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【発明の名称】 医用画像表示装置およびそのプログラム
【発明者】 【氏名】今村 貴志

【要約】 【課題】複数のCAD結果の比較を容易に行なえる医用画像表示装置を提供する。

【構成】基準画像Pの被写体上の異常陰影の位置にマークE,T,Oを付すとともに、マークE,T,OとこのマークE,T,Oの位置に存在する異常陰影を検出した医用画像または加工画像ES,TSとを対応付けた画像を表示画面上に表示する。表示画面上に表示されているマークE,T,Oを指示すると、マークE,T,Oの位置に存在する異常陰影を検出した医用画像または加工画像ES,TSに表示画面上の画像を切り替えて表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影した医用画像または該医用画像を加工した加工画像の複数のそれぞれから異常陰影検出処理を用いて検出した被写体上の異常陰影の位置を記憶する異常陰影位置記憶手段と、
前記医用画像または加工画像の1つを基準画像として、該基準画像の被写体上の前記異常陰影の位置にマークを付した画像を表示画面上に表示する異常陰影位置表示手段と、
前記マークと該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段と、
前記表示画面上に表示されているマークの指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段によりマークの指示を受け付けた際、前記対応情報に基づいて該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像に前記表示画面上の画像を切り替えて表示する切替表示手段とを備えたことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
前記切替表示手段が、切り替えて表示した前記医用画像または加工画像上に、該画像から検出した異常陰影の位置を表すマークを表示するものであることを特徴とする請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記異常陰影が、前記医用画像または加工画像に応じて異なる手法の異常陰影検出処理を用いて検出されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
コンピュータを、
被写体を撮影した医用画像または該医用画像を加工した加工画像の複数のそれぞれから異常陰影検出処理を用いて検出した被写体上の異常陰影の位置を記憶する異常陰影位置記憶手段と、
前記医用画像または加工画像の1つを基準画像として、該基準画像の被写体上の前記異常陰影の位置にマークを付した画像を表示画面上に表示する異常陰影位置表示手段と、
前記マークと該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段と、
前記表示画面上に表示されているマークの指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段によりマークの指示を受け付けた際、前記対応情報に基づいて該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像に前記表示画面上の画像を切り替えて表示する切替表示手段として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、診断のために医用画像を表示する医用画像表示装置およびそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、被写体の放射線画像を用いて病変部を発見し、またその病変部の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行うことが一般的に行なわれている。そして、この放射線画像の読影は観察者の経験や画像読影能力によって左右される。例えば、癌の検査を目的として撮影された画像から癌化した部分を指定することが望まれるが、観察者によっては必ずしも的確にその異常陰影の範囲を指定できるとは限らない。このため、観察者の技量に依存せずに、腫瘤陰影や微小石灰化陰影を始めとする異常陰影を的確に検出することが求められている。
【0003】
この要望に応えるために、計算機処理を用いて異常陰影候補を自動的に検出するようにした画像診断支援装置(CAD ; Computer Aided Diagnosis )の研究が最近進んでいる。CADは、異常陰影の濃度分布の特徴や形状の特徴に基づいて、異常陰影候補を計算機を用いて自動的に検出するものがあり、この異常陰影候補の検出処理としては、腫瘤陰影候補を検出するのに適したアイリスフィルタ処理等が提案されている(小畑他「DR画像における腫瘤影検出(アイリスフィルタ)」電子情報通信学会論文誌 D-11 Vol.J75-D-11 No.3 P663〜670 1992年3月等)。
【0004】
アイリスフィルタ処理により得られた異常陰影の候補領域のうち、正常な組織を撮影した陰影や良性の陰影を除外し、悪性の陰影のみを検出するために、検出された候補領域の内部または辺縁の特徴を表す複数の特徴量を用いてその候補領域を判定し、悪性と判定された陰影の候補領域のみを異常陰影候補として検出する方法が種々提案されている。さらに、アイリスフィルタ処理によって検出された異常陰影の候補領域に対し、候補領域内部の濃度ヒストグラムを求め、このヒストグラムに基づいて、すなわち分散値、コントラスト、角モーメント等の特徴量を算出し、さらに各特徴量を評価して悪性の陰影のみを検出する方法が提案されている。この評価を行うために、マハラノビス距離やニューラルネットワークなどの種々の学習器を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1など)。
【0005】
また、異常陰影を検出する際に用いられる画像は、被写体を単純X線撮影した画像だけではなく、エネルギーサブトラクション撮影によって得られた画像等も用いられる。例えば、胸部のガンを検出する際にはエネルギーサブトラクションによって軟部のみが撮影された軟部画像を用いることによって、骨などの背景画像に影響されないでガンの検出精度を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献2など)。
【0006】
また、オリジナルの胸部画像上にあらわれたガンなどの結節状陰影は、正常構造と結節状陰影の区別が明確ではないため、撮影時期の異なる2つの撮影画像の差分を取った経時サブトラクション画像を用いることによって、ガンの検出精度を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献3など)。
【0007】
あるいは、CT撮影などによって得られた断層画像を用いることによって、異常陰影を検出する方法が提案されている(例えば、非特許文献1など)。
【特許文献1】特開2002−7432公報
【特許文献2】特表2002−521896公報
【特許文献2】特開2004−48587公報
【非特許文献1】Rafael Wiemker, “Computer aided lung nodule detection on high resolution CT data”, SPIE Vol.4684, 677-688, (2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、CAD処理は画像診断において診断精度の向上と、読影時間の短縮を目的として行われる。胸部単純画像の読影において、正面画像の他に同一被検者に関連する複数の画像を合わせて読影することで精度が向上する。
【0009】
しかしながら、多くの画像を読影することで診断精度は向上するが、各画像のCAD処理結果を参照しながらであっても、対応する場所を画像から目視によって捜して読影を行わなければならず読影作業に多くの時間を要してしまう。また、CAD処理されて検出される異常陰影の結果は、用いられた画像やCAD処理の種類によって違ってくるため比較を行うために、繰り返し画像を切り替えて表示させて比較するなど煩雑な作業が必要になる。
【0010】
そこで、本願発明では上記課題に鑑みて、複数のCAD結果の比較を容易に行なえる医用画像表示装置、および、そのプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の医用画像表示装置は、被写体を撮影した医用画像または該医用画像を加工した加工画像の複数のそれぞれから異常陰影検出処理を用いて検出した被写体上の異常陰影の位置を記憶する異常陰影位置記憶手段と、
前記医用画像または加工画像の1つを基準画像として、該基準画像の被写体上の前記異常陰影の位置にマークを付した画像を表示画面上に表示する異常陰影位置表示手段と、
前記マークと該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段と、
前記表示画面上に表示されているマークの指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段によりマークの指示を受け付けた際、前記対応情報に基づいて該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像に前記表示画面上の画像を切り替えて表示する切替表示手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
本願発明のプログラムは、コンピュータを、
被写体を撮影した医用画像または該医用画像を加工した加工画像の複数のそれぞれから異常陰影検出処理を用いて検出した被写体上の異常陰影の位置を記憶する異常陰影位置記憶手段と、
前記医用画像または加工画像の1つを基準画像として、該基準画像の被写体上の前記異常陰影の位置にマークを付した画像を表示画面上に表示する異常陰影位置表示手段と、
前記マークと該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段と、
前記表示画面上に表示されているマークの指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段によりマークの指示を受け付けた際、前記対応情報に基づいて該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像に前記表示画面上の画像を切り替えて表示する切替表示手段として機能させることを特徴とするものである。
【0013】
「被写体上の異常陰影の位置」とは、画像の被写体上に現れている異常陰影の場所をいい、画像上における位置であってもよいし、被写体上における位置であってもよい。
【0014】
「異常陰影の位置にマークを付す」とは、表示している画像の異常陰影上にマーク重ねて表示することをいう。
【0015】
「マークの指示を受け付ける」とは、マウスでクリックするなど入力装置を用いてユーザがマークを指示したことを医用画像表示装置が受け取ることをいう。
【0016】
前記切替表示手段は、切り替えて表示した前記医用画像または加工画像上に、該画像から検出した異常陰影の位置を表すマークを表示するものであってもよい。
【0017】
前記異常陰影は、前記医用画像または加工画像に応じて異なる手法の異常陰影検出処理を用いて検出されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の医用画像や加工画像から異常陰影検出処理で異常陰影を検出し、検出した異常陰影の位置がわかるように基準画像上にマークを表示し、このマークをマウスなどの入力装置を用いて指示すると、このマークの位置に存在する異常陰影を検出した医用画像や加工画像に前記表示画面上の画像を切り替えて表示できるようにすることにより、複数の医用画像や加工画像から検出した異常陰影がどこに存在するかを把握することができ、さらに、各マークを指示すると検出元の画像を表示することで異常陰影が現れていると判定された画像を確認して、検出された異常陰影が真に異常であるか否かを確認することができる。また、複数の画像の同じ場所から異常陰影が検出された場合には、複数の画像を切り替えて表示することにより、正確な診断を行うことができる。
【0019】
さらに、切り替えて表示した医用画像または加工画像上に、この画像から検出した異常陰影の位置を表すマークを表示することにより、検出元の画像上の位置を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、医用画像表示装置1の構成を示すものである。なお、図1のような医用画像表示装置1の構成は、補助記憶装置に読み込まれた画像処理プログラムがコンピュータ(たとえばワークステーション等)上で実行されることにより実現される。このとき、コンピュータには、CD−ROM等の情報記憶媒体に記憶された医用画像表示処理プログラムがインストールされる。あるいは、インターネット等のネットワークを介して医用画像表示プログラムが配布されて、コンピュータにインストールされる。
【0022】
医用画像表示装置1は、被写体を撮影した医用画像またはこの医用画像を加工した加工画像を記憶する医用画像記憶手段10と、複数の異常陰影検出処理20と、被写体を撮影した医用画像または加工画像の複数のそれぞれから異常陰影検出処理20を用いて検出した被写体上の異常陰影の位置を記憶する異常陰影位置記憶手段30と、基準画像の被写体上の異常陰影の位置にマークを付した画像を表示画面2上に表示する異常陰影位置表示手段40と、各マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段50と、表示画面2上に表示されているマークの指示を受け付ける指示受付手段60と、指示受付手段60によりマークの指示を受け付けた際、対応情報に基づいて該マークの位置に存在する異常陰影を検出した前記医用画像または加工画像に表示画面2上の画像を切り替えて表示する切替表示手段70と、切替表示手段70が切り替えて表示した医用画像または加工画像上に、該画像から検出した異常陰影の位置を表すマークを表示する検出位置表示手段80を備える。
【0023】
医用画像記憶手段10は、画像サーバやハードディスクなどの大容量記憶装置であり、被写体を撮影した医用画像や医用画像を加工した加工画像を記憶するものである。医用画像は、同じ被写体を撮影した単純X画像や、エネルギーサブトラクション撮影によって得られた軟部画像や骨部画像、CT撮影画像など種々のモダリティで撮影した画像である。また、加工画像は、同じ被写体を異なる時期に撮影した2枚の画像の差分を求めた差分画像(経時サブトラクション画像)や、被写体を撮影した画像から肋骨や軟部の画像を人工的に生成した人工画像(人工画像の生成方法の詳細は、本願出願人が出願の特開2006−6359などを参照)を際し引いた差分画像などである。
【0024】
異常陰影検出処理20は、被写体をX線撮影して得られた単純X画像から異常陰影を検出するものや、エネルギーサブトラクション撮影によって得られた軟部画像や骨部画像から異常陰影を検出するものや、同じ被写体を異なる時期に撮影した2枚の単純X線画像の差分画像から異常陰影を検出するもの等がある。あるいは、CTやMRIのような断層撮影装置を撮影した断層画像から異常陰影を検出するものもある。
【0025】
あるいは、同じ画像から異常陰影を検出するものであっても、乳房を撮影したマンモグラフィから、主として腫瘤の陰影を検出するのに適したアイリスフィルタ処理や、微小石灰化陰影を検出するのに適したモフォロジーフィルタ処理のように、異常陰影の検出処理によって異なる種類の異常陰影を検出するものがある。
【0026】
上述のように異常陰影検出処理20には、同じ被写体を撮影した同じ画像に対して異なる手法で異常陰影を検出するものや、同じ被写体を異なる手法で撮影した医用画像や加工画像などの異なる種類の画像から異常陰影を検出するものがあり、医用画像表示装置1には、複数の種類の異常陰影検出処理20がインストールされている。
【0027】
異常陰影位置記憶手段30は、上述で説明したような同じ被写体を撮影した医用画像、あるいは加工画像の複数から、各画像の異常陰影の検出に適した異常陰影検出処理20を用いて検出した被写体上の異常陰影の位置を記憶する。異常陰影の位置は、画像上の位置を記憶したものであってもよいが、被写体の位置や被写体の解剖学的な構造を検出して被写体上のどこにあるかを記憶するようにしてもよい。
【0028】
上述のように検出対象となった画像の種類や、異常陰影検出処理の種類によって、同じ被写体の同じ部位を撮影した画像であっても検出できる異常陰影が異なるため、複数の異常陰影検出手段20で同じ病変部の異常陰影を同じ位置で検出する場合もあるが、各異常陰影検出手段20が異なった病変部を検出して同じ位置では検出されない場合もある。
【0029】
複数の異なる異常陰影検出処理20によって得られた複数の結果を参照することによって診断性能は向上するが、上述のように、別の画像からは異なる位置に異常陰影が検出されることがあり、それぞれの結果を別々に確認したのでは、検出された異常陰影が、同じ位置に存在する病変部を検出したものであるか、異なる位置に存在する病変部を検出したものであるかを正確に把握するのは難しい。
【0030】
そこで、異常陰影位置表示手段40は、被写体を撮影した医用画像の1つを基準画像Pとして、この基準画像Pの被写体上に各異常陰影検出処理20によって検出された異常陰影の位置にマークを付して、そのマークが付された画像をコンピュータの表示画面2上に表示する。
【0031】
例えば、図2に示すように、胸部画像の場合には単純X線画像を基準画像Pとして、各異常陰影検出処理20によって検出された異常陰影の位置にマークを表示する。胸部を撮影した単純X線画像と、ネルギーサブトラクションの軟部画像と、経時サブトラクション画像とから検出された異常陰影を基準画像(単純X線画像)P上に表示する場合には、まず、各画像から被写体の胸郭を検出して胸郭の輪郭が一致するようにアフィン変換などで位置合せを行って、基準画像P上に単純X線画像、エネルギーサブトラクションの軟部画像、経時サブトラクション画像のそれぞれから検出された異常陰影の位置に、異常陰影が検出されたことを表すマークを表示する。
【0032】
このマークは異常陰影の検出に用いられた画像毎にマークを変えたものが好ましく、例えば、単純X線画像から検出された異常陰影の位置には「O」を表示し、エネルギーサブトラクションの軟部画像から検出された異常陰影の位置には「E」を表示し、経時サブトラクション画像から検出された異常陰影の位置には「T」を表示する。また、複数の画像から同じ位置で異常陰影が検出された場合には、マークが重ならないように複数表示してもよい。また、マークは、上述の文字に限らず、点や丸などの記号であってもよいし、異常陰影が検出された範囲を囲んだものであってもよい。さらに、検出された画像に応じて、マークの形状を変えたり色を変えたりして区別するようにしてもよい。このように基準画像P上にマークを重ねた画像は、Webページとして生成して表示画面2上に表示するようにしてもよい。
【0033】
対応情報記憶手段50には、基準画像P上に表示したマークと、このマークの位置に存在する異常陰影を検出した医用画像または加工画像とを対応付けた対応情報が記憶される。対応情報として、具体的には、基準画像P上に表示したマークと医用画像または加工画像とを対応付けたをリンク情報としてWebページに埋め込んで記憶するようにする。例えば、図3に示すように、基準画像上にマークを表示した位置、つまり、検出された異常陰影の位置を含む所定の範囲の領域(図3の白線で囲まれた領域)を設定し、設定された領域とこの位置の異常陰影を検出した画像を記憶している場所とをアンカータグなどを用いてリンクさせる。設定する領域は、検出された異常陰影の少なくとも一部を含むように設定されればよく、表示されたマーク上に限らずその周辺の領域を含むようにしてもよい。
【0034】
このように同一画面上に複数の種類の画像(単純X線画像、エネルギーサブトラクションの軟部画像、経時サブトラクション画像など)から検出された異常陰影の位置を表示することによって、各画像から検出された異常陰影がどの場所に存在するかを把握して、同じ場所で検出されたのか、異なる場所から検出されたのかを確認することができる。
【0035】
単純X線撮影画像とエネルギーサブトラクションの軟部画像と経時サブトラクション画像は、いずれも正面画像であるので胸郭が一致するように位置合せ行えばよいが、側面画像やCT撮影装置で撮影した断層画像とでは、撮影するときの姿勢や撮影した向きが正面画像とは異なるため、以下のようにして対応する位置を求めて表示する。
【0036】
被写体を側面から撮影した側面画像と正面画像とでは撮影した向きが違うので、異常陰影の現れた位置の高さが対応づくように表示を行う。具体的には、被写体の胸部を撮影した側面画像から検出した異常陰影の位置を胸部の正面画像上に表示する場合は、側面画像と正面画像から抽出した肺野の最も高い点と最も低い点とが対応するように位置合わせし、正面画像の縦隔上に、側面画像から検出した異常陰影の位置に対応する高さのところにマークを表示する。
【0037】
あるいは、CT画像と正面画像とを対応させて表示する場合には、CT画像で検出された異常陰影の位置を正面画像上に表示する場合は、CT画像を正面画像上に投影させた位置に異常陰影のマークを表示する。
【0038】
指示受付手段60は、表示画面2上に表示された画像上のマークのいずれかが指示されたことを受け付ける。具体的には、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードなどで基準画像P上に設定された領域内の点が指示されたことを受け付ける。あるいは、領域の外の点であっても、最も近い領域が指示されたマークである判定して受け付ける。
【0039】
切替表示手段70は、指示受付手段60でマークが指示されたことを受け付けると、指示されたマークのリンク情報を用いて、マークの位置に存在する異常陰影を検出した医用画像や加工画像を医用画像記憶手段10から読み出して、基準画像Pを異常陰影を検出した画像に切り替えて表示画面2上に表示する。例えば、図4に示すように、指示受付手段60で「E」のマークのところをマウスなどでクリックして指示されたことを受け付けると、ネルギーサブトラクションの軟部画像ESに切替えて表示し、指示受付手段60で「T」のマークのところをマウスなどでクリックして指示されたことを受け付けると、経時サブトラクション画像TSに切替えて表示する。
【0040】
また、複数の画像から同じ位置あるいは近くの位置から異常陰影を検出した場合には、指示受付手段60で受け付けた指示が、どの画像のマークの指示であるかを区別することができない場合がある。その場合には、プルダウンメニューなどで該当する画像の一覧を表示して切替える画像をユーザに指示させた後に、ユーザが指示した画像に切替えて表示する。あるいは、ユーザからの「スペースキー」の入力などの特定の入力が行われるたびに該当する複数の画像を切替えて表示するようにしてもよい。
【0041】
検出位置表示手段80は、異常陰影を検出した医用画像または加工画像上に、その画像から検出した異常陰影の位置にマークを表示する。このマークは、基準画像P上に表示したマークと対応させて、例えば、エネルギーサブトラクションの軟部画像ESには異常陰影を検出した位置に「E」を表示し、経時サブトラクション画像TSには異常陰影の検出された位置に「T」を表示するようにする。
【0042】
以下、図5のフローチャートを用いて、医用画像表示装置1で複数の画像から検出した異常陰影の位置にマークが表示された基準画像と、異常陰影が検出された画像とを切替えて表示する処理の流れについて説明する。
【0043】
医用画像記憶手段10に記憶されている医用画像または加工画像の複数から、各画像に応じた異常陰影検出処理20を用いて異常陰影を検出する(S100)。各画像から検出された異常陰影の位置を異常陰影位置記憶手段30に記憶する。このとき、検出された異常陰影と、その異常陰影が検出された医用画像または加工画像とを対応付けて記憶する(S101)。
【0044】
そこで、医用画像記憶手段10に記憶されている医用画像または加工画像のうちの1つの画像、例えば、単純X線画像を基準画像Pとし、異常陰影位置表示手段40で基準画像Pと異常陰影が検出された医用画像または加工画像(例えば、エネルギーサブトラクションの軟部画像や経時サブトラクション画像)とを位置合せする(S102)。その位置合せ情報と異常陰影位置記憶手段30に記憶されている異常陰影の位置に従って、基準画像Pである単純X線画像上にマークを付けた画像を生成して、例えばWebページとして、異常陰影位置表示手段40で表示する。このとき、マークは検出元の画像がエネルギーサブトラクションの軟部画像であるか、経時サブトラクション画像であるかに応じて変えるようにし、マークの位置に存在する異常陰影を検出した画像とリンクしたリンク情報をWebページなどに埋め込んで表示画面2上に表示する(S103)。
【0045】
ユーザは、表示画面2上に表示された基準画像Pを観察し、必要に応じて基準画像Pである単純X線画像上のマークをマウスなどでクリックして指示すると(S104)、指示受付手段60により指示が受け付けられ、切替表示手段70でマークの位置に存在する異常陰影を検出したエネルギーサブトラクションの軟部画像ESや経時サブトラクション画像TSのWebページに切替えられる(図4参照)。また、切替表示手段70は、複数の画像から同じ位置あるいは近くに異常陰影が検出された場合には、プルダウンメニューなどで該当する画像の一覧を表示して切替える画像をユーザに指示させた後に切り替えるようにする(S105)。このとき、切り替えられた画像上の被写体の位置と基準画像Pの被写体の位置が表示画面2上の同じ位置に来るようにしたもの好ましい。
【0046】
さらに、検出位置表示手段80で、異常陰影を検出した画像上に、その画像から検出した異常陰影の位置にマークを重ねて表示をする(S106)。また、異常陰影の位置に表示したマークは、読影を行う際、読影の妨げとなる場合があるので、必要に応じてマーク消すことができるようにしたものが望ましい。
【0047】
また、異常陰影を検出したエネルギーサブトラクションの軟部画像ESや経時サブトラクション画像TSを表示した後に、例えば、表示画面上に「戻る」と表示された箇所(不図示)をマウスでクリックして、再度、基準画像Pである単純X線画像に切り替える(S107)。再度、基準画像P上の別のマークを指示して他の異常陰影を検出した画像に切り替える(S104〜S106)。
【0048】
本実施の形態では、医用画像表示装置1上で医用画像や加工画像から異常陰影を検出する場合について説明したが、他のCAD装置で医用画像や加工画像から異常陰影を検出した異常陰影の位置とその異常陰影が検出された医用画像または加工画像のデータを、CAD装置から受け取るようにしてもよい。
【0049】
以上、詳細に説明したように、基準画像上に全ての画像から検出された異常陰影の位置をマークすることで、異常陰影の現れた位置関係を確認するとともに基準画像に現れた画像を確認することができる。さらに、各マークを指示することで検出元の画像を表示することで、異常陰影であるか否か正確な診断を行なうことができ、診断性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】医用画像表示装置の概略構成図
【図2】基準画像を表示した図
【図3】基準画像上の異常陰影のマークと異常陰影を検出した画像との対応付けを説明するための図
【図4】基準画像上と異常陰影を検出した画像との切替を説明するための図
【図5】医用画像表示装置の処理の流れを説明するためのフローチャート
【符号の説明】
【0051】
1 医用画像表示装置
2 表示画面
10 医用画像記憶手段
20 異常陰影検出処理
30 異常陰影位置記憶手段
40 異常陰影位置表示手段
60 指示受付手段
70 切替表示手段
80 検出位置表示手段
P 基準画像
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史

【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛


【公開番号】 特開2008−496(P2008−496A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174712(P2006−174712)