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【発明の名称】 コンソールの取付位置認識機構
【発明者】 【氏名】篠田 勝明

【要約】 【課題】コンソールの取付位置を変更した場合、変更したコンソールの取付位置を簡単な構造により確実に認識する。

【構成】コンソールの取付位置認識機構は、被検体が載置される天板2と駆動部により駆動される可動部とを有する医療機器における天板2の周囲に設けられ、可動部を操作する操作部8、9を有するコンソール11が着脱可能に取付けられる取付部12と、医療機器における取付部12に取付けられるコンソール11に対向する位置に配置され、コンソール11の取付位置に応じて異なる位置に設けられた複数の凹凸形状部12aと、コンソール11に設けられてコンソール11を取付部12に取付けた場合にいずれかの凹凸形状部12aに当接してオン・オフが切替えられる複数のスイッチ18、19、20、21と、スイッチ18〜21のオン・オフ切替えにより発生する信号を受信してコンソール11の取付位置を認識する取付位置認識部と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体が載置される天板と駆動部により駆動される可動部とを有する医療機器における前記天板の周囲に設けられ、前記可動部を操作する操作部を有するコンソールが着脱可能に取付けられる取付部と、
前記医療機器における前記取付部に取付けられる前記コンソールに対向する位置に配置され、前記コンソールの取付位置に応じて異なる位置に設けられた複数の凹凸形状部と、
前記コンソールに設けられ、このコンソールを前記取付部に取付けた場合にいずれかの前記凹凸形状部に当接してオン・オフが切替えられる複数のスイッチと、
前記スイッチのオン・オフ切替えにより発生する信号を受信することにより前記コンソールの取付位置を認識する取付位置認識部と、
を備えることを特徴とするコンソールの取付位置認識機構。
【請求項2】
前記取付部は直線状のレールであり、前記コンソールは前記レールの長手方向に沿ってスライド可能に取付けられていることを特徴とする請求項1記載のコンソールの取付位置認識機構。
【請求項3】
前記凹凸形状部は、前記レールにこのレールの長手方向と直交する向きの断面形状を変える形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のコンソールの取付位置認識機構。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器のコンソールの取付位置認識機構に関し、特に、必要に応じて取付位置を変更して使用されるコンソールの取付位置認識機構に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体が載置される天板と駆動部により駆動される可動部とを有し、天板の周囲にコンソールが取付けられ、コンソールに設けられている操作部を操作することにより可動部を駆動させて被検体への治療行為を行う医療機器において、コンソールの取付位置を必要に応じて変更する場合がある。変更されるコンソールの取付位置としては、「被検体の右側」、「被検体の左側」、「被検体の足側」、「被検体の頭側」である。コンソールが「被検体の右側」、「被検体の左側」、「被検体の足側」に位置する場合は、コンソールは天板の周囲に設けられているレール等に取付けられている。また、コンソールが「被検体の頭側」に位置する場合は、コンソールが移動可能な専用のコンソール設置台に取付けられ、このコンソール設置台が「被検体の頭側」に移動されている。
【0003】
取付位置を変更可能なコンソールを「被検体の右側」と「被検体の左側」とに取付けた場合、コンソールの操作部を同一方向に操作した場合であっても、コンソールを操作するオペレータから見た可動部の動作方向が、左右逆方向、又は、前後逆方向になる。この状態を放置すると、操作部の操作方向と可動部の動作方向とがオペレータの意識と逆方向になり、誤操作の原因になる場合がある。
【0004】
そこで、コンソールの取付位置を変更した場合には、コンソールに設けられている操作部の操作方向と、コンソールを操作するオペレータから見た可動部の動作方向とを一致させるための設定変更を手作業で行っている。
【0005】
しかし、この手作業による設定変更は手間と時間とがかかって煩雑である。また、設定変更を忘れる場合や、設定変更を間違える場合があり、そのような場合には、オペレータがコンソールの操作部を操作して可動部を駆動させた場合に、オペレータが意図しない方向に可動部が動作するという事態が発生する。
【0006】
そこで、特許文献1に記載されたように、コンソールの取付位置を変更する場合の手作業による設定変更の煩雑さをなくし、及び、設定変更を忘れたり設定変更を間違えるということを防止するため、コンソールの取付位置を変更した場合における設定変更を自動的に行えるようにした発明が知られている。
【0007】
特許文献1に記載された発明によれば、コンソール(操作パネル)を天板のガイドレールに取付けた場合に、コンソールに設けられた発信部とガイドレール側に設けられた受信部との間で信号の送受信が行われる。天板の周囲には複数個の受信部が配置されており、信号の送受信が行われた受信部がどれであるかを検知することにより、コンソールの取付位置が認識される。
【0008】
コンソールの取付位置が認識されると、認識された取付位置に応じ、コンソールの操作部を操作した場合における可動部の動作方向が制御回路により制御される。
【特許文献1】特開2002−119502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述の特許文献1に記載された発明においては、以下の点について配慮がなされていない。
【0010】
コンソールの取付位置の認識を、コンソールに設けられた発信部とガイドレール側に設けられた受信部との間で信号を送受信することにより行っているため、コンソールの取付位置に応じて複数の受信部を設ける必要があり、部品点数が増えるとともに構造が複雑になっている。
【0011】
また、発信部と受信部とが離間して配置され、その間で赤外線などによる通信を行う構造の場合には、発信部と受信部との間にゴミなどが入り込むと、送受信が妨げられてコンソールの取付位置を認識できなくなる場合がある。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、コンソールの取付位置を変更した場合、変更したコンソールの取付位置を簡単な構造により確実に認識することができるコンソールの取付位置認識機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施の形態に係る特徴は、コンソールの取付位置認識機構において、被検体が載置される天板と駆動部により駆動される可動部とを有する医療機器における前記天板の周囲に設けられ、前記可動部を操作する操作部を有するコンソールが着脱可能に取付けられる取付部と、前記医療機器における前記取付部に取付けられる前記コンソールに対向する位置に配置され、前記コンソールの取付位置に応じて異なる位置に設けられた複数の凹凸形状部と、前記コンソールに設けられ、このコンソールを前記取付部に取付けた場合にいずれかの前記凹凸形状部に当接してオン・オフが切替えられる複数のスイッチと、
前記スイッチのオン・オフ切替えにより発生する信号を受信することにより前記コンソールの取付位置を認識する取付位置認識部と、を備えることである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コンソールの取付位置を変更した場合におけるコンソールの取付位置の認識を、簡単な構造により確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態に係るコンソールの取付位置認識機構を図面を用いて説明する。医療機器であるX線診断装置1は、被検体Pが載置される天板2と、この天板2を支持するとともに移動させる寝台3と、天板2に載置された被検体Pに対してX線照射を行うX線管4と、被検体Pを透過したX線を検出するX線検出器5と、X線管4とX線検出器5とを保持する可動部6と、コンソール設置台7とを備えている。コンソール設置台7は、天板2上に載置された被検体Pの頭側となる位置に配置される。
【0016】
可動部6には、ステッピングモータ等の駆動部6aが連結されている。駆動部6aにより可動部6が駆動され、可動部6が駆動されることによりX線管4とX線検出器5とが天板2の長手方向に沿ってスライドし、又は、天板2の回りに回動する。
【0017】
X線診断装置1には、可動部6を操作する操作部8、9と、X線管4からX線を照射させるための操作部10と、その他の操作部(図示せず)とを備えたコンソール11が設けられている。
【0018】
コンソール11は、天板2の周囲に設けられた取付部である直線状のレール12、13、14、15のいずれかに着脱自在に取付けられている。レール12、13、14は天板2の縁部に固定され、レール15はコンソール設置台7に固定されている。レール12は、天板2上の被検体Pの右側に位置し、天板2の長手方向に沿って延出ている。レール13は、天板2上の被検体Pの左側に位置し、天板2の長手方向に沿って延出している。レール14は、天板2上の被検体Pの足側に位置し、天板2の長手方向と直交する向きに延出している。レール15は、天板2上の被検体Pの頭側に位置し、天板2の長手方向と直交する向きに延出している。
【0019】
レール12、13、14、15へのコンソール11の取付けは、コンソール11に設けられたフック形状の爪部16を、レール12、13、14、15の係合凹部17に係合させることにより行われている。コンソール11は、爪部16を係合凹部17に係合させた状態で、レール12、13、14、15の長手方向に沿ってスライド可能とされている。
【0020】
レール12、13、14は天板2の縁部に固定され、レール15はコンソール設置台7に固定されている。レール12は、天板2上の被検体Pの右側に位置し、天板2の長手方向に沿って延出ている。レール13は、天板2上の被検体Pの左側に位置し、天板2の長手方向に沿って延出している。レール14は、天板2上の被検体Pの足側に位置し、天板2の長手方向と直交する向きに延出している。レール15は、天板2上の被検体Pの頭側に位置し、天板2の長手方向と直交する向きに延出している。
【0021】
レール12、13、14、15には、凹凸形状部である凸部12a、13a、14a、15aが形成されている。これらの凸部12a、13a、14a、15aは、レール12、13、14、15の長手方向に沿ってレール12、13、14、15の全長に亘って形成され、かつ、レール12、13、14、15に取付けられたコンソール11に向けて突出する形状に形成されている。さらに、凸部12a、13a、14a、15aは、図3に示すように、個々のレール12、13、14、15において上下方向の異なる位置に形成されており、凸部12a、13a、14a、15aは、レール12、13、14、15の長手方向と直交する向きの断面形状を変える形状に形成されている。
【0022】
コンソール11には、コンソール11をレール12、13、14、15に取付けた場合、いずれかの凸部12a、13a、14a、15aに当接することによりオフからオンに切替えられる4つのスイッチ18、19、20、21が設けられている。図2はレール12にコンソール11を取付けた状態を示しており、凸部12aとスイッチ18とが当接し、スイッチ18がオンになっている。コンソール11をレール13に取付けた場合には、凸部13aとスイッチ19とが当接し、スイッチ19がオンになる。同様に、コンソール11をレール14に取付けた場合にはスイッチ20がオンになり、コンソール11をレール15に取付た場合にはスイッチ21がオンになる。
【0023】
図4は、X線診断装置1の制御系の回路構成を示すブロック図である。スイッチ18、19、20、21にはそれぞれ信号発生部18a、19a、20a、21aが接続され、これらの信号発生部18a、19a、20a、21aはスイッチ18、19、20、21がオンになった場合に信号を発生する。信号発生部18a、19a、20a、21aは取付位置認識部22に接続されている。取付位置認識部22は、どの信号発生部18a、19a、20a、21aから信号が入力されたかに基づき、コンソール11がどのレール12、13、14、15に取付けられたかを判断する。
【0024】
取付位置認識部22は、制御部23に接続されている。制御部23は、CPUやROM及びRAMを備えてX線診断装置1を全体として制御する部分であり、この制御部23には、取付位置認識部22に加え、操作部8、9、10が操作信号発生部8a、9a、10bを介して接続され、可動部6が駆動部6aを介して接続されている。さらに、制御部23には、X線管4、X線検出器5、X線検出器5が検出したX線による映像を表示するモニタ24等が接続されている。
【0025】
取付位置認識部22からの信号と、操作部8、9からの信号とが制御部23に入力されると、制御部23内において可動部6を駆動させるための演算が行われ、制御部23から駆動部6aに対して必要な信号が出力される。この場合、コンソール11がどのレール12、13、14、15に取付けられているかにより、操作部8、9の操作方向が同じであっても、可動部6の駆動方向が適宜変更される。この変更は、コンソール11を操作するオペレータから見た場合に、操作部8、9の操作方向と可動部6の駆動方向とが一致するように行われる。
【0026】
なお、制御部23と駆動部6aとの間、制御部23とモニタ24との間等は、有線により接続されていてもよく、又は、無線により接続されていてもよい。
【0027】
このような構成において、X線診断装置1では、コンソール11をいずれかのレール12、13、14、15に取付けて使用し、コンソール11に設けられている操作部8、9、10等を操作することにより、被検体Pに対するX線診断を行う。コンソール11をどのレール12、13、14、15に取付けるかは、X線診断装置1を設置する室内の間取り、使い勝手等により適宜変更することができる。
【0028】
コンソール11を取付けるレール12、13、14、15が変わると、それに伴ってオンになるスイッチ18、19、20、21が変わり、オンとなったスイッチ18、19、20、21に対応する信号発生部18a、19a、20a、21aから発生した信号が取付位置認識部22に入力される。この信号の入力によりコンソール11の取付位置が認識され、取付位置認識部22からの信号が制御部23に入力される。制御部23では、取付位置認識部22から入力されたコンソール11の取付位置を認識した信号を用い、さらに、操作部8、9から入力される信号を用いて可動部6を駆動させるための信号が生成される。
【0029】
したがって、コンソール11の取付位置を変更した場合におけるコンソール11の取付位置の認識を、各レール12、13、14、15に設けた凸部12a、13a、14a、15aと、コンソール11に設けた複数のスイッチ18、19、20、21とにより行うことができ、コンソール11の取付位置を認識するための構造を簡単な構造とすることができる。
【0030】
また、コンソール11をレール12、13、14、15に取付けることにより、いずれかのスイッチ18、19、20、21がいずれかの凸部12a、13a、14a、15aに当接してオンに切替わるため、コンソール11の取付位置を確実に認識することができる。
【0031】
さらに、コンソール11はレール12、13、14、15に沿ってスライド可能であり、コンソール11の取付位置の自由度をレール12、13、14、15の長手方向に沿った範囲に亘って広くすることができる。
【0032】
そして、凸部12a、13a、14a、15aがレール12、13、14、15の長手方向に亘って形成されているため、コンソール11の取付位置をレール12、13、14、15の長手方向に沿って変更した場合でも、取付位置を認識することができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、1つのX線診断装置1において、1つのコンソール11を使用する場合を例に挙げて説明したが、1つのX線診断装置1において2つのコンソール11を使用する場合も考えられる。例えば、一方のコンソール11を医師が操作し、他方のコンソールを技師が操作する場合等である。この場合にも、異なった位置に取付けられた個々のコンソール11の取付位置を、簡単な構造により確実に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るコンソールの取付位置認識機構を備えたX線診断装置を示す概略図である。
【図2】コンソールの取付状態を示す断面図である。
【図3】各レールごとに形成される凸部の位置を示す断面図である。
【図4】X線診断装置の制御系の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1 医療機器
2 天板
6 可動部
6a 駆動部
8、9 操作部
11 コンソール
12、13、14、15 取付部、レール
12a、13a、14a、15a 凹凸形状部
18、19、20、21 スイッチ
22 取付位置認識部
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
【識別番号】594164531
【氏名又は名称】東芝医用システムエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−11960(P2008−11960A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184201(P2006−184201)