トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学

【発明の名称】 工業用内視鏡装置
【発明者】 【氏名】平田 康夫

【要約】 【課題】被処置部の位置、状態等によらず、広範囲を容易に研磨して、検査作業が行える工業用内視鏡装置を提供すること。

【構成】本発明の工業用内視鏡装置1は、先端部に撮像手段を有する挿入部2と、該挿入部を挿通する管状部材3と、上記挿入部の先端側で被研磨対象物を進退、或いは回転によって研磨する研磨部6と、該研磨部を上記挿入部の長軸に対して進退、及び回転させる進退回転機構7と、該進退回転機構に上記進退、及び上記回転の駆動力を与える駆動部10,11を有する操作部4と、を具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に撮像手段を有する挿入部と、
該挿入部を挿通する管状部材と、
上記挿入部の先端側で被研磨対象物を進退、或いは回転によって研磨する研磨部と、
該研磨部を上記挿入部の長軸に対して進退、及び回転させる進退回転機構と、
該進退回転機構に上記進退、及び上記回転の駆動力を与える駆動部を有する操作部と、
を備えたことを特徴とする工業用内視鏡装置。
【請求項2】
上記研磨部は、上記管状部材の先端外周部に配設され、
上記進退回転機構が上記管状部材の基端部分に配設され、該管状部材を介して、上記研磨部を上記進退、及び上記回転させることを特徴とする請求項1に記載の工業用内視鏡装置。
【請求項3】
上記研磨部は、上記管状部材の先端外周面が粗面加工された鑢であることを特徴とする請求項2に記載の工業用内視鏡装置。
【請求項4】
上記研磨部は、上記管状部材の上記先端外周部に着脱自在なサンドペーパであることを特徴とする請求項2に記載の工業用内視鏡装置。
【請求項5】
上記研磨部は、上記管状部材の上記先端外周部回りに配設された研磨ブラシであることを特徴とする請求項2に記載の工業用内視鏡装置。
【請求項6】
上記管状部材は、先端側が上記長軸に対して湾曲していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の工業用内視鏡装置。
【請求項7】
上記研磨部は、上記管状部材の先端部分内に収容され、
上記進退回転機構が上記管状部材の先端部分に配設され、上記研磨部を上記進退、及び上記回転させることを特徴とする請求項1に記載の工業用内視鏡装置。
【請求項8】
上記研磨部は、上記管状部材の上記先端部分内に配設された研磨ブラシであることを特徴とする請求項7に記載の工業用内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、回転処置部材で研削等の処置を行うことのできる工業用内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業用内視鏡は、例えば、工業プラント、ジェットエンジン内部に挿入することによって、故障、或いは不具合があるか否か等の検査に用いられる。
【0003】
このような工業用内視鏡は、例えば、特許文献1に内視鏡検査により各種部品に欠け等の損傷が発見された場合、プラント設備の解体、或いはエンジンを分解しなくても、砥石を先端部に配し、この砥石を回転させて、部品の研磨処置を行えるものが開示されている。
【特許文献1】特開平9−120032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、工業用内視鏡は、製造時の手の届かない金属製品内部、或いは金属パイプに発生したバリ等を検査し、この発生したバリ等を除去するために用いられる場合がある。このようなバリ等は、例えば、孔部等を形成する旋盤加工後に頻繁に発生する。
【0005】
上述の特許文献1の工業用内視鏡では、例え、案内管に対して先端部材を屈曲させて方向を変換しても、先端部材の砥石を製品の内部にある開口端に発生したバリ等に当接させることが困難である。また、この工業用内視鏡は、案内管を挿入する製品の空間寸法によっては、先端部材が屈曲できる範囲が制限されてしまうため、確実にバリ等を研磨することが困難である。
【0006】
また、医療、工業を問わず、一般的な内視鏡の処置具チャンネルは、先端部材の内蔵部品、及び装置によって、その開口部が先端部材の先端面の中心からずれた位置、つまり偏芯した位置に設けられる。このため、工業用内視鏡に用いられる処置具の砥石も先端部材の先端面の中心から偏芯した位置にしか配置できない。
【0007】
そのため、上記工業用内視鏡は、砥石がバリ等に当接できたとしても、部分的にしか研磨できず、広範囲に亘って研磨することができない。これにより、ユーザは、バリ等の位置、状態等によって、案内管を回転させ、何度も砥石の位置を変更しなければならないため、非常に煩わしい作業が伴い、作業効率が低下するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、被処置部の位置、状態等によらず、容易に研磨等を伴った検査作業が行える工業用内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、本発明の工業用内視鏡装置は、先端部に撮像手段を有する挿入部と、該挿入部を挿通する管状部材と、上記挿入部の先端側で被研磨対象物を進退、或いは回転によって研磨する研磨部と、該研磨部を上記挿入部の長軸に対して進退、及び回転させる進退回転機構と、該進退回転機構に上記進退、及び上記回転の駆動力を与える駆動部を有する操作部と、を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の工業用内視鏡装置によれば、被処置部の位置、状態等によらず、広範囲を容易に研磨して、検査作業が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1〜図11を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図11は、本発明の工業用内視鏡装置における第1の実施の形態に係り、図1は工業用内視鏡装置を示す全体構成図、図2は管状部材の基端部分を示す斜視図、図3は進退側ギヤ部を示す分解斜視図、図4は進退側ギヤ部の変形例を示す分解斜視図、図5は進退回転機構部の内部構成を示す図、図6は工業用内視鏡装置の作用を説明するための図、図7は管状部材の先端部分の第1変形例を示す図、図8は管状部材の先端部分の第2変形例を示す図、図9は管状部材の先端部分の第3変形例を示す図、図10は図9の管状部材の作用を説明するための図、図11は湾曲した曲がり癖を備えた管状部材を示す図、図12は図11の管状部材の作用を説明するための図である。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態の工業用内視鏡装置(以下、単に内視鏡と記す)1は、挿入部2と、管状部材3と、操作部4と、本体装置5と、から構成されている。
【0013】
挿入部2は、所定の可撓性を備えたチューブ体であって、本実施の形態では、観察方向、及び挿入方向を可変するための図示しない湾曲部が配設されている。この挿入部2の基端部は、操作部4に連結されている。
【0014】
また、挿入部2は、先端に先端観察部(以下、単に先端部と記す)を有している。この先端部には、観察窓、及び照明窓を備え、図示しないCCD、CMOS等の撮像手段、各種光学部材が内蔵される観察ユニットが配設されている。
【0015】
尚、本実施の形態では、観察ユニットが挿入方向に沿った方向を臨む、所謂、直視型の内視鏡1が図示されている。また、以下の説明において、本実施の形態の内視鏡1は、直視型に限定されること無く、勿論、観察ユニットが挿入方向に略直交する方向を臨む、所謂、側視型内視鏡、及び観察ユニットが挿入方向に傾斜する方向を臨む、所謂、斜視型内視鏡にも適用可能である。
【0016】
管状部材3は、挿入部2に外挿する金属、合成樹脂等からなる。尚、管状部材3は、硬質管でも良いし、柔軟な軟質管でも良い。
【0017】
この管状部材3は、先端部分の外周面が粗面加工された所謂、鑢状の研磨部6と、基端部分に挿入部2に対して進退、及び回転するための進退回転機構部7と、を有している。この管状部材3は、挿入部2の湾曲部の湾曲可動を阻害しないような可撓性を備えている。
【0018】
操作部4は、ユーザが握持するためのハンドル部8と、管状部材3に進退回転機構部7を介して進退/回転駆動するための回転側駆動部10、及び進退側駆動部11と、を有している。ハンドル部8の上面部には、挿入部2の湾曲部の湾曲方向を指示するための、湾曲操作レバー8aと、2つの駆動部10,11を操作するためのスイッチ類8bと、が配設されている。また、この操作部4は、本体装置5と制御ケーブルであるユニバーサルコード12によって電気的に接続されている。
【0019】
本体装置5は、ユニバーサルコード12が接続される制御ボックス13と、この制御ボックス13に開閉自在な蓋体を兼ねるモニタ部14と、から構成されている。この本体装置5内には、挿入部2の観察ユニットの照明窓から照射する白色光の光源、各種制御を行う制御回路等が内蔵されている。尚、本体装置5は、光源を有しておらず、上記観察ユニットにLED等の照明手段が配設されていても良い。
【0020】
制御ボックス13は、天地方向の上面に電源スイッチ、キーボード等の各種入力部15を有している。
モニタ部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面14aを有している。この表示画面14aは、複数の画像を同時に表示できる、所謂、マルチ表示画面としても良い。
【0021】
次に、図2〜図5を用いて、管状部材3の基端部と進退回転機構部7について説明する。
図2に示すように、管状部材3の基端部には、外周中途部分に端に2つのドーナッツ円盤状のストッパ18a,18bが固着された、はすば状の第1ギヤ部17と、最基端に平歯状の第2ギヤ部20とが配設されている。
【0022】
また、図3に示すように、第1ギヤ部17は、両端のストッパ18a,18bと共に、内周面が管状部材3の外周面と接着により固着されて、進退ユニットが構成される。尚、これら第1ギヤ部17、及び各ストッパ18a,18bは、接着固定に限ることなく、螺子留め等により、管状部材3に固定されても良い。
【0023】
さらに、進退ユニットは、図4に示すように、一端にフランジ26が形成され、他端の外周部に螺子溝25aが刻設された略円筒状のシャフト25と、このシャフト25に外挿する筒体であって、外周面が、はすば状のギヤ28と、シャフト25の螺子溝25aに螺着する螺子溝29aが内周面に刻設された円環状のストッパ29と、からなる構成としても良い。この図4に示した進退ユニットは、シャフト25のフランジ26に、例えば4つのビス27が螺着貫挿されて、管状部材3に固定される。尚、この進退ユニットは、4つのビス27を用いず、接着により管状部材3と固着されても良い。
【0024】
図5に示すように、進退回転機構部7は、硬質な筒体7aと、この筒体7aの先端面を塞ぐように設けられ、管状部材3に摺動自在な第1ガイド16と、筒体7a内の中途に設けられ、管状部材3に摺動自在な第2ガイド19と、筒体7aの基端面を塞ぐように設けられ、挿入部2が摺動自在に挿通する第3ガイド21と、これら各ガイド16,19,21を周回りに略等間隔で貫挿保持固定する複数、ここでは4本のステー22(図2では3本のみ図示)と、から構成されている。
【0025】
各ガイド16,19,21は、略ドーナッツ状の円盤であり、夫々の外周面が筒体7aの内周面と接着、或いは螺子留めにより、筒体7aに固着されている。また、管状部材3の基端部分が進退回転機構部7内に設置された状態では、第1ガイド16と第2ガイド19との間に上記第1ギヤ部17が配置され、第2ガイド19と第3ガイド21との間に上記第2ギヤ部20が配置される。
【0026】
また、第2ガイド19には、図1に示した、進退側駆動部11のモータ軸11aが回動自在に挿通保持されている。さらに、第3ガイド21には、図1に示した、各駆動部10,11の夫々のモータ軸10a,11aが回動自在に挿通保持されている。
【0027】
この回転側モータ軸10aの先端には、上記回転側ギヤ部20と噛合して、管状部材3を回転させるための、平歯車24が配設されている。つまり、回転側ギヤ部20、及び平歯車24は、平歯車機構によるギヤ列を構成している。そのため、回転側駆動部10(図1参照)からの回転駆動により、管状部材3が長軸(挿入軸)回りに回転する。
【0028】
また、進退側モータ軸11aの先端には、上記進退側ギヤ部17と噛合して、管状部材3を進退させるための、はすば歯車23が配設されている。つまり、進退側ギヤ部17、及びはすば歯車23は、はすば歯車機構によるギヤ列を構成している。そのため、進退側駆動部11(図1参照)からの回転駆動により、管状部材3が長軸(挿入軸)方向へ進退する。
【0029】
なお、管状部材3の進退移動範囲は、はすば歯車23の両端面が進退側ギヤ部17の両端に配設されたストッパ18a,18bにより当接規制される範囲である。そのため、進退側ギヤ部17の長軸方向の長さは、所定に設定されるが、種々の長さとすることで、管状部材3の進退移動範囲も変更可能となる。
【0030】
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡1は、図6に示すように、管状部材3を回転/進退することにより、例えば、試料、配管等の被検体31の孔部31aの開口端に発生ししている被研磨対象物であるバリ100に管状部材3の先端部分の研磨部6を当接して、削り除去することができる。
【0031】
具体的に説明すると、ユーザは、被検体31の各孔部31a内に内視鏡1の挿入部2を管状部材3と共に挿入して、内視鏡検査を行う。そして、ユーザは、孔部31a内に異常がないか検査する。
【0032】
例えば、図6に示すような、旋盤加工時に頻繁に発生するバリ100を発見すると、ユーザは、操作部4のスイッチ類8bの操作により、管状部材3を挿入部2に対して孔部31a内で少し前進させる。
【0033】
このとき、図5に示した、進退側駆動部11が所定の方向へ進退側モータ軸11aを回転駆動して、はすば歯車23と進退側ギヤ部17により、管状部材3が挿入部2に対して前進する。その後、ユーザは、操作部4のスイッチ類8bの操作により、管状部材3を軸回りに回転することによって、研磨部6と当接するバリ100を削り取ることができる。尚、ユーザは、管状部材3が回転しているときに、挿入部2の湾曲部を孔部31aの円周に沿って湾曲操作することで、バリ100を確実に削り取ることができる。
【0034】
また、ユーザは、操作部4のスイッチ類8bの操作により、管状部材3を挿入部2に対して孔部31a内で進退させて、バリ100を研磨除去することもできる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態の内視鏡1は、被検体31に発生する不具合であるバリ100等を容易で確実に研磨除去することができる。そのため、ユーザは、バリ100等の位置、状態等によって、内視鏡1を回転させたり、研磨部6の位置を変更したりする必要がなくなる。
【0036】
そのため、本実施の形態の内視鏡1は、被処置部であるバリ100等の位置、状態等によらず、バリ100等を取り除くため研磨等を伴った内視鏡検査作業が容易に行える構成となっている。
【0037】
尚、上述したように、本実施の形態では、管状部材3の先端外周面に粗面形成した研磨部6を設けたが、この構成に限ることなく、図7〜図10に示すような構成としても良い。
【0038】
管状部材3は、図7に示すように、先端部分の外周面に一縁部が貼着されたペーパ状の研磨部34を複数で有していても良い。この構成では、研磨部34の研磨機能が低下した場合、研磨部34を容易に交換することが可能となる。
【0039】
また、管状部材3は、図8に示すような、先端部分に着脱自在なペーパ状の研磨部33を有していても良い。詳しくは、本実施の形態の管状部材3は、スリット32aが内孔に沿って形成された筒体32にサンドペーパ状の研磨部33が内部からスリット32aを介して外周側へ延出する状態で先端外周部に圧着させた構成となっている。
【0040】
上記筒体32は、管状部材3の先端部外径よりも若干に小さな孔径を有しており、管状部材3の先端外周部に圧着固定される。この構成でも、研磨部33の研磨機能が低下した場合、筒体32により、管状部材3の先端部分に対して着脱自在となっているため、研磨部33の交換が容易となる。
【0041】
また、管状部材3は、図9に示すような、先端外周部分に周回り方向に一端が固着された複数のワイヤを備えたブラシ状の研磨部33を有していても良い。この構成では、図10に示すように、管状部材3の回転によって、研磨部33が外周方向へ展開するため、広範囲な研磨領域を確保することができる。
【0042】
尚、図9、及び図10では、ブラシ状の研磨部33を構成する複数のワイヤは、先端側が管状部材3の外周部に固着されているが、これに限定されること無く基端が前記外周部に固着されるようにしても良い。
【0043】
さらに、図11に示すように、管状部材3は、研磨部(ここでは、本実施形態の研磨部6を図示しているが、上述の変形例を示す各研磨部34〜33にも勿論適用可能である)の基端近傍が湾曲した状態の曲がり癖が付いた状態としても良い。
【0044】
この曲がり癖が付いた管状部材3は、図12に示すように、例えば、被検体31の略直線状の孔部31a内では、この孔部31aを形成する被検体31の内面に研磨部6が常に当接することができる。これは、例えば、挿入部2に湾曲部を備えていない内視鏡1であった場合に非常に有効な構成となる。
【0045】
(第2の実施の形態)
次に、図13〜図19を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図13〜図19は、本発明の工業用内視鏡装置における第2の実施の形態に係り、図13は工業用内視鏡装置を示す全体構成図、図14は操作部内の進退回転機構部の構成を示す図、図15は研磨部収納部の内部構成を示す断面図、図16は研磨部収納部の作用を説明するための断面図、図17は研磨部収納部を示す斜視図、図18は研磨部収納部の作用を説明するための斜視図である。
【0046】
尚、以下の説明において、本実施の形態の工業用内視鏡装置は、上述した第1の実施の形態と同一の構成については、それらの説明を同じ符号を用いて説明、作用、並びに効果を省略する。
【0047】
図13に示すように、本実施の形態の工業用内視鏡装置(以下、単に内視鏡と記す)1aは、管状部材3の先端部分に配設された研磨部収納部41と、この研磨部収納部41内から進退して、突出/収納、及び挿入軸回りに回転自在な円筒状の研磨ブラシを備えた進退回転機構部42と、操作部4に配設され、進退回転機構部42を回転、或いは進退するための駆動部38,39と、を有している。
【0048】
操作部4の2つの駆動部38,39には、図14に示すように、夫々モータ43,44が内蔵されている。
一方の駆動部(以下、進退側駆動部という場合がある)38内のモータ44は、はすば状の進退ギヤ47を有している。このギヤ47は、進退側駆動部38に配設される、はすば歯車機構50内の、はすばラックギヤ48に噛合しており、回転によって、はすばラックギヤ48を進退させる。
【0049】
他方の駆動部(以下、回転側駆動部という場合がある)39内のモータ43は、管状部材3内に挿通する軟性のシースチューブ46に遊挿被覆されたシャフト45を回転駆動する。この回転シャフト45は、管状部材3の湾曲変形に合わせて変化自在な所定の可撓性を備え、ある程度の剛性を備えている。
【0050】
この、はすばラックギヤ48は、ガイド49を介して、管状部材3内に挿通する軟性のシースチューブ52に遊挿被覆された進退シャフト51を押し引きして、進退させる。この進退シャフト51もまた、管状部材3の湾曲変形に合わせて変化自在な所定の可撓性を備え、ある程度の剛性を備えている。
【0051】
これら各シャフト45,51は、管状部材3の研磨部収納部41に設けられる進退回転機構部42まで、夫々のシースチューブ46,52と共に、管状部材3内に挿通している。
【0052】
進退回転機構部42は、図15に示すように、先端側から順に、複数のワイヤからなる研磨部である研磨ブラシ部53と、このブラシ部53が先端に嵌着された円筒状の回転口金54と、この回転口金54をブラシ部53と共に進退させる円環状の進退口金56と、から構成されている。
【0053】
また、回転口金54は、先端側内周面に平歯状の外歯車を形成するギヤ溝54aが形成され、中途外周部に外向に突出したガイド凸部54bと、基端部に進退口金56に遊嵌するピン等の係合部55と、を有している。
【0054】
この回転口金54のギヤ溝54aは、所定の長さで刻設され、回転シャフト45の先端に配設された平歯状の回転ギヤ45aと噛合している。また、回転ギヤ45aは先端部が回転保持体61に回動保持されている。また、管状部材3内には、挿入部2が挿通する保護チューブ60が配設されている。
【0055】
上記回転保持体61は、この保護チューブ60に固定されており、回転ギヤ45aをギヤ溝54aに確実に噛合させるため、回転ギヤ45aを回動保持している。また、回転シャフト45を被覆するシースチューブ46は、その先端部分が研磨部収納部41を形成する外皮と保護チューブ60の間で夫々に固着されたシース保持体57に固着保持されている。
【0056】
以上のことから、図14に示した、回転側駆動部39内の回転モータ43によって回転駆動された回転シャフト45によって、回転ギヤ45aが連動することで、回転口金54がブラシ部53と共に回転する。尚、上記ギヤ溝54aの上記所定の長さは、進退回転機構部42の研磨ブラシ部53が後述する進退移動の距離に充分に対応した長さに設定されている。
【0057】
尚、研磨部収納部41の先端部分の内周面は、厚さが薄くなるように円周に沿って削り取られたガイド部41aが形成されている。このガイド部41aは、回転口金54のガイド凸部54bと係合し、回転口金54を回転、及び直進ガイドする。
【0058】
進退口金56は、回転シャフト45が挿通され、進退シャフト51が基端に嵌着されており、保護チューブ60に進退自在に外挿している。また、この進退口金56は、回転口金54の基端部の係合部55と係合する段部を有し、回転口金54を押し引きする。
【0059】
つまり、進退口金56は、図14に示した、進退側駆動部38の進退モータ44の回転によって、進退ギヤ47と、はすばラックギヤ48との作用によって、ガイド49を介して進退する進退シャフト51に連動する。そのため、進退口金56は、回転口金54をブラシ部53と共に、押し引きする。
【0060】
以上のことから、研磨部収納部41内の進退回転機構部42は、図16に示すように、前進してブラシ部53が研磨部収納部41の先端面から突出し、挿入軸回りに回転することができる。このとき、ユーザは、このような進退回転機構部42の進退、及び回転の操作を操作部4のスイッチ類8bにより任意に行う。また、ユーザは、内視鏡1の検査時に進退回転機構部42を図18に示すように研磨部収納部41内に収め、被検体の処置に際に、図19に示すように進退回転機構部42を前進/回転して研磨作業を行うことができる。
【0061】
つまり、本実施の形態の内視鏡1aは、図18に示す状態から、図19に示す状態に進退回転機構部42のブラシ部53が突出し、回転することで、第1の実施の形態に記載したバリ100等を研磨除去することができる。
このように構成された本実施の形態の内視鏡1の構成でも、第1の実施の形態と同じ効果を得られる。
【0062】
(第3の実施の形態)
次に、図19〜図21を用いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図19〜図21は、本発明の工業用内視鏡装置における第3の実施の形態に係り、図19は工業用内視鏡装置を示す全体構成図、図20はブラシ部を進退/回転する進退回転機構部を示す部分断面図、図21は変形例を示し、管状部材を進退させ、ブラシ部を回転させる進退回転機構部を示す断面図である。
【0063】
尚、ここでも以下の説明において、本実施の形態の工業用内視鏡装置は、上述した第1、及び第2の実施の形態と同一の構成については、それらの説明を同じ符号を用いて説明、作用、並びに効果を省略する。
【0064】
図20に示すように、本実施の形態の内視鏡(工業用内視鏡装置)1bは、第2の実施の形態での研磨ブラシ部53を進退/回転させるための進退回転機構部37を操作部4の近傍となる管状部材3の基端に有している。
【0065】
この内視鏡1bは、図21に示すように、管状部材3、及び進退回転機構部37内に挿通し、挿入部2を保護する軟性の保護チューブ62を有している。この保護チューブ62には、円周に沿った先端面に複数のワイヤを嵌着させた第2の実施の形態と同様の研磨ブラシ部53が配設されている。
【0066】
進退回転機構部37は、両端が管状部材3と操作部4に連結して閉塞された略筒状の筐体63によって外形が形成されている。この筐体63内の保護チューブ62の基端外周部分には、先端側から順に、両端に円環状のストッパ66a,66bを備えた、はすば歯車状の螺子溝を有する進退側ギヤ64と、両端に円環状のストッパ67a,67bを備えた、平歯車状の螺子溝を有する回転側ギヤ65と、が外挿固定されている。
【0067】
進退側ギヤ64は、進退側駆動部38に内蔵された進退側モータ43の回転シャフト38aの先端に配された、はすば状の進退伝達ギヤ58に噛合している。
一方で、回転側ギヤ65は、回転側駆動部39に内蔵された回転側モータ44の回転シャフト39aの先端に配された平歯状の回転伝達ギヤ59に噛合している。
【0068】
このように構成された、本実施の形態の内視鏡1cは、進退側駆動部38の駆動により、進退伝達ギヤ58と進退側ギヤ64とが作用する。これにより、内視鏡1cは、保護チューブ62が長軸方向(挿入方向)に進退することで、先端部分の研磨ブラシ部53が管状部材3の先端から延出、或いは管状部材3の先端部内へ収納することができる。
【0069】
そして、内視鏡1cは、回転側駆動部39の駆動により、回転伝達ギヤ59と回転側ギヤ65とが作用する。これにより、内視鏡1cは、保護チューブ62が長軸(挿入軸)回りに回転することで、先端部分から延出した研磨ブラシ部53が回転する。
【0070】
尚、これら進退側駆動部38と回転側駆動部39の駆動操作は、操作部4のスイッチ類18b(図19参照)により行われる。
【0071】
以上の結果、このような構成でも本実施の形態の内視鏡1cは、第1、及び第2の実施の形態と同様な効果を奏することができる。また、研磨部である研磨ブラシ部53が回転によって研磨面積が広がるため、ユーザは、広範囲に研磨作業を行うことができる。
【0072】
また、本実施の形態の内視鏡1cは、図21に示すように、管状部材3の基端外周部分に進退側ギヤ64を設けて、管状部材3を長軸(挿入軸)方向に進退して、管状部材3の先端部分から研磨ブラシ部53を露出、或いは管状部材3によって被覆するような構成にしても良い。
【0073】
(第4の実施の形態)
次に、図22を用いて、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図22は、本発明の第4の実施の形態に係り、工業用内視鏡装置の操作部から先端部分を示す構成図である。ここでも以下の説明において、本実施の形態の工業用内視鏡装置は、上述した第1〜第3の実施の形態と同一の構成については、それらの説明を同じ符号を用いて説明、作用、並びに効果を省略する。
【0074】
図22に示すように、本実施の形態の工業用内視鏡装置(以下、単に内視鏡と記す)1dは、外周面に研磨部71を備え、管状部材3内を進退/回転する先端部70を有している。
【0075】
この先端部70は、先端面に観察レンズ70aが略中央に配設され、この観察レンズ70aの周囲に照明用の複数のLED70bを有している。また、先端部70の研磨部71は、外周方向に付勢する板バネとなっており、その表面が粗面加工された鑢状となっている。
【0076】
この先端部70は、可撓性のあるシャフト72の一端に連結されている。このシャフト72は、管状部材3内に挿通しており、他端が管状部材3と操作部4の連結部分に配設された外形が略円柱状の回路部73と連結されている。
【0077】
回路部73には、画像回路部74と、LED回路部75と、バッテリ電源部76とが内蔵されている。これら画像回路部74、及びLED回路部75は、バッテリ電源部76から電源が供給され、先端部70内の各種光学機器とシャフト72内に挿通する通信ケーブルを介して、電源、及び各種信号を授受する。
【0078】
また、回路部73の外周部には、管状部材3の内面と接触して水密保持するOリング73aが配設されている。この回路部73の基端面中央には、操作部4内に配設されたモータ80のモータ軸77が連結されている。このモータ80は、操作部4内のスライド台78と固定金具79によって固定されている。
【0079】
スライド台78は、ステージ81に進退自在に嵌合されている。このスライド台78は、ステージ81に対して、図示しないスライド機構によって進退する。このスライド機構は、モータを用いて、はすばギヤ列からなるものでも良いし、ソレノイド、ユーザによる手動レバーなどによって、スライド台78を進退させる構成にしても良い。
【0080】
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡1dは、スライド台78がステージ81に対して進退することによって、モータ軸77、回路部73、及びシャフト72を介して、先端部70を進退して、管状部材3の先端部分から延出、或いは先端部分内へ収容することができる。
【0081】
そして、内視鏡1dは、管状部材3から延出する先端部70をモータ80により、モータ軸77、回路部73、及びシャフト72を介して、回転することができる。これにより、先端部70の研磨部71も回転するため、ユーザは、旋盤加工時に頻繁に発生するバリ100等を研磨除去することができる。
【0082】
このとき、ユーザは、内視鏡1dの湾曲部を湾曲させることで、被処置部(バリ等)に容易に当接することができる。また、ユーザは、研磨部71が先端部70の外周面全体の研磨面積を有しているため、広範囲で研磨が行える。
【0083】
以上、各実施の形態に記載した工業用内視鏡装置1〜1dは、内視鏡検査によって発見した被研磨対象物(バリ等)の研磨加工を、これらの位置、状態等によらず、容易に行え、広範囲で研磨作業を行うことができるため、作業効率が向上する構成となっている。
【0084】
尚、本実施の形態では、上述した構成の内視鏡1を例に挙げたが、各種硬性内視鏡にも勿論、適用可能である。また、上記各研磨部の構成は、金属などの研磨が行えるものであれば良く、例えば、サンドペーパ、砥石、鑢、研磨ブラシなど多様な構成とし、特に、上述の実施の形態に限定されることは無いものである。
【0085】
以上に記載した発明は、本実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、本実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0086】
例えば、本実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1の実施の形態に係る工業用内視鏡システムを示す全体構成図。
【図2】同、管状部材の基端部分を示す斜視図。
【図4】同、進退側ギヤ部を示す分解斜視図。
【図3】同、進退側ギヤ部の変形例を示す分解斜視図。
【図5】同、進退回転機構部の内部構成を示す図。
【図6】同、工業用内視鏡装置の作用を説明するための図。
【図7】管状部材の先端部分の第1変形例を示す図。
【図8】管状部材の先端部分の第2変形例を示す図。
【図9】管状部材の先端部分の第3変形例を示す図。
【図10】図9の管状部材の作用を説明するための図。
【図11】湾曲した曲がり癖を備えた管状部材を示す図。
【図12】図11の管状部材の作用を説明するための図。
【図13】第2の実施の形態に係る工業用内視鏡装置を示す全体構成図。
【図14】同、操作部内の進退回転機構部の構成を示す図。
【図15】同、研磨部収納部の内部構成を示す断面図。
【図16】同、研磨部収納部の作用を説明するための断面図。
【図17】同、研磨部収納部を示す斜視図。
【図18】同、研磨部収納部の作用を説明するための斜視図。
【図19】第2の実施の形態に係る工業用内視鏡装置を示す全体構成図。
【図20】同、ブラシ部を進退/回転する進退回転機構部を示す部分断面図。
【図21】同、変形例を示し、管状部材を進退させ、ブラシ部を回転させる進退回転機構部を示す断面図。
【図22】第4の実施の形態に係る工業用内視鏡装置の操作部から先端部分を示す構成図。
【符号の説明】
【0088】
1,1a,1b,1c,1d・・・内視鏡
2・・・挿入部
3・・・管状部材
4・・・操作部
5・・・本体装置
6,33,34・・・研磨部
7,37,・・・進退回転機構部
10,39・・・回転側駆動部
11,38・・・進退側駆動部
14・・・モニタ部
14a・・・表示画面
31a・・・孔部
31・・・被検体
100・・・バリ
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進


【公開番号】 特開2008−213(P2008−213A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170505(P2006−170505)