| 【発明の名称】 |
X線CT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小川 美奈
【氏名】高橋 順
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| 【要約】 |
【課題】X線焦点調整作業を簡便化する。
【構成】X線管組立体はX線放射口に設けられるネジ穴をから前記X線管組立体の外部よりX線焦点を補正する偏向する電子軌道偏向手段を設ける。電子軌道偏向手段は、偏向コイル組21a, 22bと、偏向コイルから発生された磁束が通過する強磁性体41と、偏向コイル組21a, 21b及び強磁性体41をX線管組立体1に固定する固定部42, 43a, 43bとから成る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線を放射するX線管組立体と、このX線管組立体から放射されたX線が被検体を透過した透過X線量分布を検出すると共にこの検出信号を増幅するX線検出部とを有し、前記X線管とX線検出部とを対向させて被検体の周りに回転させるスキャナ回転部と、このスキャナ回転部のX線検出部からの出力信号を処理して診断部位の断層像を再構成する画像処理装置と、この画像処理装置からの出力信号を入力して断層像を表示する画像表示装置とを有するX線CT装置において、前記X線管組立体はX線放射口に設けられるネジ穴をから前記X線管組立体の外部よりX線焦点を補正する偏向する電子軌道偏向手段を設けたことを特徴とするX線CT装置。 【請求項2】 前記X線管組立体を固定する固定具をさらに設け、その固定具に接するように配置され前記前記X線管組立体を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とした請求項1に記載のX線CT装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、X線CT装置に関し、特にX線焦点軌道を移動させることが可能な工業用或いは医療用X線CT装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来のX線CT装置は、装置の組立時にX線管を搭載した際、また装置の保守時にX線管を交換した際、X線管の焦点位置を体軸方向又はスキャナ回転方向に調整する必要がある。この調整作業は、X線管位置を物理的に移動させねじで固定するという手動作業であり、移動毎にX線データを検出し、その検出されたX線データがその検出位置において最適値であるかどうか判断し移動量を調整するという煩雑な作業を実施していた。 【0003】 またX線焦点は、X線管内の陽極の熱膨張によって移動してしまうため、アーチファクトの一要因となる。X線焦点のずれの原因としては、他にスキャナ回転速度、焦点寸法、X線管出力などがあり、これら条件においてずれのない焦点に調整することは、例えば特許文献1〜3のように開示されている。ここでは、電子軌道の通過路に偏向コイルを配置して電場又は磁場を発生させ、電子ビームを偏向させることが開示されている。 【特許文献1】特開平4-141155号公報 【特許文献2】特開平6-38956号公報 【特許文献3】特開2002-238885号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記従来技術では、偏向コイルなどの偏向手段の具体的取り付け、保守方法について配慮されていない。 また、実際には偏向コイルからスキャナの周囲温度を上昇させ、CT計測に影響を与えるような熱量が発生するが、上記従来技術では、その発生された熱量の対策について配慮されていない。 【0005】 本発明の目的は、X線焦点調整作業を簡便化することを可能とするX線CT装置を提供することにある。 また、本発明のその他の目的は、X線焦点調整作業を行うX線偏向手段から発生される熱を冷却することを可能とするX線CT装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記目的は、X線を放射するX線管組立体と、このX線管組立体から放射されたX線が被検体を透過した透過X線量分布を検出すると共にこの検出信号を増幅するX線検出部とを有し、前記X線管とX線検出部とを対向させて被検体の周りに回転させるスキャナ回転部と、このスキャナ回転部のX線検出部からの出力信号を処理して診断部位の断層像を再構成する画像処理装置と、この画像処理装置からの出力信号を入力して断層像を表示する画像表示装置とを有するX線CT装置において、前記X線管組立体はX線放射口に設けられるネジ穴をから前記X線管組立体の外部よりX線焦点を補正する偏向する電子軌道偏向手段を設けたことで達成される。 【0007】 上記その他の目的は、前記X線管組立体を固定する固定具をさらに設け、その固定具に接するように配置され前記前記X線管組立体を冷却する冷却手段を設けたことで達成される。 【発明の効果】 【0008】 本発明によれば、X線焦点調整作業を簡便化することができる。 また、X線焦点調整作業を行うX線偏向手段から発生される熱を冷却することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 図1は、第1の例による電子軌道偏向手段及びX線CT装置の要部構成を示す。本例のX線CT装置は、X線管組立体1、電子軌道偏向手段、コリメータ、X線検出部、画像処理部とから成り、X線管10内陰極11に電子が発生し、電子軌道偏向手段によって発生する磁束の中を通過して、陽極12に衝突することでX線となり、そのX線はX線管組立体1の放射口、コリメータ及び被検体の診断部位を通過し、X線検出部に到達し、X線検出部に接続された画像処理部は、透過X線量分布から断層像を再構成して画像として表示する。 【0010】 前記X線管組立体1の外部には偏向コイル組21a, 21bを設けている。偏向コイル組21a, 21bはそれぞれボビン22a, 22bに巻線を収容し、これらボビン22a, 22bは固定部43a, 43bによってX線管組立体1に固定されている。この固定部43a, 43bはX線管組立体1の放射口にある既存ネジ穴を利用して取付けるようになっている。この放射口にあるネジ穴はX線管組立体1をスキャナに取付けるためのもので、本実施例においてはその既存ネジ穴を利用している。現行X線CT装置の動作、スペックに大きな変更がないよう、固定具43a, 43bは放射口を通過するX線の通路を遮ることなく、また薄い部材を用いる。偏向コイル組21a, 21bにはその中心部からX線組立体1の外円周上を覆うように強磁性体41が取付けられている。これは偏向コイル組21a, 21bで効率的に磁束を発生させる目的と、陽極回転駆動部のコイルに磁束が回り込まないよう磁束のルートをできるだけ限定するために用いている。陽極回転駆動部に回転駆動以外の磁束が加わると、意図している回転数が得られないばかりか、予期せぬ共振が発生し、陽極自体を破損する可能性がある。強磁性体41は例えばフェライトのような材質の強磁性体を用い、X線管組立体1を覆うような形状を単体で生成することが難しければ、細分化した部材を接着剤にて固定し意図する形状を成してもよい。固定具42は前記強磁性体41をX線管組立体1に固定するためのものである。 【0011】 図2は、偏向コイル組21a, 21bで発生する磁束の流れをわかりやすく示したものである。偏向コイル組21a, 22bにより、X線管10内部の陽極12と陰極11の間の電子軌道、そして強磁性体41を通過する経路で磁束が発生する。X線管10及びX線管組立体1がX線焦点31aを本来持っているとし、ここに偏向コイル組21a, 21bで図示した方向に磁束を加えることでX線焦点を31bに移動させることができる。すなわち、偏向コイル組21a, 21bに供給する電流の大きさや向きを変化させることにより、X線CT装置の体軸方向にX線焦点を補正できる。 【0012】 図3は、第2の例による電子軌道偏向手段及びX線CT装置の要部構成を示す。本例のX線CT装置は、第1の実施例による電子軌道偏向手段に冷却手段を追加した構成になっている。 強磁性体41をX線管組立体1に固定する固定具42に冷却手段51が取付けられ、スキャナの回転とともに風が冷却手段にあたり、強磁性体41を冷却することができる。偏向コイル21a, 21b及び強磁性体41での磁束生成に際し、双方より熱が発生するが、本実施例は第1の実施例だけで冷却が不十分な場合に対処したものである。 【0013】 図4は、第3の例による電子軌道偏向手段及びX線CT装置の要部構成を示す。本例のX線CT装置は、X線管組立体1、電子軌道偏向手段、コリメータ、X線検出部、画像処理部とから成り、X線管10内陰極11に電子が発生し、電子軌道偏向手段によって発生する磁束の中を通過して、陽極12に衝突することでX線となり、そのX線はX線管組立体1の放射口、コリメータ及び被検体の診断部位を通過し、X線検出部に到達し、X線検出部に接続された画像処理部は、透過X線量分布から断層像を再構成して画像として表示する。 【0014】 前記X線管組立体1の外部には偏向コイル組71a, 71bを設けている。偏向コイル組71a, 71bはそれぞれボビン72a, 72bに巻線を収容し、ボビン72aは固定部73a, 73bに固定されている。この固定部73a, 73bはX線管組立体1の放射口にある既存ネジ穴を利用して取付けられるようになっている。この放射口にあるネジ穴はX線管組立体1をスキャナに取付けるためのもので、本実施例においてはその既存ネジ穴を利用している。現行X線CT装置の動作、仕様に大きな変更がないよう、固定具73a, 73bは放射口を通過するX線の通路を遮ることなく、また薄い部材を用いる。偏向コイル組71a, 71bにはその中心部からX線組立体1の外円周上を覆うように強磁性体61が取付けられる。これは偏向コイル組71a, 71bで効率的に磁束を発生させる目的と、陽極回転駆動部のコイルに磁束が回り込まないよう磁束のルートをできるだけ限定するために用いている。陽極回転駆動部に回転駆動以外の磁束が加わることによる影響は既に第1の実施例にて説明済である。強磁性体61は例えばフェライトのような材質の強磁性体を用い、X線管組立体1を覆うような形状を単体で生成することが難しければ、細分化した部材を接着剤にて固定し意図する形状を成してもよい。固定具62は前記強磁性体61及びボビン72bをX線管組立体1に固定するためのものである。 【0015】 図5は、偏向コイル組71a, 71bで発生する磁束の流れをわかりやすく示したものである。偏向コイル組71a, 72bにより、X線管10内部の陽極12と陰極11の間の電子軌道、そして強磁性体61を通過する経路で磁束が発生する。X線管10及びX線管組立体1がX線焦点32aを本来持っているとし、ここに偏向コイル組71a, 71bで図示した方向に磁束を加えることでX線焦点を32bに移動させることができる。すなわち、偏向コイル組71a, 71bに供給する電流の大きさや向きを変化させることにより、X線CT装置のスキャナ回転方向にX線焦点を補正できる。 【0016】 図6は、第4の例による電子軌道偏向手段及びX線CT装置の要部構成を示す。本例のX線CT装置は、第3の実施例による電子軌道偏向手段に冷却手段を追加した構成になっている。 強磁性体61をX線管組立体1に固定する固定具62に冷却手段52が取付けられ、スキャナの回転とともに風が冷却手段にあたり、強磁性体61を冷却することができる。偏向コイル71a, 71b及び強磁性体61での磁束生成に際し、双方より熱が発生するが、本実施例は第3の実施例だけで冷却が不十分な場合に対処したものである。 【0017】 このように構成された電子軌道偏向手段をX線CT装置に設けることにより、時間を要する従来のようなX線焦点調整作業を簡便化し、現行装置のX線管組立体に電子軌道偏向手段を取り付けるだけでX線焦点を調整し、X線管組立体交換作業時の保守作業性を向上することができる。また陽極の熱伸びや焦点寸法、スキャナ回転速度による電子軌道の移動に対してもX線焦点を補正できる。 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】本実施形態のX線CT装置における電子軌道偏向手段の第1の例を示す図。 【図2】第1の例における磁束の流れを示す図。 【図3】本実施形態のX線CT装置における電子軌道偏向手段の第2の例を示す図。 【図4】本実施形態のX線CT装置における電子軌道偏向手段の第3の例を示す図。 【図5】第3の例における磁束の流れを示す図。 【図6】本実施形態のX線CT装置における電子軌道偏向手段の第4の例を示す図。 【符号の説明】 【0019】 1 X線管組立体、10 X線管、11 陰極、12 陽極、21a, 21b, 71a, 71b 偏向コイル、22a, 22b, 72a, 72b ボビン、30a X線管組立体が本来もつ体軸方向におけるX線焦点中心線、30b 体軸方向に補正されたX線焦点中心線、31a X線管組立体が本来もつスキャナ回転方向におけるX線焦点中心線、31b スキャナ回転方向に補正されたX線焦点中心線、41, 61 磁性体、42, 62 強磁性体の取付け固定具、43a, 43b, 73a, 73b X線管組立体への取付け固定具、51, 52 冷却手段
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成18年7月4日(2006.7.4) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−11956(P2008−11956A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−184139(P2006−184139) |
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