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【発明の名称】 電子内視鏡のコネクタ部
【発明者】 【氏名】山田 卓司

【要約】 【課題】オートクレーブ処理を行っても、支軸がねじ込まれたネジ孔からコネクタ内に蒸気が侵入する恐れが全くなく、したがって、オートクレーブ処理が繰り返される環境であっても電子内視鏡が長寿命を得ることができ、防水キャップを容易に小型化して取り扱い性や保管性を向上させることができる電子内視鏡のコネクタ部を提供すること。

【構成】ビデオプロセッサ50に電気的に接続される接点群11が接続筒10内に配置されて、接続筒10の外周面に形成されたネジ孔16にねじ込み固定された支軸17に、ビデオプロセッサ50側に設けられた案内溝52と係合する円筒状の係合ローラ7が回転自在に軸支された構成を有する電子内視鏡のコネクタ部において、ネジ孔16が接続筒10の外面と内面との間を貫通しない状態に形成されると共に、支軸17に、軸線方向に貫通する通気孔18が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオプロセッサに電気的に接続される接点群が接続筒内に配置されて、上記接続筒の外周面に形成されたネジ孔にねじ込み固定された支軸に、上記ビデオプロセッサ側に設けられた案内溝と係合する円筒状の係合ローラが回転自在に軸支された構成を有する電子内視鏡のコネクタ部において、
上記ネジ孔が上記接続筒の外面と内面との間を貫通しない状態に形成されると共に、上記支軸に、軸線方向に貫通する通気孔が形成されていることを特徴とする電子内視鏡のコネクタ部。
【請求項2】
上記ネジ孔に接着剤が塗布されている請求項1記載の電子内視鏡のコネクタ部。
【請求項3】
上記ネジ孔内に位置する上記支軸の端部と上記ネジ孔の底部との間に空間が形成されていて、その空間に対して上記通気孔の端部が開口している請求項1又は2記載の電子内視鏡のコネクタ部。
【請求項4】
上記接点群を外部からシールするための防水キャップが上記接続筒の開口部に取り付けられた状態の時に、上記支軸に軸支された上記係合ローラ部分が上記防水キャップによって覆われない請求項1、2又は3記載の電子内視鏡のコネクタ部。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は電子内視鏡のコネクタ部に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡のコネクタ部に設けられた信号コネクタには一般に、図4に示されるように、ビデオプロセッサに電気的に接続される接点群91が接続筒92内に配置されて、接続筒92の外周面に形成されたネジ孔93に基部がねじ込み固定された支軸94に、ビデオプロセッサ側に設けられた案内溝と係脱自在に係合する円筒状の係合ローラ95が回転自在に軸支された構成を有している(例えば、特許文献1)。
【0003】
そのような従来の電子内視鏡のコネクタ部のネジ孔93は接続筒92を貫通した状態に形成されていて、そこにねじ込まれた支軸94の基部の緩み止めとシールのために接着剤が塗布されている。
【特許文献1】特開2005−58548
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、内視鏡を介する感染防止の完全を期すため、内視鏡検査が終了する毎に内視鏡に対して高温高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)による滅菌処理が行われることが多くなってきている。
【0005】
しかし、オートクレーブ処理が繰り返し行われると、ネジ孔93に塗布されている接着剤が高温高圧蒸気によって劣化し、その部分に発生する亀裂等から電子内視鏡内に蒸気が侵入して重要な内蔵部材が破損する恐れがある。
【0006】
そのため従来は、図5に示されるように、オートクレーブ処理を行う際に接点群91を外部からシールするために接続筒92の開口部に着脱自在に取り付けられる防水キャップ96が、係合ローラ95部分までを水密に囲むように大きく(そのために、重く)形成されていた。
【0007】
その結果、防水キャップ96は着脱操作がやり難くて落下させると破損しやすい等、取り扱い性や保管性等が非常に悪かった。97は、防水キャップ96に設けられたシール用のOリングである。
【0008】
そこで本発明は、オートクレーブ処理を行っても、支軸がねじ込まれたネジ孔からコネクタ内に蒸気が侵入する恐れが全くなく、したがって、オートクレーブ処理が繰り返される環境であっても電子内視鏡が長寿命を得ることができ、防水キャップを容易に小型化して取り扱い性や保管性を向上させることができる電子内視鏡のコネクタ部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の電子内視鏡のコネクタ部は、ビデオプロセッサに電気的に接続される接点群が接続筒内に配置されて、接続筒の外周面に形成されたネジ孔にねじ込み固定された支軸に、ビデオプロセッサ側に設けられた案内溝と係合する円筒状の係合ローラが回転自在に軸支された構成を有する電子内視鏡のコネクタ部において、ネジ孔が接続筒の外面と内面との間を貫通しない状態に形成されると共に、支軸に、軸線方向に貫通する通気孔が形成されているものである。
【0010】
なお、ネジ孔に接着剤が塗布されていてもよく、ネジ孔内に位置する支軸の端部とネジ孔の底部との間に空間が形成されていて、その空間に対して通気孔の端部が開口していてもよい。
【0011】
また、接点群を外部からシールするための防水キャップが接続筒の開口部に取り付けられた状態の時に、支軸に軸支された係合ローラ部分が防水キャップによって覆われないようにして、防水キャップを小型化することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、円筒状の係合ローラを回転自在に軸支する支軸をねじ込み固定するために接続筒の外周面に形成されたネジ孔が、接続筒の外面と内面との間を貫通しない状態に形成されていることにより、オートクレーブ処理を行っても、支軸がねじ込まれたネジ孔からコネクタ内に蒸気が侵入する恐れが全くなく、したがってオートクレーブ処理が繰り返される環境であっても電子内視鏡が長寿命を得ることができて、防水キャップは係合ローラをシールする必要がないので小型化して取り扱い性や保管性を向上させることができ、支軸に、軸線方向に貫通する通気孔が形成されていることにより、ネジ孔に塗布された接着剤が加熱硬化される際に膨張する空気が通気孔を通って外部に排気されるので、係合ローラの回転部に接着剤が侵入せず、係合ローラがビデオプロセッサの案内溝に係脱する際に良好に回転することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
ビデオプロセッサに電気的に接続される接点群が接続筒内に配置されて、接続筒の外周面に形成されたネジ孔にねじ込み固定された支軸に、ビデオプロセッサ側に設けられた案内溝と係合する円筒状の係合ローラが回転自在に軸支された構成を有する電子内視鏡のコネクタ部において、ネジ孔が接続筒の外面と内面との間を貫通しない状態に形成されると共に、支軸に、軸線方向に貫通する通気孔が形成されている。
【実施例】
【0014】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は、挿入部1の先端に固体撮像素子を内蔵する電子内視鏡の全体構成を示しており、挿入部1の基端に連結された操作部2から後方に延出する接続可撓管3の先端には、ビデオプロセッサ50に対して着脱自在に接続されるコネクタ部4が取り付けられている。
【0015】
5は、ビデオプロセッサ50に内蔵されている光源ランプから放射される照明光を受けるためのライトガイドコネクタ、6は、ビデオプロセッサ50に内蔵されている信号処理回路と電気的に接続される信号コネクタである。
【0016】
信号コネクタ6を着脱自在に受けることができるようにビデオプロセッサ50に設けられた信号コネクタ受け51には、信号コネクタ6の外周部に突出して配置された係合ローラ7が係脱自在に係合する案内溝52が形成されている。
【0017】
図1は信号コネクタ6の部分を示しており、ビデオプロセッサ50側に対して電気的に接続される接点群11が、コネクタ部4の前面側に固定的に突出して設けられた接続筒10の先端近傍内に配置されている。12は、接点群11の基部が取り付けられた接点座13を接続筒10の内側部分に押圧固定する固定ナット、14は、接点群11に接続された導線である。
【0018】
接続筒10の外周面には軸線に対して垂直方向にネジ孔16が形成されている。このネジ孔16は、接続筒10の外面と内面との間を貫通しない状態に外面側から形成されている。なお、ネジ孔16は接続筒10の周方向に180°間隔をあけて2ヵ所に設けられている。
【0019】
そして、円筒状に形成された係合ローラ7を回転自在に軸支するための支軸17の基部に形成された雄ネジ部が、各ネジ孔16にきつくねじ込み固定されて、その螺合部には緩み止めのための接着剤が塗布されている。
【0020】
支軸17の軸線位置には、支軸17を軸線方向に貫通する通気孔18が形成されている。ネジ孔16内に位置する支軸17の端部とネジ孔16の底部との間には空間が形成されていて、その空間に対して通気孔18の端部が開口している。
【0021】
このように構成された実施例の電子内視鏡のコネクタ部4においては、ネジ孔16が接続筒10の外面と内面との間を貫通していないので、オートクレーブ処理の際にネジ孔16部分からコネクタ部4内に高温高圧蒸気が侵入する可能性が皆無になり、したがって、オートクレーブ処理が繰り返される環境であっても電子内視鏡を構成する内蔵部材が劣化せず長寿命を得ることができる。
【0022】
そして、支軸17を軸線方向に貫通する通気孔18が形成されていることにより、製造工程において、ネジ孔16部分に塗布された接着剤が加熱されて硬化するまでの間にネジ孔16の底部空間中の空気が熱膨張しても、その空気は通気孔18を通って外部に放出されるので、係合ローラ7の回転部側に接着剤が侵入せず、係合ローラ7がビデオプロセッサ50の案内溝52に係脱する際に良好に回転して軽く係脱させることができる。
【0023】
図3は、オートクレーブ処理の際等に接点群11を外部からシールするための防水キャップ20が、接続筒10の開口部に着脱自在に取り付けられた状態を示している。21はシール用のOリングである。
【0024】
この状態の時、ネジ孔16が接続筒10の外面と内面との間を貫通していないことにより、図3に示されるように防水キャップ20が支軸17に軸支された係合ローラ7部分を覆う必要がなく、防水キャップ20は接続筒10の突端開口部だけをシールすればよい。したがって、防水キャップ20を小型に構成して取り扱い性や保管性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例の電子内視鏡のコネクタ部の信号コネクタ部分の側面断面図である。
【図2】本発明の実施例の電子内視鏡の全体構成を示す側面図である。
【図3】本発明の実施例の信号コネクタに防水キャップが取り付けられた状態の側面断面図である。
【図4】従来の電子内視鏡のコネクタ部の信号コネクタ部分の側面断面図である。
【図5】従来の信号コネクタに防水キャップが取り付けられた状態の側面断面図である。
【符号の説明】
【0026】
4 コネクタ部
6 信号コネクタ
7 係合ローラ
10 接続筒
11 接点群
16 ネジ孔
17 支軸
18 通気孔
20 防水キャップ
50 ビデオプロセッサ
52 案内溝
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100091317
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦


【公開番号】 特開2008−5859(P2008−5859A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176018(P2006−176018)