極めて複雑な多層構造を有している。この構造の湾曲自在な支管は、完全に、支管の湾曲後に原形状に弾性的に復元する弾性的復元材料からなる。残存変形性を保証するため、支管は、それ自体も弾性材料からなる内部の複雑なラセン構造を有する。
【0004】
公知の永続的に湾曲可能な支管の利点は、公知の構造の場合に、支管の端部に設けたアイピースを好適な観察位置にセットするため、支管の自由端を任意の位置にセットできるという点にある。この場合、湾曲性は、支管を手で湾曲できるように、すなわち、手術中に術者がその都度所望の形状に支管を湾曲できるように、調整されている。
【0005】
公知の構造の欠点は、極めて高コストの多層構造様式、弾性材料からなる外表面の敏感性、及び少なくとも金属ベローズのまわりのスペースへの湿気及び水蒸気の侵入を招くことになる外部に対する不十分な密封状態である。更に、この構造は、洗浄及び殺菌が困難である。
【0006】
DE19756629A1には、折り曲げた形状に構成され側方へ分岐する支管を有する外科用内視鏡が示されている。支管は、製造時に、対応する装置によって所望の形状に加工できるが、通常の操作中には剛性であり、手操作で術者の特殊な要望に適合させることはできない。
【0007】
DE3923851C1には、継手内の回転によって自由端を異なる方向へ配向できる同じく剛性の湾曲状態の管部分を継手によって接合した側方へ斜めに分岐する支管を有する鼻外科用内視鏡が示されている。
【特許文献1】DE10351185B4
【特許文献2】DE19756629A1
【特許文献3】DE3923851C1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、冒頭に述べた種類の構造を製造コスト及び洗浄性に関して改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明に基づき、請求項1の特徴によって解決される。
【0010】
本発明に基づき、支管は、手操作湾曲によって永続的に変形可能な材料からなる単層パイプで構成されている。冒頭に述べた種類の公知の多層構造に比して、特に製造コスト及び洗浄性を本質的に改善した本質的により簡単な構造が得られる。支管を構成する材料は、例えば、極めて短くてやっと指先でつかむことのできるような支管の場合でも、手操作で変形できるように、変形容易である。術者は、手術中に、支管を曲げることによって、冒頭に示した公知の構造の場合と同様に、術者の要望に支管を適合させることができる。支管は、例えば、適切に永続的に変形可能なプラスチックから構成できるか、請求項2に基づき、適切に湾曲可能な金属、例えば、軟鉄から構成できる。単層パイプは、平滑な密閉表面によって、極めて良好に密封でき且つ洗浄できるように単一体に構成できる。
【0011】
支管は、請求項3に基づき、記憶合金、すなわち、例えば、本質的にニッケル及びチタンからなり、湾曲容易であるのみならず、特に高温においても、湾曲していない原形にもどる合金から構成するのが有利である。復元は、特に、約 130℃の高温蒸気殺菌時に起こり得る。場合によっては湾曲操作を伴う使用毎に、支管は、いずれにせよ必要な高温蒸気殺菌時に、原形状にもどる。
【0012】
特殊合金から形成された支管は、同一材料からなる内視鏡シャフトと一体に作製できる。しかしながら、請求項4に基づき、シャフト自体を、慣用される剛性の湾曲しない金属から構成できるように、支管を結合箇所によってシャフトに接合するのが好ましい。
【0013】
請求項4に記載の結合箇所は、特に、溶接箇所又はろう付け箇所として構成できる。しかしながら、剛性の金属合金を湾曲可能な合金と、特に、通常の如くNiTi合金として構成された記憶合金と結合する場合、極めて大きい問題、すなわち、この場合に溶接及びろう付けを排除するという問題が生ずる。したがって、請求項5の特徴を実現するのが有利である。すなわち、上記特徴に基づき、異なる材料からなる管部分を機械的管継手で結合し、密封する。この場合、機械的加工を要することなく管端を相互に結合できるように、管継手を構成するのが好ましい。なぜならば、端部が、例えば、記憶合金又はプラスチックからなる場合、記憶合金の機械的加工は、同じく極めて困難であるからである。
【0014】
端部が、記憶合金からなる場合、湾曲によって永続的に変形可能であるが、この場合、例えば、径が内視鏡の作業ダクトに必要な大きさである場合は、大きい力が必要である。この場合、請求項6に基づき端部をベローズ(蛇腹管)として構成するのが有利であり、かくして、湾曲操作に必要な力を減少できる。
【0015】
記憶合金製パイプから端部を構成する代わりに、請求項7に基づき、有利には、記憶ワイヤで補強したプラスチックチューブからそれを構成できる。記憶ワイヤによって、永続的変形性が得られ、しかも、より容易な湾曲性が得られる。記憶ワイヤは、例えば、ラセンチューブとして又は格子網として構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0017】
図面に、本発明の実施例を模式的に示した。図1に、例えば、膀胱に挿入するための外科用内視鏡1を強く模式化した簡単な例として示した。内視鏡1は、剛性の金属パイプからなる長いシャフト2を有し、上記シャフトから、支管3が、シャフト2の軸線に対して角度をなして側方へ分岐する。
【0018】
シャフト2の遠位端4は、開放しており、他方、シャフトの近位端には、接続部5が設けてあり、この接続部を介して、穴6(図3)に光学系7を差し込むことができる。この光学系には、差し込み時に、光学系7の固定のために接続部5の穴19に軸頸9を差し込むことができる対向部材8が設けてある。更に、光学系7の近位端には、光伝送ケーブルを接続する側方分岐管11及びアイピース12が設けられている。
【0019】
支管3は、シャフト2とは異なる材料からなり、シーム13によって接合されている。支管3の自由端には、湾曲自在な作業器具15,例えば、湾曲自在な鉗子、レーザ繊維又はカテーテルを図示の態様で導入するための導入部14が設けてある。
【0020】
支管3は、図1に示した位置では、シャフト2から所定の角度で、側方へ斜めに分岐し、作業器具15を図示の位置に導入できる。所定の作業において、この位置は、不適であり、例えば、作業器具15を光学系7に平行に導入するのがより好適である。
【0021】
このため、支管3は、プラスチック又は、好ましくは、金属からなる湾曲自在のパイプから構成され、永続的に変形可能であり、特に、塑性変形可能であり、図3に破線で示した如く、任意の角度位置にセットできる。湾曲性は、指先だけで不十分につかんだ場合にも湾曲操作が可能であり、しかしながら、他方では、通常の作業負荷時に、形状が保持されるように、調整すべきである。かくして、支管3の対応する湾曲後、作業器具15を、例えば、光学系7に平行に又は垂直に、支管3の導入部14に導入することもできる。図2に、支管3及びシャフト2によって形成された平面(紙面)における支管3の湾曲状態を示した。
【0022】
図3の軸線方向図面に示した如く、支管3は、側方へ、すなわち、図2の紙面の位置から湾曲させることができる。
【0023】
図1〜3の実施例の支管3は、例えば、永続的に湾曲可能であり、平滑表面に基づき容易に洗浄でき、任意の形状に容易に変形でき、例えば、シーム13において他の材料からなるシャフト2に、例えば、レーザ溶接によって結合される軟鉄から構成できる。
【0024】
支管3を構成する材料は、手操作で、図2及び図3に示した如き所望の各形状に湾曲させ得るように、容易に湾曲できるように選択する。かくして、術者は、手術室における手術時に、支管をその都度の位置要求に適合させることが可能である。
【0025】
図1〜3の実施例の場合、特殊材料からなる支管3を、異なる方法でも、例えば、図4に示した如きフランジ結合によって、通常の材料からなるシャフト2に結合できる。シャフト2を支管3と同一の材料から製造できる場合、これら双方の部材を同一の材料から構成できる。しかしながら、通常は、シャフト2は剛性の材料からなるので、一般に、別個の構成が必要である。
【0026】
図4に、異なる実施例を示した。この場合、できる限り同一の符号を使用した。
【0027】
この場合、支管3は、短く且つ真っすぐであり、シャフト2と同一の剛性の材料から構成できる。支管の自由端には、所定の形状に湾曲させた管部17を固定接合したフランジ10が設けてある。管部17は、図1〜3の支管3と同様に、手操作で湾曲できる材料、すなわち、例えば、湾曲可能な金属、プラスチック又は同様のものからなる。
【0028】
湾曲自在な支管3又は3,17によって、既述の如く、作業器具を設置できるが、作業器具は、湾曲自在な光学系又は光伝送体を受容でき、あるいは、例えば洗浄ダクトとして使用できる。
【0029】
図1〜3に関して説明した実施例の場合、内視鏡1のシャフト2は、このような目的に適した剛性の材料、例えば、特殊鋼からなる。他方、支管3は、図2〜3に示した如く、湾曲によって永続的に変形できる他の材料からなる。この材料は、例えば、シーム13,例えば、溶接シームによってシャフト2に接合される軟鉄であればよい。
【0030】
しかしながら、この材料対の場合、すでに、結合問題が生ずる。通常はNiTi合金として構成された記憶合金は、その良好な湾曲性に基づき、支管3に極めて好適である。しかしながら、記憶合金の場合、シーム13におけるシャフト2の金属との溶接又はろう付けは、全く不可能である。したがって、支管3について、他の合金、特に、記憶合金を使用した場合、図4に基づいて同図に示した符号を参照して説明した構造を使用するのが有利である。
【0031】
支管は、例えば、シャフト2と同一の材料から構成できシャフトに問題なく結合できる始端部分3からなる。実施例の場合、支管の別個の管端部分(管部)17は、適切な湾曲自在の材料、特に、記憶合金又は、例えば、プラスチックからなるパイプから構成する。支管の部分3,17は、相互に溶接できないので、これらの部分は、特に、管継手10において管端部分17の端部を真っすぐに切断できるように構成された、すなわち、管結合のために加工する必要のない管継手10によって結合される。
【0032】
適切な管継手は、例えば、通水パイプを洗浄容器に結合するための衛生技術から公知である。管継手は、密封を行うスクイズねじから構成され、双方の管部分3,17を囲み、湾曲自在の管端部分17を大きい力で湾曲する際に、部分3,17の間で確実な力伝達を行うパイプを有することができる。
【0033】
このような実施例の場合、管端部分17のみが湾曲可能であり、任意の態様で、例えば、図2に示した態様で、あるいは、図3に示した如く、側方湾曲態様でも湾曲できる。
【0034】
記憶合金からなる平滑なパイプは、すなわち、図4に示した管端部分17の如く、図示の径範囲では湾曲困難である。したがって、記憶合金からなる管端部分17は、ベローズとして構成でき(図示してない)、かくして、更に容易な湾曲性が得られる。
【0035】
他の実施例(図示してない)の場合、管端部分17は、記憶合金製ワイヤで強化したプラスチックチューブから構成することもでき、この場合、ワイヤは、例えば、ラセン状又は網状に構成される。弾性復元の傾向があるプラスチックは、変形可能状態に保持される記憶ワイヤによって、湾曲後に永続的に新しい形状に保持される。
【0036】
湾曲自在な支管のために記憶材料を使用した場合、記憶材料、例えば、NiTi合金は、高温において始めの湾曲状態にもどるように、調整できる。復元温度として、殺菌に必要なオートクレーブ操作において内視鏡が達する温度、すなわち、例えば、 130℃の温度を選択できる。次いで、支管の湾曲が必要である手術のために、内視鏡1を使用できる。手術終了後、オートクレーブ操作時に、支管は、その始めの形状にもどり、次の手術時に、他の形状に湾曲させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】側方へ延びる支管を有する本発明に係る内視鏡の実施例を示す側面図である。
【図2】支管の湾曲可能性を示す図1に示した実施例の部分図である。
【図3】他の湾曲状態を示す図2の線3−3に沿う断面図である。
【図4】回動フランジ継手を有する他の実施例を示す部分図である。
【符号の説明】
【0038】
1 内視鏡
2 シャフト
3 支管
4 シャフトの遠位端
5 接続部
6 穴
7 光学系
8 対向部材
9 頸軸
10 フランジ(管継手)
11 分岐管
12 アイピース
13 シーム
14 導入部
15 作業器具
17 管部(管端部分)
19 穴
【出願人】 【識別番号】591228476
【氏名又は名称】オリンパス ビンテル ウント イーベーエー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OLYMPUS WINTER & IBE GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成19年6月26日(2007.6.26)
【代理人】 【識別番号】100087273
【弁理士】
【氏名又は名称】最上 健治


【公開番号】 特開2008−12302(P2008−12302A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−167609(P2007−167609)