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【発明の名称】 読影依頼装置、方法及びプログラム
【発明者】 【氏名】川添 俊明

【要約】 【課題】読影の依頼内容を依頼先に的確に伝える。

【構成】依頼データ編集画面61には、読影対象となる医用画像54とともに、説明画像64が表示される。説明画像64は、依頼元の医師が依頼先の医師に対して、医用画像54のどの部分に着目してもらいたいかを図示するための画像である。説明画像64は、医用画像54のデータに基づいて生成される。説明画像64は説明画像表示部66に表示される。この説明画像64内の任意の位置をポインタ53で指定すると、その指定された位置に着目マーク72が付与される。この説明画像64が医用画像54とともに依頼データに追加されて、依頼先へ送信される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モダリティ機器で撮影してデジタルデータで取得された医用画像を、通信回線を通じて送信して読影を依頼する読影依頼装置において、
前記医用画像に基づいて、前記読影の依頼内容の説明に用いられる説明画像を生成する説明画像生成部と、
前記説明画像に対して加工処理を施して、依頼元が前記医用画像の中で依頼先に着目してもらいたい着目部位を示す着目マークを、前記説明画像内の指定された位置に付与する着目マーク付与部と、
前記着目マークが付与された前記説明画像を、前記医用画像を含む依頼データに追加して依頼先へ送信するデータ送信部とを備えたことを特徴とする読影依頼装置。
【請求項2】
前記読影を依頼する操作指示を行う操作部が配された操作画面を表示するモニタと、前記操作画面を通じて操作コマンドを入力する入力部とからなるコンソールを備えており、
前記操作画面には、前記着目マークを付与する付与位置を指定する付与位置指定部が含まれることを特徴とする請求項1記載の読影依頼装置。
【請求項3】
前記付与位置指定部は、前記操作画面に表示された前記説明画像内又は前記医用画像内の一部を指定するポインタであることを特徴とする請求項2記載の読影依頼装置。
【請求項4】
前記着目マークの形状は、異なる複数種類の図形の中から選択可能であることを特徴する請求項2又は3記載の読影依頼装置。
【請求項5】
前記付与位置指定部は、前記操作画面内の前記説明画像に重ねて表示され、前記説明画像を複数の領域に区画する区画線と、前記区画線で区画された領域を指定する領域指定部とからなり、前記着目マークは、指定された前記領域を、他の領域と識別可能に表示することで付与されることを特徴とする請求項2記載の読影依頼装置。
【請求項6】
前記着目マークの付与位置を指定する際には、前記操作画面に、前記説明画像と前記医用画像とが並べて表示されることを特徴とする請求項2〜5いずれか記載の読影依頼装置。
【請求項7】
前記説明画像内に指定された前記着目マークの付与位置に対応する前記医用画像内の位置を特定するための付与位置情報を、前記依頼データに追加して送信することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の読影依頼装置。
【請求項8】
前記操作画面には、依頼先へ伝えるコメントを入力するコメント入力部が設けられていることを特徴とする請求項2〜7いずれか記載の読影依頼装置。
【請求項9】
モダリティ機器で撮影してデジタルデータで取得された医用画像の読影を依頼する読影依頼方法において、
読影依頼の操作指示を行う操作画面をモニタに表示する操作画面表示ステップと、
前記医用画像に基づいて、前記依頼内容の説明に用いられる説明画像を生成する説明画像生成ステップと、
前記説明画像を前記操作画面に表示し、依頼元が前記医用画像の中で依頼先に着目してもらいたい着目部位を示す着目マークの付与位置を指定させ、指定された付与位置を受け付ける付与位置受付ステップと、
前記説明画像に対して加工処理を施すことによって、前記説明画像内の指定された付与位置に前記着目マークを付与する着目マーク付与ステップと、
前記医用画像とともに、前記着目マークが付与された前記説明画像を、通信回線を通じて依頼先へ送信するデータ送信ステップとからなることを特徴とする読影依頼方法。
【請求項10】
モダリティ機器で撮影してデジタルデータで取得された医用画像の読影を依頼する読影依頼処理をコンピュータに実行させる読影依頼プログラムにおいて、
読影依頼の操作指示を行う操作画面をモニタに表示する操作画面表示ステップと、
前記医用画像に基づいて、前記依頼内容の説明に用いられる説明画像を生成する説明画像生成ステップと、
前記医用画像の撮影部位を表し前記依頼内容の説明に用いられる説明画像を前記操作画面に表示し、依頼元が前記医用画像の中で依頼先に着目してもらいたい着目部位を示す着目マークの付与位置を指定させ、指定された前記付与位置を受け付ける付与位置受付ステップと、
前記説明画像に対して加工処理を施すことによって、前記説明画像内の指定された付与位置に前記着目マークを付与する着目マーク付与ステップと、
前記医用画像とともに、前記着目マークが付与された前記説明画像を、通信回線を通じて依頼先へ送信するデータ送信ステップとを含むことを特徴とする読影依頼プログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像の読影を読影医師に依頼する読影依頼装置、方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線画像など患者の生体を撮影した医用画像の画像データを送信して、その読影(画像診断)を依頼する読影依頼装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この読影依頼装置は、読影の対象となる医用画像の画像データを含む依頼データを通信回線を通じて依頼先へ送信する機能を備えている。読影依頼を受けた医師は、読影を行ってその読影結果を依頼元へ返信する。こうした読影依頼装置を用いれば、診療所など地方の小規模の医療機関の医師は、読影を専門とする読影医師の診断を手軽に受けることが可能となる。
【0003】
また、この特許文献1の読影依頼装置には、依頼元の医師が依頼先の読影医師に対して、前記医用画像内で着目してもらいたい着目部位を説明するための説明画像として、生体の内部構造を模式的に表したシェーマ図を依頼データに追加する機能が設けられている。
シェーマ図は、医用画像の撮影部位を表したものが使用される。例えば、医用画像の撮影部位が胃であれば、胃のシェーマ図が選択され、撮影部位が胸部であれば、胸部のシェーマ図が選択される。
【0004】
このシェーマ図内には、医用画像内の着目部位を示すために、着目部位に相当する位置に矢印や囲み印などの着目マークが付与される。例えば、依頼元の医師が依頼先の医師に対して、胃の中で噴門に着目させたい場合には、その噴門の位置に着目マークが付与される。このように、シェーマ図を用いることで、文章で説明する場合と比較して、依頼内容を的確に依頼先に伝えることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−267403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当然ながら、シェーマ図で描かれる生体の内部器官は模式的なものであり、医用画像に映し出される患者の内部器官の形状を忠実に反映しているものではない。そのため、シェーマ図を説明画像として用いて医用画像の着目部位を示そうとしても、依頼元の医師の意図が依頼先に伝わらない場合があった。
【0007】
また、説明画像としてシェーマ図を使用する場合には、医用画像の撮影部位に応じて、適切なシェーマ図を選択しなければならない。複数のシェーマ図から適切なシェーマ図を探し出す作業は煩雑な作業であり、こうした手間を簡略化したいという要望もあった。
【0008】
本発明は、こうした背景に鑑みてなされたもので、読影の依頼内容をより的確に、かつ、簡単に伝えることができる読影依頼装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の読影依頼装置は、モダリティ機器で撮影してデジタルデータで取得された医用画像を、通信回線を通じて送信して読影を依頼する読影依頼装置において、前記医用画像に基づいて、前記読影の依頼内容の説明に用いられる説明画像を生成する説明画像生成部と、前記説明画像に対して加工処理を施して、依頼元が前記医用画像の中で依頼先に着目してもらいたい着目部位を示す着目マークを、前記説明画像内の指定された位置に付与する着目マーク付与部と、前記着目マークが付与された前記説明画像を、前記医用画像を含む依頼データに追加して依頼先へ送信するデータ送信部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
前記読影を依頼する操作指示を行う操作部が配された操作画面を表示するモニタと、前記操作画面を通じて操作コマンドを入力する入力部とからなるコンソールを備え、前記操作画面に、前記着目マークを付与する付与位置を指定する付与位置指定部を設けることが好ましい。操作画面で操作できるようにすることで、操作が簡単になる。
【0011】
前記付与位置指定部は、前記操作画面に表示された前記説明画像内又は前記医用画像内の一部を指定するポインタであることが好ましい。また、前記着目マークの形状は、異なる複数種類の図形の中から選択可能であることが好ましい。
【0012】
また、前記付与位置指定部を、前記操作画面内の前記説明画像に重ねて表示され、前記説明画像を複数の領域に区画する区画線と、前記区画線で区画された領域を指定する領域指定部とから構成し、前記着目マークを、指定された前記領域を、他の領域と識別可能に表示することで付与するようにしてもよい。
【0013】
前記着目マークの付与位置を指定する際には、前記操作画面に、前記説明画像と前記医用画像とが並べて表示されることが好ましい。これによれば、読影対象の医用画像の病変部位を確認しながら、着目マークの付与位置の指定が可能となる。
【0014】
前記説明画像内に指定された前記着目マークの付与位置に対応する前記医用画像内の位置を特定するための付与位置情報を、前記依頼データに追加して送信することが好ましい。こうすれば、依頼先で付与位置情報を利用することが可能となり、医用画像内に着目マークを重ねて表示するといったことも可能となる。
【0015】
前記操作画面には、依頼先へ伝えるコメントを入力するコメント入力部が設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明の読影依頼方法は、モダリティ機器で撮影してデジタルデータで取得された医用画像の読影を依頼する読影依頼方法において、読影依頼の操作指示を行う操作画面をモニタに表示する操作画面表示ステップと、前記医用画像に基づいて、前記依頼内容の説明に用いられる説明画像を生成する説明画像生成ステップと、前記説明画像を前記操作画面に表示し、依頼元が前記医用画像の中で依頼先に着目してもらいたい着目部位を示す着目マークの付与位置を指定させ、指定された付与位置を受け付ける付与位置受付ステップと、
前記説明画像に対して加工処理を施すことによって、前記説明画像内の指定された付与位置に前記着目マークを付与する着目マーク付与ステップと、前記医用画像とともに、前記着目マークが付与された前記説明画像を、通信回線を通じて依頼先へ送信するデータ送信ステップとからなることを特徴とする。
【0017】
本発明の読影依頼プログラムは、モダリティ機器で撮影してデジタルデータで取得された医用画像の読影を依頼する読影依頼処理をコンピュータに実行させる読影依頼プログラムにおいて、読影依頼の操作指示を行う操作画面をモニタに表示する操作画面表示ステップと、前記医用画像に基づいて、前記依頼内容の説明に用いられる説明画像を生成する説明画像生成ステップと、前記医用画像の撮影部位を表し前記依頼内容の説明に用いられる説明画像を前記操作画面に表示し、依頼元が前記医用画像の中で依頼先に着目してもらいたい着目部位を示す着目マークの付与位置を指定させ、指定された前記付与位置を受け付ける付与位置受付ステップと、前記説明画像に対して加工処理を施すことによって、前記説明画像内の指定された付与位置に前記着目マークを付与する着目マーク付与ステップと、前記医用画像とともに、前記着目マークが付与された前記説明画像を、通信回線を通じて依頼先へ送信するデータ送信ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、モダリティ機器で撮影してデジタルデータで取得された医用画像を、通信回線を通じて送信して読影を依頼する際に、前記医用画像に基づいて、前記読影の依頼内容の説明に用いられる説明画像を生成し、この説明画像に対して、依頼元が前記医用画像の中で依頼先に着目してもらいたい着目部位を示す着目マークを、前記説明画像内の指定された位置に付与して、前記医用画像を含む依頼データに追加して送信するようにしたから、説明画像としてシェーマ図を利用した従来例に比べて、読影の依頼内容をより的確に伝えることができる。
【0019】
また、説明画像を医用画像に基づいて自動的に生成するので、説明画像を探し出す手間もないので、操作が簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、複数の医療施設とデータセンタ10とを通信ネットワーク11を介して接続したネットワーク医療システムの説明図である。データセンタ10は、病院12,診療所13,読影機関14などの各医療施設に設置されたクライアント端末15,16に対して、診療した患者の診断記録や診断に際して取得される医用画像などの医療情報の保管、中継及び閲覧などのサービスを提供するサーバコンピュータ17を備えている。サーバコンピュータ17は、アップロードされた医療情報をストレージユニット18に保管する。
【0021】
サーバコンピュータ17は、医療情報を、患者ID、医療施設IDなどのID毎に整理分類して、種々の検索キーで検索が可能なようにデータベース化し、こうして構築された医療情報DB19を、ストレージユニット18に格納する。そして、サーバコンピュータ17は、クライアント端末15,16からデータ配信などの要求を受けた場合には、そのアクセス権限などのチェックを行い、医療情報DBを検索して、データやデータリストを要求元の各クライアント端末15,16に対して配信する。
【0022】
このように、各医療施設で生じる医療情報を電子データとしてデータセンタ10が一括管理することにより、カルテや医用画像のフイルムなどの保管スペースを医療施設から削減するとともに、医療情報の管理及び検索作業をデータセンタ10が行うことにより、医療施設の業務の効率化を図る。また、データセンタ10を介して、各医療施設の医療情報を共有化することにより、医療施設間の連携が強化される。
【0023】
また、ストレージユニット18には、医用画像の読影依頼の依頼データの送信を行うための読影依頼プログラムが格納されている。この読影依頼プログラムは、後述するように、データセンタ10からクライアント端末15へダウンロードされて、クライアント端末15によって実行される。このように、クライアント端末15が実行する読影依頼プログラムをデータセンタ10に格納しておくことで、データセンタ10で読影依頼プログラムを一元管理することができ、プログラムのヴァージョンアップなどメインテナンスを容易にすることができる。
【0024】
病院12や診療所13には、クライアント端末15とともに、患者を撮影して医用画像をデジタルデータで取得する各種のモダリティ機器21が設置されている。モダリティ機器21は、例えば、超音波診断装置、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置などといった周知の医用撮影装置である。このモダリティ機器21によって取得された医用画像は、クライアント端末15に取り込まれる。
【0025】
クライアント端末15は、上記読影依頼プログラムを起動することにより、本発明の読影依頼装置として機能する。病院12や診療所13の医師は、このクライアント端末15を使用して、医用画像の読影を読影機関14に依頼する。
【0026】
読影対象となる医用画像の画像データは、データセンタ10を介して、読影の依頼先である読影機関14に向けて送られる。データセンタ10は、読影依頼元のクライアント端末15から医用画像を含む依頼データがアップロードされると、その依頼データを医療情報DB19に格納するとともに、読影機関14に読影依頼があった旨を通知する。この通知は、例えば、電子メールなどで行われる。この電子メールには、アップロードされた依頼データが格納されたURLなどが記載される。読影機関14の読影医師は、この通知を受けると、クライアント端末16によって指定されたURLにアクセスして、依頼データをデータセンタ10からダウンロードする。読影医師は、読影を行った後、データセンタ10を経由して、読影結果を依頼元のクライアント端末15へ返信する。
【0027】
読影機関14は、読影医師が勤務する医療施設であり、病院12や診療所13が存在する地域の大規模な病院などがその役割を担う。もちろん、読影を専門に扱う医療施設であってもよい。
【0028】
クライアント端末15は、周知のパーソナルコンピュータやワークステーションなどであり、CPU31と、メモリ32と、HDD33と、ネットワークI/F34と、コンソール36とを有している。また、これらの各部は、バス37を介して互いに接続されている。CPU31は、装置の各部を統括的に制御する。
【0029】
また、クライアント端末15には、HDD33に読影依頼プログラム40がインストールされている。CPU31は、読影依頼プログラム40が起動されると、読影の依頼データを編集して、その依頼データを依頼先へ送信するなど、読影依頼の各種の処理を実行する処理部として機能する。
【0030】
上述のとおり、読影依頼プログラム40は、データセンタ10のストレージユニット18にアップロードされており、クライアント端末15は、例えば、専用のWebブラウザを通じてデータセンタ10にアクセスして、読影依頼プログラム40をダウンロードして、インストールする。
【0031】
コンソール36は、キーボード41,マウス42,モニタ43からなる。モニタ43には、操作画面の他、種々のデータが表示される。マウス42及びキーボード41は、CPU31に対して操作コマンドを入力する他、各種のデータを入力する入力装置である。マウス42は、操作画面に表示されたポインタを移動させて、クリック操作によって操作指示を与える周知のポインティングデバイスである。読影依頼プログラム40は、各種の操作ボタンや項目選択を行う選択部などの操作部が配された操作画面を備えており、大半の操作をマウス42で操作可能なGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を採用している。クライアント端末15を操作するオペレータは、操作画面を見ながら、キーボード41やマウス42を通じて操作部を操作して操作指示をCPU31に入力する。
【0032】
ネットワークI/F34は、病院や診療所などのLAN(ローカルエリアネットワーク)や、通信ネットワーク11に接続するための通信インターフェースである。クライアント端末15は、モダリティ機器21とLANで接続されており、モダリティ機器21で撮影された医用画像の画像データは、ネットワークI/F34を通じて取り込まれる。
【0033】
HDD33には、読影依頼プログラム40の他、例えば、データセンタ10にアクセスするためのWebブラウザや電子メールソフトがインストールされている。また、HDD33には、モダリティ機器21から取り込んだ画像データが保存される。医用画像の画像データは、例えば、医用デジタル画像と通信に関する標準規格である、DICOM(Digital Imaging and COMmunications)規格のファイル形式で保存される。DICOM規格のファイルには、画像本体のデータを格納するエリアの他に、付帯情報を格納するエリアが設けられており(図5参照)、この付帯情報には、患者名,患者ID,性別,年齢などの患者情報や、撮影するモダリティ機器の種類,撮影対象となる撮影部位などの撮影情報が含まれる。
【0034】
CPU31が読影依頼プログラム40を起動すると、モニタ43には、読影依頼プログラム40の操作画面が表示される。初期画面には、例えば、機能選択メニューが設けられており、この機能選択メニューには、「読影依頼」の項目が含まれている。
【0035】
「読影依頼」の項目を選択すると、依頼先の読影機関14が複数ある場合には、その依頼先リストが表示され、そのリストから、所望の依頼先を指定する。そして、依頼先を指定すると、HDD33に保存された複数の医用画像の中から、読影依頼の対象となる医用画像を選択する医用画像選択画面が表示される。
【0036】
図3は、医用画像選択画面51の例である。医用画像選択画面51には、モダリティ機器21で医用画像を撮影した患者A,B,C,D・・・・の一覧を示す患者リスト表示枠52が表示される。患者リスト表示枠52には、スクロールバーが設けられており、マウス42のポインタ53でスライダーを移動させると、患者リストがスクロールする。患者リストは、例えば、患者名や患者IDなどで表示される。この患者リストから、1人の患者を選択すると、その患者の医用画像54が医用画像表示枠56に表示される。
【0037】
医用画像表示枠56には、タブ56aが設けられており、1人の患者につき複数の医用画像54がある場合には、タブ56aをポインタ53で指定することで、表示する医用画像54を切り替え表示できるようになっている。本例では、P1,P2という2枚の医用画像54があり、それぞれに対応するタブ56aが表示される。OKボタン57は、選択した医用画像54を確定するボタンであり、キャンセルボタン58は、読影依頼を中止して初期画面に復帰させるボタンである。付帯情報表示欄55には、医用画像54の付帯情報に含まれる患者情報、使用したモダリティ機器の種類、撮影日付などが表示される。
【0038】
医用画像の選択が終了すると、モニタ43に表示される操作画面が、図4に示す依頼データ編集画面61に遷移する。依頼データ編集画面61は、依頼先に送る依頼データを編集する画面である。図5に示すように、依頼データ62には、医用画像54に加えて、依頼内容を説明する説明データ63が含まれる。説明データ63は、医用画像54とは異なる画像であり、医用画像54の撮影部位を表し、依頼内容の説明に用いる説明画像64と、依頼内容に関する依頼元の医師のコメントを含むテキストデータ65とからなる。
【0039】
依頼データ編集画面61には、説明画像表示部66,編集パレット67,主訴選択部68,コメント入力欄69が設けられる。また、これらの他に、依頼データ編集画面61には、医用画像選択画面51と同様に、医用画像表示枠56,付帯情報表示欄55,OKボタン57,キャンセルボタン58が表示される。
【0040】
説明画像表示部66には、依頼元の医師が、医用画像54の中で依頼先の読影医師に着目してもらいたい着目部位を図示して説明するための説明画像64が表示される。この説明画像64は、医用画像54のデータに基づいて生成された複製画像である。説明画像64は、依頼内容を説明するために使用される画像であるから、医用画像54のように鮮明な画質は不要である。そのため、説明画像64は、医用画像54のデータサイズを縮小して生成される。説明画像64は、依頼データに含まれて、依頼先へ送信されるので、そのデータサイズを縮小することにより、依頼データ送信時の負荷が増大することもない。
【0041】
この説明画像64は、医用画像54から生成される際に、加工が可能なデータ形式に変換される。そして、この説明画像64には、画像合成処理によって、着目マーク72が付与される。オリジナルの医用画像54は、その真正性を確保する要請があることから、医用画像54に対して、直接、着目マーク72を付与するなどの加工を加えることが難しい。そのため、医用画像54と別の説明画像64に着目マーク72を付与することで、医用画像54に直接加工を加えることなく、着目部位を図示するようにしている。
【0042】
編集パレット67は、着目マーク72の形状を選択して指定する複数のアイコン67aが設けられている。各アイコン67aは、例えば、円形、十字形、直線、曲線などの図形に対応している。また、アイコン67aの中には、着目マーク72の形状を刷毛で塗りつぶすような形態に指定するものの含まれている。着目マーク72を付与する場合には、まず、マウス42のポインタ53で、編集パレット67の中から所望の図形のアイコン67aを選択して、次に、ポインタ53を説明画像64上に移動して、任意の位置でマウス42をクリックして付与位置を指定する。なお、説明画像表示部66は、医用画像54と並べて表示されているため、操作者は、医用画像54の病変部位を観察しながら付与位置を指定することができる。
【0043】
CPU31は、指定された付与位置を受け付けて、説明画像64のデータに加工処理(画像合成処理など)を施して、指定された領域に着目マーク72を付与する。これにより、説明画像64に選択した図形の着目マーク72が付与されて、医用画像54の着目部位が図示される。本例では、着目マーク72の図形として円形が選択されている。
【0044】
こうして、説明画像64に着目マーク72を付与することにより、医用画像54の着目部位を図示することが可能になり、依頼元の医師が、医用画像54のどこに着目してもらいたいかを、読影医師に的確に伝えることができる。また、説明画像64は、医用画像54に基づいて生成しているので、説明画像としてシェーマ図を使用した従来例と比較して、患者の内部器官の形状を忠実に反映した画像となり、医用画像54の着目部位を的確に指し示すことができる。また、説明画像64を医用画像54に基づいて自動的に生成するので、従来のように、医用画像54に応じて適切なシェーマ図を探し出す手間もない。
【0045】
また、医用画像54が複数枚ある場合には、例えば、説明画像64は、医用画像54毎に生成される。説明画像表示部66内の説明画像64は、医用画像表示枠56内の医用画像54の表示切り替えに連動して、表示が切り替えられる。そして、それら複数の説明画像64毎に、上述した手順で着目マーク72を付与することができる。なお、本例では、説明画像64を医用画像54毎に生成する例で説明しているが、選択した医用画像54に対して説明画像64を生成するようにしてもよい。
【0046】
主訴選択部68とコメント入力欄69は、依頼内容に関する依頼元の医師のメッセージを入力する領域である。主訴選択部68は、医師に対する患者の主要な訴えである主訴を、予め用意されたリストの中から選択する形式になっている。図5に示すように、主訴としては、例えば、「疝痛」,「鈍痛」,「喀血」,「発熱」,「血痰」などがあり、これらが選択候補として主訴リスト76に含まれている。主訴選択部68の端には、三角形の印が設けられており、これをポインタ53でクリックすると、この主訴リスト76がポップアップやプルダウンの形式で表示される。そして、この主訴リスト76から主訴を選択して入力する。
【0047】
この主訴リスト76内の選択候補が多すぎると、所望の主訴を探し出すのが大変である。そこで、主訴リスト76内の選択候補を、医用画像54の内容(撮影部位)に応じて、関連性の低いものは排除して、関連性の高いものだけを表示するというように、選択候補の絞り込みを行ってもよい。
【0048】
上述したとおり、DICOM規格のデータファイルには、その付帯情報として、モダリティ機器の種類や、撮影部位などの情報が格納されている。CPU31は、医用画像54のデータの付帯情報に基づいて、医用画像54の撮影部位を判定する。そして、その判定結果に基づいて、選択候補となるすべての説明画像64の中から、医用画像54に関連性の高い主訴を抽出して、抽出した主訴のみを選択候補として主訴リスト76に列挙する。主訴リスト76内の選択候補が、医用画像54の撮影部位と関連性の高いものに絞り込まれて、関連性の低いものが排除される。
【0049】
コメント入力欄69は、依頼内容の説明文を入力する欄であり、依頼元の医師の所見や依頼先の読影医師に確認してもらいたい点などが入力される。依頼元の医師は、こうした文章をキーボード41から入力する。コメント入力欄69及び主訴選択部68から入力されたデータは、テキストデータ65として、依頼データ62に加えられる。
【0050】
OKボタン57をクリックすると、依頼データ62の編集が終了して、図7に示す確認画面81に操作画面が遷移する。確認画面81には、依頼データ編集画面61で編集された、依頼データ62が表示される。説明画像64は、着目マーク72が付与された状態で表示される。送信ボタン82は、依頼データ62を確定して、データ送信処理の開始を指示する。依頼データ62が確定された場合には、CPU31は、データ送信が開始される前に、医用画像54,説明画像64,テキストデータ65の各データを、それらが1セットの依頼データ62であることが識別できるように、識別タグなどを付加して、相互に関連付ける関連付け処理を行う。こうして、CPU31によって、説明画像64が依頼データ62に追加される。
【0051】
読影機関14に設置されるクライアント端末16は、クライアント端末15と同様に、パーソナルコンピュータやワークステーションからなり、CPU,メモリ,HDD,コンソール,ネットワークI/Fとを有している。クライアント端末15と同様の構成であるため、図示は省略して、機能の概略のみ説明する。
【0052】
クライアント端末16は、そのHDDにWebブラウザや電子メールソフトがインストールされており、CPUがそれらのソフトを通じてデータセンタ10とアクセスする。上述したとおり、クライアント端末16は、データセンタ10から電子メールで読影依頼があった旨の通知を受信する。そして、WebブラウザやFTP(File Transfer Protocol)ソフトなどで、電子メールに記載されたURLにアクセスして、クライアント端末15からアップロードされた依頼データ62をダウンロードする。読影医師は、この依頼データ62に基づいて読影を行い、その読影結果のレポートを作成し、これを依頼元に返信する。
【0053】
レポートの返信は、例えば、FTPソフトでデータセンタ10にデータをアップロードして行われる。データセンタ10は、返信レポートを受信すると、その旨を依頼元へ電子メールなどで通知する。通知を受けたクライアント端末15は、データセンタ10にアクセスしてレポートをダウンロードして受け取る。
【0054】
以下、上記構成による作用について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。病院12や診療所13の依頼元の医師は、読影を依頼する場合には、クライアント端末15を使用して、データセンタ10にアクセスして読影依頼プログラム40を起動する。機能選択メニューから「読影依頼」を選択すると、医用画像選択画面51がモニタ43に表示され、患者リスト表示枠52から、患者を指定して、読影対象となる医用画像54を選択する。
【0055】
医用画像54が選択されると、CPU31は、医用画像54のデータに基づいて、説明画像64を生成する。そして、その説明画像64が説明画像表示部66に表示される。ここで、ポインタ53で着目マーク72の形状と説明画像64上の位置を指定することで、着目マーク72の付与位置が指定される。CPU31は、この指定を受け付けて、指定された領域に着目マーク72を付与する。この後、必要に応じて、主訴選択部68で主訴を選択するとともに、コメント入力欄69にコメントを入力する。
【0056】
こうして編集が終了した後、OKボタン57をクリックすると、CPU31は、説明画像64の指定された付与位置に着目マーク72を合成する画像処理を行って、確認画面81に移行する。この確認画面81で内容を確認して、送信ボタン82をクリックすると、送信開始指示がなされる。CPU31は、これを受けると、医用画像54,説明画像64,テキストデータ65の関連付け処理を実行して、1セットの依頼データ62を送信する。
【0057】
このように、操作画面に、説明画像64の選択操作や着目マーク72の付与位置の指定操作などを操作する操作部を配し、マウス操作によって編集指定をできるようにしているので、複雑な操作が不要である。
【0058】
依頼データ62は、データセンタ10を経由して、読影機関14に送信される。読影医師は、この依頼データ62に基づいて読影を行う。依頼データ62には、医用画像54に基づいて生成され、着目マーク72が付与された説明画像64が含まれているので、読影医師は、医用画像54のどこに着目すべきかが一目瞭然となり、依頼元の意図を的確に把握することができる。
【0059】
上記実施形態では、着目マークを1つの図形で付与する例で説明しているが、図9に示す着目マーク91のように、1つの領域に複数の着目マークを重ねて付与することも可能である。着目マーク91は、曲線で着目部位を囲み、その内部を直線でハッチングを施し、さらに、その中で特に重要な部位に十字形のマークを付与したものである。
【0060】
また、図10に示すように、説明画像表示部66に、説明画像64に重ねて表示される格子状の区画線93を設けて、その区画線93によって説明画像64を複数の升目状の領域に区切り、それらのうち、任意の升目をポインタ53で指定することにより、着目マーク94の付与位置を指定するようにしてもよい。指定された升目には、ハッチングで示すように、その領域の色が変化して他の領域と識別可能に表示され、これが着目マーク94となる。
【0061】
なお、本例では、区画線の本数を縦横9本ずつとして、説明画像を100個の升目で区切るようにしているが、その数は適宜変更することが可能である。また、縦横の本数は、同数でなくてもよく、例えば、縦が10本、横が12本というように、異なってもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、説明画像内の任意の位置を指定して、着目マークの付与位置を指定する例で説明したが、図11に示すように、医用画像54内の着目部位をポインタ53で指定することにより、説明画像64内の着目マーク72の付与位置を指定できるようにしてもよい。説明画像64は、医用画像54のデータに基づいて、それを縮小することによって生成されるので、医用画像54上の任意の位置の座標が分かれば、それに相当する説明画像64上の位置を特定することが可能である。CPU31は、ポインタ53で指定された医用画像54内の位置を認識して、指定された座標を求め、医用画像54と説明画像64の大きさの比に基づいて、説明画像64上の対応する位置の座標を特定する。そして、特定された位置に着目マーク72が付与される。
【0063】
このように、医用画像54の着目部位を直接指定することで、説明画像64内の付与位置を指定できるようにすれば、より直感的に分かりやすい良好な操作感が得られる。特に、パソコンに対する習熟度がそれほど高くない人にとっては、非常に有用である。
【0064】
また、図12に示すように、説明画像64のデータとともに、着目マークの付与位置情報96を説明データ63に含めて送信するようにしてもよい。付与位置情報96は、例えば、着目マークの説明画像内の座標位置を表すデータと、説明画像と医用画像との大きさの比(例えば、縮小率)を表すデータとからなる。上述したとおり、説明画像と医用画像には相関関係が認められるので、一方の画像内の任意の位置の座標が分かれば、それに相当する他方の画像内の位置を特定できる。したがって、こうした付与位置情報96を依頼先に送信すれば、例えば、依頼先のクライアント端末16で医用画像54をモニタに表示する際に、医用画像54上の着目部位を特定し、その位置に着目マークを重ねて表示するといったことも可能となる。こうすれば、医用画像54の着目部位を、より直接的に指し示すことができるので、依頼内容を的確に伝えることができる。
【0065】
また、上記実施形態では、撮影画像である医用画像のデータに対して、縮小処理などを施すことで、説明画像を生成しているが、この説明画像に対して、さらに、撮影部位の輪郭線や起伏が際だつような加工処理など各種の画像処理を施してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、データセンタを経由して、依頼データの送信と読影結果のレポートの返信を行っているが、データセンタを経由せずに、各クライアント端末間で直接送受信してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、データセンタのストレージユニットに格納された読影依頼プログラムを、各クライアント端末がダウンロードして実行するようにしているが、もちろん、読影依頼プログラムを各クライアント端末に予めインストールしておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】読影依頼を行うためのネットワーク医療システムの説明図である。
【図2】クライアント端末の概略構成図である。
【図3】医用画像選択画面の説明図である。
【図4】依頼データ編集画面の説明図である。
【図5】依頼データの構成図である。
【図6】主訴リストの説明図である。
【図7】確認画面の説明図である。
【図8】読影依頼の手順を示すフローチャートである。
【図9】複数種類の着目マークを付与する例の説明図である。
【図10】区画線を使用して着目マークを付与する例の説明図である。
【図11】医用画像内で付与位置を指定する例の説明図である。
【図12】付与位置情報の説明図である。
【符号の説明】
【0069】
15,16 クライアント端末
17 サーバコンピュータ
18 ストレージユニット
19 医療情報DB
31 CPU(説明画像生成部,データ追加部,着目マーク付与部)
36 コンソール
40 読影依頼プログラム
41 キーボード
42 マウス
43 モニタ
53 ポインタ(付与位置指定部)
54 医用画像
61 依頼データ編集画面
62 依頼データ
63 説明データ
64 説明画像
65 テキストデータ
66 説明画像表示部
67 編集パレット
69 コメント入力欄
72,91,94 着目マーク
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100075281
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 和憲

【識別番号】100095234
【弁理士】
【氏名又は名称】飯嶋 茂

【識別番号】100117536
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英了


【公開番号】 特開2008−278(P2008−278A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171738(P2006−171738)