| 【発明の名称】 |
X線撮影装置用天板 |
| 【発明者】 |
【氏名】泉原 彰
【氏名】舞田 正司
|
| 【要約】 |
【課題】剛性を高めると共にX線吸収の増加を抑制する。
【構成】クレードル(10)は、樹脂発泡体製の芯材(11)に、2層以上のCFRP層を含む外装(20)で覆った構造である。外装(20)の上面部分は、CFRP層が樹脂フィルムを挟まずに積層されている。外装(20)の底面部分は、CFRP層の間に樹脂フィルムを挟んで積層されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 芯材に2層以上のFRP層を積層してなるX線撮影装置用天板であって、上面はFRP層がシート状樹脂を挟まずに積層されており、底面はFRP層の間にシート状樹脂を挟んで積層されていることを特徴とするX線撮影装置用天板。 【請求項2】 請求項1に記載のX線撮影装置用天板において、前記FRP層がクロスと樹脂とからなることを特徴とするX線撮影装置用天板。 【請求項3】 請求項2に記載のX線撮影装置用天板において、前記クロスが炭素線維クロスからなることを特徴とするX線撮影装置用天板。 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載のX線撮影装置用天板において、前記底面の最外側はFRP層であり、クロス目の凹凸が表面にあることを特徴とするX線撮影装置用天板。 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載のX線撮影装置用天板において、前記シート状樹脂が樹脂フィルムであることを特徴とするX線撮影装置用天板。 【請求項6】 請求項5に記載のX線撮影装置用天板において、前記樹脂フィルムがポリエステルフィルムまたはPETからなることを特徴とするX線撮影装置用天板。 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載のX線撮影装置用天板において、前記芯材が樹脂発泡体であることを特徴とするX線撮影装置用天板。 【請求項8】 請求項1から請求項7のいずれかに記載のX線撮影装置用天板において、当該X線撮影装置用天板が、X線CT装置のテーブル装置のクレードルであることを特徴とするX線撮影装置用天板。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、X線撮影装置用天板に関し、更に詳しくは、剛性を高めると共にX線吸収の増加を抑制したX線撮影装置用天板に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、芯材に複数層のFRP(Fiber Reinforced Plastic)層を積層した構造の医療機器用天板が知られている(例えば、特許文献1参照。以下、従来技術1と呼ぶ。)。 また、熱可塑性樹脂発泡体層にFRP層を積層し、そのFRP層にシート状樹脂層を積層したFRP構造体が知られている(例えば、特許文献2参照。以下、従来技術2と呼ぶ。)。 【特許文献1】特開2004−216021号公報 【特許文献2】特開2006−35671号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、医療機器用天板においては、昨今のスキャン範囲の拡大や、体重の重い患者への対応の必要性により、高い強度が求められるようになってきた。 上記従来技術1の医療機器用天板のような芯材にFRP層だけを積層しているものの場合は、所望の強度を得るためにFRP層の積層数を増やすことにより厚さを増やすことが考えられるが、高コストとなる問題点がある。 また、上記従来技術2のFRP層とシート状樹脂の積層体で芯材を覆った天板の構造については、前記積層体の厚さが厚くなり、強度を高めることが可能であると考えられ、また、所望の強度を得るために必要なFRP層の数が少なくて済み、高コストになることを抑えることができると考えられる。ところが、X線吸収が増加してしまう問題点がある。 そこで、本発明の目的は、強度を高めると共にX線吸収の増加を抑制したX線撮影装置用天板を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 第1の観点では、本発明は、芯材に2層以上のFRP層を積層してなるX線撮影装置用天板であって、上面はFRP層がシート状樹脂を挟まずに積層されており、底面はFRP層の間にシート状樹脂を挟んで積層されていることを特徴とするX線撮影装置用天板を提供する。 上記第1の観点によるX線撮影装置用天板では、被検体および天板自身の荷重を支える底面については、FRP層に比べて安価なシート状樹脂層をFRP層の間に挟むため、所望の剛性(厚さ)を得るために必要なFRP層の数が少なくて済み、コストを低減できる。さらに、上面はFRP層の間にシート状樹脂を挟まないため、上面のFRP層の間にもシート状樹脂を挟む構造に比べてX線吸収の増加を抑制することが出来る。 【0005】 第2の観点では、本発明は、前記第1の観点によるX線撮影装置用天板において、前記FRP層がクロスと樹脂とからなることを特徴とするX線撮影装置用天板を提供する。 上記第2の観点によるX線撮影装置用天板では、クロスを用いるため、平行な複数の炭素線維からなる層を直交させて重ねる構造よりも、剛性をコントロールし易くなる。 【0006】 第3の観点では、本発明は、前記第2の観点によるX線撮影装置用天板において、前記クロスが炭素線維クロスからなることを特徴とするX線撮影装置用天板を提供する。 上記第3の観点によるX線撮影装置用天板では、炭素線維クロスを用いるため、軽くて十分な強度が得られる。 【0007】 第4の観点では、本発明は、前記第2または前記第3の観点によるX線撮影装置用天板において、前記底面の最外側はFRP層であり、クロス目の凹凸が表面にあることを特徴とするX線撮影装置用天板を提供する。 上記第4の観点によるX線撮影装置用天板では、底面を支えるローラーとの間に適正な滑りと摩擦とを得ることが出来る。 【0008】 第5の観点では、本発明は、前記第1から前記第4のいずれかの観点によるX線撮影装置用天板において、前記シート状樹脂が樹脂フィルムであることを特徴とするX線撮影装置用天板を提供する。 上記第5の観点によるX線撮影装置用天板では、FRP層中の線維の外径から見て空隙がない樹脂フィルムを用いるため、FRP層中の線維の重なり具合の凹凸により厚さにばらつきを生じることを抑制できる。 【0009】 第6の観点では、本発明は、前記第5の観点によるX線撮影装置用天板において、前記樹脂フィルムがポリエステルフィルムまたはPETからなることを特徴とするX線撮影装置用天板を提供する。 上記第6の観点によるX線撮影装置用天板では、ポリエステルフィルムまたはPETを用いるため、軽量で効果的に補強できる。 【0010】 第7の観点では、本発明は、前記第1から前記第6のいずれかの観点によるX線撮影装置用天板において、前記芯材が樹脂発泡体であることを特徴とするX線撮影装置用天板を提供する。 上記第7の観点によるX線撮影装置用天板では、芯材に樹脂発泡体を用いるため、軽量化できる。 【0011】 第8の観点では、本発明は、前記第1から前記第7のいずれかの観点によるX線撮影装置用天板において、当該X線撮影装置用天板が、X線CT装置のテーブル装置のクレードルであることを特徴とするX線撮影装置用天板を提供する。 【発明の効果】 【0012】 本発明のX線撮影装置用天板によれば、被検体および天板自身の荷重を支える底面については、FRP層に比べて安価なシート状樹脂層をFRP層の間に挟むため、所望の剛性(厚さ)を得るために必要なFRP層の数が少なくて済み、高コストとなることを抑えながら、強度の高い天板を得ることができる。さらに、上面はFRP層の間にシート状樹脂を挟まないため、上面のFRP層の間にもシート状樹脂を挟む構造に比べてX線吸収の増加を抑制することが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。 【実施例1】 【0014】 図1は、実施例1に係るX線CT装置100を示す構成図である。 このX線CT装置100は、操作コンソール1と、テーブル装置8と、走査ガントリ9とを具備している。 【0015】 操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、画像再構成処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ9で取得した投影データを収集するデータ収集バッファ5と、投影データから再構成したX線CT画像を表示するCRT6と、プログラムやデータやX線CT画像を記憶する記憶装置7とを具備している。 【0016】 テーブル装置8は、被検体を乗せて走査ガントリ9のボア(空洞部)に入れ出しするクレードル10を具備している。クレードル10は、テーブル装置8に内蔵するモータで昇降および直線移動される。 【0017】 走査ガントリ9は、図示しないが、X線管と、X線コントローラと、コリメータと、X線検出器と、DAS(Data Acquisition System)と、X線コントローラ,コリメータ,DASの制御を行う回転側コントローラと、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラと、スリップリングとを具備している。 【0018】 図2に示すように、クレードル10の底面は、テーブル装置8のローラー8rで支持されている。従って、クレードル10の底面のローラー8rに当たっている小面積の部分に、被検体Kの体重とクレードル10の重量が集中してかかる。 【0019】 図3に示すように、クレードル10は、樹脂発泡体製の芯材11に、2層以上のCFRP層を含む外装20で覆った構造である。 【0020】 図4に示すように、クレードル10の底面の外装20は、芯材11に、炭素線維クロスと樹脂とからなるCFRP層12aを積層し、そのCFRP層12aに樹脂フィルム13aを積層し、その樹脂フィルム13aにCFRP層12bを積層し、そのCFRP層12bに樹脂フィルム13bを積層し、その樹脂フィルム13bにCFRP層12cを積層し、そのCFRP層12cに樹脂フィルム13cを積層し、その樹脂フィルム13cにCFRP層12dを積層したものである。 【0021】 CFRP層12a,12b,…は、炭素線維クロスとエポキシ樹脂とからなる。 樹脂フィルム13a,13b,…は、炭素線維クロスの糸が入り込むような空隙がない、例えばポリエステルやPET製フィルムである。 【0022】 CFRP層の間に樹脂フィルムを挟むFRP構造では、図5に示すように各CFRP層の炭素線維クロスの縦糸と横糸の交点の位置が重なっている場合でも、図6に示すように各CFRP層の炭素線維クロスの縦糸と横糸の交点の位置がずれている場合でも、厚さはほぼ均一になる。これにより、期待した厚さつまり剛性が常に得られる。よって、クレードル10の底面のローラー8rに当たっている小面積の部分に被検体Kの体重とクレードル10の重量が集中してかかっても、これに耐えられるようになる。即ち、クレードル10の底面の剛性が低いと、クレードル10の底面の小面積部分にローラー8rが押し込まれ、クレードル10の座屈によりクレードル10が破損する危険性があったが、本実施例では、その危険性を低減することができる。 【0023】 クレードル10の底面の最外側のCFRP層12dには、クロス目の凹凸が表面にある。これは、ローラー8rとの間に適正な滑りと摩擦とを得るためである。 【0024】 図7に示すように、クレードル10の上面の外装20は、芯材11に、炭素線維クロスと樹脂とからなるCFRP層12aを積層し、そのCFRP層12aにCFRP層12bを積層し、そのCFRP層12bにCFRP層12cを積層し、そのCFRP層12cにCFRP層12dを積層したものである。 【0025】 樹脂フィルムを挟まずにCFRP層だけ重ねるFRP構造では、図8に示すように各CFRP層の炭素線維クロスの縦糸と横糸の交点の位置が重なっている場合と、図9に示すように各CFRP層の炭素線維クロスの縦糸と横糸の交点の位置がずれている場合とでは、後者が前者より薄くなる。後者の場合には、炭素線維クロスの縦糸と横糸の交点が、縦糸も横糸もない隙間位置に入り込むからである。そして、後者のように薄くなると、前者のような剛性が得られなくなる。しかし、クレードル10の上面では、被検体Kの体重が小面積の部分に集中してかかることはないので、支障を生じない。 【0026】 実施例1に係るクレードル10によれば、被検体Kおよびクレードル10の荷重を支える底面については、CFRP層12に比べて安価な樹脂フィルム13をCFRP層12の間に挟むため、所望の剛性(厚さ)を得るために必要なCFRP層12の数が少なくて済み、高コストとなることを抑えながら、強度の高い天板を得ることができる。さらに、上面はCFRP層12の間に樹脂フィルム13を挟まないため、上面のCFRP層12の間にも樹脂フィルム13を挟む構造に比べてX線吸収の増加を抑制することが出来る。 【産業上の利用可能性】 【0027】 本発明のX線撮影装置用天板は、例えばX線CT装置に利用できる。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】実施例1にかかるX線CT装置を示す構成図である。 【図2】実施例1にかかるクレードルの支持機構を示す模式図である。 【図3】実施例1にかかるクレードルを示す断面図である。 【図4】実施例1にかかるクレードルの底面のFRP構造を示す分解斜視図である。 【図5】各CFRP層の炭素線維クロスの交点位置が重なった場合における、クレードルの底面のFRP構造の厚さを示す説明図である。 【図6】各CFRP層の炭素線維クロスの交点位置がずれた場合における、クレードルの底面のFRP構造の厚さを示す説明図である。 【図7】実施例1にかかるクレードルの上面のFRP構造を示す分解斜視図である。 【図8】各CFRP層の炭素線維クロスの交点位置が重なった場合における、クレードルの上面のFRP構造の厚さを示す説明図である。 【図9】各CFRP層の炭素線維クロスの交点位置がずれた場合における、クレードルの上面のFRP構造の厚さを示す説明図である。 【符号の説明】 【0029】 1 操作コンソール 8 テーブル装置 9 走査ガントリ 10 クレードル 11 芯材 12a,12b,… CFRP層 13a,13b,… 樹脂フィルム 20 外装 100 X線CT装置
|
| 【出願人】 |
【識別番号】300019238 【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
|
| 【出願日】 |
平成18年6月21日(2006.6.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095511 【弁理士】 【氏名又は名称】有近 紳志郎
|
| 【公開番号】 |
特開2008−247(P2008−247A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−171055(P2006−171055) |
|