トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学

【発明の名称】 超音波診断装置
【発明者】 【氏名】国田 正徳

【氏名】大竹 章文

【要約】 【課題】無線超音波プローブと有線超音波プローブを併用することができる超音波診断装置を提供する。

【構成】受信アンテナ212は、無線超音波プローブから無線送信される信号を受信する。受信された信号は、復調器216などによる処理を経てデータ列再生部218に送られ、エコーデータが再生される。一方、有線超音波プローブ100Aから送信される信号は、ADC206などによる処理を経て、サブデジタルビームフォーマ208において整相加算処理され、エコーデータが形成される。エコーデータ切替部210は、メモリ226に記憶されたエコーデータまたはサブデジタルビームフォーマ208で形成されるエコーデータを選択する。画像形成部232は、エコーデータ切替部210で選択されたエコーデータに基づいて超音波画像を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線超音波プローブから無線送信される信号を受信し、その信号からエコーデータを再生する無線受信部と、
有線超音波プローブからケーブルを介して送信される信号を受信し、その信号からエコーデータを形成する有線受信部と、
無線受信部で再生されるエコーデータまたは有線受信部で形成されるエコーデータを選択するエコーデータ選択部と、
エコーデータ選択部で選択されたエコーデータに基づいて超音波画像を形成する超音波画像形成部と、
を有する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記エコーデータ選択部は、無線超音波プローブから無線送信される信号の受信を無線受信部が確認した場合に、無線受信部で再生されるエコーデータを選択する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記エコーデータ選択部は、当該超音波診断装置の装置本体に有線超音波プローブが接続された場合に、有線受信部で形成されるエコーデータを選択する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記エコーデータ選択部は、当該超音波診断装置の装置本体が備える操作デバイスを介して入力されるユーザからの指示に応じて、無線受信部で再生されるエコーデータまたは有線受信部で形成されるエコーデータを選択する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記エコーデータ選択部は、無線超音波プローブが備える操作デバイスを介して入力されるユーザからの指示に応じて、無線受信部で再生されるエコーデータまたは有線受信部で形成されるエコーデータを選択する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
当該超音波診断装置の装置本体の接続対象となる複数の超音波プローブのリストを表示するプローブリスト表示部をさらに有する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
請求項6に記載の超音波診断装置において、
前記プローブリスト表示部は、接続対象となる複数の超音波プローブのうちの診断に利用されている超音波プローブを特定する表示態様を施したリストを表示する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項8】
請求項6に記載の超音波診断装置において、
前記プローブリスト表示部は、接続対象となる複数の超音波プローブのうちの診断に利用できる状態の超音波プローブを明示する表示態様を施したリストを表示する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項9】
請求項6に記載の超音波診断装置において、
当該超音波診断装置の装置本体の接続対象となる無線超音波プローブの情報が登録されるプローブ情報登録部をさらに有し、
前記プローブリスト表示部は、プローブ情報登録部に登録された無線超音波プローブの情報を参照して接続対象となる複数の超音波プローブのリストを表示する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項10】
請求項9に記載の超音波診断装置において、
前記プローブリスト表示部によって表示される複数の超音波プローブのリストから診断に利用される超音波プローブが選択される、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブから装置本体へ信号が無線送信される超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波プローブで得られたエコーデータなどを装置本体へ無線送信する超音波診断装置(ワイヤレス超音波診断装置)が知られている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
従来のワイヤレス超音波診断装置では、超音波プローブに送信アンテナが取り付けられ、その送信アンテナから、超音波信号などによって変調された無線信号が空間内へ送信される。そして、装置本体に設けられた受信アンテナによってその無線信号が受信され、受信された信号が装置本体内において復調されて画像処理などが行われる。
【0004】
ワイヤレス超音波診断装置によって、超音波プローブと装置本体とを接続するプローブケーブルが無くなることにより、超音波プローブの操作性が飛躍的に向上することが期待されている。しかしながら、ワイヤレス超音波診断装置を具現化するにあたっては、いくつかの克服すべき課題があるのも事実である。
【0005】
【特許文献1】特開2004−141328号公報
【特許文献2】特開昭55−151952号公報
【特許文献3】特開昭53−108690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ワイヤレス超音波診断装置の具現化にあたって克服すべき課題として、無線超音波プローブと有線超音波プローブの併用化を挙げることができる。
【0007】
例えば、エコーデータを無線で装置本体へ送信する無線超音波プローブと、エコーデータをケーブル経由で装置本体へ送信する有線超音波プローブを、同一の装置本体で利用して、診断対象や診断部位に応じて、無線超音波プローブと有線超音波プローブを選択的に利用する形態が想定される。
【0008】
また、例えば、有線超音波プローブのみを備えた装置に、オプションとして無線超音波プローブが追加され、無線超音波プローブと有線超音波プローブを併用する形態も想定される。
【0009】
これらのような形態を実現する場合、装置本体が無線超音波プローブと有線超音波プローブの両者に対応した構成であることを必要とする。さらに、例えば、無線超音波プローブと有線超音波プローブとを混乱が生じないように選択的に利用できることが望ましい。
【0010】
本発明は、このような背景において成されたものである。そして、本発明の目的は、無線超音波プローブと有線超音波プローブを併用することができる超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波診断装置は、無線超音波プローブから無線送信される信号を受信し、その信号からエコーデータを再生する無線受信部と、有線超音波プローブからケーブルを介して送信される信号を受信し、その信号からエコーデータを形成する有線受信部と、無線受信部で再生されるエコーデータまたは有線受信部で形成されるエコーデータを選択するエコーデータ選択部と、エコーデータ選択部で選択されたエコーデータに基づいて超音波画像を形成する超音波画像形成部と、を有することを特徴とする。
【0012】
この構成により、無線超音波プローブと有線超音波プローブを併用することが可能になる。例えば、無線超音波プローブと有線超音波プローブを同一の装置本体で選択的に利用することが可能になる。
【0013】
望ましい態様において、前記エコーデータ選択部は、無線超音波プローブから無線送信される信号の受信を無線受信部が確認した場合に、無線受信部で再生されるエコーデータを選択することを特徴とする。望ましい態様において、前記エコーデータ選択部は、当該超音波診断装置の装置本体に有線超音波プローブが接続された場合に、有線受信部で形成されるエコーデータを選択することを特徴とする。
【0014】
望ましい態様において、前記エコーデータ選択部は、当該超音波診断装置の装置本体が備える操作デバイスを介して入力されるユーザからの指示に応じて、無線受信部で再生されるエコーデータまたは有線受信部で形成されるエコーデータを選択することを特徴とする。望ましい態様において、前記エコーデータ選択部は、無線超音波プローブが備える操作デバイスを介して入力されるユーザからの指示に応じて、無線受信部で再生されるエコーデータまたは有線受信部で形成されるエコーデータを選択することを特徴とする。
【0015】
望ましい態様において、当該超音波診断装置の装置本体の接続対象となる複数の超音波プローブのリストを表示するプローブリスト表示部をさらに有することを特徴とする。望ましい態様において、前記プローブリスト表示部は、接続対象となる複数の超音波プローブのうちの診断に利用されている超音波プローブを特定する表示態様を施したリストを表示することを特徴とする。望ましい態様において、前記プローブリスト表示部は、接続対象となる複数の超音波プローブのうちの診断に利用できる状態の超音波プローブを明示する表示態様を施したリストを表示することを特徴とする。
【0016】
望ましい態様において、当該超音波診断装置の装置本体の接続対象となる無線超音波プローブの情報が登録されるプローブ情報登録部をさらに有し、前記プローブリスト表示部は、プローブ情報登録部に登録された無線超音波プローブの情報を参照して接続対象となる複数の超音波プローブのリストを表示することを特徴とする。望ましい態様において、前記プローブリスト表示部によって表示される複数の超音波プローブのリストから診断に利用される超音波プローブが選択されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明により無線超音波プローブと有線超音波プローブを併用することが可能になる。例えば、無線超音波プローブと有線超音波プローブを同一の装置本体で選択的に利用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
【0019】
図1および図2には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されている。図1は、超音波診断装置の装置本体200と装置本体200にケーブル150を介して接続される有線超音波プローブ100Aの機能ブロック図であり、図2は、図1の装置本体200に無線で接続される無線超音波プローブ100Bの機能ブロック図である。図1および図2を利用して本実施形態の超音波診断装置を説明する。
【0020】
図1に示すように、有線超音波プローブ100Aは、ケーブル150を介して装置本体200に接続されている。有線超音波プローブ100Aは、被検体に対して超音波を送受波する複数の振動子102を備えている。各振動子102には、装置本体200に設けられた図示しない超音波の送信回路などが接続されており、送信回路から出力される信号に応じて、複数の振動子102から超音波パルスが被検体に向けて送波される。そして、複数の振動子102によって、被検体から得られる反射波(エコー)が受波される。
【0021】
複数の振動子102の各々に対応して、装置本体200には、前置増幅器204と主増幅器205とアナログデジタルコンバータ(ADC)206が設けられている。各前置増幅器204と主増幅器205は、対応する振動子102の受波結果を増幅して対応するADC206へ出力する。これにより、各振動子102の各々から得られる受波信号がデジタル化されて複数のADC206からサブデジタルビームフォーマ208へ出力される。
【0022】
サブデジタルビームフォーマ208は、複数のADC206から得られる受波データを整相加算することにより受信ビームフォーミングを行う回路である。本実施形態において、サブデジタルビームフォーマ208は、第一段階目の整相加算処理を行う。つまり、複数の振動子102、例えば64個の振動子102について、隣接する8個の振動子102で構成される振動子群ごとに整相加算処理を行う。そして、8つの振動子群の各々について整相加算処理を行い、各振動子群の整相加算結果を1チャンネルとして、8つの振動子群で合計8チャンネルの整相加算データ(受波データ列)を出力する。
【0023】
サブデジタルビームフォーマ208から出力される8チャンネルの整相加算データは、エコーデータ切替部210を介してメインデジタルビームフォーマ230へ供給される。なお、エコーデータ切替部210は、サブデジタルビームフォーマ208から出力されるデータと、メモリ226から得られるデータのうちの一方を選択的にデジタルビームフォーマ230へ供給するが、メモリ226から得られるデータについては後に詳述する。
【0024】
メインデジタルビームフォーマ230は、サブデジタルビームフォーマ208からエコーデータ切替部210を介して供給される8チャンネルの整相加算データに対して、第二段階目の整相加算処理を実行する。つまり、サブデジタルビームフォーマ208によって形成された8チャンネル分のパラレルデータに基づいて整相加算処理を実行し、全ての振動子102から得られる受波データを纏めて1本のビームデータを形成する。ビームデータは受信ビームごとに次々に形成されて画像形成部232へ出力される。
【0025】
画像形成部232は、受信ビームごとに次々に形成されるビームデータに基づいて、Bモード画像、Mモード画像、ドプラ画像などの超音波画像の画像データを形成する。そして、形成された画像データに対応した超音波画像が表示部234に表示される。
【0026】
このように、本実施形態では、有線超音波プローブ100Aで得られた受波結果(エコーデータ)に基づいて装置本体200が超音波画像を表示する。さらに、本実施形態では図2に示す無線超音波プローブ100Bを利用して超音波診断を行うことができる。
【0027】
図2に示すように、無線超音波プローブ100Bは、被検体に対して超音波を送受波する複数の振動子102を備えている。各振動子102には、図示しない超音波の送信回路などが接続されており、送信回路から出力される信号に応じて、複数の振動子102から超音波パルスが被検体に向けて送波される。そして、複数の振動子102によって、被検体から得られる反射波(エコー)が受波される。
【0028】
複数の振動子102の各々に対応して、増幅器104とアナログデジタルコンバータ(ADC)106が設けられている。各増幅器104は、対応する振動子102の受波結果を増幅して対応するADC106へ出力する。これにより、各振動子102の各々から得られる受波信号がデジタル化されて複数のADC106からサブデジタルビームフォーマ108へ出力される。
【0029】
サブデジタルビームフォーマ108は、複数のADC106から得られる受波データを整相加算することにより受信ビームフォーミングを行う回路である。サブデジタルビームフォーマ108は、第一段階目の整相加算処理を行う。つまり、複数の振動子102、例えば64個の振動子102について、隣接する8個の振動子102で構成される振動子群ごとに整相加算処理を行う。そして、8つの振動子群の各々について整相加算処理を行い、各振動子群の整相加算結果を1チャンネルとして、8つの振動子群で合計8チャンネルの整相加算データ(受波データ列)を出力する。
【0030】
PS変換部110は、サブデジタルビームフォーマ108で形成された8チャンネルの整相加算データをパラレルデータとして受け取り、受け取った8チャンネルのパラレルデータを時間軸方向に一列に並べたシリアルデータに変換する。こうしてシリアルデータに変換された8チャンネル分の整相加算データがPS変換部110から出力される。
【0031】
サブデジタルビームフォーマ108は、次々に出力される受波データを受信ビームごとに整相加算処理する。そのため、サブデジタルビームフォーマ108から、複数の受信ビームに関する整相加算結果が次々に出力され、PS変換部110から複数の受信ビームの整相加算データが時系列順で次々に出力される。
【0032】
そこで、PS変換部110から出力される一連のシリアルデータ内に、各受信ビームの同期データ(フレーム同期信号)が挿入され、シリアルデータ内における受信ビームごとの区切りが設けられる。また、PS変換部110から出力されるシリアルデータ内に、受波データの整相加算結果や受信ビームの同期データに加えて、プローブ設定データなどの情報が挿入される。
【0033】
変調器112は、PS変換部110から出力されるシリアルデータに基づいてPSK(Phase Shift Keying)などのデジタル変調処理を施す。PSKに換えてASK(Amplitude Shift Keying)やFSK(Frequency Shift Keying)などのデジタル変調処理を利用してもよい。そして、変調器112においてデジタル信号により変調された信号が電力増幅器114において電力増幅され、送信アンテナ116から無線信号として送信される。
【0034】
こうして、1チャンネルにまとめられたデジタルエコー信号により変調された無線信号が送信される。例えば、送信キャリア周波数が60GHzで、帯域が1GHz程度の1チャンネルの無線信号が送信される。無線超音波プローブ100Bから出力される無線信号は、図1に示す装置本体200へ送信される。
【0035】
なお、無線超音波プローブ100Bが備える操作パネル122は、ユーザ操作を受け付けるデバイスであり、例えば、複数のボタンスイッチなどで構成される。プローブ制御部120は、無線超音波プローブ100B内の各部を制御する。また、プローブ制御部120は、操作パネル122を介して入力されるユーザ指示に応じて無線超音波プローブ100Bを制御し、必要に応じて、操作パネル122を介して入力されるユーザ指示に応じた制御データを装置本体へ送信する。
【0036】
図1に示すように、装置本体200には受信アンテナ212が設けられており、無線超音波プローブ100Bから送信された無線信号は、受信アンテナ212によって受信され、前置増幅器213を経由して電力増幅器214において電力増幅されてから復調器216へ送られる。復調器216は、PSKなどのデジタル変調処理が施された無線信号に対して復調処理を施す。これにより、無線超音波プローブ100Bの変調器112によって変調される前のデータ、つまり同期信号とプローブ設定データが挿入されたシリアルデータ(シリアルのエコーデータ列)がデータ列再生部218において再生される。
【0037】
同期信号検出部220は、データ列再生部218において再生されるシリアルデータ内に含まれる同期信号を検出する。また、プローブ設定データ認識部222は、データ列再生部218において再生されるシリアルデータ内に含まれるプローブ設定データを検出してその内容を認識する。
【0038】
データ列再生部218においてシリアルのエコーデータ列が再生されると、SP変換部224は、再生されたシリアルのエコーデータ列に含まれる8チャンネルの整相加算データをパラレルデータに変換する。その際、同期信号検出部220から供給されるフレーム同期検出信号に基づいて、エコーデータ列内の超音波ビームごとに区切りのタイミングを確認し、また、エコーデータ列内に含まれるワード同期用ビットの検出タイミングに基づいて、シリアル−パラレル変換を行う。こうして、SP変換部224によって、無線超音波プローブ100Bのサブデジタルビームフォーマ108で形成されたデータに対応する8チャンネルのパラレルデータが復元され、メモリ226に記憶される。
【0039】
メモリ226に記憶されたデータは、メモリ226の後段の処理に応じたタイミングで読み出される。つまり、メモリ226の前段までの処理は、無線超音波プローブ100Bの動作周期で形成された信号を処理するために、無線超音波プローブ100Bの動作周期に合わせた処理タイミングで行われてきた。そこで、メモリ226に記憶されたデータをメモリ226の後段の処理に応じたタイミング、つまり装置本体200の動作周期に応じたタイミングで読み出すことにより、メモリ226の前段と後段において、動作周期の調整(クロック乗り換え)が行われる。なお、メモリ226としては、例えばFIFO(First Input First Output)型のデバイスが利用される。
【0040】
エコーデータ切替部210は、メモリ226から得られるデータとサブデジタルビームフォーマ208から出力されるデータのうちの一方を選択的にメインデジタルビームフォーマ230へ供給する。つまり、有線超音波プローブ100Aに対応したデータと無線超音波プローブ100Bに対応したデータのうちの一方が選択され、メインデジタルビームフォーマ230へ供給される。
【0041】
無線超音波プローブ100Bのデータが選択された場合、メインデジタルビームフォーマ230は、メモリ226に記憶されたパラレルデータを読み出して、第二段階目の整相加算処理を実行する。つまり、無線超音波プローブ100Bのサブデジタルビームフォーマ108によって形成されたデータに相当するパラレルデータをメモリ226から読み出し、読み出した8チャンネル分のパラレルデータに基づいて整相加算処理を実行し、無線超音波プローブ100Bの全ての振動子102から得られる受波データを纏めて1本のビームデータを形成する。ビームデータは受信ビームごとに次々に形成されて画像形成部232へ出力される。
【0042】
画像形成部232は、受信ビームごとに次々に形成されるビームデータに基づいて、Bモード画像、Mモード画像、ドプラ画像などの超音波画像の画像データを形成する。そして、形成された画像データに対応した超音波画像が表示部234に表示される。
【0043】
なお、画像形成部232は、プローブ設定データ認識部222によって抽出されたプローブ設定データに応じたモードで画像形成を行ってもよい。つまり、無線超音波プローブ側に設定された診断モードに応じてBモード画像、Mモード画像またはドプラ画像の画像形成処理を実行して画像データを形成する。また、プローブ設定データに基づいて検出される無線超音波プローブ100Bの設定状態を表示部234が表示してユーザに知らせるようにしてもよい。
【0044】
操作パネル242は、ユーザ操作を受け付けるデバイスであり、例えば、複数のボタンスイッチ、キーボード、トラックボール、マウスなどで構成される。また、本体制御部240は、操作パネル242を介して入力されるユーザ指示などに応じて、装置本体200内の各部を制御する。
【0045】
このように、本実施形態では、有線超音波プローブ100Aと無線超音波プローブ100Bを同一の装置本体200で選択的に利用することができる。つまり、本実施形態の超音波診断装置は、有線超音波プローブ100Aを利用する動作モードと無線超音波プローブ100Bを利用する動作モードを備えている。
【0046】
有線超音波プローブ100Aを利用する動作モード(有線モード)の場合、本実施形態の超音波診断装置は、通常の超音波診断装置とほぼ同じ動作をする。つまり、有線超音波プローブ100Aによって得られた受波データ(エコーデータ)が、ケーブル150を介して装置本体200内に取り込まれ、装置本体200内で各種信号処理を経て、表示部234に超音波画像やデータなどが表示されて診断に利用される。
【0047】
有線モードは、例えば、デフォルト設定されている。また、装置本体200の操作パネル242を介して入力されるユーザ指示に応じて有線モードが設定されてもよい。
【0048】
無線超音波プローブ100Bを利用する動作モード(無線モード)に設定する場合は、例えば、装置本体200の操作パネル242をユーザが操作して動作モードを設定する。この場合、無線超音波プローブ100Bから送信される無線信号が、受信アンテナ212を介して装置本体200内に取り込まれ、復調処理などを経て表示部234に超音波画像やデータなどが表示される。これにより、有線超音波プローブ100Aの場合と類似の超音波画像をユーザに提供することができる。
【0049】
本実施形態において、有線モードと無線モードの選択動作は、上記以外にも様々な態様が存在する。
【0050】
例えば、装置本体200が、無線超音波プローブ100Bから無線送信される信号の受信を確認した場合に、無線モードが選択されるようにしてもよい。つまり、無線超音波プローブ100Bから送信された信号を装置本体200が受信し、データ列再生部218においてデータ列が再生され、プローブ設定データ認識部222がプローブ設定データを検出した場合に、本体制御部240が、検出されたプローブ設定データを受信の確認信号とみなして、動作モードを無線モードに設定する。プローブ設定データが検出されない場合には、無線超音波プローブ100Bから信号が送信されていないと判断して、動作モードを有線モードに設定する。
【0051】
また、例えば、無線超音波プローブ100Bの操作パネル122を介して入力されるユーザ指示に応じて動作モードが設定されてもよい。例えば、操作パネル122に無線モードと有線モードを切り替えるスイッチを設けて、そのスイッチの操作状態に応じて、有線モードと無線モードを切り替える。また、例えば、操作パネル122に設けられた無線超音波プローブ100Bの電源スイッチがON状態となった場合に、装置本体200側を無線モードに切り替えるようにしてもよい。
【0052】
また、有線超音波プローブ100Aが装置本体200に接続されたタイミングで有線モードに切り替えてもよい。例えば、有線超音波プローブ100Aのコネクタボックスが装置本体200に接続されたことを装置本体200が検出した場合に、有線モードに切り替えるようにしてもよい。
【0053】
以上に説明したように、本実施形態では、有線超音波プローブ100Aと無線超音波プローブ100Bを選択的に利用することができる。さらに、本実施形態では、複数の有線超音波プローブ100Aや複数の無線超音波プローブ100Bが装置本体200に接続される利用形態も想定している。
【0054】
装置本体200のプローブ情報登録部244は、装置本体200が接続の対象とする複数の超音波プローブの各々に関する情報を記憶している。例えば、診断に先立って、予め装置本体200の接続対象となる無線超音波プローブ100Bに関するプローブ情報がプローブ情報登録部244に登録される。プローブ情報は、例えば、各プローブの識別番号や各プローブの無線信号の周波数帯域などである。プローブ情報は、例えば、ユーザが操作パネル242を介して入力する。また、各無線超音波プローブ100Bと装置本体200を無線接続し、各無線超音波プローブ100Bから装置本体200内のプローブ情報登録部244にプローブ情報を登録させてもよい。なお、プローブ情報登録部244には、有線超音波プローブ100Aのプローブ情報が登録されてもよい。
【0055】
プローブリスト表示部246は、プローブ情報登録部244に登録された複数の超音波プローブの情報を参照して接続対象となる複数の超音波プローブのリストを表示する。例えば、各超音波プローブごとにそのプローブ状態を示したプローブ状態画像を形成し、いくつかの超音波プローブに関するプローブ状態画像を一画面に収めた表示画像を形成する。その表示画像は、表示部234に表示されてもよいし、タッチパネルなどの操作パネル242に表示されてもよい。
【0056】
プローブリスト表示部246は、例えば、接続対象となる複数の超音波プローブのうちの診断に利用されている超音波プローブを特定する表示態様を施したリストを表示する。つまり、複数の超音波プローブのプローブ状態画像のうち、現時点で診断に利用されている超音波プローブのプローブ状態画像を特定の色(例えば、オレンジ)などで表現する。
【0057】
また、プローブリスト表示部246は、例えば、接続対象となる複数の超音波プローブのうちの診断に利用できる状態の超音波プローブを明示する表示態様を施したリストを表示する。つまり、複数の超音波プローブのプローブ状態画像のうち、装置本体200と接続可能な状態にありながら診断に利用されていない超音波プローブのプローブ状態画像を特定の色(例えば、グリーン)などで表現する。
【0058】
なお、装置本体200と接続可能な状態にありながら診断に利用されていない超音波プローブとは、例えば、無線超音波プローブ100Bであれば、電源が投入されており、且つ、装置本体200との間で無線通信可能な範囲に置かれている場合などである。また、有線超音波プローブ100Aであれば、装置本体200のプローブコネクタに接続されているが、診断には利用されていない状態などである。
【0059】
さらに、プローブリスト表示部246は、例えば、接続対象となる複数の超音波プローブのうちの装置本体200と接続できない状態の超音波プローブを明示する表示態様を施したリストを表示する。つまり、複数の超音波プローブのプローブ状態画像のうち、装置本体200と接続できない状態の超音波プローブのプローブ状態画像を消灯させるなどの表示態様を施す。
【0060】
なお、装置本体200と接続できない状態の超音波プローブとは、例えば、無線超音波プローブ100Bであれば、電源が投入されているが装置本体200と無線通信不可能な範囲に置かれている場合や、あるいは、電源が投入されていない場合などである。また、有線超音波プローブ100Aであれば、装置本体200のプローブコネクタに接続されていない状態などである。
【0061】
以上に説明した例では、プローブ状態画像として、オレンジ、グリーン、消灯の3通りの状態を説明したが、プローブ状態は3通りに限定されない。また、色によるプローブ状態の表現に換えて、LEDやモニタの輝度の強弱などでプローブ状態を表現してもよい。
【0062】
次に、複数の有線超音波プローブ100Aや複数の無線超音波プローブ100Bが装置本体200で利用される場合の超音波プローブの選択処理について説明する。
【0063】
図3は、本実施形態における超音波プローブの選択処理を説明するためのフローチャートである。図3を利用して超音波プローブの選択処理を説明する。なお、図1および図2に示した部分(各機能ブロック)については、それらの符号を利用する。
【0064】
診断の準備が開始されると、診断に先立って、予め装置本体200の接続対象となる無線超音波プローブ100Bに関するプローブ情報がプローブ情報登録部244に登録される(S302)。この際、複数の無線超音波プローブ100Bに関するプローブ情報が登録されてもよい。
【0065】
そして、操作パネル242などを介して、ユーザから、診断に利用する超音波プローブを特定するモードが入力され(S304)、本体制御部240はモード設定動作を開始する(S306)。
【0066】
モード設定動作が開始されると、本体制御部240は、装置本体200と接続可能な状態にある無線超音波プローブ100Bを認識する(S308)。例えば、プローブ情報登録部244に登録されている無線超音波プローブ100Bに関するプローブ情報を参照し、プローブ情報登録部244に登録されている各無線超音波プローブ100Bに対して通信接続を試みて通信接続できたプローブを認識する。
【0067】
また、本体制御部240は、装置本体200と接続可能な状態にある有線超音波プローブ100Aを認識する(S310)。例えば、装置本体200のプローブコネクタに接続されている有線超音波プローブ100Aから、そのプローブに関するプローブ情報を取得し、そのプローブが接続可能な状態にあることを認識する。
【0068】
こうして、S302からS310までのステップにより、現時点で診断に利用できる状態にある複数の超音波プローブが認識される。
【0069】
現時点で診断に利用できる状態にある複数の超音波プローブが認識されると、S304でユーザから指示された指定モードに装置本体200が設定され(S312)、ユーザによって指定された超音波プローブによって診断が開始される(S314)。なお、ユーザによって指定された超音波プローブが診断に利用できる状態でなければ、例えば、その旨を表示部234に表示させてもよい。さらに、プローブリスト表示部246が表示するリストの中から、現時点で診断に利用できる状態にある別の超音波プローブをユーザに選択させてもよい。
【0070】
そして、診断が開始された後にモード変更が必要であれば(S316)、診断に利用する別の超音波プローブを特定するモードが入力され(S318)、再びS306以降のステップが実行される。また、診断が開始された後にモード変更が必要でなければ(S316)、超音波プローブの変更が行われずに診断が続けられて診断が終了する。
【0071】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例えば、以下に示すような効果を奏する。
【0072】
例えば、ワイヤレス超音波プローブ(無線超音波プローブ)と通常の超音波プローブ(有線超音波プローブ)を併用して診断する場合、操作者が、診断部位や患者の特徴、観測のしやすさなどに応じて、任意にプローブを選択することができる。
【0073】
また、最初に、通常の有線の超音波プローブを装備した超音波診断装置を使用し、その後必要に応じてワイヤレス超音波プローブを購入して装置本体に装備し、両者を任意に切り替えて使用できるようになる。この場合、操作者が通常の超音波診断装置とワイヤレスプローブを別々に購入できるので、経済的負担を低減することにも貢献できる。
【0074】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態やその効果は、本発明を説明する上での単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の装置本体と有線超音波プローブの機能ブロック図である。
【図2】本発明に係る無線超音波プローブの機能ブロック図である。
【図3】超音波プローブの選択処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
100A 有線超音波プローブ、100B 無線超音波プローブ、200 装置本体、210 エコーデータ切替部、244 プローブ情報登録部、246 プローブリスト表示部。
【出願人】 【識別番号】390029791
【氏名又は名称】アロカ株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二

【識別番号】100096976
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 純


【公開番号】 特開2008−406(P2008−406A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173460(P2006−173460)