| 【発明の名称】 |
内視鏡用処置具 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 一朗
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| 【要約】 |
【課題】手元側の操作子の回転を操作ワイヤを介して先端の処置部に伝え、この処置部の向きを任意の角度にスムーズに変える。
【構成】先端に配置される処置部2と、処置部に先端が接続されて基端側へ延びる操作ワイヤ3と、処置部に先端が固定されるとともに、内部に操作ワイヤを挿通させて基端側へ延びるコイルシース4と、コイルシースの基端側に回転可能に接続される操作子本体6と、操作子本体上にコイルシースの基端側の軸線方向Lに沿って移動可能に配置されるとともに、操作ワイヤの基端部に連結されて操作ワイヤを介して処置部を操作する操作子7と、コイルシースを覆うように備えられ、かつコイルシースに対して少なくとも先端が回転自在とされた外チューブ5とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端に配置される処置部と、 該処置部に先端が接続されて基端側へ延びる操作ワイヤと、 前記処置部に先端が固定されるとともに、内部に前記操作ワイヤを挿通させて基端側へ延びるコイルシースと、 該コイルシースの基端側に回転可能に接続される操作子本体と、 該操作子本体上に前記コイルシースの基端側の軸線方向に沿って移動可能に配置されるとともに、前記操作ワイヤの基端部に連結されて該操作ワイヤを介して前記処置部を操作する操作子と、 前記コイルシースを覆うように備えられ、かつ該コイルシースに対して少なくとも先端が回転自在とされた外チューブと、 を有することを特徴とする内視鏡用処置具。 【請求項2】 前記コイルシースの先端部には、基端側よりも柔軟性が高い柔軟部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用処置具。 【請求項3】 前記コイルシースの先端部に設けられた柔軟部は、前記コイルシースの基端側に巻回される素線よりも径が小さい素線が前記コイルシースの先端部に巻回されることで、形成されていることを特徴とする請求項2記載の内視鏡用処置具。 【請求項4】 前記コイルシースの先端部に設けられた柔軟部は、前記コイルシースの基端側に巻回される素線より軟らかい材料からなる素線が前記コイルシースの先端部に巻回されることで、形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の内視鏡用処置具。 【請求項5】 前記外チューブの先端部には、基端側よりも柔軟性が高い柔軟部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の内視鏡用処置具。 【請求項6】 前記外チューブの先端部に設けられた柔軟部は、前記外チューブの先端部に使用されるチューブとして、前記外チューブの基端側に使用されているチューブよりも肉厚の薄いチューブが使用されることで、形成されていることを特徴とする請求項5記載の内視鏡用処置具。 【請求項7】 前記外チューブの先端部に設けられた柔軟部は、前記外チューブの先端部に使用されるチューブとして、前記外チューブの基端側に使用されるチューブよりも軟らかい材料からなるチューブが使用されることで、形成されていること特徴とする請求項5または6記載の内視鏡用処置具。 【請求項8】 前記外チューブの前記コイルシースへの固定部が、先端から所定距離基端側へ向かった箇所に設けられていることを特徴とする請求項1、2または5記載の内視鏡用処置具。 【請求項9】 前記固定部よりも先端側にある前記外チューブは、前記固定部よりも基端側にある外チューブよりも肉厚が薄くなっていることを特徴とする請求項8記載の内視鏡用処置具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、内視鏡のチャンネルから体内に挿入され、体内の所定部位の組織や細胞に対し除去等の処置を行う内視鏡用処置具に関する。 【背景技術】 【0002】 内視鏡用処置具の中には、先端に配置される処置部と、処置部に先端が接続されて基端側へ延びる操作ワイヤと、操作ワイヤを内部に挿通させるコイルシースと、コイルシースの外側をさらに覆う外チューブと、コイルシースの基端側に固定的に接続されて操作ワイヤを介して先端側の処置部を操作(例えば開閉操作)する操作手段とを備えてなるものがある(例えば、特許文献1)。 この種の内視鏡用処置具では、先端に配置された処置部の向き、言い換えれば処置部の角度位置を変える場合に、通常、手元側(基端側)の操作手段を回転させて、手元側のコイルシース部分をねじり、このコイルシース部分のねじりを手元側から先端側へ伝えて、最終的にコイルシースに固定されている処置部を回転させる方法をとる。 【特許文献1】特開平9−173341号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記特許文献1に記載された内視鏡用処置具にあっては、全長が比較的短い場合に問題ないが、全長が比較的長い場合、操作手段の回転がコイルシースを介して処置部に伝わりにくく、処置部の向きをスムーズに変えられないという問題がある。 すなわち、内視鏡処置具の全長が比較的長い場合、内視鏡のチャンネルと外チューブとの間、並びに外チューブとコイルシースとの間の接触長がそれぞれ長くなってそれらの間の摩擦力が大になり、結果的に、コイルシースの手元側の回転がコイルシースの先端側まで伝わりにくくなって、処置部を所要量回転させるには、手元側の操作手段をより多く回転させなければならない。また、コイルシース全体に蓄えられる回転力が徐々に大きくなって処置部が回転し始めたときに、内視鏡のチャンネルと外チューブとの関係が、静止摩擦から動摩擦に切り替わることなり、このため、処置部をある角度ずつしか回転させることができない、いわゆる「回転飛び」が生じ、処置部に対して微小な角度調整が行えないという問題がある。 【0004】 また、内視鏡用処置具の中には、コイルシースの手元側が操作手段に対して回転可能となっており、先端の処置部を回転させるには、操作手段の回転を操作ワイヤを介して処置部に伝えて、回転させるタイプのものもある。 この種の内視鏡用処置具においては、前述したコイルシースを介して手元側の操作手段の回転を先端側の処置部に伝えて回転させるタイプのものに比べ、多少摩擦力を低減できるものの、処置部と一体的にコイルシースの先端部が回転するため、全長が比較的長い場合には、前述したコイルシースを介して先端側の処置部を回転させるタイプものと同様の問題、つまり、内視鏡のチャンネルと外チューブとの間並びに外チューブとコイルシースとの間の摩擦力の影響によって、先端の処置部の向きをスムーズに変えられないという問題がある。 【0005】 本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、手元側の操作子の回転を操作ワイヤを介して先端の処置部に伝え、この処置部の向きを任意の角度にスムーズに変えることができる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。 本発明に係る内視鏡用処置具は、先端に配置される処置部と、該処置部に先端が接続されて基端側へ延びる操作ワイヤと、前記処置部に先端が固定されるとともに、内部に前記操作ワイヤを挿通させて基端側へ延びるコイルシースと、該コイルシースの基端側に回転可能に接続される操作子本体と、該操作子本体上に前記コイルシースの基端側の軸線方向に沿って移動可能に配置されるとともに、前記操作ワイヤの基端部に連結されて該操作ワイヤを介して前記処置部を操作する操作子と、前記コイルシースを覆うように備えられ、かつ該コイルシースに対して少なくとも先端が回転自在とされた外チューブと、を有することを特徴とする。 【0007】 この内視鏡用処置具では、操作子本体を回転させると、この操作子に連結された操作ワイヤが回転し、その回転が先端まで伝わって、結果的に処置部が回転されて向きが変わる。このとき、処置部に固定されたコイルシースの先端も処置部と一体的に回転するが、外チューブの先端がコイルシースに対して回転自在となっているので、コイルシースの先端の回転が外側の外チューブにまでは伝わらない。このため、外チューブが外側の内視鏡チャンネル内周面との間の摩擦によって、回転しにくい状態であっても、この外チューブの影響を、コイルシースは受けない。この結果、処置部のスムーズな回転が保証される。 【0008】 また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記コイルシースの先端部に、基端側よりも柔軟性が高い柔軟部が設けられていることを特徴とする。 この内視鏡用処置具では、操作子が回転されるのに伴い、操作ワイヤを介して処置部が回転され、この処置部と一体的にコイルシースの先端も回転する。ここで、内視鏡チャンネル内周面との間の摩擦によって、外チューブ及びこれに接触しているコイルシース基端部分が回転しにくい状態であっても、コイルシースの先端部に柔軟部が設けられているため、コイルシースの先端部は、コイルシース基端部分から受ける影響が少なく、スムーズな回転が可能である。この結果、処置部は、外チューブやコイルシースから受ける影響が少なく、よりスムーズに回転する。 【0009】 また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記コイルシースの先端部に設けられた柔軟部が、前記コイルシースの基端側に巻回される素線よりも径が小さい素線が前記コイルシースの先端部に巻回されることで、形成されていることを特徴とする。 この内視鏡用処置具では、コイルシースの基端側に巻回される素線よりも径が小さい素線がコイルシースの先端部に巻回されることで、コイルシース先端部に柔軟部を形成しており、簡単な構成によって確実にコイルシースに柔軟部を確保できる。 【0010】 また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記コイルシースの先端部に設けられた柔軟部が、前記コイルシースの基端側に巻回される素線より軟らかい材料からなる素線が前記コイルシースの先端部に巻回されることで、形成されていることを特徴とする。 この内視鏡用処置具では、コイルシースの基端側に対して材料の異なる素線を巻回することで、コイルシース先端部に柔軟部を形成しており、簡単な構成によって確実にコイルシースに柔軟部を確保できる。 【0011】 また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記外チューブの先端部に、基端側よりも柔軟性が高い柔軟部が設けられていることを特徴とする。 この内視鏡用処置具では、外チューブの先端部に柔軟性が高い柔軟部が設けてあるため、当該内視鏡用処置具が、高アングル状態の内視鏡先端の湾曲部を通過する場合であっても、コイルシースの反力で内視鏡用処置具の先端部に曲がり癖がつくことがなくストレート状態に戻り、病変部へのアプローチ性能を確保できる。 一方、内視鏡用処置具の手元側は、内視鏡チャンネルへの押し込み性能が必要なため、高い柔軟性は必要ない。 【0012】 また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記外チューブの先端部に設けられた柔軟部が、前記外チューブの先端部に使用されるチューブとして、前記外チューブの基端側に使用されているチューブよりも肉厚の薄いチューブが使用されることで、形成されていることを特徴とする。 この内視鏡用処置具では、外チューブの基端側に対して肉厚の薄いチューブを使用することで、外チューブ先端部に柔軟部を形成しており、簡単な構成によって確実に柔軟部を確保できる。 【0013】 また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記外チューブの先端部に設けられた柔軟部が、前記外チューブの先端部に使用されるチューブとして、前記外チューブの基端側に使用されるチューブよりも軟らかい材料からなるチューブが使用されることで、形成されていること特徴とする。 この内視鏡用処置具では、外チューブの基端側に対して軟らかい材料からなるチューブを使用することで、外チューブ先端部に柔軟部を形成しており、簡単な構成によって確実に柔軟部を確保できる。 【0014】 また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記外チューブの前記コイルシースへの固定部が、先端から所定距離基端側へ向かった箇所に設けられていることを特徴とする。 この内視鏡用処置具では、外チューブは、固定部によってコイルシースに固着されているため、コイルシースに対して軸線方向に沿ってずれることがなく、また軸線周りに回転ずれを生じることもない。なお、固定部の固定方法としては、例えば熱溶着や接着がある。 【0015】 また、本発明に係る内視鏡用処置具は、前記固定部よりも先端側にある前記外チューブが、前記固定部よりも基端側にある外チューブよりも肉厚が薄くなっていることを特徴とする。 この内視鏡用処置具では、外チューブの固定部よりも先端側にあるチューブ部分は、肉厚が薄くなって柔軟部とされているため、当該内視鏡用処置具が、高アングル状態の内視鏡湾曲部を通過する場合であっても、内視鏡用処置具の先端部に曲がり癖が付くことなくストレート状態に戻り、病変部へのアプローチ性能を確保できる。 【発明の効果】 【0016】 本発明によれば、操作子の回転に伴い、操作ワイヤを介して処置部が回転されるとき、処置部に固定されたコイルシースの先端も処置部と一体的に回転する。ここで、外チューブの先端がコイルシースに対して回転自在となっているので、コイルシースの先端の回転が外側の外チューブにまでは伝わらない。このため、外チューブが外側の内視鏡チャンネル内周面との間の摩擦によって、回転しにくい状態であっても、この外チューブの影響を、コイルシースは受けない。この結果、処置部のスムーズな回転が保証され、操作子側の回転に伴い処置部を回転させることができ、しかも、「回転飛び」を防いで、処置部の微小な角度調整が可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本発明に係る各実施形態について説明する。 <第1実施形態> 図1、図2は本発明に係る第1実施形態の内視鏡用処置具を示す。 図1において符号100は内視鏡を示す。内視鏡100は、体内に挿入される内視鏡挿入部101と、内視鏡挿入部101の基端に設けられて内視鏡挿入部101の先端部を図示せぬアングルワイヤを介して湾曲操作する操作部102とを備える。内視鏡挿入部101の内部にはチャンネル103が形成されている。また、内視鏡挿入部101の先端には、体内を観察する撮像手段が設けられるとともに、チャンネル103の先端開口が形成されている。チャンネル103の基端側は操作部102の側部近傍まで延び、そこで開口されて挿入口となっている。この挿入口からチャンネル103内に、本実施形態に係る内視鏡用処置具1が挿入される。 【0018】 この実施形態に係る内視鏡用処置具1は生検鉗子の例であって、図2に示すように、先端に配置される処置部2と、処置部2に先端が接続されて基端側へ延びる操作ワイヤ3と、処置部2に先端が固定されるとともに、内部に操作ワイヤ3を挿通させて基端側へ延びるコイルシース4と、コイルシースを覆うように備えられた外チューブ5とを備える。 コイルシース4の基端側には操作子本体6が、コイルシース4に対して回転自在に接続されている。操作子本体6上には、操作子7がコイルシース4の基端側の軸線方向Lに沿って移動可能に配置される。操作子7は、操作ワイヤ3の基端部に連結されていて、前記軸線方向Lに沿って移動(進退)されることにより、処置部2を例えば開閉操作するようになっている。 【0019】 前記処置部2は、コイルシース4の先端部外周に嵌合された状態で、レーザ溶接やロー付、半田付、カシメなどの固定手段によってコイルシース4に固定されたカップ保持部材10と、このカップ保持部材10の先端部にピン11を介して回転可能に支持された一対の生検カップ12,12とを備える。一対の生検カップ12,12のそれぞれの基端部には、操作ワイヤ3,3が一本ずつそれぞれ連結されており、操作ワイヤ3,3の進退によって一対の生検カップ12,12が開閉操作されるようになっている。 【0020】 操作ワイヤ3は、機械的特性に優れるステンレス鋼などの金属線からなっていて、軸線方向に沿って進退操作されるとき、そのときの引張力あるいは圧縮力を前記処置部2に伝達することができ、また、操作子を回転したとき、その回転力を処置部2に伝達することができるものである。 【0021】 コイルシース4は、鋼、ステンレス鋼、硬鋼、ピアノ線等の金属製素線を互いに隙間が生じないように密に巻かれたものであり、内視鏡挿入部に沿って自在にたわむことが可能であり、しかも、操作子本体6を介して内視鏡のチャンネル内に押し込まれたときに、そのときの押圧力を先端の処置部2に確実に伝達することができるものである。 【0022】 外チューブ5は、樹脂材料で構成されており、例えば、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロ・アルコキシ・エチレン樹脂(PFA)、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂(FEP)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニール共重合体、ポリオレフィン、ポリアミド、塩化ビニール、ラテックス、天然ゴム等の樹脂材料またはこれらの混合材料で構成され、好ましくは、内視鏡のチャンネル103に対する挿通性が優れているもの、つまり、チャンネル103に対する摩擦係数が小さいものが使用される。 【0023】 また、外チューブ5は、コイルシース4に対して先端が回転自在とされている。 すなわち、外チューブ5の先端から所定距離Mだけ基端側へ向かった箇所に、コイルシース4へ熱溶着あるいは接着等により固定される固定部5aが設けられている。固定部5aよりも先端側にある外チューブ5の内径は、コイルシース4の外形よりも大に設定されていて、外チューブ5とコイルシース4との間に全周にわたって隙間Nが形成されている。これによって、前述したように、外チューブ5の先端は、コイルシース4に対して回転自在とされている。 なお、この実施形態では、固定部5aよりも基端側にある外チューブ5の内径も、コイルシース4の外形よりも大に設定されていて、外チューブ5とコイルシース4との間に全周にわたって隙間が形成されている。 ここで、前記所定距離Mは、角度調整のために処置部2を回転させるとき、該処置部2と一体に回転するコイルシース4の先端の回転に支障がでない程度、つまり、コイルシース4の先端が処置部2と一体的に回転するとき、その回転を妨げない程度に設定される。 また、外チューブ5とコイルシース4との間の隙間Nは、温度変化や使用状態の変化等によって外チューブ5とコイルシース4とが接触する場合であっても、両者が相対回転する場合に、両者間にほとんど摩擦力が生じない程度に設定される。 【0024】 操作子本体6の先端に形成された係合孔6aには前記コイルシース4の基端が挿入され、このコイルシース4の基端は、抜止部材13によって回転可能ではあるが抜け止めがなされている。また、前記係合孔6aには外チューブ5の基端も挿入されている。 また、操作子本体6の基端には指掛け用のリング15が設けられている。さらに、操作子本体6には、リング15の近傍から先端部に向かって溝16が形成されており、この溝16に前記操作子7が進退可能かつ操作子本体6と一体的に回転されるように取り付けられている。 【0025】 操作子7には、操作ワイヤ3,3の基端部が固定されており、操作子7を溝16に沿って移動させることで、操作ワイヤ3,3が進退させられるようになっている。なお、溝16の先端部と操作子7との間には、硬質の操作パイプ17が挿入されており、この操作パイプ17内に操作ワイヤ3,3を挿通させることで、操作子7を移動させた際の操作ワイヤ3,3のたわみや座屈等の変形が防止される。 また、操作子7の外周には指掛け用のリング溝18が形成されていて、操作者は、このリング溝18に中指と人差し指を係止させるとともに、前記操作子本体6のリング15に親指を係止させることで、片手で、操作子本体6に対する操作子7の相対移動(進退操作)が行えるようになっている。 【0026】 次に、このように構成されたこの第1実施形態に係る内視鏡用処置具の作用について説明する。 まず、内視鏡の挿入部101を被検体内に挿入し、この挿入部101の先端を被検体部の近傍まで送り込む。さらに、内視鏡操作部102に開口されたチャンネル103を介して、当該内視鏡用処置具1を被検体内に挿入し、その先端の処置部2を内視鏡の挿入部101の先端にまで送り込む。 そして、内視鏡用処置具1をさらに先端側に若干押し込み、内視鏡挿入部101の先端から処置部2を突出させる。この状態で、被検体部に対する処置部2の向きを調整する。つまり、被検体部に対して処置部2が適切な姿勢であるか否かを、例えば内視鏡の画面上で判断し、適切な姿勢でない場合には、内視鏡用処置具1の操作子本体6を回転させる。操作子本体6を回転させると、操作子7と一体的に操作ワイヤ3の基端部が回転し、この回転が操作ワイヤ3の先端まで伝わり、結果的に操作ワイヤ3の先端に接続された処置部2が回転する。処置部2が適宜位置まで回転し、適当な姿勢になったところで、操作子本体6による回転を停止する。 【0027】 次いで、操作子7を進退操作させて被検体部に対して所定の処置を行う。 すなわち、図に示すように、処置部2が例えば生検鉗子の場合には、被検体部に対向するように処置部を操作ワイヤの軸線方向に位置調整した後、操作子7を前進させて、生検カップ12を一旦開かせた後、操作子本体6及びコイルシース4ごと前進させるとともに、操作子7を後退させて、生検カップ12によって被検体部を把持する。この状態で、操作子本体6及びコイルシース4ごと後退させて、生検カップ12を閉じたまま被検体部から離間させて所要の被検体部を採取する。 【0028】 ここで、前記操作子本体6、操作子7、及び操作ワイヤ3を介して処置部2を回転させるとき、処置部2に固定されたコイルシース4の先端も処置部2と一体的に回転する。ここで、外チューブ5の先端がコイルシース4との間に全周にわたって隙間Nが形成されることにより、コイルシース4に対して回転自在となっている。このため、コイルシース4の先端の回転が、接触していない外側の外チューブ5までは伝わらない。このため、たとえ外チューブ5が外側の内視鏡チャンネル内周面との間の摩擦によって、回転しにくい状態である場合でも、この外チューブ5の影響を、コイルシース4は受けない。したがって、処置部2のスムーズな回転が保証される。この結果、操作子本体6の回転に伴い、処置部2をそれとほぼ同じ角度回転させることができ、しかも、「回転飛び」を防いで、処置部2の微小な角度調整が可能となる。 【0029】 また、本実施形態では、外チューブ5は、固定部5aによってコイルシース4に固着されているため、コイルシース4に対して軸線方向に沿ってずれることがなく、また軸線周りに回転ずれすることもない。一方、外チューブ5は、固定部5aよりも先端側がコイルシース4に対して隙間Nが形成されてフリーの関係になっているため、前述したとおり、たとえ外チューブ5が外側の内視鏡チャンネル内周面との間の摩擦によって、回転しにくい状態であっても、この外チューブ5の影響をコイルシース4の先端部は受けにくく、この結果、処置部2のスムーズな回転が保証される。 【0030】 <第2実施形態> 図3は本発明に係る第2実施形態の内視鏡用処置具を示す。 なお、説明の便宜上、第2実施形態において、前記第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。これは、後述する第3実施形態以降の実施形態についても同様である。 【0031】 第2実施形態では、コイルシース20の先端部に、基端側よりも柔軟性が高い柔軟部20aが設けられている。 柔軟部20aは、例えば、コイルシース20の先端部に巻かれる素線21の径が、コイルシース20の基端側に巻かれる素線22の径より小さく設定されることで形成されている。すなわち、径が細く剛性が低い素線21が巻かれることで、コイルシース20の先端部に柔軟部20aを確保している。 【0032】 本実施形態では、操作子本体6が回転されるのに伴い、操作ワイヤ3を介して処置部2が回転され、この処置部2に固定されたコイルシース4の先端も処置部2と一体的に回転する。ここで、コイルシース20の先端部に柔軟部20aを設けているため、内視鏡チャンネル内周面との間の摩擦によって、外チューブ5及びこれに接触しているコイルシース4の基端部分が回転しにくくなっている場合でも、コイルシース20の先端部は、それら外チューブ5やコイルシース4の基端部分から受ける影響が少なく、スムーズな回転が可能である。このため、コイルシース4の先端に固定されている処置部2も比較的自由に回転することができ、この結果、処置部2のよりスムーズな回転が保証される。 【0033】 なお、図3に示した実施形態では、コイルシース20の先端部に柔軟部20aを設けるにあたり、コイルシースの基端側の素線22よりも径が小さい素線21を密巻きする構成としているが、これに限られることなく、異なった材料を用いることによって、柔軟部20aを得ても良い。 すなわち、コイルシースの基端側の素線と同径でありながら、それよりも軟らかい材料の素線を蜜巻きすることで、柔軟部20aを得てもよい。また、異なる材料を用いる例としては、材料そのものを変えるほか、もとは同じ材料であっても、焼入れ等処理によって、材料の組成を異ならせることで柔軟部20aを得ることもできる。 また、柔軟部20aは、先端部のコイル巻きを行う際、コイル巻き機にかけるプレロードを弱くして作成してもよい。また、一定のプレロードで巻かれたコイルの場合は、コイルシースの先端部を引っ張って柔軟部20aを作成してもよい。 【0034】 <第3実施形態> 図4は本発明に係る第3実施形態の内視鏡用処置具を示す。 第3実施形態では、外チューブ30の先端部に、基端側よりも柔軟性が高い柔軟部30aが設けられている。 柔軟部30aは、例えば、外チューブの基端側に、肉厚Waの厚いチューブ31を使用し、外チューブの先端側に、前記チューブ31と同じ材料でありながら、肉厚Wbの薄いチューブ32を使用することにより得ている。すなわち、肉厚が異なるチューブを使用することで、外チューブ30の先端部に柔軟部30aを確保している。 【0035】 なお、これら基端側の外チューブ31の先端部並びに先端側の外チューブ32の基端部は、それぞれコイルシース4の外周に、例えば熱溶着や接着剤を用いた接着等によって固定されている。また、外チューブ31、32の固定部以外の部分は、内径がコイルシース4の外形よりも大に設定されていて、コイルシース4との間に全周にわたって隙間が形成されている。 【0036】 本実施形態では、操作子本体6が回転されるのに伴い、操作ワイヤ3を介して処置部2が回転され、この処置部2に固定されたコイルシース4の先端も処置部2と一体的に回転する。ここで、外チューブ30の先端部に柔軟部30aを設けているため、当該内視鏡用処置具1が、高アングル状態の内視鏡先端の湾曲部を通過する場合であっても、内視鏡用処置具1の先端部に曲がり癖がつくことがなくストレート状態に戻ることとなり、病変部へのアプローチ性能を確保できる。 【0037】 なお、図3に示した実施形態では、外チューブ30の先端部に柔軟部30aを設けるにあたり、肉厚が異なるチューブを使用することで、柔軟部30aを得ているが、これに限られることなく、異なった材料を用いることによって、柔軟部を得る構成にしても良い。たとえば、外チューブ30の基端側に高密度ポリエチレンからなるチューブを用い、外チューブの先端側に、低密度ポリエチレンからなるチューブを用いても良い。また、外チューブの基端側と先端側とで、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの異なった配合のチューブを用いても良い。 【0038】 また、この実施形態では、肉厚を変えた異なる材料を用いることによって、外チューブ30の先端に柔軟部30aを設ける一方、コイルシース4としては先端部と基端側とで一様な硬さのものを用いているが、これに限られることなく、外チューブ30の先端部に柔軟部30aを設けことと、前記第2実施形態で示したように先端側に柔軟部20aを備えるコイルシース20を用いることとを組み合わせても良い。 【0039】 <第4実施形態> 図5は本発明に係る第4実施形態の内視鏡用処置具を示す。 第4実施形態では、外チューブ35の先端部を手元側と切り離すことで、完全にフリーにしている。 すなわち、外チューブ35は、基端側の外チューブ36と先端側の外チューブ37とから構成される。それら外チューブ36,37はそれぞれ同じ外形で同じ厚さに設定されている。そして、基端側の外チューブ36の先端部は、コイルシース4の外周に、例えば熱溶着や接着等によって固定されている。また、外チューブ36、37の固定部以外の部分は、内径がコイルシース4の外形よりも大に設定されていて、コイルシース4との間に全周にわたって隙間が形成されてフリーになっている。つまり、先端側の外チューブ36は、コイルシース4に対して完全にフリーとなっている。 【0040】 本実施形態においても、処置部2のスムーズな回転が保証され、操作子本体6の回転に伴い、処置部2をそれとほぼ同じ角度回転させることができ、しかも、「回転飛び」を防いで、処置部2の微小な角度調整が可能となる。 【0041】 <第5実施形態> 図6は本発明に係る第5実施形態の内視鏡用処置具を示す。 第5実施形態では、前記第3実施形態に示したものとほぼ同様であるが、ここでは、外チューブ40はコイルシース4の先端部にのみ設けられ、コイルシースの基端側には設けられていない。また、外チューブ40は、基端側のみがコイルシース4に例えば熱溶着や接着等によって固定されている。また、外チューブ40の固定部以外の部分は、内径がコイルシース4の外形よりも大に設定されていて、コイルシース4との間に全周にわたって隙間が形成されている。 この実施形態でも、外チューブ40の先端が、コイルシース4に対して回転自在とされているから、前記第1実施形態と同様な効果、つまり、処置部2のスムーズな回転が保証される効果を奏する。 なお、この実施形態においても、先端が回転自在とされた外チューブ40をコイルシース4の先端部にのみ設けられることと、前記第2実施形態で示したように先端側に柔軟部20aを備えるコイルシース20を用いることとを組み合わせる構成にしてもよい。 【0042】 なお、以上説明した実施形態はあくまで本発明の例示であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。 例えば、前記各実施形態では、処置部が一対の生検カップを備える生検鉗子を例に挙げて説明しているが、これに限られることなく、把持鉗子や、スネア等の他の種類の内視鏡用処置具であっても本発明は適用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0043】 【図1】本発明の第1実施形態に係る内視鏡用処置具が内視鏡に組み付けられた状態を示す斜視図である。 【図2】本発明の第1実施形態に係る内視鏡用処置具を示す一部断面図である。 【図3】本発明の第2実施形態に係る内視鏡用処置具を示す一部断面図である。 【図4】本発明の第3実施形態に係る内視鏡用処置具を示す一部断面図である。 【図5】本発明の第4実施形態に係る内視鏡用処置具を示す一部断面図である。 【図6】本発明の第5実施形態に係る内視鏡用処置具を示す一部断面図である。 【符号の説明】 【0044】 1…内視鏡用処置具、2…処置部、3…操作ワイヤ、4…コイルシース、5…外チューブ、6…操作子本体、7…操作子、
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| 【出願人】 |
【識別番号】304050923 【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月28日(2006.6.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106909 【弁理士】 【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100101465 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 正和
【識別番号】100094400 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 三義
【識別番号】100086379 【弁理士】 【氏名又は名称】高柴 忠夫
【識別番号】100129403 【弁理士】 【氏名又は名称】増井 裕士
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| 【公開番号】 |
特開2008−5965(P2008−5965A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−177919(P2006−177919) |
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