Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
被検体内導入装置、及び被検体内導入装置の作製方法 - 特開2008−6301 | j-tokkyo
トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学

【発明の名称】 被検体内導入装置、及び被検体内導入装置の作製方法
【発明者】 【氏名】藤森 紀幸

【要約】 【課題】体腔内におけるカプセル型筐体の進行方向前後の画像を撮像することで視野範囲を拡大できる複眼型の利点を安定して発揮させることができるようにする。

【構成】各撮像ブロック14a,14bをそれぞれ相対向する透明な先端カバー筐体16a,16b側に付勢するばね部材30a,30bを備えることで、各撮像ブロック16a,16bがばね部材30a,30bによって先端カバー筐体16a,16b側に付勢された装填状態となり、組み立て精度がよい上に、その精度を維持することができ、よって、視野範囲を拡大できる複眼型の利点を簡単かつ安定して発揮させることができるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像ブロックと、
複数の照明部と、
前記各撮像ブロック及び前記照明部が配設される円筒状の胴部筐体と、
該胴部筐体と水密に設けられ、前記撮像ブロック及び前記照明部を覆うと共に前記照明部からの照明光を導出する、複数の透明な先端カバー筐体と、
前記各撮像ブロックをそれぞれ相対向する前記先端カバー筐体側に付勢する弾性部材と、
を備えたことを特徴とする被検体内導入装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、ばね部材よりなることを特徴とする請求項1に記載の被検体内導入装置。
【請求項3】
前記撮像ブロック間に介在された遮光部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の被検体内導入装置。
【請求項4】
前記遮光部材は、前記撮像ブロックや前記照明部に電力を供給する電池であることを特徴とする請求項3に記載の被検体内導入装置。
【請求項5】
前記遮光部材は、前記撮像ブロックや前記照明部を実装した基板であることを特徴とする請求項3に記載の被検体内導入装置。
【請求項6】
前記胴部筐体と一方の前記先端カバー筐体とが有底筐体として一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の被検体内導入装置。
【請求項7】
前記有底筐体の前記胴部筐体部分は、可視光を不透過な有色材質よりなることを特徴とする請求項6に記載の被検体内導入装置。
【請求項8】
前記胴部筐体に凹部を、前記先端カバー筐体に凸部を備え、前記凹部と前記凸部との嵌合により前記弾性部材の弾力性を支えることを特徴とする請求項1または2に記載の被検体内導入装置。
【請求項9】
体腔内部を照明する照明部と体腔内の画像を撮像する撮像素子とをそれぞれ有する複数の撮像ブロックを、円筒状の胴部筐体と該胴部筐体と水密に設けられ前記各撮像ブロックをそれぞれ覆うと共に前記照明部からの照明光を導出する透明な先端カバー筐体とよりなるカプセル型筐体内に配設し、体腔内における該カプセル型筐体の進行方向前後の画像を撮像する複眼型の被検体内導入装置の作製方法であって、
一方の前記先端カバー筐体と前記胴部筐体とを接合して有底筐体を形成する工程と、
形成された前記有底筐体に対して前記胴体筐体の開口部から一方の撮像ブロックを落とし込みにより軸方向及び軸心周り方向の位置決めを行って装填する工程と、
を含むことを特徴とする被検体内導入装置の作製方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複眼型のカプセル型内視鏡等の被検体内導入装置、及び被検体内導入装置の作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡の分野において、飲み込み型のカプセル型内視鏡が開発されている。このカプセル型内視鏡は、撮像機能と無線機能とを備え、体腔内の観察のために患者の口から飲み込まれた後、人体から自然排出されるまでの間、例えば食道、胃、小腸などの臓器の内部をその蠕動運動に従って移動し、順次撮像する機能を有する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
体腔内を移動する間、カプセル型内視鏡によって体内で撮像された画像データは、順次無線通信により体外に送信され、体外の受信機内に設けられたメモリに蓄積される。医師もしくは看護士においては、メモリに蓄積された画像データをもとにディスプレイに表示させた画像に基づいて診断を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−19111号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/109774号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種のカプセル型内視鏡に関しては、その進行方向前方の体腔内画像のみを撮像する単眼型のカプセル型内視鏡が一般的であったが、近年では、例えば食道等の観察時の視野拡大を目的として進行方向前後の画像を撮像する複眼型のカプセル型内視鏡も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この複眼型のカプセル型内視鏡は、体腔内部を照明するLED等の照明手段と体腔内の画像を撮像するCCD等の撮像素子とをそれぞれ有する複数の撮像ブロックをカプセル型筐体内の前後に配設し、体腔内におけるカプセル型筐体の進行方向前後の画像を撮像する構造とされている。
【0006】
一般に、食道部位は、カプセル型筐体が速く通過してしまうため、単眼型の場合には、異常部位の見落としを生じやすいが、複眼型の場合には、進行方向前後の画像を撮像することで短時間であってもより多くの枚数の画像を撮像できるため、異常部位の見落としを減らすことができる。また、小腸は比較的真っ直ぐな管腔からなり、一般的には単眼型による片側観察で十分といえるが、食道は大半が真っ直ぐな管腔からなるものの、一部、胃に落ちる直前の噴門部分などでは往きと帰りとで非対称な形となっており、複眼型による前後両側観察によれば、視野を確保することができる。
【0007】
しかしながら、特許文献2等に示される複眼型のカプセル型内視鏡は、このような背景に基づき出現したものであるが、単に、複数の撮像素子によって前後両方向の画像を撮像することが記述されているのみであり、複眼型としての利点を如何に有効活用できるようにするかの具体的な構成等については何ら言及されていない。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、体腔内におけるカプセル型筐体の進行方向前後の画像を撮像することで視野範囲を拡大できる複眼型の利点を安定して発揮させることができる被検体内導入装置、及び被検体内導入装置の作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る被検体内導入装置は、複数の撮像ブロックと、複数の照明部と、前記各撮像ブロック及び前記照明部が配設される円筒状の胴部筐体と、該胴部筐体と水密に設けられ、前記撮像ブロック及び前記照明部を覆うと共に前記照明部からの照明光を導出する、複数の透明な先端カバー筐体と、前記各撮像ブロックをそれぞれ相対向する前記先端カバー筐体側に付勢する弾性部材と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る被検体内導入装置は、上記発明において、前記弾性部材は、ばね部材よりなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る被検体内導入装置は、上記発明において、前記撮像ブロック間に介在された遮光部材をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る被検体内導入装置は、上記発明において、前記遮光部材は、前記撮像ブロックや前記照明部に電力を供給する電池であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る被検体内導入装置は、上記発明において、前記遮光部材は、前記撮像ブロックや前記照明部を実装した基板であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る被検体内導入装置は、上記発明において、前記胴部筐体と一方の前記先端カバー筐体とが有底筐体として一体に形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る被検体内導入装置は、上記発明において、前記有底筐体の前記胴部筐体部分は、可視光を不透過な有色材質よりなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る被検体内導入装置は、上記発明において、前記胴部筐体に凹部を、前記先端カバー筐体に凸部を備え、前記凹部と前記凸部との嵌合により前記弾性部材の弾力性を支えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る被検体内導入装置の作製方法は、体腔内部を照明する照明部と体腔内の画像を撮像する撮像素子とをそれぞれ有する複数の撮像ブロックを、円筒状の胴部筐体と該胴部筐体と水密に設けられ前記各撮像ブロックをそれぞれ覆うと共に前記照明部からの照明光を導出する透明な先端カバー筐体とよりなるカプセル型筐体内に配設し、体腔内における該カプセル型筐体の進行方向前後の画像を撮像する複眼型の被検体内導入装置の作製方法であって、一方の前記先端カバー筐体と前記胴部筐体とを接合して有底筐体を形成する工程と、形成された前記有底筐体に対して前記胴体筐体の開口部から一方の撮像ブロックを落とし込みにより軸方向及び軸心周り方向の位置決めを行って装填する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る被検体内導入装置、及び被検体内導入装置の作製方法によれば、各撮像ブロックが弾性部材によって先端カバー筐体側に付勢された装填状態となるため、組み立て精度がよい上に、その精度を維持することができ、よって、視野範囲を拡大できる複眼型の利点を簡単かつ安定して発揮させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る被検体内導入装置の好適な実施の形態である無線型の被検体内情報取得システムについて説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分又は相当する部分には同一の符号を付している。
【0020】
本発明の実施の形態について説明する。図1は、無線型の被検体内情報取得システムの全体構成を示す模式図である。この被検体内情報取得システムは、被検体内導入装置の一例として複眼型のカプセル型内視鏡を用いている。図1に示すように、無線型の被検体内情報取得システムは、被検体1の体内に導入され、体腔内画像を撮像して受信装置2に対して映像信号などのデータ送信を無線によって行うカプセル型内視鏡3と、カプセル型内視鏡3から無線送信された体腔内画像データを受信する受信装置2と、受信装置2が受信した映像信号に基づいて体腔内画像を表示する表示装置4と、受信装置2と表示装置4との間のデータ受け渡しを行うための携帯型記録媒体5とを備える。また、受信装置2は、被検体1の体外表面に貼付される複数の受信用アンテナA1〜Anを有した無線ユニット2aと、複数の受信用アンテナA1〜Anを介して受信された無線信号の処理等を行う受信本体ユニット2bとを備え、これらユニットはコネクタ等を介して着脱可能に接続される。なお、受信用アンテナA1〜Anのそれぞれは、例えば、被検体1が着用可能なジャケットに備え付けられ、被検体1は、このジャケットを着用することによって受信用アンテナA1〜Anを装着するようにしてもよい。また、この場合、受信用アンテナA1〜Anは、ジャケットに対して着脱可能なものであってもよい。
【0021】
表示装置4は、カプセル型内視鏡3によって撮像された体腔内画像を表示するためのものであり、携帯型記録媒体5によって得られるデータをもとに画像表示を行うワークステーション等の構成を有する。具体的には、表示装置4は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって直接画像を表示する構成としてもよいし、プリンタ等のように、他の媒体に画像を出力する構成としてもよい。
【0022】
携帯型記録媒体5は、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等が用いられ、受信本体ユニット2b及び表示装置4に対して着脱可能であって、両者に対する挿着時に情報の出力又は記録が可能な機能を有する。具体的には、携帯型記録媒体5は、カプセル型内視鏡3が被検体1の体腔内を移動している間は受信本体ユニット2bに挿着され、カプセル型内視鏡3から送信されるデータが携帯型記録媒体5に記録される。そして、カプセル型内視鏡3が被検体1から排出された後、つまり、被検体1の内部の撮像が終わった後には、受信本体ユニット2bから取り出されて表示装置4に挿着され、表示装置4によって記録されたデータが読み出される。受信本体ユニット2bと表示装置4との間のデータの受け渡しを携帯型記録媒体5によって行うことで、被検体1が体腔内の撮像中に自由に行動することが可能となり、また、表示装置4との間のデータの受け渡し期間の短縮にも寄与している。なお、受信本体ユニット2bと表示装置4との間のデータの受け渡しは、受信本体ユニット2bに内蔵型の他の記録装置を用い、表示装置4と有線又は無線接続するように構成してもよい。
【0023】
ここで、図2を参照して、カプセル型内視鏡3について説明する。図2は、カプセル型内視鏡3の内部構成を示す断面図である。カプセル型内視鏡3は、被検体1の体腔内部を照明する照明部11a,11bと、体腔内の画像を撮像する例えばCCD或いはCMOSセンサによる撮像素子12a,12bを有する撮像部13a,13bとをそれぞれ有する2組の撮像ブロック14a,14bを、これらに電力を供給する電源部15とともに、カプセル型筐体16内に配設することにより構成されている。
【0024】
カプセル型筐体16は、撮像ブロック14a,14bをそれぞれ覆い透明で半球ドーム状の先端カバー筐体16a,16bと、これらの先端カバー筐体16a,16bと凹凸係合部17a,17bを介して水密状態に設けられ内部に電源部15を介在させて撮像ブロック14a,14bが配設される円筒状の胴部筐体16cとからなり、被検体1の口から飲み込み可能な大きさに形成されている。胴部筐体16cは、可視光が不透過な有色材質により形成されている。
【0025】
撮像部13a,13bは、それぞれ撮像基板18a,18b上に設けられて照明部11a,11bからの照明光によって照明された範囲を撮像する撮像素子12a,12bと、これらの撮像素子12a,12bに被写体像を結像する可動レンズ19a,19b及び固定レンズ20a,20bからなる結像レンズ21a,21bからなる。ここで、可動レンズ19a,19bは可動枠22a,22bに固定され、固定レンズ20a,20bは固定枠23a,23bに固定され、ピント調整部24a,24bを構成している。
【0026】
また、照明部11a,11bは、例えば発光ダイオード(LED)からなり、照明基板25a,25b上に搭載され、結像レンズ21a,21bの光軸中心に対してその上下左右の周囲4箇所に配設されている。さらに、各撮像ブロック14a,14bにおいて、撮像基板18a,18bの背面側には、ブロック毎に各部を処理又は制御するための信号処理・制御部26a,26bが搭載され、さらに、一方の撮像ブロック14aの信号処理・制御部26aには外部と無線通信を行うためのアンテナ等からなる無線部27が実装された無線基板28が配設されている。また、撮像基板18a,18bと照明基板25a,25bとは適宜ケーブルにより電気的に接続されている。
【0027】
撮像ブロック14a,14b間に位置する電源部15は、例えば胴部筐体16cの内径にほぼ一致する直径のボタン型の電池29により構成されている。この電池29は、酸化銀電池、充電式電池、発電式電池等を用い得る。ここで、各撮像ブロック14a,14bとこの電池29との間の中心部には、撮像ブロック14a,14bをそれぞれ対向する先端カバー筐体16a,16b側、つまり、外側に付勢する弾性部材としてのねじりコイルばね形状のばね部材30a,30bが介在されている。なお、無線基板28上の無線部27と信号処理・制御部26bとは電池29外部を通したケーブル等により適宜電気的に接続され、この電池29も、信号処理・制御部26a,26b等とケーブル等により適宜電気的に接続されている。なお、無線部27は撮像ブロック14a,14bで共用とせず、撮像ブロック14a,14b毎に個別に設けてもよい。
【0028】
ここで、先端カバー筐体16a,16bの内部外周付近には、照明基板25a,25bの外周側一部を突き当て当接させることにより撮像ブロック14a,14bのカプセル型内視鏡3における軸方向の位置決めを行う基準となる位置決め部31a,31bが一体に形成されている。また、これらの位置決め部31a,31bと照明基板25a,25bとの間には、例えば相互に係脱する凹凸形状の組み合わせからなり、軸心周り方向の位置決めをする回転止め位置決め部(図示せず)が形成されている。
【0029】
次に、カプセル型内視鏡3における撮像素子12a,12bの配置関係について図3〜図9を参照して説明する。撮像素子12a,12bはその撮像領域等の素子特性に応じて関連付けられたカプセル型筐体16内に配設される。まず、図3は、撮像素子12a,12bの配置関係の第1の例を模式的に示す概略斜視図である。第1の例の撮像素子12a,12bは、一例として、同一構造からなり、それぞれの2次元の撮像面32a,32bが略正方形状に形成された素子であって、軸心方向に見て、両者の上下方向が一致するように、相互間の配置関係が関連付けられてカプセル型筐体16内に配設されている。例えば、前向きとなる撮像素子12aの上下左右方向を図3中に示すようにそれぞれU,D,L,R方向とした場合、後ろ向きとなる撮像素子12bは上下方向U,Dは撮像素子12aと一致し、左右方向L,Rのみ逆となるように、両者の軸心周り方向が位置決めされてカプセル型筐体16内に配設されている。なお、撮像素子12a,12bの上下左右方向は、撮像面32a,32bの2次元走査(つまり、左→右の走査を上→下に繰り返す)の方向により定義されるもので、天地方向により規定されるものではない。
【0030】
図4は、撮像素子12a,12bの配置関係の第2の例を模式的に示す概略斜視図である。第2の例の撮像素子12a,12bは、他例として、同一構造からなり、それぞれの2次元の撮像面32a,32bが所定のアスペクト比を持つ横長状に形成された素子が用いられている。ここで、所定のアスペクト比としては、4:3,3:2,16:9等があるが、ここでは、例えば16:9なるアスペクト比とされている。
【0031】
このような第2の例の撮像素子12a,12bは、両者の上下方向が所定角度ずれるように、相互間の配置関係が関連付けられてカプセル型筐体16内に配設されている。具体的には、撮像素子12a,12bは、上下方向を両者間で90度異ならせて配設されている。例えば、前向きとなる撮像素子12aの上下左右方向を図4中に示すようにそれぞれU,D,L,R方向とした場合、後ろ向きとなる撮像素子12bの上下方向U,Dは撮像素子12aの上下方向U,Dに対して90度異なる方向となるように、両者の軸心周り方向が位置決めされてカプセル型筐体16内に配設されている。この場合の撮像素子12a,12bの上下左右方向も、撮像面32a,32bの2次元走査(つまり、左→右の走査を上→下に繰り返す)の方向により定義されるもので、天地方向により規定されるものではない。
【0032】
図6は、撮像素子12a,12bの配置関係の第3の例を模式的に示す概略斜視図である。第3の例の撮像素子12a,12bは、第2の例の場合と同様に、同一構造からなり、それぞれの2次元の撮像面32a,32bが所定のアスペクト比、例えば16:9を持つ横長状に形成された素子が用いられている。
【0033】
ここで、第3の例では、これらの撮像素子12a,12bはカプセル型内視鏡3の軸心に対して上下方向に偏心配置され、かつ、両者の上下方向が所定角度ずれるように、相互間の配置関係が関連付けられてカプセル型筐体16内に配設されている。具体的には、撮像素子12a,12bは、上下方向を両者間で180度異ならせて、つまり、上下反転させて配設されている。例えば、前向きとなる撮像素子12aの上下左右方向を図6中に示すようにそれぞれU,D,L,R方向とした場合、後ろ向きとなる撮像素子12bの上下方向U,Dは撮像素子12aの上下方向U,Dに対して180度異なる方向となるように、両者の軸心周り方向が位置決めされてカプセル型筐体16内に配設されている。
【0034】
図8は、撮像素子12a,12bの配置関係の第4の例を模式的に示す概略斜視図である。第4の例の撮像素子12a,12bは、第1の例の場合と同様に、同一構造からなり、それぞれの2次元の撮像面32a,32bが略正方形状に形成された素子が用いられている。
【0035】
このような撮像素子12a,12bは、両者の上下方向が所定角度ずれるように、相互間の配置関係が関連付けられてカプセル型筐体16内に配設されている。具体的には、撮像素子12a,12bは、上下方向を両者間で45度異ならせて配設されている。例えば、前向きとなる撮像素子12aの上下左右方向を図8中に示すようにそれぞれU,D,L,R方向とした場合、後ろ向きとなる撮像素子12bの上下方向U,Dは撮像素子12cの上下方向U,Dに対して45度異なる方向となるように、両者の軸心周り方向が位置決めされてカプセル型筐体16内に配設されている。
【0036】
このような各種配置例構成のカプセル型内視鏡3は、被検体1の検査に際して口から飲み込まれた後、体腔内を順次移動する。食道などの体腔内を移動する間、或るタイミングで、例えば前方に位置する撮像ブロック14aの照明部11aによって体腔内前方を照明しながら撮像素子12aによって体腔内の前方画像を撮像し、信号処理・制御部26aによる必要な処理を経た後、無線部27によって受信装置2に無線送信し、前方画像の1枚のフレーム画像としてフォルダF1用に区分けして携帯型記録媒体5に記録させる。また、これに続く別のタイミングでは、例えば後方に位置する撮像ブロック14bの照明部11bによって体腔内後方を照明しながら撮像素子12bによって体腔内の後方画像を撮像し、信号処理・制御部26bによる必要な処理を経た後、無線部27によって受信装置2に無線送信し、後方画像の1枚のフレーム画像としてフォルダF1と対をなすフォルダF2用に区分けして携帯型記録媒体5に記録させる。
【0037】
この際、携帯型記録媒体5の撮像素子12b側からのフレーム画像を記録する記録領域には、フォルダF2用のヘッダ情報として、各カプセル型内視鏡3毎に特定される撮像素子12aに対する撮像素子12bの配置関係に基づく画像表示時の画像処理指示情報も併せて記録される。例えば、第2の例の上下方向を相対的に90度異ならせた配置の場合には90度回転処理を指示する情報がヘッダ情報として付加され、第3の例の上下方向を相対的に180度異ならせた配置の場合には上下反転処理を指示する情報がヘッダ情報として付加され、第4の例の上下方向を相対的に45度異ならせた配置の場合には45度回転処理を指示する情報がヘッダ情報として付加される。なお、第1の例の上下方向を一致させた配置の場合には、画像表示時の画像処理指示情報として何も処理しない(指示無し)を初期設定とし、ユーザ等の要求に応じて、左右反転処理を指示する情報がヘッダ情報として付加されるようにしてもよい。
【0038】
このように、撮像素子12a,12bによる前方画像の撮像、後方画像の撮像を時分割で交互に繰り返すことにより、食道のように速く短時間で通過してしまう部位であっても、進行方向前後の画像を撮像することでより多くの枚数の画像を撮像できる。また、前後方向で非対称部位であっても、前後両方向から観察するため、視野を確保できる。
【0039】
ここで、2つの撮像素子12a,12bの配置方向が関連付けられていないと、それぞれの撮像素子12a,12bが撮像した画像中に病変部位、出血部位などの異常部位があったとしても、それらが同じ部位のものであるか否かが判らず、前後両方向を撮像する複眼型のメリットが半減してしまう。特に、ポリープのような突起状部分と比較して、出血部位や凹み(陥凹型病変)部位は、両者間の関連が判りにくい。この点、本実施の形態のカプセル型内視鏡3の第1の配置例によれば、それぞれの撮像素子12a,12bが、上下方向が一致するように、相互間の配置方向が関連付けられてカプセル型筐体16内に配設されているので、体腔内の患部などの特定部位を進行方向前後のそれぞれの画像で観察する場合に、両画像の対応位置関係が明らかなため、異常部位が同一か否かを簡単かつ正確に判断でき、両画像を用いた該特定部位の精査を容易に行うことができる。特に、第1の配置例では、撮像素子12a,12bを上下方向が一致するように関連付けて配設させているので、同じ部位を撮像方向のみを代えて2回撮像することができるため、同一部位を緻密に観察することができる。
【0040】
また、第2〜第4の配置例の場合には、視野をカバーし合うように撮像範囲の関連付けを行うことができ、体腔内それぞれの広い視野を確保することができる。図5は、第2の例の場合の撮像素子12a,12bによる撮像領域71,72の位置関係を示す説明図である。撮像素子12a,12bに対応して横長状の撮像領域71,72は、カプセル型内視鏡3の軸心方向に見た場合、撮像素子12a,12bの直交配置関係に対応して直交する配置関係となって体腔内を撮像する。ここで、結像レンズ21a,21bによる撮像領域を例えば図5中に破線円で示すと、横長状の撮像素子12a,12bの場合、上下方向にそれぞれ観察し得ない領域を生じてしまうが、撮像素子12a,12bを直交配置させて撮像領域71,72も直交させることにより、それぞれ単独では観察し得ない領域をカバーし合うように撮像範囲(視野)の関連付けを行うことができ、体腔内の撮像を見落としが少なくなるように行うことができる。
【0041】
同様に、図7は、第3の例の撮像素子12a,12bによる撮像領域71,72の位置関係を示す説明図である。撮像素子12a,12bに対応して横長状の撮像領域71,72は、カプセル型内視鏡3の軸心方向に見た場合、撮像素子12a,12bの上下反転配置関係に対応して上下反転した配置関係となって体腔内を撮像する。ここで、結像レンズ21a,21bによる撮像領域を例えば図7中に破線円で示すと、横長状の撮像素子12a,12bの場合、上下方向にそれぞれ観察し得ない領域を生じてしまうが、撮像素子12a,12bをカプセル型内視鏡3の軸心に対して上下方向に偏心配置させ、かつ、上下反転させて撮像領域71,72を設定することにより、撮像領域71としては体腔内の上部側を、撮像領域72としては体腔内の下部側をそれぞれ撮像することとなり、それぞれ単独では観察し得ない領域をカバーし合うように撮像範囲(視野)の関連付けを行うことができ、体腔内の撮像を見落としが少なくなるように行うことができる。
【0042】
また、図9は、撮像素子12a,12bによる撮像領域73,74の位置関係を示す説明図である。撮像素子12a,12bに対応して撮像領域73,74は、カプセル型内視鏡3の軸心方向に見た場合、撮像素子12a,12bの45度回転させた配置関係に対応する配置関係で体腔内を撮像する。ここで、結像レンズ21a,21bによる撮像領域を例えば図20中に破線円で示すと、撮像素子12a,12bの場合、上下左右方向にそれぞれ観察し得ない領域を生じてしまうが、撮像素子12a,12bを45度回転させて撮像領域73,74も45度異なるように配置させることにより、より結像レンズ21a,21bによる撮像領域(円)に近づき、それぞれ単独では観察し得ない領域をカバーし合うように撮像範囲(視野)の関連付けを行うことができ、体腔内の撮像を見落としが少なくなるように行うことができる。
【0043】
また、複眼型のカプセル型内視鏡3の場合、胴部筐体16cは可視光に対して不透過な有色材質により形成されているものの、複数の撮像ブロック14a,14bを備えるため、例えば一方の撮像素子12aによる撮像時に他方の照明部11bからの照明光が内部隙間等の経路を経て迷光として入り込み、撮像画質を低下させてしまう可能性がある。撮像素子12bと照明部11aとの関係についても同様である。この点、本実施の形態では、撮像ブロック14a,14b間に存在する胴部筐体16cとほぼ同径の電池29が遮光部材として機能するため、撮像素子12a,12bによる撮像時に他方の照明光の影響を受けて撮像画質が低下するのを防止することができる。なお、電池29に代えて、又は、電池29とともに、胴部筐体16cとほぼ同径に形成した基板を遮光部材として用いるようにしてもよい。
【0044】
次に、図10を参照して表示装置4について説明する。図10は、図1に示す表示装置4の概略構成を示すブロック図である。図10に示すように、表示装置4は、入力部41、表示部42、記憶部43、及び制御部44を備える。
【0045】
入力部41は、キーボードやマウスなどのポインティングデバイスなどによって実現され、表示装置4の動作指示及び表示装置4が行う処理の指示情報を入力し、各指示情報を制御部44に送出する。表示部42は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって実現され、入力部41の指示情報或いは指示結果などを表示する。表示部42は、記憶部43の対をなすフォルダF1,F2に格納された画像群Pa,Pb中の画像が並列表示される所定の画像表示領域等を有する。
【0046】
記憶部43は、例えばハードディスク装置などによって実現され、携帯型記録装置5から取得した各種画像などを保持する。例えば、本実施の形態の場合、フォルダF1内には、カプセル型内視鏡3中の撮像素子12aによって撮像された複数枚のフレーム画像からなる画像群Paが格納され、カプセル型内視鏡3毎にこのフォルダF1と対をなすフォルダF2内には、カプセル型内視鏡3中の撮像素子12bによって撮像された複数枚のフレーム画像からなる画像群Pbが格納される。フォルダF1,F2に格納された画像群Pa,Pbには、画像毎に、受信装置2における画像データの受信順に従ってフレーム番号が付与されている。また、フォルダF2は、前述したように、各カプセル型内視鏡3毎に特定される撮像素子12aに対する撮像素子12bの配置関係に基づく画像表示時の画像処理指示情報を格納するヘッダ情報格納領域を有する。
【0047】
制御部44は、入力部41、表示部42、及び記憶部43の各処理又は動作を制御する。制御部44は、画像処理部45、表示制御部46、及び画像選択部47を備える。画像処理部45は、画像に対して選択的に左右反転処理、上下反転処理、90度回転処理、45度回転処理等の画像処理を行う機能を備え、画像群Pa,Pbに含まれる各フレーム画像に対して適宜画像処理を施す。表示制御部46は、表示部42における表示処理を制御する機能を有し、本実施の形態の場合、特に、フォルダF1,F2に格納された画像群Pa,Pbをもとに、表示部42に対して、所定の画像表示領域に画像を並列表示させる。画像選択部47は、入力部41から画像表示の指示情報が入力された場合、フォルダF1,F2に格納された画像群Pa,Pb中からフレームレートに従いフレーム番号順に画像を1枚ずつ画像処理部45や表示制御部46に対して抽出出力し、画像処理や表示に供する。
【0048】
次に、図11を参照して、表示制御部46による画像表示処理手順について説明する。図11において、まず、入力部41から、カプセル型内視鏡3の前方画像及び後方画像なる両画像の並列表示を指示する指示情報を受信したか否かを判断する(ステップS1)。この指示情報があったと判断した場合(ステップS1:Yes)、画像選択部47に対して、フォルダF2中のヘッダ情報格納領域中のヘッダ情報の読出しを指示するとともに(ステップS2)、フォルダF1,F2に格納された画像群Pa,Pb中の画像をフレーム番号順に従い順次選択して読出す処理を指示する(ステップS3)。そして、フォルダF2中のヘッダ情報格納領域中のヘッダ情報の内容を判断する(ステップS4〜S7)。
【0049】
まず、このヘッダ情報において特に指示無しの場合には(ステップS4:Yes)、フォルダF1,F2から読み出された1枚ずつのフレーム画像をそのまま表示部42の画像表示領域に並列表示させる(ステップS12)。左右反転指示情報が格納されていた場合には(ステップS5:Yes)、フォルダF2から読み出されたフレーム画像を画像処理部51で左右反転処理を行わせ(ステップS8)、フォルダF1から読み出されたフレーム画像とフォルダF2から読出され左右反転処理されたフレーム画像とを表示部42の画像表示領域に並列表示させる(ステップS12)。
【0050】
一方、90度回転指示情報が格納されていた場合には(ステップS6:Yes)、フォルダF2から読み出されたフレーム画像を画像処理部51で90度回転処理を行わせ(ステップS9)、フォルダF1から読み出されたフレーム画像とフォルダF2から読出され90度回転処理されたフレーム画像とを表示部42の画像表示領域に並列表示させる(ステップS12)。
【0051】
また、上下反転指示情報が格納されていた場合には(ステップS7:Yes)、フォルダF2から読み出されたフレーム画像を画像処理部51で上下反転処理を行わせ(ステップS10)、フォルダF1から読み出されたフレーム画像とフォルダF2から読出され上下反転処理されたフレーム画像とを表示部42の画像表示領域に並列表示させる(ステップS12)。
【0052】
さらに、45度回転指示情報が格納されていた場合には(ステップS7:No)、フォルダF2から読み出されたフレーム画像を画像処理部51で45度回転処理を行わせ(ステップS11)、フォルダF1から読み出されたフレーム画像とフォルダF2から読出され45度回転処理されたフレーム画像とを表示部42の画像表示領域に並列表示させる(ステップS12)。
【0053】
その後、画像の表示終了を指示する指示情報を受信したか否かを判断し(ステップS13)、この指示情報を受信したと判断した場合には(ステップS13:Yes)、表示部42における画像表示を終了させる。一方、画像の表示終了を指示する指示情報を受信していないと判断した場合には(ステップS13:No)、表示部42が最終フレーム画像まで表示したか否かを判断する(ステップS14)。表示部42が最終フレーム画像まで表示したと判断した場合には(ステップS14:Yes)、表示部42における画像表示を終了させる。表示部42が最終フレーム画像まで表示していないと判断した場合には(ステップS14:No)、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0054】
次に、図12〜図15を参照して、表示部42の表示画面上において並列表示される画像例について説明する。まず、図12は、ステップS4,S12による場合の表示部42の表示画面の一例を示す図であり、表示部42の表示画面は、撮像素子12a,12bにより撮像された検査画像を表示する主観察モニタ51部分を有する。本実施の形態では、この主観察モニタ51部分を利用して撮像素子12a,12bによる撮像画像が並列表示される。
【0055】
図12において、52は、検査日一覧を表示するファイリングリスト欄であり、検査日毎に患者名が一覧表示される。検査日下の患者名を選択すると主観察モニタ51部分に該患者の検査の先頭画像が表示される。53は、主観察モニタ51部分の再生方法を変更するための再生コントローラ部分であり、再生、一時停止、コマ送り、先頭出し、終端出し等の各ボタンを選択自在に有する。再生コントローラ53部分で再生ボタンを選択すると、主観察モニタ51部分に静止画像を連続的に表示することで、擬似的な動画表示を行う。54は、再生速度を低速/高速の2段階で切換えるための再生速度変更ボタンである。55は、観察モニタ51部分に表示する枚数を1枚/2枚/4枚で切換えるための表示枚数変更ボタンであり、例えばこの表示枚数変更ボタン55により2枚表示を選択指示することにより、観察モニタ51部分には撮像素子12a,12bにより撮像された検査画像が左右に並列表示される。56は、バー全体の長さが例えば10時間とされた画像処理標識バー部分であり、再生中の画像の時間的な位置を表示する。
【0056】
57は、観察モニタ51部分に表示中の画像をダブルクリックすることでピックアップされた画像を示し、選択画像リスト欄58に縮小表示される。同時に、画像処理標識バー56の選択画像が対応する位置と選択画像の上部とが線で結ばれ、時間的な位置関係が明示される。
【0057】
図12は、図11中のステップS4,S12の表示制御処理に従い、撮像素子12a,12bによりほぼ同一タイミングで撮像された前画像61と後画像62とが主観察モニタ51部分において横並びで並列表示されている表示例を示している。すなわち、前画像61は撮像素子12aにより体腔内において前方方向を撮像した画像例であり、後画像62は撮像素子12bにより体腔内において後方方向を撮像した画像例である。ここで、第1の配置例の場合には、撮像素子12a,12bによる撮像画像を回転等の処理を施さずにそのまま表示させているため、前向きの画像と後ろ向きの画像とがそのまま並列表示されることとなるが、撮像素子12a,12bの配置関係は、上下方向が一致し左右方向のみが逆となっていることが判っているので、図12に示す表示画面を見る医者や看護士は、2つの画像61,62の対応位置関係が左右対称的であることを知ることができる。例えば、前画像61において左寄りに出現した異常部位と後画像62において右寄りに出現した異常部位とは同一部位であると簡単かつ正確に判断することができる。
【0058】
図13は、第1の配置例において、ユーザ等の要求に応じて、左右反転処理を指示する情報がヘッダ情報として付加される場合(ステップS5,S12)の表示部42の表示画面の一例を示す図であり、主観察モニタ51部分を利用して撮像素子12a,12bによる撮像画像が並列表示される。図12との対比では、撮像素子12bにより体腔内において後方方向を撮像した後画像62が、左右反転させて表示されている。すなわち、撮像素子12a,12bの配置関係は、上下方向が一致し左右方向のみが逆となっているのに対して、一方の撮像素子12bによる画像を左右反転させて表示させているので、車の運転者がフロントガラスから前方を見ながら(前画像61を見ながら)、バックミラーで後方を見る(後画像62を見る)感覚で、両画像61,62を観察することができ、表示画像の左右方向が一致するので、両画像61,62の対応位置関係が判りやすく、診断の高速化を図ることができる。例えば、前画像61において左寄りに出現した異常部位と後画像62において左寄りに出現した異常部位とは同一部位であると簡単かつ正確に判断することができる。
【0059】
図14は、第2の配置例において90度回転指示を伴うステップS6,S12の場合の表示部42の表示画面の一例を示す図であり、主観察モニタ51部分を利用して撮像素子12a,12bによる撮像画像63,64が並列表示される。ここで、一方の撮像素子12aによる前画像63がそのまま表示されるのに対して、他方の撮像素子12bによる後画像64は90度回転させることにより縦長画像として表示される。つまり、撮像素子12bは上下方向が90度回転させて配設されているが、その撮像画像の表示に際しては撮像素子12bの上下方向が表示の天地方向に一致するように修正せず、90度回転処理により撮像素子12aの撮像時の上下方向に一致する状態で表示させるものである。これにより、撮像素子12a,12bの撮像時の上下方向が一致する状態で両画像63,64が並列表示されるため、両画像63,64の対応位置関係が判りやすいものとなる。
【0060】
図15は、第3の配置例において上下反転指示を伴うステップS7,S12の場合の表示部42の表示画面の一例を示す図であり、主観察モニタ51部分を利用して撮像素子12a,12bによる撮像画像63,64が上下に並列表示される。ここで、一方の撮像素子12aによる前画像63がそのまま表示されるのに対して、他方の撮像素子12bによる後画像64は上下反転させた画像として表示される。つまり、撮像素子12bは上下方向が180度回転させて配設されているが、その撮像画像の表示に際しては撮像素子12bの上下方向が表示の天地方向に一致するように修正せず、上下反転処理により撮像素子12aの撮像時の上下方向に一致する状態で表示させるものである。これにより、撮像素子12a,12bの撮像時の上下方向が一致する状態で両画像63,64が上下に並列表示されるため、両画像63,64の対応位置関係が判りやすいものとなる。
【0061】
ところで、図16を参照して、本実施の形態のカプセル型内視鏡3の作製方法について説明する。図16は、本実施の形態のカプセル型内視鏡3の作製方法を示す分解断面図である。まず、一方の先端カバー筐体16bと胴部筐体16cとを接着剤により接合させることにより、有底筐体16´を形成する(工程[1])。次いで、胴部筐体16cの開口部16d側から撮像ブロック14bを落とし込みにより有底筐体16´内に装填する(工程[2])。この落とし込み操作により、撮像ブロック14bの照明基板25bを位置決め部31bに突き当て当接させることにより撮像ブロック14bの軸方向の位置決めがされる。同時に、撮像ブロック14bを有底筐体16´内で少し回動させることで回転止め位置決め部同士を係合させることにより、軸心周り方向の位置決めもなされる。これにより、組立て精度のよい撮像ブロック14bの装填が可能となる。
【0062】
撮像ブロック14bの装填に引き続き、今度は、電池29を有底筐体16´内に落とし込みにより装填し(工程[3])、さらに、他方の撮像ブロック14aも有底筐体16´内に落とし込みにより装填し(工程[4])、最後に、胴部筐体16cの開口部16dに対して先端カバー筐体16aを接合させる(工程[5])ことにより、カプセル型内視鏡3が完成する。なお、撮像ブロック14aを先端カバー筐体16a内に装填した状態でこの先端カバー筐体16aを胴部筐体16cの開口部16dに対して接合させるようにしてもよい。
【0063】
このような操作において、撮像ブロック14aの照明基板25aを位置決め部31aに突き当て当接させることにより撮像ブロック14aの軸方向の位置決めがされる。同時に、撮像ブロック14aを有底筐体16´内で適宜回動させておくことで回転止め位置決め部同士を係合させることにより、軸心周り方向の位置決めもなされる。これにより、組立て精度のよい撮像ブロック14aの装填が可能となる。
【0064】
なお、胴部筐体16cと先端カバー筐体16a,16bとの間に、回転止め位置決め部の位置を合わせるマーク等の目印を付しておき、第1の配置例の場合であれば、先端カバー筐体16a,16bの回転止め位置決め部の位置を一致させることにより、カプセル型筐体16内に装填された撮像ブロック14a,14bの撮像素子12a,12bの上下方向が一致するように揃えることができる。
【0065】
第2の配置例の場合であれば、先端カバー筐体16a,16bの回転止め位置決め部の位置を90度異ならせることにより、カプセル型筐体16内に装填された撮像ブロック14a,14bの撮像素子12c,12dの上下方向が両者間で90度異なるように配設させることができる。第3の配置例の場合であれば、先端カバー筐体16a,16bの回転止め位置決め部の位置を180度異ならせることにより、カプセル型筐体16内に装填された撮像ブロック14a,14bの撮像素子12c,12dの上下方向が両者間で180度異なるように配設させることができる。第4の配置例の場合であれば、先端カバー筐体16a,16bの回転止め位置決め部の位置を45度異ならせることにより、カプセル型筐体16内に装填された撮像ブロック14a,14bの撮像素子12a,12bの上下方向が両者間で45度異なるように配設させることができる。
【0066】
このように、本実施の形態のカプセル型内視鏡3の作製方法によれば、複眼型であっても、あらかじめ一方の先端カバー筐体16bと胴部筐体16cとを接合させて有底筐体16´を形成しておくことにより、撮像ブロック14b,14a等の内蔵物を一方向からの落とし込み操作により装填することができ、組立性が向上する。また、位置決め部31aにより撮像ブロック14a,14bの軸方向及び軸心周り方向の位置決めがなされる上に、電池29と撮像ブロック14a,14bとの間にはばね部材30a,30bが介在されてそれぞれの撮像ブロック14a,14bが先端カバー筐体16a,16b側に付勢される装填状態となるため、組立て精度がよく、かつ、その精度を維持することもできる。
【0067】
(変形例1)
図17を参照して変形例1について説明する。図17は、変形例1のカプセル型内視鏡3の構成例を示す断面図である。本実施の形態では、一方の先端カバー筐体16bと胴部筐体16cとを接着剤により接合させて有底筐体16´を形成するようにしたが、変形例1は、先端カバー筐体16b´と胴部筐体16c´とを有底筐体16´´としてあらかじめ一体成型により形成しておくようにしたものである。これにより、図16を参照して説明した一方向からの落とし込みによる組立てが可能となる。
【0068】
ここで、有底筐体16´´において先端カバー筐体16b´部分には可視光の透過性が要求され、胴部筐体16c´には可視光の不透過性が要求される。そこで、変形例1では、有底筐体16´´を一体成型する上で、胴部筐体16c´部分は可視光を不透過な有色材質とする2色成型法により形成される。有底筐体16´´全体を透明材質により一体成型し、胴部筐体16c´部分の内部又は外部に塗装により着色を施すことも可能である。
【0069】
(変形例2)
図18を参照して変形例2について説明する。図18は、変形例2のカプセル型内視鏡3の内部構成例を示す断面図である。変形例2のカプセル型内視鏡3は、撮像ブロック14a,14bの光軸方向(撮像方向)がカプセル型内視鏡3自身の軸心に対して、平行ではなく、斜め方向となるように設定されてカプセル型筐体16内に配設されている。このような斜め配置を行わせるため、先端カバー筐体16a,16bの位置決め部31a,31bもカプセル型内視鏡3の軸心に対して直交状態ではなく斜め状態となるように形成されている。ここで、胴部筐体16cに対する先端カバー筐体16a,16bの接合取り付け状態では、位置決め部31a,31b同士が平行となるように設定されている。また、撮像ブロック14a,14bを斜めの位置決め部31a,31b側に付勢するようにばね部材30a,30bも、くの字形ばねが用いられている。
【0070】
また、撮像ブロック14a,14b中に含まれる撮像素子12a,12bは、両者の上下方向が所定角度ずれるように、相互間の配置関係が関連付けられてカプセル型筐体16内に配設されている。具体的には、撮像素子12a,12bは、上下方向を両者間で180度異ならせて、つまり、上下反転させて配設されている。したがって、これらの撮像素子12a,12bが撮像した画像は、前述した場合と同様に、例えば撮像素子12b側の画像を上下反転させて並列表示させるようにすればよい。
【0071】
変形例2によれば、それぞれの撮像素子12a,12bの撮像方向がカプセル型内視鏡3の軸心に対して斜め方向に設定されているので、例えば、体腔内の撮像に関して、上側を撮像素子12aによる前画像として撮像し、下側を撮像素子12bによる後画像として撮像することができ、体腔内の観察を見落としが少なくなるように行うことができる。
【0072】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態の無線型の被検体内情報取得システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】カプセル型内視鏡の内部構成を示す断面図である。
【図3】撮像素子の配置関係の第1の例を模式的に示す概略斜視図である。
【図4】撮像素子の配置関係の第2の例を模式的に示す概略斜視図である。
【図5】第2の例の場合の撮像素子による撮像領域の位置関係を示す説明図である。
【図6】撮像素子の配置関係の第3の例を模式的に示す概略斜視図である。
【図7】第3の例の撮像素子による撮像領域の位置関係を示す説明図である。
【図8】撮像素子の配置関係の第4の例を模式的に示す概略斜視図である。
【図9】第4の例の撮像素子による撮像領域の位置関係を示す説明図である。
【図10】表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】表示制御部による画像表示処理手順を示す概略フローチャートである。
【図12】第1の配置例の場合の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図13】第1の配置例の場合の表示部の表示画面の別例を示す図である。
【図14】第2の配置例の場合の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図15】第3の配置例の場合の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図16】カプセル型内視鏡の作製方法を示す分解断面図である。
【図17】変形例1のカプセル型内視鏡の構成例を示す断面図である。
【図18】変形例2のカプセル型内視鏡の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0074】
3 カプセル型内視鏡
11a,11b 照明部
12a,12b 撮像素子
14a,14b 撮像ブロック
16 カプセル型筐体
16a,16b 先端カバー筐体
16c 胴部筐体
16´ 有底筐体
29 電池
30a,30b ばね部材
【出願人】 【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
【出願日】 平成19年9月4日(2007.9.4)
【代理人】 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明


【公開番号】 特開2008−6301(P2008−6301A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−228757(P2007−228757)