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【発明の名称】 携帯型内視鏡装置用の光源ユニット
【発明者】 【氏名】山▲崎▼ 正幸

【要約】 【課題】内圧上昇による光源ユニットの破損を防ぐとともに、光源ユニットの組立後の気密性を検査することができる携帯型内視鏡装置を提供する。

【構成】携帯型内視鏡装置を、内視鏡本体と、この内視鏡本体に着脱自在な光源ユニット4とから構成する。内視鏡本体と光源ユニット4は個別に気密構造になっている。光源ユニット4にバルブ機構50を設ける。このバルブ機構50は光源ユニット4の内圧上昇に伴って開状態になる。このバルブ機構50には、光源ユニット4の気密性の検査用の通気コネクタを接続することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡本体に着脱自在であって、気密なケース内にバッテリ及び光源を配し、前記光源が発した照明光を前記内視鏡本体に供給する携帯型内視鏡装置用の光源ユニットにおいて、
前記ケースの内部と外部とを連通する通気開口と、
前記通気開口を開閉し、前記ケースの内圧上昇時に開放されて前記ケース内のエアを外部に逃がす開閉バルブとを有することを特徴とする携帯型内視鏡装置用の光源ユニット。
【請求項2】
前記通気開口を前記ケースの外面側から塞ぐようにして前記開閉バルブを内方に向けて付勢する付勢部材と、前記開閉バルブの外面に設けられた突出部とを有し、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記突出部を外方に変位させて前記開閉バルブを開放する変位部を有する気密検査用の通気コネクタが接続可能であることを特徴とする請求項1記載の携帯型内視鏡装置用の光源ユニット。
【請求項3】
前記通気コネクタは筒状に形成されており、
前記ケースの外面には、前記通気コネクタの先端部を入り込ませて前記通気コネクタを前記ケースに対して位置決めするための、前記通気開口を囲むように形成された凹部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の携帯型内視鏡装置用の光源ユニット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡本体に着脱自在に装着されて内視鏡本体に照明光を供給する携帯型内視鏡装置用の光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
手軽に持ち運んで使用することができる携帯型内視鏡装置が知られている。この携帯型内視鏡装置は、内視鏡本体と、この内視鏡本体に着脱自在であって内視鏡本体に照明光を供給する光源ユニットとから構成される(例えば、特許文献1参照)。光源ユニットは交換可能なバッテリを内蔵している。バッテリとしては、リチウム電池などの2次電池が一般的に用いられている。
【0003】
携帯型内視鏡装置は、患者間での感染を防ぐために、使用後に洗浄及び消毒をすることが必要である。内視鏡本体と光源ユニットとが別体とされている状態であっても、洗浄及び消毒を行うことができるように、内視鏡本体と光源ユニットとは個別に気密構造になっている。
【特許文献1】特開2005−198981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光源ユニットに内蔵されたバッテリが過度に発熱した場合には、光源ユニットの内部の空きスペースが広くないため、光源ユニットの内圧が急激に上昇して光源ユニットが破損するおそれが生じる。特に、バッテリに外傷があるまま光源ユニットに挿入されたり、バッテリの挿入方向が間違っていたりした場合に、バッテリが過度に発熱しやすい。
【0005】
ところで、従来では、内視鏡本体には、内視鏡本体の気密性を検査するための通気部が設けられていたが、光源ユニットには、製造コストの関係上、通気部が設けられていなかった。このため、光源ユニットは、光源やレンズを組み込んだ後には気密性の検査を行うことができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、内圧上昇による破損を防ぐことができるとともに、組立後に気密性を検査することができる携帯型内視鏡装置用の光源ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、内視鏡本体に着脱自在であって、気密なケース内にバッテリ及び光源を配し、前記光源が発した照明光を前記内視鏡本体に供給する携帯型内視鏡装置用の光源ユニットに関し、前記ケースの内部と外部とを連通する通気開口と、前記通気開口を開閉し、前記ケースの内圧上昇時に開放されて前記ケース内のエアを外部に逃がす開閉バルブとを有することを特徴とする。
【0008】
前記通気開口を前記ケースの外面側から塞ぐようにして前記開閉バルブを内方に向けて付勢する付勢部材と、前記開閉バルブの外面に設けられた突出部とを有し、前記付勢部材の付勢力に抗して前記突出部を外方に変位させて前記開閉バルブを開放する変位部を有する気密検査用の通気コネクタが接続可能であることが好ましい。
【0009】
前記通気コネクタは筒状に形成されており、前記ケースの外面には、前記通気コネクタの先端部を入り込ませて前記通気コネクタを前記ケースに対して位置決めするための、前記通気開口を囲むように形成された凹部を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光源ユニットのケースの内圧が上昇した場合であっても、ケースに設けられた開閉バルブが開放されて圧縮エアが外部に逃げるため、光源ユニットが破損することが防止される。また、開閉バルブによって開閉される通気開口を利用して組立後の光源ユニットの気密性を検査することができる。気密性を検査するための通気部を新たに設ける必要がないことから、製造コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1に示すように、本発明の携帯型内視鏡装置2は、内視鏡本体3と、この内視鏡本体3に着脱自在な光源ユニット4とから構成される。内視鏡本体3には、光源ユニット4の替わりに、設置型の光源装置から延びるライトガイドケーブルを接続することも可能である。内視鏡本体3と光源ユニット4とは個別に気密構造になっている。
【0012】
内視鏡本体3は、挿入部5と、この挿入部5の後端に設けられた操作部6と、この操作部6の後端に設けられた接眼部7とから構成される。挿入部5は、体腔内に挿入される部位であり、細長な円筒状に形成されている。挿入部5内には、光源ユニット4が出射した照明光を導くためのライトガイドファイバ8が設けられている。ライトガイドファイバ8の一端部はライトガイド口金9に固定されており、他端部は挿入部5の先端部に設けられた図示しない照明窓に固定されている。光源ユニット4から出射した照明光は、ライトガイドファイバ8を介して照明窓から出射される。
【0013】
操作部6の側面には、ライトガイド口金9が突出して設けられており、このライトガイド口金9には光源ユニット4が着脱自在に接続される。また、操作部6の側面には、吸引口金10と、吸引ボタン11とが設けられている。吸引口金10に吸引装置に接続されたチューブを取り付けて、吸引ボタン11を操作することにより、体腔内の液体などの吸引排出を行うことができる。
【0014】
操作部6の中央部位は、操作者に把持される把持部12になっている。操作部6の前部には、鉗子が挿入される鉗子挿入口13が設けられている。鉗子挿入口13は通常は鉗子栓で閉じられている。操作部6の後部には、通気口14が設けられている。この通気口14は、内視鏡本体の気密性を検査するために用いられる開口であり、通常は栓で閉じられている。
【0015】
図2に示すように、ライトガイド口金9は、筒状の接続口金20を有しており、この接続口金20の外周面には固定環21が固定されている。接続口金20の内部にはライトガイドファイバ8が配されており、接続口金20の先端部には集光レンズ22が組み込まれている。ライトガイドファイバ8は集光レンズ22の端面に突き当てて配置される。固定環21の外周面には雄ネジ21aが形成されている。
【0016】
光源ユニット4は、筒状のユニット本体26を有している。ユニット本体26の内部には、光源となるLED27が配されている。このLED27が発した照明光は、集光レンズ28によって集光されて光出射口29から出射される。以下では、光出射口29が形成された側を先端側として説明を行う。
【0017】
ユニット本体26の先端部の外周面には、ユニット本体26に対して回転自在な接続環31が設けられている。接続環31の内周面には雌ネジ31aが形成されており、この雌ネジ31aは、ライトガイド口金9の固定環21の雄ネジ21aに螺合する。ユニット本体26の先端部の外周面にはパッキン32が配されている。このパッキン32により、光源ユニット4とライトガイド口金9とが接続されたときに、集光レンズ22,28間に形成される空間が気密になる。
【0018】
ユニット本体26の後部には交換可能なバッテリ33が配される。バッテリ33は底カバー34に保持され、この底カバー34は、バッテリ33を保持したままユニット本体26に着脱自在である。底カバー34の先端部の外周面には雄ネジ34aが形成されており、ユニット本体26の後端部の内周面には雌ネジ26aが形成されている。底カバー34を回転させて底カバー34の雄ネジ34aをユニット本体26の雌ネジ26aに螺合させることにより、バッテリ33を保持した底カバー34をユニット本体26に装着することができる。ユニット本体26にはパッキン41が設けられており、底カバー34をユニット本体26に装着すると、パッキン41の働きによりユニット本体26の底面が気密に塞がれる。ユニット本体26と底カバー34とが、光源ユニット4のケースを構成している。
【0019】
ユニット本体26の内部には摺動板35が設けられており、この摺動板35はガイド筒36にガイドされて移動自在である。摺動板35には導通板37が設けられており、この導通板37に電極片39が設けられている。電極片39は、摺動板35に形成された孔から突出している。ガイド筒36の底部には接点片40が設けられている。ガイド筒36の内部には圧縮バネ38が配されており、この圧縮バネ38によって、摺動板35は接点片40から離れる方向に向かって付勢されている。
【0020】
バッテリ33を保持する底カバー34をユニット本体26に装着し、この状態から底カバー34をさらに回転させることにより、バッテリ33の電極が導通板37に接触して、電極片39が接点片40に接触する。これにより、バッテリ33とLED27とを含んで構成されている電気回路が閉状態になり、バッテリ33からLED27に電力が供給されてLED27が発光する。ユニット本体26内において、バッテリ33が配された空間と、LED27が配された空間とは連通している。
【0021】
ユニット本体26にはバルブ機構50が設けられている。図3に示すように、バルブ機構50は、ユニット本体26に形成された通気開口51を開閉する円板状の開閉バルブ52を有している。開閉バルブ52の内面側には、受け板53と、この受け板53と開閉バルブ52とを連結する連結棒54とが設けられている。連結棒54には圧縮コイルバネ55が巻き付けられており、圧縮コイルバネ55の一端部が受け板53に接触し、他端部がユニット本体26の内面に接触する。
【0022】
圧縮コイルバネ55の付勢力によって、開閉バルブ52は、ユニット本体26の外面に設けられた溝部56に入り込んで通気開口51を塞ぐ閉じ位置と、この閉じ位置よりも外方に移動して通気開口51を開放する開き位置との間で移動する。
【0023】
開閉バルブ52の外面側には、通気コネクタ60が接続される突起部57が設けられている。この突起部57は開閉バルブ52の外面から突出するようにして設けられている。突起部57の先端部は円柱状に形成されており、この先端部の外周面には雄ネジ57aが形成されている。
【0024】
通気コネクタ60は、光源ユニット4の気密性を検査する際に、光源ユニット4に装着されて使用される。通気コネクタ60を介して光源ユニット4内にエアを送り込み、光源ユニット4の内圧の時間的な変化を調べることにより、気密性を検査することができる。
【0025】
通気コネクタ60は、固定筒61と、この固定筒61に対して回転自在な回転筒62とから構成される。固定筒61の一端部に回転筒62が設けられ、固定筒61の他端部にエアチューブ63が取り付けられている。このエアチューブ63は、コンプレッサと圧力センサとを有する図示しない検査装置に接続されている。検査装置のコンプレッサで生成された圧縮エアがエアチューブ63に送り込まれ、検査装置の圧力センサで圧力変化が検出される。
【0026】
回転筒62の先端部64は薄肉の円筒形状であり、基端部は厚肉の円筒形状である。基端部の内周面には雌ネジ(変位部)62aが形成されており、この雌ネジ62aは、突起部57の雄ネジ57aに螺合する。ユニット本体26の外周面には、通気開口51を円状に囲うようにして凹部58が形成されている。この凹部58にはパッキン59が嵌め込まれている。凹部58には、回転筒62の先端部64が入り込む。
【0027】
以下、上記構成による作用について説明する。図4に示すように、光源ユニット4をライトガイド口金9に押し当てて接続環31を固定環21に対して回転させることにより、光源ユニット4を内視鏡本体3に装着することができる。ユニット本体26に装着されている底カバー34を回転させると、LED27の電気回路が閉じてLED27が発光する。LED27からの照明光は、集光レンズ28,22によって集光されて内視鏡本体3のライトガイドファイバ8へと進行する。
【0028】
光源ユニット4は気密構造であるため、バッテリ33が過度に発熱した場合には光源ユニット4の内圧が外圧に対して上昇する。特に、バッテリ33に外傷があるまま装填したり、バッテリ33の挿入方向が間違っていたりした場合などには、バッテリ33が過度に発熱しやすい。
【0029】
本実施形態では、図5に示すように、光源ユニット4の内圧が上昇したときには、バルブ機構50の開閉バルブ52が圧縮コイルバネ55の付勢力に抗して閉じ位置から開き位置に移動し、通気開口51を開放する。これにより、光源ユニット4の内部の圧縮エアが外部へと逃げるため、光源ユニット4が破損することが防止される。光源ユニット4の内圧が外圧とほぼ同じ大きさになったときには、開閉バルブ52は圧縮コイルバネ55の付勢力によって開き位置から閉じ位置に移動し、通気開口51を気密に塞ぐ。
【0030】
バルブ機構50は、光源ユニット4の内圧が上昇したときにエアを外部に逃がす役割を果たすほかに、組立後の光源ユニット4の気密性を検査する際にエアを送り込むためのエア送入口としての役割も果たす。
【0031】
図6に示すように、通気コネクタ60の回転筒62の雌ネジ62aを、バルブ機構50の突起部57の雄ネジ57aに係合させて、回転筒62を突起部57に対して回転させると、やがて先端部64が凹部58に入り込んで先端部64がパッキン59に接触する。回転筒62を突起部57に対してさらに回転させると、突起部57が外方に移動し、この突起部57と共に開閉バルブ52が外方に移動する。開閉バルブ52は閉じ位置から開き位置に移動し、通気開口51が開放される。
【0032】
接続された通気コネクタ60及び開放された通気開口51を介して、光源ユニット4の内部に圧縮エアが送り込まれて光源ユニット4の内圧が所定の圧力に上昇されてから、光源ユニット4の内圧の時間的な変化が調べられる。所定時間が経過しても圧力の減少がない場合には光源ユニット4は気密性が十分であると判断され、所定時間が経過して一定以上の圧力の減少があった場合には光源ユニット4の気密性が十分でないと判断される。このようにして、光源ユニット4の気密性が検査される。
【0033】
本発明によれば、光源ユニット4の内圧が上昇した場合であっても、光源ユニット4に設けた通気開口51が開放されて圧縮エアが外部に逃げるため、光源ユニット4が破損することがない。また、通気開口51を利用して組立後の光源ユニットの気密性を検査することができる。通気開口51を、圧縮エアを外部に逃がすために用いるほかに、気密性の検査にも用いることができるため、製造コストを抑えることができる。
【0034】
上記実施形態では、開閉バルブ52に設けた突起部57に雄ネジ57aを形成するとともに通気コネクタ60の回転筒62に雌ネジ62aを形成して、回転筒62を回転させて突起部57を外方に移動させたが、突起部を外方に移動させることができる構成であればよく、ネジ構造によるものに限られない。例えば、通気コネクタに操作部材を設け、通気コネクタの接続後に、この操作部材を突起部に引っ掛けてから外方に移動させる構成であってもよい。
【0035】
上記実施形態では、光源ユニット4の外面に通気コネクタ60の先端部64が入り込む凹部58を形成したが、この凹部の替わりに、通気コネクタの先端部をガイドする凸状のガイド部を設けてもよい。
【0036】
上記実施形態では、内視鏡本体の一端部に接眼部を有する内視鏡装置を用いて説明を行ったが、固体撮像素子を用いて取得した画像データを無線通信によって外部の記録部に送信する形態の内視鏡装置にも、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】携帯型内視鏡を構成する内視鏡本体及び光源ユニットを示す外観図である。
【図2】光源ユニット及びライトガイド口金を示す断面図である。
【図3】バルブ機構及び通気コネクタを示す断面図である。
【図4】ライトガイド口金に接続された光源ユニットを示す断面図である。
【図5】開放されたバルブ機構を示す断面図である。
【図6】通気コネクタが接続されたバルブ機構を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
2 携帯型内視鏡装置
3 内視鏡本体
4 光源ユニット
50 バルブ機構
51 通気開口
52 開閉バルブ
57 突出部
58 凹部
60 通気コネクタ
61 固定筒
62 回転筒
62a 雌ネジ
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】フジノン株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100075281
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 和憲

【識別番号】100095234
【弁理士】
【氏名又は名称】飯嶋 茂

【識別番号】100117536
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英了


【公開番号】 特開2008−12096(P2008−12096A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186633(P2006−186633)