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【発明の名称】 磁気共鳴イメージング装置
【発明者】 【氏名】一関 佑一

【要約】 【課題】オペレータに対して操作上のストレスを少なくし、オペレータ毎に適した操作環境を提供できる磁気共鳴イメージング装置の実現を目的とする。

【構成】被検体の画像を生成する磁気共鳴イメージング装置1であって、前記磁気共鳴イメージング装置1は、撮影装置本体2と、前記撮影装置本体2に接続する制御装置3と、前記制御装置3に接続する操作部4及び表示部5と、を有し、前記操作部4の操作のパターン設定をオペレータ毎に変更可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記磁気共鳴イメージング装置は、
撮影装置本体と、前記撮影装置本体に接続する制御装置と、前記制御装置に接続する操作部及び表示部と、
を有し、
前記操作部の操作のパターン設定をオペレータ毎に変更可能な、
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記制御装置に記憶されたオペレータ毎の前記操作部の操作のパターン設定についてのデータに基づいた前記操作部の操作により前記被検体の画像が生成される請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記操作部の操作についての情報は、前記制御装置の制御により前記表示部に表示される請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記オペレータが前記磁気共鳴イメージング装置を操作する上で必要な前記操作部の操作についての情報のみが前記表示部に表示される請求項2または請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記オペレータが前記磁気共鳴イメージング装置を操作する上での重要度に応じて、前記表示部に表示される前記操作部の操作についての情報の配列を変更する請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記操作部の操作についての情報は、前記オペレータが前記磁気共鳴イメージング装置を操作する上で参照するべき情報である請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記磁気共鳴イメージング装置は前記制御装置に接続する音声出力部を有し、前記操作部の操作についての情報は、前記表示部に表示されることに代えて、または、前記表示部に表示されるとともに、前記制御装置の制御により前記音声出力部に音声出力される請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記操作部の操作パターンに基づいた前記操作部の操作に対応して、前記表示部に表示される前記被検体の撮影画像が変化する請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
前記制御部は、オペレータが前記操作部に入力した情報に基づき、前記オペレータを識別する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
前記制御部は、オペレータが前記操作部に入力した情報に基づき、被検体の画像のデータの転送先を変更する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置に関するものである。また、本発明はオペレータの操作環境を改善できる磁気共鳴イメージング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング装置などの画像診断装置は、被検体の断層面についてのスライス画像を撮影する装置として知られており、医療用途、産業用途などのさまざまな分野において利用されている。
【0003】
たとえば、磁気共鳴イメージング装置を用いてスライス画像を撮像する際においては、まず、静磁場が形成された空間内に被検体を収容し、生体である被検体内のプロトン(proton)のスピンの方向を、静磁場の方向へ整列させて、磁化ベクトルを得た状態にする。その後、RFコイルから共鳴周波数の電磁波を被検体に照射することにより、核磁気共鳴現象を発生させて被検体のプロトンの磁化ベクトルを変化させる。そして、磁気共鳴イメージング装置は、元の磁化ベクトルへ戻る被検体のプロトンからの磁気共鳴信号をRFコイルで受信し、その受信した磁気共鳴信号に基づいてスライス画像を生成する(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−165775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、磁気共鳴イメージング装置は、撮影装置本体と、撮影装置本体に接続する制御装置と、制御装置に接続する操作部及び表示部などをその構成に含んでいる。
【0006】
撮影装置本体は、被検体が乗せられるテーブルと、被検体に磁場を印加する磁石を格納しているガントリと、を主要部分としている。制御装置は、以下のように撮影装置本体の制御を主に行う。そして、操作部は、キーボードやマウスなどからなっており、オペレータにより磁気共鳴イメージング装置の操作上必要な情報を入力する。また、表示部は、ディスプレイからなっており、撮影装置本体が撮影した被検体のスライス画像や、オペレータが磁気共鳴イメージング装置を操作する上で、必要な操作部の操作についての情報を表示する。
【0007】
撮影装置本体により被検体の撮影を行う際には制御装置により、ガントリ内の勾配コイルに被検体のスライス選択方向に勾配磁場を印加する制御や、同ガントリ内のRFコイルが被検体に共鳴周波数の電磁波を照射し、被検体のプロトンからの共鳴磁気信号を受信する制御が行われる。制御装置は、そのための制御データを勾配コイルやRFコイルに送る。
【0008】
なお、制御データは、磁気共鳴イメージング装置のオペレータが操作部において、被検体の撮影部位を指定することにより制御装置内のコンピュータが計算して算出する。表示部は、RFコイルが受信した共鳴磁気信号が制御装置によりエンコードされることにより得られた被検体のスライス画像を表示する。
【0009】
以上の構成からなる従来の磁気共鳴イメージング装置には例えば以下のような問題があった。
まず、磁気共鳴イメージング装置を使用して、被検体の断層面についてのスライス画像を撮影する場合は、通常は被検体の複数個所のスライス画像を撮影する。そのとき、撮影に先立って、被検体のスライス計画の情報が表示部において自動的に表示される。そして、オペレータがその情報の確認を行った後、操作部を操作して撮影開始の指示を出すと、制御装置はスライス計画にしたがって被検体のスライス画像撮影の制御を撮影装置本体に対して行う。
【0010】
かかる表示部におけるスライス計画の情報の表示は、撮影に先立って、画一的に行われるものであり、熟練者のオペレータにとってはスライス計画を概ね理解しているので、表示部におけるスライス計画の情報の表示は不要である場合が多い。また、スライス計画の情報の表示している間の時間はタイムロスになり、迅速な撮影に支障をきたす場合もあった。
【0011】
スライス計画にしたがって被検体のスライス画像の撮影を行う場合は、勾配磁場を印加する制御や、RFコイルが被検体に共鳴周波数の電磁波を照射し、被検体のプロトンからの共鳴磁気信号を受信する制御が行われることにより、撮影が行われるが、その過程において表示部に、オペレータが操作をすべき情報の項目が順次表示されることになる。オペレータはそれらの情報の項目にしたがって、操作部の操作を行う。
【0012】
その際、初心者のオペレータに対して、表示部にこれから操作部の操作をする上での情報を目立たせる表示や、別途設けられた音声出力装置において音声ガイダンスを流すこともできる。しかし、熟練者のオペレータにとってはそのような表示や音声ガイダンスは不要であり、かえって操作部の操作上煩わしい場合も多い。
【0013】
また逆に、磁気共鳴イメージング装置の操作は煩雑である場合もあり、表示部にオペレータが操作部の操作をすべき情報の項目が余りに多数あると、初心者のオペレータにとっては、どの項目が操作部の操作上重要な項目であるかの判断が困難であり、操作に戸惑う場合もある。
【0014】
スライス計画にしたがって、被検体のスライス画像の撮影が行われると、撮影が完了したスライス画像が表示部において表示される。ここで、オペレータは表示部において表示されたスライス画像の明るさやサイズの変更を行って、読影しやすいように、操作部の操作を行う。例えば、キーボードに数値を入力して、画像の明るさやサイズの指定をする。もしくは、表示部の表示画面上に表示されたメニューのタイトル上でマウスのボタンをクリックしたまま、マウスを滑らして画像の明暗や、画像のサイズの大小を変化させる。
【0015】
しかし、画像の明るさやサイズの指定を行う場合、マウスを滑らすべき方向などが既に画一的に決まっているので、オペレータはその決まった方向にマウスを滑らす必要があり、オペレータによっては、操作上違和感を覚える場合もあった。すなわち、操作部を操作する上でその操作パターン(ここでは、画像の明るさやサイズを指定するという機能を実現するために必要なマウスを動かす方向のパターン。)の設定が画一的に決まっているためである。
【0016】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、オペレータに対する操作上のストレスを少なくし、オペレータ毎に適した操作環境を提供できる磁気共鳴イメージング装置の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明は、被検体の画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、前記磁気共鳴イメージング装置は、撮影装置本体と、前記撮影装置本体に接続する制御装置と、前記制御装置に接続する操作部及び表示部と、を有し、前記操作部の操作のパターン設定をオペレータ毎に変更可能である。
【0018】
そのために、本発明の磁気共鳴イメージング装置は、前記制御装置に記憶されたオペレータ毎の前記操作部の操作のパターン設定についてのデータに基づいた前記操作部の操作により前記被検体の画像が生成される。
【0019】
前記操作部の操作についての情報は、前記制御装置の制御により前記表示部に表示される、ようにしてもよい。
【0020】
好ましくは、前記オペレータが前記磁気共鳴イメージング装置を操作する上で必要な操作パターンについての情報のみが前記表示部に表示される。
【0021】
より好ましくは、前記オペレータが前記磁気共鳴イメージング装置を操作する上での重要度に応じて、前記表示部に表示される前記操作部の操作についての情報の配列を変更する。
【0022】
また、前記操作部の操作についての情報は、前記オペレータが前記磁気共鳴イメージング装置を操作する上で参照するべき情報である。
【0023】
さらに、前記磁気共鳴イメージング装置は前記制御装置に接続する音声出力部を有し、前記操作部の操作についての情報は、前記表示部に表示されることに代えて、または、前記表示部に表示されるとともに、前記制御装置の制御により前記音声出力部に音声出力される。
【0024】
また、前記操作部の操作パターンに基づいた前記操作部の操作に対応して、前記表示部に表示される前記被検体の撮影画像が変化する、ようにする。
【0025】
本発明の磁気共鳴イメージング装置は、前記制御部は、オペレータが前記操作部に入力した情報に基づき、前記オペレータを識別する。
【0026】
また、本発明の磁気共鳴イメージング装置は、前記制御部は、オペレータが前記操作部に入力した情報に基づき、被検体の画像のデータの転送先を変更する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の磁気共鳴イメージング装置によれば、オペレータ毎に適した操作環境を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る1実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。
図1は磁気共鳴イメージング装置1の構成を示したものである。
図1に示した磁気共鳴イメージング装置1は、電波シールドされた撮影室101に設置された撮影装置本体2と、撮影室101外に設置された制御装置3と、操作部4と、表示部5と、を構成機器としている。
【0029】
撮影装置本体2は、被検体が乗せられるテーブルと、被検体に磁場を印加する磁石を格納しているガントリを有している。制御装置3は、撮影装置本体2により被検体の撮影を行う際に、ガントリ内の勾配コイルに被検体のスライス選択方向に勾配磁場を印加する制御や、同ガントリ内のRFコイルが被検体に共鳴周波数の電磁波を照射し、被検体のプロトンからの共鳴磁気信号を受信する制御、その他の情報処理を行う。
【0030】
操作部4は、キーボードやマウスなどの入力機器によりに構成されている。そして、操作部4はそのため制御データを制御装置3に送る。制御データは、磁気共鳴イメージング装置1のオペレータが操作部4において被検体の撮影部位等を指定することにより制御装置3のコンピュータが計算して算出する。表示部5は、液晶ディスプレイなどの表示装置により構成されている。表示部5は、RFコイルが受信した共鳴磁気信号が制御装置3によりエンコードされることにより得られた被検体のスライス画像を表示する。また、表示部5はオペレータが磁気共鳴イメージング装置を操作する上で必要な操作部4の操作についての情報を表示する。
【0031】
図2は、図1に示した磁気共鳴イメージング装置1の撮影装置本体2、制御装置3、操作部4、表示部5における互いの接続関係を示すものである。
撮影装置本体2は、制御装置3と互いに接続している。制御装置3は撮影装置本体2に対して、ガントリ内の勾配コイルに被検体のスライス選択方向に勾配磁場を印加、及び、同ガントリ内のRFコイルが被検体に共鳴周波数の電磁波を照射、についての制御データを送る。そして、撮影装置本体2は制御装置3に対して被検体のプロトンからの共鳴磁気信号の受信データを送る。
【0032】
また、制御装置3には操作部4が接続する。これにより、操作部4は制御装置3に対してオペレータが指定する被検体の撮影部位の情報、その他の情報を送ることができる。そして、制御装置3には表示部5が接続する。これにより、制御装置3が作動し、RFコイルが受信した共鳴磁気信号を制御装置3のコンピュータがエンコードされることにより得られた信号が表示部5に対して送られ、表示部5には、被検体のスライス画像が表示される。
【0033】
ここで、制御装置3は、演算部6と、演算部6に接続する記憶部7と、を有している。なお、演算部6と記憶部7は、通常の電子計算機が有する演算部と記憶部と同様の原理で動作する。かかる構成により、上記制御やエンコード、及びその他の情報処理を行うことができるようになる。
【0034】
また、制御装置3には、スピーカなどからなる音声出力部8が接続されている。これにより、制御装置3の演算部6と記憶部7とが共同して作動することにより、所定の音声を音声出力部8により出力させることができる。さらに、制御装置3には、通信回線9が接続されている。これにより、制御装置3の演算部6の制御にしたがって、記憶部7に記憶されたデータを他の制御装置や電子計算機に送信したり、他の制御装置や電子計算機からのデータを制御装置3が受信することができるようになる。
【0035】
磁気共鳴イメージング装置1は、操作部4の操作に基づいて、被検体の画像を生成し、生成した画像を表示部5に表示する。本発明においては、操作部4の操作のパターン設定をオペレータ毎に変更できるようにしている。
【0036】
具体的な例を挙げて説明する。
図1に示した磁気共鳴イメージング装置1のオペレータを甲、乙、丙の三者とする。ここで、オペレータ甲は熟練者とし、オペレータ乙とオペレータ丙は初心者とする。
【0037】
図2に示した制御装置3内の記憶部7には、オペレータ甲、乙、丙のそれぞれについての操作部4における操作のパターン、及び、表示部5の表示態様のデータが記憶されている。例えば、図3に示したようなデータの配列を記憶部7に記憶させる。
【0038】
図3で示したデータの配列の横方向においては、オペレータ名の項目、操作部4の操作のパターンの項目、及び、表示部5の表示態様の項目、の3つの項目についての凡例が示されている。
そして、オペレータ名の項目には、甲、乙、丙の3名が登録されている。図3で示したデータの配列の縦方向においては、上記操作部4の操作のパターンの項目、及び、表示部5の表示態様の項目についての甲、乙、丙の3名についてのパターンが登録される。
【0039】
すなわち、操作部4の操作のパターンの項目には、甲についてはパターンA,乙についてはパターンB,丙についてはパターンCが登録されている。また、表示部5の表示態様の項目には、甲についてはパターンX,乙についてはパターンY,丙についてはパターンZが登録されている。なお、パターンA,B,C,X,Y,Zの具体的な内容については後述する。
【0040】
磁気共鳴イメージング装置1の操作を行う場合は、オペレータは操作部4を操作して、制御装置3の演算部6が記憶部7に記憶されたデータに基づいてオペレータを認識できるようにする。こうすることで、制御装置6は認識したオペレータについての記憶部7に登録された情報を参照できるようになる。
制御装置3の演算部6が磁気共鳴イメージング装置1を操作するオペレータを認識した後、実際の被検体の画像の生成が開始される。
【0041】
ここで、磁気共鳴イメージング装置1を用いて被検体を本スキャンする前に、本スキャンを実施するスライス位置を決定するために、位置決めスキャンを事前に実施して、位置決め画像を生成し表示部5に表示する。
【0042】
たとえば、被検体のアキシャル面とサジタル面とコロナル面とのスライスについての位置決め画像を生成して表示部5において表示する。そして、その位置決め画像をオペレータが観察し、操作部4を操作することにより本スキャンするスライス位置を設定する。そして、その設定した被検体のスライス位置について本スキャンを実施し、その本スキャンによって被検体から得られた磁気共鳴信号に基づいて、本スキャン画像を生成する。
【0043】
しかし、位置決めスキャンを実施して、本スキャンするスライス位置を再度設定することは、時間がかかり、例えば熟練者のオペレータ甲にとっては、それが不要な場合がある。そのため、制御装置3内の記憶部7に記憶された操作部4の操作のパターンの甲についてのパターンAでは、スライス位置を設定する項目を無くすことができる。また、表示部5の表示態様の甲についてのパターンXでは、位置決め画像を表示させる項目を無くすことができる。
【0044】
一方で、初心者のオペレータ乙、丙は、位置決めスキャンを実施して、本スキャンするスライス位置を設定することが必要となると考えられる。そのため、制御装置3内の記憶部7に記憶された操作部4の操作のパターンの乙、丙についてのパターンB,Cでは、スライス位置を設定する項目を設ける。また、表示部5の表示態様の乙、丙についてのパターンY,Zでは、位置決め画像を表示させる項目を設ける。
【0045】
本スキャンが実施されると、表示部5に被検体のスライス画像が表示される。図4に被検体のスライス画像が表示された表示部5の例を示した。図4の例では、被検体のスライス画像10と、スライス画像10の加工を行うためにいくつかの加工態様を示す複数のアイコン11a,11b,11c,11dが示されている。オペレータは表示部5に表示されたこれらのアイコンの情報を見ながら、操作部4の操作を行い画像の加工を行うことができる。この際、アイコン11は操作部4を操作する上で、オペレータが参照する操作部4の操作についての情報となる。
【0046】
例えば、アイコン11aは、表示画像の輝度値を調整する、ウインドウ値(WL:Window Level)のアイコンであり、アイコン11bは、ウインドウ値を中心とする階調の範囲を決定するウインドウ幅(WW:Window Width)のアイコンとすることができる。そして、アイコン11cは、スライス画像10が複数ある場合にそれらの画像を表示部5において表示する配列を決めるソーティングのアイコンとすることができる。また、アイコン11dは、後で説明するスライス画像10のデータを他の制御装置や電子計算機に転送するためのアイコンとすることができる。
【0047】
これらのアイコン11は、例えば、操作部4のマウスのカーソルを当該アイコン11上に持っていき、マウスのボタンを押した状態でマウスを滑らしたり、或いは、マウスのボタンを押すことにより、制御装置3の演算部6が情報処理を行い、機能させることができる。
【0048】
例えば、WLを調整するアイコン11aを機能させるために、操作部4の操作を行うことを考える。そのために、マウスのカーソルをアイコン11a上に持っていき、マウスのボタンを押した状態でマウスを滑らす。
【0049】
ここで、熟練者のオペレータ甲は、マウスを上側に滑らした場合にはスライス画像10の輝度がアップし、マウスを下側に滑らした場合には輝度がダウンするような、マウス操作のパターン設定を行うことができる。すなわち、図5(a)に示したように、マウス12を持った手13を奥側(上側)に動かした場合は、スライス画像10の輝度がアップし、図5(b)に示したように、手13を手前側(下側)に動かした場合は、スライス画像10の輝度がダウンするように、マウス操作のパターン設定をする。この設定を、制御装置3内の記憶部7に記憶された操作部4のマウスについての操作パターンの甲のパターンA中に設定する。
【0050】
初心者のオペレータ乙も、甲と同じような設定を希望する場合は、制御装置3内の記憶部7に記憶された操作部4のマウスについての操作方法の項目をパターンBに設けることができる。一方で、初心者のオペレータ丙については所望により、マウスを上側に滑らした場合にはスライス画像10の輝度がダウンし、マウスを下側に滑らした場合には輝度がアップするような、マウス操作のパターン設定を行うことができる。
【0051】
すなわち、図6(a)に示したように、マウス12を持った手13を奥側(上側)に動かした場合は、スライス画像10の輝度がダウンし、図6(b)に示したように、手13を手前側(下側)に動かした場合は、スライス画像10の輝度がアップするように、マウス操作のパターン設定をする。そのために、制御装置3内の記憶部7に記憶された操作部4のマウス操作のパターンの丙のパターンCにかかる設定を設けることができる。
【0052】
また、WWを調整するアイコン11bを機能させるために、操作部4の操作を行うことを考える。そのために、マウスのカーソルをアイコン11b上に持っていき、マウスのボタンを押した状態でマウスを滑らす。
【0053】
ここで例えば、熟練者のオペレータ甲は、マウスを上側に滑らした場合にはスライス画像10のWWが広くなり、マウスを下側に滑らした場合にはWWが狭くなるような、マウス操作のパターン設定を行うことができる。すなわち、図7(a)に示したように、マウス12を持った手13を奥側(上側)に動かした場合は、スライス画像10のWWが広くなり、図7(b)に示したように、手13を手前側(下側)に動かした場合は、スライス画像10のWWが狭くなるように、マウス操作のパターン設定をする。そのためには、制御装置3内の記憶部7に記憶された操作部4のマウス操作のパターンのパターンAにかかる設定についての項目を設けることができる。
【0054】
初心者のオペレータ乙も、甲と同じような設定を希望する場合は、制御装置3内の記憶部7に記憶された操作部4のマウス操作のパターンのパターンBにかかる設定についての項目を設けることができる。一方で、初心者のオペレータ丙は所望により、マウスを上側に滑らした場合にはスライス画像10のWWが狭くなり、マウスを下側に滑らした場合にはWWが広くなるような、設定を行うことができる。
【0055】
すなわち、図8(a)に示したように、マウス12を持った手13を奥側(上側)に動かした場合は、スライス画像10のWWが狭くなり、図8(b)に示したように、手13を手前側(下側)に動かした場合は、スライス画像10のWWが広くなるように、マウス操作のパターン設定をする。そのために、制御装置3内の記憶部7に記憶された操作部4のマウス操作のパターンのパターンCにかかる設定についての項目を設けることができる。
【0056】
図4の表示部5において、アイコン11の配列は、WLを調整するアイコン11a、WWを調整するアイコン11b、ソーティングのアイコン11c、データを転送するためのアイコン11dの順に表示部5の画面の上から並べて表示されている。これらのアイコンは、磁気共鳴イメージング装置1を操作する場合に、操作部4を操作するために必要な操作についての情報となる。
【0057】
しかし、熟練者のオペレータ甲は、ソーティングのアイコン11cやデータを転送するためのアイコン11dを使用する頻度が高く、これらのアイコン11c,11dが表示部5の上方に配列されていたほうが操作上都合の良い場合もある。
そこで、表示部5の表示態様の甲についてのパターンXには、かかる配列を有するアイコンが表示されるような項目を設けることができる。すなわち、図9(a)に示したように被検体のスライス画像10と、データを転送するアイコン11d,ソーティングのアイコン11c,WWを調整するアイコン11b,WLを調整するアイコン11aが上から順番に配列されているような表示部5の表示内容とすることができる。
【0058】
さらに、初心者のオペレータ乙、丙は磁気共鳴イメージング装置1の扱いに慣れておらず、被検体の撮影のみできれば足り、ソーティングのアイコン11cやデータを転送するためのアイコン11dを操作する必要が無い場合もある。このとき、必要が無いソーティングのアイコン11cやデータを転送するためのアイコン11dも表示部5に表示されたままでは、表示部5に多数のアイコン11が表示された状態となり、操作上混乱を招くような場合もある。
【0059】
そこで、磁気共鳴イメージング装置1を操作する上で最低限必要な操作部4の情報である、WLを調整するアイコン11a及びWWを調整するアイコン11bのみを表示部5に表示させるようにしてもよい。そのためには、表示部5の表示態様の乙、丙についてのパターンY,Zでは、アイコン11a,11bのみが表示されるような項目を設けることができる。すなわち、図9(b)に示したように被検体のスライス画像10と、WLを調整するアイコン11a,WWを調整するアイコン11bのみが配列されているような表示部5の表示内容とすることができる。
【0060】
以上説明した通り、磁気共鳴イメージング装置1を操作するオペレータには熟練者の甲、初心者の乙、丙がいる。磁気共鳴イメージング装置1の操作は複雑であるため、初心者のオペレータ乙、丙にとっては、操作上迷いが生ずる場合もある。
【0061】
そこで、磁気共鳴イメージング装置1を操作していく際に、表示部5にどのような操作を行うべきかを順次表示されるようにすることが望ましい場合もある。たとえば、図10に示したように、表示部5の画面上に操作すべき事項a,事項b,事項c,事項dが表示されたメニュー14a,14b,14c,14dを順次画面の上側から表示させ、かつ、現在行うべき操作事項(ここでは事項c)を強調するような表示をさせるようにする。現在行うべき操作事項が強調して表示されることで、初心者のオペレータ乙、丙であっても、操作上迷いが生じにくい。
【0062】
そのためには、表示部5の表示態様の乙、丙についてのパターンY,Zには、表示部5に操作すべき事項a,事項b,事項c,事項d等が表示され、かつ、現在行うべき操作事項が強調されるような項目を設けることができる。
【0063】
より具体的には、例えば図11に示したように、事項aは「スライス位置指定」とし、事項bは「位置決めスキャン開始」とし、事項cは「スライス位置再指定」とし、事項dは「本スキャン開始」とした、メニュー14a,14b,14c,14dを表示部5に順次画面の上側から表示させるようにする。そして、磁気共鳴イメージング装置1の操作を開始すると、操作部4の操作の進行状況にしたがって、メニュー14a,14b,14c,14dの順番に強調されるようにし、オペレータが操作部4を操作する上でのアシストとなるようにする。
【0064】
さらに、表示部5に操作すべき事項a,事項b,事項c,事項dを順次表示させるだけでなく、操作すべき事項が音声出力部8において音声出力されるようにすれば、さらに、初心者のオペレータ乙、丙にとって操作が行いやすい場合もある。
【0065】
そこで、操作すべき事項が表示部5に表示されることに代えて、音声出力部8に音声出力されるようにしてもよい。もちろん、操作すべき事項が表示部5に表示されるとともに、音声出力部8において音声出力されるようにしても一層分かりやすい場合もある。
【0066】
操作すべき事項を音声出力部8において音声出力させるようにするためには、図3に示した記憶部7に記憶されたデータの配列の横方向において、音声出力の有無を凡例として別途加える。そして例えば、乙、丙が操作すべき事項が音声出力されることを所望する場合は、音声出力の有無のパターンに、音声出力有とする項目を設ける。
【0067】
制御装置3には、通信回線9が接続されており、制御装置3の記憶部7に記憶されたデータを他の磁気共鳴イメージング装置の制御装置や電子計算機に対して送受信することができる。かかる送受信は例えば、図4の表示部5に表示されているデータを転送するためのアイコン11d上にマウスのカーソルを持っていき、マウスのボタンを押すことにより行うことができる。
【0068】
さらに、記憶部7に記憶されたデータを送受信する際の送受信先は、オペレータによって変更することができるようにする。データを送受信する際の送受信先の変更は、磁気共鳴イメージング装置の操作時に、操作部4のキーボードまたはマウスを操作することにより行うことができる。特に、磁気共鳴イメージング装置の設置されている病院の診察室の数が多い場合に、被検体の撮影部位に応じて診察室に設置された電子計算機を指定することができるようになる。これにより、診察室において撮影画像の照会を行いやすくなる。
【0069】
以上、磁気共鳴イメージング装置1の熟練者のオペレータ甲と、初心者のオペレータ乙、丙とが存在する場合の具体的な実施態様につき説明をおこなった。
【0070】
以上の通り、本発明の磁気共鳴イメージング装置では、操作方法をオペレータ毎に自由に変更させることができる。そのため、熟練者のオペレータも、初心者のオペレータも磁気共鳴イメージング装置を操作する上で、適した操作環境が提供される。これにより、オペレータは磁気共鳴イメージング装置を操作する上で、ストレスを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の磁気共鳴イメージング装置を示したものである。
【図2】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する機器の接続関係を示したものである。
【図3】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する制御装置内の記憶部に記憶されたデータの配列を示したものである。
【図4】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する表示部における表示内容を示したものである。
【図5】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する表示部における表示内容を示したものである。
【図6】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する表示部における表示内容を示したものである。
【図7】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する表示部における表示内容を示したものである。
【図8】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する表示部における表示内容を示したものである。
【図9】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する表示部における表示内容を示したものである。
【図10】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する表示部における別の表示内容を示したものである。
【図11】本発明の磁気共鳴イメージング装置を構成する表示部における別の表示内容を示したものである。
【符号の説明】
【0072】
1…磁気共鳴イメージング装置, 2…撮影装置本体, 3…制御装置, 4…操作部, 5…表示部, 6…演算部, 7…記憶部, 8…音声出力部, 9…通信回線, 10…スライス画像, 11…アイコン, 12…マウス, 13…手, 14…メニュー, 101…撮影室
【出願人】 【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100094053
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久


【公開番号】 特開2008−12116(P2008−12116A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187176(P2006−187176)