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【発明の名称】 クリーナ
【発明者】 【氏名】鷹野 茂彦

【要約】 【課題】被クリーニング面が湾曲していたとしても十分綺麗にクリーニングし得るクリーナを提供する。

【構成】開口部が形成されたケース本体と、ケース本体内に回転可能に収容されたスプール4と、ケース本体に取り付けられると共にケース本体の外側に向けて支持部72が開口部から突出可能な支持体7と、支持部72およびスプール4の間に掛け渡されたクリーニング帯3とを備え、支持部72は、クリーニング帯3の幅方向に沿って配列されてクリーニング帯3を先端面73で支持する複数の帯状体72aを備えて構成され、各帯状体72aは、外側からの押圧に応じて先端面73が個別的に後退可能に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成されたケース本体と、前記ケース本体内に回転可能に収容された回転軸と、前記ケース本体に取り付けられると共に前記ケース本体の外側に向けて先端部が前記開口部から突出可能な支持体と、当該支持体の前記先端部および前記回転軸の間に掛け渡された帯状のクリーニング部材とを備え、
前記支持体の前記先端部は、前記クリーニング部材の幅方向に沿って配列されて当該クリーニング部材を先端面で支持する複数の支持部材を備えて構成され、
前記各支持部材は、前記外側からの押圧に応じて前記先端面が個別的に後退可能に構成されているクリーナ。
【請求項2】
前記支持体の前記先端部は、板状体の一端部側を分割すると共に湾曲させて前記先端面としての湾曲面が形成された複数の帯状体を備えて構成され、前記各支持部材は、前記帯状体で構成されている請求項1記載のクリーナ。
【請求項3】
前記支持体の前記先端部は、前記クリーニング部材の幅方向に沿って配設された軸が中心部に挿通されると共に当該軸と内面との間に弾性部材が配設された前記支持部材としての環状体を複数備えて構成されている請求項1記載のクリーナ。
【請求項4】
前記開口部から突出する前記支持体における前記先端部の突出量を変更可能に当該支持体をスライドさせるスライド部を備えている請求項1から3のいずれかに記載のクリーナ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の表示面をクリーニングするためのクリーナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のクリーナとして、実開平3−119365号公報に開示された表示画面用清掃具(以下、単に「清掃具」ともいう)が知られている。この清掃具は、ホルダと、ホルダに形成された開口部から一部を突出させた状態で収容された払拭部材と、払拭部材の突出部分を被着するキャップとを備えて構成されている。この場合、払拭部材は、スポンジやゴム等からなる弾性中心部材の回りにスポンジからなる弾性外皮部材を被設した芯材と、布帛等で形成されて芯材の周囲に巻着された払拭シートとを備えて構成されている。この清掃具を用いてディスプレー装置やテレビ等の表示画面を清掃する際には、ホルダを握持して、開口部から突出している払拭部材を表示画面に押し付けて移動させる。この場合、払拭部材が適度な弾性を有しているため、表示画面の表面が曲面で構成されていたとしても、払拭部材がその曲面に沿った形状に弾性変形して、画面上に付着している汚れや埃を払拭シートで拭き取ることが可能となっている。
【特許文献1】実開平3−119365号公報(第5−6頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記の清掃具には、以下の問題点がある。すなわち、この清掃具では、スポンジやゴム等からなる単一の芯材の周囲に払拭シートを巻着して構成した払拭部材が用いられている。しかしながら、芯材自体が弾性変形したとしても、その変形量は、最大でも芯材を構成するスポンジの厚み分に限定される。このため、曲率半径の小さい(湾曲の程度が大きい)曲面で表面が構成されている表示画面に払拭部材を押し付けたときには、芯材が曲面に沿って変形し切れずに、払拭部材と表示画面との間に隙間が生じて拭き残しが発生することがある。したがって、この清掃具には、曲率半径の小さい曲面で表面が構成されている表示画面の汚れや埃を十分に綺麗に拭き取ることができないおそれがある。
【0004】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、被クリーニング面が湾曲していたとしても十分綺麗にクリーニングし得るクリーナを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく本発明に係るクリーナは、開口部が形成されたケース本体と、前記ケース本体内に回転可能に収容された回転軸と、前記ケース本体に取り付けられると共に前記ケース本体の外側に向けて先端部が前記開口部から突出可能な支持体と、当該支持体の前記先端部および前記回転軸の間に掛け渡された帯状のクリーニング部材とを備え、前記支持体の前記先端部は、前記クリーニング部材の幅方向に沿って配列されて当該クリーニング部材を先端面で支持する複数の支持部材を備えて構成され、前記各支持部材は、前記外側からの押圧に応じて前記先端面が個別的に後退可能に構成されている。
【0006】
この場合、板状体の一端部側を分割すると共に湾曲させて前記先端面としての湾曲面が形成された複数の帯状体を備えて前記支持体の前記先端部を構成し、前記各支持部材を前記帯状体で構成することができる。
【0007】
また、前記クリーニング部材の幅方向に沿って配設された軸が中心部に挿通されると共に当該軸と内面との間に弾性部材が配設された前記支持部材としての環状体を複数備えて前記支持体の前記先端部を構成することができる。
【0008】
また、前記開口部から突出する前記支持体における前記先端部の突出量を変更可能に当該支持体をスライドさせるスライド部を備えた構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るクリーナによれば、クリーニング部材の幅方向に沿って配列されてクリーニング部材を先端面で支持する複数の支持部材を備えて支持体の先端部を構成し、外側からの押圧に応じて先端面が個別的に後退可能に各支持部材を構成したことにより、クリーニング対象の被クリーニング面が湾曲していて、かつその曲率半径が小さい場合であっても、外側からの押圧に応じて各支持部材が互いに異なる変形量で弾性変形して支持部材の先端面が後退するため、各支持部材の先端部を覆っているクリーニング部材の各部位を被クリーニング面に確実に密着させることができる。したがって、例えば、単一の芯材の周囲に払拭シートを巻着して構成した払拭部材でクリーニングを行う従来の清掃具とは異なり、拭き残しを発生させることなく被クリーニング面を十分綺麗にクリーニングすることができる。
【0010】
また、本発明に係るクリーナによれば、板状体の一端部側を分割すると共に湾曲させて先端面としての湾曲面が形成された複数の帯状体を備えて支持体の先端部を構成し、その帯状体で各支持部材を構成したことにより、先端部を簡易に構成することができる。したがって、先端部の構成が簡易な分、クリーナの製造コストを十分に低く抑えることができると共に、先端部の構成が簡易な分、先端部の故障の発生を十分に低く抑えることができる。
【0011】
また、本発明に係るクリーナによれば、クリーニング部材の幅方向に沿って配設された軸が中心部に挿通されると共に軸と内面との間に弾性部材が配設された支持部材としての環状体を複数備えて支持体の先端部を構成したことにより、弾性部材の形状や材質を変更することで、外側からの押圧力に対する環状体の外周面(先端面)の移動のし易さ、つまり使用時における先端部の軟らかさが異なる各種クリーナを容易に製造することができる。
【0012】
また、本発明に係るクリーナによれば、開口部から突出する支持体における先端部の突出量を変更可能に支持体をスライドさせるスライド部を備えたことにより、例えば、クリーニング対象の被クリーニング面とその被クリーニング面の縁部との間に段差が存在しているとしても、その段差の高さに応じて先端部の突出量を容易に変更することができるため、被クリーニング面の隅々まで確実にクリーニングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るクリーナの最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
最初に、クリーナ1の構成について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示すクリーナ1は、本発明に係るクリーナの一例であって、同図および図2に示すように、ケース本体2、クリーニング帯3、スプール4、回転機構5、ラチェット6(図8参照)、支持体7、スライド機構8(図11参照)、クッション部9およびテンション板10を備えて構成されている。ケース本体2は、図3に示すように、互いに嵌合可能な下ケース11および上ケース12を備えて構成され、両ケース11,12の嵌合状態において先端部に開口部2aが形成されると共に、両ケース11,12の嵌合状態においてクリーニング帯3、スプール4および支持体7等を収容する収容部2bを形成する。
【0016】
下ケース11は、図4に示すように、湾曲形成された底板21と、底板21における三方の縁部に立設された側板22〜24とを備えて全体として浅皿状に形成されている。また、底板21には、側板22に対して平行(ほぼ平行)となるようにして壁部25が立設されると共に、側板23に対して平行(ほぼ平行)となるようにして壁部26が立設されている。この場合、側板22および壁部25には、回転機構5を回転可能に保持するための半円状の切り欠き22aおよび切り欠き25aがそれぞれ形成されている。また、壁部25および壁部26には、スプール4を回転可能に保持するための切り欠き25bおよび切り欠き26aがそれぞれ形成されている。さらに、側板23には、スライド機構8を回転可能に保持するための半円状の切り欠き23aが形成されている。また、側板22,23には、支持体7をスライド可能に取り付けるためのリブ27,28がそれぞれ形成されている。
【0017】
上ケース12は、図5に示すように、湾曲形成された天板31と、天板31における三方の縁部に立設された側板32〜34とを備えて、下ケース11とほぼ同様の浅皿状に形成されている。また、天板31には、側板32に対して平行(ほぼ平行)となるようにして壁部35が立設されると共に、側板33に対して平行(ほぼ平行)となるようにして壁部36が立設されている。この場合、側板32および壁部35には、回転機構5を回転可能に保持するための半円状の切り欠き32aおよび切り欠き35aがそれぞれ形成されている。また、壁部35および壁部36には、スプール4を回転可能に保持するための切り欠き35bおよび切り欠き36aがそれぞれ形成されている。さらに、側板33には、スライド機構8を回転可能に保持するための半円状の切り欠き33aが形成されている。また、天板31には、テンション板10を固定するための突起部37,37,37が形成されている。
【0018】
クリーニング帯3は、本発明におけるクリーニング部材に相当し、図6に示すように、例えば帯状の織布によってループ状に構成されている。また、クリーニング帯3は、スプール4および支持体7に掛け渡された状態でケース本体2内に配設される。なお、クリーニング帯3の材料としては、織布に限定されず、不織布や紙等の汚れや埃の拭き取りに適した各種の材料を用いることができる。また、ゴムシートや樹脂シート等の表面に織布、不織布および紙などを貼付したシート体でクリーニング帯3を構成することもできる。
【0019】
スプール4は、本発明における回転軸に相当し、図7に示すように、円柱状の本体部41と、本体部41の中心に配設された中心軸42と、中心軸42の一端部に取り付けられた被駆動ギヤ43と、図8に示すように、中心軸42の他端部に取り付けられたラチェットギヤ44とを備えて構成されている。この場合、本体部41には、クリーニング帯3の滑りを防止すると共に本体部41におけるひけ等の発生を防止するための凹凸加工(肉盗み)が施されている。また、スプール4は、下ケース11における壁部25の切り欠き25bおよび上ケース12における壁部35の切り欠き35bによって中心軸42の一端部側(被駆動ギヤ43側)が支持されると共に、下ケース11における壁部26の切り欠き26aおよび上ケース12における壁部36の切り欠き36aによって中心軸42の他端部側(ラチェットギヤ44側)が支持されることにより、図14に示すように、ケース本体2の収容部2bに回転可能に収容されている。
【0020】
回転機構5は、図9に示すように、円板状に形成されたダイヤル51、ダイヤル51の中心に配設された中心軸52、および中心軸52に取り付けられた駆動ギア53で構成される本体部5aと、本体部5aを回転不可状態にロックするブレーキ5b(図14参照)とを備えて構成されている。この場合、本体部5aは、下ケース11における側板22の切り欠き22aおよび上ケース12における側板32の切り欠き32aによって中心軸52のダイヤル51側が支持されると共に、下ケース11における壁部25の切り欠き25aおよび上ケース12における壁部35の切り欠き35aによって中心軸52の駆動ギア53側が支持されることにより、ケース本体2に回転可能に配設されている。また、本体部5aは、図9に示すように、ケース本体2に配設された状態においてスプール4の被駆動ギヤ43に駆動ギア53が噛合して、ダイヤル51が回転させられたときに駆動ギア53を介してスプール4を回転させる。また、ブレーキ5bは、図1に示すように、下ケース11の側板22および上ケース12の側板32と、ダイヤル51との間に配設される。
【0021】
ラチェット6は、図8に示すように、棒状の本体部61と、本体部61の一端部から延出するようにして配設されて、スプール4のラチェットギヤ44に噛合する爪部62aが先端部に形成された腕部62とを備えて構成されている。このラチェット6は、下ケース11の側板23と壁部26との間の隙間に配設されて、スプール4の一方の向きへの回転を許容すると共に他方の向きへの回転を規制する。
【0022】
支持体7は、図10に示すように、スライド板71と、本発明における支持体の先端部に相当する支持部72とを備えて構成されている。スライド板71は、平面視が略矩形の板状に構成されて、一方の側部(同図における右側の側部)には、ラック71aが形成されている。また、スライド板71の両側部には、支持部72を着脱可能に取り付けるためのリブ71bが形成されている。支持部72は、板状体の一端部側を切り込みによって複数(この例では10個)の帯状体72a(本発明における支持部材)に分割した全体として櫛形の形状に構成されている。この場合、各帯状体72aの先端部(上記した一端部)は、J字状に湾曲させられており、掛け渡されたクリーニング帯3を湾曲させられた先端面(湾曲面)73で支持する。また、各帯状体72aは、使用時における外側からの押圧に応じて弾性変形することにより、先端面73が開口部2a側に向けて個別的に移動(後退)させられる。
【0023】
また、支持部72の基端部にはスライド板71のリブ71bに嵌め込み可能な支柱72bが形成されており、この支柱72bをリブ71bに嵌め込んで支持部72を本体部71に固定した状態において、掛け渡されたクリーニング帯3の幅方向に沿って帯状体72aが配列される。この支持体7は、図2に示すように、スライド板71の両側部が下ケース11のリブ27,28の間に嵌め込まれることにより、ケース本体2(下ケース11)にスライド可能に配設される。また、支持体7は、例えば、使用時においてスライド機構8の操作によってスライドさせられることで、ケース本体2の外側に向けて支持部72の先端部を構成する帯状体72aが開口部2aから突出させられる。
【0024】
スライド機構8は、支持体7のラック71aと共に本発明におけるスライド部を構成して、図11に示すように、つまみ81と、つまみ81の中心部に取り付けられた中心軸82と、中心軸82に取り付けられたピニオン83とを備えている。また、スライド機構8は、下ケース11における側板23の切り欠き23aおよび上ケース12における側板33の切り欠き33aによって中心軸82が支持されることにより、ケース本体2に回転可能に配設される。このスライド機構8は、図14,15に示すように、ケース本体2に配設された状態において支持体7におけるスライド板71のラック71aにピニオン83が噛合して、つまみ81が回転させられたときにラック71aを介して支持体7をスライドさせる。この場合、ピニオン83におけるつまみ81側の面には、ラチェットギヤ(図示せず)が配設されており、下ケース11における側板23の内側に配設されたラチェット(図示せず)の爪部がこのラチェットギヤに噛合することにより、ピニオン83の回転、つまり支持体7の移動が適度な力で規制される。
【0025】
クッション部9は、ゴムや軟質の樹脂等の弾力性を有する材料で形成されて、図1に示すようにケース本体2の開口部2a側に取り付けられる。また、図12に示すように、クッション部9には、支持体7における支持部72の帯状体72a、および支持体7に掛け渡されたクリーニング帯3を挿通可能な開口部9aが形成されている。
【0026】
テンション板10は、金属や樹脂等の弾力性を有する材料により、図13に示すように、基端部10aおよび先端部10bを折り曲げた板状に形成されている。また、テンション板10の基端部10aには、固定用の孔10cが形成されている。また、テンション板10は、基端部10aに形成された孔10cに上ケース12の突起部37を挿通させてかしめることにより、図2に示すように、上ケース12の天板31に固定されている。この場合、テンション板10は、スプール4と支持体7との間に掛け渡されたクリーニング帯3にテンションを加えることにより、クリーニング帯3の弛みの発生を防止する。
【0027】
次に、クリーナ1の組立方法について図面を参照して説明する。
【0028】
まず、下ケース11にクリーニング帯3を載置すると共に、ラチェット6を側板23と壁部26との間の隙間にセット(配設)する。次いで、図2に示すように、クリーニング帯3の内側(ループの内側)に支持体7を位置させた状態で、支持体7におけるスライド板71の両側部を下ケース11のリブ27,28の間に嵌め込むことにより、支持体7を下ケース11にセットする。次いで、スプール4をクリーニング帯3の内側に位置させた状態で、スプール4における中心軸42の両端部を下ケース11における壁部25の切り欠き25bおよび壁部26の切り欠き26aにそれぞれ嵌め込むことにより、スプール4を下ケース11にセットする。これにより、クリーニング帯3がスプール4および支持体7の間に掛け渡される。
【0029】
続いて、図9に示すように、回転機構5における本体部5aの駆動ギア53とスプール4の被駆動ギヤ43とを噛合させつつ、本体部5aの中心軸52を下ケース11における壁部25の切り欠き25aおよび下ケース11における壁部25の切り欠き25aに嵌め込むことにより、本体部5aを下ケース11にセットする。次いで、回転機構5のブレーキ5bを下ケース11の側板22と、本体部5aのダイヤル51との間に配設する。
【0030】
続いて、図14に示すように、スライド機構8のピニオン83と支持体7におけるスライド板71のラック71aとを噛合させつつ、スライド機構8の中心軸82を下ケース11における側板23の切り欠き23aに嵌め込むことにより、スライド機構8を下ケース11にセットする。次いで、テンション板10が予め固定された上ケース12における側板32〜34の端面と、下ケース11における側板22〜24の端面とを突合させるようにして、上ケース12を下ケース11に嵌め合わせる。続いて、図1,2に示すように、両ケース11,12を嵌め合わせたケース本体2における開口部2a側の先端部にクッション部9を嵌め合わせる。この場合、図2に示すように、上ケース12に固定されているテンション板10の先端部10bによってクリーニング帯3が押圧されるため、支持体7がどのような位置に位置していたとしても、クリーニング帯3の弛みの発生が確実に防止される。以上によりクリーナ1の組立てが完了する。
【0031】
次に、クリーナ1を用いて、例えばディスプレイ500(図17参照)の表面をクリーニングする方法の一例について、図面を参照して説明する。
【0032】
まず、支持体7における支持部72のクッション部9(ケース本体2)からの突出量を、ディスプレイ500の縁部の段差(図17参照)に合わせて調整する。具体的には、スライド機構8のつまみ81を例えば図14に示す矢印Aの向きに回転させる。この際に、つまみ81の回転に伴ってピニオン83が回転し、これに伴ってピニオン83に噛合しているラック71aを介してスライド板71が同図に示す矢印Bの向きにスライドさせられる。これにより、図15,16に示すように、支持部72がクッション部9(ケース本体2の開口部2a)から前方(図16における左方向)に突出させられる。この場合、スライド板71のスライドによって支持部72の先端部とスプール4の本体部41との距離が長くなったとしても、図16に示すように、上ケース12に固定されているテンション板10の先端部10b側が上ケース12の天板31側に向けて弾性変形することにより、クリーニング帯3のテンションが適度なテンションに調整される。
【0033】
次に、図17に示すように、支持体7における支持部72の先端部を覆っているクリーニング帯3をディスプレイ500の表面に当接させた状態でクリーナ1を移動させることにより、ディスプレイ500の表面をクリーニングする。この場合、このクリーナ1では、互いに分離した複数の帯状体72aで支持部72の先端部が構成されているため、ディスプレイ500の表面が湾曲していて、かつその曲率半径が小さい(湾曲の程度が大きい)場合であっても、各帯状体72aが互いに異なる変形量で弾性変形する結果、各帯状体72aの先端部を覆っているクリーニング帯3の各部位がディスプレイ500の表面に密着する。したがって、例えば、単一の芯材の周囲に払拭シートを巻着して構成した払拭部材でクリーニングを行う従来の清掃具とは異なり、拭き残しを発生させることなくディスプレイ500の表面が十分綺麗にクリーニングされる。
【0034】
一方、クリーニングによってクリーニング帯3における支持部72の先端部を覆っている部分が汚れたときには、回転機構5を操作してクリーニング帯3をスライド(移動)させる。具体的には、回転機構5のブレーキ5bを押し込んで本体部5aのロック状態を解除すると共に、本体部5aのダイヤル51を回転させる。この際に、図9に示すように、ダイヤル51の回転に伴って駆動ギア53が回転し、これに伴って駆動ギア53に噛合しているスプール4の被駆動ギヤ43を介してスプール4の本体部41が回転させられる。また、スプール4の回転に伴い、スプール4および支持体7の間に掛け渡されているクリーニング帯3が両者の間でスライド(移動)させられる。
【0035】
この場合、スプール4に取り付けられているラチェットギヤ44とラチェット6の爪部62aとの噛合によってスプール4の一方の向きへの回転を許容されると共に他方の向きへの回転が規制されている。このため、クリーニング帯3の一方の向きへのスライドのみが許容される結果、前回のクリーニングによって汚れた部分が再び支持部72の先端部側に移動する事態が確実に防止される。次いで、清浄な部分が支持部72の先端部側に移動した時点でダイヤル51の回転を停止すると共に、ブレーキ5bの押し込みを解除して本体部5aを回転不可状態にロックする。これにより、クリーニング帯3の清浄な部分でのクリーニングが可能となる。
【0036】
次に、クリーニングを終了してクリーナ1を保管するときには、保管中のクリーニング帯3に対する埃の付着を防止するために、ケース本体2の収容部2b内に支持体7の支持部72を収容する。具体的には、スライド機構8のつまみ81を図15に示す矢印Cの向きに回転させる。この際に、つまみ81の回転に伴ってピニオン83が回転し、これに伴ってラック71aを介してスライド板71が同図に示す矢印Dの向きにスライドさせられる。これにより、図2に示すように、支持部72がケース本体2の収容部2b内に収容される。
【0037】
このように、このクリーナ1によれば、クリーニング帯3の幅方向に沿って配列されてクリーニング帯3を支持する複数の帯状体72aを備えて支持体7の支持部72を構成し、外側からの押圧に応じて先端面73がケース本体2の開口部2a側に向けて個別的に後退可能に各帯状体72aを構成したことにより、クリーニング対象のディスプレイ500の表面が湾曲していて、かつその曲率半径が小さい場合であっても、外側からの押圧に応じて各帯状体72aが互いに異なる変形量で弾性変形して帯状体72aの先端面73が後退するため、各帯状体72aの先端部を覆っているクリーニング帯3の各部位をディスプレイ500の表面に確実に密着させることができる。したがって、例えば、単一の芯材の周囲に払拭シートを巻着して構成した払拭部材でクリーニングを行う従来の清掃具とは異なり、拭き残しを発生させることなくディスプレイ500の表面を十分綺麗にクリーニングすることができる。
【0038】
また、このクリーナ1によれば、板状体の一端部側を切り込みによって分割すると共に湾曲させて湾曲面73が形成された複数の帯状体72aで支持部72を構成したことにより、支持部72を簡易に構成することができる。したがって、支持部72の構成が簡易な分、クリーナ1の製造コストを十分に低く抑えることができると共に、支持部72の構成が簡易な分、支持部72の故障の発生を十分に低く抑えることができる。
【0039】
また、このクリーナ1によれば、開口部2aから突出する支持部72の突出量を変更可能に支持体7をスライドさせるスライド機構8を備えたことにより、例えば、クリーニング対象のディスプレイ500の表面とディスプレイ500の縁部との間に段差が存在しているとしても、その段差の高さに応じて支持部72の突出量を容易に変更することができるため、ディスプレイ500の表面における隅々まで確実にクリーニングを行うことができる。
【0040】
なお、本発明は上記の構成に限定されない。例えば、先端部がJ字状に湾曲された帯状体72aを有する支持部72を備えた例について上記したが、支持部72に代えて、図18に示す支持部172を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した各構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この場合、支持部172は、折返し部分が湾曲するように板状体を折り反すと共に、その折返し部分を切り込みによって分割した複数のU字状の帯状体172aを有して構成されている。この構成においても、外側からの押圧に応じて各帯状体172aが互いに異なる変形量で弾性変形して帯状体172aの先端面73が後退するため、支持部72と同様にして拭き残しを発生させることなくディスプレイ500の表面を十分綺麗にクリーニングすることができる。
【0041】
また、支持部72に代えて、図19に示す支持部272を採用することもできる。この支持部272は、軸272aと、上記した本体部71(図10参照)に対して着脱可能に構成されると共にクリーニング帯3の幅方向に沿うように軸272aを支持する支持板272bと、軸272aが中心部に挿通される複数のリング272cとを備えて構成されている。この場合、軸272aとリング272cの内面との間には、本発明における弾性部材の一例としてのばね273が配設されており、このばね273の存在によってリング272cが軸272aに対して接離する方向に移動可能となっている。この支持部272においても、外側からの押圧に応じて各リング272cが移動する。つまり、外側からの押圧に応じて各リング272cの外周面(つまり先端面73)が後退するため、支持部72や支持部172と同様にして拭き残しを発生させることなくディスプレイ500の表面を十分綺麗にクリーニングすることができる。また、この支持部272によれば、ばね273の形状や材質を変更することで、外側からの押圧力に対するリング272cの移動のし易さ、つまり使用時における支持部272の軟らかさが異なる各種クリーナ1を容易に製造することができる。
【0042】
また、図21に示すクリーナ301のように、上記したスライド機構8を用いて支持体7をスライドさせる構成に代えて、スライド機構308によって支持体7をスライドさせる構成を採用することもできる。この場合、スライド機構308は、同図に示すように、支持体7のスライド板71に取り付けられたスライダ322を備えて構成されている。また、このクリーナ301では、縁部が波形状に構成されたスリット321が下ケース311の側板323に形成されており、このスリット321に沿ってスライド機構308のスライダ322をスライドさせることで、支持体7をスライドさせることが可能となっている。この構成においても、例えば、クリーニング対象のディスプレイ500の表面とディスプレイ500の縁部との間に段差が存在しているとしても、その段差の高さに応じて支持部72の突出量を容易に変更することができるため、ディスプレイ500の表面における隅々まで確実にクリーニングを行うことができる。
【0043】
また、支持体7のみをスライドさせる構成に代えて、図22に示すクリーナ401のように、長尺に形成したスライド板471にスプール4を支持する一対の壁部435,435(同図では両壁部435,435のうちの一方のみを図示している)を立設して、支持体407とスプール4とを同時にスライドさせる構成を採用することもできる。この構成によれば、支持体407における支持部72の先端部(先端面73)とスプール4との距離を一定に維持した状態で支持体407およびスプール4をスライドさせることができるため、テンション板10を備えることなくクリーニング帯3の弛みの発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】クリーナ1の斜視図である。
【図2】クリーナ1の断面図である。
【図3】ケース本体2の斜視図である。
【図4】下ケース11の斜視図である。
【図5】上ケース12の斜視図である。
【図6】クリーニング帯3の斜視図である。
【図7】スプール4の斜視図である。
【図8】スプール4およびラチェット6の側面図である。
【図9】回転機構5の斜視図である。
【図10】支持体7の斜視図である。
【図11】スライド機構8の斜視図である。
【図12】クッション部9の斜視図である。
【図13】テンション板10の斜視図である。
【図14】スライド機構8のセット方法を説明するための説明図である。
【図15】支持体7を突出させたときの各構成要素の位置関係を説明するための説明図である。
【図16】支持体7を突出させた状態におけるクリーナ1の断面図である。
【図17】ディスプレイ500をクリーニングしている状態の支持体7における支持部72の平面図である。
【図18】支持部172の斜視図である。
【図19】支持部272の斜視図である。
【図20】リング272cの構成を示す平面図である。
【図21】クリーナ301の側面図である。
【図22】クリーナ401の断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1,301,401 クリーナ
2 ケース本体
2a 開口部
2b 収容部
3 クリーニング帯
4 スプール
7,407 支持体
8 スライド機構
71a ラック
72,172,272 支持部
73 先端面
72a,172a 帯状体
272a 軸
272c リング
273 ばね
308 スライド機構
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司


【公開番号】 特開2008−67951(P2008−67951A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−250154(P2006−250154)