| 【発明の名称】 |
診断装置の補正用ファントム |
| 【発明者】 |
【氏名】橘 一成
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| 【要約】 |
【課題】取得したPET画像とCT画像の重ね合わせ精度を向上させる診断装置の補正用ファントムを提供する。
【構成】補正用ファントム30は、円筒状の収容器31を横転状態に保持し、その外周側の上部から下方に片持ち支持された2本の円筒状ガイド34が並列配備されており、この円筒状ガイド34の内部にホルダ36に嵌合された円盤状の放射線源35をスライド挿入し、収容器31の内部に収容された液体Wの液面に浮遊して位置するように構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体を収容する収容器と、放射性同位元素を収容し、前記収容器の液体に浮遊させたとき同じ浮力を有する少なくとも2つの容器と、前記容器を所定位置で浮遊させる少なくとも2つのガイドと、を備えたことを特徴とする診断装置の補正用ファントム。 【請求項2】 液体を収容する収容器と、放射性同位元素を収容する少なくとも2つの容器と、前記容器をそれぞれ保持するとともに、保持した状態で前記収容器の液体に浮遊させたときに同じ浮力となるよう重量が調整された少なくとも2つのホルダと、前記ホルダを所定位置で浮遊させる少なくとも2つのガイドと、を備えたことを特徴とする診断装置の補正用ファントム。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の診断装置の補正用ファントムにおいて、前記収容器は、円筒体であり、前記ガイドは、前記円筒体を横転させたとき、液面に直交し、各容器またはホルダの位置決めをするように構成したことを特徴とする診断装置の補正用ファントム。 【請求項4】 請求項3に記載の診断装置の補正用ファントムにおいて、前記ガイドは、一端が前記収容器の外部と連通し、他端が液体中に浸漬した円筒体であり、この円筒体を介して前記容器またはホルダを収容器に出し入れ可能に構成したことを特徴とする診断装置の補正用ファントム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、核医学診断装置とX線CT装置とを備えた診断装置に係り、特に、実画像を取得する前の装置のレベル補正に利用する診断装置の補正用ファントムに関する。 【背景技術】 【0002】 診断装置は、核医学診断装置として、例えばPET(Positron Emission Tomography)装置用のガントリと、X線CT装置用のガントリを備えており、これら両ガントリの両開口中心が同軸芯に位置するように並設させている。この両ガントリ開口中心に向けて天板に載置した被検体を挿入移動できるように構成されている。そして、被検体の同じ部位のPET装置で取得したPET画像と、X線CT装置で取得したCT画像を重ね合わせて診断することが可能になっている。 【0003】 この装置を利用して取得した両画像の重ね合わせ精度を向上させるため、画像補正する補正用ファントムを利用して両画像ごとに水平レベルを予め補正している。つまり、装置ごとに取得した補正用ファントム画像の水平レベルが、出力画面に対して水平となる回転角を補正量としてそれぞれ求めている。 【0004】 そこで、この装置用の補正用ファントムとしては、図9の縦断面図示すような構成のものが利用されている。具体的には、X線CT装置用の補正用ファントムとして機能するように、放射線の透過可能な円筒体の密封容器31に、略半分の液体(水)Wを入れて構成している。また、PET装置用の補正用ファントムとして機能するように、密封容器が横転状態のときの液面と一致するように、放射性同位元素(RI)を容器に密封して構成した放射線源35を、オペレータの手作業によって円筒体外周の対向位置に取り付けて構成している(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2001−314397号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、従来装置に利用される補正用ファントムでは、次のような問題がある。 【0006】 すなわち、従来の補正用ファントムは、放射線源の取り付け位置の決定および取り付け作業を、オペレータが目視しながら手作業で行っているので、作業が煩雑になっている。 【0007】 また、従来の補正用ファントムを利用した場合、X線CT装置で出力したときの画像の傾き補正は容易、かつ、高精度であるが、PET装置で出力したときの画像の傾き補正精度が低いといった問題がある。 【0008】 すなわち、X線CT装置の場合、CT画像に写った液面のラインが常に平行度を保っているので、出力画面枠に対する液面のラインと出力画面枠の基準ラインとから傾きを容易、かつ、高精度に求めることができる。 【0009】 しかしながら、放射線源は、円筒体を挟んだ両外周から液面の位置をオペレータが目視し、両側の液面の位置に放射線源を手作業で取り付け固定しているので、放射線源の取り付け位置が高さ方向にばらついてしまう。したがって、液面のラインに対する放射線源同士を結ぶラインの平行度にばらつきが生じ、正確な傾きに基づく補正量を求めることができない。その結果、CT画像とPET画像を精度よく重ね合わせることができないといった問題がある。 【0010】 この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、核医学診断装置とX線CT装置とを備えた診断システムによって取得されるPET画像とCT画像の重ね合わせ精度を向上させることのできる診断装置の補正用ファントムを提供することを主たる目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。 【0012】 すなわち、第1の発明は、液体を収容する収容器と、放射性同位元素を収容し、前記収容器の液体に浮遊させたとき同じ浮力を有する少なくとも2つの容器と、前記容器を所定位置で浮遊させる少なくとも2つのガイドとを備えたことを特徴とするものである。 【0013】 [作用・効果]この診断装置の補正用ファントムを利用すれば、放射性同位元素を収容した同じ浮力を有する少なくとも2つの容器を収容器内の液体に浮遊させることによって、各容器内の放射性同位元素同士を結ぶラインの水平レベルを保った位置を容易に設定することができる。例えば、X線CT装置によって取得したCT画像の液面を基準とするラインと、PET装置によって取得したPET画像に映っている放射性同位元素同士を結ぶラインとの平行度を精度よく保つことができる。したがって、両装置から出力される出力画像の傾き補正量を精度よく求めることができ、両画像を精度よく重ね合わせることができる。その結果、精度の高い診断を行うことができる。 【0014】 また、第2の発明は、液体を収容する収容器と、放射性同位元素を収容する少なくとも2つの容器と、前記容器をそれぞれ保持するとともに、保持した状態で前記収容器の液体に浮遊させたときに同じ浮力となるよう重量が調整された少なくとも2つのホルダと、前記ホルダを所定位置で浮遊させる少なくとも2つのガイドとを備えたことを特徴とするものである。 【0015】 [作用・効果]この診断装置の補正用ファントムを利用すれば、放射性同位元素を収容した少なくとも2つの容器をホルダに保持する。このホルダは、液体に浮遊させたときに同じ浮力となるように重量が調整されているので、ホルダを収容器内の液体に浮遊させることによって、放射性同位元素同士を結ぶラインの水平レベルを容易に設定することができる。なお、ホルダは、浮遊レベルの調整が可能なので、ホルダの浮力を調節して内部に収容された放射性同位元素の位置が、液面に位置してもよいし、液面から所定高さ離れた位置となるようにしてもよい。換言すれば、ホルダによって液面に対する放射線源の高さ方向の位置を容易に調整することができる。 【0016】 つまり、この構成により、例えば、X線CT装置によって取得したCT画像の液面を基準とするラインと、PET装置によって取得したPET画像に映っている放射性同位元素同士を結ぶラインとの平行度を精度よく保つことができる。したがって、両装置から出力される出力画像の傾き補正量を精度よく求めることができ、両画像を精度よく重ね合わせることができる。その結果、精度の高い診断を行うことができる。 【0017】 なお、上記における容器およびホルダを浮遊させる「所定位置」とは、例えば、X線CT装置およびPET装置の場合において、2つの放射性同位元素が同時に撮影できて水平レベルの検知可能な位置である。つまり、ガントリ開口内で被検体のスライス画像を取得可能な範囲であり、スライス面上に2つの放射性同位元素が同時に映り込む位置である。 【0018】 上記構成において、本発明は、例えば次にように構成してもよい。 【0019】 収容器は、円筒体であり、ガイドは、円筒体を横転させたとき、液面に直交し、各容器またはホルダの位置決めをするように構成することが好ましい(請求項3)。 【0020】 この構成によれば、例えば、核医学診断装置とX線CT装置の両ガントリのガントリ開口平面と平行な平面上に放射性同位元素を容易に配備することができる。その結果、X線CT装置によって取得されるスライス面での液面のラインと、PET装置によって取得される放射性同位元素同士のラインとが同一条件で得られる。したがって、両装置によって出力される画像の重ね合わせ精度を一層に向上させることができる。 【0021】 また、ガイドは、一端が前記収容器の外部と連通し、他端が液体中に浸漬した円筒体であり、この円筒体を介して容器またはホルダを収容器に出し入れ可能に構成することが好ましい(請求項4)。 【0022】 この構成によれば、収容器に放射線源を容易に出し入れできるので、メンテナンスおよび放射性同位元素のみの保管が容易となる。 【発明の効果】 【0023】 この発明の診断装置の補正用ファントムによれば、診断装置に補正用ファントムを利用したとき、X線CT装置で取得される出力画像の傾きと、PET装置で出力される画像の傾きを求める基準ラインが一致している。したがって、両装置の出力画像の傾き補正量を精度よく求めることができるので、両装置で取得した被検体の同一部位の両出力画像を精度よく重ね合わせることができる。その結果、診断精度を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。 なお、本実施例では、核医学装置であるPET(Positron Emission Tomography)装置とX線CT装置とから構成された医療用の診断装置とこの装置に利用する補正用ファントムを例に採って説明する。 【0025】 図1および図2は、実施例装置の側面図、図3は、この装置に係る補正用ファントムの一部破断斜視図である。 【0026】 本実施例装置は大別すると、図1に示すように、PET装置1とX線CT装置2とベッド3とを備えて構成されている。PET装置1およびX線CT装置2は、互いに近接して配設されている。ベッド3は、被検体Mを載置する天板4を備えている。また、ベッド3は、天板4を上下に昇降移動、および被検体Mの体軸Zに沿って平行移動するように構成されている。このように構成することで、天板4に載置された被検体Mは、PET装置1のガントリ11の開口部11aおよびX線CT装置2のガントリ21の開口部21aに挿入可能になっている。 【0027】 つまり、本実施装置では、PET装置1で撮影した被検体Mの部位を、X線CT装置2で撮影することができ、両装置で取得した画像を重ね合わせて診断に利用できるようになっている。 【0028】 また、本実施例装置は、図2に示すように、天板4の前端部にフランジ5を介して円柱部材6が着脱可能に取り付けられる。この円柱部材6は、図3に示すように、周溝7が形成されており、この周溝内に後述する補正用ファントム30のファントム固定具32が嵌入する。 【0029】 補正用ファントム30は、図3から図6に示すように、円筒状の収容器31の内部に、例えば水などの液体Wが注入されている。収容器31を構成する材料としては、放射線の透過できるものであればよい。好ましくは、内部が視認できる透明な部材であることが好ましい。例えば、アクリル樹脂やポリカーボネイトなどが挙げられる。 【0030】 また、収容器31は、図3に示すように、一方の円板状の側面31aにファントム固定具32が取り付けられている。ファントム固定具32は、外方に突出した馬蹄形の部材33を有しており、天板4の前端部に取り付けた円柱部材6の外溝7に嵌合することで、天板4に固定できるようになっている。なお、天板4に取り付けた補正用ファントム30が、X、Y軸の2軸に対する傾きを調整できるように、各軸回りに円柱部材6が回転できるように構成することが好ましい。 【0031】 また、収容器31は、図4に示すように、横転させた状態で外周側壁31bの上部から下方に片持ち状に取り付け固定された2本の円筒状ガイド34を備えている。円筒状ガイド34は、体軸Zに直交するX−Y平面上に沿って並列に取り付けられており、上端部が外部と連通状態にあり、下端部が、液体Wに浸漬している。つまり、PET装置1およびX線CT装置2の両ガントリ開口平面と平行となるように、円筒状ガイド34が外周側壁31bに取り付けられている。 【0032】 また、円筒状ガイド34は、放射線源35と、ホルダ36とが一体となって内部をスライド移動可能に構成されている。放射線源35は、透明な円盤状の容器の中心に放射性同位元素RIを密閉して構成されている。 【0033】 ホルダ36は、円筒状ガイド34の内径よりも小径の円柱状のものである。また、図7に示すように、その上面の直径幅で内部に切り欠いた凹部37が形成されている。この凹部37の底面38は湾曲しており、嵌合される放射線源35を受け止め支持するように構成されている。 【0034】 また、ホルダ36は、放射線源35が嵌合して一体化した状態で円筒状ガイド34に挿入したとき、放射線源35の中心に位置する放射性同位元素RIが、収容器31に注入した液体Wの液面と一致するように、その比重および体積を考慮して浮力を調整している。 【0035】 上記構成の補正用ファントム30によれば、円筒状ガイド34は、X−Y平面上に位置するので、PET装置1およびX線CT装置2の各ガントリ11、21のZ軸に沿った開口範囲で放射性同位元素RIを同時に撮影できる水平レベルの検知可能な位置決めを可能とする。つまり、両装置1、2により取得するスライス画像上に2つの放射性同位元素RIを同時に映り込ますことができる。 【0036】 すなわち、補正用ファントム30を上記診断装置に利用することにより、X線CT装置2により取得される液体Wのスライス画像(CT画像)に映る液面のラインと、PET装置1により取得されるPET画像に映る放射線源同士(放射線同位元素同士)を結ぶラインの両画像取得条件を同じにすることができる。つまり、両装置によって出力される実画像と装置画面枠との水平レベルの偏差である傾きを同条件から求めるので、装置ごとの傾き補正量を精度よく求めることができる。その結果、被検体Mの同じ部位を両装置で撮影して取得した両画像の重ね合わせ精度を向上させることができる。 【0037】 また、ホルダ36に嵌合して一体となった放射線源35は、円筒状ガイド34に出し入れ可能なのでメンテナンスが容易である。さらに、放射線源35は、ホルダ36から着脱可能なので放射線源35のみ取り外して容易に管理することができる。 【0038】 この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。 【0039】 (1)上記実施例の補正用ファントム30は、放射線源35をホルダ36に嵌合して一体構成して浮力を調整していたが、ホルダ36を利用せずに、放射性同位元素RIを密閉する容器の浮力を調整してもよい。また、放射線源35の中心に位置する放射性同位元素RIの位置が、液面と一致して浮遊するように調整していたが、この形態に限定されるものではない。例えば、両円筒状ガイド34の内部で放射性同位元素RIの位置が、液面または水中での高さが同じになるように浮力を調整してもよい。 【0040】 (2)上記実施例の補正用ファントム30は、2個の放射線源35がY軸を中心にそのX−Y平面の左右対称に位置するように構成したが、その個数は2個に限定されず、画像補正に利用する基準ラインを得られる個数および配置であればよい。 【0041】 例えば、図8に示すように、収容器の略中心の液面に放射性同位元素RIを位置させ、中心を基準に、X軸方向の左右に各1個、および、Y軸方向の上下に各1個の合計5個の放射線源35を配備するように構成してもよい。この構成によれば、両装置の出力画像に5個の放射性同位元素RIが同時に映っていなければ、X軸まわりやY軸まわりに装置の基準ラインが傾いていることが分かる。 【0042】 (3)上記実施例の補正用ファントム30は、円筒状ガイド34の上部開口が開放状態にあるが、内部を密閉できるように開閉扉などを取り付けてもよい。また、収容器31の内部に液体Wを注入したり、内部の液体を排出したりするための専用の注入・排出口を設けてもよい。 【0043】 (4)上記実施例では医療用の診断装置であったが、この発明の装置は、工業用の装置にも適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0044】 【図1】実施例に係る診断装置に被検体を載置したときの概略構成を示す側面図である。 【図2】実施例に係る診断装置に補正用ファントムを取り付けたときの概略構成を示す側面図である。 【図3】補正用ファントムおよびファントム固定具の一部破断斜視図である。 【図4】補正用ファントムの縦断面図である。 【図5】補正用ファントムの平面視したときの断面図である。 【図6】補正用ファントムの側面視したときの横断面図である。 【図7】実施例装置におけるX線撮像機構の移動状況を示す模式図である。 【図8】ホルダと放射線源の嵌合を説明する分解斜視図である。 【図9】従来の補正用ファントムの縦断面図である。 【符号の説明】 【0045】 1 … PET装置 2 … CT装置 4 … 天板 11 … ガントリ(PET装置用) 21 … ガントリ(CT装置用) 30 … 補正用ファントム 34 … 円筒状ガイド 35 … 放射線源 36 … ホルダ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001993 【氏名又は名称】株式会社島津製作所
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| 【出願日】 |
平成18年7月3日(2006.7.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093056 【弁理士】 【氏名又は名称】杉谷 勉
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| 【公開番号】 |
特開2008−11922(P2008−11922A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−183649(P2006−183649) |
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