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【発明の名称】 睡眠状態評価システム
【発明者】 【氏名】野口 公喜

【氏名】井上 学

【氏名】戸田 直宏

【要約】 【課題】就寝中の離床動作等を寝返り等の睡眠中の体動と区別して検知し、より正確に睡眠状態の評価を行い、かつ照明等の電気機器の制御を就寝者の状態に応じて自動的に行う。

【構成】就寝者Pが寝具2に横たわったときに就寝者Pの体が占有する空間D1を検知対象とする第1の体動検知センサS1と、就寝者Pが寝具2上で長座姿勢をとるときの就寝者Pの肩位置と同等高さの寝具2に平行な平面を底面とし、寝具2の外周2aより外方に広がる空間D2を検知対象とする第2の体動検知センサS2を備える。第1及び第2の体動検知センサS1、S2からの検知信号がマイクロコンピュータに入力される。マイクロコンピュータは、検知信号に含まれる体動を示す信号の発生タイミングに基づいて就寝者Pの入床動作、離床動作等を判断し、就寝中の離床動作(トイレに行く等)があれば睡眠の評価に反映させる。また、特定の動作に応じて枕元灯の点灯、消灯を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
就寝者が寝具に横たわったときに就寝者の体が占有する寝具上の空間を検知対象とする第1の体動検知センサと、
就寝者が寝具上において長座姿勢をとるときの就寝者の肩位置と略同等高さの寝具に平行な平面を底面とし、寝具の外周より外方に広がる空間を検知対象とする第2の体動検知センサと、
前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサの検知結果に基づいて就寝者の動態及び睡眠状態を評価する評価手段と、
を備えることを特徴とする睡眠状態評価システム。
【請求項2】
前記評価手段は、
前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサが体動を検知していない状態から前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサが略同時に体動を検知している状態になった場合に就寝者が入床したと判断し、
前記第1の体動検知センサのみが体動を検知している状態になった場合に就寝者が寝具に横たわったと判断し、
前記第1の体動検知センサのみが体動を検知している状態から前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサが略同時に体動を検知している状態になった場合に就寝者が寝具上で起き上がったと判断し、
前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサが略同時に体動を検知している状態から前記第2の体動検知センサのみが体動を検知している状態になった場合に就寝者が離床したと判断することを特徴とする請求項1に記載の睡眠状態評価システム。
【請求項3】
前記評価手段は、
就寝者が入床した、又は就寝者が寝具上で起き上がったと判断する場合に寝具上を照らす照明を点灯し、
就寝者が横たわった、又は就寝者が離床したと判断する場合に前記照明を消灯することを特徴とする請求項2に記載の睡眠状態評価システム。
【請求項4】
前記評価手段は、
就寝者が入床したと判断するときから就寝者が離床したと判断するまでの間、侵入者警報装置を動作状態とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の睡眠状態評価システム。
【請求項5】
前記評価手段が行った評価結果を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された評価結果を電気通信回線を通じて外部へ送信する通信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の睡眠状態評価システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝者の行う寝返り等の体動とトイレに行く等の動作を区別して検知し、その検知結果に基づいて就寝者の睡眠状態をより正しく評価することが可能な睡眠状態評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、睡眠時体動検出装置として、赤外線カメラによって撮像された睡眠中の就寝者の画像を複数の区分に分けて解析し、各区分における濃度中心の座標の変動に基づいて就寝者の寝返りやミオクローヌスを検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ベッドの長手方向に投光可能な光センサが複数設けられ、それら光センサのうちいずれの光センサから被介護者の検出信号が得られるかによってベッド上の被介護者の種々の動きを検出する動態検出システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−299636号公報
【特許文献2】特開2001−327549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示されるような装置においては、画像の解析のための装置構成が複雑になる上に、就寝者が夜中にトイレに行く動作や就寝するために寝具に横たわる動作等の就寝に付随して就寝者が行う動作(以下、就寝付随動作という)を、就寝者が睡眠中に無意識的に行う寝返り等の体動と区別して検出することができないことから正確な睡眠評価が行われないという問題があった。
【0005】
具体的には、上記特許文献1に示される装置においては、赤外線カメラは主に寝具の表面を撮像するために、就寝者が熟睡している間は体動がほとんど生じず撮像された画像中の画像の変化がほとんど検出されないが、就寝者がトイレに行くために離床している間も同様に画像の変化がほとんど検出されない。従って、上記特許文献1に示される装置においては、夜中にトイレに行く就寝者の睡眠を充分良質の睡眠であると評価してしまう可能性がある。
【0006】
また、上記特許文献2に示されるような装置においては、被介護者のベッドからの転落や無断離床が起きないようにするために、複数の光センサからの検知信号の有無の組合せに基づいて被介護者の位置の検出が行われるが、睡眠中の被介護者の体動(寝返りやミオクローヌス等)を検知して睡眠状態の評価が行えるようにはなっていない。
【0007】
そこで、本発明は、就寝者が行う就寝付随動作を寝返り等の体動と区別して検知できるようにすることによって、より正確に睡眠状態の評価を行うことができ、併せて寝具付近の照明の点消灯等の電気機器の制御を就寝者の状態に応じて自動的に行わせることができる睡眠状態評価システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、就寝者が寝具に横たわったときに就寝者の体が占有する寝具上の空間を検知対象とする第1の体動検知センサと、就寝者が寝具上において長座姿勢をとるときの就寝者の肩位置と略同等高さの寝具に平行な平面を底面とし、寝具の外周より外方に広がる空間を検知対象とする第2の体動検知センサと、前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサの検知結果に基づいて就寝者の動態及び睡眠状態を評価する評価手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の睡眠状態評価システムにおいて、前記評価手段は、前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサが体動を検知していない状態から前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサが略同時に体動を検知している状態になった場合に就寝者が入床したと判断し、前記第1の体動検知センサのみが体動を検知している状態になった場合に就寝者が寝具に横たわったと判断し、前記第1の体動検知センサのみが体動を検知している状態から前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサが略同時に体動を検知している状態になった場合に就寝者が寝具上で起き上がったと判断し、前記第1の体動検知センサ及び前記第2の体動検知センサが略同時に体動を検知している状態から前記第2の体動検知センサのみが体動を検知している状態になった場合に就寝者が離床したと判断することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の睡眠状態評価システムにおいて、前記評価手段は、就寝者が入床した、又は就寝者が寝具上で起き上がったと判断する場合に寝具上を照らす照明を点灯し、就寝者が横たわった、又は就寝者が離床したと判断する場合に前記照明を消灯することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の睡眠状態評価システムにおいて、前記評価手段は、就寝者が入床したと判断するときから就寝者が離床したと判断するまでの間、侵入者警報装置を動作状態とすることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の睡眠状態評価システムにおいて、前記評価手段が行った評価結果を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された評価結果を電気通信回線を通じて外部へ送信する通信手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、検知対象空間が異なる第1の体動検知センサと第2の体動検知センサの検知結果に基づいて就寝者の就寝付随動作が検知され、第1の体動検知センサによって就寝者の睡眠中の体動が検知されるので、より正確に睡眠状態の評価を行うことができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、就寝者の入床から離床までの4つの就寝付随動作が区別して検知されるのでさらに正確に睡眠状態の評価を行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、寝具上を照らす照明が就寝者の就寝付随動作に応じて自動的に点灯、消灯されるので就寝者の照明を操作する手間が省ける。
【0016】
請求項4の発明によれば、侵入者警報装置が就寝者の入床から離床までの間自動的に動作状態に切替えられるので、就寝者による侵入者警報装置の入切操作の手間が省けると共に、就寝者の就寝中の安全性が高められる。
【0017】
請求項5の発明によれば、通信手段によって外部へ送信された評価結果を、専門機関等の第三者がモニタしたり分析できるのでより正確な睡眠状態の評価が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る睡眠状態評価システムについて図1乃至図4を参照して説明する。本実施形態の睡眠状態評価システム1は、図1及び図2に示されるように、就寝者Pが寝具(ベッド)2に横たわったときに就寝者Pの体が占有する寝具2上の空間D1(以下、第1の検知空間という)を検知対象とする第1の体動検知センサS1と、就寝者Pが寝具2上において長座姿勢(上体を起上がらせて座った姿勢)をとるときの就寝者Pの肩Ps位置と略同等高さの寝具2に平行な平面を底面D2bとし、寝具2の外周より外方に広がる空間D2(以下、第2の検知空間という)を検知対象とする第2の体動検知センサS2を備える。
【0019】
第1の検知空間D1は、図1及び図2に示されるように寝具2の平面(ベッドの上面)を底面D1bとし、寝具2の平面に平行な平面であって横たわった状態の就寝者Pの側面視において最も高い部位(通常は鼻位置n)よりも高い位置の平面を上面D1uとし、寝具2の外周2aに沿った垂直面を外周面D1sとして画成される略直方形の空間である。
【0020】
従って、第1の検知空間D1を画成する上面D1uは、就寝者Pの体形に応じて上下に可変する。例えば、就寝者Pが腹部の突き出た体形である場合には、第1の検知空間D1を画成する上面D1uは、就寝者Pの腹部の最高位置よりも高い位置に設定される。
【0021】
第2の検知空間D2は、図1及び図2に示されるように寝具2上で座った姿勢の就寝者Pの肩Ps位置と略同等高さの底面D2bと、底面D2bよりも所定の幅wだけ高い位置に設定される上面D2uと、寝具2の外周2aよりも外側へ張り出した位置の垂直面D2sによって画成される略直方形の空間である。
【0022】
従って、第2の検知空間D2を画成する底面D2bは、就寝者Pの体格に応じて上下に可変する。また、第2の検知空間D2を画成する底面D2bは、第1の検知空間D1を画成する上面D1uよりも上方に位置し、第1の検知空間D1と第2の検知空間D2が交差することはない。
【0023】
第1の体動検知センサS1及び第2の体動検知センサS2は、共に焦電型の赤外線センサから構成され、それぞれ寝具2のヘッドボード2b及び寝室の壁3に取付けられている。また、各センサS1、S2は、それぞれの検知空間D1及びD2に就寝者Pの体の一部が進入してきたときに、就寝者Pの体から放射される赤外線を検知し、検知した赤外線の変動に基づいて各検知空間D1、D2への就寝者Pの進入及び各検知空間D1、D2における就寝者Pの体動を検知する。
【0024】
なお、第1及び第2の体動検知センサS1、S2は、焦電型の赤外線センサ以外に反射光を検知するタイプの光センサであっても良いし、超音波の反射を利用した人感センサであっても良い。また、各体動検知センサS1、S2は、同一種類のセンサが複数個設けられることによって構成されていても良いし、異なった種類のセンサが複数個組み合わされて構成されてもよい。
【0025】
さらに、本実施形態では寝具2はベッドであって、就寝者Pが横たわる平面は、床Fから所定の高さ上方に形成されるが、寝具2は床面に直接敷かれる布団であってもよい。
【0026】
次に、第1及び第2の体動検知センサS1、S2からの検知信号に基づいて就寝者Pの動態及び睡眠状態を評価する評価手段について、図3及び図4を参照して説明する。
【0027】
本実施形態の評価手段は、図3に示されるように、第1及び第2の体動検知センサS1、S2に有線又は無線によって接続されたマイクロコンピュータ4から構成され、第1及び第2の体動検知センサS1、S2が送信する検知信号における体動を示す信号部の有無及びタイミング等に基づいて就寝者Pの動態及び睡眠状態を評価する。マイクロコンピュータ4に接続され評価結果を記録する記録装置5や評価結果に基づいて各種家電機器等を制御する制御回路6等については後に詳述する。
【0028】
マイクロコンピュータ4が行う睡眠状態評価について、図4を参照して具体的に説明する。いま、第1及び第2の体動検知センサS1、S2から図4に示される検知信号が出力されているとする。図4において、左から右へ向かって時間軸がとられ、各検知信号のパルス状に突出する部分ps(以下、パルス部という)が就寝者の体動を示す。
【0029】
マイクロコンピュータ4は、第1の体動検知センサS1からの検知信号t1(以下、第1の検知信号という)及び第2の体動検知センサS2からの検知信号t2(以下、第2の検知信号という)のいずれにおいてもパルス部psを有さない状態(図4における(1))では、就寝者Pは寝室に存在しないか、寝室に居て寝具2から離れた位置にいると判断する。
【0030】
次に、第1の検知信号t1は未だパルス部psを有しないが、第2の検知信号t2にはパルス部psを有する状態(図4における(2))になると、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが寝具2(ベッド)に近づいたと判断する。寝具2に近づいた状態の就寝者Pが図1の右側に示される。
【0031】
ここで、第2の検知空間D2の平面方向における広がりが図1に示されるように寝室のほぼ全域にまで延びている場合には、マイクロコンピュータ4は、検知信号t1、t2が図4における(2)の状態になったときに、就寝者Pが寝室内に入室したと認識することができる。
【0032】
次に、図4における(2)の状態から第1及び第2の検知信号t1、t2共にパルス部psを有する状態(図4における(3))になると、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが寝具2上に腰を掛けた又は座った(寝具2が布団の場合は布団の上で立姿勢又は座り姿勢になった)と判断する。寝具2上で座った状態の就寝者Pが図1及び図2に示される。就寝者Pが行う上記の動作を入床する又は入床動作という。
【0033】
次に、第2の検知信号t2のパルス部psが消失し、第1の検知信号t1のみにパルス部psを有する状態(図4における(4))になると、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが寝具2上に横たわったと判断する。
【0034】
その後、第1の検知信号t1のパルス部psの発生頻度が徐々に低下し所定の頻度よりも少ない状態(図4における(5))になると、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが睡眠に入ったと判断する。マイクロコンピュータ4は、睡眠状態(図4における(5))において発生するパルス部psによって就寝者Pの寝返りやミオクローヌス等の体動を検出する。入眠後における就寝者Pの体動の頻度が多い場合には睡眠の質は高くないと評価され、体動の頻度が少ない場合には睡眠の質が高いと評価される。
【0035】
次に、第1の検知信号t1のパルス部psの発生が所定の頻度よりも相当に増加した状態(図4における(6))になると、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが目覚めたと判断する。この状態では、就寝者Pは目覚めてはいるが寝具2上で横たわっている。
【0036】
続いて、第1及び第2の検知信号t1、t2の両方においてパルス部psを有する状態(図4における(7))になると、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが寝具2上で起き上がった(寝具2が布団の場合は布団の上で立姿勢又は座り姿勢になった)と判断する。
【0037】
その後、第1の検知信号t1のパルス部psが消失し、第2の検知信号t2のみにパルス部psを有する状態(図4における(8))になると、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが寝具2から離れたと判断する。就寝者Pが行う上記の動作を離床する又は離床動作という。
【0038】
最後に、第1及び第2の検知信号t1、t2の両方においてパルス部psを有さない状態(図4における(9))になると、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが寝具2からさらに離れ、又は寝室から退出したと判断する。
【0039】
従って、マイクロコンピュータ4は、睡眠状態(図4の(5))を検知している間に、就寝者Pの離床動作(図4の(7)、(8)、(9))と入床動作(図4の(1)、(2)、(3))が順に発生したと判断する場合には、就寝者Pが例えばトイレに行くために就寝の途中で離床したと判断して睡眠状態の評価を下げる。
【0040】
また、就寝者Pがトイレに行っている間の第1の検知信号t1はパルス部psを全く有さない状態になるが、マイクロコンピュータ4は、この間の第1の検知信号t1を睡眠状態を評価するためのデータから除外する。
【0041】
さらに、マイクロコンピュータ4は、就寝者Pが入床動作を行ったと判断してから就寝者Pが入眠した(図4における(5)の状態)と判断するまでの経過時間(図4における(4)とほぼ同等)を算出し、経過時間が長い場合には睡眠状態の評価を下げ、経過時間が短い場合には睡眠状態の評価を上げる。これは、寝付くまでの時間(睡眠潜時)が睡眠の質を反映するという事情に基づいている。
【0042】
次に、マイクロコンピュータ4に接続される記録装置5、制御回路6等について、図3に戻って説明する。
【0043】
本実施形態のマイクロコンピュータ4には、記録装置5、通信装置7及び制御回路6が接続され、制御回路6にはさらに照明器具8、エアコン9等の種々の家電機器及び侵入者警報装置11が接続されている。
【0044】
記録装置5にはマイクロコンピュータ4が出力した睡眠状態の評価結果が記録蓄積され、記録蓄積された評価結果(例えば、1週間分の評価結果)が所定のタイミングで通信装置7へ出力される。通信装置7は、一定量の評価結果をインターネット網12を介して医療機関等の評価結果を解析できる機関へ送信する。評価結果を受信した医療機関では、一定量の評価結果を解析して就寝者Pの健康状態等を診断する。
【0045】
また、マイクロコンピュータ4が直接通信装置7に接続されている場合には、医療機関側がマイクロコンピュータ4から出力される評価結果をリアルタイムで受信することもできる。なお、通信装置7による評価結果の送信先は、医療機関以外にも同様の睡眠状態評価システムを所有する個人であってもよい。
【0046】
また、評価結果の送信先に居る第三者がリアルタイムで評価結果をモニタすることによって、就寝者Pの睡眠状態の評価以外にも、より緊急性の高い不審者の侵入を検出することが可能である。
【0047】
例えば、評価結果の送信先に居る第三者は、マイクロコンピュータ4が就寝者Pが入床した(図4における(2)から(3))と判断した後に、就寝者Pが離床した(図4における(7)から(8))との判断をすることなく、第2の検知信号t2にのみパルス部psの発生を検出した場合には、第2の検知空間D2に就寝者P以外の人間(侵入者)が近づいたと判断できる。
【0048】
次に、制御回路6を介した照明器具8、エアコン9及び侵入者警報装置11に対する制御について具体的に説明する。
【0049】
本実施形態における照明器具8は、図1に示されるように寝具2の上面付近を照らす枕元灯8aと寝具2の下部周囲の床面を照らす足元灯8bから構成される。
【0050】
制御回路6は、マイクロコンピュータ4からの出力において、就寝者Pが入床動作を行った(図4における(2)から(3))とする判断がある場合に、枕元灯8aに対してオン信号を出力して枕元灯8aを点灯させ、その後就寝者Pが横たわった(図4における(4))とする判断に移行したときに枕元灯8aに対してオフ信号を出力して枕元灯8aを消灯させる。
【0051】
従って、枕元灯8aは、就寝者Pが入床し寝具2上で長座姿勢をとることによって自動的に点灯し、就寝者Pが横たわることによって自動的に消灯するので、就寝者Pにとって枕元灯8aの操作が不要になり寝具2上で読書を行うとき等に便利である。
【0052】
また、制御回路6は、マイクロコンピュータ4からの出力において、就寝者Pが睡眠状態から目覚めて寝具2上で起き上がった(図4における(6)から(7))とする判断がある場合に、枕元灯8aに対してオン信号を出力して枕元灯8aを点灯させ、その後就寝者Pが離床した(図4における(8))とする判断に移行したときに枕元灯8aに対してオフ信号を出力して枕元灯8aを消灯させる。
【0053】
従って、枕元灯8aは、例えば就寝者Pが夜中に眼が覚めて寝具2上で起き上がることによって自動的に点灯し、就寝者Pが寝具2から離れることによって自動的に消灯するので、就寝者Pにとって暗がりの中での枕元灯8aの操作が不要になり便利である。
【0054】
さらに、制御回路6は、マイクロコンピュータ4からの出力において、就寝者Pが寝具2上で起き上がった(図4における(6)から(7))後に就寝者Pが離床した(図4における(8))とする判断がある場合に、足元灯8bに対してオン信号を出力して足元灯8bを点灯させる。これによって、例えば夜中に起き上がってトイレに行こうとして離床する就寝者Pの足元が照らされ、就寝者Pの転倒防止等の安全が図られる。
【0055】
また、制御回路6は、マイクロコンピュータ4からの出力において、就寝者Pが入床動作(図4における(2)から(3))を経て睡眠に入った(図4における(5))とする判断がある場合に、エアコン9に対して設定温度を低下させる信号を出力する。これによって寝室の温度が低下されて睡眠に入った就寝者Pの深部体温の低下が促進される。
【0056】
さらに、制御回路6は、マイクロコンピュータ4からの出力において、就寝者Pが入床した(図4における(2)から(3))との判断があったときに、侵入者警報装置11に対してオン信号を出力し、その後、就寝者Pが離床した(図における(7)から(8))との判断があったときに、侵入者警報装置11に対してオフ信号を出力する。これによって侵入者警報装置11は、就寝者Pが就寝している間、自動的に動作状態になされるので、侵入者警報装置11の動作状態への切替えがなされないまま就寝者Pが睡眠に入ってしまうことが防止され、安全性が高められる。
【0057】
また、制御回路6は、マイクロコンピュータ4からの出力において、就寝者Pが入床した(図4における(2)から(3))と判断した後に、就寝者Pが離床した(図4における(7)から(8))との判断をすることなく、第2の検知信号t2にのみパルス部psの発生を検出した場合には、第2の検知空間D2に就寝者P以外の人間(侵入者)が近づいたと判断するように構成されることが可能である。この場合には、制御回路6は、警備会社等の外部の機関へ侵入者の発生を通報する通報装置(不図示)を作動させて外部へ侵入者の発生を通報することができる。
【0058】
なお、マイクロコンピュータ4が照明器具8等の外部機器への指令信号を出力することが可能な場合には、制御回路6における上記機能は、マイクロコンピュータ4が実行するように構成されてもよい。
【0059】
以上のように、本実施形態の睡眠状態評価システム1によれば、検知対象空間が異なる第1及び第2の体動検知センサS1、S2の検知結果に基づいて就寝者Pの入床動作や離床動作等の就寝付随動作が検知され、寝具2上に横たわった就寝者Pの体が占有する空間を検知対象とする第1の体動検知センサS1によって就寝者Pの睡眠中の寝返り等の体動が検知されるので、それらの検知結果に基づいてより正確に睡眠状態の評価を行うことができる。また、照明の点消灯等の電気機器の制御が就寝者Pの状態に応じて自動的に行われるので、就寝者Pによる操作が省略されて便利である。
【0060】
なお、第1及び第2の検知空間D1、D2が第1及び第2の体動検知センサS1、S2を基点として放射状に形成される場合には、第1及び第2の検知空間D1、D2は、寝具2上で横たわり、又は長座姿勢をする就寝者Pに対して図5に示されるように形成される。この場合にも、第2の検知空間D2の底面D2bは、第1の検知空間D1よりも上方に位置し、第1の検知空間D1と第2の検知空間D2が交差することはない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る睡眠状態評価システムを備える寝室の概略斜視図。
【図2】同睡眠状態評価システムにおける就寝者の横臥姿勢及び長座姿勢に対する第1及び第2の検知空間の位置と形状を示す側面図。
【図3】同睡眠状態評価システムにおける電気的な構成を示すブロック図。
【図4】同睡眠状態評価システムにおける第1及び第2の体動検知センサから出力される検知信号の例を示す図。
【図5】同睡眠状態評価システムにおける第1及び第2の検知空間の変形例を示す側面図。
【符号の説明】
【0062】
1 睡眠状態評価システム
2 寝具
2a 寝具の外周
4 マイクロコンピュータ(評価手段)
5 記録装置(記憶手段)
7 通信装置(通信手段)
8a 枕元灯(照明)
11 侵入者警報装置
12 インターネット網(電気通信回線)
P 就寝者
Ps 就寝者の肩
S1 第1の体動検知センサ
S2 第2の体動検知センサ
D1 第1の検知空間(第1の体動検知センサによる検知対象空間)
D2 第2の検知空間(第2の体動検知センサによる検知対象空間)
D2b 底面
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫

【識別番号】100121692
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 勝美

【識別番号】100125221
【弁理士】
【氏名又は名称】水田 愼一


【公開番号】 特開2008−505(P2008−505A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174900(P2006−174900)