トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置
【発明者】 【氏名】マーク・エス・オルティツ

【氏名】デビッド・エヌ・プレッシャ

【要約】 【課題】関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置を提供すること。

【構成】片手用の関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置は、支持シャフトであって、この装置の第1の端部に設けられたハンドルをこの装置の第2の端部に設けられた関節動作組立体に接続する支持シャフトを含む。ハンドルは、関節動作組立体を制御下で作動させるためにこの関節動作組立体に連結された作動機構を含む。第2の端部は、近位端部および遠位端部を含み、この遠位端部は、組織に過度の外傷を与えることなく組織を切開するために成形され、寸法決めされた、ブラント遠位先端部を含む。第2の端部はまた、胃バンドに係合してこの胃バンドを引っ張るために成形され、寸法決めされた、縫合糸保持ノッチも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片手用の関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置において、
支持シャフトであって、前記装置の第1の端部に設けられたハンドルを、前記装置の第2の端部に設けられた関節動作組立体に接続する、支持シャフト、
を含み、
前記ハンドルは、前記関節動作組立体を制御下で作動させるためにこの関節動作組立体に連結された作動機構を含み、
前記第2の端部は、近位端部、および、遠位端部を含み、
前記遠位端部は、組織に過度の外傷を与えることなく組織を切開するために成形され、寸法決めされた、ブラント遠位先端部を含み、
前記第2の端部は、胃バンドに係合してこの胃バンドを引っ張るために成形され、寸法決めされた、縫合糸保持ノッチも含む、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記縫合糸保持ノッチは、前記装置の縦軸に対して傾斜して配向されている、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記縫合糸保持ノッチは、前記装置の縦軸に対して45°の角度で配向されている、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、
前記関節動作組立体は、前記縫合糸保持ノッチに対して近位側に配向されている、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
前記関節動作組立体は、第1側部材および第2側部材からなる可撓性部材を含む、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、
前記第1側部材、および、前記第2側部材は、前記装置の前記第2の端部に沿って伸びているときには、実質的に平行であり、かつ、互いに離間している、装置。
【請求項7】
請求項5に記載の装置において、
前記第1側部材は、複数の襟状くびれ部を備えた内面を含み、
前記第2側部材は、複数の襟状くびれ部を備えた内面を含む、装置。
【請求項8】
請求項5に記載の装置において、
拘束バンドが、前記可撓性部材の周りに取り付けられている、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、
前記作動機構は、可撓性フィンガーを含み、
前記可撓性フィンガーを保持して移動させることにより、前記関節動作組立体を関節動作させることができる、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、
前記可撓性フィンガーは、応力が一定の桁を含み、
前記桁は、前記可撓性フィンガーが前記ハンドルの第2の端部から前記ハンドルの第1の端部にかけて伸びているときの断面が、テーパ状になっているくびれを有しており、これにより、前記可撓性フィンガーを滑らかな弧状に押し曲げることができる、装置。
【発明の詳細な説明】【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、胃バンド取付け装置に関する。詳細には、本発明は、関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置(articulating blunt dissector/ gastric band application device)に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
病的肥満は、深刻な病状である。実際、病的肥満は、米国および他の国で非常に広がっており、その動向は、良くない方向に向かっているようである。病的肥満に関連した合併症には、寿命を大幅に縮める高血圧、糖尿病、冠動脈疾患、脳卒中、うっ血性心不全、多数の整形外科的問題(orthopedic problems)、および、肺動脈弁閉鎖不全が含まれる。このため、当業者は確実に理解できるように、病的肥満に関連した金銭的および物理的コストは相当なものである。実際、病的肥満に関連したコストは、米国だけで、1000億ドルを超えると推定される。
【0003】
肥満を治療するために様々な外科手術方法が開発されてきた。現在行われている最も一般的な外科手術方法は、ルーワイ胃バイパス手術(RYGB:Roux-en-Y gastric bypass)である。この方法は、高度に複雑であるが、病的肥満患者の治療に一般に用いられている。肥満外科手術の他の方法として、フォビ嚢(Fobi pouch)、胆膵路転換手術(bilio-pancreatic diversion)、および、胃形成術すなわち「胃ステープル留め(stomach stapling)」を挙げることができる。加えて、胃を通る食物を制限して満腹感を与える植え込み装置も知られている。
【0004】
これらの多くの外科手術は侵襲性が高いため、低外傷性かつ低侵襲性の外科手術を開発する試みがなされてきた。胃バンド法は、胃を縮小して食物摂取を制限しようとする一種の胃縮小外科手術(gastric reduction surgery)である。胃バンド法は、RYGBおよび他の胃縮小法とは異なり、十二指腸および空腸における消化管の解剖学的構造を変更する必要がない。
【0005】
1980年代初頭から、胃バンドは、病的肥満に対する胃バイパスおよび他の不可逆性の外科的体重減少治療の有効な代替法となっている。いくつかの代替法が、胃バンド法の名の下で行われている。あるバンド技術は胃リングを用い、別のバンド技術では胃バンドを用い、あるバンド技術では胃ステープルを用い、さらに別の処置では、リング、バンド、および、ステープルの組合せを用いているものもある。最も一般的に行われている処置は、ラップバンド、垂直バンド胃形成術(VBG:vertical band gastroplasty)、シラスティックリング胃形成術(SRG:silastic ring gastroplasy)、および、調節可能なシラスティック胃バンド法(AGB:adjustable silastic gastric banding)である。
【0006】
一般に、胃バンドは、患者の胃の上部を取り囲んで、通常の胃の内径よりも小さい小孔を形成する。このため、胃の上部から下側の消化部分への食物の流れが制限される。この小孔が適当な大きさである場合、胃の上部に保持される食物により、満腹感が得られ、過食が防止される。
【0007】
典型的には、胃バンドは、腹腔鏡下で、トロカールを介して胃バンドを押して患者の腹部に導入される。このために、様々な送達装置が開発されてきた。しかしながら、現在利用できる送達装置は、限定するものではないが、滅菌が困難であること、適切な操作には両手が必要であること、主方向(key directions)に移動する際の強度が低いことなどの多数の問題がある。したがって、胃バンドの便利で信頼性の高い送達を可能にする改良された胃バンド送達装置が要望されている。本発明は、このような胃バンド送達技術を提供する。
【0008】
〔発明の概要〕
したがって、本発明の目的は、片手用の関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置(single handed articulating blunt dissector/ gastric band application device)を提供することにある。この装置は、支持シャフトであって、装置の第1の端部に設けられたハンドルを装置の第2の端部に設けられた関節動作組立体(articulating assembly)に接続する支持シャフトを含む。ハンドルは、関節動作組立体を制御下で作動させるためにこの関節動作組立体に連結された作動機構を含む。第2の端部は、近位端部および遠位端部を含み、この遠位端部は、組織に過度の外傷を与えることなく組織を切開するために成形され、寸法決めされた、ブラント遠位先端部(blunt distal tip)を含む。第2の端部はまた、胃バンドに係合してこの胃バンドを引っ張るために成形され、寸法決めされた縫合糸保持ノッチ(suture grasping notch)も含む。
【0009】
本発明の別の目的はまた、縫合糸保持ノッチが装置の縦軸に対して傾斜して配向されている装置を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、縫合糸保持ノッチが装置の縦軸に対して45°の角度で配向されている装置を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、関節動作組立体が、縫合糸保持ノッチに対して近位側に配向されている装置を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的はまた、関節動作組立体が、第1側部材および第2側部材からなる可撓性部材を含む装置を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、第1側部材および第2側部材が、装置の第2の端部に沿って伸びているときには、実質的に平行であり、かつ、互いに離間している装置を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、第1側部材が、複数の襟状くびれ部(necked down regions)を備えた内面を含み、第2側部材が、複数の襟状くびれ部を備えた内面を含む装置を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、拘束バンドが可撓性部材の周りに取り付けられた装置を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、作動機構が、可撓性フィンガー(flexing finger)を含み、この可撓性フィンガーを保持して移動させることにより、関節動作組立体を関節動作させることができる装置を提供することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、可撓性フィンガーが、応力が一定の桁(constant stress beam)を含み、この桁は、可撓性フィンガーがハンドルの第2の端部からハンドルの第1の端部にかけて伸びているときの、断面がテーパ状になっているくびれ(tapered down cross section)を有しており、これにより、可撓性フィンガーを滑らかな弧状に押し曲げる(bends down)ことができる装置を提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、作動機構が、第1の端部および第2の端部を有するケーブルを含み、このケーブルの第1の端部が、可撓性フィンガーに結合されており、この第2の端部が、関節動作組立体に近接して結合されているため、可撓性フィンガーが曲げられた際に、ケーブルが移動して、増大された弧の長さにわたって伸長し、この長さをカバーすることができる装置を提供することにある。
【0019】
本発明のさらなる目的は、ケーブルの変位を増幅させるために、周りにケーブルが巻き付けられている第1のプーリーおよび第2のプーリーを含む装置を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的および利点は、本発明の特定の実施形態を示す添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【0021】
〔詳細な説明〕
本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示する。しかしながら、開示する実施形態は、様々な形態で具現できる本発明の単なる例であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示する詳細は、限定と解釈すべきものではなく、単に、添付の特許請求の範囲のための基礎となるものであり、また、本発明の実施および/または使用方法を当業者に教示するための基礎となる。
【0022】
図1、図2、および、図3を参照すると、片手用の関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置10が開示されている。この装置10は、第1の端部12、および、第2の端部14を含む。第1の端部12は、通常は、詳細を後述する、ハンドル16、および、作動機構18からなる。第2の端部14は、組織を切開するだけでなく、送達の際に胃バンド100に係合して操作できるように構成された関節動作組立体20からなる。本装置10の第1の端部12と第2の端部14との間に、装置10の第1の端部12に設けられたハンドル16を装置10の第2の端部14に設けられた関節動作組立体20に接続する支持シャフト22が設けられている。当業者であれば、本装置10を、本発明の特定の用途に適した様々な生体適合性材料から製造できることを理解できよう。
【0023】
以下の開示から分かるように、本装置10の第2の端部14は、近位端部24、および、遠位端部26を含む。遠位端部26は、組織に過度の外傷を与えることなく組織を切開するために成形され、寸法決めされた、ブラント遠位先端部28を含む。本装置10の第2の端部14の遠位端部26の、遠位先端部28の近傍にはまた、第2の端部14が、後方胃食道窓(retrogastric esophageal window)を介して胃バンド100に係合してこの胃バンド100を引っ張るための縫合糸保持ノッチ30を備えている。参照して本明細書に組み入れる自己の(commonly-owned)米国特許第5,522,788号(名称:「指状腹腔鏡ブラントディセクター装置(Finger-like laparoscopic blunt dissector device」)を参照すると、胃バンド100は、一般に、その胃バンド100から延びた縫合糸ループ102を備えている。縫合糸ループ102は、胃バンド100の端部を保持して、この胃バンド100を胃の周りに取り付けるために引っ張ることができるようにする接触部材となる。
【0024】
これを考慮して、本取付け装置10の第2の端部14は、胃の周りに胃バンド100を取り付ける際にこの胃バンド100を容易に操作できるように縫合糸ループ102を受容するために成形され、寸法決めされたノッチ30を備えている。好適な実施形態に従えば、ノッチ30は、本装置10の縦軸32に対して傾斜して配向されている(すなわち、本装置10が直線状の構造にある場合)。より具体的には、ノッチ30は、装置10の第1の端部12に向いた角度付けられた方向に、装置10の縦軸32に対して45°の角度で配向されている。前述したように、関節動作組立体20は、装置10の第2の端部14に配置されている。しかしながら、関節動作組立体20は、前述されたノッチ30に対して近位側に配向されているため、患者の胃の周りに胃バンド100を巻き付ける際に、ノッチ30の使用のために関節動作組立体20を用いてノッチ30を新しい方向に向ける(reorient)ことができる。一般に、関節動作組立体20は、本装置10の第2の端部14の近位端部24と遠位端部26との間に位置する。関節動作組立体20は、可撓性部材(flex member)34を含む。可撓性部材34は、一方の側が他方の側に対して移動すると曲がることができる可撓性材料の単一部品(single piece of flex material)からなる。好適な実施形態に従えば、可撓性材料はナイロンであるが、ポリエチレンおよびポリプロピレンも、可撓性材料の製造に用いるのに良好な材料である。特定の材料を本明細書に開示するが、他の可撓性材料も、本発明の概念から逸脱することなく確かに用いることができる。具体的には、可撓性部材34は、第1側部材36および第2側部材38を含む。第1側部材36および第2側部材38は、これらが、本装置10の第2の端部14に沿って伸びているときには、実質的に平行であり、互いに離間している。第1側部材36および第2側部材38は、詳細を後述する可撓性特性を形成するように、相対的に移動可能である。
【0025】
可撓性部材34の第1側部材36は、第1の端部40、および、第2の端部42を含み、可撓性部材34の第2側部材38は、第1の端部44、および、第2の端部46を含む。可撓性部材34の第1側および第2側部材36、38のそれぞれの第1の端部40、44は、結合されて可撓性部材34の遠位端部48を画定しており、最終的に本装置10の第2の端部14の遠位端部26まで延び、前述したように、前述した縫合糸ループ保持ノッチ30を備えている。
【0026】
第1側部材36は、実質的に平滑な外面50を含む。第1側部材36の内面52は、複数の襟状くびれ部54を含む。襟状くびれ部54は、第1側部材36に沿った所定の位置での第1側部材36の強度を低下させ、第1側部材の移動に必要な関節動作の力を最小にして曲がりやすくする。同様に、第2側部材38は、実質的に平滑な外面56を含む。第2側部材38の内面58は、複数の襟状くびれ部60を含む。襟状くびれ部60は、第2側部材38に沿った所定の位置での第2側部材の強度を低下させ、第2側部材の移動に必要な関節動作の力を最小にして曲がりやすくする。第1側および第2側部材36、38の襟状くびれ部54、60により、可撓性部材34の制御された曲げが可能となり、平滑な外面50、56により、近接組織に過度の外傷を与えることなく、本装置10の体腔および組織を通る移動が可能となる。
【0027】
本発明に従って荷重が加えられた際に、第1側部材36と第2側部材38が互いに離間する方向に曲がるのを防止するべく、拘束バンド62が、可撓性部材34の周りに取り付けられている。拘束バンド62は、可撓性部材34の第1側部材36と第2側部材38とが互いに分離するのを防止するために、可撓性部材34と共に曲がり移動する。拘束バンド62が、本発明の好適な実施形態に従って開示されているが、例えば、引っ張りコイルばねなどの他の拘束部材を、本発明の概念から逸脱することなく用いることができる。拘束バンド62(または他の拘束構造)の利用は、関節動作組立体20を曲げるために張力が加えられた時に、第1側部材36および第2側部材38が外向きに曲がることなく、曲げる方向はもちろん、反対方向にも可撓性部材34に力を加えることができるようにするために極めて重要である。拘束バンド62を利用することにより、可撓性部材34が対称となり、かつ、両方向に曲がることができ、180°を超える関節運動が可能となる。
【0028】
前述したように、装置10の第1の端部12は、可撓性部材34の曲げを制御するために用いられる作動機構18を備えている。作動機構18は、ハンドル16に一体形成された可撓性フィンガー64を含む。可撓性フィンガー64は、概して、容易に曲がる細長い部材である。使用者は、この可撓性フィンガー64を保持して移動させることにより、前述した可撓性部材34を関節動作させることができる。
【0029】
具体的には、ハンドル16に、可撓性フィンガー64が配置される中心開口80が形成されている。中心開口80は、第1の端部82、および、第2の端部84を含み、可撓性フィンガー64の第1の端部86が、中心開口80の第1の端部82でハンドル16に結合されている。可撓性フィンガー64の残りの部分は、ハンドル16から離間している。したがって、可撓性フィンガー64は、可撓性フィンガー64の第2の端部88に沿って圧力が加えられると、可撓性フィンガー64の第1の端部86を中心に、中心開口80内で曲がることができる。
【0030】
好適な実施形態に従えば、可撓性フィンガー64は、ナイロンからなるが、ポリエチレンおよびポリプロピレンも、可撓性材料の製造に用いるのに良好な材料である。特定の材料を本明細書に開示するが、他の可撓性材料も本発明の概念から逸脱することなく確かに用いることができる。以下の開示からよく分かるように、可撓性フィンガー64は、応力が一定の桁(断面がテーパ状になっているくびれ)を使用しているため、可撓性フィンガー64は、その長さに沿って滑らかな弧状にくびれるように曲がることができ、応力が、可撓性フィンガー64の第1の端部86、または、第2の端部88に集中しない。
【0031】
牽引ケーブル66が、可撓性フィンガー64にスライド可能に結合されているため、可撓性フィンガー64が曲げられた時に、牽引ケーブル66が移動して、増大された弧の長さにわたって伸長し、この長さをカバーすることができる。ケーブル66に加えて、好適な実施形態に従えば、プーリー68、70を用いて、可撓性部材34を関節運動させるケーブルの移動を増幅させることができる。例えば、可撓性フィンガー64の第1の端部86に近接したハンドル16の第1の端部72に配置された第1すなわちパームプーリー68と、可撓性フィンガー64の第2の端部88に配置された第2すなわち先端プーリー70を、固定するか、または、自由に回転可能にすることができる。牽引ケーブル66は、パームプーリー68の周りに巻かれ、ハンドル16の第1の端部72まで延び、そこで固定されている。この方式では、ケーブル66の運動が可撓性フィンガー64の要素の運動に変換され、これにより可撓性部材34が関節動作する。
【0032】
具体的には、好適な実施形態に従えば、ケーブル66は、第1の端部74、および、第2の端部76を含む。第1の端部74は、ハンドルの第1の端部72に固定され、第2の端部76は、可撓性部材34を越えた位置で装置10の第2の端部14に固定されている。ケーブル66は、装置10が直線状の時はわずかに張り、可撓性フィンガー64が所定の方向に曲がっている時には引っ張られるような長さである(当業者であれば、好適な実施形態に従えば、ケーブル66は、可撓性フィンガー64が別の方向に曲がる時に緩むことを理解できよう)。
【0033】
可撓性フィンガー64およびケーブル66の第1の端部74の固定点により、装置10の第2の端部14に設けられたケーブル66の固定点と装置10の第1の端部12に設けられたケーブル66の固定点との間の有効長さを容易に変更することができる。具体的には、ケーブル66が可撓性フィンガー64の外面上に配向されているため、ケーブル66が延在する側面から見て可撓性フィンガー64を凹状に曲げると、本装置10の第2の端部14に設けられたケーブル66の固定点と本装置10の第1の端部12に設けられたケーブル66の固定点との間の有効長さが増大し、ケーブル66に沿った増大した張力を生成し、可撓性部材34が、加えられた張力の方向に曲がる。これとは逆に、ケーブル66が延在する側面から見て可撓性フィンガー64を凸状に曲げると、本装置10の第2の端部14に設けられたケーブル66の固定点と本装置10の第1の端部12に設けられたケーブル66の固定点との間の有効長さが減少し、ケーブル66に弛みができ、ケーブル66が、本発明の好適な実施形態に従えば直線状である、弛緩した構造に維持される。
【0034】
可撓性部材34の曲げ、および、張力の生成は、ケーブル66の長さに沿って歯車装置(pulley system)を設けることでさらに容易になる。具体的には、第1のプーリー68、および、第2のプーリー70はそれぞれ、可撓性フィンガー64の第1の端部86に近接したハンドル16の第1の端部72、および、可撓性フィンガー64の第2の端部88に配置されている。ケーブル66は、その第1の端部74に近接した第1のプーリー68および第2のプーリー70にループ状に巻かれている。好適な実施形態に従えば、ケーブル66は、このケーブル66の第1の端部74を始点として、可撓性フィンガー64に沿って延び、第2のプーリー70の周りに巻き付けられ、次に、ハンドル16の第1の端部72に向かって戻り、第1のプーリー68の周りに巻き付けられる。ケーブル66は、次に、装置10に沿って延び、ケーブル66の第2の端部76が、可撓性部材34の遠位側の位置で本装置10の第2の端部14に固定されている。
【0035】
代替の実施形態に従えば、パームプーリーは、その回転運動によってシャフトに沿った縦軸方向のラックを移動させることができるピニオンとすることができる。こうすることにより、先端部の関節動作および真直化を行うことができるプッシュプル構造(push-pull configuration)を実現することができる。
【0036】
本装置10を使用することにより、使用者が本装置10の第2の端部14で生成されることを望む曲がりに類似するように、単に可撓性フィンガー64を曲げて可撓性部材34の運動を制御することができる。実際、本装置10は、可撓性フィンガー64の曲がりが、装置10の第2の端部14における可撓性部材34の曲がりに実質的に一致するように較正することができる。
【0037】
前述したように、本装置は、特に、胃バンドの送達、操作、および、患者の胃の周りへの取付けに適するように構成されている。この点を考慮して、胃バンド100を、胃の後ろ側に挿入し、本装置で第1の端部、および、第2の端部を操作して、胃バンドを胃の周りに正確に配置する。本装置は、参照して本明細書に組み入れる自己の同時係属中の米国特許出願第11/364,362号(名称:「胃バンド(Gastric Band)」)に開示されているような様々な胃バンドに用いるように構成されている。当業者には明らかなように、本発明は、他のタイプの植え込み可能なバンドに等しく適用することができる。例えば、大便失禁の治療に用いることができる。このようなバンドの1つが、参照して本明細書に組み入れる米国特許第6,461,292号に開示されている。バンドは、尿失禁を治療するために用いることもできる。このようなバンドの1つが、参照して本明細書に組み入れる米国特許出願公開第2003/0105385号に開示されている。バンドは、胸焼けおよび/または胃酸の逆流の治療にも用いることができる。このようなバンドの1つが、参照して本明細書に組み入れる米国特許第6,470,892号に開示されている。バンドはまた、インポテンスの治療にも用いることができる。このようなバンドの1つが、参照して本明細書に組み入れる米国特許出願公開第2003/0114729号に開示されている。
【0038】
好適な実施形態を図示および説明してきたが、このような開示によって本発明を限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明の概念および範囲内に含まれる全ての変更形態および代替の構造を含むものと理解されたい。
【0039】
〔実施の態様〕
(1)片手用の関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置において、
支持シャフトであって、前記装置の第1の端部に設けられたハンドルを、前記装置の第2の端部に設けられた関節動作組立体(articulating assembly)に接続する、支持シャフト、
を含み、
前記ハンドルは、前記関節動作組立体を制御下で作動させるためにこの関節動作組立体に連結された作動機構を含み、
前記第2の端部は、近位端部、および、遠位端部を含み、
前記遠位端部は、組織に過度の外傷を与えることなく組織を切開するために成形され、寸法決めされた、ブラント遠位先端部を含み、
前記第2の端部は、胃バンドに係合してこの胃バンドを引っ張るために成形され、寸法決めされた、縫合糸保持ノッチも含む、
装置。
(2)実施態様(1)に記載の装置において、
前記縫合糸保持ノッチは、前記装置の縦軸に対して傾斜して配向されている、装置。
(3)実施態様(2)に記載の装置において、
前記縫合糸保持ノッチは、前記装置の縦軸に対して45°の角度で配向されている、装置。
(4)実施態様(1)に記載の装置において、
前記関節動作組立体は、前記縫合糸保持ノッチに対して近位側に配向されている、装置。
(5)実施態様(1)に記載の装置において、
前記関節動作組立体は、第1側部材および第2側部材からなる可撓性部材を含む、装置。
【0040】
(6)実施態様(5)に記載の装置において、
前記第1側部材、および、前記第2側部材は、前記装置の前記第2の端部に沿って伸びているときには、実質的に平行であり、かつ、互いに離間している、装置。
(7)実施態様(5)に記載の装置において、
前記第1側部材は、複数の襟状くびれ部(necked down regions)を備えた内面を含み、
前記第2側部材は、複数の襟状くびれ部を備えた内面を含む、装置。
(8)実施態様(5)に記載の装置において、
拘束バンドが、前記可撓性部材の周りに取り付けられている、装置。
(9)実施態様(1)に記載の装置において、
前記作動機構は、可撓性フィンガー(flexing finger)を含み、
前記可撓性フィンガーを保持して移動させることにより、前記関節動作組立体を関節動作させることができる、装置。
(10)実施態様(9)に記載の装置において、
前記可撓性フィンガーは、応力が一定の桁(constant stress beam)を含み、
前記桁は、前記可撓性フィンガーが前記ハンドルの第2の端部から前記ハンドルの第1の端部にかけて伸びているときの断面が、テーパ状になっているくびれを有しており、これにより、前記可撓性フィンガーを滑らかな弧状に押し曲げることができる、装置。
【0041】
(11)実施態様(9)に記載の装置において、
前記作動機構は、第1の端部および第2の端部を有するケーブルを含み、
前記ケーブルの前記第1の端部が、前記可撓性フィンガーに結合されており、前記第2の端部が、前記関節動作組立体に近接して結合されているため、前記可撓性フィンガーが曲げられた際に、前記ケーブルが移動して、増大された弧の長さにわたって伸長し、この長さをカバーすることができる、装置。
(12)実施態様(11)に記載の装置において、
前記ケーブルの変位を増幅させるために、周りに前記ケーブルが巻き付けられている第1のプーリーおよび第2のプーリー、
をさらに含む、装置。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の片手用の関節動作するブラントディセクター/胃バンド取付け装置の斜視図である。
【図2】拘束バンドが取り外されている、図1を参照して示す取付け装置の第2の端部の詳細図である。
【図3】図1を参照して示す取付け装置の第1の端部の詳細図である。
【出願人】 【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【出願日】 平成19年6月8日(2007.6.8)
【代理人】 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭

【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音


【公開番号】 特開2008−594(P2008−594A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−153138(P2007−153138)