| 【発明の名称】 |
内視鏡の可撓管骨組体 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 卓司
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| 【要約】 |
【課題】全体の外表面が滑らかで引っ掛かりのない特性が得られて、且つ予期せぬほど小さな曲率半径で曲げられても連結軸と透孔との係合が外れない安定性が得られ、しかも組み立てを短時間で容易に低コストで行うことができる内視鏡の可撓管骨組体を提供すること。
【構成】連結軸75に突端から基部付近までの範囲を少なくとも二つに縦に分割するスリット77を形成すると共に、スリット77で分割されて残された連結軸75の各突端部分に径方向に突出する鍔76を形成して、スリット77を狭める方向に連結軸75を弾性変形させることにより鍔76が透孔74内を通過し、通過後は、鍔76が透孔74の外縁部に係合して連結軸75が透孔76から抜け出すのを規制する抜け止めとして機能するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 短筒状の関節駒を回動自在に複数連結して屈曲自在に形成された可撓管骨組体であって、 上記関節駒には前後に各々一対の舌片が突出形成され、その一方の側の一対の舌片には透孔が形成されて、他方の側の一対の舌片の内壁面には各々隣接して配置された関節駒の透孔に外側から内側に向かって差し込まれて回転自在に嵌合する連結軸が内方に向けて突出形成されたものにおいて、 上記連結軸に突端から基部付近までの範囲を少なくとも二つに縦に分割するスリットを形成すると共に、上記スリットで分割されて残された上記連結軸の各突端部分に径方向に突出する鍔を形成して、上記スリットを狭める方向に上記連結軸を弾性変形させることにより上記鍔が上記透孔内を通過し、通過後は、上記鍔が上記透孔の外縁部に係合して上記連結軸が上記透孔から抜け出すのを規制する抜け止めとして機能するようにしたことを特徴とする内視鏡の可撓管骨組体。 【請求項2】 上記関節駒が、上記全ての舌片と連結軸を含めてモールディングによる一体成形により金属材で形成されている請求項1記載の内視鏡の可撓管骨組体。 【請求項3】 上記関節駒がメタルインジェクションにより形成されている請求項2記載の内視鏡の可撓管骨組体。 【請求項4】 上記スリットが上記関節駒の軸線方向と平行方向に形成されている請求項1、2又は3記載の内視鏡の可撓管骨組体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、内視鏡の可撓管の骨組みとして用いられる内視鏡の可撓管骨組体に関する。 【背景技術】 【0002】 体内に挿入される内視鏡の可撓管は一般に、金属螺旋管に網状管を被覆してその外側にさらに可撓性外皮を被覆した構成になっている。しかし、内視鏡使用後に高温高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が行われると金属螺旋管に縮みが発生してしまう場合がある。 【0003】 そこで、オートクレーブに対する耐久性を得るためには、剛性を有する短筒状の関節駒をリベット等で回動自在に複数連結した可撓管骨組体を螺旋管に代えて用いるとよい(例えば、特許文献1)。 【0004】 可撓管の先端部分に遠隔操作により屈曲自在に設けられた湾曲部は従前からそのような構成を採っているが、数十個或いは百個を越える数の関節駒をリベット等で回動自在に連結すると、その組立工数が莫大になって製造コストが嵩んでしまう。 【0005】 そこで、リベットに代えて関節駒自体の舌片から連結軸を一体に突出形成して、隣接する関節駒どうしをその連結軸で連結することにより組立工数を大幅に低減したものがある(例えば、特許文献2、3)。なお、本願においては、そのような湾曲部も可撓管の一部に含まれる概念である。 【特許文献1】特開平9−24020 【特許文献2】特開平11−244224 【特許文献3】特開2001−104239 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 特許文献2、3に記載された内視鏡の可撓管骨組体の中では、特許文献3の図2等に記載されているような、舌片から内方に向けて連結軸が突出形成された構成のものが、全体の外表面が滑らかで引っ掛かりのない特性が得られる点で優れている。 【0007】 ただし、可撓管骨組体が予期せぬほど小さな曲率半径で曲げられると、連結軸と透孔の係合が外れて可撓管骨組体が分解してしまう可能性があるので、特許文献3の図7に示されるように、透孔の縁部に係止される環状の係止部を連結軸の突端に突出形成することで、連結軸が透孔から抜けないようにすることが考えられる。 【0008】 しかし、そのような抜け止めとなる環状の係止部を突出形成するためには、連結軸の突端を透孔に通した後で潰す加工が必要になり、全体として関節駒の数の二倍の数だけそのような加工を行うことになると著しくコスト高になってしまう。 【0009】 そこで本発明は、全体の外表面が滑らかで引っ掛かりのない特性が得られて、且つ予期せぬほど小さな曲率半径で曲げられても連結軸と透孔との係合が外れない安定性が得られ、しかも組み立てを短時間で容易に低コストで行うことができる内視鏡の可撓管骨組体を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の可撓管骨組体は、短筒状の関節駒を回動自在に複数連結して屈曲自在に形成された可撓管骨組体であって、関節駒には前後に各々一対の舌片が突出形成され、その一方の側の一対の舌片には透孔が形成されて、他方の側の一対の舌片の内壁面には各々隣接して配置された関節駒の透孔に外側から内側に向かって差し込まれて回転自在に嵌合する連結軸が内方に向けて突出形成されたものにおいて、連結軸に突端から基部付近までの範囲を少なくとも二つに縦に分割するスリットを形成すると共に、スリットで分割されて残された連結軸の各突端部分に径方向に突出する鍔を形成して、スリットを狭める方向に連結軸を弾性変形させることにより鍔が透孔内を通過し、通過後は、鍔が透孔の外縁部に係合して連結軸が透孔から抜け出すのを規制する抜け止めとして機能するようにしたものである。 【0011】 なお、関節駒が、全ての舌片と連結軸を含めてモールディングによる一体成形により金属材で形成されていてもよく、関節駒がメタルインジェクションにより形成されていてもよい。また、スリットが関節駒の軸線方向と平行方向に形成されていると、連結軸と透孔の係合がより外れ難い。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、連結軸が舌片から内方に突出形成されていることにより可撓管骨組体の外表面が全体に滑らかで引っ掛かりのない特性が得られ、且つ、スリットを狭める方向に連結軸を弾性変形させることにより鍔が透孔内を通過し、通過後は、鍔が透孔の外縁部に係合して連結軸が透孔から抜け出すのを規制する抜け止めとして機能するので、予期せぬほど小さな曲率半径で曲げられても連結軸と透孔との係合が外れない安定性が得られ、しかも組み立てを短時間で容易に低コストで行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 短筒状の関節駒を回動自在に複数連結して屈曲自在に形成された可撓管骨組体であって、関節駒には前後に各々一対の舌片が突出形成され、その一方の側の一対の舌片には透孔が形成されて、他方の側の一対の舌片の内壁面には各々隣接して配置された関節駒の透孔に外側から内側に向かって差し込まれて回転自在に嵌合する連結軸が内方に向けて突出形成されたものにおいて、連結軸に突端から基部付近までの範囲を少なくとも二つに縦に分割するスリットを形成すると共に、スリットで分割されて残された連結軸の各突端部分に径方向に突出する鍔を形成して、スリットを狭める方向に連結軸を弾性変形させることにより鍔が透孔内を通過し、通過後は、鍔が透孔の外縁部に係合して連結軸が透孔から抜け出すのを規制する抜け止めとして機能するように構成する。 【実施例】 【0014】 図面を参照して本発明の実施例を説明する。 図2は内視鏡の外観を示しており、体内に挿入される挿入部を構成する可撓管部1は外力によって任意の状態に屈曲させることができるフレキシビリティを有しており、光学繊維や信号ケーブル及びチューブ類など各種内蔵物がその内部に挿通配置されている。 【0015】 可撓管部1の先端部分には遠隔操作により作用する力で屈曲する湾曲部2が設けられ、観察窓等が配置された先端部本体3が湾曲部2の先端に連結されている。湾曲部2は、可撓管部1の基端に連結された操作部4において湾曲操作ノブ5,6を選択的に回動操作することにより、二点鎖線で例示されるように所望の方向に屈曲させることができる。 【0016】 なお、前述のように、本願では湾曲部2も可撓管の一部に含まれる概念であり、可撓管部1は遠隔操作によらず周囲から直接加えられる外力で屈曲する可撓管であり、湾曲部2は直接的な外力ではなく遠隔操作により作用する力で屈曲する可撓管であるということができる。 【0017】 操作部4から後方に延出するフレキシブルな接続用可撓管11の先端には、図示されていない光源装置(兼ビデオプロセッサ)に対して着脱自在に接続されるコネクタ部12が取り付けられている。 【0018】 図3は可撓管部1の構成を示しており、本発明の可撓管部1において、剛性を有する短筒状の関節駒70を回動自在に多数連結して全方向に屈曲自在な可撓管骨組体7が形成されている。 【0019】 図4はその可撓管骨組体7の外観図であり、図3に示されるように連結軸75が舌片73から内方に向けて突出形成されていて、舌片73の外面側には凹凸がないので、可撓管骨組体7は外表面が全体に滑らかで引っ掛かりのない特性を有している。 【0020】 図3に示されるように、可撓管骨組体7の外周面には、例えばステンレス鋼細線材等からなる極細の線材を編組した網状管8が被覆され、その外周である最外層部分に、合成樹脂材又はエラストマー等からなる可撓性外皮9が被覆され、それによって可撓管部1が構成されている。なお、内蔵物の図示は省略されている。 【0021】 関節駒70は、二個が連結された状態の斜視図である図1にも図示されるように、例えばオースティナイト系ステンレス鋼材等のような金属材からなる短い円筒状の短筒部71の前後に各々、一対の舌片72,72及び73,73が突出形成された形状になっている。対をなす舌片72,72(及び73,73)どうしは180°対称の位置に形成されている。 【0022】 そのうち、一方の側の一対の舌片72,72には透孔74が形成され、他方の側の一対の舌片73,73の内壁面には各々、隣接して配置された関節駒70の透孔74に対して外側から内側に向かって差し込まれて回転自在に嵌合する短い円柱状の連結軸75が内方に向けて突出形成されている。透孔74と連結軸75とは、関節駒70の軸線周りに90°相違する方向に設けられている。ただし、45°その他の角度であってもよい。 【0023】 そして、図1及び図3に示されるように、連結軸75が突出形成されている方の舌片73は短筒部71と同面で短筒部71から突出する状態に短筒部71と同じ肉厚(例えば、0.4mm)に形成され、透孔74が形成されている方の舌片72は、その外表面位置が短筒部71の内周面位置になるよう一段凹んだ状態に短筒部71と同肉厚で形成されている。また、透孔74が形成されている方の舌片72の突端部の外面側は、組み立て作業性をよくするために面取り72aが形成されている。 【0024】 各連結軸75には、突端から基部付近までの範囲を二つに均等に縦に分割する平行溝状のスリット77が形成されており、スリット77で分割されて残された連結軸75の各突端部分に、径方向に突出する鍔76が形成されている。スリット77は、関節駒70の軸線方向と平行方向に形成されている。なお、連結軸75を二つ以上に縦に分割する構成にしても差し支えない。 【0025】 図5は連結軸75と透孔74との係合部の分解斜視図、図6は連結軸75と透孔74とが係合した状態の側面断面図である。図6に示されるように、連結軸75は透孔74内に回転自在に但しガタつきが生じない程度に嵌合している。 【0026】 鍔76は、連結軸75が透孔74から抜け出すのを規制する抜け止めとして機能するように透孔74の内端側の外縁部に係合している。但し鍔76は、連結軸75と透孔74とが相対的に回転する際の抵抗にならないように、舌片72に対して僅かに隙間があく位置に構成されている。 【0027】 そして、鍔76の基部の厚みAは抜け止めとしての強度が確保される寸法(例えば0.2mm以上)に形成され、連結軸75の基部の厚みBは強度と弾性変形とのバランスから関節駒70の肉厚の50%〜80%程度(したがって、関節駒70の肉厚が0.4mmの場合にはBは0.2〜0.32mm程度)に形成されている。 【0028】 また、スリット77の幅Cは、連結軸75を弾性変形させることにより鍔76が透孔74内を通過できるよう、C/2が鍔76の突出長Dより大きく(即ち、C/2>D)形成され、スリット77の深さEは、連結軸75を弾性変形させるために少なくともC/2より大きく(即ち、E>C/2)形成されている。 【0029】 このように構成された実施例の関節駒70は、全ての舌片72,72,73,73と連結軸75を含めて全体がモールディングによる一体成形により形成されている。具体的には、プラスチックの射出成型技術が金属成型に応用されたメタルインジェクションにより形成されている。その結果、関節駒70の部品単体を非常に低コストで製造することができる。 【0030】 そして、可撓管骨組体7を組み立てる工程において連結軸75を隣り合う関節駒70の透孔74に係合させる際には、図7に示されるように、スリット77を狭める方向に連結軸75を弾性変形させて鍔76を透孔74内に通し、鍔76が透孔74内を通過すると、連結軸75が図6及び図1等に示されるような元の形状に戻って、鍔76が抜け止めとして機能する状態になる。 【0031】 その結果、可撓管骨組体7は、予期せぬほど小さな曲率半径で曲げられても連結軸75と透孔74との係合が外れない安定性が得られ、しかも製造時には組み立てを短時間で容易に低コストで行うことができる。 【0032】 また、スリット77が関節駒70の軸線と平行方向に形成されていることにより、可撓管骨組体7が小さな曲率半径で曲げられた時に鍔76に大きな撓み力が作用しないので、鍔76の抜け止め機能が破綻する恐れがない。 【0033】 なお、本発明は接続用可撓管11や湾曲部2の構造にも適用することもでき、それも本発明の範囲内である。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】本発明の実施例の関節駒が二個連結された状態の斜視図である。 【図2】本発明が適用される内視鏡の一例の外観図である。 【図3】本発明の実施例の挿入部可撓管の側面断面図である。 【図4】本発明の実施例の可撓管骨組体の外観図である。 【図5】本発明の実施例の関節駒どうしの連結部の分解斜視図である。 【図6】本発明の実施例の関節駒どうしの連結部の側面断面図である。 【図7】本発明の実施例の関節駒どうしが連結される途中の状態の連結部の側面断面図である。 【符号の説明】 【0035】 1 可撓管部 2 湾曲部 7 可撓管骨組体 70 関節駒 71 短筒部 72 舌片 73 舌片 74 透孔 75 連結軸 76 鍔 77 スリット
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000527 【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月27日(2006.6.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091317 【弁理士】 【氏名又は名称】三井 和彦
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| 【公開番号】 |
特開2008−5860(P2008−5860A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−176019(P2006−176019) |
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