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【発明の名称】 血圧測定用カフ、血圧測定装置及び血圧測定方法
【発明者】 【氏名】相馬 孝博

【氏名】杤久保 修

【要約】 【課題】オシロメトリック方式によるダブルカフ方式の脈波検出用空気袋に対する阻血用空気袋の上流部の容積変化の影響をより効果的に排除し、収縮期血圧の検出のためのS/N比を向上できる血圧測定装置および血圧測定方法の提供。

【構成】カフ布(5)と、阻血用空気袋(1)と、心臓側に配置されるサブ空気袋(3)と、脈波を検出する脈波検出用空気袋(2)と、第1流体抵抗器(21)を介して接続した第1配管(6)と、第2流体抵抗器(11)を介して接続される第2配管(7)とを備えたカフ本体(100)と、カフ圧力検出部(13)と、カフ本体の加圧を行う加圧手段(18)に接続される加圧制御部(19)と、減圧を行う減圧制御部(20)と、脈波を検出脈波信号に変換し重畳する脈波を検出する脈波検出部(14)と、脈波検出部からの出力と検出カフ圧信号とに基づき血圧値を決定する血圧検出部(15)と血圧検出部からの血圧値を表示する血圧表示部(16)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血圧測定部位の動脈を圧迫する阻血用空気袋と、
前記阻血用空気袋の下方の略中央部よりも心臓側に配置されるサブ空気袋と、
前記阻血用空気袋の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋と、
前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋とに対して分岐して接続されるとともに、前記サブ空気袋との間で第1流体抵抗器を介して接続した第1配管と、
第2流体抵抗器を介して前記脈波検出用空気袋に対して接続される第2配管と、を備え、血圧測定部位に装着されるカフ本体と、
前記第2配管から分岐して接続されるカフ圧力検出部と、を備え、
前記第2流体抵抗器は、その加圧流体入口側が前記第1配管から分岐されて接続されるとともに、その減圧流体入口側が前記第2配管に接続され、
前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ本体の加圧を行う加圧手段に接続される加圧制御部と、
前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ本体の減圧を行う減圧制御部と、
前記カフ圧力検出部に電気的に接続されるとともに、脈波を検出脈波信号に変換し、前記検出脈波信号に重畳する脈波を検出する脈波検出部と、
前記脈波検出部からの出力と、前記カフ圧力検出部の検出カフ圧信号と、に基づき血圧値を決定する血圧検出部と、
前記血圧検出部からの血圧値を表示する血圧表示部と、を備えることを特徴とする血圧測定装置。
【請求項2】
前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋との間にパッキング材を含む第1裏打部材を、また前記阻血用空気袋と前記脈波検出用空気袋との間にパッキング材を含む第2裏打部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項3】
前記阻血用空気袋と前記カフ本体との間にパッキング材を含む第3裏打部材を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の血圧測定装置。
【請求項4】
さらに、前記第1流体抵抗器と前記第2流体抵抗器は略等しい流体抵抗を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の血圧測定装置。
【請求項5】
血圧測定部位の動脈を圧迫する阻血用空気袋と、
前記阻血用空気袋の下方の略中央部よりも心臓側に配置されるサブ空気袋と、
前記阻血用空気袋の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋と、
前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋とに対して分岐して接続されるとともに、前記サブ空気袋との間で第1流体抵抗器を介して接続した第1配管と、
第2流体抵抗器を介して前記脈波検出用空気袋に対して接続される第2配管と、を備え、血圧測定部位に装着されるカフ本体を用いた血圧測定方法であって、
前記第2配管から分岐して接続されるカフ圧力検出部と、
前記第2流体抵抗器は、前記第1配管から分岐されてその加圧流体入口側が接続されるとともに、その減圧流体入口側が前記第2配管に接続され、
前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ組立体の加圧を行う加圧手段に接続される加圧制御部と、
前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ組立体の減圧を行う減圧制御部とを備え、
前記加圧制御部を介して前記動脈を圧迫する工程と、
前記圧力検出部により、前記脈波を検出脈波信号に変換する工程と、
前記減圧制御部を介して前記カフ組立体を減圧する工程と、
脈波検出部において、前記検出脈波信号に重畳する脈波を検出する工程と、
血圧検出部において、前記脈波検出部の出力と、前記カフ圧力検出部の検出カフ圧信号とに基づき血圧値を決定する工程と、
血圧表示部において、前記血圧検出部からの血圧値を表示する工程と、を備えることを特徴とする血圧測定方法。
【請求項6】
血圧測定部位の動脈を圧迫する阻血用空気袋と、
前記阻血用空気袋の下方の略中央部よりも心臓側に配置されるサブ空気袋と、
前記阻血用空気袋の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋と、
前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋とに対して分岐して接続されるとともに、前記サブ空気袋との間で第1流体抵抗器を介して接続した第1配管と、
第2流体抵抗器を介して前記脈波検出用空気袋に対して接続される第2配管と、を備え、血圧測定部位に装着されるカフ本体を用いた血圧測定方法の制御プログラムが記憶されたコンピュータが読取り可能な記憶媒体であって、
前記第2配管から分岐して接続されるカフ圧力検出部と、
前記第2流体抵抗器は、前記第1配管から分岐されてその加圧流体入口側が接続されるとともに、その減圧流体入口側が前記第2配管に接続され、
前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ組立体の加圧を行う加圧手段に接続される加圧制御部と、
前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ組立体の減圧を行う減圧制御部とを備え、
前記加圧制御部を介して前記動脈を圧迫する工程のプログラムと、
前記圧力検出部により、前記脈波を検出脈波信号に変換する工程のプログラムと、
前記減圧制御部により、前記カフ組立体を減圧する工程のプログラムと、
脈波検出部において、前記検出脈波信号に重畳する脈波を検出する工程のプログラムと、
血圧検出部において、前記脈波検出部の出力と、前記カフ圧力検出部の検出カフ圧信号とに基づき血圧値を決定する工程のプログラムと、
血圧表示部において、前記血圧検出部からの血圧値を表示する工程のプログラムと、からなる血圧測定方法のプログラムが記憶されたことを特徴とするコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項7】
血圧測定部位の動脈を圧迫する阻血用空気袋と、
前記阻血用空気袋の下方の略中央部よりも心臓側に配置されるサブ空気袋と、
前記阻血用空気袋の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋と、
前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋とに対して分岐して接続されるとともに、前記サブ空気袋との間で第1流体抵抗器を介して接続した第1配管と、
第2流体抵抗器を介して前記脈波検出用空気袋に対して接続される第2配管と、を備えることを特徴とする血圧測定用カフ。
【請求項8】
前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋との間にパッキング材を含む第1裏打部材を、また前記阻血用空気袋と前記脈波検出用空気袋との間にパッキング材を含む第2裏打部材を配置したことを特徴とする請求項7に記載の血圧測定用カフ。
【請求項9】
前記阻血用空気袋と前記カフ本体との間にパッキング材を含む第3裏打部材を配置したことを特徴とする請求項7または8に記載の血圧測定用カフ。
【請求項10】
さらに、前記第1流体抵抗器と前記第2流体抵抗器は略等しい流体抵抗を有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の血圧測定用カフ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧測定用カフ、血圧測定装置とに係り、特に阻血用カフを用いるオシロメトリツク方式を用いて非観血血圧測定を行う血圧測定用カフとそれを用いた血圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のオシロメトリック方式の血圧計によれば、収縮期血圧以上の高い圧力までカフの圧力を徐々に上昇させるか、または収縮期血圧より高い圧力より下降させながらカフの下に位置した動脈の容積変化に基づいて、カフ圧力の振動を検出し、振動の振幅変化により血圧を決定していた。
【0003】
このようなカフを用いた血圧測定法における収縮期血圧の求め方は、カフの圧力を動脈内の最高圧力である収縮期血圧以上に上げることで、動脈の血流が止まる一方で、下げることで血流は流れる現象を検出して求めている。
【0004】
これに対して、現在広く普及しているコロトコフ方式(聴診法)によれば、収縮期血圧以上にカフの圧力を上げて一度血流を止めた後に、徐々にカフの圧力を降下させ、血流の再開するタイミングで発生するコロトコフ音をカフの下流側で検出することにより収縮期血圧値(最高血圧値)を求めるものである。
【0005】
上記のオシロメトリツク方式は、血流が再開する現象を、カフ下の動脈容積変化に基づくカフの圧力振動として捕らえる方法である。このため、オシロメトリック方式は、コロトコフ方式との比較においてコロトコフ音の検出を行うためのセンサー(含む聴診器)が不要となる。
【0006】
聴診法では血圧測定時に発生するノイズ(カフ布、カフチューブの擦過音、振動)は、ノイズの周波数成分がコロトコフ音の周波数成分に近いことから誤検出されやすい欠点を有する。これに対してオシロメトリツク方式の測定時における圧力変動の周波数成分は、コロココフ音の周波数成分より低く、血圧測定時に発生するノイズ周波数と大きく乖離しているために、ノイズの影響を受けず、また被測定部位となる動脈に対するカフ装着時の位置ずれがあっても測定可能な方法であることから、主に自動血圧計用として用いられている。
【0007】
しかしながら、オシロメトリツク方式にはカフに用いられるリバロッチカフの血管圧迫特性に起因する収縮期血圧(最大血圧値)の検出に問題がある。すなわち、リバロッチカフは幅方向の中央部ではカフ圧力を反映した圧迫力を得ることができるが、中央部よりズレるとカフ圧を反映した圧迫力が得られず、中央部からカフの端部方向に圧迫力が徐々に減少してしまい、端部ではゼロとなる特性を示す。
【0008】
このような特性により、まさに収縮期血圧を測定しようとするタイミングでカフのカフ圧力が、収縮期血圧に近くやや高い状態の時に、血流はカフの中央部で止められていることになる。この結果、血流は心臓の拍動に同期して、カフの上流部からカフの中央部まで侵入しては戻される現象が生じる。この現象によって、収縮期血圧の検出ターゲットとなるカフの下流側(前腕側)への血流の再開現象を検出するために用いられる脈波の発生する以前から既に脈波が検出されてしまう。
【0009】
また、カフ圧力が収縮期血圧以下になり、血流が再開するとこの血流による容積変化が、カフ下の中央部から下流側で発生するが、この容積変化は、カフ圧力が動脈圧よりわずかに低い状態であるため、血管がわずかな時問の間、開いた後にすぐに閉じてしまう。この時のカフ下の下流側の容積変化は上流側の容積変化に比較すると非常に小さい。
【0010】
オシロメトリック方式で検出される脈波は、上述のカフ下の上流側の容積変化と下流側の容積変化が重なった容積変化に基づいているので、脈波より血流再開に基づく変化のみを選択して検出することは、特に血流量が小さい場合には非常に困難になる。以上が、オシロメトリック方式がコロトコフ方式に較べて、収縮期血圧の測定におけるS/N比の悪化を招く原因となっている。
【0011】
これらの血液の再開現象の検出における問題点を解決するために、従来より、以下の対策を図っている。カフの圧力を収縮期血圧からさらに下降させていくと心臓の拍動周期の内、動脈圧がカフの圧力より高くなる時問が長くなることによるカフ下の下流側の容積変化の増加により、徐々に脈波の振幅が大きくなる。
【0012】
また、鬱血の度合いにもよるが、カフより末梢部位の血管内圧がカフ圧より大きくなると、末梢からの圧反射が発生し、この反射によりあるカフ圧から脈波が急に大きくなる。さらにカフ圧の減圧が進むと、カフの内圧よりも末梢部位の血管内圧が大きくなる時間が長くなり、血管が閉じている時間が無くなる寸前では、カフの上流部位と末梢部の血管が同時に全開となり脈波の振幅が最大となる。
【0013】
このときの容積変化は、収縮期血圧測定時のタイミングにおけるカフ下の容積変化は主にカフ下の血管容積の50%に相当するカフ中心部より上流側の変化であるので、収縮期血圧測定時脈波振幅の約2倍になる。これを利用して、最大脈波振幅の約50%の脈波振幅になるタイミングを収縮期血圧とする方法を採用している。
【0014】
しかしながら、この割合は、カフの巻き方によるカフ下の脈波形成に寄与する上流部、下流部の容積のアンバランス、カフのコンプライアンスの差、末梢部位の血管内圧の上昇の程度、タイミングの影響を受ける。また、この末梢部位の血管内圧の上昇には、血圧測定の繰り返し時問の短さによる鬱血の程度が影響するが、主として生体の個体差である血圧値、末梢循環の程度、末梢側の血管コンプライアンスが影響している。
【0015】
これらの問題解決を図るためにダブルカフ方式が考案されている。このダブルカフ方式は、血管の圧迫に用いる阻血用空気袋と、阻血用空気袋下の中央部において脈波のみを検出する脈波検出用空気袋を阻血機能とは分離して設けた方式である。このダブルカフ方式によれば、オシロメトリック方式で問題となる上記の収縮期血圧測定時の阻血用空気袋下の上流側の容積変化に基づく脈波の影響を軽減でき、収縮期血圧の決定の目安になる阻血用空気袋下の下流側の容積変化をS/N比良く検出することができる。(特許文献1)
しかし、収縮期血圧の検出タイミングでは、阻血用空気袋下の上流側に侵入する血流は脈波検出用空気袋のすぐそばまで侵入する場合があり、これを脈波検出用空気袋が検出し、また、脈波検出用空気袋を阻血用空気袋下に設けているので、阻血用空気袋で検出された阻血用空気袋下の上流側の容積変化に基づく振動が、接している脈波検出用空気袋に顕著に伝わる現象が見られる場合もあり、収縮期血圧の測定のS/N比を悪化させることがあった。
【0016】
そこで、阻血用空気袋にて血管が圧閉されている時に脈波検出用空気袋ヘの上流側から侵入してくる血流を近づけないように、脈波検出用空気袋の圧迫性能を上げるためのバッキングを設置し、脈波検出用空気袋と阻血用空気袋の問に阻血用空気袋からの伝達脈波をダンピングするための緩衝材を設置し、さらに阻血用カフ下の上流側に脈波をダンピングするための緩衝材を設ける提案もなされている。(特許文献2)
しかしながら、この提案によれば、脈波検出用空気袋の圧迫力の向上をできるが、阻血ポイントを脈波検出用空気袋から離す程度にも限界がある。また、使用部材のダンピング特性にも限界があるので、脈波の比較的高い周波数成分の減衰は行うことができるが低い成分までは十分に減衰することができない場合もあった。このため、収縮期血圧をS/N比良く検出することができない場合があった。
【特許文献1】特開2004−195056号公報
【特許文献2】特開2004−321251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、オシロメトリック方式の改良型であるダブルカフ法の脈波検出用空気袋に対する阻血用空気袋の上流部の容積変化の影響をより効果的に排除することで、収縮期血圧の検出のためのS/N比を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決するために、本発明の血圧測定装置によれば、血圧測定部位の動脈を圧迫する阻血用空気袋と、前記阻血用空気袋の下方の略中央部よりも心臓側に配置されるサブ空気袋と、前記阻血用空気袋の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋と、前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋とに対して分岐して接続されるとともに、前記サブ空気袋との間で第1流体抵抗器を介して接続した第1配管と、第2流体抵抗器を介して前記脈波検出用カフに対して接続される第2配管と、を備え、血圧測定部位に装着されるカフ本体と、前記第2配管から分岐して接続されるカフ圧力検出部と、を備え、前記第2流体抵抗器は、その加圧流体入口側が前記第1配管から分岐されて接続されるとともに、その減圧流体入口側が前記第2配管に接続され、前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ本体の加圧を行う加圧手段に接続される加圧制御部と、前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ本体の減圧を行う減圧制御部と、前記カフ圧力検出部に電気的に接続されるとともに、脈波を検出脈波信号に変換し、前記検出脈波信号に重畳する脈波を検出する脈波検出部と、前記脈波検出部からの出力と、前記カフ圧力検出部の検出カフ圧信号と、に基づき血圧値を決定する血圧検出部と、前記血圧検出部からの血圧値を表示する血圧表示部と、を備えることを特徴としている。
【0019】
また、前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋との間にパッキング材を含む第1裏打部材を、また前記阻血用空気袋と前記脈波検出用空気袋との間にパッキング材を含む第2裏打部材を配置したことを特徴としている。
【0020】
また、前記阻血用空気袋と前記カフ本体との間にパッキング材を含む第3裏打部材を配置したことを特徴としている。
【0021】
また、さらに、前記第1流体抵抗器と前記第2流体抵抗器は略等しい流体抵抗を有することを特徴としている。
【0022】
また、血圧測定部位の動脈を圧迫する阻血用空気袋と、前記阻血用空気袋の下方の略中央部よりも心臓側に配置されるサブ空気袋と、前記阻血用空気袋の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋と、前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋とに対して分岐して接続されるとともに、前記サブ空気袋との間で第1流体抵抗器を介して接続した第1配管と、第2流体抵抗器を介して前記脈波検出用空気袋に対して接続される第2配管と、を備え、血圧測定部位に装着されるカフ本体を用いた血圧測定方法であって、
前記第2配管から分岐して接続されるカフ圧力検出部と、前記第2流体抵抗器は、前記第1配管から分岐されてその加圧流体入口側が接続されるとともに、その減圧流体入口側が前記第2配管に接続され、前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ組立体の加圧を行う加圧手段に接続される加圧制御部と、前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ組立体の減圧を行う減圧制御部とを備え、前記加圧制御部を介して前記動脈を圧迫する工程と、前記圧力検出部により、前記脈波を検出脈波信号に変換する工程と、前記減圧制御部を介して前記カフ組立体を減圧する工程と、脈波検出部において、前記検出脈波信号に重畳する脈波を検出する工程と、血圧検出部において、前記脈波検出部の出力と、前記カフ圧力検出部の検出カフ圧信号とに基づき血圧値を決定する工程と、血圧表示部において、前記血圧検出部からの血圧値を表示する工程と、を備えることを特徴としている。
【0023】
また、血圧測定部位の動脈を圧迫する阻血用空気袋と、前記阻血用空気袋の下方の略中央部よりも心臓側に配置されるサブ空気袋と、前記阻血用空気袋の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋と、前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋とに対して分岐して接続されるとともに、前記サブ空気袋との間で第1流体抵抗器を介して接続した第1配管と、第2流体抵抗器を介して前記脈波検出用空気袋に対して接続される第2配管と、を備え、血圧測定部位に装着されるカフ本体を用いた血圧測定方法の制御プログラムが記憶されたコンピュータが読取り可能な記憶媒体であって、前記第2配管から分岐して接続されるカフ圧力検出部と、前記第2流体抵抗器は、前記第1配管から分岐されてその加圧流体入口側が接続されるとともに、その減圧流体入口側が前記第2配管に接続され、前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ組立体の加圧を行う加圧手段に接続される加圧制御部と、前記第1配管に接続されるとともに、前記カフ組立体の減圧を行う減圧制御部とを備え、前記加圧制御部を介して前記動脈を圧迫する工程のプログラムと、前記圧力検出部により、前記脈波を検出脈波信号に変換する工程のプログラムと、前記減圧制御部により、前記カフ組立体を減圧する工程のプログラムと、脈波検出部において、前記検出脈波信号に重畳する脈波を検出する工程のプログラムと、血圧検出部において、前記脈波検出部の出力と、前記カフ圧力検出部の検出カフ圧信号とに基づき血圧値を決定する工程のプログラムと、血圧表示部において、前記血圧検出部からの血圧値を表示する工程のプログラムと、からなる血圧測定方法のプログラムが記憶されたことを特徴としている。
【0024】
また、血圧測定用カフであって、血圧測定部位の動脈を圧迫する阻血用空気袋と、前記阻血用空気袋の下方の略中央部よりも心臓側に配置されるサブ空気袋と、前記阻血用空気袋の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋と、前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋とに対して分岐して接続されるとともに、前記サブ空気袋との間で第1流体抵抗器を介して接続した第1配管と、第2流体抵抗器を介して前記脈波検出用空気袋に対して接続される第2配管と、を備えることを特徴としている。
【0025】
また、前記阻血用空気袋と前記サブ空気袋との間にパッキング材を含む第1裏打部材を、また前記阻血用空気袋と前記脈波検出用空気袋との間にパッキング材を含む第2裏打部材を配置したことを特徴としている。
【0026】
また、前記阻血用空気袋と前記カフ本体との間にパッキング材を含む第3裏打部材を配置したことを特徴としている。
【0027】
そして、さらに、前記第1流体抵抗器と前記第2流体抵抗器は略等しい流体抵抗を有することを特徴としている。
【0028】
ここで、さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態および添付図面によって明らかになるものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、カフに用いられるリバロッチカフの欠点である圧迫圧のカフ中央部よりカフ端に向けて生じる圧迫圧力の減少変化を無くすことができる。具体的には、カフと同じ圧力を加えたサブ空気袋の圧迫力で補強し、収縮期血圧測定のタイミングにおいて、カフ下の上流部に血液が流入することを阻止し、また、カフの上流側から阻血用空気袋の中央部に向けて流入する血液により発生される容積変化をサブ空気袋でガードし、さらにサブ空気袋に接続された流体抵抗器により適度に減衰させて、阻血用空気袋に容積変化が伝わることを防止し、血流再開に基づいたカフ下の下流側の容積変化による脈波変化のみをS/N比を向上させて精度よく検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明すると、図1は本発明の一実施形態の血圧測定装置を示すブロック図である。
【0031】
本図の実施形態によれば、カフ本体100は、血圧測定部位となる腕上に装着されるカフ本体となるカフ布5と、血圧測定部位の動脈Kを圧迫する阻血用空気袋1と、この阻血用空気袋1の下方の略中央部よりも心臓H側に配置されるサブ空気袋3と、阻血用空気袋1の下方の略中央部に配置されるとともに、脈波を検出する脈波検出用空気袋2を備えている。
【0032】
阻血用空気袋1とサブ空気袋3は、分岐部6aを介して第1配管6に接続されるとともに、分岐部6aとサブ空気袋3との間にオリフィス等の流体抵抗部を備えた第1流体抵抗器21が図示のように接続されている。
【0033】
一方、第2流体抵抗器11が第2配管7に対して図示のように接続されている。また、この第2配管7の分岐部7aから分岐してカフ圧検出部13が接続されている。そして、第2流体抵抗器11は、第1配管6の分岐部6kで分岐されてその加圧流体入口側11aが接続されるとともに、その減圧流体入口側11bが、上記の第2配管7の分岐部7aに対して図示のように接続されている。ここで、この第2流体抵抗器11の流体抵抗は適宜設定されことになるが、上記の第1流体抵抗器21と同じ流体抵抗を有するオリフィス等の流体抵抗部を備えていても良い。
【0034】
サブ空気袋3は、阻血用空気袋1の上流側の血圧測定部位と中央部位との間に位置できるように、生体に接する側のカフ本体100の心臓に近い方に配置されている。このサブ空気袋3は、図示の大きさに限定されず、図中の左側に阻血用空気袋1から一部がはみ出るようにしても良く、さらに阻血用カフの中央部位から心臓側に配置されるのであれば阻血用空気袋1と同じ上下方向の全長を備えていても良い。
【0035】
図1に図示される血圧測定装置は、装置本体10と血圧測定部位に装着されるカフ本体100(以下、カフとも言う)とから別構成されている。
【0036】
このカフ100は、図示のようにカフ上流部を血圧測定部位の動脈の血流が流れ込む心臓左室側になるようにして装着される。このカフ本体100は、阻血用空気袋1と脈波検出用空気袋2と上記の第1流体抵抗器11を介して接続されたサブ空気袋3とをカフ全体を包むカフ布5に設けて構成されており、カフ本体100を血圧測定部に巻き付けたあとに固定するための雌雄の面ファスナー(不図示)を有している。また、このカフ本体100は、阻血用空気袋1の生体に接する面と反対の側のカフ布5とカフの間に後述するようにパッキング材からなる裏打部材を設置する場合もある。
【0037】
また、カフ本体100と装置本体10との間はコネクタ38で着脱可能に接続されているが、一体配管としてもよい。
【0038】
サブ空気袋3で検出される脈波を消去するために、阻血用空気袋1とサブ空気袋3の間には第1流体抵抗器21が、また脈波検出用空気袋2には第2流体抵抗器11が上記のように夫々分岐して接続されている。なお、サブ空気袋3の容量Bは、阻血用空気袋1の容量をAmlとして最大(A/2)mlとすることで収縮期血圧の測定時のS/N比が向上することが確認された。
【0039】
一方、カフ本体100の第1配管6には加圧手段であるポンプ18からの空気圧を制御するための加圧制御部19と、減圧の排気制御を行う減圧制御部20とが図示のように配管されている。
【0040】
また配管7は、圧力センサを備えたカフ圧検出部13に接続されており、このカフ圧検出部13の出力から、この出力に重畳している脈波を検出する脈波検出部14に対して電気信号を送り、カフ圧力検出部13からの検出カフ圧信号と脈波検出部14からの検出脈波信号に基づき血圧検出部15で血圧値が決定され、決定された血圧値を液晶表示装置などを備えた血圧表示部16で表示するように構成されている。
【0041】
また、装置本体10は、バッテリーなどの電源部17を備えており、上記のポンプおよび各制御部の制御を司るとともに、コンピュータにより読取り可能な各種制御プログラムを記憶したROM,RAM等を含むCPUへの電源供給を行うようにしている。
【0042】
ここで、流体抵抗器11は装置本体10内に配設して、サブ空気袋3と別配管を介して接続することで、カフ本体100の小型軽量化を図るようにしても良い。なお、上記の各検出部13、14、15と表示部16と、制御部19、20は不図示のCPU70に内蔵されており、所定プログラムを実行可能にしている。
【0043】
続いて図2(a)は、カフ本体100を幅方向に破断し測定部位に装着した後の断面図である。また、図2(b)は動作説明のための拡大配管図である。
【0044】
図2(a)において、サブ空気袋3の圧迫特性を高めるために、阻血用空気袋1とサブ空気袋3との間にパッキング材を含む第1の裏打部材30が配置されている。また、阻血用空気袋1とカフ布5との間においてパッキング材を含む第3の裏打部材40が配置されている。
【0045】
さらに、阻血用空気袋1と脈波検出用空気袋2との間にパッキング材を含む第2裏打部材25を配設している。
【0046】
図2(a)において、阻血空気袋1と同じ圧力でサブ空気袋3が補強され、収縮期血圧測定のタイミングにおいて、阻血空気袋1下の上流部に血液K1が流入することを阻止し、また、阻血用空気袋の上流側から阻血用空気袋の中央部に向けて流入する血液K1により発生される容積変化をサブ空気袋3でガードし、さらにサブ空気袋3に接続された第1流体抵抗器21により適度に減衰させることで、脈波検出用空気袋2に容積変化が伝わることを防止できるので、血流再開に基づいた阻血空気袋1下の下流側の脈波検出用空気袋2の容積変化による脈波変化のみをS/N比を向上させて精度よく検出することが可能になる。
【0047】
以上のように構成されるカフ本体100は各種の血圧測定装置に使用できるが、例えば図1に図示の血圧測定装置によれば、記憶された制御プログラムをコンピュータで読み出し、図3の血圧測定ルーチンのフローチャートのように動作することができる。
【0048】
まず、血圧装置が起動されるとステップS1において加圧制御部により加圧が開始されて、図2(b)において破線図示の矢印方向に加圧が行われて、ステップS2に進む。このステップS2では、予想される収縮期血圧より高い20〜30mmHg分以上を設定圧として、阻血用空気袋1の圧力が設定圧力に到ったかをカフ圧力検出部の信号によりチェックし、設定圧力になるまで実行する。阻血用空気袋1の圧力が設定圧になったら加圧制御部は、ステップS3において加圧を停止する。
【0049】
続いてステップS4に進み、減圧制御部によりカフ圧力検出部からの信号を用いて、減圧速度が2〜3mmHg/秒になるように、図2(b)において実線図示の矢印方向の減圧が開始される。これに続いてステップS5において、カフ圧力検出部からの信号より脈波の検出を開始する。脈波検出部で検出された脈波信号は血圧検出部内の記憶部に送られカフ圧と脈波振幅を一組にして記憶を行う。ステップS6において、血圧検出部では、脈波振幅の最大値の検出を行い、脈波振幅が連続して減少することを検出し減少を開始する一つ前の脈波を脈波最大値として検出する。
【0050】
続いて、ステップS7に進み、血圧検出部にて脈波最大値の60%以下になる脈波の検出を行い、その時のカフ圧力を拡張期血圧(最小血圧値)として決定する。拡張期血圧が決定されるとステップS8に進み、減圧制御部により急速排気される。そしてステップS9において、血圧検出部で記億されたカフ圧力と脈波振幅が一組になっているデータから、減圧開始してから最初に脈波振幅が50%以上、急に大きくなる変化を検出して、振幅が急に大きくなった脈波の圧力値を収縮期血圧として決定する。このようにして決定されるとステップS10で、収縮期血圧値と拡張期血圧値の血圧表示部に表示して、一連の血圧計測動作を終了する。
【0051】
図4は、血圧決定部に記憶された脈波振幅とカフ圧を時系列に表示したものである。(a)は、サブ空気袋を用いない場合の検出脈波振幅変化を示し、(b)は本発明のサブ空気袋を用いた場合の検出脈波振幅変化を示す。
【0052】
図示のように図4(a)の波形と比較して、図4(b)の波形は、収縮期血圧検出タイミングの脈波振幅変化が明瞭である。
【0053】
以上のように、阻血用空気袋圧力が収縮期血圧より高い圧力の時でも、カフ下上流部に侵入する血流をサブ空気袋により阻止できるので、血流再開により発生する脈波変化をS/N比の良い状態で検出することが可能となり、収縮血圧値の決定精度を向上することができた。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態の血圧測定装置を示すブロック図である。
【図2】(a)は、図1のカフ本体100の断面図、(b)は拡大配管図である。
【図3】図1の血圧測定装置の動作説明フローチャートである。
【図4】(a)は、サブ空気袋を用いない場合の検出脈波振幅変化、(b)は本発明のサブ空気袋を用いた場合の検出脈波振幅変化について、血圧決定部に記憶された脈波振幅とカフ圧を時系列に表示した図表である。
【符号の説明】
【0055】
1 阻血用カフ
2 脈波検出用空気袋
3 サブ空気袋
5 カフ布
6 第1配管
7 第2配管
11 第2流体抵抗器
21 第1流体抵抗器
10 装置本体
100 カフ本体
【出願人】 【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
【識別番号】505155528
【氏名又は名称】公立大学法人横浜市立大学
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳

【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎

【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘

【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二

【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治


【公開番号】 特開2008−5927(P2008−5927A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177268(P2006−177268)