| 【発明の名称】 |
高周波処置具 |
| 【発明者】 |
【氏名】大谷津 昌行
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| 【要約】 |
【課題】切開と剥離というように2つの処置を行うに当って、高周波処置手段の可撓性シースからの突出長さをそれぞれ最適な長さに調整できるようにする。
【構成】ストッパリング13を装着した可撓性シース2の先端に装着した高周波ナイフ10は第1,第2の電極部材11,12から構成され、第1の電極部材11は基端側が太径部11aで、先端側が細径部11bとからなり、第2の電極部材12の内面側が段差構造になっている。高周波ナイフ10を2段で突出させるために、スライダ5は、第1の駆動部20及び第2の駆動部21と、連動部材22とから構成され、連動部材22の長孔22aに連結用ねじ28を挿通させて、この連結用ねじ28を締め付けて、第1,第2の駆動部20,21間を連結状態となし、第2の駆動部21には第2の駆動部21は本体軸4に固定的に保つための止めねじ29が螺挿されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気絶縁部材からなり、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通可能な可撓性シースに高周波ナイフを装着し、前記可撓性シースに連結した操作手段により、前記高周波ナイフを前記可撓性シースの先端から出没操作する構成とした高周波処置具において、 前記高周波ナイフはテレスコープ状に組み込まれた第1,第2の電極部材から構成され、 前記操作手段は、前記第1,第2の電極部材をそれぞれ移動させる第1,第2の駆動部材と、これら第1,第2の駆動部材間を連動及び連動解除する連動部材とを備え、 前記可撓性シースに前記第2の電極部材の突出長さを規制する第1段規制部を設け、前記第2の電極部材には、前記第1の電極部材のこの第2の電極部材の先端からの突出長さを規制する第2段規制部を設ける 構成としたことを特徴とする高周波処置具。 【請求項2】 前記可撓性シースの先端内面に前記高周波ナイフを導出可能な通路を有するストッパリングを装着し、前記第2の電極部材の基端部には、このストッパリングの基端部に接離可能な構成とすることによって前記第1段規制部としたことを特徴とする請求項1記載の高周波処置具。 【請求項3】 前記第1の駆動部材と前記第1の電極部材との間は第1の伝達部材で連結され、また前記第2の駆動部材と前記第2の電極部材との間は第2の伝達部材で連結されて、前記連動部材によってこれら第1,第2の駆動部材を連動状態とすることによって、前記第1,第2の電極部材を前記第1段規制部の位置まで変位可能となし、前記連動部材による前記第1,第2の駆動部材の連動解除状態とすることにより、前記第1の駆動部材で前記第1の電極部材を前記第2段規制部の位置まで変位可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載の高周波処置具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通されて、病変粘膜の切開及び剥離等の処置を行うために用いられる高周波処置具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 内視鏡検査により食道,胃,十二指腸,大腸等の体腔内壁における粘膜部分に腫瘍等といった病変部が発見された場合、高周波処置具を用いてこの病変粘膜の部位を切除する処置が行われる。この病変粘膜部を除去する処置としては、高周波スネアを用いた内視鏡的粘膜除去法(EMR)が従来から広く行われているが、このEMR法では大きな病変部を一度に除去することができず、数回にわたる処置が必要になり、また病変部の取り残しのおそれもある等の問題点がある。そこで、近年において、高周波ナイフを用いた内視鏡的粘膜剥離切開法(ESD)が行われるようになってきている。このESD法による処置は、粘膜における病変部の周囲を切開し、次いでこの病変粘膜を、粘膜下層の一部を含めて筋層から剥離するという2段階での処置が行われる。このESD法によれば、大きな病変部に対しても、1度の処置で取り残しなく病変粘膜部を完全に除去できるという利点がある。 【0003】 このESD法として用いられる高周波処置具は、電気絶縁性を有する可撓性シースの先端から高周波ナイフを出没できるように構成される。また、この可撓性シースの基端部に操作手段が連結されており、可撓性シースは内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通されるものである。この種の高周波処置具としては、例えば、特許文献1に開示されているものが知られている。この公知の高周波処置具は、可撓性シースの内部に操作ワイヤを挿通させ、この操作ワイヤの先端に、高周波処置手段として、ナイフ部を連結して設けたものからなり、可撓性シースの基端部に操作手段を連結して設ける構成としたものである。操作手段は本体軸に連結して設けたスライダを有し、このスライダには操作ワイヤの基端部を連結し、スライダを本体軸に沿って押し引きすることにより操作ワイヤに連結したナイフ部を可撓性シースの先端から出没させる操作が行われる。 【0004】 ナイフ部としては、棒状電極の先端に円板形状や三角板形状の板状電極を連結して設けたものから構成される。また、棒状電極の先端を折り曲げたフックナイフとして構成したものも示されている。そして、この特許文献1によれば、板状電極を設けたナイフ部を有する処置具を用いることによって、病変粘膜の切開及び剥離という処置を行うことができるとある。さらに、処置を行っている間において、出血部が生じた場合には、板状電極を押し当てることにより、止血も行えるとしている。 【特許文献1】特開2004−313537号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 病変粘膜を切開する際には、粘膜下層の下部に位置する筋層を侵襲しないようにしなければならない。例えば、高周波ナイフに高周波電流を流している状態で筋層と接触すると、筋層への穿孔及びそれに伴う多量の出血が生じる可能性がある。粘膜切開を行う際には、この粘膜層を筋層から離間させるために、生理食塩水やヒアルロン酸等からなる膨隆液を粘膜下層に局注して切開すべき粘膜を膨隆させるのが一般的であるが、局注による膨隆が行われたとしても、なお高周波ナイフによる筋層への侵襲を防止できないことがある。高周波ナイフは可撓性シースの先端から出没可能な構成となっているので、可撓性シースからの高周波ナイフの突出長さを規制すれば、高周波ナイフが筋層に接触しないようになり、もって切開時における処置の安全性が図られる。 【0006】 ここで、可撓性シースの先端からの高周波ナイフの突出長さを規制する場合、その最突出長さは、粘膜の厚み以上であって、粘膜と粘膜下層との合計の厚み以下とすることによって、可撓性シースの先端から高周波ナイフを突出させて、粘膜に押し当てるようにして切開が行われるが、このときに高周波ナイフの先端が筋層にまでは届かないように保持できる。 【0007】 病変粘膜を剥離して除去するに当っては、前述した切開に引き続いて切開した粘膜を剥離しなければならず、この粘膜剥離は粘膜下層に高周波ナイフを潜り込ませて、この粘膜下層を構成する線維質物を切断することにより行われる。このときには、高周波ナイフは粘膜と概略平行な状態に保ちながら、左右にスイングさせるように操作することになる。従って、この粘膜剥離を効率的に行うには、高周波ナイフの可撓性シースからの突出長さはある程度長くするのが望ましい。 【0008】 要するに、ESD法により病変粘膜を切開・剥離する際に、切開を行う際には、可撓性シースからの高周波ナイフの突出長さを制限し、粘膜剥離を行う際には、高周波ナイフの突出長さを長くすることが望ましいが、前述した特許文献1は、高周波ナイフの可撓性シースからの突出長さを処置に応じて変化させる機構を備えていない。 【0009】 本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、切開と剥離というように2つの処置を行うに当って、高周波処置手段の可撓性シースからの突出長さをそれぞれ最適な長さに調整できるようにすることにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 前述の目的を達成するために、本発明は、電気絶縁部材からなり、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通可能な可撓性シースに高周波ナイフを装着し、前記可撓性シースに連結した操作手段により、前記高周波ナイフを前記可撓性シースの先端から出没操作する構成とした高周波処置具であって、前記高周波ナイフはテレスコープ状に組み込まれた第1,第2の電極部材から構成され、前記操作手段は、前記第1,第2の電極部材をそれぞれ移動させる第1,第2の駆動部材と、これら第1,第2の駆動部材間を連動及び連動解除する連動部材とを備え、前記可撓性シースに前記第2の電極部材の突出長さを規制する第1段規制部を設け、前記第2の電極部材には、前記第1の電極部材のこの第2の電極部材の先端からの突出長さを規制する第2段規制部を設ける構成としたことをその特徴とするものである。 【0011】 この高周波処置具を病変粘膜部の切開・剥離という処置を行うために用いるとして、可撓性シースの先端に設けた高周波ナイフにより切開を行う場合には、切開は高周波ナイフで体内組織に切り込むように操作するものであり、従って操作性の観点から、棒状の電極として構成するのが望ましい。また、棒状の電極の先端部分を曲げたフックナイフ、先端に電気絶縁部材を装着したITナイフ等適宜の構造のものも用いることができる。また、剥離は高周波ナイフを左右にスイングさせるようにして操作されるものであり、真っ直ぐ若しくは先端が曲がった棒状の電極が望ましい。 【0012】 粘膜を切開するためには、可撓性シースの先端からの高周波ナイフの突出長さは少なくとも粘膜層の厚み分以上でなければならない。そして、高周波ナイフの先端が筋層に接触しないようにするために、粘膜層と粘膜下層の厚みとの合計寸法以下に設定する。これは第1段目のストロークであり、テレスコープ状となった高周波ナイフを構成する第1,第2の電極部材は縮小状態のままこのように設定された長さ分だけ可撓性シース先端から突出することになる。また、粘膜層を剥離する際には、高周波ナイフは粘膜層及び筋層と平行に近い状態に向けるので、この第1段目に加えて第2段目のストロークにより高周波ナイフをさらに長く突出させる。このときに突出するのは第2の電極部材であり、第1の電極部材は第1段目のストローク端位置に保持される。これによって、効率的な粘膜剥離を行うのに適切な長さ分だけ高周波ナイフが可撓性シースの先端から突出することになる。 【0013】 第1段目のストロークは第1,第2の駆動部材間を連動させ、第2段目のストロークはこのストローク端位置からさらに第1の電極部材を突出させるものであり、この連動部材による連動及び連動解除を行う連動部材の構成は、例えば止めねじやピンを用い、若しくはスナップアクション機構等、工具を使用することなく第1,第2の駆動部材との連動及び連動解除を行えるようにするのが望ましい。 【0014】 第1の駆動部材と第1の電極部材との間は可撓性を有するワイヤ等からなる第1の伝達部材で連結することができる。一方、第2の駆動部材と第2の電極部材との間は第2の伝達部材で連結される。この第2の伝達部材は第1の伝達部材と並列に配置したワイヤで構成することもできるが、第1の伝達部材をワイヤで構成し、第2の伝達部材をチューブ乃至コイルで構成して、ワイヤをその内部に挿通するように構成する方が望ましい。そして、第1,第2の電極部材の少なくとも一方、若しくは両方を導電部材で構成し、高周波電源と電気的に接続する。第1,第2の電極部材はテレスコープ状に連結されているので、相互に接触していることから、第1,第2の伝達部材のいずれか一方を高周波電源に接続するか、または伝達部材は駆動力の伝達のみのために設け、電源供給は別途ケーブルで連結する構成としても良い。 【0015】 第1段及び第2段の各規制部は操作手段側に設けても良いが、可撓性シースの状態如何に拘らず、高周波ナイフを必ず一定の位置までストロークさせるために、少なくとも第1段目の突出量の規制は可撓性シースの先端側で行うのが望ましい。また、テレスコープ状とした第1の電極部材と第2の電極部材との間における突出量の規制も先端側で行う方が望ましい。第1段規制部は可撓性シースの先端に装着したストッパリングで構成することができ、また第2段規制部は第2の電極部材の基端部に第1の電極部材を当接させるように構成することができる。 【発明の効果】 【0016】 高周波処置具を内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通させたままで、粘膜の切開と剥離というような2種類の処置を安全に、しかも効率的に行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、病変粘膜の切開及び剥離を行うための高周波処置具として構成したものについて説明する。なお、本発明の高周波処置具は他の種類の処置を行う場合にも用いることができるのは言うまでもない。そこで、図1に高周波処置具の全体構成を示す。 【0018】 同図において、1は高周波処置具であって、この高周波処置具1は長尺の絶縁チューブからなる可撓性シース2を有し、この可撓性シース2の基端部は操作手段3に連結されている。操作手段3は本体軸4と、この本体軸4に嵌合されて、本体軸4の軸線方向に摺動可能に設けられ、術者の手指で操作可能なスライダ5とから構成される。6は高周波電源であって、この高周波電源6にはケーブル7が着脱可能に接続され、このケーブル7はスライダ5に装着した端子部8に着脱可能に接続されるようになっている。 【0019】 可撓性シース2の先端には、図2に示したように、高周波ナイフ10が装着されている。高周波ナイフ10は、先端が半球面形状となった丸棒状に形成した第1の電極部材11と、この第1の電極部材11に嵌合させた円筒形状の第2の電極部材12とから構成される。第1の電極部材11は基端側が太径部11aで、先端側が縮径された細径部11bとから構成されている。また、円筒形状とした第2の電極部材12は、第1の電極部材11に摺動可能に嵌合されており、その内面側が段差構造になっている。即ち、基端側はこの第1の電極部材11における太径部11aと摺動する基端側の薄肉部12aとなっており、先端側は細径部11bに対して摺動する厚肉部12bとなっている。そして、これら第1,第2の電極部材11,12は、概略第1の電極部材11の半球面部だけが第2の電極部材12から突出した縮小状態と、第2の電極部材12から第1の電極部材11が大きく突出した伸長状態とに変位可能となっている。 【0020】 可撓性シース2の先端内面には、例えばセラミック等、耐熱性があり、硬質の電気絶縁部材からなるパイプ状の部材からなるストッパリング13が挿入されて、接着等の手段により固着されている。このストッパリング13の内径は、第2の電極部材12の外径より僅かに小さい寸法となっており、従って第2の電極部材12はストッパリング13に摺動可能に挿通されている。そして、第2の電極部材12の最基端部は拡径部12cとなっており、この拡径部12cはストッパリング13の内径より大きい寸法を有するものである。 【0021】 以上のように構成することによって、処置を行っていない状態では、高周波ナイフ10は、図2(a)に示したように、可撓性シース2の内部に収納させた退避位置に保持する。この状態から、図2(b)に示したように、第1の電極部材11と第2の電極部材12とを縮小状態に保持して一体的に可撓性シース2から突出させるようにストロークさせると、第2の電極部材12の拡径部12cがストッパリング13の基端面に当接して、高周波ナイフ10は切開作動位置となる。第2の電極部材12はこの状態が最突出した位置であり、従って第2の電極部材12の拡径部12cとストッパリング13の端面とによって第1段規制部が構成される。ここで、この縮小状態では、第2の電極部材12の厚肉部12bと第1の電極部材11の太径部11aとの間に所定の間隔が存在している。 【0022】 第1の電極部材11は、図2(c)に示したように、第2の電極部材12が最突出して、太径部11aが第2の電極部材12の厚肉部12bによる段差部に当接するまでストロークさせることができ、これによって可撓性シース2から最突出した伸長状態となる。このように、第1の電極部材11が第2の電極部材12から最突出した状態が高周波ナイフ10による剥離作動位置である。このときには、この第2の電極部材12に設けた厚肉部12bによる段差と第1の電極部材11に形成した太径部11aの段差とが当接することになり、これが第2段規制部である。 【0023】 このように、第1,第2の電極部材11,12からなる高周波ナイフ10は、2段で突出可能となっている。そして、2段で突出するように操作するために、操作手段3は図3乃至図5に示した構成となっている。即ち、本体軸4に摺動可能に装着されているスライダ5は、第1の駆動部20及び第2の駆動部21と、これら第1,第2の駆動部20,21を連動及び連動解除が可能なように連結する連動部材22とから構成される。そして、図4及び図5に示したように、本体軸4にはそのほぼ全長に及ぶスリット23が設けられており、可撓性シース2内に挿通され、第1の電極部材11に連結した第1の伝達部材としてのワイヤ24及び第2の電極部材12に連結され、このワイヤ24を挿通させた第2の伝達部材としてのコイル25とが本体軸4に穿設した通路部4aからスリット23内に延在されている。 【0024】 スリット23内には、さらに第1の駆動部20に連結した第1の摺動駒26と、第2の駆動部21に連結した第2の摺動駒27とが設けられている。第2の摺動駒27にはコイル25が連結して設けられており、このコイル25の端部からワイヤ24が導出されて、その端部が第1の摺動駒26に連結されている。そして、端子部8は、スライダ5において、その第2の駆動部21に装着されており、この端子部8はコイル25と電気的に接続されている。従って、コイル25は導電性を有する金属線材をコイル状に形成したものからなり、また少なくとも第2の摺動駒27も導電部材で構成されており、コイル25を介して第2の電極部材12が、そしてこの第2の電極部材12に対して摺動可能に当接している第1の電極部材11が端子部8と電気的に接続されている。 【0025】 ここで、第1の駆動部20は、連動部材22を介して第2の駆動部21と連結されており、このために連動部材22は長孔22aを有する長尺板状の部材からなり、その先端部が第2の駆動部21に連設されている。そして、長孔22aには連結用ねじ28が挿通されており、この連結用ねじ28は第1の駆動部20に螺挿されている。従って、この連結用ねじ28を締め付けると、第1,第2の駆動部20,21間が連結した状態となり、また連結用ねじ28を緩めると第1の駆動部20が単独で本体軸4に沿って摺動可能となる。ここで、長孔22aを有する連動部材22は本体軸4を挟んだ両側に設けられており、連結用ねじ28が装着されているのは一方側の連動部材22であって、他方側の連動部材22の長孔22aには第1の駆動部20に設けた突起20aが係合している。さらに、第2の駆動部21には止めねじ29が螺挿されている。従って、この止めねじ29を締め付けると、その先端が本体軸4に圧接されることになる結果、第2の駆動部21は本体軸4に固定的に保持されることになる。 【0026】 以上の構成を有する高周波処置具1は、図6に示したように、観察部Wを有する内視鏡挿入部Sに設けた処置具挿通チャンネルCを介して体腔内に挿入され、例えば食道,胃,十二指腸,大腸等の体腔内壁に病変粘膜が存在する際には、この病変粘膜部を剥離して除去する処置を施すために用いられる。そこで、この病変粘膜を切除する処置の一例について説明する。この処置は、例えば、内視鏡Sによる検査の結果、粘膜に病変部が存在していることが確認されたときに行われる。この処置は粘膜の切開と粘膜剥離との2段階で行われる。 【0027】 まず、粘膜を切開するためには、高周波処置具1の操作手段3を操作して、即ちスライダ5における第1,第2の駆動部20,21を連動部材22により連動する状態として、退避位置から切開作動位置まで変位させる。つまり、連結用ねじ28により第1の駆動部20と第2の駆動部21とを連動部材22を介して連結し、かつ止めねじ29を緩める。これによってスライダ5全体が本体軸4に沿って摺動可能となる。 【0028】 このスライダ5の操作により、図2(b)のように、高周波ナイフ10を構成する第1,第2の電極部材11,12が、第1の電極部材11の半球面部だけが第2の電極部材12から突出した縮小状態となって、可撓性シース2の先端から所定長さだけ突出する。このときの高周波ナイフ10の可撓性シース2からの突出長さは、粘膜層LUの厚みより大きく、粘膜層LUと粘膜下層LMとの合計の厚みより短くなるように設定する。この状態で、高周波電源6から電源を供給することによって、高周波ナイフ10に高周波電流が流れて、粘膜層LUが切開される。 【0029】 可撓性シース2の先端にはストッパリング13が装着されており、このストッパリング13は可撓性シース2の先端面と同じ位置に配置されているので、可撓性シース2の先端の粘膜層LUへの当接面積が大きくなり、この先端面を軽く押し当てることにより粘膜層LUを押圧することがない。また、切開作動位置での高周波ナイフ10の突出長さを規制する第1段規制部は、第2の電極部材12の拡径部12cとストッパリング13の端面との間に設けられており、つまり可撓性シース2の先端部分に設けられているので、この可撓性シース2の先端からの突出長さを極めて正確に調整できる。このように操作することによって、確実に粘膜層LUを切開することができ、かつ高周波ナイフ10は粘膜下層LMより下部位置にある筋層LBに接触する位置まで到達せず、この筋層LBを侵襲することはない。しかも、予め粘膜下層LMに対してヒアルロン酸や生理食塩水等を局注することによって、粘膜下層LMを膨隆させることにより、さらに安全な処置が可能になる。 【0030】 切開は、病変部の全周にわたって行い、その結果病変粘膜における領域の外周部の周囲における粘膜層LUが切開されて、粘膜下層LMが露出した状態となる。ただし、病変粘膜領域Dの全周を切開しただけでは粘膜層LUを除去することはできない。即ち、粘膜層LUと筋層LBとの間は線維性の粘膜下層LMで繋がっているので、この線維を切断することにより筋層LBから剥離する必要がある。 【0031】 この剥離処置は、高周波電源6から高周波ナイフ10に高周波電流を流しながら、可撓性シース2を水平移動させたり、スイング動作させたりすることによって、粘膜下層LMを高周波電流の作用で焼灼するようにして切断する。つまり、高周波ナイフ10は粘膜層LU及び筋層LBと概略平行な方向に延在させる。従って、高周波ナイフ10を可撓性シース2の先端からある程度大きく突出させても、筋層LBを侵襲するおそれはなく、むしろ粘膜剥離を効率的に行うためには、可撓性シース2からの高周波ナイフ10の突出長さをより長くする必要がある。 【0032】 以上のことから、スライダ5を構成する第2の駆動部21を切開作動位置とした状態で、止めねじ29を締め付けることによって、この第2の駆動部21を本体軸4に対して固定する。また、連結用ねじ28を緩めて、連動部材22による第1,第2の駆動部20,21間の連結を解除する。この状態で、第1の駆動部20を本体軸4に沿って摺動させると、第2の電極部材12は可撓性シース2の先端から突出した状態に保たれ、かつ第1の電極部材11が筒状となった第2の電極部材12から突出する。これによって、第2の電極部材12に設けた厚肉部12bによる段差と第1の電極部材11に形成した太径部11aの段差とからなる第2段規制部を当接させた高周波ナイフ10が伸長状態となった剥離作動位置となる。 【0033】 この状態で、高周波ナイフ10をスイング動作させることによって、粘膜下層LMを剥離する。ここで、高周波ナイフ10としては、可撓性シース2の先端から第2,第1の電極部材12,11が大きく突出しており、しかもこれら両電極部材12,11に高周波電流が供給されるので、粘膜剥離の処置を効率的に行うことができる。そして、この高周波ナイフ10をスイングさせる動作は内視鏡挿入部Sの先端部分を湾曲させる等の操作によって、容易に行うことができる。これによって、迅速かつ効率的に粘膜剥離が行われることになる。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】本発明の実施の一形態を示す高周波処置具の全体構成図である。 【図2】図1の高周波処置具の先端部分の断面図である。 【図3】高周波処置具の操作手段側の正面図である。 【図4】高周波処置具における操作手段の本体軸におけるスリット方向の断面図である。 【図5】図4のX−X部の拡大断面図である。 【図6】本発明の実施の一形態を示す高周波処置具を内視鏡の処置具挿通チャンネルから導出させた状態を示す外観図である。 【図7】高周波処置具を用いて切開を行っている状態を示す組織の断面図である。 【図8】粘膜剥離を行っている状態を示す組織の断面図である。 【符号の説明】 【0035】 1 高周波処置具 2 可撓性シース 3 操作手段 4 本体軸 6 高周波電源 10 高周波ナイフ 11 第1の電極部材 12 第2の電極部材 13 ストッパリング 20 第1の駆動部 21 第2の駆動部 22 連動部材 24 ワイヤ 25 コイル 26 第1の摺動駒 27 第2の摺動駒 28 連結用ねじ 29 止めねじ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005430 【氏名又は名称】フジノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月23日(2006.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089749 【弁理士】 【氏名又は名称】影井 俊次
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| 【公開番号】 |
特開2008−386(P2008−386A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−173269(P2006−173269) |
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