| 【発明の名称】 |
健康管理装置及びこれを機能させるためのプログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 文代
【氏名】曽根 基樹
【氏名】和辻 徹
【氏名】山本 義春
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| 【要約】 |
【課題】在宅医療や遠隔医療用として、あるいは、医療機関による健康診断では測ることのできない病気の診断や健康維持をサポートするようにする。
【構成】携帯情報端末109は、各センサから転送された計測情報をデータメモリ110に時系列で保存する。携帯情報端末109のCPUは、解析プログラム111により、計測結果の解析を行い、計測結果が異常値を示していないかどうかを判定する。解析プログラム111の出力結果が通常と異なる反応を示した時、携帯情報端末は問診プログラムを起動する。問診プログラム112によりCPUは、センサから抽出した生体情報の異常が、センサの故障や脱落などの不具合によるものか、利用者の心理状態の変化によるものか、あるいは、体調の変化によるものかを判断するための質問を行う。問診に対する回答は、利用者101自らが、携帯情報端末109に入力する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 利用者の生体情報を計測するセンサまたは利用者周囲の環境情報を計測するセンサのうち少なくとも一つのセンサと、携帯情報端末とから構成され、 前記携帯情報端末は、前記センサの計測結果を解析する解析手段と、利用者の周囲の状況や体調に関する質問を行い利用者自らに回答を入力させる問診手段と、前記解析手段の解析結果と前記問診手段の問診結果とを総合的に判断する診断手段とを備え、 前記携帯情報端末と前記センサは通信機能を有し、前記該センサの計測結果を前記携帯情報端末に転送し、 前記携帯情報端末は前記解析手段によって前記計測結果が通常と異なるかを解析し、その解析結果を受けて前記問診手段によって問診を行い、前記診断手段が前記センサ計測結果と前記問診手段に対する利用者の回答結果を踏まえたリアルタイムな診断を行なうことを特徴とする健康管理装置。 【請求項2】 請求項1記載の健康管理装置において、前記診断手段の結果に基づいて、前記利用者に健康管理に関する情報を通知することを特徴とする健康管理装置。 【請求項3】 請求項2記載の健康管理装置において、健康管理に関する情報を外部装置に通知することを特徴とする健康管理装置。 【請求項4】 請求項1記載の健康管理装置において、前記問診手段は、前記解析手段の結果に基づいて起動する以外に、定期的にスケジュールによって起動されることを特徴とする健康管理装置。 【請求項5】 請求項1記載の健康管理装置において、前記問診手段は、前記解析手段の結果に基づいて起動する以外に、利用者の操作によって起動されることを特徴とする健康管理装置。 【請求項6】 請求項2又は3記載の健康管理装置において、利用者に通知する健康に関する情報とは、少なくとも一つが健康や病気の状態または健康悪化の原因または健康改善の方法の情報であることを特徴とする健康管理装置。 【請求項7】 請求項6記載の健康管理装置において、前記健康改善方法の情報とは、投薬の種類または薬の使用量または投薬の時刻であることを特徴とする健康管理装置。 【請求項8】 請求項1記載の健康管理装置において、前記センサと前記携帯情報端末との情報転送は、無線通信により行われることを特徴とする健康管理装置。 【請求項9】 請求項1記載の健康管理装置において、前記携帯情報端末は脳の機能を試験する脳機能試験手段を備え、前記問診手段が起動された後、前記脳機能試験手段が起動し、利用者の脳の機能に対する情報を取得し、診断に用いることを特徴とする健康管理装置。 【請求項10】 請求項1記載の健康管理装置において、前記携帯情報端末には、センサによる計測結果が異常か否かを判定するデータベースが少なくとも一つ以上搭載されていることを特徴とする健康管理装置。 【請求項11】 請求項10記載の健康管理装置において、前記データベースとは、利用者の過去の計測結果に基づいたものであることを特徴とする健康管理装置。 【請求項12】 請求項1記載の健康管理装置において、前記携帯情報端末には、疾病毎の解析結果または問診結果の特徴パターンが記録されるデータベースが少なくとも一つ以上搭載されていて、前記診断手段では前記解析結果と前記問診結果と前記データデータベースを併用して診断を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項13】 請求項2又は3記載の健康管理装置において、前記解析手段の結果又は問診手段の結果又は診断手段結果のいずれか一つ以上を、ネットワークを介して遠隔地に伝送することを特徴とする健康管理装置。 【請求項14】 請求項1記載の健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または体温のうち、少なくとも一つ以上を計測するセンサを用いて、ダイエットまたは食事療法に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項15】 請求項1記載の健康管理装置において、振動または発話のうち少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、介護予防に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項16】 請求項1記載の健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または体温または発話のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、心身症に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項17】 請求項1記載の健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または発話のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、精神障害に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項18】 請求項1記載の健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または呼吸のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、無呼吸症候群に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項19】 請求項1記載の健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または発話のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、痴呆症に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項20】 請求項1記載の健康管理装置において、振動または脈拍または心拍のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、パーキンソン病に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項21】 請求項1記載の健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または体温または発話のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、脳卒中に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項22】 請求項1記載の健康管理装置において、脈拍または心拍または体温のうち、少なくとも一つ以上の生体情報と免疫に関する生体情報を計測するセンサを用いて、精神障害に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項23】 請求項1記載の健康管理装置において、環境情報を計測するガスセンサを用いて、化学物質過敏症に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項24】 請求項1記載の健康管理装置において、環境情報を計測するガスセンサと、振動または脈拍または心拍または呼吸または体温または発話のうち少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサとを具備し、化学物質過敏症に関する健康管理を行うことを特徴とする健康管理装置。 【請求項25】 利用者の生体情報を計測するセンサまたは利用者周囲の環境情報を計測するセンサのうち少なくとも一つのセンサの計測結果を解析する解析手段と、利用者の周囲の状況や体調に関する質問を行い利用者自らに回答を入力させる問診手段と、前記解析手段の解析結果と前記問診手段の問診結果とを総合的に判断する診断手段として、携帯情報端末のコンピュータに機能させるためのプログラムであって、 前記携帯情報端末と前記センサは通信機能を有し、前記該センサの計測結果を前記携帯情報端末に転送し、 前記携帯情報端末は前記解析手段によって前記計測結果が通常と異なるかを解析し、その解析結果を受けて前記問診手段によって問診を行い、前記診断手段が前記センサ計測結果と前記問診手段に対する利用者の回答結果を踏まえたリアルタイムな診断を行なうことを前記コンピュータに機能させるためのプログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、心身の健康管理を行う健康管理装置及びこれを機能させるためのプログラムに関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、在宅医療や遠隔医療の必要性と、医療機関による健康診断の実施では判定できない病気の常時検診を可能とするため、医療機関で利用するような高性能医療機器ではなく、在宅、遠隔で計測可能な携帯型の健康診断機器が開発されてきた。また、高齢者医療や、介護の重度を軽減するような介護予防の観点からも、在宅型、携帯型の健康管理機器の開発が必要とされている。 【0003】 携帯型の健康診断機器として、特許文献1の携帯型の健康モニタが提案されている。一般に医療機関による健康診断だけでは、病気の症状が悪い状態の時のデータを常に計測できないという問題がある。この問題を解決するために、特許文献1の携帯型の健康モニタでは、生体情報の計測結果である生理学的データと、主観的な健康状態を記録したデータからなるデータベースと、データ管理機能をもつ健康モニタシステムを提案している。この携帯型健康モニタでは、被験者から得られる複数の生理学的および主観的データを、時系列データとして収集することや、モニタ機器からデータベースに定期的にデータをアップロードする通信システム機能をもつことによって、自動的に、非侵襲で計測する機能をもち、また、被験者の心理的状態や活動・環境情報の主観的レポートを作成する機能をもつことによって、客観的な生理学データと主観的なデータを、時系列で整備し、被験者/患者の健康ヒストリを作ることが可能となっている。前記主観的なデータは、医者などの指示により予め設定された時刻に収集されるものであり、モニタリングによって得られた前記生理学的データとは無関係に収集され、下記発明の解決しようとする課題に記載した問題点を有する。 【0004】 また、一般に被検者の生体情報が、日常値において大きくばらつきがあるため被検者の身体異常発生は正確に検知できないという問題がある。特許文献2では、この問題を解決するため、被検者の血圧、脈拍、呼吸数、血中酸素濃度の生体情報のうち、少なくとも一つの生体情報を測定する生体情報測定装置と加速度センサの情報をネットワークで伝送し、複数のデータに異常があった場合警告を発するシステムを提案している。しかし、本公知技術も、センサと取り付け方法、センサからのデータの識別方法等に問題があり、下記発明の解決しようとする課題に記載した問題点を有する。 【特許文献1】US Patent No.6095985(US) 【特許文献2】特開2003−220039号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1の携帯型健康モニタでは、計測した生体データ(生理学的データ)と問診による主観的データとを時系列データとしてデータベースに単に蓄積しているだけである。従って、利用者の心身の健康状態の変化をリアルタイムで判断し、その変化に応じた対処手段を決定し、利用者に直ちに警告を与えたり、状態の改善を促したりすることができない。 【0006】 また、特許文献2の携帯装置においては、複数の生体情報を収集するセンサを設け平均化や総合的判断を行うことにより、携帯型または簡易型センサに特有の周囲の雑音による計測誤差やセンサの脱落による計測誤りを軽減できるとしている。このように複数のセンサによって計測精度を上げた結果を用いて、信頼性の高い緊急通報が行うことが可能としている。しかしながら、複数センサを用いて計測精度を上げたとしても、利用者の心理状態の変化、例えば、人前で緊張したなどという正常な心理状態の変化にも、センサは異常値を出力してしまう。従来の携帯装置は、このような正常な心理状態の変化に対しても異常警告を発してしまい、実際の遠隔医療などに用いる場合には、情報の信頼性が低く、実用的でない。さらに、複数のセンサを設けることにより、センサの脱落によって計測精度が著しく低下することを防いではいるが、センサ脱落による計測の欠落を防ぐことや、またセンサが脱落したことを確認することはできない。 【0007】 そこで、本発明は、上記公知技術の問題点を解決するものであり、在宅医療や遠隔医療用として、あるいは、医療機関による健康診断では測ることのできない病気の診断や健康維持をサポートする健康管理装置及びこれを機能させるためのプログラムの提供を目的としたものである。さらに、実用レベルでの信頼性の高いデータ取得、リアルタイムでの身体の通常とは異なる状態の検出、その状態の原因解明、異常を引き起こした原因の排除あるいは症状の改善を目的とした携帯型の健康管理装置及びこれを機能させるためのプログラムの提供を目的としたものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の健康管理装置は、利用者の生体情報を計測するセンサまたは利用者周囲の環境情報を計測するセンサのうち少なくとも一つのセンサと、携帯情報端末とから構成され、前記携帯情報端末は、前記センサの計測結果を解析する解析手段と、利用者の周囲の状況や体調に関する質問を行い利用者自らに回答を入力させる問診手段と、前記解析手段の解析結果と前記問診手段の問診結果とを総合的に判断する診断手段とを備え、前記携帯情報端末と前記センサは通信機能を有し、前記該センサの計測結果を前記携帯情報端末に転送し、前記携帯情報端末は前記解析手段によって前記計測結果が通常と異なるかを解析し、その解析結果を受けて前記問診手段によって問診を行い、前記診断手段が前記センサ計測結果と前記問診手段に対する利用者の回答結果を踏まえたリアルタイムな診断を行なうことを特徴とするものである。 【0009】 前記健康管理装置において、前記診断手段の結果に基づいて、前記利用者に健康管理に関する情報を通知する。さらに、健康管理に関する情報を外部装置に通知することも可能である。 【0010】 また、前記健康管理装置において、前記問診手段は、前記解析手段の結果に基づいて起動する以外に、定期的にスケジュールによって起動される。 【0011】 また、前記健康管理装置において、前記問診手段は、前記解析手段の結果に基づいて起動する以外に、利用者の操作によって起動される。 【0012】 また、前記健康管理装置において、利用者に通知する健康に関する情報とは、少なくとも一つが健康や病気の状態または健康悪化の原因または健康改善の方法の情報であり、具体的には、投薬の種類または薬の使用量または投薬の時刻である。 【0013】 また、前記健康管理装置において、前記センサと前記携帯情報端末との情報転送は、無線通信により行われる。なお、前記センサと前記携帯情報端末との情報転送は、有線でも構わない。 【0014】 また、前記健康管理装置において、前記携帯情報端末は脳の機能を試験する脳機能試験手段を備え、前記問診手段が起動された後、前記脳機能試験手段が起動し、利用者の脳の機能に対する情報を取得し、診断に用いる。このように利用者の脳の機能に対する情報が蓄積される機能が具備されており、問診手段の問診に対する利用者の回答の妥当性を判断できる。 【0015】 また、前記健康管理装置において、前記携帯情報端末には、センサによる計測結果が異常か否かを判定するデータベースが少なくとも一つ以上搭載されており、精度良くセンサの計測結果を解析することができる。 さらにデータベースとは、利用者の過去の計測結果に基づいたものであり、本データベースを用いれば、利用者の体調に変調があることが精度よく解析することができる。 【0016】 また、前記健康管理装置において、前記携帯情報端末には、疾病毎の解析結果または問診結果の特徴パターンが記録されるデータベースが少なくとも一つ以上搭載されていて、前記診断手段では前記解析結果と前記問診結果と前記データデータベースを併用して診断を行う。従って、精度良く診断し、疾病を特定することができる。 【0017】 また、前記健康管理装置において、前記解析手段の結果又は問診手段の結果又は診断手段結果のいずれか一つ以上を、ネットワークを介して遠隔地に伝送する。よって、遠隔地医療という観点からも利用可能である。 【0018】 また、前記健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または体温のうち、少なくとも一つ以上を計測するセンサを用いて、ダイエットまたは食事療法に関する健康管理を行う。 【0019】 また、前記健康管理装置において、振動または発話のうち少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、介護予防に関する健康管理を行う。 【0020】 また、前記健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または体温または発話のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、心身症に関する健康管理を行う。 【0021】 また、前記健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または発話のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、精神障害に関する健康管理を行う。 【0022】 また、前記健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または呼吸のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、無呼吸症候群に関する健康管理を行う。 【0023】 また、前記健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または発話のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、痴呆症に関する健康管理を行う。 【0024】 また、前記健康管理装置において、振動または脈拍または心拍のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、パーキンソン病に関する健康管理を行う。 【0025】 また、前記健康管理装置において、振動または脈拍または心拍または体温または発話のうち、少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサを用いて、脳卒中に関する健康管理を行う。 【0026】 前記健康管理装置において、脈拍または心拍または体温のうち、少なくとも一つ以上の生体情報と免疫に関する生体情報を計測するセンサを用いて、精神障害に関する健康管理を行う。 【0027】 また、前記健康管理装置において、環境情報を計測するガスセンサを用いて、化学物質過敏症に関する健康管理を行う。 【0028】 また、前記健康管理装置において、環境情報を計測するガスセンサと、振動または脈拍または心拍または呼吸または体温または発話のうち少なくとも一つ以上の生体情報を計測するセンサとを具備し、化学物質過敏症に関する健康管理を行う。 【0029】 本発明のプログラムは、利用者の生体情報を計測するセンサまたは利用者周囲の環境情報を計測するセンサのうち少なくとも一つのセンサの計測結果を解析する解析手段と、利用者の周囲の状況や体調に関する質問を行い利用者自らに回答を入力させる問診手段と、前記解析手段の解析結果と前記問診手段の問診結果とを総合的に判断する診断手段として、携帯情報端末のコンピュータに機能させるためのプログラムであって、前記携帯情報端末と前記センサは通信機能を有し、前記該センサの計測結果を前記携帯情報端末に転送し、前記携帯情報端末は前記解析手段によって前記計測結果が通常と異なるかを解析し、その解析結果を受けて前記問診手段によって問診を行い、前記診断手段が前記センサ計測結果と前記問診手段に対する利用者の回答結果を踏まえたリアルタイムな診断を行なうものである。 【発明の効果】 【0030】 本発明による健康管理装置は、一つあるいは複数のセンサから得られた身体に関する生理情報と環境情報を解析し、解析結果に通常と異なる反応が現れた場合、利用者に問診を行い、利用者自らが問診に対する回答を入力する。この問診では、利用者の主観情報を得ることができる。以上の結果、センサの計測情報すなわち客観情報と、この客観情報と連動した問診による主観情報とを併用して診断を行っており、利用者の体調が通常と異なっているかどうかが、従来では成しえなかった高い信頼性でリアルタイムに検出することができ、このため、従来方法と比べ極めて正確な健康管理を実施することができる。 【0031】 利用者の体調が通常と異なっているかどうかとは、例えば、 1)病状が悪化又は改善したこと 2)利用者の努力目標(ダイエットなど)が達成に向かっているか失敗に向かっているか 3)利用者が服用した薬の効果(痛みや熱など)が効いているか効いていないか などを指す。 【0032】 また、携帯情報端末に、測定結果あるいは解析結果の利用者の過去のパターンをデータベースとして具備し、解析プログラムにおいて計測結果と利用者の過去のデータベースと比較することで、利用者の体調の変化を精度よく解析することができる。 【0033】 また、携帯情報端末に、疾病ごとの解析結果や問診結果の特徴的パターンをデータベースとして具備し、診断プログラムにおいて解析手段の結果または問診手段の結果と疾病データベースとを比較することにより、さらに正確な診断を行う健康管理装置を実施することができる。 【0034】 また、解析結果と、解析結果と連動した問診結果を併用した診断を行うことにより、携帯型及び遠隔型での常時測定環境で問題となる、センサの取り外しや脱落などによる異常なデータを、携帯情報端末において判断することが可能となり、信頼性の高いデータを得ることができる。また、センサが外れていることが確認された場合は、利用者にそれを通知することによって、正常な装着を促すこともできる。 【0035】 さらに、問診と解析をスケジューリングやセンサデータの異常時などの必要な時刻にいつでも行うことができるため、患者の記憶に頼らない病気の診断が可能な健康管理装置の提供が可能である。 【0036】 また、利用者の状態が通常と異なり、病状の悪化が判断された場合などは、その体調に関する情報や改善方法を利用者に即座に通知することにより、警告や改善すべき点を利用者に即座に知らせることができ、病気の悪化が防げ、また、早急な体調改善への手助けが可能な健康管理装置を提供することが可能となる。 【0037】 本発明は、無線通信機能をもつ生体情報を計測するセンサと携帯情報端末とで構成することにより、非拘束、非侵襲で、常時、生体の状態変化を計測することが可能である。 【0038】 本発明の健康管理装置は、現在病気であることが判明している患者に対しては、身体の状態異常が顕著なときには、処方する投薬量を多くし、また異常が見られないような場合には投薬を控えるようにすることで、投薬量の制御や副作用の反応の情報収集に利用することができる。また、投薬リマインダーと組み合わせて、従来にはなかった効果的な投薬支援が可能となる。 【0039】 本発明は、センサの計測結果を解析した結果と、患者への問診結果とを併用するという、信頼性の高い方式を採用することにより、ネットワークを介して医者や家族などに知らせる緊急通報の信用性が増す。 【発明を実施するための最良の形態】 【0040】 まず図1を用いて、健康管理装置の全体の構成と各機能の起動、制御の流れを説明する。図1は本発明による心身健康管理装置の構成を示しており、利用者が生体情報を計測するセンサを二つ装着し、利用者の周囲の環境情報を計測するセンサを一つ携帯している場合の例である。 【0041】 健康管理装置は、利用者101の生体情報を計測する一つあるいは複数のセンサ102、103と、場合によっては一つあるいは複数の周囲の環境情報計測するセンサ104と、携帯情報端末109により構成される。各センサ102〜104と携帯情報端末109には、それぞれセンサ102〜104の計測データを携帯情報端末109に転送し、また携帯情報端末109から各センサ102〜104に設定情報などを転送することが可能な無線通信機能105〜108が装備されている。 【0042】 今回センサと携帯情報端末は無線通信機能を介して情報の転送を行うが、必ずしも無線通信を用いて伝送する必要はなく、有線通信を用いることもできる。また、環境センサや生体センサを組み込んだ携帯情報端末を用いることもできる。 【0043】 また、携帯情報端末109には、データメモリ110と、計測データを解析する解析プログラム111と、利用者の健康状態に関する質問や利用者の置かれた環境に関する質問を行う問診プログラム112と、脳の機能を計る脳機能試験プログラム113と、解析プログラム111の結果と問診プログラム112の結果から健康状態の診断を行う、診断プログラム115とが装備されている。そして、携帯情報端末109のCPUは、解析プログラム111と、問診プログラム112と、脳機能試験プログラム113と、診断プログラム115とに基づいて、解析手段と、問診手段と、脳機能試験手段と、診断手段として機能する。 また、診断をより正確に行うために、病気の症状と計測結果の解析とを結びつける診断データベース114が装備されていてもよい。 【0044】 本実施例では、センサの計測データの解析、問診、診断のプログラムを携帯情報端末109において実行しているが、同様の処理能力のある端末であれば良く、例えば、携帯電話や電子辞書を用いて実施することも可能である。 【0045】 利用者101は、体の一部に生体情報を計測するセンサ102、103を一つあるいは複数装着するが、生体情報を計測するセンサとは、例えば、手首、脚、あるいは腰などに加速度計を装着することにより身体の活動度を計測する振動センサ、身体の傾きを計測する傾斜センサ、身体の回転度合いを計測するジャイロセンサ、身体の向きを計測する磁気センサ、耳、手首、手の指などに装着し脈拍、血流、血中酸素飽和度を測定する脈拍・血流センサ、耳や脇の下などに装着する体温センサ、胸などに装着し胸などの動きを計測する呼吸センサまたは心拍計、耳や顔の一部にマイクを装着し利用者の発話を分析する発話センサ、他筋電計、バイオセンサなどが挙げられる。 【0046】 また、利用者101は周囲の環境情報を計測するセンサ104を携帯する場合もある。 周囲の環境情報を計測するセンサとは、例えば、ガスセンサ、GPSによる位置センサ、気温を計測する温度センサ、湿度センサ、気圧計、雨量・積雪計、環境雑音を計測するマイク、空気中の微粒子量を計測するパーティクルカウンタ、電磁波を計測する電磁界強度センサ、物体の通過・接近を計測するIRやカメラを使った人感センサ、地震計、あるいは照度センサなどがある。 【0047】 装着するあるいは携帯するセンサの種類は、利用者の健康と病気の管理項目に応じて選定される。健康管理の対象(予防/状態管理する病気など)と装着するセンサの種類、特にその計測項目の例を、図2に示す。 【0048】 次に、図3に示すフローチャートを用いて、本発明のデータと処理の流れを説明する。 ステップS11から処理を始める。生体情報を計測するセンサ102、103及び環境情報を計測するセンサ104は、無線通信機能105〜107を用いて、計測結果の情報を携帯情報端末109に転送する(ステップS12)。計測した情報の転送は、ストリーミングでもいいが、センサ側で計測データを蓄積し、定期的に情報を転送しても良い。 【0049】 携帯情報端末109は、各センサから転送された計測情報をデータメモリ110に時系列で保存する。次に、携帯情報端末109のCPUは、解析プログラム111により解析手段として機能し、各センサの計測結果の解析を行い(ステップS13)、計測結果が異常値を示していないか、あるいは、通常と異なるかどうかを判定する(ステップS14)。解析プログラム111は、利用者101の携帯するセンサの種類と数、及び予防あるいは検診する病気(健康管理対象の)の種類に応じて解析プログラムを用意しておく。 【0050】 解析プログラム111の出力結果が通常と異なる反応(異常値)を示した時、携帯情報端末は問診プログラムを起動する(ステップS15)。問診プログラム112によりCPUは、センサからの生体情報に異常があった場合に起動する以外に、スケジュールによる起動、利用者が自分の体調の変化を認識したりあるいは体調に不安が生じたときなどに利用者が直接問診プログラムを起動することが可能である。 【0051】 問診プログラム112によりCPUは、センサから抽出した生体情報の異常が、センサの故障や脱落などの不具合によるものか、利用者の心理状態の変化によるものか、あるいは、体調の変化によるものかを判断するための質問を行う。実際には、利用者の周囲環境、利用者の心理状態に関するアンケートを行い、利用者の主観的情報を抽出しする。問診に対する回答は、利用者101自らが、携帯情報端末109に入力する。(ステップS16) 【0052】 次に、CPUは、脳機能試験プログラムを起動し(ステップS17)、脳の機能を計測する。計測した生体情報、解析プログラムの出力結果、及び問診及び脳機能試験プログラムを実行した結果は、データメモリに時系列で蓄積される。 【0053】 次にステップS18で、データ診断プログラム115によりCPUは、取得した結果を評価し、あるいはデータベース114との比較や、医療辞書を参照することにより症状の兆候が出ているかどうかの判定を行う。 【0054】 診断プログラム115の結果から、症状の状況通知、症状の改善方法、および機器の装着状況の改善要請などを利用者に通知する。利用者への通知は、携帯情報端末をはじめセンサ機器や通知専用のデバイスの、音声出力、振動出力、LED表示、及びディスプレイ表示機能などを用いて行う。 【0055】 また、その結果は、携帯情報端末が公衆網やIP網との通信機能を持つ場合には、医療機関や利用者の家族などに通知することも可能である。例えば、医療機関のサーバや家族のパソコン等に通知を行い、さらに医師や家族からの問診や処置の通知を携帯情報端末に行なうことも可能となる。このようにこれら装置による健康管理システムを構築することも可能である。 【0056】 本発明の実施の形態では、診断結果や変化した原因等を直ちに患者に通知することで、患者は気をつけるべき行動、次にとるべき行動、現在の症状等を認識できる。記録された体動のデータと問診結果を後日医師にもって行くことで、頻繁に通院しなくても医師は正しく患者の病状を知ることができる。 【0057】 次に、本発明の健康管理装置を慢性疲労症候群患者に適用した場合の実施例を示す。 慢性疲労症候群は、倦怠感、抑鬱状態、思考力の障害、微熱などが長期にわたり続く症状を示し、米国厚生省疾病管理・予防センター(CDC)の改訂基準診断基準項目の中に、記憶または集中力の障害、睡眠障害、体動後の回復しにくい疲労感が挙げられている。 これらの症状は、病院内での検査だけでは明確に診断できず、現在は、医師と患者の問診により、患者の記憶を頼りに症状を把握している。また治療に当たっては、問診時に過去の記憶に基づいて患者が発言した主観的な内容を元に、病状が回復したか否かを医師が判断していた。 【0058】 しかしながら、患者毎に病状の受け止め方が異なることが多く、最近の研究によれば、患者は最後に感じた苦痛や、最も激しかった苦痛を印象的に覚えている。しかしながら、それ以前に発生した苦痛や、苦痛の強度は弱くとも連続的に発生した苦痛の方が、医師にとっては重要であることが多いにも関わらず、知ることが出来ないという問題がある。このような患者毎の受け止め方の違いや、記憶の曖昧さが生じるため、患者の記憶による正確な診断は困難である。そのため、患者は頻繁に通院し医師の診断を受ける必要があり、患者の負担が大きくなっている。 【0059】 そこで近年、患者の主観的な記憶に頼るような診断方法ではなく、慢性疲労症候群の客観的な数値による診断を可能とする研究がなされている。 【0060】
(1)Kyoko Ohashi, Yoshiharu Yamamoto, Benjamin H, Natelson、“Activity rhythm degrades after strenuous exercise in chronic fatigue syndrome”、Physiology & Behavior 77(2002) 39−44 【0061】
(2)Ohashi, K., G. Bleijenberg, S. Van der Warf, J. Prins, L. A. N. Amaral, B. H. Natelson, and Y. Yamamoto、“Decreased Fractal Correlation in Diuranal Physical Activity in Chronic Fatigue Syndrome”、Methods of Information in Medicine 43: 26−29, 2004 【0062】 文献(1)によると、人の睡眠状態と覚醒状態の生活リズムは、通常24時間で繰り返す周期性を持っている。しかし慢性疲労症候群患者の前記リズムは、激しい運動をした後にその周期性が崩れ、通常の24時間からずれを生じる。この傾向は、健康な人には起こりにくく、慢性疲労症候群患者によく現れる。具体的には、手首に振動センサを取り付け、振動センサによって人の体動情報を取得し、人の一日の生活リズムであるMCP(mean circadian period)を算出する。人が激しい運動をした後のMCP値は、健康な人では23.86時間であるのに対し、慢性疲労症候群患者では24.20時間となることがわかっている。被験者が激しい運動をした後のMCP値を求めることにより、被験者の慢性疲労症候群の可能性を判定することが可能である。本発明では、解析プログラムの一例として本MCP値による判別方法を用いる。 【0063】 文献(2)によると、健康な人は慢性疲労症候群患者に比べて昼夜の活動の差が顕著であり、また、健康な人と慢性疲労症候群患者では活動の突発性にも差を生じる。手首に振動センサを取り付け体動の情報を取得し、WTNMM(wavelet transform negative modulus maxima)法を用いてτを、あるいはDFA(detrended fluctuation analysis)法を用いてαを計算した結果には、慢性疲労症候群患者と健常者の間に明らかな数値差が生じる。これらの数値差により慢性疲労症候群患者と健常者との判別を行うことが可能である。 【0064】 以下に、WTNMM法によるτ、およびDFA法によるαの計算方法を簡単に説明する。WTNMMは、変動のマルチフラクタル性を解析する手法であり、まず、以下のようにウェーブレット変換を行う。 【0065】 【数1】
【0066】 ここで、f(t)は時刻tにおけるゼロクロス値である。ゼロクロス値とは体動情報であり、手首に取り付けた振動センサのAC成分を取り出し、0.01G以上の加速度が起こる数をカウントした値である。このカウント値は、利用者が覚醒時にある時はその増加は大きく、逆に睡眠時では、その増加は非常に小さい、といった傾向を示す値ある。Ψ(x)は、マザーウェーブレットと呼ばれ、非特許文献2においては、ガウス関数を3回微分した結果を使用している。具体的には以下の式2である。 【0067】 【数2】
【0068】 T.(b,a)は、時刻(t=b)におけるf(t)に含まれるある区間周波数aの成分の大きさを示す。 式1で得られたTΨ[f])(b,a)の中で、区間 minTで、aT(<a)におけるウェーブレット関数の谷を抽出し、和を取る。具体的には式3のようになる。抽出した部分の和をaのτ乗に比例すると仮定して、τの値を近似により求める。(健常者と慢性疲労症候群患者ではτの値に明らかな数値差が生じるため、閾値を用いて、健常者と慢性疲労症候群患者の判別に用いることができる。) τは関数fに急な変化があるかないかを示す数値であり、τの値が大きい場合、急峻な変動があり、小さい場合は緩やかな変動であることを意味する。 【0069】 【数3】
【0070】 一方、DFAはフラクタル揺らぎのモデルであるフラクショナルブラウン運動の理論を応用したものである。関数をあるタイムスケールnで分割すると、フラクショナルブラウン運動の時系列は、次のように表すことができる。 【0071】 【数4】
【0072】 ここで、〜は分布の一致を意味する。F(n)は、振動データ(ゼロクロス値)の単位時間あたりの累積値を求め、現在の単位時間の累積値から過去の単位時間当たりの累積平均値を引いた値である。このF(n)の分布がnのα乗の分布と一致すると仮定する。 【0073】 ゼロクロス値の変動は、α=1.5ではブラウン運動の変動を意味する。αが1.5より小さい場合は、ゼロクロス値が過去に増加傾向があったが現在は減少傾向がある時、あるいは、過去に減少傾向があったが現在は増加傾向をもつ時、のいずれかであることを示している。αが1.5より大きい場合は、ゼロクロス値は、過去および現在も増加傾向にある時、あるいは過去に減少及び現在も減少傾向がある時、のいずれかであることを示している。 【0074】 以上のような、慢性疲労症候群患者と健常者の、客観的な数値による診断手法を本発明の解析プログラムの一部に応用する。 本発明の健康管理装置を慢性疲労症候群患者に適用した場合の実施例を、図4を用いて説明する。特に、生体の情報を収集するセンサとして振動センサ301及び温度センサ302を使用した場合について、計測結果の解析方法、解析結果を基にした病状の診断、及び問診方法を示す。 【0075】 本実施例では、直ちに診断結果や変化した原因等を患者にフィードバックすることで、患者は気をつけるべき行動、次にとるべき行動、現状の症状等を認識できる。記録された体動のデータとアンケート結果を後日医師にもって行くことで、頻繁に通院しなくても医師は正しく患者の病状を知ることができる。 【0076】 利用者は、図4のように手首には振動センサ301を、脇の下に温度センサ302を装着し、それぞれ体温情報と体動情報とを収集する。手首に取り付けた振動センサは腕時計型である場合があり、現在手首での計測が一般的であるが、装着箇所は必要に選択でき限定されない。 各センサは無線通信機能を用いて、体温情報と体動情報を携帯情報端末303に転送する。各データを受信したとき、携帯情報端末は、解析プログラムを起動する。 【0077】 つぎに、この解析プログラムの具体的な方法を以下に説明する。 慢性疲労症候群の可能性があると判断する条件を以下3つ設ける。 1. 体温センサの計測結果から、微熱がある(37.0℃以上)と判断された場合 2. 過去の問診の結果から過去3日以内に激しい運動をした場合で、かつ振動センサの測定結果を非特許文献1記載の計算方法でMCPを求め、その値が24.2時間以上であった場合 3. 振動センサの測定結果を非特許文献2記載の計算方法で、WTNMMのτ及びDFAのαを求め、τが0.9以下又は、αが1.5以下であった場合 【0078】 これら三つ条件のうち、二つ又は三つとも満たしている場合に、慢性疲労症候群の疑いが高いと判断する。また、一つだけ又は一つも満たさない場合には、慢性疲労症候群の疑いは低いと判断する。次に体調の悪化傾向や回復傾向の体調の変化を診断するために、ある時刻tにおける体調係数をm(t)とし、次のように定義する。 【0079】 時刻tにおけるセンサデータを解析し、上記の3つの条件に対して、 三つ全ての条件を満たす時はm(t)=−3とし、 二つの条件だけが満たされる時はm(t)=−1とし、 一つの条件だけが満たされる時はm(t)=1とし、 あるいは一つの条件も満たさない時はm(t)=3とする。 すなわち、ある時刻tにおいて、m(t)=−3のとき、被験者は慢性疲労症候群の傾向が非常に強く、逆に、m(t)=3であれば、慢性疲労症候群の傾向が少ないことを意味する。 【0080】 また、時刻tより前の時刻(t−1)の解析結果である体調係数m(t−1)を用い、 m(t)−m(t−1)を計算する。m(t)−m(t−1)<0の時、時間(t−1)のときと比べ時間tでは症状が悪化していると判断し、m(t)−m(t−1)>0の時、症状が改善していると判断する。 【0081】 症状が変化しているかどうかを調べるだけであれば、m(t)×m(t−1)を計算し、この値が正の数であれば、時刻(t−1)と時刻tでは症状は同じ傾向にあり、逆に負の数であれば、現在症状は前の症状から変化があると判断することができる。 【0082】 また、最近の症状が悪い傾向にある患者に警告する必要がある場合、 数時間前の時刻(t−i)から現在の時刻tまでの体調係数の和Σm(t−i)の和を求め、この値がある閾値以下になる時に非常に症状が悪いと判断して、患者に警告することもできる。 【0083】 例えば、解析結果の過去3回分と閾値に−7を用いて、症状の悪い状態が続いていると判断する場合には、次の条件式を満たす時、利用者の症状は悪い状態が続いていると判断することができる。 【0084】 【数5】
【0085】 また、センサの情報を解析することにより、被験者が正しくセンサを体に装着しているかどうかを検出することもできる。振動センサを例に取ると、体動がほとんどない場合(例えば、30分のゼロクロス値が10以下)、体を動かしていないというよりはむしろ、振動センサが体から取り外された可能性があると判断できる。 【0086】 また、体温センサを例に取ると、体温が非常に低い(例えば、35℃以下の)場合、体温が本当に低いというよりは体温センサを正しく体に設置されていない可能性があると判断することができる。 【0087】 いずれのセンサの場合も、センサが体から外れている可能性がある場合、問診機能、無線通信機能、およびアラームなどの利用者への通知機能を用いて、センサの装着異常を利用者に確認する。 【0088】 利用者に正常な装着を促すことによって、装着状況の改善ができ、また、装着異常でないことが確かめられれば、センサの故障や利用者の真の体調の悪さを判別することも可能となり、さらに、医師や健康・医療機関等本人以外に通知する場合は誤報を減らすこともできる。 以上により、センサの計測精度や、解析及び診断の精度を高めることが可能となる。 【0089】 次に、問診プログラムの実施例について説明する。 本発明では、次の三つの場合に問診プログラムを起動する。問診プログラムが起動され、利用者に問診(アンケート)を促すために、センサ機器や携帯情報端末のアラーム機能や振動機能により利用者に問診する旨を通知する。 【0090】 1. 解析プログラムの結果による問診プログラムの起動 前記の解析プログラムの実施形態により、体調の変化が見られた場合 すなわちm(t)×m(t−1)<0となった時に問診プログラムを起動する。あるいは、顕著な症状の悪化傾向が判断された時、すなわちなお、数時間前の時刻(t−a)から現在の時刻tまでの体調係数の和Σm(t−a)が閾値を下回った時に問診プログラムを起動する。 【0091】 このような利用者へのアンケートは、頻繁に行った時には利用者が面倒に感じて正しく回答しなくなるため、体調の変化や症状の悪化傾向のあった時でかつ過去1時間以内に問診を行わなかった時に、問診プログラムを起動することも可能である。 【0092】 2. スケジュールによる問診プログラムの起動 予め設定された時刻に問診プログラムを起動する。この場合、一日数回程度行い、設定された時刻になった時、携帯情報端末において自動的にプログラムが起動される。問診の実行時刻は、例えば、起床直後、9時、14時、20時、就寝前等とし、設定された時刻になると問診プログラムが起動し、また利用者への通気機能により問診時刻であることが通知される。 【0093】 3. 験者の意思による問診プログラムの起動 利用者の操作による問診プログラムの起動も可能とする。 利用者が体調不良と認識したとき、あるいは利用者が体調に不安を感じた時に利用者自らが操作し、問診プログラムを起動する。 【0094】 このような問診プログラム起動方法の目的は、利用者が体調不良を感じた時の、具体的な症状、周囲の環境などを正確に記録し、医師との問診時に正確に伝えることができるようにすることである。また、利用者が病気に対する不安を感じている時には、センサデータの解析結果と問診結果の比較から、利用者に状況を知らせることで不安を解消することである。 【0095】 問診(利用者へのアンケート)の内容は、利用者の主観的情報と環境情報を得るための質問を行う。以下にその例を示す。 【0096】 1. 利用者の行動や周辺の状況に関するアンケート ○今どこにいますか(自宅、学校、乗り物、その他) ○今何をしていますか(立っている、歩いている、座っている、横になっている) ○食事の内容 ○利用者の認識している状態として、くつろいでいるか緊張しているか 【0097】 これらの利用者の行動や周辺の状況に関するアンケートは、体調が良い時、あるいは悪い時に利用者はどのような環境に居たのかを、統計的に計ることができる。 【0098】 2. 利用者の症状や気分関するるアンケート ○症状に関しするアンケート 集中できない、疲労感、頭痛・頭重、のどの痛み、からだの痛み、腹痛・吐気、眩暈等 ○気分に関するアンケート はつらつとした気分か、暗い気分か、気がかりであるか、うれしいか、嫌な気分か、不安な気分か、楽しい、沈んでいる、心配、など 【0099】 これらのアンケートに対する回答方法は、そのような気分かどうかを、是か非かで回答するだけではなく、どちらに偏っているかの程度を、例えば20段階で回答する形式をとることもできる。 【0100】 以上のようなアンケート結果は、慢性疲労症候群による体調の悪化かどうかを判断する要素として用いることができる。 例えば、解析プログラムの結果、体調係数m(t)が低くすなわち慢性疲労症候群の症状が高く、かつアンケート結果から疲労感が強いという結果が得られた場合、利用者は慢性疲労症候群の傾向が強いことがより正確に判断される。 【0101】 逆に、m(t)が高く慢性疲労症候群の症状が低いのにもかかわらず、アンケートで疲労感が強いという結果が出た場合には、慢性疲労症候群以外の疾病である可能性ある。上記のように、アンケート結果を用いて、より正確な診断を行うことが可能である。 【0102】 問診の終了後、脳機能試験プログラムを行っても良い。一般に脳の機能を調べるCPTと呼ばれるテストがある。脳機能試験プログラムは、これにゲーム性を持たせ形態で、利用者に実施する。 【0103】 以下に、本発明の脳機能試験の例を示す。 ★、◆、▲のキャラクターが画面に一秒ごとに表示される。例えば★や▲が出た場合に、特定のボタンを押し、◆が出た場合にはボタンを押さないというルールを設ける。キャラクターが1秒間隔で30秒間ランダムに表示され、利用者は表示されたキャラクターを認知し、ボタンを押すか押さないかを判断する。利用者の回答の正解率などを評価する。このテスト結果が悪い場合は、利用者は脳機能に何ら支障がある可能性があると判断できる。 【0104】 次に、診断プログラムでは、センサの計測データの解析結果、問診結果、及び脳機能試験の結果を総合的に判断し、例えば、それぞれの結果に点数として換算し、合計点数を用いて、総合的診断を行う。診断結果は、利用者に即座に通知される、医師あるいは家族に公衆回線を介して通知される、あるいは携帯情報端末に記録され後日病院での健康診断に用いることができる。 【0105】 利用者への通知の例を以下に示す。 診断結果から慢性疲労症候群の症状が悪いと判断された場合、「症状が悪くなっています。数日前に激しい運動をしたことも原因でしょう。無理な運動は避けてください。」など、症状、原因、改善方法を通知する。また、診断結果が改善傾向にあれば、「調子がだいぶ良くなってきたようですね。完治までもう少しです。」、症状の判断付かない場合などでは、「風邪などの可能性もあります。必要があれば病院で診察することをお勧めします。」などを通知する。 【0106】 以上のように、症状が悪い場合にはその症状の原因が何にあるのかの解析結果も含めて利用者に通知し、また利用者に症状を改善するために何をすべきかを通知することもできる。 【0107】 このように、本発明は、リアルタイムにオンサイトで、計測されたデータを解析し、問診を行い、その結果を、利用者に知らせることによって、病気の症状が悪化することを抑制し、症状の改善の助けとなる。 【0108】 以上に、センサの計測データの解析方法、問診、脳機能試験プログラムの内容、利用者へ通知するメッセージの例を示したが、この内容に限ることはない。 特に、慢性疲労症候群の症状が悪い兆候か良い兆候かを判断する方法は、他の方法で実施することも可能である。 【0109】 また、慢性疲労症候群に関しての解析プログラム、問診プログラムの例を示したが、本発明は他の病気に関しても同様にデータ解析と問診内容から、より正確な診断を行う携帯健康管理装置として実施することも可能である。 【0110】 また、今回は慢性疲労症候群に本発明の健康管理装置を適用する場合に、生体情報を収集するセンサのみを用いた例を示したが、利用者の周囲の環境情報を収集するセンサを用いて、さらに正確な診断が可能となる。 【0111】 例えば、さらに環境センサとして照度センサを加えた時は、昼夜の活動をより明確に区別でき、また睡眠時の体動等から睡眠の深さ等を計測でき、自律神経の状態も加えて判断できるため、より正確で総合的な診断が可能となる。同様に、音センサを用い利用者周囲の雑音を計測すれば、雑踏環境あるいは静かな環境に利用者が居る時おける身体活動の違いを判別できるため、抑鬱状態をより正確に把握できる。また、相手と会話を続けることができるか、それともすぐに会話が終わるかなどの、会話のレスポンスの程度が判断できるため、倦怠感をより正確に判断できる。 【0112】 次に、環境センサを用いた本発明の実施例として、化学物質過敏症に対する健康管理装置の例を示す。 シックハウス症候群に代表されるような化学物質過敏症は、化学物質が患者に暴露されなければ、患者の体調は普通の状態と全く変わらない。そのため、化学物質過敏症患者が医師の診断を受ける場合、その場で症状の原因となる化学物質が暴露されるわけではないため、診断が困難となる。したがって、化学物質過敏症による症状があり、発作が起き、患者が苦しんでいたとしても、医師はその状態を診断できず、医師は患者に確認するのみで診断を下さなければならない。 【0113】 また、患者自身も発作が激しくなってからでは、動くことも困難になり、状態の悪化に苦しむ結果となる。そこで、本発明では、上記の問題を解決する健康管理装置を提供することが可能である。 【0114】 本発明による健康管理装置を化学物質過敏症の健康管理に用いた例を示す。 化学物質過敏症に対する健康管理装置は、ガス濃度を検出する環境センサと、前記慢性疲労症候群の例と同様の問診機能等を有する携帯情報端末により構成される。 問診プログラムは、ガスセンサによりガス濃度が閾値を超えたときに起動する、あるいは利用者が体調の変化を感じたときなどに利用者自身が起動する、あるいはスケジューリングにより起動することが可能である。 【0115】 ガスが暴露された時と通常の状態の時とで、化学物質過敏症患者と健常者に問診を行った場合に顕著な差が得られることを確認している。図5及び図6は、化学物質過敏症患者13名と、健常者12名の実験結果である。図5は、患者が体調の変化を起こすガスの種類と濃度を示す。また、図6は患者に、動悸や吐き気などの身体症状と、不安などの気分とに関する問診を行い、ガス暴露時の症状が出ている状態と通常状態とを比較し、問診結果に有意な差が認められた問診内容を示している。図6から、これらの問診を行うことによって、患者に化学物質過敏症の症状がでているか否かを判断することができることがわかる。また、図5から、化学物質過敏症患者は、健常者とは全く異なり、非常に低いガス濃度で症状を起こすことがわかる。図5のガス濃度の結果と、図6の問診内容の結果を、本発明のガスセンサの通常と異なる値の判定、及び問診内容として採用する。 【0116】 そこで、本発明では、ガス濃度を比較的低い濃度で検出し(ホルムアルデヒドでは例えば10ppbなど)、利用者が発作を起こす前の利用者自らが回答することが可能な状態で、問診プログラムを起動し、問診内容として図6記載の身体症状と気分に関する質問を行う。問診の回答結果から、診断プログラムは化学物質過敏症の兆候有りか無しかを判断し、化学物質過敏症の兆候有り判断された場合、利用者にそのガス濃度を通知し、また、その場所からの回避を勧める。 【0117】 以上のように、化学物質過敏症の症状(発作)でる前の兆候の段階で問診を行い、発作が起こる前の利用者自身が行動できる段階で前兆を検知することができるため、患者は速やかにその場を立ち去り、症状を軽減する行動(例えば、薬を服用するなど)をとることができる。 【0118】 また、化学物質過敏症の症状を客観的に診断でき、症状の原因となるガスの種類、兆候や症状の発生するガス濃度が判断できるため、医師は適切な診断、処方が可能となる。 本実施例では、ガスセンサとして、携行しやすい自動ガス検知器や検知菅を用いたが、昨今技術革新が進み小型化されているIRを用いたガスセンサや、超小型ガスクロマトグラフィーを用いてもよい。 【0119】 また、化学物質過敏症患者は、日中だけでなく夜間でも、心拍変動や身体活動に異常がみとめられるため、ガスセンサ以外に、心拍計や振動センサを備える健康管理装置により、症状の兆候診断をさらに正確に行うことも可能である。 【図面の簡単な説明】 【0120】 【図1】本発明による健康管理装置の構成を示す図である。 【図2】本発明における健康(病気)管理対象とセンサによる測定項目を示すである。 【図3】本発明における健康管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。 【図4】本発明による慢性疲労症候群を対象とした健康管理装置を実施する構成図である。 【図5】本発明による化学物質過敏症を対象とした健康管理装置の実施例における、患者が体調の変化を起こすガスの種類と濃度を示す表である。 【図6】本発明による化学物質過敏症を対象とした健康管理装置の実施例における、問診内容とその回答結果を示す表である。 【符号の説明】 【0121】 101 : 利用者 102、103 : 利用者の生体情報を計測するセンサ 104 : 利用者の周囲の環境情報を計測するセンサ 105〜108 : 無線通信機能 109 : 携帯情報端末 110 : 携帯情報端末に搭載されるデータメモリ 111 : 携帯情報端末に搭載される解析プログラム 112 : 携帯情報端末に搭載される問診プログラム 113 : 携帯情報端末に搭載される脳機能試験プログラム 114 : 携帯情報端末に搭載されるデータベース 115 : 携帯情報端末に搭載される診断プログラム
301 : 体温情報を計測する温度センサ 302 : 体動情報を計測する振動センサ 303 : 携帯情報端末
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年10月27日(2004.10.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100112335 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 英介
【識別番号】100101144 【弁理士】 【氏名又は名称】神田 正義
【識別番号】100101694 【弁理士】 【氏名又は名称】宮尾 明茂
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| 【公開番号】 |
特開2008−11865(P2008−11865A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2004−312584(P2004−312584) |
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