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【発明の名称】 電子内視鏡システム
【発明者】 【氏名】斉藤 典子

【要約】 【課題】所定のネットワークに接続された複数の電子内視鏡装置を有する電子内視鏡システムであって、電子内視鏡装置の使用者が、他の電子内視鏡装置の使用者からの評価が高い電子内視鏡装置設定用の設定値を得ることが可能なものを提供する。

【構成】電子内視鏡システムは、複数の電子内視鏡装置とネットワークを介して接続され複数の電子内視鏡装置とデータ通信可能に構成された設定値提供サーバと、電子内視鏡装置の動作パラメータの設定値を前記サーバに送信する設定値送信手段とを備え、設定値提供サーバは、複数の電子内視鏡装置から該設定値を受信する設定値受信手段と、設定値受信手段により受信した該設定値に基づいて参照用設定値を生成する参照用設定値生成手段と、参照用設定値を複数の電子内視鏡装置に送信可能に構成された参照用設定値送信手段と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子内視鏡装置と、
前記複数の電子内視鏡装置とネットワークを介して接続され、前記複数の電子内視鏡装置とデータ通信可能に構成された設定値提供サーバと、
前記電子内視鏡装置の動作パラメータの設定値を前記サーバに送信する、設定値送信手段と、を備えた電子内視鏡システムであって、
前記設定値提供サーバは、
前記複数の電子内視鏡装置から該設定値を受信する、設定値受信手段と、
前記設定値受信手段により受信した該設定値に基づいて参照用設定値を生成する、参照用設定値生成手段と、
前記参照用設定値を、前記複数の電子内視鏡装置に送信可能に構成された、参照用設定値送信手段と、
を備えたことを特徴とする、電子内視鏡システム。
【請求項2】
該参照用設定値が前記内視鏡装置の推奨設定値を含み、
前記電子内視鏡装置は、該推奨設定値の送信をリクエストする推奨設定値リクエスト手段を有し、
前記設定値提供サーバは、前記設定値受信手段により受信した該設定値を設定値情報として複数記憶するデータ記憶手段を有し、
前記参照用設定値生成手段は、前記データ記憶手段に記憶された複数の設定値情報に基づいて該推奨設定値を生成し、
前記参照用設定値送信手段は、生成された推奨設定値を該推奨設定値の送信をリクエストした電子内視鏡装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。
【請求項3】
前記推奨値リクエスト手段は、該推奨設定値の送信をリクエストする際に前記電子内視鏡装置に接続されている電子内視鏡の情報を前記設定値提供サーバに送信する、ことを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡システム。
【請求項4】
前記参照用設定値生成手段は、該複数の設定値情報に含まれる頻度の最も高い設定値を該推奨設定値として選択する、ことを特徴とする請求項2から3のいずれかに記載の電子内視鏡システム。
【請求項5】
前記設定値送信手段は、設定値と共にこの設定値に対する評価情報を前記設定値提供サーバに送信可能であり、
前記参照用設定値生成手段は、該複数の設定値情報に含まれる設定値の頻度を該評価情報によって重み付けし、重み付け後の頻度が最も高い設定値を該推奨設定値として選択する、ことを特徴とする請求項2から3のいずれかに記載の電子内視鏡システム。
【請求項6】
前記設定値送信手段は、設定値と共にこの設定値を設定した使用者に関する使用者情報を前記設定値提供サーバに送信可能であり、
前記電子内視鏡装置は、特定の使用者によって設定された設定値の前記設定値提供サーバからの取得をリクエストする為の特定設定値取得リクエスト手段を有し、
該参照用設定値が特定の使用者によって設定された設定値を含み、
前記参照用設定値生成手段は、該特定の使用者によって設定された設定値を抽出し、
前記参照用設定値送信手段は、抽出された設定値を該設定値の送信をリクエストした電子内視鏡装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電子内視鏡システム。
【請求項7】
前記設定値送信手段は、前記電子内視鏡装置に内蔵されている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電子内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のネットワークに接続された複数の電子内視鏡装置を有する電子内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡は、電子内視鏡のCCDからの画像信号を処理してモニタ等の出力手段に表示させる為の信号処理装置(プロセッサ)と接続されて電子内視鏡装置として使用される。近年、電子内視鏡装置とサーバとを所定のネットワーク(LAN等)を介して接続し、電子内視鏡やプロセッサの管理を行う電子内視鏡システムが考案されている。例えば、特許文献1の内視鏡システムにおいては、電子内視鏡の操作ボタンへの機能の割り当て情報をサーバから取得可能となっている。
【特許文献1】特開2004−209151
【0003】
しかしながら、上記のような構成においては、予め電子内視鏡装置の機種ごとに決められた設定値を受信するのみであり、例えば他の術者からの評価が高い設定値を得る、といった複雑な処理には対応していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題に鑑み、本発明は、他の電子内視鏡装置の使用者からの評価が高い設定値を得ることが可能な電子内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する為、本発明の電子内視鏡システムは、複数の電子内視鏡装置とネットワークを介して接続され複数の電子内視鏡装置とデータ通信可能に構成された設定値提供サーバと、電子内視鏡装置の動作パラメータの設定値を前記サーバに送信する設定値送信手段とを備え、設定値提供サーバは、複数の電子内視鏡装置から該設定値を受信する設定値受信手段と、設定値受信手段により受信した該設定値に基づいて参照用設定値を生成する参照用設定値生成手段と、参照用設定値を複数の電子内視鏡装置に送信可能に構成された参照用設定値送信手段と、を有する。
【0006】
ここで、例えば参照用設定値が内視鏡装置の推奨設定値を含み、電子内視鏡装置は推奨設定値の送信をリクエストする推奨設定値リクエスト手段を有し、設定値提供サーバは、前記設定値受信手段により受信した設定値を設定値情報として複数記憶するデータ記憶手段を有し、参照用設定値生成手段はデータ記憶手段に記憶された複数の設定値情報に基づいて該推奨設定値を生成し、参照用設定値送信手段は生成された推奨設定値を該推奨設定値の送信をリクエストした電子内視鏡装置に送信する、構成としてもよい。このような構成とすると、他の術者が採用した設定値に基づいた最適な推奨設定値を得ることが可能である。
【0007】
また、参照用設定値生成手段は、複数の設定値情報に含まれる頻度の最も高い設定値を推奨設定値として選択する構成としてもよい。或いは、設定値送信手段は、設定値と共にこの設定値に対する評価情報を設定値提供サーバに送信可能であり、参照用設定値生成手段は複数の設定値情報に含まれる設定値の頻度を評価情報によって重み付けし、重み付け後の頻度が最も高い設定値を該推奨設定値として選択する構成としてもよい。
【0008】
また、設定値送信手段は、設定値と共にこの設定値を設定した使用者に関する使用者情報を設定値提供サーバに送信可能であり、電子内視鏡装置は、特定の使用者によって設定された設定値の設定値提供サーバからの取得をリクエストする為の特定設定値取得リクエスト手段を有し、参照用設定値が特定の使用者によって設定された設定値を含み、参照用設定値生成手段は特定の使用者によって設定された設定値を抽出し、参照用設定値送信手段は抽出された設定値を設定値の送信をリクエストした電子内視鏡装置に送信する。
【0009】
このような構成とすると、電子内視鏡装置の使用者は、例えば、著名な医師による設定値を参照しながら設定値を適宜設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、他の術者からの評価が高い設定値を得ることが可能な電子内視鏡システムが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の電子内視鏡システムの全体を示すブロック図である。図1に示されているように、本実施形態の電子内視鏡システム1は、それぞれ電子内視鏡110とプロセッサ120とモニタ130とから成る複数の電子内視鏡装置100と、この電子内視鏡装置100と所定のネットワークを介して接続される設定値提供サーバ200とを備える。電子内視鏡装置100のプロセッサ120と、設定値提供サーバ200とを接続するネットワークは例えばイーサネット(登録商標)等を利用したLAN(Local Area Network)である。或いは、電子内視鏡装置100のプロセッサ120がADSL、ダイヤルアップ接続などを用いてインターネット経由で設定値提供サーバ200に接続する構成であっても良い。
【0012】
プロセッサ120には、電子内視鏡110が着脱可能に接続される。プロセッサ120は、接続されている電子内視鏡110のライトガイドに照明光を供給する為の光源装置としての機能を有する。さらにプロセッサ120は、電子内視鏡110のCCDによって撮像された映像信号を処理し、処理の結果得られた映像を所定の形式(NTSC形式など)の映像信号に変換し、これをモニタ130やその他の出力装置(ビデオプリンタ等、不図示)の出力手段に出力する信号処理装置としての機能をも有する。
【0013】
プロセッサ120は、電子内視鏡110からの映像信号を処理する際、画像信号に各種画像処理を行うことができる。例えば、画像の輝度を調整するブライトネス調整処理、画像のγ値を調整するγ値調整処理、画像のエッジ強調を行うエンハンス処理、画像の色差補正を行うカラーバランス調整処理を行う。
【0014】
本実施形態の構成においては、これらの画像処理の際に用いる設定値を設定値提供サーバ200からネットワークを介して取得することができる。プロセッサ120に接続される電子内視鏡110は、一般にその電子内視鏡110によって観察される部位(呼吸器、胃、十二指腸、直腸等)に応じて異なる種類のものが使用される。このため、接続された電子内視鏡110の種類に応じて最適な画像処理の設定値はある程度決まってくるものと考えられる。ただし、電子内視鏡装置100の術者の嗜好等によってこの最適値は変動しうる。
【0015】
このため、本実施形態の電子内視鏡システム1においては、電子内視鏡装置100が術者のユーザIDと、電子内視鏡110の機種IDとを設定値提供サーバ200に送信し、設定値提供サーバ200はこれらのIDを用いて最適な設定値を算出する。算出された設定値は、電子内視鏡装置100に送信され、電子内視鏡装置100のプロセッサ120はこの設定値を用いて画像処理を行う。
【0016】
ここで、電子内視鏡装置100の術者が、設定値提供サーバ200より提供された設定値で電子内視鏡110による観察に不具合を感じた場合は、手動操作でこの設定値を適宜調整することができる。また、この設定値の調整が完了した後、術者の操作によってこの設定値を設定値提供サーバ200に送信することができる。送信された設定値は、以降の設定値算出時に利用される。
【0017】
設定値提供サーバ200の構成に付き、以下説明する。図2は、設定値提供サーバ200のブロック図である。設定値提供サーバ200は、各種設定値情報を記憶するストレージ(記憶装置)210と、このストレージ210から設定値情報を読み出して最適な設定値を算出する設定値演算ユニット220と、電子内視鏡装置100との間で情報(設定値、ID等)の送受信を行う為のネットワークアダプタ230とを有する。
【0018】
設定値情報は、図3のような形式でストレージに保存されている。すなわち、設定値ID、ユーザID、機種ID、評価点、データ公開の可否情報、設定値がこの順に記録されるようになっている。
【0019】
設定値IDとは、内視鏡装置からの設定値情報ごとに付与されるユニークなIDであり、各設定値情報を識別する為のIDである。また、評価点とは、術者が設定値を設定値提供サーバ200に送信する時に入力可能な値であり、これは設定値、ユーザID、機種IDと共に設定値提供サーバ200に送信可能である。本実施形態においては、評価点は3段階評価であり、評価点3が高い評価、評価点1が低い評価、評価点2が中間の評価を示す。なお、本実施形態においては、術者が特に評価点を設定しない場合は中間の評価、すなわち評価点2が設定値提供サーバ200に送信される。データ公開の可否情報とは、このデータを術者の氏名とともに他のユーザに送信しても良いかどうかを判別する為のフラグである。この情報は、後述する設定値閲覧機能にて使用される。
【0020】
本実施形態においては、設定値演算ユニット220は、以下の手順によって設定値の推奨値を算出する。まず、電子内視鏡100の術者が本実施形態のシステムを使用する為に、術者のユーザ登録が行われる。本実施形態において、電子内視鏡装置100を起動すると、図4の様なログイン画面が電子内視鏡100に接続されたモニタ130に表示される。術者は、この画面を参照しながら電子内視鏡100に接続されたキーボードやマウスを操作してユーザID及びパスワード(後述)を入力し「OK」ボタンを操作する(例えばマウス等のポインティングデバイスを操作してこのボタンの上にカーソルを移動し、そこでポインティングデバイスのボタンをクリックする)と、ユーザIDが設定値提供サーバ200に送信される。術者にユーザIDがまだ与えられていない場合は、図中の「新規登録」ボタンを操作する。そうすると、図5に示されるユーザ登録画面がモニタ130上に表示される。
【0021】
次に、術者は、ユーザ登録画面を参照しながら術者の氏名、パスワードを入力する。次いで、術者は「登録」ボタンを操作して登録処理を完了させる。この結果、パスワード、術者氏名、電子内視鏡装置100の設置場所情報(病院名)から構成される登録情報が設定値提供サーバ200に送信される。なお、設置場所情報はこの電子内視鏡装置100を設置する際に電子内視鏡装置100の図示しない記憶手段(ハードディスクなど)に記録され、登録時に記憶手段から読み出されて設定値提供サーバ200に送信される。設定値提供サーバ200は、この登録情報を受信すると、ユニークなユーザIDを生成してこの登録情報に関連づけた上で、このユーザIDを電子内視鏡装置100に送信する。受信されたユーザIDは、電子内視鏡装置100のモニタに表示される。これによって、術者は図4のログイン画面でユーザIDとパスワードを入力してこれを設定値提供サーバ200に送信できるようになる。
【0022】
図4のログイン画面を操作してユーザIDを設定値提供サーバ200に送信すると、電子内視鏡装置100のモニタには、図6の自動設定選択画面が表示される。術者は、この画面を参照しながらマウス等を操作して、設定値を設定値提供サーバ200から得るか、それとも手動で設定値を入力するかの選択を行う。
【0023】
図6の画面において、「設定を自動的に行いますか?」という問い合わせに対して「Yes」ボタンを操作をして、設定値を設定値提供サーバ200から得ることを術者が選択した場合は、その選択が設定値提供サーバ200に報知され、設定値提供サーバ200は後述する手法により適切な設定値を算出し、これを電子内視鏡装置100に送信する。この結果、電子内視鏡装置100のモニタには、図7のような設定確認画面が表示される。
【0024】
設定確認画面には、設定値提供サーバ200から送信された設定値(推奨値)が表示される。具体的には、現在使用している内視鏡と同一の型の内視鏡を使用した全ての術者の評価結果に基づいて算出された第1推奨値と、現在この電子内視鏡装置100を使用している術者自身による評価結果に基づいて算出された第2推奨値とが表示される。術者は、この設定確認画面を参照して、第1推奨値と第2推奨値のいずれを使用するか、或いはこの推奨値を修正して使用するかの選択を行う。
【0025】
また、図7において、図中の「第1推奨値に基づいて手動修正」ボタン又は「第2推奨値に基づいて手動修正」ボタンを操作して、推奨値を修正することを選択した場合は、図8の設定値入力画面が表示される。ここで、各設定値は、ボタン操作によって選択された第1又は第2推奨値の設定値がそのまま使用される。
【0026】
なお、この設定値入力画面は、図6の設定値選択画面において手動で設定値を入力することを術者が選択した場合(すなわち、図6の「設定を自動的に行いますか?」という問い合わせに対して「No」ボタンを操作した場合)にも表示される。この時図8に表示される設定値は後述のデフォルト値が使用される。図7の設定確認画面には、推奨値を今後のデフォルト値とするかどうかを選択するためのチェックボックスCB1が表示されている。このチェックボックスCB1はマウスによって操作される度にオン/オフがトグルされるようになっており、チェックボックスCB1がオンになった状態で「第1推奨値を使用」又は「第2推奨値を使用」ボタンが操作されると、以降図6の自動設定選択画面において「設定を自動的に行いますか?」という問い合わせに対して「No」ボタンが操作された時に図8の設定値入力画面に表示されるデフォルト値がここで選択された第1又は第2推奨値の設定値となる。
【0027】
設定値入力画面においては、術者は所望の設定項目に対してキーボード又はマウス等を適宜操作して、設定値を入力する(例えば、キーボードを用いて設定値を直接入力するか、所望の設定項目の「△」(UP)「▽」(DOWN)ボタンをマウスを用いて操作して設定値を増減する)。次いで、「OK」ボタンを操作して設定値の入力を完成させる。これによって、設定値が電子内視鏡装置100に記憶され、以降はこの設定値にて各種画像処理が行われる。また、図7の設定確認画面において、「このパラメータでよいですか?」という問い合わせに対して「Yes」ボタンを操作して、設定値提供サーバ200から送信された設定値を使用することを術者が決定した場合は、その設定値が電子内視鏡装置100に記憶され、以降はこの設定値にて各種画像処理が行われる。また、設定値入力画面には、ここで入力された設定値を今後のデフォルト値とするかどうかを選択するためのチェックボックスCB2が表示されている。このチェックボックスCB2はマウスによって操作される度にオン/オフがトグルされるようになっており、チェックボックスCB2がオンになった状態で「Yes」ボタンが操作されると、以降図6の自動設定選択画面において「設定を自動的に行いますか?」という問い合わせに対して「No」ボタンが操作された時に図8の設定値入力画面に表示されるデフォルト値がここで入力された設定値となる。
【0028】
なお、術者は内視鏡による診断、処置などを行っている際に所定の操作(キーボードの所定のキーを押すなど)を行うことによって、図8の設定値入力画面を呼び出し、設定値を適宜修正することができる。
【0029】
この後、術者は内視鏡による診断や処置などを行う。診断、処置の終了後、または途中で術者はこの設定値の評価を行うことができる。評価を行う際は、図9の評価入力画面が電子内視鏡装置100のモニタ上に表示される。術者はこの評価入力画面を参照して評価点を入力し、これを設定値提供サーバ200に送信する。また、この際、術者は術者自身の氏名を他の登録ユーザに公開しても良いかどうかの選択が行われる。この選択結果は設定値情報の「データ公開の可否情報」として設定値サーバ200に送信される。
【0030】
設定値提供サーバ200による推奨値の算出は、以下の手順によって行われる。
【0031】
まず、第1推奨値の算出手順につき説明する。電子内視鏡装置100の術者の操作によって第1推奨値の提供がリクエストされる(図6)と、電子内視鏡装置100は、術者のユーザID、電子内視鏡110の機種IDを設定値提供サーバ200に送信する。なお、電子内視鏡110の機種IDは、電子内視鏡110に内蔵されているEEPROM内に記憶されており、電子内視鏡装置100はEEPROMに記憶されている機種IDを読み取り、これを設定値提供サーバ200に送信する。
【0032】
設定値提供サーバ200の設定値演算ユニット220は、最初に、受信した機種IDと一致する設定値情報を全て抽出する。次いで、設定値の項目(輝度調整値、γ値調整値、エンハンスレベル、カラーバランス補正値)ごとに、設定値のヒストグラムを演算する。この時、評価点を用いてヒストグラムの重み付けを行う。すなわち、評価が低い、すなわち評価点が1であるような設定値情報は−1回とカウントし、また、評価が高い、すなわち評価点が3であるような設定値情報は2回とカウントする。
【0033】
また、輝度調整値のように、設定値の範囲が広い(例えば−128〜127)範囲をとりうるものについては、一定の範囲ごとに設定値をグループ化した上でヒストグラムを作成する。すなわち、例えば輝度調整値については、設定値が−128〜−97、−96〜−65、−64〜−33、−32〜−1、0〜+31、+32〜+63、+64〜+95、+96〜+127、をとるものを夫々1グループとし、グループ毎に頻度をカウントする。
【0034】
このように、ヒストグラムを作成したうえで、設定値の項目のそれぞれについて、最も頻度の高い設定値を推奨する設定値として選択する。例えば、設定値情報のサンプル数が100で、輝度調整値が下記の表1に示すような分布を示している場合は、輝度調整値−64〜−33が推奨する設定値として選択される。なお、実際の推奨設定値は、−64〜−33の中間である−48となる。
【0035】
【表1】


【0036】
以上算出された推奨設定値は、第1推奨値として電子内視鏡装置100に送信される。なお、評価点による重み付けを行わず、頻度のみで第1推奨値を決定しても良い。
【0037】
以上算出された第1推奨値は、複数の電子内視鏡装置100の使用者全員の設定値に基づいて算出されるものである。したがって、この第1推奨値には術者の嗜好などが考慮されていない。そこで、術者が過去に送信した設定値に基づいて、サーバ200は第2推奨値を算出し、これを子内視鏡装置100に送信する。具体的には、ストレージ220内に保存された設定値情報のうち、設定値の推奨値の提供をリクエストした術者のユーザID及びこの術者が使用している電子内視鏡110の機種IDを有する物を全て抽出する。次いで、抽出した設定値情報のうち重み付け後の頻度がもっとも大きい設定値情報を第2推奨値とする。 以上の手順にて決定した第2推奨値は、電子内視鏡装置100に送信される。これらの第1、第2推奨値は図7の設定値確認画面に表示されることになる。なお、この内視鏡110について術者が評価を行っていない場合、又は評価点が3であるような設定値が存在しない場合は、第2推奨値の算出を行わない。この場合には図7の第2推奨値の表示エリアには設定値は表示されず、また、図7の「第2推奨値を使用」「第2推奨値に基づいて手動修正」ボタンは操作できないようになる。
【0038】
本実施形態の電子内視鏡システム1は、術者が他の術者の設定値を閲覧する為の設定値閲覧機能を有する。術者が電子内視鏡装置100を操作して所望の術者の氏名を入力してこの術者の設定値の取得をリクエストすると、電子内視鏡装置100からその術者の氏名が設定値提供サーバ200に送信される。設定値提供サーバ200は、受信した術者の氏名を用いてストレージ220内に記憶された登録情報を検索し、その術者のユーザIDを特定する。さらに、このユーザIDを含み、且つ「データ公開の可否情報」において設定値と術者氏名の公開が許可されているような設定値情報を抽出する。
【0039】
次いで、設定値提供サーバ200、この抽出した設定値情報のうち、所定の条件(例えば1ヶ月以内に評価された設定値である、又は評価点が3の設定値である、等)に合致したものを選択し、これを電子内視鏡装置100に送信する。電子内視鏡装置はこの設定値情報を受信すると、その内容(設定値及び評価点)をモニタに表示する。これによって、術者は他の術者の設定値およびその設定値に対する評価を知ることができ、この設定値を参考にして、設定値を適宜調整することができる。
【0040】
以上のように、本実施形態の構成によれば、電子内視鏡装置100の術者は、適切な設定値を設定値提供サーバ200から取得する、及び/または他の術者による設定値を閲覧することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態のシステムを電子内視鏡110や電子内視鏡装置100のフィールドテストに使用することも可能である。このシステムをフィールドテストに使用することによって、多数の術者による設定値と評価値とを速やかに集めることが可能となり、この結果から最適な設定値を算出することができる。この結果得られた設定値を電子内視鏡110のEEPROMに記憶させておくことによって、電子内視鏡装置100を設定値提供サーバ200に接続しない、スタンドアロンの状態で使用する場合であっても、適切な設定値が選択されることになる。
【0042】
なお、本実施形態においては、機種IDは電子内視鏡装置に接続されている電子内視鏡の機種IDであるが、この代わりに電子内視鏡装置の機種IDを用いてもよく、また、電子内視鏡装置の機種IDとこの電子内視鏡装置に接続されている電子内視鏡の機種IDの双方を設定値提供サーバに送信する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態の電子内視鏡システムの全体を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の設定値提供サーバのブロック図である。
【図3】設定値提供サーバに記憶されている設定値情報の一例である。
【図4】電子内視鏡装置のモニタに表示されるログイン画面の一例である。
【図5】電子内視鏡装置のモニタに表示されるユーザ登録画面の一例である。
【図6】電子内視鏡装置のモニタに表示される自動設定選択画面の一例である。
【図7】電子内視鏡装置のモニタに表示される設定確認画面の一例である。
【図8】電子内視鏡装置のモニタに表示される設定値入力画面の一例である。
【図9】電子内視鏡装置のモニタに表示される評価入力画面の一例である。
【符号の説明】
【0044】
1 電子内視鏡システム
100 電子内視鏡装置
110 電子内視鏡
120 電子内視鏡用プロセッサ
200 設定値提供サーバ
210 設定値演算ユニット
220 ストレージ
230 ネットワークアダプタ
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平


【公開番号】 特開2008−12180(P2008−12180A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188435(P2006−188435)