| 【発明の名称】 |
画像生成方法およびMRI装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】奈部谷 章
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| 【要約】 |
【課題】n個のコイルで得た各データを基に画質の良いMR画像を生成する。
【構成】第1コイルと第k(=2,…,n)コイルから等距離にある撮影対象に対応する第1低解像度画像のピクセル群の第1合成信号P(1)と第k低解像度画像のピクセル群の第k合成信号P(k)とを比較して第kコイルに対応する強度補正係数と位相シフト量とを求め、それらを用いて前記各低解像度画像の強度と位相とを補正する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 n(≧2)個のコイルで得た各データから各画像を生成し、前記各画像の強度と位相とを補正した後、補正後の画像を加算して一つの合成画像を生成し、前記合成画像と前記各画像とにより各コイルの感度マップを作成し、各データと各感度マップとから一つの画像を生成し、 前記n個のコイルで得た各データの低周波領域の部分データを用いて各低解像度画像を生成し、前記各低解像度画像の強度と位相とを補正した後、補正後の画像を加算して一つの合成低解像度画像を生成し、前記合成低解像度画像と前記各低解像度画像とにより前記各コイルの感度マップを作成する画像生成方法において、 第1コイルと第k(=2,…,n)コイルから等距離にある撮影対象に対応する第1低解像度画像のピクセル群の第1合成信号P(1)と第k低解像度画像のピクセル群の第k合成信号P(k)とを比較して第kコイルに対応する強度補正係数と位相シフト量とを求め、それらを用いて前記各低解像度画像の強度と位相とを補正することを特徴とする画像生成方法。 【請求項2】 請求項1に記載の画像生成方法において、 前記第1合成信号P(1)と前記第k合成信号P(k)の大きさの比から強度補正係数を求めることを特徴とする画像生成方法。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の画像生成方法において、 前記第1合成信号P(1)と前記第k合成信号P(k)の一方の位相をシフトしながら両信号を加算して、値が最大になるシフト量を位相シフト量とすることを特徴とする画像生成方法。 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像生成方法において、 前記各コイルの配置に基づく重みを乗じて前記画像の加算を行うことを特徴とする画像生成方法。 【請求項5】 n(≧2)個のコイルと、前記n(≧2)個のコイルで得た各データから各画像を生成する画像再構成手段と、前記各画像の強度と位相とを補正する補正手段と、補正後の画像を加算して一つの合成画像を生成する合成画像生成手段と、前記合成画像と前記各画像とにより各コイルの感度マップを作成する感度マップ作成手段と、各データと各感度マップとから一つの画像を生成する画像生成手段とを具備し、前記画像再構成手段は、前記n個のコイルで得た各データの低周波領域の部分データを用いて各低解像度画像を生成し、前記補正手段は、前記各低解像度画像の強度と位相とを補正し、前記合成画像生成手段は、補正後の画像を加算して一つの合成低解像度画像を生成し、前記感度マップ作成手段は、前記合成低解像度画像と前記各低解像度画像とにより前記各コイルの感度マップを作成するMRI装置において、 第1コイルと第k(=2,…,n)コイルから等距離にある撮影対象に対応する第1低解像度画像のピクセル群の第1合成信号P(1)と第k低解像度画像のピクセル群の第k合成信号P(k)とを比較して第kコイルに対応する強度補正係数と位相シフト量とを取得する補正量取得手段を更に具備し、 前記補正手段は、取得した位相シフト量と強度補正係数とを用いて前記各低解像度画像の強度と位相とを補正することを特徴とするMRI装置。 【請求項6】 請求項5に記載のMRI装置において、 前記補正量取得手段は、前記第1合成信号P(1)と前記第k合成信号P(k)の大きさの比から強度補正係数を求めることを特徴とするMRI装置。 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載のMRI装置において、 前記補正量取得手段は、前記第1合成信号P(1)と前記第k合成信号P(k)の一方の位相をシフトしながら両信号を加算して、値が最大になるシフト量を位相シフト量とすることを特徴とするMRI装置。 【請求項8】 請求項5から請求項7のいずれかに記載のMRI装置において、 前記合成画像生成手段は、前記各コイルの配置に基づく重みを乗じて前記画像の加算を行うことを特徴とするMRI装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、画像生成方法およびMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置に関し、さらに詳しくは、n(≧2)個のコイルで得た各データを基に画質の良いMR画像を生成しうる画像生成方法およびMRI装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、フェーズドアレイコイルの各コイルで得た各データを基にサム・オブ・スクエア(sum of square)法により1つのMR画像を生成していたが、各コイルの感度ムラのために良好な画質が得られない。そこで、均一な感度を持つボディコイルでデータを得てレファレンス画像を作成し、このレファレンス画像を用いて各コイルの感度補正を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。 また、n個のコイルで得た各データと各コイルの感度マップとから画像を生成する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。 【特許文献1】米国特許第4812753号明細書 【非特許文献1】Pruessmann KP, et al. Magn Reson Med 1999;952-962 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記ボディコイルを用いて得たデータから生成したレファレンス画像により感度補正を行う従来方法では、フェーズドアレイコイルによるデータ収集とは別にボディコイルによるデータ収集が必要になる問題点がある。また、フェーズドアレイコイルによるデータ収集とボディコイルによるデータ収集の間に患者が動いてしまうと、アーチファクトが発生する問題がある。 また、n個のコイルで得た各データと各コイルの感度マップとから画像を生成する公知方法では、各コイルの感度マップが必要になるが、この感度マップを作成するために、フェーズドアレイコイルによるデータ収集とは別にボディコイルによるデータ収集が必要になる問題点があった。また、フェーズドアレイコイルによるデータ収集とボディコイルによるデータ収集の間に患者が動いてしまうと、アーチファクトが発生する問題がある。 そこで、本発明の目的は、n個のコイルで得た各データを基に画質の良いMR画像を生成しうる画像生成方法およびMRI装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 第1の観点では、本発明は、n(≧2)個のコイルで得た各データから各画像を生成し、各画像の強度と位相とを補正した後、画像を加算して一つの合成画像を生成することを特徴とする画像生成方法を提供する。 上記第1の観点による画像生成方法では、n個のコイルで得た各データから生成した各画像の強度と位相とを補正して加算するため、均一度の高い一つの大きなコイルで得たデータから生成した画像と同等の画質の良い画像が得られる。そして、均一度の高い一つの大きなコイルでデータを得る必要がなくなる。 【0005】 第2の観点では、本発明は、n(≧2)個のコイルで得た各データから各画像を生成し、各画像の強度と位相とを補正した後、画像を加算して一つの合成画像を生成し、前記合成画像と各画像とにより各コイルの感度マップを作成し、各データと各感度マップとから一つの画像を生成することを特徴とする画像生成方法を提供する。 上記第2の観点による画像生成方法では、n個のコイルで得た各データから生成した各画像の強度と位相とを補正して加算するため、均一度の高い一つの大きなコイルで得たデータから生成した画像と同等の合成画像が得られ、この合成画像と各画像とにより各コイルの感度マップを作成でき、さらに各データと各感度マップとから一つの画像を生成するため、画質の良い画像が得られる。そして、均一度の高い一つの大きなコイルでデータを得る必要がなくなる。 【0006】 第3の観点では、本発明は、上記構成の画像生成方法において、n個のコイルで得た各データの低周波領域の部分データを用いて各低解像度画像を生成し、各低解像度画像の強度と位相とを補正した後、画像を加算して一つの合成低解像度画像を生成し、前記合成低解像度画像と各低解像度画像とにより各コイルの感度マップを作成することを特徴とする画像生成方法を提供する。 上記第3の観点による画像生成方法では、均一度の高い一つの大きなコイルで得たデータから生成した画像と同様に感度ムラを抑制できるのに加えて、各データの低周波領域の部分データを基に各コイルの感度マップを作成するため、高周波ノイズの影響を除去でき、n個のコイルで得た各データと同様の高いSNR(Signal to Noise Ratio)が得られる。 【0007】 第4の観点では、本発明は、上記構成の画像生成方法において、n個のコイルの各受信端に当たる部分にテスト信号を入力し、得られた各テストデータから各コイルに対応する位相シフト量と強度補正係数とを求めて記憶しておき、それらを用いて各画像の強度と位相とを補正することを特徴とする画像生成方法を提供する。 上記第4の観点による画像生成方法では、各コイルの受信端からデータサンプリング端までのケーブル,前置増幅器,レシーバ等による位相変動と信号強度変動を実測し、位相シフト量と強度補正係数とを求めて予め記憶しておき、それらを用いて実際の撮影時に各画像の強度と位相とを補正するので、実際の撮影時における処理が簡単になる。 【0008】 第5の観点では、本発明は、上記構成の画像生成方法において、第1コイルと第k(=2,…,n)コイルから等距離にある撮影対象に対応する第1低解像度画像のピクセル群の第1合成信号P(1)と第k低解像度画像のピクセル群の第k合成信号P(k)とを比較して第kコイルに対応する強度補正係数と位相シフト量とを求め、それらを用いて各低解像度画像の強度と位相とを補正することを特徴とする画像生成方法を提供する。 第1コイルと第kコイルから等距離にある撮影対象に対応する第1低解像度画像のピクセル群の第1合成信号P(1)と第k低解像度画像のピクセル群の第k合成信号P(k)とは、理論上、強度が同一で、位相が一定の関係にある。 そこで、上記第5の観点による画像生成方法では、第1合成信号P(1)と第k合成信号P(k)とを比較することにより、位相シフト量と強度補正係数とを求めることが出来る。 【0009】 第6の観点では、本発明は、上記構成の画像生成方法において、第1合成信号P(1)と第k合成信号P(k)の大きさの比から強度補正係数を求めることを特徴とする画像生成方法を提供する。 第1コイルと第kコイルから等距離にある信号源に対応する第1低解像度画像のピクセル群の第1合成信号P(1)と第k低解像度画像のピクセル群の第k合成信号P(k)とは、理論上、強度が同一である。 そこで、上記第6の観点による画像生成方法では、第1合成信号P(1)と第k合成信号P(k)の大きさを比較することにより、強度補正係数を求めることが出来る。 【0010】 第7の観点では、本発明は、上記構成の画像生成方法において、第1合成信号P(1)と第k合成信号P(k)の一方の位相をシフトしながら両信号を加算して、値が最大になるシフト量を位相シフト量とすることを特徴とする画像生成方法を提供する。 第1コイルと第kコイルから等距離にある信号源に対応する第1低解像度画像のピクセル群の第1合成信号P(1)と第k低解像度画像のピクセル群の第k合成信号P(k)とは、理論上、位相が一定の関係にある。 そこで、上記第7の観点による画像生成方法では、第1合成信号P(1)と第k合成信号P(k)とを比較することにより、位相シフト量を求めることが出来る。 【0011】 第8の観点では、本発明は、上記構成の画像生成方法において、各コイルの配置に基づく重みを乗じて前記画像の加算を行うことを特徴とする画像生成方法を提供する。 同一信号源に対する各コイルのデータは、各コイルの配置に応じて、強度と位相が一定の関係にある。 そこで、上記第8の観点による画像生成方法では、各コイルの配置に応じた相対強度と相対位相で決まる重みを乗じて前記画像の加算を行う。 【0012】 第9の観点では、本発明は、n(≧2)個のコイルと、前記n(≧2)個のコイルで得た各データから各画像を生成する画像再構成手段と、前記各画像の強度と位相とを補正する補正手段と、補正後の画像を加算して一つの合成画像を生成する合成画像生成手段とを具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第9の観点によるMRI装置では、上記第1の観点による画像生成方法を好適に実施できる。 【0013】 第10の観点では、本発明は、n(≧2)個のコイルと、前記n(≧2)個のコイルで得た各データから各画像を生成する画像再構成手段と、前記各画像の強度と位相とを補正する補正手段と、補正後の画像を加算して一つの合成画像を生成する合成画像生成手段と、前記合成画像と各画像とにより各コイルの感度マップを作成する感度マップ作成手段と、各データと各感度マップとから一つの画像を生成する画像生成手段とを具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第10の観点によるMRI装置では、上記第2の観点による画像生成方法を好適に実施できる。 【0014】 第11の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記画像再構成手段は、n個のコイルで得た各データの低周波領域の部分データを用いて各低解像度画像を生成し、前記補正手段は、各低解像度画像の強度と位相とを補正し、前記合成画像生成手段は、補正後の画像を加算して一つの合成低解像度画像を生成し、前記感度マップ作成手段は、前記合成低解像度画像と各低解像度画像とにより各コイルの感度マップを作成することを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第11の観点によるMRI装置では、上記第3の観点による画像生成方法を好適に実施できる。 【0015】 第12の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、予め求めた各コイルに対応する位相シフト量と強度補正係数とを記憶しておく補正量記憶手段を具備し、前記補正手段は、記憶しておいた位相シフト量と強度補正係数とを用いて各画像の強度と位相とを補正することを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第12の観点によるMRI装置では、上記第4の観点による画像生成方法を好適に実施できる。 【0016】 第13の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、第1コイルと第k(=2,…,n)コイルから等距離にある撮影対象に対応する第1低解像度画像のピクセル群の第1合成信号P(1)と第k低解像度画像のピクセル群の第k合成信号P(k)とを比較して第kコイルに対応する強度補正係数と位相シフト量とを取得する補正量取得手段を具備し、前記補正手段は、取得した位相シフト量と強度補正係数とを用いて各画像の強度と位相とを補正することを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第13の観点によるMRI装置では、上記第5の観点による画像生成方法を好適に実施できる。 【0017】 第14の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記補正量取得手段は、第1合成信号P(1)と第k合成信号P(k)の大きさの比から強度補正係数を求めることを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第14の観点によるMRI装置では、上記第6の観点による画像生成方法を好適に実施できる。 【0018】 第15の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記補正量取得手段は、第1合成信号P(1)と第k合成信号P(k)の一方の位相をシフトしながら両信号を加算して、値が最大になるシフト量を位相シフト量とすることを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第15の観点によるMRI装置では、上記第7の観点による画像生成方法を好適に実施できる。 【0019】 第16の観点では、本発明は、上記構成のMRI装置において、前記合成画像生成手段は、各コイルの配置に基づく重みを乗じて前記画像の加算を行うことを特徴とするMRI装置を提供する。 上記第16の観点によるMRI装置では、上記第8の観点による画像生成方法を好適に実施できる。 【発明の効果】 【0020】 本発明の画像生成方法およびMRI装置によれば、従来のサム・オブ・スクエア法に比べ、均一度の高い画像を生成することが出来る。また、ボディコイルを用いたデータの収集が不要になる。この結果、スキャン時間を短縮できる。また、患者の動きによるアーチファクトにも強くなる。さらに、大きなコイルの感度を模倣することに基づいて各コイルの感度補正が行われるので、画像処理による画像補正のように病変部まで補正されてしまうことがない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 以下、図に示す実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。 【実施例1】 【0022】 図1は、実施例1にかかるMRI装置100を示すブロック図である。 このMRI装置100において、マグネットアセンブリ101は、内部に被検体を挿入するための空間部分(ボア)を有し、この空間部分を取りまくようにして、被検体に一定の静磁場を印加する静磁場コイル101Cと、X軸,Y軸,Z軸の勾配磁場を発生するための勾配コイル101Gと、被検体内の原子核のスピンを励起するためのRFパルスを与える送信コイル101Tと、被検体からのNMR信号を受信するためのnチャンネルの受信コイル101(1),101(2),…,101(n)とが配置されている。 なお、の勾配コイル101GのX軸,Y軸,Z軸の組み合わせによりスライス軸,位相エンコード軸,リード軸が形成される。 静磁場コイル101C,勾配コイル101G,送信コイル101Tは、それぞれ静磁場電源102,勾配コイル駆動回路103,RF電力増幅器104に接続されている。また、受信コイル101(1),101(2),…,101(n)は、それぞれ前置増幅器105(1),105(2),…,105(n)に接続されている。 なお、静磁場コイル101Cの代わりに永久磁石を用いてもよい。 【0023】 シーケンス記憶回路108は、計算機107からの指令に従い、記憶しているパルスシーケンスに基づいて勾配コイル駆動回路103を操作し、勾配コイル101Gから勾配磁場を発生させると共に、ゲート変調回路109を操作し、RF発振回路110の搬送波出力信号を所定タイミング・所定包絡線形状・所定位相のパルス状信号に変調し、それをRFパルスとしてRF電力増幅器104に加え、RF電力増幅器104でパワー増幅した後、送信コイル101Tに印加する。 【0024】 セレクタ111は、受信コイル101(1),101(2),…,101(n)で受信され前置増幅器105(1),105(2),…,105(n)で増幅されたNMR信号をm個のレシーバ112(1),112(2),…,112(m)に伝達する。これは、受信コイル101とレシーバ112の関係を可変にするためである。 【0025】 レシーバ112は、NMR信号をデジタル信号に変換し、計算機107に入力する。 【0026】 計算機107は、レシーバ112からデジタル信号を読み込み、処理を施して、MR画像を生成する。また、計算機107は、操作卓113から入力された情報を受け取るなどの全体的な制御を受け持つ。 表示装置106は、画像やメッセージを表示する。 【0027】 図2は、同一形状のコイル(1),101(2),…,101(n)を平面上に配置してなるフェーズドアレイコイルの平面図である。 図3は、次に説明する処理によって模倣された一つの大きなコイルの概念図である。 【0028】 図4は、実施例1に係る校正処理を示すフロー図である。 ステップS1では、操作者は、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第nコイル101(n)の受信端(コイルとケーブルの接続点)に微小なテスト信号を同相同振幅で入力する。そして、計算機107で、第1信号P(1),第2信号P(2),…,第n信号P(n)のデータを読み込む。 【0029】 ステップS2では、コイル番号カウンタk=2に初期設定する。 【0030】 ステップS3では、第k信号P(k)の位相φを単位シフト量(例えば10゜)ずつ変化させながら第k信号P(k)と第1信号P(1)とを加算して、値Hが最大になる位相シフト量を第k位相シフト量φ(k)とする。 H=P(1)+P(k)・exp{i・φ}} Hmax=P(1)+P(k)・exp{i・φ(k)}} 【0031】 ステップS4では、第1信号P(1)と位相補正した第k信号P(k)の振幅比を第k強度補正係数I(k)とする。 I(k)=P(1)/〔P(k)・exp{i・φ(k)}〕 【0032】 ステップS5では、コイル番号カウンタkを「1」だけインクリメントする。 ステップS6では、コイル番号カウンタk≦nならステップS3に戻り、k>nなら処理を終了する。 【0033】 実施例1の校正処理により、位相シフト量φ(k)と強度補正係数I(k)とが計算機107に記憶される。 【0034】 図5は、実施例1に係る撮影・画像生成処理を示すフロー図である。 ステップT1では、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第nコイル101(n)により被検体を撮影して、k空間の第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)を計算機107に読み込む。 ステップT2では、第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)から第1画像D(1),第2画像D(2),…,第n画像D(n)を再構成する。なお、これらの画像は複素画像であり、ピクセル値はベクトルであって位相と大きさをもっている。 【0035】 ステップT3では、コイル番号カウンタk=2に初期設定する。 【0036】 ステップT4では、第k位相シフト量φ(k)と第k強度補正係数I(k)とを用いて第k画像D(k)の各ピクセル値を位相・振幅補正して、第k補正画像C(k)を得る。 C(k)=D(k)×exp{i・φ(k)}×I(k) 【0037】 ステップT5では、コイル番号カウンタkを「1」だけインクリメントする。 ステップT6では、コイル番号カウンタk≦nならステップT4に戻り、k>nならステップT7へ進む。 【0038】 ステップT7では、第1画像D(1)および全ての補正画像を加算し、合成画像Imを求める。 Im=Σ{C(k)} 但し、C(1)=D(1)とする。 そして、処理を終了する。 【0039】 実施例1の撮影・画像生成処理により、図3に示す大きなコイルで得たデータから生成した画像と同等の均一度を持つ画像を生成することが出来る。 【実施例2】 【0040】 図6は、実施例2に係る撮影・画像生成処理を示すフロー図である。 ステップT11では、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第nコイル101(n)により被検体を撮影して、k空間の第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)を計算機107に読み込む。 【0041】 ステップT12では、第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)のk=0近傍(例えば256×256の解像度の場合はk=0付近の32ライン分程度)の部分データから第1低解像度画像d(1),第2低解像度画像d(2),…,第n低解像度画像d(n)を再構成する。なお、これらの画像は複素画像であり、ピクセル値はベクトルであって位相と大きさをもっている。 【0042】 ステップT13では、コイル番号カウンタk=2に初期設定する。 【0043】 ステップT14では、第k位相シフト量φ(k)と第k強度補正係数I(k)とを用いて第k低解像度画像d(k)の各ピクセル値を位相・振幅補正して、第k補正低解像度画像c(k)を得る。 c(k)=d(k)×exp{i・φ(k)}×I(k) 【0044】 ステップT15では、コイル番号カウンタkを「1」だけインクリメントする。 ステップT16では、コイル番号カウンタk≦nならステップT14に戻り、k>nならステップT17へ進む。 【0045】 ステップT17では、第1低解像度画像d(1)および全ての補正低解像度画像を加算し、合成低解像度画像Inを求める。 In=Σ{c(k)} 但し、c(1)=d(1)とする。 【0046】 ステップT18では、合成低解像度画像Inをレファレンス画像として、第1低解像度画像d(1)〜第n低解像度画像d(n)から各コイルの感度マップを作成する。例えば、合成低解像度画像Inの各ピクセルの大きさで第1低解像度画像d(1)〜第n低解像度画像d(n)の各ピクセル値を割った画像を感度マップとしたり、割った画像にスムージング処理を施してノイズ除去した画像を感度マップとする。 【0047】 ステップT19では、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第nコイル101(n)の感度マップと第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)から画像を生成する。この画像の生成は、Pruessmann KP, et al. Magn Reson Med 1999;952-962 に開示の次式を利用して行うことが出来る。 (SHΨ-1S)-1SHΨ-1A ここで、Sは各コイルの感度マップを順に並べたベクトルである。Ψは noise correlation matrix である。noise correlation matrix を使用しない場合はΨを単位行列とする。Aは各コイルのデータである。この計算は、ピクセル毎に行われる。 そして、処理を終了する。 【0048】 実施例2の撮影・画像生成処理により、図3に示す大きなコイルで得たデータから生成した画像と同等の均一度を持ち且つフェーズドアレイコイルの利点である高いSNRを持つ画像を生成することが出来る。 【0049】 なお、次のように変形してもよい。 (1)ステップT11では、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第nコイル101(n)でレファレンス・スキャン(例えば32×32の画像のスキャン)してk空間のレファレンス用の第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)を得ると共に位相エンコードステップを間引いて本スキャン(例えば256×256の画像のスキャン)してk空間のイメージング用の第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)を得る。 (2)ステップT12では、レファレンス用の第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)をそのまま用いる。 (3)ステップT19では、各コイルの感度マップと共にイメージング用の第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)を用い、SENSE(Sensitivity Encoding)アルゴリズムにより画像を生成する。 あるいは、次のように変形してもよい。 (1)ステップT11では、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第nコイル101(n)でk=0の近傍領域だけは位相エンコードステップを間引かず、それ以外の領域は位相エンコードステップを間引いて撮影してk空間の第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)を得る。 (2)ステップT19では、各コイルの感度マップと共に第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)からk=0の近傍領域の位相エンコードステップも間引いたデータを用いて、SENSEアルゴリズムにより画像を生成する。 【実施例3】 【0050】 図7は、実施例3に係る校正処理を示すフロー図である。 ステップS11では、操作者は、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第nコイル101(n)とファントムを位置決めして撮影して、k空間の第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)を計算機107に読み込む。 ステップS12では、第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)のk=0近傍(例えば256×256の解像度の場合はk=0付近の32ライン分程度)の部分データから第1低解像度画像d(1),第2低解像度画像d(2),…,第n低解像度画像d(n)を再構成する。なお、これらの画像は複素画像であり、ピクセル値はベクトルであって位相と大きさをもっている。 【0051】 ステップS13では、コイル番号カウンタk=2に初期設定する。 【0052】 ステップS14では、図8にk=2の場合を示すように第1コイル(1)と第kコイル101(k)の中心から等距離にあるファントム部分Fに対応する第1低解像度画像d(1)のピクセル群(例えば256×256の解像度の場合は30×30ピクセル程度)の合成信号(各ピクセルのベクトルを加算したベクトル)をP(1)とする。 ステップS15では、図8にk=2の場合を示すように第1コイル(1)と第kコイル101(k)の中心から等距離にあるファントム部分Fに対応する第k低解像度画像d(k)のピクセル群の合成信号をP(k)とする。 【0053】 ステップS16では、合成信号P(1)と合成信号P(k)の大きさの比を第k強度補正係数I(k)とする。 I(k)=|P(1)|/|P(k)| 【0054】 さて、第1コイル101(1)の合成信号P(1)と第kコイル101(k)の合成信号P(k)の間には、次の3つの要因による位相差がある。 (i)第1コイル(1)の受信端からレシーバ112(1)までの伝送路と第kコイル(k)の受信端からレシーバ112(k)までの伝送路が違うことによる位相差 (ii)NMR信号が回転磁場であり且つ第1コイル(1)と第kコイル(k)の位置が違うことによる位相差 (iii)図8にk=2の場合を示すように第1コイル(1)の感度ベクトルV(1)と第kコイル101(k)の感度ベクトルV(k)の方向が違うことによる位相差 大きなコイルを模倣するためには、各コイルの電流の時間軸を合わせる必要がある。つまり、上記(i)(ii)の位相差をなくすと共に上記(iii)の位相差を保つように位相補正する必要がある。 そこで、ステップS17では、上記(i)(ii)を合わせた位相差を求めるための位相シフト量をφとし、上記(iii)の位相差を求めるための位相シフト量をφgとするとき、φを0゜〜360゜の範囲で例えば10゜ずつ変化させ且つφgを0゜〜90゜(感度ベクトルの方向の違いは90゜未満である)の範囲で例えば2.5゜ずつ変化させ、次式の値Hが最大になる位相シフト量φを第k位相シフト量φ(k)とする。 H=P(1)・exp{i・φg}+P(k)・exp{-i・φg}・exp{i・φ} Hmax=P(1)・exp{i・φg(k)}+P(k)・exp{-i・φg(k)}・exp{i・φ(k)} 【0055】 ステップS18では、コイル番号カウンタkを「1」だけインクリメントする。 ステップS19では、コイル番号カウンタk≦nならステップS14に戻り、k>nなら処理を終了する。 【0056】 実施例3の校正処理により、位相シフト量φ(k)と強度補正係数I(k)とが計算機107に記憶される。 【0057】 なお、上記ステップS13〜S19では、第1コイル101(1)と第kコイル101(k)とを比べて第1コイル101(1)を基準とした第k強度補正係数I(k)と第k位相シフト量φ(k)とを求めたが、相互に隣接するコイル同士を比べて隣接コイル間の相対強度補正係数と相対位相シフト量とを求め、それら相対強度補正係数と相対位相シフト量とから第1コイル101(1)を基準とした第k強度補正係数I(k)と第k位相シフト量φ(k)とを求めてもよい。 【実施例4】 【0058】 図9は、同一形状のコイル(1),101(2),…,101(8)を円筒上に等角度に配置してなるフェーズドアレイコイルの斜視図である。 図10は、各コイル(1),101(2),…,101(8)を示す斜視図である。 なお、各コイル(1),101(2),…,101(8)の受信端の接地位置は、回転対称になっている。 図11は、次に説明する処理によって模倣された一つのバードケージコイルの概念図である。 【0059】 図12は、実施例4に係る撮影・画像生成処理を示すフロー図である。 ステップT21では、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第8コイル101(8)により被検体を撮影して、k空間の第1データK(1),第2データK(2),…,第8データK(8)を計算機107に読み込む。 【0060】 ステップT22では、第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)から第1画像D(1),第2画像D(2),…,第8画像D(8)を再構成する。なお、これらの画像は複素画像であり、ピクセル値はベクトルであって位相と大きさをもっている。 【0061】 ステップT23では、第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)のk=0近傍(例えば256×256の解像度の場合はk=0付近の32ライン分程度)の部分データから第1低解像度画像d(1),第2低解像度画像d(2),…,第8低解像度画像d(8)を再構成する。これらの画像は複素画像であり、ピクセル値はベクトルであって位相と大きさをもっている。 なお、k=0近傍の部分データを用いた方がノイズの影響に強いが、全データを用いて第1低解像度画像d(1),第2低解像度画像d(2),…,第8低解像度画像d(8)を再構成してもよい。 【0062】 ステップT24では、図13にk=2の場合を示すように円筒中心部分(つまり、各コイルの中心から等距離にある部分)F’に対応する第1低解像度画像d(1)のピクセル群(例えば256×256の解像度の場合は30×30ピクセル程度)の合成信号(各ピクセルのベクトルを加算したベクトル)をP(1)とする。 【0063】 ステップT25では、コイル番号カウンタk=2に初期設定する。 【0064】 ステップT26では、図13にk=2の場合を示すように円筒中心部分F’に対応する第k低解像度画像d(k)のピクセル群の合成信号をP(k)とする。 【0065】 ステップT27では、合成信号P(1)と合成信号P(k)の大きさの比を強度補正係数I(k)とする。 I(k)=|P(1)|/|P(k)| 【0066】 さて、第1コイル101(1)の合成信号P(1)と第kコイル101(k)の合成信号P(k)の間には、次の3つの要因による位相差がある。 (i)第1コイル(1)の受信端からレシーバ112(1)までの伝送路と第kコイル(k)の受信端からレシーバ112(k)までの伝送路が違うことによる位相差 (ii)NMR信号が回転磁場であり且つ第1コイル(1)と第kコイル(k)の位置が違うことによる位相差 (iii)図13にk=2の場合を示すように第1コイル(1)の感度ベクトルV(1)と第kコイル101(k)の感度ベクトルV(k)の方向が違うことによる位相差 大きなコイルを模倣するためには、各コイルの電流の時間軸を合わせる必要がある。つまり、上記(i)(ii)の位相差をなくすと共に上記(iii)の位相差を保つように位相補正する必要がある。 そこで、ステップT28では、上記(i)(ii)を合わせた位相差を求めるための位相シフト量をφとし、上記(iii)の位相差を求めるための位相シフト量をφgとするとき、φを0゜〜360゜の範囲で例えば10゜ずつ変化させ且つφgを0゜〜90゜(感度ベクトルの方向の違いは90゜未満である)の範囲で例えば2.5゜ずつ変化させ、次式の値Hが最大になる位相シフト量φを第k位相シフト量φ(k)とする。 H=P(1)・exp{i・φg}+P(k)・exp{-i・φg}・exp{i・φ} Hmax=P(1)・exp{i・φg(k)}+P(k)・exp{-i・φg(k)}・exp{i・φ(k)} なお、コイルの幾何学的配置からφgの値が判る場合には(例えば図13ではφg=22.5゜と判る)、その値を採用すれば良く、φgを変化させる必要はない。 【0067】 ステップT29では、第k位相シフト量φ(k)と第k強度補正係数I(k)とを用いて第k画像D(k)の各ピクセル値を位相・振幅補正して、第k補正画像C(k)を得る。 C(k)=D(k)×exp{i・φ(k)}×I(k) 【0068】 ステップT30では、コイル番号カウンタkを「1」だけインクリメントする。 ステップT31では、コイル番号カウンタk≦nならステップT26に戻り、k>nならステップT32へ進む。 【0069】 ステップT32では、バードケージコイルのM1モードはエンドリング上に1周期の定在波がたったものであるから、次式のように第1画像D(1)および全ての補正画像を加算(クアドラチャ合成)し、合成画像Imを求める。 Im=Σ{cos((k-1)2π/8)・C(k)+cos((k-1)2π/8+π/2)・C(k)・exp(-i・π/2)} 但し、C(1)=D(1)とする。 ここで、(k-1)2π/8 は、円筒の中心から第1コイル101(1)〜第8コイル101(8)を見た角度であり、円筒の中心から第1コイル101(1)を見た角度を基準としている。 上式の第1項はクアドラチャ受信のIチャンネルに相当し、第2項はQチャンネルに相当する。 そして、処理を終了する。 【0070】 実施例4の撮影・画像生成処理により、図11に示すバードケージコイルで得たデータから生成した画像と同等の均一度を持つ画像を生成することが出来る。 【0071】 なお、上記ステップT25〜T31では、第1コイル101(1)と第kコイル101(k)とを比べて第1コイル101(1)を基準とした第k強度補正係数I(k)と第k位相シフト量φ(k)とを求めたが、相互に隣接するコイル同士を比べて隣接コイル間の相対強度補正係数と相対位相シフト量とを求め、それら相対強度補正係数と相対位相シフト量とから第1コイル101(1)を基準とした第k強度補正係数I(k)と第k位相シフト量φ(k)とを求めてもよい。 【実施例5】 【0072】 実施例5のコイルは、実施例4と同じとする。 【0073】 図14,図15は、実施例5に係る撮影・画像生成処理を示すフロー図である。 ステップT21では、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第8コイル101(8)により被検体を撮影して、k空間の第1データK(1),第2データK(2),…,第8データK(8)を計算機107に読み込む。 【0074】 ステップT22では、第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)から第1画像D(1),第2画像D(2),…,第8画像D(8)を再構成する。なお、これらの画像は複素画像であり、ピクセル値はベクトルであって位相と大きさをもっている。 【0075】 ステップT23では、第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)のk=0近傍(例えば256×256の解像度の場合はk=0付近の32ライン分程度)の部分データから第1低解像度画像d(1),第2低解像度画像d(2),…,第8低解像度画像d(8)を再構成する。なお、これらの画像は複素画像であり、ピクセル値はベクトルであって位相と大きさをもっている。 【0076】 ステップT24では、図13にk=2の場合を示すように円筒中心部分(つまり、各コイルの中心から等距離にある部分)F’に対応する第1低解像度画像d(1)のピクセル群(例えば256×256の解像度の場合は30×30ピクセル程度)の合成信号(各ピクセルのベクトルを加算したベクトル)をP(1)とする。 【0077】 ステップT25では、コイル番号カウンタk=2に初期設定する。 【0078】 ステップT26では、図13にk=2の場合を示すように円筒中心部分F’に対応する第k低解像度画像d(k)のピクセル群の合成信号をP(k)とする。 【0079】 ステップT27では、合成信号P(1)と合成信号P(k)の大きさの比を強度補正係数I(k)とする。 I(k)=|P(1)|/|P(k)| 【0080】 さて、第1コイル101(1)の合成信号P(1)と第kコイル101(k)の合成信号P(k)の間には、次の3つの要因による位相差がある。 (i)第1コイル(1)の受信端からレシーバ112(1)までの伝送路と第kコイル(k)の受信端からレシーバ112(k)までの伝送路が違うことによる位相差 (ii)NMR信号が回転磁場であり且つ第1コイル(1)と第kコイル(k)の位置が違うことによる位相差 (iii)図13にk=2の場合を示すように第1コイル(1)の感度ベクトルV(1)と第kコイル101(k)の感度ベクトルV(k)の方向が違うことによる位相差 大きなコイルを模倣するためには、各コイルの電流の時間軸を合わせる必要がある。つまり、上記(i)(ii)の位相差をなくすと共に上記(iii)の位相差を保つように位相補正する必要がある。 そこで、ステップT28では、上記(i)(ii)を合わせた位相差を求めるための位相シフト量をφとし、上記(iii)の位相差を求めるための位相シフト量をφgとするとき、φを0゜〜360゜の範囲で例えば10゜ずつ変化させ且つφgを0゜〜90゜(感度ベクトルの方向の違いは90゜未満である)の範囲で例えば2.5゜ずつ変化させ、次式の値Hが最大になる位相シフト量φを第k位相シフト量φ(k)とする。 H=P(1)・exp{i・φg}+P(k)・exp{-i・φg}・exp{i・φ} Hmax=P(1)・exp{i・φg(k)}+P(k)・exp{-i・φg(k)}・exp{i・φ(k)} なお、コイルの幾何学的配置からφgの値が判る場合には(例えば図13ではφg=22.5゜と判る)、その値を採用すれば良く、φgを変化させる必要はない。 【0081】 ステップT29’では、第k位相シフト量φ(k)と第k強度補正係数I(k)とを用いて第k低解像度画像d(k)の各ピクセル値を位相・振幅補正して、第k補正低解像度画像c(k)を得る。 c(k)=d(k)×exp{i・φ(k)}×I(k) 【0082】 ステップT30では、コイル番号カウンタkを「1」だけインクリメントする。 ステップT31では、コイル番号カウンタk≦nならステップT26に戻り、k>nなら図15のステップT32’へ進む。 【0083】 図15のステップT32’では、バードケージコイルのM1モードはエンドリング上に1周期の定在波がたったものであるから、次式のように第1低解像度画像d(1)および全ての補正画像を加算(クアドラチャ合成)し、合成低解像度画像Inを求める。 In=Σ{cos((k-1)2π/8)・c(k)+cos((k-1)2π/8+π/2)・c(k)・exp(-i・π/2)} 但し、c(1)=d(1)とする。 ここで、(k-1)2π/8 は、円筒の中心から第1コイル101(1)〜第8コイル101(8)を見た角度であり、円筒の中心から第1コイル101(1)を見た角度を基準としている。 上式の第1項はクアドラチャ受信のIチャンネルに相当し、第2項はQチャンネルに相当する。 【0084】 ステップT33では、合成低解像度画像Inをレファレンス画像として、第1低解像度画像d(1)〜第n低解像度画像d(n)から各コイルの感度マップを作成する。例えば、合成低解像度画像Inの各ピクセルの大きさで第1低解像度画像d(1)〜第n低解像度画像d(n)の各ピクセル値を割った画像を感度マップとしたり、割った画像にスムージング処理を施してノイズ除去した画像を感度マップとする。 【0085】 ステップT34では、第1コイル(1),第2コイル101(2),…,第nコイル101(n)の感度マップと第1データK(1),第2データK(2),…,第nデータK(n)から画像を生成する。この画像の生成は、Pruessmann KP, et al. Magn Reson Med 1999;952-962 に開示の次式を利用して行うことが出来る。 (SHΨ-1S)-1SHΨ-1A ここで、Sは各コイルの感度マップを順に並べたベクトルである。Ψは noise correlation matrix である。noise correlation matrix を使用しない場合はΨを単位行列とする。Aは各コイルのデータである。この計算は、ピクセル毎に行われる。 そして、処理を終了する。 【0086】 実施例5の撮影・画像生成処理により、図11に示すバードケージコイルで得たデータから生成した画像と同等の均一度を持ち且つフェーズドアレイコイルの利点である高いSNRを持つ画像を生成することが出来る。 【0087】 なお、上記ステップT25〜T31では、第1コイル101(1)と第kコイル101(k)とを比べて第1コイル101(1)を基準とした第k強度補正係数I(k)と第k位相シフト量φ(k)とを求めたが、相互に隣接するコイル同士を比べて隣接コイル間の相対強度補正係数と相対位相シフト量とを求め、それら相対強度補正係数と相対位相シフト量とから第1コイル101(1)を基準とした第k強度補正係数I(k)と第k位相シフト量φ(k)とを求めてもよい。 【実施例6】 【0088】 本発明は、SENSEで通常用いられる、対向する一対のコイルで得たデータに対しても適用できる。 【0089】 また、複数のコイルを円筒上に配置する代わりに壺上に等角度に配置してなるフェーズドアレイコイルに対しても適用できる。 【産業上の利用可能性】 【0090】 本発明の画像生成方法およびMRI装置は、複数のコイルを用いたMR撮像に利用できる。 【図面の簡単な説明】 【0091】 【図1】実施例1にかかるMRI装置を示すブロック図である。 【図2】実施例1にかかるフェーズドアレイコイルを示す平面図である。 【図3】実施例1により模倣される大きなコイルの概念図である。 【図4】実施例1にかかる校正処理を示すフロー図である。 【図5】実施例1にかかる撮影・画像生成処理を示すフロー図である。 【図6】実施例2にかかる撮影・画像生成処理を示すフロー図である。 【図7】実施例3にかかる校正処理を示すフロー図である。 【図8】コイルの感度ベクトルを示す説明図である。 【図9】実施例4にかかるフェーズドアレイコイルを示す斜視図である。 【図10】実施例4にかかる各コイルを示す斜視図である。 【図11】実施例4により模倣されるバードケージコイルの概念図である。 【図12】実施例4にかかる撮影・画像生成処理を示すフロー図である。 【図13】コイルの感度ベクトルを示す説明図である。 【図14】実施例5にかかる撮影・画像生成処理を示すフロー図である。 【図15】図14の続きのフロー図である。 【符号の説明】 【0092】 101(1)〜101(n) コイル 107 計算機 100 MRI装置
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| 【出願人】 |
【識別番号】300019238 【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
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| 【出願日】 |
平成19年9月6日(2007.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095511 【弁理士】 【氏名又は名称】有近 紳志郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−6304(P2008−6304A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2007−230907(P2007−230907) |
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