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【発明の名称】 出力装置、出力装置の制御方法、出力装置の制御プログラム、出力装置の制御プログラムを記録した記録媒体
【発明者】 【氏名】谷口 司

【要約】 【課題】測定対象者の行動パターンを、把握しやすい出力態様で提示することができる出力装置を実現する。

【構成】本発明の行動パターン提示装置1は、測定対象者の行動態様に起因して生じる振動回数と振動強度とを検出し、この行動態様を示す表示データを出力するものであり、振動回数および振動強度に応じて規定された表示色となるように表示データを生成する表示制御部24と、生成した表示データを、振動回数と振動強度との検出順に時系列で出力する出力処理部4と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象者の行動態様に起因して生じる、複数種類の振動情報を検出し、該測定対象者の行動態様の相違を、色および出力濃度のうちの少なくとも1つで示す行動態様情報を出力する出力装置であって、
上記振動情報の種類ごとに、該振動情報の値に応じた、色および出力濃度のうちの少なくとも1つの出力状態を規定するパラメータが設定されており、
検出した振動情報に基づき、該振動情報の種類ごとに設定された上記パラメータにより規定された出力状態をそれぞれ組み合わせて、上記行動態様情報を生成する生成手段と、
上記生成手段によって生成された行動態様情報を、上記振動情報の検出順に時系列で出力する出力手段と、を備えることを特徴とする出力装置。
【請求項2】
測定対象者の行動態様の類型である行動タイプと、該行動タイプを区別する振動情報との対応関係を示す行動タイプ情報を記憶する記憶装置と、
上記行動タイプ情報に基づき、他の行動タイプに切り替わる変化点を設定する変化点設定手段とを備え、
上記生成手段は、上記変化点設定手段によって設定された変化点となる振動情報の値の前後で、出力状態が異なるように、該出力状態を規定するパラメータの設定を変更させ、上記行動態様情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の出力装置。
【請求項3】
特定の測定対象者の行動態様に関わる情報である特定測定対象者情報を受け付ける受け付け手段をさらに備え、
上記変化点設定手段は、上記受け付け手段によって受け付けた上記特定測定対象者情報に応じて、上記変化点を変更して設定することを特徴とする請求項2に記載の出力装置。
【請求項4】
上記複数種類の振動情報とは、測定対象者から検出した所定期間における振動の発生回数である振動回数と、該振動の大きさを示す振動強度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の出力装置。
【請求項5】
上記測定対象者の行動態様に起因して生じる振動情報とは、該測定対象者から検出した所定期間における振動の発生回数である振動回数を含んでおり、
上記行動タイプ情報は、行動タイプとして歩行と、振動情報として10秒間の振動回数が30〜50回であるという情報とが対応付けられた情報であることを特徴とする請求項2に記載の出力装置。
【請求項6】
上記出力手段から出力された行動態様情報に基づく表示を行う表示部をさらに備え、
上記生成手段は、上記表示部の表示性能に応じて、生成した行動態様情報に対して、平均、選択、合成、間引き、およびフィルタ処理のうち、少なくとも1つの処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の出力装置。
【請求項7】
測定対象者の行動態様に起因して生じる、複数種類の振動情報を検出し、該測定対象者の行動態様の相違を、色および出力濃度のうちの少なくとも1つで示す行動態様情報を出力する出力装置の制御方法であって、
上記振動情報の種類ごとに、該振動情報の値に応じた、色および出力濃度のうちの少なくとも1つの出力状態を規定するパラメータが設定されており、
検出した振動情報に基づき、該振動情報の種類ごとに設定された上記パラメータにより規定された出力状態をそれぞれ組み合わせて、行動態様情報を生成するステップと、
上記行動態様情報を生成するステップにより生成した行動態様情報を、上記振動情報の検出順に時系列で出力するステップと、を含むことを特徴とする出力装置の制御方法。
【請求項8】
請求項1〜6いずれか1項に記載の出力装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための出力装置の制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の出力装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象者の行動態様に起因して生じる振動情報を検出し、該測定対象者の行動態様を示す行動態様情報を出力する出力装置、出力装置の制御方法、出力装置の制御プログラム、出力装置の制御プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、振動センサや脈波計測器などのように、常に人体状態を計測して人の健康を維持、向上させるための、いわゆる生体センサの開発が進んでいる。例えば、「Ambulatory monitoring」社製の「アクティグラフ(Actigraph)」は、振動センサを内蔵した腕時計型の体動取得装置で、生活パターン、不眠、あるいは注意欠陥/多動性障害(ADHD:Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)の診断に使われている。
【0003】
この「アクティグラフ」は、所定期間中での振動数等複数種類のデータを取得できるとともに、この取得したデータの種類ごとに棒グラフ、あるいは円グラフ等でデータの可視化を行うことができる。
【0004】
このような生体情報を可視化する技術としては、例えば、消費エネルギーの推移を折れ線グラフで表示したり、行動パターン判定(ジョギング、散歩、安静)を行い、棒グラフの棒の濃淡を変化させて表示したりする手法が開示されている(例えば、特許文献1)。また、行動パターンの判定後に、該判定結果を表示領域に固定の表示色で描画するとともに、生理学データの表示領域を隣り合わせて表示する技術も開示されている(例えば、特許文献2)。
【0005】
また、人体の状態を計測して運動種の形態(行動パターン)を判別する技術として、例えば、特許文献3では、進行方向加速度と、上下方向加速度とから、これら加速度の強度を算出するとともに、これら加速度の強度から運動種の形態を判別する体動検出装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−205167号公報(2005年8月4日公開)
【特許文献2】特開平10−137208号公報(1998年5月26日公開)
【特許文献3】特開平11−42220号公報(1999年2月16日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の構成では、センサ等から得た情報に基づき人の行動パターンを示す場合、該行動パターンを示す情報を評価者が把握しやすいように適切に表示させることができないという問題を生じる。
【0007】
具体的には、上記した「アクティグラフ」では、データ種別毎にグラフが生成されるため、評価者は複数のグラフを見比べる必要が生じる。このため、特にデータ種が多い場合、「アクティグラフ」の計測値から得られた結果に対する理解等が困難となる。また画面の表示領域が複数のグラフで占有されることで各グラフが小さくなり評価者の認識力も低下するといった問題がある。
【0008】
また、上記特許文献1では、例えば、数年間分の生活リズムデータの可視化において、折れ線グラフや棒グラフを用いており、生活リズムパターンなどの長期データに対する直感的な理解には向かない。また、上記特許文献2では、データ種別毎に独立の表示領域を設ける構成であるため、表示させるデータ種が多い場合は、表示領域が多種形成されることとなり、視認性が悪くなるといった問題が生じる。
【0009】
このように、センサ等から得た情報に基づき人の行動パターンを示す場合、従来の技術では、該行動パターンを示す情報を評価者が把握しやすい出力態様で提示することができない。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定対象者の行動パターンを、把握しやすい出力態様で提示することができる出力装置、出力装置の制御方法、出力装置の制御プログラム、および出力装置の制御プログラムを記録した記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る出力装置は、上記した課題を解決するために、測定対象者の行動態様に起因して生じる、複数種類の振動情報を検出し、該測定対象者の行動態様の相違を、色および出力濃度のうちの少なくとも1つで示す行動態様情報を出力する出力装置であって、上記振動情報の種類ごとに、該振動情報の値に応じた、色および出力濃度のうちの少なくとも1つの出力状態を規定するパラメータが設定されており、検出した振動情報に基づき、該振動情報の種類ごとに設定された上記パラメータにより規定された出力状態をそれぞれ組み合わせて、上記行動態様情報を生成する生成手段と、上記生成手段によって生成された行動態様情報を、上記振動情報の検出順に時系列で出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
なお、上記行動態様とは、測定対象者の任意の状態であり、例えば、歩行中、走行中、乗り物に乗車中等、行動タイプの相違に応じてこの行動態様も変化することとなる。
【0013】
また、行動態様の相違を色で示すとは、例えば色の相違、色の濃淡の相違によって示すことを含む。また、行動態様の相違を出力濃度で示すとは、例えば、表示領域において同一形状の表示パターンを複数配して示す場合は、該表示領域内における表示パターンの密度等の相違によって示すことを含む。
【0014】
上記構成によると、生成手段を備えているため、検出した振動情報の種類ごとに応じたパラメータにより規定された出力状態をそれぞれ組み合わせた、上記行動態様情報を生成することができる。すなわち、測定対象者の行動に起因する振動情報を所定の出力状態に変換させ、該出力状態から測定対象者の行動態様を示唆することができる。
【0015】
また、出力手段を備えているため、測定対象者の行動態様を示唆する行動態様情報を上記振動情報の検出順に時系列で出力することができ、行動態様の変化を示すことができる。
【0016】
よって、本発明に係る出力装置は、測定対象者の行動パターンを、把握しやすい出力態様で提示することができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明に係る出力装置は、上記した構成において、測定対象者の行動態様の類型である行動タイプと、該行動タイプを区別する振動情報との対応関係を示す行動タイプ情報を記憶する記憶装置と、上記行動タイプ情報に基づき、他の行動タイプに切り替わる変化点を設定する変化点設定手段とを備え、上記生成手段は、上記変化点設定手段によって設定された変化点となる振動情報の値の前後で、出力状態が異なるように、該出力状態を規定するパラメータの設定を変更させ、上記行動態様情報を生成するように構成されていることが好ましい。
【0018】
上記構成によると、変化点設定手段を備えるため、行動タイプを区別する位置を特定することができる。また、生成手段が、上記変化点となる振動情報の値の前後で、出力状態が異なるように、該出力状態を規定するパラメータの設定を変更させることができるため、行動タイプの切り替わりを明確に示すことができる。
【0019】
よって、本発明に係る出力装置は、測定対象者の行動パターンを、行動タイプの相違が区別できるような出力態様で提示することができる。
【0020】
また、本発明に係る出力装置は、上記した構成において、特定の測定対象者の行動態様に関わる情報である特定測定対象者情報を受け付ける受け付け手段をさらに備え、上記変化点設定手段は、上記受け付け手段によって受け付けた上記特定測定対象者情報に応じて、上記変化点を変更して設定するように構成されていることが好ましい。
【0021】
上記特定測定対象者情報とは、特定の測定対象者の身長、性別、年齢等、行動態様に影響を与える要素に関する情報である。
【0022】
上記構成によると、上記変化点設定手段が、上記特定測定対象者情報に応じて、上記変化点を変更することができるため、特定の測定対象者の行動態様に応じた変化点とすることができる。
【0023】
よって、本発明に係る出力装置は、特定の測定対象者の行動パターンを、行動タイプが区別できるような出力態様で評価者に提示することができる。
【0024】
また、本発明に係る出力装置は、上記した構成において、上記複数種類の振動情報とは、測定対象者から検出した所定期間における振動の発生回数である振動回数と、該振動の大きさを示す振動強度であることが好ましい。
【0025】
上記構成によると、振動情報が、所定期間の振動回数と振動強度であるため、振動回数から所定期間の歩数を、また振動強度から運動の激しさ、または消費カロリを示す指標を得ることができる。このため、これら振動回数と振動強度との組み合わせにより測定対象者の行動タイプを知ることができる。
【0026】
また、本発明に係る出力装置は、上記した構成において、上記測定対象者の行動態様に起因して生じる振動情報とは、該測定対象者から検出した所定期間における振動の発生回数である振動回数を含んでおり、上記行動タイプ情報は、行動タイプとして歩行と、振動情報として10秒間の振動回数が30〜50回であるという情報とが対応付けられた情報であることが好ましい。
【0027】
人が歩行する場合、10秒間に30〜50回の振動が生じる。このため、測定した振動回数が30〜50回である場合は、逆に測定対象者の行動パターンとして歩行を想定することができる。
【0028】
すなわち、所定期間において生じる振動回数と、行動パターン、特には、10秒間における振動回数の範囲(30〜50回)と、歩行という行動パターンとは関連性がある。そして、これら両者の対応関係を振動情報として含めている場合、測定した振動回数を歩行という行動パターンを特定する指標とすることができる。
【0029】
また、本発明に係る出力装置は、上記した構成において、上記出力手段から出力された行動態様情報に基づく表示を行う表示部をさらに備え、上記生成手段は、上記表示部の表示性能に応じて、生成した行動態様情報に対して、平均、選択、合成、間引き、およびフィルタ処理のうち、少なくとも1つの処理を行うように構成されていることが好ましい。
【0030】
上記構成によると、上記生成手段が、表示部の表示性能に応じて、生成した行動態様情報に対して、平均、選択、合成、間引き、およびフィルタ処理のうち、少なくとも1つの処理を行うことができるため、表示部に出力する行動態様情報のデータ量を適切なものとすることができる。このため、効率よく測定対象者の行動パターンを表示させることができる。
【0031】
本発明に係る出力装置の制御方法は、上記した課題を解決するために、測定対象者の行動態様に起因して生じる、複数種類の振動情報を検出し、該測定対象者の行動態様の相違を、色および出力濃度のうちの少なくとも1つで示す行動態様情報を出力する出力装置の制御方法であって、上記振動情報の種類ごとに、該振動情報の値に応じた、色および出力濃度のうちの少なくとも1つの出力状態を規定するパラメータが設定されており、検出した振動情報に基づき、該振動情報の種類ごとに設定された上記パラメータにより規定された出力状態をそれぞれ組み合わせて、行動態様情報を生成するステップと、上記行動態様情報を生成するステップにより生成した行動態様情報を、上記振動情報の検出順に時系列で出力するステップと、を含むことを特徴とする。
【0032】
よって、本発明に係る出力装置の制御方法は、測定対象者の行動パターンを、把握しやすい出力態様で提示することができるという効果を奏する。
【0033】
なお、上記出力装置が備える各手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記出力装置をコンピュータにて実現させる出力装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る出力装置は、以上のように、測定対象者の行動態様に起因して生じる、複数種類の振動情報を検出し、該測定対象者の行動態様の相違を、色および出力濃度のうちの少なくとも1つで示す行動態様情報を出力する出力装置であって、上記振動情報の種類ごとに、該振動情報の値に応じた、色および出力濃度のうちの少なくとも1つの出力状態を規定するパラメータが設定されており、検出した振動情報に基づき、該振動情報の種類ごとに設定された上記パラメータにより規定された出力状態をそれぞれ組み合わせて、上記行動態様情報を生成する生成手段と、上記生成手段によって生成された行動態様情報を、上記振動情報の検出順に時系列で出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0035】
よって、本発明に係る出力装置は、測定対象者の行動パターンを、把握しやすい出力態様で提示することができるという効果を奏する。
【0036】
本発明に係る出力装置の制御方法は、以上のように、測定対象者の行動態様に起因して生じる、複数種類の振動情報を検出し、該測定対象者の行動態様の相違を、色および出力濃度のうちの少なくとも1つで示す行動態様情報を出力する出力装置の制御方法であって、上記振動情報の種類ごとに、該振動情報の値に応じた、色および出力濃度のうちの少なくとも1つの出力状態を規定するパラメータが設定されており、検出した振動情報に基づき、該振動情報の種類ごとに設定された上記パラメータにより規定された出力状態をそれぞれ組み合わせて、行動態様情報を生成するステップと、上記行動態様情報を生成するステップにより生成した行動態様情報を、上記振動情報の検出順に時系列で出力するステップと、を含むことを特徴とする。
【0037】
よって、本発明に係る出力装置の制御方法は、測定対象者の行動パターンを、把握しやすい出力態様で提示することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明の一実施形態について図1ないし図17に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、測定対象者から検出した、振動回数と振動強度とに応じて、該測定対象者の行動態様を色で示し、行動パターンを提示する装置である。なお、行動態様とは、測定対象者の行動の様子であり、例えば、歩行中、走行中、乗り物に乗車中等、行動タイプの相違に応じてこの行動態様も変化することとなる。また、行動パターンとは、測定対象者の上記行動態様の変化を示すものである。
【0039】
本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、図2に示すように測定対象者の腰部等、該測定対象者の行動態様の変化に応じて振動状態が変化する部位に装着され利用される。なお、この図2は、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1の装着方法の一例を示す図である。
【0040】
ところで、行動パターン提示装置1により検出した振動回数を縦軸、振動強度を横軸とし、2次元平面にマッピングした場合、図3(a)および図3(b)に示すように、測定対象者の行動タイプに応じて振動回数と振動強度との組み合わせの分布が特定範囲となることがわかる。
【0041】
これは、振動回数により測定対象者の運動時における歩数を、振動強度によって運動の激しさ、または消費カロリを示す指標とすることができ、これら2つの組み合わせにより測定対象者の行動態様が属する行動タイプを示すことができるということを意味する。
【0042】
例えば、所定時間における歩行中の人から測定した振動強度と振動回数との関係は、図3(a)に示すように振動回数が30〜50の範囲に分布する。なお、この図3(a)では、0秒間における振動回数と振動強度との組み合わせの分布を示しており、振動回数を示す縦軸の1目盛は、10回単位で設定されている。また、1歩進むにあたり、振動が2回生じるため、歩行中の人は、10秒間に上記振動回数の半分である15〜25歩進むこととなる。
【0043】
一方、乗り物に乗車中の人から測定した振動強度と振動回数との関係は、図3(b)に示すように、振動強度が小さい領域に分布している。なお、図3は、測定対象から検知した振動回数と振動強度との関係を示すグラフであり、同図(a)は、歩行中の測定対象者から検知した振動回数と振動強度との関係を示し、同図(b)は、乗り物に乗車中の測定対象者から検知した振動回数と振動強度との関係を示す。
【0044】
このように、振動強度と振動回数との組み合わせによる分布は、人の行動タイプに応じて、例えば図4に示すように特定範囲に分類できる。この図4は、測定対象者の行動タイプごとに応じた、振動強度と振動回数との組み合わせの分布を示すグラフである。
【0045】
より具体的には、運動強度に加え振動回数を考慮することにより乗り物と軽作業とを分離することができるようになり、振動回数に運動強度が考慮されることにより乗り物と歩行が分離できるようになる。このように分類される行動タイプの種類を増やすことが出来、より正確に行動タイプを判別できるようになる。
【0046】
そこで、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、上記した振動回数と振動強度との組み合わせを数値化し、該数値に対応する色の表示データに変換する。そして、この表示データによって、測定対象者の行動パターンを直感的に把握できるようにしている。
【0047】
すなわち、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1の有する大きな特徴は、測定対象者の行動タイプの判定を行うことなく、検出された振動回数および振動強度の値に基づき表示データを生成する。そして、この表示データにより行動態様を提示するとともに、該行動態様を時系列で表示することで、測定対象者の行動パターンを評価者が直感的に把握でき点である。
【0048】
(行動パターン提示装置の構成)
以下において、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1の構成について、図1および図5を参照して説明する。この図5は、本発明の実施形態を示すものであり、行動パターン提示装置1の要部構成を示すブロック図である。また、図1は、本発明の実施形態を示すものであり、「行動パターン提示処理」に係る行動パターン提示装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0049】
図5に示すように、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、振動検出部2、入力部3、出力処理部4、主制御部5、表示装置6、および記憶装置7を備えてなる構成である。
【0050】
上記振動検出部2は、当該行動パターン提示装置1を装着した測定対象者から振動を検出するものである。この振動検出部2は、例えば、加速度センサ等によって実現できる。振動検出部2は、検出した振動の値を主制御部5に送信する。
【0051】
上記入力部3は、測定対象者からの情報を受け付ける入力手段であり、例えば、タッチパネル、キーボード、操作ボタン、操作キー、あるいはマウス等により実現できる。入力部3において受け付けた測定対象者からの情報は、主制御部5に出力される。本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、この入力される情報として、例えば、図6に示す、測定対象者の年齢、性別、および識別番号等を含む測定対象者情報8が挙げられる。なお、この情報として、さらに測定対象者の身長、体重、出身地域、または職業等の情報を含んでいてもよい。
【0052】
また、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、入力部3において、この測定対象者情報8の入力に際して、入力内容が確認できるように、入力すべき項目と内容とを表示する図7に示す入力画面が備えられている。
【0053】
出力処理部4は、主制御部5からの制御指示に応じて、該主制御部5から受信した表示データ(行動態様情報・色情報)を表示装置6に出力し、表示させるように制御するものである。
【0054】
表示装置6は、出力処理部4から出力された表示データに基づく表示を行うものであり、例えば、液晶、CRT、有(無)機ディスプレイ等により実現できる。なお、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、振動回数および振動強度に応じた色を表示する構成であるため、この表示装置6はカラーディスプレイが想定されている。
【0055】
主制御部5は、行動パターン提示装置1が有する各部の各種処理を制御するものであり、例えばCPU等によって実現することができる。なお、この主制御部5の詳細な説明は後述する。
【0056】
記憶装置7は、読み書き可能な記録媒体であり、例えばHDDまたはフラッシュEEPROM等によって実現できる。この記憶装置7は、図5に示すように、振動検出部2によって検出された振動の値に基づき算出された振動情報10、入力部3によって受け付けた測定対象者情報8、ならびに平均的な人の行動タイプと上記振動情報10との対応関係を示す体動情報(行動タイプ情報)9を記憶している。
【0057】
上記振動情報10とは、検出された、所定期間における振動の大きさおよび振動回数を、この検出した時間と対応付けて記憶した情報である。
【0058】
上記体動情報9とは、平均的な人の体動を示す情報であり、より具体的には、平均的な人の歩行、乗車中、または走行等の行動タイプと上記振動情報10との対応関係を示す情報を含む。このため、この体動情報9を参照することにより、振動回数および振動強度の組み合わせから平均的な人の行動タイプに関する情報を取得することができる。
【0059】
なお、図5に示す行動パターン提示装置1では、上記振動情報10、測定対象者情報8、および体動情報9を同一の記憶装置7に記憶させているが、それぞれが別々に備えられた記憶装置7にそれぞれ記憶されている構成であってもよい。
【0060】
次に、検出した振動情報10を表示データに変換し、測定対象者の行動パターンを提示する「行動パターン提示処理」について詳細に説明する。まず、図1を参照して本発明に係る行動パターン提示装置1の構成について説明する。
【0061】
(行動パターン提示処理に係る行動パターン提示装置1の構成)
図1に示すように、行動パターン提示装置1では、主制御部5が機能ブロックとして、取得部22、振動情報算出部21、表示設定部23、および表示制御部24を備えてなる構成である。なお、これら機能ブロックは、主制御部5が例えばCPUの場合、該CPUが不図示のROM等に格納されたプログラムを不図示のRAM等に読み出し実行することにより実現することができる。
【0062】
上記取得部22は、入力部3から入力された測定対象者情報8等の各種情報を取得するものであり、測定対象者情報8を取得すると記憶装置7に記憶させる。なお、この取得部22は、上記測定対象者情報8のほかに、表示状態を試験的に変更させるためのテストデータ情報もあわせて記憶装置7に記憶してもよい。また、この取得部22と入力部3とによって受け付け手段を実現する。
【0063】
また、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、特定の測定対象者に関する測定対象者情報8を記憶装置7に記憶する構成であるが、記憶装置7の記憶容量が大きい場合、さらに他の測定対象者の測定対象者情報8もあわせて記憶する構成であってもよい。このように、他の測定対象者の測定対象者情報8も予め記憶しておくことで、測定対象者が変わった場合わざわざ測定対象者情報8を入力する処理を省略することができる。
【0064】
振動情報算出部21は、振動検出部2が検知した振動に基づき、振動回数および振動強度を算出するものである。より具体的には、振動情報算出部21は、図8(a)および図8(b)に示すように、振動検出部2から出力される、帯域制限された検知結果に対して、任意の区間ごとにゼロ値(0・0G)を交差する振動回数、振動強度を算出する。
【0065】
なお、この図8は、任意の区間における、振動検出部2による検知結果を示すグラフであり、同図(a)は、検知結果と振動回数との関係を示し、同図(b)は、検知結果と振動強度との関係を示す。
【0066】
例えば、図8(a)に示すように、振動検出部2による検出結果のAC成分(例えば、ここでは2Hz〜3Hzの帯域信号を想定する)を点線としたとき、上記振動回数は、所定の期間中(10秒間とする)において0.0Gと交差する回数となる。つまり、振動回数は、図8(a)において「丸」で示した部分が交差する箇所であり、期間aおよび期間bではそれぞれ1回、期間cでは2回となる。
【0067】
なお、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、この振動回数を算出する基準を、0.0Gとするが、例えば、「Ambulatory monitoring」社製の「アクティグラフ」のように、加速度センサの振動検出精度や雑音を考慮して正確に0.0Gではなく、0.01G/rad/secのようにオフセットを設けてもよい。一方、振動強度は、図8(b)の斜線で示すように0.0Gと波形との間に囲まれた面積に相当する。
【0068】
なお、一般的には、振動検出部2が、小刻みな揺れを検出すると振動回数が大きくなり、大きくゆれると振動強度が増す傾向にある。
【0069】
振動情報算出部21は、上記のようにして算出した振動回数および振動強度を振動情報10として、振動検出部2による検出タイミングを示す時間と対応づけて記憶装置7に記憶させる。つまり、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、図9に示すように、振動の検知開始時刻(時間)と、この時間に対応して振動回数、振動強度、および振動の測定期間が記録される。この図9は、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1が記憶装置7に記憶する振動情報10の一例を示す図である。
【0070】
なお、振動情報10では、上記した測定期間の時間間隔が予め決められている場合はこの測定期間に関する情報を省略してもよい。また、この記憶装置7における振動情報10の記憶形式は、フレーム構成として検知開始時刻、およびデータ長をヘッダに設定する。
【0071】
上記表示設定部23は、測定対象者情報8と体動情報9とに基づき、表示制御部24に対して、変化点情報31を設定するものである。この変化点情報31とは、評価者が直感的に測定対象者の行動パターンを把握できる表示とするための特徴付けを行う基準である。
【0072】
例えば、振動回数を2Hzから3Hzの帯域信号に対するゼロ交差回数とする場合、平均的な人の歩行を示す行動タイプでは、10秒間での振動回数の半分が、10秒間における平均的な人の歩数である20となる。
【0073】
すなわち、図3(a)に示すように、歩行中の人から測定した10秒間における振動回数は30〜50の間で分布し、歩数はその半分となるため、10秒間における歩数は15〜25歩となり、その歩数の平均は、15〜25歩の中間値として20歩と設定することができる。
【0074】
そこで、表示設定部23は、出力した表示状態(行動パターン)から歩行という行動タイプを、評価者が直感的に把握できるようにするための上記変化点情報31として、20という値を設定し、表示制御部24に送信する。
【0075】
上記表示制御部24は、表示装置6において表示するための表示データを生成するものである。すなわち、上記表示制御部24は、記憶装置7に記憶された振動情報10と、表示設定部23から受信した、上記変化点情報31とに基づき、測定対象者の行動パターンを提示するための表示データを生成する。
【0076】
この表示制御部24は、上記表示データを生成するために、上記振動情報10と、上記変化点情報31とに基づき、測定対象者の行動態様を示す表示色を決定するための表示関数を、振動強度および振動回数ごとにそれぞれ有している。そして、表示制御部24は、上記した表示関数を利用して得た振動強度および振動回数ごとの演算結果を、振動情報10の検知開始時刻と対応づけて合成し、出力処理部4へ出力する。
【0077】
ここで、上記表示関数について説明する。
【0078】
上記表示装置6では、光の3原色を基本として赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を混色させ適切な色を表現している。また、赤色、緑色、および青色それぞれの光量とこれら光量の相対値とによって、表現する色を変化させている。なお、赤色、緑色、および青色それぞれの光量は、例えば、各色の光量を16進数で表現すると以下のように示すことができ、この場合、0xFF×0xFF×0xFFとおりの色表現が可能となる。
【0079】
白色{R,G,B}={FF,FF,FF}
黒色{R,G,B}={00,00,00}
赤色{R,G,B}={FF,00,00}
緑色{R,G,B}={00,FF,00}
青色{R,G,B}={00,00,FF}
黄色{R,G,B}={FF,FF,00}
このように、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、表示装置6に表示する表示色を赤色、緑色、および青色で表現する構成である。このため、表示制御部24が有する表示関数は、これら赤色、緑色、および青色それぞれの光量を調整するための、赤色表示関数、緑色表示関数、および青色表示関数の3つとなる。
【0080】
なお、この表示関数は、任意の多項式関数で実施されてもよく、振動回数用、および振動強度用の表示関数は1つの多項式関数で実施されてもよい。
【0081】
(表示データ生成処理)
次に、上記した表示関数を利用して、振動情報10に基づき表示データを生成する表示制御部24の処理について図10〜図14を参照して説明する。まず前提として、記憶装置7には、振動情報10が、該振動情報10の検知開始時刻に応じて時系列に記憶されている。そして、図10に示す記憶装置7において、この振動情報10は、検知開始時刻が古い順にd1、d2、d3…として格納されている。図10は、本発明の実施形態を示す図であり、表示データ生成処理に係る行動パターン提示装置1の要部構成を示す図である。
【0082】
ここで、表示設定部23から上記変化点情報31(例えば20カウント)が入力されると、表示制御部24は、表示関数(赤色関数、緑色関数、青色関数)それぞれを、以下のようにして修正する。
【0083】
上記表示設定部23から、変化点情報31として「20」という値を受信すると、表示制御部24は、図11(a)〜図11(c)に示すように、赤色の表示関数を、振動回数が20カウントを示す点を起点として赤色の光量が増加するように変更させる。また、表示制御部24は、緑色の表示関数を、光量を抑えたままとし、青色の表示関数を、振動回数が20カウントまでは青色の光量が増すようにし、20カウント以上となれば、青色の光量を抑えように修正する。
【0084】
なお、図11は、赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数における振動回数と光量との関係の一例を示すグラフであり、同図(a)は、赤色表示関数における振動回数と光量との関係を示し、同図(b)は、緑色表示関数における振動回数と光量との関係を示し、同図(c)は、青色表示関数における振動回数と光量との関係を示す。
【0085】
すなわち、表示設定部23から、上記変化点情報31として「20」という値が設定された場合、赤色、緑色、および青色それぞれの各色の表示関数は下記に示す関係式のようになる。なお、下記式では最大光量を1となるようにし、振動回数を変数aで表す。
【0086】
[振動回数]
赤色関数:fr(a)=0; 0≦a≦20
fr(a)=a/20−1; 20<a≦40
fr(a)=1; 40<a
緑色関数:fg(a)=0
青色関数:fb(a)=a/20; 0≦a≦20
fb(a)=0; 20<a≦∞
一方、振動強度の情報についても、振動強度を変数bとし最大光量を1となるよう設定すると、例えば下記に示すように、赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数を、決定することができる。つまり、図12(a)〜図12(c)に示す例では、振動強度が大きくなるにつれ緑色の光量が大きくなっており、表示色において、緑色の要素が強くなるにつれ震動強度が大きい走行等の行動タイプに推移していることを評価者は直感的に判断することができる。そして、図12(a)〜図12(c)に示すように赤色、緑色、および青色それぞれの各色の光量を変化させる。
【0087】
なお、図12は、赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数における振動強度と光量との関係を示すグラフであり、同図(a)は、赤色表示関数における振動強度と光量との関係を示し、同図(b)は、緑色表示関数における振動強度と光量との関係を示し、同図(c)は、青色表示関数における振動強度と光量との関係を示す。
【0088】
[振動強度]
赤色関数:fr(b)=0
緑色関数:fg(b)=x/40; 0≦b≦40
fg(b)=1; 40<b
青色関数:fb(b)=0
このように、上記変化点情報31を受信し、振動回数および振動強度のそれぞれの表示関数を修正することで、例えば歩行といった行動タイプを直感的に把握できるように表示色を変化させることができる。
【0089】
ところで、上記した振動強度および振動回数それぞれの表示関数は、測定対象者による個体差を考慮したものではない。つまり、図4に示すように振動回数と振動強度とによって示される分布と、該分布に対応する行動タイプとの関係は、個人によって差(ばらつき)がある。
【0090】
そこで、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、測定対象者に応じた行動タイプを反映した表示となるように、以下のようにして表示関数を修正して表示データを出力するように構成されている。
【0091】
例えば、第六次改定「日本人の栄養所要量」(1999)によると50歳以上男性の基礎代謝基準値(kcal/g/日)は、18〜29歳のそれに比べて、約8.8割程度であることが知られている。そこで、18〜29歳の基礎代謝基準値を、平均的な人の基礎代謝基準値とし、測定対象者が50歳以上である場合、該測定対象者の年齢を反映した表示とするために、表示設定部23は前記20カウントを20×8.8割=17.6として変更する。このように、表示設定部23は、測定対象者情報8を用いて、上記変化点情報31を変更することができる。
【0092】
このように測定対象者情報8が反映された、変化点情報31に基づく各色の光量変化は以下のようになる。すなわち、振動回数に関しては、図13(a)〜図13(c)に示すように、振動回数が17.6カウントを起点として赤色の光量が増加するように、赤色の表示関数を変更させる。また、緑色の表示関数では、光量を抑えたままとし、青色の表示関数では、振動回数が17.6カウントまでは青色の光量が増すようにし、17.6カウント以上となれば、この光量を抑えように修正する。
【0093】
また振動強度に関して図14(a)〜図14(c)のように上記した図12(a)〜図12(c)に示す光量の変化と同様となるように、赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数を設定する。
【0094】
なお、図13は、赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数における振動回数と光量との関係の一例を示すグラフであり、同図(a)は、赤色表示関数における振動回数と光量との関係を示し、同図(b)は、緑色表示関数における振動回数と光量との関係を示し、同図(c)は、青色表示関数における振動回数と光量との関係を示す。
【0095】
また、図14は、赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数における振動強度と光量との関係の一例を示すグラフであり、同図(a)は、赤色表示関数における振動強度と光量との関係を示し、同図(b)は、緑色表示関数における振動強度と光量との関係を示し、同図(c)は、青色表示関数における振動強度と光量との関係を示す。
【0096】
また、表示設定部23から、上記変化点情報31として17.6という値が設定された場合、赤色、緑色、および青色それぞれの各色の表示関数は下記に示す関係式のようになる。なお、下記式では最大光量を1となるようにし、振動回数を変数a、振動強度を変数bで表す。
【0097】
[振動回数]
赤色関数:fr(a)=0; 0≦a≦17.6
fr(a)=a/17.6−1; 17.6<a≦40
fr(a)=1; 40<a
緑色関数:fg(a)=0
青色関数:fb(a)=a/17.6; 0<=a<=17.6
fb(a)=0; 17.6<a<=∞
[振動強度]
赤色関数:fr(b)=0
緑色関数:fg(b)=x/40; 0<=b<=40
fg(b)=1; 40<b
青色関数:fb(b)=0
(表示データの出力処理)
次に、行動パターン提示装置1において生成した表示データの出力処理を示す処理フローについて図15を参照して説明する。この図15は、本発明の実施形態を示すものであり、行動パターン提示装置1における表示データの出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0098】
まず、前提として、表示制御部24が、表示設定部23から測定対象者を参照して求められた、上記変化点情報31を受信しているものとする。
【0099】
表示制御部24では、表示設定部23から受信した変化点情報31に基づき、該変化点情報31によって示される位置の前後で表示色が特徴的に変化するように表示色関数を更新する(ステップS11、これ以降ではS11のように称する)。
【0100】
このように、表示色関数の更新が完了すると、表示制御部24は表示装置6における所定の描画位置に出力する振動情報10の検知日時を決定し(S12)、該検知日時に対応する振動情報10(振動回数および振動強度)を取得する(S13)。なお、上記所定の描画位置に出力する振動情報10は、入力部3を通じて評価者から指示された検知日時の振動情報10であってもよいし、現在の時刻から所定時間さかのぼった日時の振動情報10であってもよい。
【0101】
表示制御部24は、記憶装置7から振動情報10を取得すると、該振動情報10を表示色関数に入力し、振動回数と振動強度との組み合わせにより表示色を決定する。このように表示色が決定されると、決定した表示色を表示する表示データを生成し(S14)、出力処理部4に送信する。出力処理部4は、受信した表示データを表示装置6に出力し、表示装置6の所定の描画位置に決定した表示色を表示させる(S15)。
【0102】
このようにして、決定した表示色を、所定の描画位置に表示させると、表示制御部24は、表示色の描画が終了か否かを判定する(S16)。ここで、表示色の描画が終了していない場合(ステップS16においてNOの場合)、すなわち、表示すべき全振動情報10に対する、表示色関数による演算が終了していない場合、表示した振動情報10の次に検知された振動情報10を取得するように、検知日時を更新する(S17)。そしてステップS12からの処理を繰り返す。
【0103】
一方、表示色の描画が終了していと判定した場合(S16において「YES])、表示制御部24は出力処理を終了する。
【0104】
また、上記表示制御部24は、表示装置6が有する解像度等の表示性能に応じて、出力する表示データを間引いたり、平均化したり、合成したり、選択したりするなど適宜補正を加える構成とすることができる。
【0105】
すなわち、時系列に整列されたn番目の振動情報10をd(n),{n=0,1,2,3,4,…10}とし、10サンプルから1サンプルだけ表示する場合、表示制御部24は、間引き操作では、d(10n),{n=0,1,2,3,4,…}のデータを出力処理部4から出力させ、表示装置6で表示させる。
【0106】
また、上記選択操作では、表示制御部24は、時系列に整列された連続する任意の個数の振動情報10中から最大値(最小値)を選び取り、表示データに変換して出力する。
【0107】
また平均化操作では、表示制御部24は、時系列に並んだ連続する任意の個数の振動情報10を平均するまたは移動平均する。
【0108】
また、表示制御部24は、この他、任意のフィルタによって振動情報10を加工した結果に基づき表示データを生成し出力してもよい。
【0109】
このように、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、表示装置8が有する表示性能に応じて、生成した表示データに対して間引き、合成、選択、平均、またはフィルタ処理を行い、出力処理部4を通じて表示装置8に送信するデータ量を適切に調整することができる。
【0110】
また、表示データの出力処理において間引き、または平均化等を行う場合、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、図16に示す処理フローとなる。図16は、本発明の別の実施形態を示すものであり、行動パターン提示装置1における表示データの出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0111】
すなわち、図15に示す処理フローにおけるステップS11とステップS12と同様にして、表示制御部24は表示色関数を更新し(S21)、所定の描画位置に描画する振動情報10の検知日時を決定する(S22)。このように決定した振動情報10を不図示の演算用メモリに格納し(S23)、格納した振動情報10の個数がNより大きいか否か判定する(S24)。N以上となるまで、時系列の順に振動情報10を上記演算用メモリに格納していき、演算用メモリにN個の振動情報10が格納されると、このN個の振動情報10を1セットとして、上記した間引き、合成、または選択操作等を行う(S25)。
【0112】
ステップS25において、間引き、合成、または選択操作等を行った結果に基づき、対応する振動回数と振動強度から表示色を決定し、表示データを生成する(S26)。そして、生成した表示データを出力処理部4に送信する。出力処理部4は、表示データを受信すると、表示装置6に出力し、所定の描画位置に表示させる(S27)。
【0113】
次に、描画が終了か否かを判定し(S28)、描画が終了していない場合、表示した振動情報10のセットの次に検知された振動情報10を取得するように、検知日時を更新するとともに、演算用メモリに格納した振動情報10をクリアする(S29)。一方、ステップS28の判定において、表示装置6における描画が終了したと判定した場合、表示データの出力処理を終了する。
【0114】
以上のようにして、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、表示制御部24が、表示設定部23により設定された変化点情報と、検知した振動情報10とに基づき、R、G,Bの光量の変化により色を規定した表示データを生成する。そして、表示制御部24は、この表示データを出力処理部4に送信し、該出力処理部4によって、該表示データに基づく表示を表示装置6において行う。
【0115】
(表示装置における表示形式)
次に、出力処理部4から出力した表示データに基づき、表示装置6において表示される表示形式について図17を参照して説明する。この図17は、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1における、表示データに基づく表示の一例を示す図である。
【0116】
上記出力処理部4によって表示装置6に送信された表示データに基づく表示は、図17に示すように、横軸方向に一日分の情報を描画し、縦軸方向は日単位で描画する表示形式となるように規定されている。
【0117】
例えば、振動情報10の検出期間が10秒の場合、1日のデータ数は合計24(時)×60(分)×60(分)/10(秒)=8640(サンプル)となるので、横方向のデータ数は8640個となる。
【0118】
ここで、表示装置6の解像度及び表示可能な領域が狭い場合、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、図16に示した処理ステップによって、検出した振動情報10を、間引く、平均化する、合成する、または選択する等の操作により表示させる情報量を減らすことができる。一方、表示装置6が高解像度である場合は、同じ情報を連続させて表示し、そしてスムージング処理を行うこともできる。
【0119】
図17に示す表示例では、横方向において左端が0時0分0秒となり、右端が23時59分59秒となるように設定されている。そして、0時0分0秒に検出された振動情報10に対応する表示データから描画を開始し、23時59分59秒に検出された振動情報10に対応する表示データで終了するように並べられる。
【0120】
縦方向については、例えば上方から下方に向かって各日の情報が並べられる。数年の期間を表示対象とすれば、人の生活リズムがよりよくわかる。
【0121】
なお、図17では、横軸に沿って、0時0分0秒〜23時59分59秒全ての時間について検出した振動情報10に対応する表示データを表示する構成であったがこれに限定されるものではない。例えば、測定対象者の就寝時間である0時0分0秒から6時0分0秒までの間に検出した振動情報10を利用せず、この間の表示を省略し、表示領域を有効的に利用する構成であってもよい。
【0122】
また、図17に示す表示例では、各列ごとが1日分の行動パターンを示すように表示されているがこれに限定されるものではなく、翌日分の行動パターンを同じ列に続けて表示する、すなわち、横軸上に2日分の行動パターンの表示を行う、いわゆるダブルプロット表示方式で表示してもよい。このように、2日分のデータを並べて表示する場合、行動パターンの変化を把握しやすくなる。
【0123】
また、図17に示す表示例では、グラフの端にスライドバーを設置し、該スライドバーに応じて表示を上下方向に移動させることにより任意の表示期間を表示できるようにしている。
【0124】
しかしながら、入力部3から表示位置の移動を指示できるように構成されていてもよい。例えば、入力部3が操作ボタンで実現される場合は、該ボタンを押下するなどして所望する表示位置となるように指示する。また、入力部3がマウス等によって実現される場合、表示画面に表示したポイントで表示位置を示し所望する表示位置となるように指示する。
【0125】
また、休日と平日では、測定対象者の行動パターンが大きく異なる場合が多いため、休日と平日とを分けて行動パターンの表示を行う構成であってもよい。
【0126】
また、この行動パターンを示す表示において、任意にコメントが入力できる、カレンダー表示と連動する、あるいは所望する範囲の縮小または拡大指示を行うことができるといった付随する機能をさらに有していることが好ましい。このような付随する機能を有している場合、表示した行動パターンを評価者がさらに有効的に活用することができる。
【0127】
なお、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、振動回数および振動強度の増減に応じて連続的な値を出力し、該値に応じた色を決定する構成であった。このため、振動回数と振動強度との変動を、連続的な微妙な色の変化で表現する構成であった。
【0128】
しかしながら、測定対象者の行動タイプの判定精度が高い場合、すなわち、上記した変化点情報31によって行動タイプを明確に区別できる場合は、該変化点情報31によって示される位置の前後で、表示制御部24は、離散的な値を出力するように表示関数を設定することが好ましい。このように、変化点情報31の前後で離散的な値を出力する構成の場合、該値に応じて表示する表示データの表示色をはっきり区別することができ行動パターンにおいて行動タイプの相違を明確に提示することができる。
【0129】
なお、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、入力部3が入力画面を備え、入力内容を確認することができる構成であった。しかしながら、入力内容を上記入力画面に表示させる代わりに、表示装置6の表示画面に表示できる構成であってもよい。このように構成される場合、入力部3はこの入力画面を備える必要はない。
【0130】
また、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、振動検出部2と、入力部3と、記憶装置7と、表示装置6と、主制御部5および出力処理部4とが一体となるように構成されているがこれに限定されるものではない。例えば、振動検出部2と、入力部3と、記憶装置7と、表示装置6と、主制御部5および出力処理部4とがそれぞれ無線、有線を問わず通信手段を備え、それぞれが独立した装置であってもよい。
【0131】
また、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、振動強度および振動回数から得た値に応じて、表示関数が色を決定し該色を表示する構成であった。すなわち、表示する色の相違により、振動強度および振動回数の相違を示すことができる構成であった。しかしながら、この振動強度および振動回数の組み合わせを、模様等の変化によって表現する構成であってもよい。この場合、表示関数は、振動回数と振動強度とから得られる値に応じて、例えば、特定の線の太さを変更させる、所定領域内に含まれる点の濃度を変更させる等、出力すべき模様が割り当てられる。
【0132】
本実施の形態に係る行動パターン提示装置1では、表示関数が、振動強度と振動回数との組み合わせに応じてR、G、Bの光量を変更させる構成であったが、表示関数は、色相、明度、彩度等の他の色を表現する要素の組み合わせを変更させるものであってもよい。
【0133】
以上のように、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、表示設定部23によって設定された変化点情報31を利用することにより、特定の行動パターンを示すものとして、振動回数と振動強度とに基づき表示する表示データを目立つ色に変更することができる。このため、評価者は、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1によって提示された行動パターンを示すグラフから容易に測定対象者の行動の変化を見分けることができる。
【0134】
また、本実施の形態に係る行動パターン提示装置1は、表示関数を用いて決定した色の表示データにより行動態様を明示的に出力できる構成であった。このため、例えば、行動タイプの種類が多数ある場合であっても、出力する色表現を変更させて表示することにより行動タイプを区別することができるため、特に行動タイプごとの表示領域を用意しておく必要がない。
【0135】
このため、行動タイプの種類の多少に関わらず、柔軟で直感的に行動パターンを推測できるように提示することができるとともに、一つの表示領域で異なる種類の行動タイプを表現することができる。
【0136】
最後に、行動パターン提示装置1の各ブロック、特に主制御部5の振動情報算出部21、取得部22、表示設定部23、および表示制御部24は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0137】
すなわち、行動パターン提示装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記録媒体などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである行動パターン提示装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記行動パターン提示装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0138】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0139】
また、行動パターン提示装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0140】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明に係る出力装置は、行動態様に対応する色表示を時系列で示すことで行動態様の変化を視覚的に提示することができる。このため、人の行動態様のように、時系列に逐次変化する測定対象等を記録したものを提示する場合に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、行動パターン提示処理に係る行動パターン提示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る行動パターン提示装置の装着方法の一例を示す図である。
【図3】測定対象から検知した振動回数と振動強度との関係を示すグラフであり、同図(a)は、歩行中の測定対象者から検知した振動回数と振動強度との関係を示し、同図(b)は、乗り物に乗車中の測定対象者から検知した振動回数と振動強度との関係を示す。
【図4】測定対象者の行動タイプごとに応じた、振動強度と振動回数との組み合わせの分布を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、行動パターン提示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る測定対象者情報の一例を示す図である。
【図7】測定対象者情報として、入力すべき項目と内容とを表示する入力画面の一例を示す図である。
【図8】任意の区間における、振動検出部による検知結果を示すグラフであり、同図(a)は、検知結果と振動回数との関係を示し、同図(b)は、検知結果と振動強度との関係を示す。
【図9】本実施の形態に係る行動パターン提示装置が記憶装置に記憶する振動情報の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態を示す図であり、表示データ生成処理に係る行動パターン提示装置の要部構成を示す図である。
【図11】赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数における振動回数と光量との関係の一例を示すグラフであり、同図(a)は、赤色表示関数における振動回数と光量との関係を示し、同図(b)は、緑色表示関数における振動回数と光量との関係を示し、同図(c)は、青色表示関数における振動回数と光量との関係を示す。
【図12】赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数における振動強度と光量との関係を示すグラフであり、同図(a)は、赤色表示関数における振動強度と光量との関係を示し、同図(b)は、緑色表示関数における振動強度と光量との関係を示し、同図(c)は、青色表示関数における振動強度と光量との関係を示す。
【図13】赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数における振動回数と光量との関係の一例を示すグラフであり、同図(a)は、赤色表示関数における振動回数と光量との関係を示し、同図(b)は、緑色表示関数における振動回数と光量との関係を示し、同図(c)は、青色表示関数における振動回数と光量との関係を示す。
【図14】赤色、緑色、および青色それぞれの表示関数における振動強度と光量との関係の一例を示すグラフであり、同図(a)は、赤色表示関数における振動強度と光量との関係を示し、同図(b)は、緑色表示関数における振動強度と光量との関係を示し、同図(c)は、青色表示関数における振動強度と光量との関係を示す。
【図15】本発明の実施形態を示すものであり、行動パターン提示装置における表示データの出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の別の実施形態を示すものであり、行動パターン提示装置における表示データの出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本実施の形態に係る行動パターン提示装置における、表示データに基づく表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0143】
1 行動パターン提示装置(出力装置)
2 振動検出部(検出部)
3 入力部(受け付け手段)
4 出力処理部(出力手段)
6 表示装置(表示部)
7 記憶装置
8 測定対象者情報(特定測定対象者情報)
9 体動情報(行動タイプ情報)
10 振動情報
21 振動情報算出部
22 取得部(受け付け手段)
23 表示設定部(変化点設定手段)
24 表示制御部(生成手段)
31 変化点情報(変化点)
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−283(P2008−283A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171806(P2006−171806)