| 【発明の名称】 |
超音波診断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】篠丸 英樹
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| 【要約】 |
【課題】大規模なフィルタを用いずに超音波診断画像へのノイズを防止することができ、かつ供給する電源電圧を任意の電圧値に制御できるスイッチング電源を備えた超音波診断装置を提供する。
【構成】超音波診断装置は、探触子振動子に連続波(CW)送信信号を出力する連続波送波部と、前記連続波送信信号の電圧を決めるために前記連続波送波部に所望の電源電圧を供給するスイッチング電源とを有する。スイッチング電源は、定電圧電源と降圧チョッパー型の電源回路からなる。電源回路内のスイッチング素子をON/OFFするためのスイッチングクロックの周波数を連続波送信信号の周波数よりも高い周波数にすることで波診断画像にノイズが発生しないようにする。また、スイッチングクロックのデューティー比を制御することにより連続波送波部に任意の電圧値の電源電圧を供給する。これにより、連続波送波部に供給する電源電圧を微調整することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 振動子に連続波送信信号を出力する連続波送波部と、前記連続波送信信号の電圧を決めるために前記連続波送波部に所望の電源電圧を供給するスイッチング電源とを有する超音波診断装置において、 前記スイッチング電源は、該スイッチング電源内のスイッチング素子をON/OFFするためのスイッチングクロックを発生するスイッチングクロック制御部を備え、 前記スイッチングクロック制御部は、前記連続波送信信号の周波数の帯域外の周波数のスイッチングクロックを発生するとともに、前記スイッチングクロックのデューティー比を制御することを特徴とする超音波診断装置。 【請求項2】 前記スイッチング電源は定電圧電源と降圧チョッパー型の電源回路とを備え、 前記降圧チョッパー型の電源回路は、前記スイッチングクロック制御部を有し、前記定電圧電源から入力された電源電圧を降圧して前記連続波送信部へ供給することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、超音波診断装置に係り、特に連続波送信部を有する超音波診断装置の電源部に関する。 【背景技術】 【0002】 連続波(CW)ドプラ方式の送波部においては、図4に示すように、CW送波クロック発生器12にてCW送波信号を生成し、その生成されたCW送波信号はCW用送波回路11にて超音波探触子振動子へ送信される。CW用送波回路11に供給する電源電圧は、定電圧電源13から出力された電源によりCW用電圧回路100にて生成され、CW用送波回路11の+Vccに印加される。 【0003】 CW送波信号の送波電圧は、CW用送波回路11の+Vccに印加される電源電圧によって決まる。即ち、送波電圧を大きくする必要があるときはCW用送波回路11の+Vccに印加する電源電圧を大きくし、小さくてもよい場合はCW用送波回路11の+Vccに印加する電源電圧を低く設定していた。 【0004】 超音波探触子が超音波診断装置に接続されると、あらかじめ実測した超音波送波パワー規制値を超えない送波電圧設定を行う。一般的に、超音波送波パワーは同じ送波電圧設定でも超音波探触子の種類や送波周波数、送波チャンネル数により異なる。そのため、超音波送波パワー規制値を超えないように送波電圧を設定し、その設定された送波電圧となるような電源電圧をCW用電圧回路100にて生成している。 【0005】 CW用電圧回路100の従来例を図5に示す。これは、ドロッパー方式の電源回路101である。電源入力には定電圧電源13を使用する。そして、n種類の電源電圧を生成するためのn種類のドロッパー電源16を備え、超音波探触子の種類や送波周波数、送波チャンネル数に応じて、リレー15によりその中の一つを選択している。例えば、ある超音波探触子の送波条件において、n種類の電源電圧のうち、m(1<m<n)番目の電源電圧では超音波パワーをオーバーするが、1段階低いm―1番目の電源電圧では超音波パワー規制値以下を満たす場合には、m―1番目の電源電圧を選択する。 【0006】 しかし、m番目の電源電圧による超音波パワー値とm―1番目のパワー値との差が少なくないため、m―1番目の電圧で送波した時のパワー値が超音波送波パワー規制値と一致するとは限らない。したがって多くの場合、超音波送波パワー規制値よりも若干のパワーロスが発生し、CWドプラの最大感度を得られていない。 【0007】 それを改善するためには、電源電圧16の種類を増大し、現状ある電源電圧値を補間する電源電圧を追加し、より超音波送波パワー規制値に近いCWドプラの送波電圧値の選択ができるようにする必要がある。しかしながら、このような構成は一般に電源回路の部品点数の大幅な増大をもたらし、大型化・高価格化の要因になる。 【0008】 上記問題点を解決するための別の従来例を図6に示す。これは、スイッチング方式の電源回路102であり、スイッチング素子Ql等の半導体素子を用いて入力電源を所定のデューティー比でオンオフ制御し、それを平滑化して所定の電源を生成するものである。この場合には、ドロッパー方式の電源回路101に比べて装置を小型化することができる。 【0009】 しかし、図6に示すようなスイッチング電源をCWドプラの送波電源として用いると、発振回路19で発生させるスイッチングクロックのクロストークが電源ラインにもれ込み、超音波診断装置のモニタ画面上に表示された超音波診断画像にノイズが発生することがある。なお、このノイズは、スイッチング電源の周波数がCWドプラの帯域(2〜5MHz程度)内に入っている場合にモニタ画面上に発生する。 【0010】 これに対応するため、スイッチング電源とフィルタとをシールド性を持つケースに一体的に組み付ける超音波観測装置(特許文献1)が提案されている。 【特許文献1】特開2001−212141公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 しかしながら、上記特許文献1では以下のような欠点があった。特許文献1では、ノイズを防ぐための大規模なフィルタ20が依然として必要であること、また、スイッチング電源とフィルタとを組み付けるシールド性を持つケースが必要であることより、大型化・高価格化の要因となるという問題があった。 【0012】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大規模なフィルタを用いずに超音波診断画像へのノイズを防止することができ、かつ供給する電源電圧を任意の電圧値に制御できるスイッチング電源を備えた超音波診断装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0013】 前記課題を解決するために、請求項1に記載の超音波診断装置は、探触子振動子に連続波送信信号を出力する連続波送波部と、前記連続波送信信号の電圧を決めるために前記連続波送波部に所望の電源電圧を供給するスイッチング電源とを有する超音波診断装置において、前記スイッチング電源は、該スイッチング電源内のスイッチング素子をON/OFFするためのスイッチングクロックを発生するスイッチングクロック制御部を備え、前記スイッチングクロック制御部は、前記連続波送信信号の周波数の帯域外の周波数のスイッチングクロックを発生するとともに、前記スイッチングクロックのデューティー比を制御することを特徴としている。上記の超音波診断装置によれば、スイッチングクロック制御部において、連続波送信信号の周波数よりも高い周波数のスイッチングクロックを発生することにより超音波診断画像にノイズが発生しないようにし、スイッチングクロックのデューティー比を制御することにより連続波送波部に任意の電圧値の電源電圧を供給する。これにより、大規模なフィルタを用いずに超音波診断画像へのノイズを防止することができる。また、連続波送波部に供給する電源電圧を制御できる。 【0014】 請求項2に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置において、前記スイッチング電源は定電圧電源と降圧チョッパー型の電源回路とを備え、前記降圧チョッパー型の電源回路は、前記スイッチングクロック制御部を有し、前記定電圧電源から入力された電源電圧を降圧して前記連続波送信部へ供給することを特徴としている。上記の超音波診断装置によれば、スイッチング電源は、定電圧電源から供給された電源電圧を降圧チョッパー型の電源回路で降圧して連続波送信部へ供給する。これにより、連続波送波部に供給する電源電圧を制御できる。 【発明の効果】 【0015】 本発明によれば、大規模なフィルタを用いずに超音波診断画像へのノイズを防止することができ、かつ供給する電源電圧を任意の電圧値に制御できるスイッチング電源を備えた超音波診断装置を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。 【0017】 図1に本発明に係る超音波診断装置のブロック図を示す。超音波診断装置は、主に、複数の振動素子で構成された超音波探触子の振動子1、超音波の送信方式を切り替える切り替えスイッチ2、振動子1に駆動信号を供給する送信部8、振動子1から出力される受信信号を処理する受信部9などで構成される。 【0018】 振動子1は、主に送信用振動要素Tと受信用振動要素Rとで構成される。送信用振動要素Tから超音波が被検体へ送波され、送波された超音波が被検体内を伝播する過程で反射エコーが発生する。発生した反射エコーは、振動子1内に設けられた受信用振動要素Rにより受波されることによって受信信号に変換される。 【0019】 送信部8は、主に、パルス超音波を送波するBモード用送波回路3と、連続波を送波するCWモード用送波回路4と、送波信号を生成する送波クロック発生器5で構成される。 【0020】 送波クロック発生器5は、パルス超音波の送波信号を生成するクロック発生器と、連続波の送波信号を生成するクロック発生器とを備え、クロック発生器で生成された送波信号をBモード用送波回路3およびCWモード用送波回路4へ出力する。 【0021】 Bモード用送波回路3は、送波クロック発生器5から出力されたパルス超音波の送波信号を、振動子1内に設けられた送信用振動要素Tへ送波する。 【0022】 CWモード用送波回路4は、送波クロック発生器5から出力された連続波の送波信号を振動子1内に設けられた送信用振動要素Tへ送波する。 【0023】 切り替えスイッチ2は、送信部8と振動子1との間に設けられている。切り替えスイッチ2をBモード用送波回路3とCWモード用送波回路4との間で切り替えることで、送信部8の送波方式をBモード方式またはCWドプラ方式に設定する。 【0024】 受信部9は、受信信号を増幅するプリアンプ6と、プリアンプ6から出力された受信信号を処理する受信処理回路7とで構成される。受信部9は振動子1内に設けられた受信用振動要素Rから出力された受信信号を処理する。受信用振動要素Rから出力された受信信号はプリアンプ6で増幅され、その増幅された受信信号は受信処理回路7で処理され、超音波像(例えば断層像)が再構成される。 【0025】 次に、CWドプラ方式の送信部について説明する。 【0026】 図2は本発明に係る超音波診断機が有するCWドプラ用送波部とCWドプラ用送波部に電源を供給するスイッチング電源のブロック図および回路図である。 【0027】 CWドプラ用送波部は、主に、CW送波信号を生成するCW送波クロック発生器12と超音波探触子振動子へCW送波信号を出力するCW用送波回路11とで構成される。また、スイッチング電源は、主に、定電圧電源13と定電圧電源13から供給された電源電圧を変換してCW用送波回路11に所定の電源電圧を供給するスイッチング電源回路103とで構成される。 【0028】 CW送波クロック発生器12は、CW送波信号である矩形波の連続信号を生成し、生成されたCW送波信号をCW用送波回路11に出力する。 【0029】 CW用送波回路11は、CW送波クロック発生器12から入力されたCW送波信号によりON/OFFされ、CW送波信号を0〜+Vccの電圧で送波する。なお、CW送波信号の送波電圧はCW用送波回路11の+Vccに印加する電圧で決まる。通常、CWドプラ方式では5Vpp程度、2〜5MHz程度の信号が連続波にてCW用送波回路11から出力される。すなわち、CW用送波回路11の+Vccに印加される電圧は5V程度である。 【0030】 スイッチング電源回路103は、チョッパー型の降圧回路であり、主に、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、チョークコイルL1、コンデンサC1、およびスイッチング素子Q1をON/OFFするためのスイッチングクロックを発生するスイッチングクロック制御回路18から構成されている。スイッチング電源回路103は、定電圧電源13から供給された電源電圧を所定の電圧に降圧し、CW用送波回路11の+Vccに印加する。 【0031】 スイッチングクロック制御回路18は、スイッチング素子Q1をON/OFFするスイッチングクロックを出力する。このスイッチングクロックによってスイッチング素子Q1がON/OFFされ、ON時には定電圧電源13からスイッチング素子Q1を介してチョークコイルL1に電流が流れ、OFF時にはダイオードD1からチョークコイルL1に電流が流れ、チョークコイルL1、コンデンサC1によって平滑される。この平滑化された直流電圧がスイッチング電源回路103からCW用送波回路11に供給される。なお、このスイッチングクロックの周波数およびデューティー比はスイッチングクロック制御回路18にて制御される。 【0032】 次に、スイッチング電源回路103によって、CW用送波回路11の+Vccに印加する電圧を任意の電圧値に制御する方法について説明する。 【0033】 図3に、このスイッチングクロックのクロックチャートを示す。繰り返し周期Tに対してON時間がTonの場合のスイッチング電源回路103の入力電圧をVinとすると、スイッチング電源回路103の出力電圧Voutは下記式にて表される。 【0034】 Vout=Vin×(Ton/T) 例えば、定電圧電源13にて生成される電源を15V、T=150ns、Ton=50nsとすると、出力電圧Voutは Vout=15V×(50ns/150ns)=5V となる。 【0035】 上記のように、スイッチングクロックのデューティー比を制御することで、スイッチング電源回路103からCW用送波回路11に供給される電圧値を所定の電圧に降圧、制御することができる。 【0036】 次に、スイッチング電源回路103による超音波診断画像へのノイズを防止する方法について説明する。 【0037】 また、スイッチングクロック制御回路18から出力しているクロック周波数fcは fc=1/T で表すことができる。クロック周波数fcがCWドプラ周波数帯域外になるように繰り返し周期Tを設定すれば、スイッチングクロックのクロストークによるノイズの影響を防ぐことができる。CWドプラの送波周波数は2〜5MHz程度であり、例えば送信周波数が2MHzの場合には、クロック周波数を送信周波数の帯域である送信周波数±100kHz以外の帯域外、すなわち2.1MHz以上および1.9MHz以下にすればよい。なお、1.9MHz以下のクロック周波数の場合には、その高調波が帯域内に入らない周波数とする。 【0038】 上記のように、スイッチングクロックのクロック周波数をCWドプラ周波数帯域外になるように設定することで、スイッチング電源回路103とCW用送波回路11との間にフィルタを入れない状態においても、超音波診断装置のモニタ画面上に表示される超音波診断画像にノイズが発生することを防ぐことができる。これにより、大規模なフィルタが必要なくなり、電源回路を小型化あるいは低価格化することができる。 【0039】 なお、本実施の形態では、CWドプラ方式の場合について説明したが、CWドプラ方式以外の場合においても、その送波周波数の帯域外にスイッチングクロックのクロック周波数を設定することで、本発明を用いることができる。 【0040】 また、本実施の形態では、降圧チョッパー型のスイッチング電源回路を用いたが、降圧チョッパー型に限らず、昇圧チョッパー型など他の公知のスイッチング電源回路を用いることができる。 【図面の簡単な説明】 【0041】 【図1】本発明が適用された超音波診断装置のブロック図である。 【図2】上記超音波診断装置におけるCWドプラ用送波部とCWドプラ用送波部用電源のブロック図および回路図である。 【図3】上記超音波診断装置におけるCWドプラ用送波部用電源であるスイッチング電源を制御するスイッチングクロック制御回路の制御信号である。 【図4】従来の超音波診断装置におけるCWドプラ用送波部とCWドプラ用送波部用電源のブロック図である。 【図5】従来の超音波診断装置におけるCWドプラ用送波部用電源の回路図である。 【図6】従来の超音波診断装置におけるCWドプラ用送波部用電源の回路図である。 【符号の説明】 【0042】 1:超音波探触子振動子、2:切り替えスイッチ、3:Bモード用送波回路、4:CWモード用送波回路、5:送波クロック発生器、6:プリアンプ、7:受信処理回路、8:送信部、9:受信部、11:CW用送波回路、12:CW送波クロック発生器、13:定電圧電源、18:スイッチングクロック制御回路、100:CW用電圧回路、101:ドロッパー方式の電源回路、102:スイッチング方式の電源回路、103:スイッチング電源回路
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成18年7月3日(2006.7.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083116 【弁理士】 【氏名又は名称】松浦 憲三
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| 【公開番号】 |
特開2008−11925(P2008−11925A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−183747(P2006−183747) |
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