| 【発明の名称】 |
内視鏡先端部牽引装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】須田 祐司
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| 【要約】 |
【課題】腸壁を傷つけることなく内視鏡挿入部を腸の奥の方へと牽引する。
【構成】内視鏡の先端部2に、体外から与えられる回転磁界に同期して回転するマグネットローター6を取り付け、これで羽根車9を駆動する。羽根車は前方から水を取り込んで後方に送り出し、その反力で内視鏡の先端を腸の奥の方に牽引する。水は、内視鏡挿入部に形成される送水チャンネルを通じて外部から供給して腸内に溜めておく。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内視鏡挿入部の先端に、体外から与えられる回転磁界に同期して回転するマグネットローターを取り付け、該マグネットローターに、流体を前側から取り込んで後側に向けて送り出す羽根車を取り付けて成る内視鏡先端部牽引装置。 【請求項2】 羽根車をケーシングで包んで該羽根車の吸込み側に貯水スペースを形成し、このスペースに外部から水を供給するために内視鏡に給水チューブを添設した請求項1に記載の内視鏡先端部牽引装置。 【請求項3】 該羽根車の向きを後方からモニタするための補助内視鏡を該内視鏡挿入部に添設した請求項1または2に記載の内視鏡先端部牽引装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は腸内に内視鏡を挿入しやすくするための内視鏡先端部牽引装置に関する。 【背景技術】 【0002】 大腸内視鏡検査は大腸がんの早期発見に有効であり、多くの医療機関に普及している。しかし、大腸には急な曲がり箇所があって、内視鏡を腸の奥深く挿入するのは技術的に簡単ではない。また、検査中の患者の苦痛が大きいばかりでなく、医療事故の危険性もある。 【0003】 そこで、内視鏡先端部に牽引手段を設け、その牽引力の助けを借りることで内視鏡の挿入を容易にしようとする試みが従来行われている。これは、図7に示すように、内視鏡の先端にマグネットローター6(円筒形の永久磁石)を回転自在に支持し、その周りにゴムひもを螺旋状に巻きつけて螺旋突条30を形成したものである(下記文献参照)。このものでは、体外から磁気トルク、すなわち、マグネットローターの軸周りに回転する磁界を与えることで、マグネットローター6を回転駆動する。螺旋突条30はいわば雄ねじのようなものであり、ローターそれ自体は雄ねじを有するボルトと考えることができる。このボルトが腸壁3に接しながら回転するので、マグネットローターは前進力(牽引力)を得ることができる。この牽引力の助けを借りながら、内視鏡を外から押し込むようにすれば、内視鏡をスムースに腸内に挿入できる。 【非特許文献1】磁気アクチュエータによる大腸内視鏡牽引と腸内観察、日本応用磁気学会誌Vol.28,No.3,2004 【特許文献1】特開2001−179700 【特許文献2】特開2005−319036 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上述のものは、ゴム製とはいえ螺旋突条で腸壁を擦るので、腸壁に傷が付きやすいという欠点がある。この発明は、螺旋突条に代わる内視鏡の牽引手段を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 この発明は、内視鏡の先端部に、体外から与えられる回転磁界に同期して回転するマグネットローターを取り付け、これで羽根車を駆動する。羽根車は前方から流体(水等の液体または空気等の気体)を取り込んで後方に送り出し、その反力で内視鏡の先端を腸の奥の方に牽引する。このように流体を後に押しやって、牽引するようにしたので、腸壁を傷つけることはない。 【0006】 羽根車が吸い込む流体として水が最も使い易いが、この水は、内視鏡挿入部内に形成される送水チャンネルを通じて外部から供給し、腸内に溜めておくようにする。しかし、腸内の容積が大きいので水を溜めるのに時間がかかる。そこで、羽根車の前側(吸込側)をケーシングで包んで水を溜められる貯水スペースを形成し、このスペースに、内視鏡に添設した給水チューブから水を供給するようにしてもよい。 【0007】 内視鏡の挿入をさらに容易にするために、補助内視鏡を内視鏡に添設し、これでマグネットローターを後方からモニタしながら内視鏡屈曲部を操作し、マグネットローターの向きを腸の曲がりに沿わせることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 この発明の牽引装置5は図1に示すように、内視鏡1の挿入部2の先端に取り付けられる。図2、図3は牽引装置5の断面図と正面図であり、符号6がマグネットローターである。マグネットローターは単なる円筒形の永久磁石であり、これが内視鏡挿入部2の周りに自在に回転できるように、間にベアリング7を設ける。このマグネットローター6の外周に、複数枚の翼を有する羽根車9をはめ込む。符号11はマグネットローターおよび羽根車を覆うケーシングであり、その前面には吸引孔12、後面には排出孔13があけてある。 【0009】 図3で内視鏡挿入部2の先端に見えるのは、カメラレンズ15、照明光ガイド16、操作チャンネル17、送気・送水チャンネル18である。 【0010】 回転磁界発生装置20は図4に示すように、立体枠の中に相対向する1対の磁界生成コイル21を3軸方向に配置したものであり、内視鏡検診を受ける患者はスライド台22に載せて該装置の中に搬入される。符号23は回転磁界発生装置20をドライブする電源装置、符号24は制御装置である。 【0011】 大腸がんの検診を行うときは、牽引装置5を肛門から挿入した後、内視鏡挿入部2を順次押し込むようにして、先端部を大腸の内部に進めて行く。内視鏡の先端がS字結腸のような曲がりの急峻な部位に達すると、外から押し込むだけではうまく入っていかなくなる。このような場合に牽引装置の出番になる。 【0012】 まず、内視鏡挿入部の中を通っている送気送水チャンネル17を利用して、内視鏡先端から水を送り、腸の奥を水で満たす。こうしておいて、回転磁界発生装置20を働かせて回転磁場を作り出し、マグネットローター6を回転駆動する。マグネットローターと共に羽根車9が回転して、腸内に溜まっている水を吸い込んで後方に押しやる。これにより牽引装置5が前向きの力を得、内視鏡挿入部を前方に牽引する。こうして、内視鏡挿入部には体外から押し込む力の他に、先端に牽引力を及ぼすことができ、腸の急な曲がり部分も容易に通過させることができる。 【0013】 図5は他の実施例を示すものであり、ケーシング11の前面に吸入口は設けずに、ケーシング内前方スペース25に水を溜められるようにする。内視鏡挿入部2に沿って給水チューブ26を導設し、その先端をスペース25に導入する。 【0014】 このもので体外から給水チューブ26を通して水を送ると、ケーシング内前方スペース25が水で満たされる。したがって、羽根車9を回転駆動することにより、該スペース内の水が羽根車9に吸い込まれ、ケーシング後面の排出孔13を通って後方に排出される。このとき生ずる反力により、内視鏡先端部が前方に牽引される。ケーシング内前方スペース25内に水がなくなったら再び給水するようにして、小刻みに牽引を繰り返す。このものでは、ケーシング内前方スペースの容積が小さいので、チューブから送水することで短時間で水で満たされ、すぐに牽引装置を作動させることができる。 【0015】 図6はまた別の実施例を示すもので、内視鏡挿入部2に沿って副内視鏡(ファイバースコープ)28が添設してあり、これで牽引装置5の状態(向き)を体外でモニタできるようにしたものである。内視鏡は挿入部の先端近くに屈曲部27があり、この部分は内視鏡本体側から操作して自在に曲げることができるようになっている。内視鏡を挿入中、副内視鏡からの映像を見ながら、同図に示すように内視鏡先端を腸の曲がりに沿った方向に向けるようにする。こうして牽引装置5を働かせ、少し進んだらの向きを直し、再び働かせる。こうして内視鏡を小刻みに前進させ、曲がりを通過させることができる。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】先端に牽引装置を取り付けた内視鏡の概念図である。 【図2】牽引装置縦横断面図である。 【図3】牽引装置の横断面図および正面図である。 【図4】回転磁界発生装置の概念図である。 【図5】他の実施例を示す牽引装置縦横断面図である。 【図6】牽引装置の向きをモニタするために副内視鏡を設けた内視鏡の概念図である。 【図7】従来のねじ式牽引装置の側面図である。 【符号の説明】 【0017】 1 内視鏡 2 内視鏡挿入部 3 腸 6 マグネットローター 9 羽根車 11 ケーシング 20 回転磁界発生装置 25 貯水スペース 26 給水チューブ
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| 【出願人】 |
【識別番号】504471942 【氏名又は名称】財団法人仙台市医療センター
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| 【出願日】 |
平成18年6月23日(2006.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080148 【弁理士】 【氏名又は名称】佐竹 良明
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| 【公開番号】 |
特開2008−388(P2008−388A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−173301(P2006−173301) |
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