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【発明の名称】 マンモ画像情報処理システム
【発明者】 【氏名】大田 恭義

【氏名】望月 直樹

【氏名】杉田 望代

【要約】 【課題】取得したマンモ画像情報の配向、拡大、縮小、配置等の調整処理を任意且つ適切に行うことのできるマンモ画像情報処理システムを提供する。

【構成】画像情報読取部54によって読み取ったマンモ画像情報を情報記憶部62に記憶させるとともに、胸壁情報算出部60によってマンモ画像情報に係る胸壁情報を算出して情報記憶部62に記憶させ、これらのマンモ画像情報及び胸壁情報をネットワーク24に接続されたCAD装置14、画像表示装置16、18、画像出力装置20等に送信する。CAD装置14等は、受信した胸壁情報を用いて、マンモ画像情報に対する解析等の処理を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体のマンモ画像情報を処理するマンモ画像情報処理システムにおいて、
前記マンモ画像情報を取得するマンモ画像情報取得部と、
前記マンモ画像情報における前記被写体の胸壁情報を作成する胸壁情報作成部と、
前記胸壁情報を前記マンモ画像情報とともに管理する情報管理部と、
を備えることを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記マンモ画像情報取得部は、前記被写体を撮影することで前記マンモ画像情報を取得する撮影装置であることを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記胸壁情報作成部は、前記撮影装置による前記被写体の撮影状態に基づいて前記胸壁情報を作成することを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項4】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記撮影装置は、前記被写体の撮影部位を認識する撮影部位認識部を有し、前記胸壁情報作成部は、認識された前記撮影部位に基づいて前記胸壁情報を作成することを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記マンモ画像情報取得部は、前記マンモ画像情報を取得して画像解析を行う解析装置であることを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムにおいて、
前記胸壁情報作成部は、前記解析装置によって解析された前記マンモ画像情報の解析結果に基づいて前記胸壁情報を作成することを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記マンモ画像情報取得部は、蓄積性蛍光体パネルに記録された前記マンモ画像情報を読み取る読取装置であることを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムにおいて、
前記胸壁情報作成部は、前記読取装置に装填される前記蓄積性蛍光体パネルの装填状態に基づいて前記胸壁情報を作成することを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記胸壁情報に基づいて表示状態が調整された前記マンモ画像情報を表示する表示部を備えることを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項10】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記撮影装置は、放射線の照射を受けて前記マンモ画像情報を記録する一方、記録した前記マンモ画像情報に係る画像信号を出力する固体検出器を備えることを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【請求項11】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記撮影装置は、放射線の照射を受けて前記マンモ画像情報を記録する一方、励起光が照射されることで、記録した前記マンモ画像情報に係る輝尽発光光を出力する蓄積性蛍光体パネルを備えることを特徴とするマンモ画像情報処理システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体のマンモ画像情報を処理するマンモ画像情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体の撮影部位に放射線を照射し、撮影部位を透過した放射線を固体検出器又は蓄積性蛍光体パネルに導いて放射線画像情報を記録し、その放射線画像情報を読み取って所望の処理を施した後、ディスプレイに表示し、あるいは、フイルムに出力することで、医療診断を支援するシステムが開発されている。
【0003】
ここで、固体検出器とは、例えば、絶縁基板上に行列状に形成された多数の電荷収集電極と、この電荷収集電極上に形成され、照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線導電体とを積層してなる固体検出部を有し、放射線導電体で発生した放射線画像情報に係る電荷を電荷収集電極で集めて蓄電部に一旦蓄積し、その蓄積電荷を電気信号に変換して出力するものである。
【0004】
また、蓄積性蛍光体パネルとは、照射された放射線のエネルギの一部を蓄積し、レーザビーム等の励起光を照射すると、蓄積された放射線エネルギに応じて輝尽発光する蓄積性蛍光体を塗布したパネルであり、蓄積性蛍光体パネルから出力された輝尽発光光を光電変換することにより、放射線画像情報を読み取ることができる。
【0005】
ところで、乳癌検診等を行うための医療診断支援システムを構成する乳房撮影装置(マンモグラフィ装置)を用いて取得した放射線画像情報には、撮影部位及び撮影方向が異なる複数のマンモ画像情報がある。
【0006】
これらのマンモ画像情報をディスプレイに表示させて読影する場合、読影作業を容易にするため、一般には、左右のマンモ画像情報を被写体の胸壁部分を背中合わせにして表示している(特許文献1参照)。このような表示形態とすることにより、例えば、左右のマンモの同一部位同士を比較して診断することが容易となる。
【0007】
前記の表示形態を自動的に設定するため、特許文献2、3に開示された従来技術では、取得したマンモ画像情報を形状解析して胸壁部分を抽出することで、表示画像の配向を決定している。また、特許文献4に開示された従来技術では、マンモ画像情報を形状解析し、所望の配向でフイルム上に出力するようにしている。
【0008】
【特許文献1】特開2001−204721号公報
【特許文献2】特開2004−337590号公報
【特許文献3】特開2005−28037号公報
【特許文献4】特開2005−96248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、いずれの従来技術においても、形状解析の結果を用いて表示画像等を配向しているだけであって、胸壁情報をマンモ画像情報とともに管理している訳ではない。従って、一旦配向されたマンモ画像情報を他の表示装置等に供給した後、その配向状態を変更し、あるいは、胸壁情報を用いてマンモ画像情報の拡大、縮小、表示位置調整等を行うには、再度形状解析を行わなければならず、そのための負担が発生してしまう。また、形状解析を行うことが出来ない装置では、配向状態等の変更自体が不可能となる。
【0010】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、取得したマンモ画像情報の配向、拡大、縮小、配置等の調整処理を任意且つ適切に行うことのできるマンモ画像情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、被写体のマンモ画像情報を処理するマンモ画像情報処理システムにおいて、
前記マンモ画像情報を取得するマンモ画像情報取得部と、
前記マンモ画像情報における前記被写体の胸壁情報を作成する胸壁情報作成部と、
前記胸壁情報を前記マンモ画像情報とともに管理する情報管理部と、
を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明のマンモ画像情報処理システムでは、取得したマンモ画像情報とともに、胸壁情報を管理するため、マンモ画像情報の配向、拡大、縮小、配置等の調整処理を、胸壁情報を用いて任意の装置で容易且つ適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本実施形態のマンモ画像情報処理システム10の全体構成図である。マンモ画像情報処理システム10は、被写体のマンモの放射線画像情報(マンモ画像情報)を取得するマンモグラフィ装置12(撮影装置)と、マンモグラフィ装置12から供給されたマンモ画像情報を解析して、病変部位の自動検出を行うCAD(Computer Aided Diagnosis)装置14(解析装置)と、医師による読影診断を行うため、CAD装置14から供給されたマンモ画像情報を表示する画像表示装置(ビューア)16、18(表示部)と、マンモ画像情報をフイルム等に出力する画像出力装置(プリンタ)20と、医師による診断結果が付加されたマンモ画像情報を蓄積するサーバであるマンモ画像情報蓄積装置22とを備える。これらの装置は、ネットワーク24によって相互に接続される。
【0014】
図2は、マンモグラフィ装置12の構成図である。マンモグラフィ装置12は、立設状態に設置される基台26と、基台26の略中央部に配設される旋回軸28に固定されるアーム部材30と、被写体32の撮影部位に対して放射線を照射する放射線源を収納し、アーム部材30の一端部に固定される放射線源収納部34と、被写体32を透過した放射線を検出して放射線画像情報を取得する固体検出器を収納し、アーム部材30の他端部に固定される撮影台36と、撮影台36に対して被写体32のマンモを押圧して保持する押圧板38とを備える。
【0015】
放射線源収納部34及び撮影台36が固定されたアーム部材30は、旋回軸28を中心として矢印A方向に旋回することで、被写体32のマンモに対する撮影方向が調整可能に構成される。押圧板38は、アーム部材30に連結された状態で放射線源収納部34及び撮影台36間に配設されており、矢印B方向に変位可能に構成される。
【0016】
一方、基台26には、マンモグラフィ装置12によって検出された被写体32の撮影部位、撮影方向等の撮影情報、被写体32のID情報等を表示するとともに、必要に応じてこれらの情報を設定可能な表示操作部40が配設される。
【0017】
また、基台26には、旋回軸28と交差する鉛直線を対称軸とする左右の所定位置に、撮影部位である左右のマンモ44(図3)に対して所定の位置関係にある被写体32の一部を検出することで前記撮影部位を認識する指向性の高い被写体検出センサ42a、42b(撮影部位認識部)が配設される。被写体検出センサ42a、42bとしては、例えば、被写体32の一部によって反射された赤外線又は外部からの赤外線を検出する赤外線センサ、被写体32の一部の画像情報を取得するCCDカメラ等を使用することができる。
【0018】
図3は、マンモグラフィ装置12における撮影台36の内部構成図であり、撮影台36及び押圧板38間に被写体32の撮影部位であるマンモ44を配置した状態を示す。なお、参照符号45は、被写体32の胸壁を示す。
【0019】
撮影台36の内部には、放射線源収納部34に内蔵された放射線源から出力された放射線Xに基づくマンモ画像情報を蓄積し、電気信号として出力する固体検出器46と、固体検出器46に蓄積記録されたマンモ画像情報を読み取るために、固体検出器46に読取光を照射する読取光源48と、固体検出器46に蓄積されている不要電荷を除去するために、固体検出器46に消去光を照射する消去光源50とを備える。
【0020】
固体検出器46は、直接変換方式且つ光読出方式の放射線固体検出器であって、マンモ44を透過した放射線Xに基づくマンモ画像情報を静電潜像として蓄積し、読取光源48からの読取光により走査されることで、静電潜像に応じた電流を発生する。
【0021】
固体検出器46は、例えば、特開2004−154409号公報に開示されたものを用いることができ、具体的には、ガラス基板上に形成され、放射線Xを透過する第1導電層と、放射線Xが照射されることで電荷を発生する記録用光導電層と、第1導電層に帯電される潜像極性電荷に対して略絶縁体として作用する一方、潜像極性電荷と逆極性の輸送極性電荷に対して略導電体として作用する電荷輸送層と、読取光が照射されることで電荷を発生して導電性を呈する読取用光導電層と、放射線Xを透過する第2導電層とを順に積層して構成される。記録用光導電層と電荷輸送層との界面には、蓄電部が形成される。
【0022】
第1導電層及び第2導電層は、それぞれ電極を構成する。第1導電層の電極は、二次元状の平坦な平板電極とされ、第2導電層の電極は、記録される放射線画像情報を画像信号として検出するための所定の画素ピッチからなる多数の線状電極として構成される。線状電極の配列方向が主走査方向、線状電極の延在する方向が副走査方向に対応する。
【0023】
読取光源48は、例えば、複数のLEDチップを一列に並べて構成されるライン光源と、ライン光源から出力された読取光を固体検出器46上に線状に照射させる光学系とを有し、固体検出器46の第2導電層である線状電極の延在方向と直交する方向にLEDチップが配列されたライン光源を前記線状電極の延在方向に移動させることで固体検出器46の全面を露光走査する。
【0024】
消去光源50は、短時間で発光/消光し、且つ、残光の非常に小さい光源が好適であり、例えば、読取光源48を構成するLEDチップの配列方向に延在し、且つ、前記配列方向と直交する方向に配列される複数の外部電極型希ガス蛍光ランプを使用することができる。
【0025】
図4は、マンモグラフィ装置12を構成する制御回路のブロック図である。
【0026】
マンモグラフィ装置12は、上述した構成に加えて、固体検出器46に高電圧を供給する高電圧供給部52と、高電圧が供給された固体検出器46から電気信号としてのマンモ画像情報を読み取る画像情報読取部54と、被写体検出センサ42a、42bからの信号に基づいてマンモグラフィ装置12による被写体32の撮影部位を判定する撮影部位判定部56と、アーム部材30の基台26に対する旋回位置を検出する旋回位置検出センサ58と、撮影部位判定部56から供給される撮影部位情報、及び、旋回位置検出センサ58から供給される旋回位置情報に基づき、マンモ画像情報における胸壁45の位置及び方向を示す胸壁情報を算出する胸壁情報算出部60(胸壁情報作成部)と、画像情報読取部54から供給されるマンモ画像情報を胸壁情報算出部60から供給される胸壁情報に関連させて記憶するとともに、表示操作部40から供給された被写体32のID情報等を記憶する情報記憶部62(情報管理部)とを備える。情報記憶部62に記憶された放射線画像情報及び胸壁情報を含む情報は、インタフェース(I/F)64を介してネットワーク24に接続される各装置に送信される。
【0027】
本実施形態の放射線画像処理システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明する。
【0028】
先ず、図示しないコンソール、IDカード等を用いて、被写体32に係るID情報、撮影方法等の設定を行う。この場合、ID情報には、被写体32の氏名、年齢、性別等の情報があり、ネットワーク24に接続された上位の装置、あるいは、被写体32が所持するIDカードから取得することが可能である。また、撮影方法には、医師によって指示された撮影部位、撮影方向等の情報があり、ネットワーク24に接続された上位の装置から取得し、あるいは、コンソールから技師が入力することが可能である。これらの情報は、マンモグラフィ装置12の表示操作部40に表示して確認することができる。
【0029】
次いで、技師は、指定された撮影方法に従ってマンモグラフィ装置12を所定の状態に設定する。例えば、マンモ44の撮影方向としては、上部から放射線Xを照射して撮影を行う頭尾方向(CC)撮影(図5、図6参照)、側面から放射線Xを照射して撮影を行う側面方向(ML)撮影(図7、図8参照)、斜め方向から放射線Xを照射して撮影を行う内外側斜位(MLO)撮影があり、これらの撮影方向に応じてアーム部材30を旋回軸28を中心に旋回させる。旋回位置検出センサ58は、アーム部材30の旋回角度を検出して胸壁情報算出部60に旋回位置情報を供給する。
【0030】
次に、マンモグラフィ装置12に対して被写体32の指定された撮影部位を設定する。
【0031】
例えば、被写体32の左のマンモ44に対する頭尾方向(CC)撮影を行う場合、左のマンモ44を撮影台36に載置した後、押圧板38を押し下げ、撮影台36及び押圧板38間にマンモ44を保持させる。
【0032】
このとき、左のマンモ44を撮影台36及び押圧板38間に保持させた状態において、被写体32は、基台26に対して右寄りの位置に立位することになる。この場合、基台26に配設されている被写体検出センサ42bの前方に被写体32の右側の腹部が配置され、被写体検出センサ42aの前方には被写体32が配置されない。そのため、被写体検出センサ42a、42bが被写体32によって反射された赤外線を検出するセンサからなるとき、図5に示すように、ハッチングが付された被写体検出センサ42bのみが被写体32を検出する。撮影部位判定部56は、被写体検出センサ42a、42bからの信号に基づき、被写体32の撮影部位が左のマンモ44であると判定し、判定結果である撮影部位情報を胸壁情報算出部60に供給する。
【0033】
また、右のマンモ44を撮影台36及び押圧板38間に保持させた場合には、図6に示すように、ハッチングが付された被写体検出センサ42aのみが被写体32を検出するため、撮影部位判定部56は、被写体32の撮影部位が右のマンモ44であると判定し、判定結果である撮影部位情報を胸壁情報算出部60に供給する。
【0034】
撮影方向が側面方向(ML)撮影及び内外側斜位(MLO)撮影の場合にも、同様にして被写体32の撮影部位を判定することができる。図7は、左のマンモ44の側面方向(ML)撮影を行う場合の被写体検出センサ42a、42bの検出状態を示し、図8は、右のマンモ44の側面方向(ML)撮影を行う場合の被写体検出センサ42a、42bの検出状態を示す。なお、被写体検出センサ42a、42bの何れか一方のみをアーム部材30に配設し、被写体32の検出の有無から被写体32の撮影部位を判定することもできる。また、被写体検出センサ42a、42bを赤外線センサに代えてCCDカメラとし、撮像した被写体32の画像情報に基づいて撮影部位を検出するようにしてもよい。
【0035】
胸壁情報算出部60は、撮影部位判定部56から供給された撮影部位情報と、旋回位置検出センサ58から供給された旋回位置情報とに基づき、被写体32の胸壁45の固体検出器46に対する位置及び方向を示す胸壁情報を算出する。
【0036】
ここで、図3、図5〜図8に示すように、撮影台36に収納されている固体検出器46の基台26から離間した2つの隅角部をA、Bとし、図5、図6に示す頭尾方向(CC)撮影の状態で被写体検出センサ42aに近接する隅角部をAとする。この場合、被写体32の胸壁45は、図3に示す撮影状態から明らかなように、撮影方向に関係なく固体検出器46の隅角部A、Bを結ぶ線分側に配置される。また、図5及び図6に示す頭尾方向(CC)撮影では、左のマンモ44の撮影で被写体32の外側が隅角部A側となり、右のマンモ44の撮影で被写体32の内側が隅角部A側となる。さらに、図7及び図8に示す側面方向(ML)撮影では、被写体32の上側が隅角部A側となる。
【0037】
そこで、胸壁情報算出部60は、固体検出器46の隅角部A、Bに対応するアドレス情報を胸壁45の位置情報として設定する。また、胸壁情報算出部60は、撮影部位判定部56から供給された撮影部位情報と、旋回位置検出センサ58から供給された旋回位置情報とに基づき、隅角部A、Bが被写体32の内外上下の何れであるのかを示す方向情報を算出する。これらの位置情報及び方向情報は、胸壁情報として情報記憶部62に記憶される。
【0038】
次に、放射線源収納部34に収納されている放射線源を駆動してマンモ44の撮影を行う。
【0039】
押圧板38及び撮影台36間に保持されたマンモ44を透過した放射線Xは、撮影台36に収納されている固体検出器46に照射される。なお、固体検出器46は、撮影に先立ち、消去光源50からの消去光が全面に照射されて不要電荷が除去されている。
【0040】
次いで、高電圧供給部52から第1導電層及び第2導電層間に高電圧を印加した状態において、マンモ画像情報を担持した放射線Xが固体検出器46に照射されると、固体検出器46の記録用光導電層内で正負の電荷対が発生し、その負電荷が記録用光導電層と電荷輸送層との界面に形成された蓄電部に蓄積される。この蓄積された負電荷、すなわち、潜像極性電荷の量は、マンモ44を透過した放射線Xの線量に略比例している。なお、記録用光導電層で発生した正電荷は、第1導電層に引き寄せられ、高電圧供給部52から供給された負電荷と結合して消滅する。
【0041】
マンモ44の撮影が行われた後、読取光源48が固体検出器46に沿って矢印方向に移動して読取光が照射されると、読取用光導電層に正負の電荷対が発生し、その正電荷が蓄電部に蓄積されている負電荷(潜像極性電荷)に引きつけられるようにして電荷輸送層内を移動し、蓄電部の負電荷と結合して消滅する。一方、読取用光導電層で発生した負電荷は、高電圧供給部52から第2導電層に供給される正電荷と結合して消滅する。このようにして、固体検出器46に蓄積されている負電荷が電荷結合によって消滅し、この電荷結合の際の電荷の移動による電流が固体検出器46内に発生する。
【0042】
画像情報読取部54は、第2導電層を構成する複数の線状電極に発生した電流をマンモ画像情報として読み取り、胸壁情報算出部60によって算出された胸壁情報とともに情報記憶部62に記憶させる。
【0043】
なお、マンモ画像情報の読み取られた固体検出器46には、次の撮影を行うため、消去光源50から発せられた消去光が照射され、蓄積されている不要電荷が除去される。
【0044】
情報記憶部62に記憶されたマンモ画像情報及びその胸壁情報は、I/F64からネットワーク24を介してCAD装置14に送信される。
【0045】
CAD装置14は、受信したマンモ画像情報を解析し、マンモ画像情報における病変部位等の自動検出を行い、当該マンモ画像情報に病変部位を示すマーキング等の処理を施す。この場合、マンモ画像情報には、マンモグラフィ装置12によって撮影されたマンモ44の胸壁情報が付帯しているため、胸壁45の位置を基準として解析処理を迅速に行うことができる。また、胸壁情報を用いて、マンモ画像情報の回転処理、反転処理、適切な位置に撮影部位及び撮影方向を表す撮影情報の記録処理等を行うことができる。
【0046】
図9は、左のマンモ44に係るマンモ画像66Lから病変部位68を検出し、病変部位68に対してマーキング70を付し、且つ、当該マンモ画像66Lに撮影情報72を重畳させ、被写体32の外側の部位(A(外)と記す)を上として表示した画像の例を示す。なお、「L−CC」は、左のマンモ44の頭尾方向(CC)撮影であることを表す。この場合、撮影情報72は、固体検出器46の隅角部A、Bに対応する被写体32の胸壁45の位置を表す胸壁情報に基づき、胸壁45から最も離間したマンモ44の画像に干渉しない下端部に表示させることができる。
【0047】
また、図10は、右のマンモ44に係るマンモ画像66Rを180゜回転させることで、マンモ画像66Lに対応させて被写体32の外側の部位(B(外)と記す)を上とし、且つ、当該マンモ画像66Rに撮影情報72を重畳させて表示した画像の例を示す。「R−CC」は、右のマンモ44の頭尾方向(CC)撮影であることを表す。なお、右のマンモ44からは、病変部位68が検出されなかったものとしている。
【0048】
次に、CAD装置14によって解析処理されたマンモ画像情報は、ネットワーク24を介して胸壁情報とともに画像表示装置16、18に送信される。なお、胸壁情報は、解析前のマンモ画像情報とともにマンモグラフィ装置12から画像表示装置16、18に送信するようにしてもよい。
【0049】
画像表示装置16、18では、CAD装置14で解析処理されたマンモ画像情報と胸壁情報とを用いて、図11に示すように、マンモ画像66L及び66Rを所望の表示形態でディスプレイ74に表示し、医師による高精度な読影診断が行われる。
【0050】
すなわち、画像表示装置16、18は、CAD装置14から送信されたマンモ画像情報からなるマンモ画像66L及び66Rを、CAD装置14又はマンモグラフィ装置12から送信された胸壁情報を用いて、マンモ画像66Lの胸壁45を表す隅角部A、Bと、マンモ画像66Rの胸壁45を表す隅角部A、Bとを付き合わせるようにしてディスプレイ74に表示する。この場合、医師は、胸壁45が付き合わされ、且つ、内外方向の位置が所定の状態に設定された左右のマンモ44の画像を比較しながら、適切な読影診断を行うことができる。
【0051】
また、画像表示装置16、18では、胸壁情報を用いて、マンモ画像66L及び66Rの胸壁45を基準とする画像の拡大縮小を行うことができる。すなわち、マンモ画像66L及び66Rは、胸壁45側に必要なマンモ画像情報があり、胸壁45から離間するマンモ44以外の画像部分には、必要な情報が含まれていない。従って、マンモ画像66L及び66Rの中心を基準とするのではなく、胸壁45を基準として画像の拡大縮小を行うことにより、必要な情報が表示域外となることがなく、画像の拡大縮小を行うことができる。
【0052】
また、胸壁情報を用いることで、ディスプレイ74の画像枠内の所望の位置にマンモ画像66L及び66Rを配置することもできる。さらに、胸壁情報から胸壁45の上下位置(又は内外位置)の両端部を求め、これらの両端部の位置情報を用いて、左右のマンモ画像66L及び66Rの自動位置合わせを行うこともできる。
【0053】
さらにまた、胸壁情報を用いて、マンモ画像66L及び66Rの画像領域に干渉しない位置に他の情報、例えば、患者名、撮影日時等の情報を表示させることもできる。
【0054】
なお、上記の説明では、マンモグラフィ装置12において胸壁情報を自動作成し、ネットワーク24を介してCAD装置14又は画像表示装置16、18に送信するようにしているが、マンモグラフィ装置12の表示操作部40等を用いて作業者が胸壁情報を設定し、あるいは、CAD装置14においてマンモ画像情報の画像処理を行うことで胸壁情報を算出してもよい。また、胸壁情報は、マンモ画像情報とともに画像出力装置20に送信し、胸壁情報に基づく所望のレイアウトからなるマンモ画像情報をフイルム等に出力することもできる。
【0055】
図12は、他の実施形態であるマンモ画像情報処理システム100の全体構成図である。なお、マンモ画像情報処理システム10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
このマンモ画像情報処理システム100では、固体検出器46を用いたマンモグラフィ装置12に代えて、蓄積性蛍光体パネルPを用いたマンモグラフィ装置102と、蓄積性蛍光体パネルPに記録されたマンモ画像情報を読み取る読取装置103とがネットワーク24に接続される。
【0057】
ここで、蓄積性蛍光体パネルPとは、照射された放射線のエネルギの一部を蓄積し、レーザビーム等の励起光を照射すると、蓄積された放射線エネルギに応じて輝尽発光する蓄積性蛍光体を塗布したパネルである。
【0058】
マンモグラフィ装置102は、蓄積性蛍光体パネルPを収納したカセッテ104が装填される撮影台106を有し、放射線源収納部34に収納された放射線源から出力された放射線Xを被写体32のマンモ44を介して蓄積性蛍光体パネルPに照射することにより、マンモ画像情報の記録が行われる。
【0059】
蓄積性蛍光体パネルPを収納したカセッテ104は、蓄積性蛍光体パネルPを収納するための蓋部材108が筐体110の一端部側に配設されて構成される。筐体110は、蓋部材108から離間する端面側が薄肉状に形成されており、内部に収納された蓄積性蛍光体パネルPの端面が筐体110の端面に可能な限り近接するように構成される。そして、このカセッテ104は、前記端面側が被写体32の胸壁45側となるようにしてマンモグラフィ装置102の撮影台106に装填される。胸壁45側のマンモ画像情報を確実に撮影するためである。従って、カセッテ104と胸壁45との位置関係は、固体検出器46の場合と同様にして予め決められている。
【0060】
図13は、蓄積性蛍光体パネルPに記録されたマンモ画像情報を読み取る読取装置103の構成を示す。
【0061】
読取装置103は、筐体112の上部にカセッテ104を装填する装填口114が配設される。カセッテ104は、この装填口114に対して蓋部材108側から装填される。筐体112の内部には、装填口114に近接して、蓋部材108を開蓋する開蓋機構116と、開蓋されたカセッテ104から蓄積性蛍光体パネルPを吸着して取り出す吸着盤118とが配設される。
【0062】
吸着盤118の近傍には、カセッテ104から取り出された蓄積性蛍光体パネルPを搬送する搬送路120の上端部が配設される。また、搬送路120の上端部近傍には、マンモ画像情報が読み取られた蓄積性蛍光体パネルPに消去光を照射し、蓄積性蛍光体パネルPに残存するマンモ画像情報を消去する消去部121が配設される。なお、搬送路120は、下方向に延在した後、湾曲して上方向に延在する。
【0063】
搬送路120の下部中央部には、搬送路120によって搬送された蓄積性蛍光体パネルPに励起光を照射し、マンモ画像情報を担持した輝尽発光光を得るための励起部122と、蓄積性蛍光体パネルPから得られた輝尽発光光を光ガイド124を介して集光し、電気信号に変換する光電変換部126とが配設される。
【0064】
図14は、読取装置103を構成する制御回路の要部ブロック図である。
【0065】
読取装置103は、励起部122及び光電変換部126を制御してマンモ画像情報を蓄積性蛍光体パネルPから読み取る画像情報読取部128と、マンモ画像情報の胸壁情報を算出する胸壁情報算出部130と、マンモ画像情報及び胸壁情報を記憶する情報記憶部132と、情報記憶部132に記憶されたマンモ画像情報及び胸壁情報をネットワーク24を介して他の装置に送信するためのインタフェース(I/F)134とを備える。なお、胸壁情報算出部130は、マンモグラフィ装置12の場合と同様に、撮影部位判定部56から供給される撮影部位情報と、旋回位置検出センサ58によって検出されたアーム部材30の旋回位置情報とに基づいて胸壁情報を算出する。
【0066】
マンモ画像情報処理システム100は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明する。
【0067】
蓄積性蛍光体パネルPを収納したカセッテ104をマンモグラフィ装置102の撮影台106に装填した後、撮影台106及び押圧板38間にマンモ44を保持させ、放射線源収納部34の放射線源より放射線Xを照射し、蓄積性蛍光体パネルPにマンモ画像情報を記録する。
【0068】
次いで、マンモ画像情報が記録されたカセッテ104をマンモグラフィ装置102から取り出し、蓋部材108側より読取装置103の装填口114に装填する。このとき、読取装置103に対するカセッテ104の装填方向が予め決まっており、蓄積性蛍光体パネルPに記録されているマンモ画像情報の胸壁45は、装填口114から離間した部位となる。
【0069】
そこで、開蓋機構116によって蓋部材108を開蓋した後、吸着盤118がカセッテ104内より蓄積性蛍光体パネルPを吸着して取り出し、搬送路120に供給する。搬送路120は、蓄積性蛍光体パネルPを筐体112内の下端部まで搬送する。
【0070】
次いで、画像情報読取部128により蓄積性蛍光体パネルPに記録されているマンモ画像情報の読み取りを行う。画像情報読取部128は、励起部122を駆動し、励起光を蓄積性蛍光体パネルPに照射する。励起光の照射された蓄積性蛍光体パネルPは、記録されているマンモ画像情報に応じた輝尽発光光を出力する。蓄積性蛍光体パネルPから出力された輝尽発光光は、光ガイド124を介して光電変換部126に集光され、電気信号に変換される。この電気信号は、マンモ画像情報として情報記憶部132に記憶される。なお、マンモ画像情報が読み取られた蓄積性蛍光体パネルPは、消去部121において、消去光が照射されることで残存するマンモ画像情報が消去された後、カセッテ104に再び収納され、再利用に供せられる。
【0071】
胸壁情報算出部130は、マンモ画像情報の胸壁位置を示すアドレス情報等を算出するとともに、マンモグラフィ装置12の場合と同様に、マンモ画像情報の撮影部位及びマンモグラフィ装置102の撮影方向に基づいて胸壁方向を算出し、これらの胸壁位置及び胸壁方向を胸壁情報として情報記憶部132に記憶する。
【0072】
一方、情報記憶部132に記憶されたマンモ画像情報及び胸壁情報は、マンモ画像情報処理システム10の場合と同様に、I/F134からネットワーク24を介してCAD装置14に送信された後、胸壁情報に従ってマンモ画像情報の処理が行われる。
【0073】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態の放射線画像処理システムの全体構成図である。
【図2】本実施形態のマンモグラフィ装置の構成図である。
【図3】本実施形態のマンモグラフィ装置における撮影台の内部構成図である。
【図4】本実施形態のマンモグラフィ装置を構成する制御回路のブロック図である。
【図5】本実施形態のマンモグラフィ装置における撮影状態及び撮影部位認識の説明図である。
【図6】本実施形態のマンモグラフィ装置における撮影状態及び撮影部位認識の説明図である。
【図7】本実施形態のマンモグラフィ装置における撮影状態及び撮影部位認識の説明図である。
【図8】本実施形態のマンモグラフィ装置における撮影状態及び撮影部位認識の説明図である。
【図9】本実施形態のCAD装置で処理されたマンモ画像の説明図である。
【図10】本実施形態のCAD装置で処理されたマンモ画像の説明図である。
【図11】本実施形態の画像表示装置におけるマンモ画像の表示状態の説明図である。
【図12】他の実施形態の放射線画像処理システムの全体構成図である。
【図13】他の実施形態の放射線画像処理システムを構成する読取装置の構成図である。
【図14】図13に示す読取装置を構成する制御回路の要部ブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
10、100…放射線画像処理システム 12、102…マンモグラフィ装置
14…CAD装置 16、18…画像表示装置
20…画像出力装置 22…マンモ画像情報蓄積装置
24…ネットワーク 26…基台
32…被写体 34…放射線源収納部
36、106…撮影台 42a、42b…被写体検出センサ
44…マンモ 46…固体検出器
54、128…画像情報読取部 56…撮影部位判定部
58…旋回位置検出センサ 60、130…胸壁情報算出部
62、132…情報記憶部 103…読取装置
104…カセッテ P…蓄積性蛍光体パネル
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏

【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸

【識別番号】100142066
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 直樹

【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫


【公開番号】 特開2008−6130(P2008−6130A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180725(P2006−180725)