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【発明の名称】 電気掃除機
【発明者】 【氏名】酒井 大輔

【氏名】前田 剛志

【氏名】岩原 明弘

【氏名】北古味 壮

【氏名】関口 剛徳

【要約】 【課題】フィルタ周囲の壁面に付着した塵埃を自動的に除去できる電気掃除機を得る。

【構成】1次フィルタ部と、1次フィルタ部を通過した微細な塵埃を除去する微細フィルタが形成された2次フィルタ部とを有する電気掃除機において、2次フィルタ部5を覆うカバー8を設けるとともに、カバー8の下方に、1次フィルタ部4よりも上流側に連通する風路12を形成し、カバー8の壁面のうち、2次フィルタ部5の中心より下方の位置に、風路12に連通する塵戻し口11を設けるとともに、塵戻し口11にシャッタ14を設け、カバー8の内壁に付着した塵埃を塵戻し口11に掃き落とす掃除具7を設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次フィルタ部と、1次フィルタ部を通過した微細な塵埃を除去する微細フィルタが形成された2次フィルタ部とを有する電気掃除機において、
前記2次フィルタ部を覆うカバーを設けるとともに、
当該カバーの下方に、前記1次フィルタ部よりも上流側に連通する風路を形成し、
前記カバーの壁面のうち、前記2次フィルタ部の中心より下方の位置に、前記風路に連通する塵戻し口を設けるとともに、当該塵戻し口にシャッタを設け、
前記カバーの内壁に付着した塵埃を前記塵戻し口に掃き落とす掃除具を設けたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記掃除具は、
少なくとも前記カバーの内壁に接する部分は、弾性を有する素材で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記2次フィルタ部は、中心軸により回転可能に固定されており、
前記掃除具は、
前記2次フィルタ部の周縁部分に固着され、2次フィルタ部が前記中心軸を中心に回転すると、これに伴って前記カバーの内壁を掃くように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記カバーの内壁は、前記掃除具が接しない空隙部を有し、
前記2次フィルタ部は、当該空隙部で回転を停止することを特徴とする請求項3に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記空隙部は、前記カバーと前記1次フィルタ部を連通させる風路の一部を形成することを特徴とする請求項4に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記シャッタは、前記掃除具が塵埃を前記塵戻し口に掃き落とした後に閉口することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記2次フィルタ部の周縁と前記シャッタの内壁側とに、互いに接触もしくは嵌合することで前記シャッタが開口される開閉部材をそれぞれに設けたことを特徴とする請求項6記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記2次フィルタ部の周縁に切欠き部を設けるとともに、
前記シャッタの内壁側に、前記2次フィルタ部の周縁に当接する凸部を設け、
前記2次フィルタ部は、
回転動作に伴って前記凸部を押し出して前記シャッタを開口させ、
前記切欠き部が前記凸部の位置に達すると、前記凸部と前記切欠き部が嵌合して、前記シャッタが閉口するように形成されたことを特徴とする請求項7に記載の電気掃除機。
【請求項9】
前記2次フィルタ部の周縁に突出部を設けるとともに、
前記シャッタの内壁側に、前記2次フィルタ部の周縁に当接する凸部を設け、
前記シャッタはバネ等の弾性力により開口させ、
前記2次フィルタ部は、
回転動作に伴って前記凸部が前記突出部の位置に達すると、
前記凸部と前記突出部が接触して係合して、前記シャッタが閉口するように形成されたことを特徴とする請求項7または8いずれか記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記掃除具は、前記シャッタが閉じる位置よりも、前記2次フィルタ部の回転方向側にずらした位置に固着されたことを特徴とする請求項1、7〜9記載の電気掃除機。
【請求項11】
前記シャッタの開口時に、前記シャッタを振動させるシャッタ加振手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項12】
前記2次フィルタ部の周縁に、前記凸部と当接するように複数の段差を設け、
前記2次フィルタ部の回転動作に伴って前記凸部が前記段差を通過すると、当該段差が前記シャッタを振動させるように形成したことを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項13】
前記シャッタの開口角度を30度以上としたことを特徴とする請求項11に記載の電気掃除機。
【請求項14】
前記凸部は、前記シャッタの開口角度が30度以上となるように形成されたことを特徴とする請求項12に記載の電気掃除機。
【請求項15】
前記塵戻し口は、
前記カバーの最下部よりも、前記2次フィルタ部の回転方向側にずらした位置に設けられたことを特徴とする請求項3ないし請求項14のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項16】
前記2次フィルタ部は、円錐台状に形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塵埃などを除去するためのフィルタを自動的にメンテナンスする機構を有する電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、『細塵室に貯留された細塵が電動送風機の作動時に巻き上げられて細塵フィルタに再度付着するようなことを防止できる』電気掃除機に関する技術として、『集塵容器37及び集塵容器37に吸込負圧を作用させる電動送風機17が設けられた掃除機本1体と、集塵容器37の上流側に配設されて塵埃を捕集するネットフィルタ43,104と、集塵容器37の下流側に配設されてネットフィルタ43,104を透過した細塵を捕捉させるプリーツフィルタ48と、プリーツフィルタ48に付着した塵埃を落とす振動付与手段49と、上方に開口してプリーツフィルタ48から落とされる細塵を貯留する細塵捕集溝40bと、細塵捕集溝40bの上部開口端を開閉する開閉部材108,109を備えている。しかも、この電気掃除機には、振動付与手段49を作動させるときには開閉部材108,109を開いて細塵捕集溝40bの上部開口端を開放し、且つ、電動送風機17が作動するときには開閉部材108,109を閉じて細塵捕集溝40bの上部開口端を閉成させる開閉部材開閉手段190が設けられている。』というものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−6383号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術のような構成においては、細塵フィルタから落とした細塵は、細塵室に誘導されるのではなく、自由落下により細塵室に到達するようになっているため、自由落下の過程で細塵の一部が周囲の壁面に付着する。そのため、壁面に付着した細塵が、細塵フィルタに再付着する場合があるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、フィルタ周囲の壁面に付着した塵埃を自動的に除去できる電気掃除機を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る電気掃除機は、
1次フィルタ部と、1次フィルタ部を通過した微細な塵埃を除去する微細フィルタが形成された2次フィルタ部とを有する電気掃除機において、
前記2次フィルタ部を覆うカバーを設けるとともに、
当該カバーの下方に、前記1次フィルタ部よりも上流側に連通する風路を形成し、
前記カバーの壁面のうち、前記2次フィルタ部の中心より下方の位置に、前記風路に連通する塵戻し口を設けるとともに、当該塵戻し口にシャッタを設け、
前記カバーの内壁に付着した塵埃を前記塵戻し口に掃き落とす掃除具を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る電気掃除機によれば、2次フィルタ部に再付着する塵埃を低減することができるので、2次フィルタ部の吸気圧力損失を低減でき、また2次フィルタ部のメンテナンス間隔を長くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気掃除機を上から見た断面図である。
図1の電気掃除機は、本体吸気口1、連結風路2、集塵室3、1次フィルタ部4、2次フィルタ部5、微細フィルタ6、掃除具7、カバー8、ブロアモータ9、バイパス風路10を有する。
本体吸気口1は、電気掃除機本体の前面に穿設された吸気の進入口である。本体吸気口1には取付具などを用いてホースが接続され、ホースを介して吸気が進行し、本体吸気口1より電気掃除機本体内に進入する。
連結風路2は、本体吸気口1から1次フィルタ部4に至る風路である。
集塵室3は、1次フィルタ部及び2次フィルタ部により除去された塵埃などのゴミを貯めておく部屋で、上流側を連結風路2に連通して設けられている。
1次フィルタ部4は、サスメッシュ等を用いて形成された、比較的大きなゴミを除去するためのフィルタで、集塵室3の下流側に設けられている。
2次フィルタ部5は、1次フィルタを通過した微細な塵埃を除去するためのフィルタで、1次フィルタ部4の下流側に設けられている。形状等の詳細については、後述の図2で説明する。
微細フィルタ6は、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ等を用いたフィルタで、2次フィルタ部5の少なくとも側面に形成されている。
掃除具7は、カバー8の内壁に付着した塵埃を掃き落とすためのもので、少なくとも先端部分は、ゴムや毛などの弾性を有する素材で形成されている。配置位置などの詳細は、後述の図4を用いて説明する。
カバー8は、2次フィルタ部5を覆うカバーで、吸気を遮断する役割を果たす。
ブロアモータ9は、吸引力の動力源で、2次フィルタ部5の下流側に設けられている。
バイパス風路10は、連結風路2の内側の壁に穿設された孔で、吸気の一部を、1次フィルタ部4を介さずに2次フィルタ部5へ送り込む役割を果たす。バイパス風路10は必ずしも設けなくともよい。また、連結風路2にサイクロン分離構造を形成し、バイパス風路10への塵埃の流入を抑制する構成をとってもよい。サイクロン分離構造とは、旋回気流を発生させ、遠心力や慣性力を利用して空気と塵埃を分離させるものである。
【0007】
次に、吸気の流れについて説明する。
(1)
本体吸気口1から電気掃除機本体に進入した吸気は、カバー8の正面に衝突し、連結風路2を介してカバー8の側面に迂回するようにガイドされる。
(2)
連結風路2の内側の壁にバイパス風路10を設けている場合は、吸気の一部はこれを通過して、2次フィルタ部5に達する。
(3)
連結風路2を通過した吸気は、カバー8の側面に設けられた集塵室3に到達し、集塵室3の下流側に設けられている1次フィルタ部4に向かう。比較的大きなゴミは、1次フィルタ部4で除去され、そのまま集塵室3に蓄積される。
(4)
1次フィルタ部4を通過した吸気は、2次フィルタ部5に到達する。2次フィルタ部5の少なくとも側面に設けられた微細フィルタ6により、1次フィルタ部4を通過した微細な塵埃が除去される。
(5)
2次フィルタ部5を通過した吸気は、2次フィルタ部5の下流に位置するブロアモータ9に吸い込まれる。
【0008】
図2は、2次フィルタ部5の斜視図である。
2次フィルタ部5は、円柱もしくは円錐台状に形成されており、底面をブロアモータ9に向けた状態で、中心軸により回転可能に固定されている。また、円錐台状に形成する場合は、吸気の下流側(ブロアモータ9を向いている側)の底面積が、上流側の底面積よりも大きくなるように形成されている。
【0009】
図3は、2次フィルタ部5をより立体的に表した斜視図である。
2次フィルタ部5の少なくとも側面には、プリーツ状の微細フィルタ6が形成されている(図3の上図)。これに加えて、さらに前面にも微細フィルタ6を形成してもよい(図3の下図)。
【0010】
2次フィルタ部5を円錐台状に形成した場合において、吸気の下流側の底面積が、上流側の底面積よりも大きくなるようにしているのは、2次フィルタ部5からブロアモータ9に至るまでの過程での圧力損失を低減するためである。
また、微細フィルタ6をプリーツ状に形成するのは、微細フィルタ6の表面積を多く取り、塵埃付着による風量低下を回避し、圧力損失を低減するためである。
【0011】
図4は、2次フィルタ部5周辺の斜視図である。
円柱もしくは円錐台状に形成された2次フィルタ部5は、例えば円柱状に形成されたカバー8で覆われている。
カバー8の側面8aの下側面は、吸気の下流側(ブロアモータ9を向いている側)を向いており、吸気をブロアモータ9へ通過させるため、穴が空けられている。
カバー8の上流側の側面8aには、1次フィルタ部4が設けられており、カバー8と1次フィルタ部4が風路により連通している。
カバー8の側面8aの壁面のうち、2次フィルタ部5の中心軸よりも下方の位置には、塵戻し口11が設けられており、カバー8内の塵埃は塵戻し口11より自然落下して、カバー8の外に排出される。
カバー8の下方には、塵戻し口11に連通する風路12が設けられている。風路12は連結風路2に連通している。
塵戻し口11より自然落下してカバー8の外に排出された塵埃は、風路12を介して連結風路2に戻される。その後、吸気の流れにしたがって再び1次フィルタ部4〜2次フィルタ部5を介して除去される。微細な塵埃は、この一連の作業を繰り返すことで、最終的に集塵室3に蓄積する。
【0012】
このように、カバー8の下方に設けられた風路12により、塵埃が必ず1次フィルタ部4の上流にある集塵室3に集積されることになるため、1次フィルタ部4と2次フィルタ部5とで個別に集塵室を設ける必要がなく、筐体の小型化を図ることができる。
また、塵埃が自然落下により塵戻し口11より排出されるため、塵埃排出のための機構を新たに設ける必要がなく、製造の簡易化などの観点から有利である。
【0013】
なお、風路12の一方の端部は、上述の通り連結風路2に連通しているが、もう一方の端部は、必ずしもいずれかの部分に連通していなくともよく、例えばカバー8、もしくは電気掃除機本体の筐体で遮断してもよい。
あるいは、風路12内の通気を良くするために、吸気口1の近傍に連通させるように構成することもできる。このように構成すれば、吸気口1より流入する吸気の一部は風路12内の塵埃を巻き込んで連結風路2に向かうため、風路12内に蓄積した塵埃も除去できる。また、風路12を介さず、直接連結風路2に塵戻し口11を形成してもよい。
このように構成しても、塵戻し口11には後述の図9で説明するようにシャッタが設けられるため、塵埃が2次フィルタ部5に逆流入することはないので、塵埃が2次フィルタ部5に再付着することはない。
【0014】
図5は、2次フィルタ部5周辺をより立体的に表した斜視図である。
(1)図5の上図
図5の上図では、吸気口1〜1次フィルタ部4〜2次フィルタ部5に至る吸気の流れを太線矢印で示している。
吸気口1より流入した吸気は、連結風路2を通過し、集塵室3に達する。続いて1次フィルタ部4により粗いゴミを除去された後、2次フィルタ部5により細かな塵埃を除去され、ブロアモータ9に向かって進行する。
(2)図5の下図
図5の下図では、同様に風路12〜1次フィルタ部4に至る吸気の流れを太線矢印で示している。
風路12は、上述の通り連結風路2に連通しているため、風路12内の吸気は一旦連結風路2に戻される。その後は、図5の上図と同様の流れで進行する。
【0015】
図1、図4、及び図5に示すように、本発明に係る電気掃除機においては、吸気が吸気口1〜1次フィルタ部4〜2次フィルタ部5を直進的に進行せず、迂回するように進む構造を有している。
このような構造を有することにより、2次フィルタ部5の周辺の厚みに余裕がない場合であっても、2段階のフィルタ構造を有しながら集塵室3を共通化できるので、電気掃除機本体の小型化などの観点から有利である。
【0016】
ここで、2次フィルタ部5は、運転を重ねるにつれて微細フィルタ6に塵埃が詰まるため、次第にフィルタ自体の性能や吸気効率が低下していく場合がある。
こうした事態を回避するため、例えば2次フィルタ部5に振動を加えるなどの手段により、微細フィルタ6に付着した塵埃を振るい落とすなどのメンテナンスを行う。このとき振るい落とされた塵埃は、塵戻し口11より自然落下してカバー8の外に排出されるのであるが、全てが塵戻し口11より排出されるとは限らず、一部の塵埃はカバー8の内壁に付着する場合がある。これらの塵埃は、カバー8の内部で吸気等により再度散乱し、微細フィルタ6に再付着してしまうことがある。
したがって、単に微細フィルタ6に付着した塵埃を振るい落とすのみならず、カバー8の内壁に付着した塵埃を除去することが望ましい。
【0017】
次に、上記のようにカバー8の内壁に付着した塵埃を自動的に除去する構成について説明する。
【0018】
図6は、本実施の形態1に係る電気掃除機の、2次フィルタ部5の正面図である。
2次フィルタ部5は、先述の通り、中心軸を中心として回転可能に固定されている。
また、2次フィルタ部5の円周方向周縁には、強度を増すなどの目的で枠5’が設けられ、2次フィルタ部5の回転に伴って回転する。
枠5’の周縁には、掃除具7がカバー8の内壁に当接するように固着されており、2次フィルタ部5が回転すると、これに伴って掃除具7がカバー8を掃くように形成されている。
掃除具7は、塵埃を掃き落としやすくするため、少なくとも先端部分は、ゴムや毛などの弾性を有する素材で形成されている。
掃除具7がカバー8の内壁を掃くと、カバー8に付着した塵埃などのゴミは、自然落下して塵戻し口11よりカバー8の外に排出される。
【0019】
このように、カバー8の内壁に付着した塵埃を掃除具7で掃き落とすことにより、カバー8に付着した塵埃が2次フィルタ部に再付着することを防止できるので、2次フィルタ部の吸気圧力損失を低減でき、また2次フィルタ部のメンテナンス間隔を長くすることができる。
【0020】
図7は、カバー8に設ける空隙部13の形状について説明するものである。
掃除具7の少なくとも先端を弾性体で形成した場合、これをカバー8の内壁に当接したままで長時間放置すると、弾性を有する部分が屈折したままの状態で放置されることとなり、塑性変形してしまう可能性がある。そのため、2次フィルタ部5が回転していないときは、掃除具7がカバー8の内壁に接しない状態を保持できることが望ましい。
そこで、図7に示すように、カバー8の内壁に空隙部13を設け、この部分では掃除具7がカバー8の内壁に接しないようにする。
空隙部13は、カバー8の内壁の一部を凹ませるようにして形成してもよいし、カバー8に穴を穿設して形成してもよい。
【0021】
空隙部13を、カバー8の内壁の一部を凹ませるようにして形成した場合、この部分は掃除具7が当接しないため塵埃を掃き落とすことができず、塵埃除去効果が低減する。そのため、空隙部13は、カバー8に穴を穿設して形成することが望ましい。
なお、カバー8に穴を穿設して空隙部13を形成した場合、空隙部13より吸気が逆流入してしまうと、同様に塵埃除去効果が低減するので、空隙部13は1次フィルタ部4に連通する風路の一部を形成するように設けるとよい。このように空隙部13を形成することで、塵埃除去効果を低減することなく、掃除具7が屈折しない状態で停止できる場所を確保することができる。
【0022】
なお、図7においては空隙部13の形状を横長に表したが、これに限られるものではなく、カバー8の形状や1次フィルタ部4の配置位置に合わせて、適宜形状を変更しても同様の効果が得られる。
【0023】
図8は、空隙部13を含む2次フィルタ部5の正面図である。
掃除具7が2次フィルタ部5の回転に伴いカバー8の内壁を掃除する際には、掃除具7はカバー8の内壁に当接して回転し(図8の左図)、内壁に付着した塵埃を掃き落とす。
掃除具7が空隙部13に到達すると、掃除具7はカバー8の内壁への当接から解放されて、弾性により元の形状に戻る(図8の右図)。
掃除具7が空隙部13に達した時点で2次フィルタ部5の回転を停止するように制御すれば、掃除具7がカバー8の内壁へ当接したまま長時間放置されることを回避でき、掃除具7の変形を避けることができる。
【0024】
なお、掃除具7が空隙部13に達した時点で2次フィルタ部5の回転を停止するためには、2次フィルタ部5の回転角度などを検知することにより、掃除具7の位置を検知する必要がある。
これは、例えばアブソリュートエンコーダのようなロータリーエンコーダで2次フィルタ部5の回転角度を検知する、あるいはシャッタの開口状態をセンサ等で検知する、などの方法により行うことが出来る。
2次フィルタ部5の回転角度やシャッタの開口状態などを検知した後は、その状態をマイコンなどの制御手段にフィードバックし、制御手段を介して2次フィルタ部5の駆動機構に回転動作の停止信号を出力するなどすれば、上記のような制御を行うことができる。
【0025】
図9は、塵戻し口11に設けるシャッタ13の動作について説明するものである。
図1〜図8では、記載の便宜上図示していないが、塵戻し口11には、吸気の逆流入を防ぐシャッタ14が設けられる。
シャッタ14は、電気掃除機の吸引動作中は閉口しており、風路12を介して吸気がカバー8の内部に流入しないように、塵戻し口11を遮断している。
電気掃除機の吸引動作が終了すると、制御手段などの指示に基づき、2次フィルタ部5が回転し、これに伴って掃除具7がカバー8の内壁を掃く。このとき、掃き落とした塵埃をカバー8の外に排出するため、シャッタ14が開口する。このとき、電気掃除機の吸引動作は終了しているため、吸気の流れも停止しており、吸気が逆流入することはない。
掃除具7が塵埃を塵戻し口11より掃き出した後に、シャッタ14は閉口する。
【0026】
次に、シャッタ14の開閉動作の仕組みについて、図9を用いて説明する。
(1)開口動作
シャッタ14の内壁側には、2次フィルタ部5の枠5’に当接する凸部15が設けられている。
シャッタ14には、閉じる方向にバネ等の弾性体によって負荷が掛けられている。
2次フィルタ部5の枠5’は、回転動作に伴って、凸部15をカバー8の外方に押し出す。これにより、シャッタ14は開口する。
(2)閉口動作
枠5’には、切欠き部16が設けられている。切欠き部16が2次フィルタ部5の回転により凸部15の位置に達すると、凸部15と切欠き部16が嵌合する。これにより、シャッタ14は閉口する。
【0027】
なお、掃除具7は、切欠き部16よりも、2次フィルタ部5の回転方向側にずらした位置に固着されている。これは、切欠き部16よりも回転方向逆側にずらした位置に固着すると、シャッタ14が完全に開口していない状態で掃除具7が塵戻し口11の上を通過することになり、塵埃を十分に排出できないためである。
また、掃除具7は、切欠き部16の直近に固着させることが望ましい。そのように構成することで、カバー8から掃き落とした塵埃が掃除具7により塵戻し口11まで搬送され、排出された直後に、シャッタ14を閉口することができるためである。
【0028】
このように、シャッタ14の開閉動作を、2次フィルタ部5の回転に伴う凸部15の押し出し動作で行うようにしているので、シャッタ14のために新たな動力源や開閉制御機構を設ける必要がなく、製造コストや制御の簡略化などの点で有利である。
なお、シャッタ14の開閉動作を電気的な制御により行うこととしてもよいが、その場合は別途動力源や開閉制御機構を要する。
また、図10に示すように、シャッタ14に、開く方向にバネ等の弾性体によって負荷をかけ、2次フィルタ部5の枠5’に突出部16’を設置し、突出部16’と凸部15とが接触して係合することによりシャッタ14を閉口させてもよい。
【0029】
以上のように、本実施の形態1によれば、
1次フィルタ部と、1次フィルタ部を通過した微細な塵埃を除去する微細フィルタが形成された2次フィルタ部とを有する電気掃除機において、
2次フィルタ部5を覆うカバー8を設けるとともに、
カバー8の下方に、1次フィルタ部4よりも上流側に連通する風路12を形成し、
カバー8の壁面のうち、2次フィルタ部5よりも下方の位置に、風路12に連通する塵戻し口11を穿設するとともに、塵戻し口11にシャッタ14を設け、
カバー8の内壁に付着した塵埃を塵戻し口11に掃き落とす掃除具7を設けたので、
2次フィルタ部5に再付着する塵埃を低減することで、2次フィルタ部5の吸気圧力損失を低減でき、また2次フィルタ部5のメンテナンス間隔を長くすることができる。
また、塵埃が必ず1次フィルタ部4の上流にある集塵室3に集積されることになるため、1次フィルタ部4と2次フィルタ部5とで個別に集塵室を設ける必要がなく、筐体の小型化を図ることができる。
【0030】
また、掃除具7は、少なくともカバー8の内壁に接する部分は、弾性を有する素材で形成されたので、
カバー8の内壁に付着した塵埃を掃き落としやすく、塵埃除去効果が増す。
【0031】
また、2次フィルタ部5は、中心軸により回転可能に固定されており、
掃除具7は、
2次フィルタ部5の周縁部分の枠5’に固着され、2次フィルタ部5が中心軸を中心に回転すると、これに伴ってカバー8の内壁を掃くように形成されたので、
掃除具7がカバー8の内壁を掃く動作を行うための機構や動力源は、2次フィルタ部5の回転と共有できるので、構成が簡略化し、製造コストなどの点で有利である。
【0032】
また、カバー8の内壁は、掃除具7が接しない空隙部13を有し、
2次フィルタ部5は、当該空隙部13で回転を停止するので、
掃除具7が塑性変形し、塵埃除去効果が低減することを防止できる。
【0033】
また、空隙部13は、カバー8と1次フィルタ部4を連通させる風路の一部を形成するので、
塵埃除去効果を低減することなく、掃除具7が屈折しない状態で停止できる場所を確保することができる。
【0034】
また、シャッタ14は、掃除具7が塵埃を塵戻し口11に掃き落とした後に閉口するので、吸気が逆流入して、塵埃が微細フィルタ6などに再付着することを防止できる。
【0035】
また、2次フィルタ部5の周縁の枠5’に切欠き部16を設けるとともに、
シャッタ14の内壁側に、枠5’に当接する凸部15を設け、
2次フィルタ部5は、
回転動作に伴って凸部15を押し出してシャッタ14を開口させ、
切欠き部16が凸部15の位置に達すると、凸部15と切欠き部16が嵌合して、シャッタ14が閉口するように形成されたので、
シャッタ14のために新たな動力源や開閉制御機構を設ける必要がなく、製造コストや制御の簡略化などの点で有利である。
また、2次フィルタ部5の周縁の枠5’に突出部16’を設けるとともに、シャッタ14を弾性体により開口方向に負荷を掛け、シャッタ14の内壁側に、枠5’に当接する凸部15を設け、2次フィルタ部5は、突出部16’が凸部15の位置に達すると、凸部15と突出部16とが接触して係合し、シャッタ14が閉口するように形成されたので、シャッタ14の開閉のために新たな駆動機構や動力源を設ける必要がなく、制御の簡易化や電気掃除機全体の小型化、製造コストの低減などに資する。
【0036】
また、掃除具7は、切欠き部16よりも、2次フィルタ部5の回転方向側にずらした位置に固着されたので、
シャッタ14が完全に開口した状態で、塵埃を塵戻し口より排出させることができる。
【0037】
また、2次フィルタ部5は、円錐台状に形成されたので、
2次フィルタ部5からブロアモータ9に至るまでの過程での圧力損失を低減することができる。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態1では、カバー8の内壁に付着した塵埃を掃除具7で掃き落とす構成について説明した。
本発明の実施の形態2に係る電気掃除機では、シャッタ14上に堆積した塵埃を落とす構成について説明する。それ以外の構成は実施の形態1と同様であるため、以後の図面等においては、実施の形態1と同じ部分については同じ記号と名称を付して説明する。
【0039】
図11は、本実施の形態2に係る電気掃除機の、2次フィルタ部5の正面図である。
2次フィルタ部5の枠5’の周縁には、シャッタ加振手段17が設けられている。
シャッタ加振手段17は、凸部15と当接するように設けられた複数の凸凹段差であり、2次フィルタ部5の回転動作に伴って凸部15が凸凹段差を通過すると、当該段差がシャッタ14を振動させるように形成したものである。
【0040】
実施の形態1で述べたように、掃除具7はシャッタ14の開口時のみカバー8の内壁を掃くように構成するので、シャッタ14自身が掃除具7により掃かれることはない。しかし、塵戻し口11より塵埃が落下する際に、シャッタ14の上に塵埃が残ってしまう場合があり、そのままの状態でシャッタ14を閉口すると、残った塵埃が微細フィルタ6に再付着してしまうことになる。
そこで、シャッタ加振手段17によりシャッタ14を振動させ、シャッタ14上に堆積した塵埃を振るい落とすようにしたのである。
【0041】
シャッタ14の加振は、2次フィルタ部5の回転に伴い凸部15が段差による加振を受けることで実現されることとしているので、シャッタ14の加振のために新たな動力源や開閉制御機構を設ける必要がなく、製造コストや制御の簡略化などの点で有利である。
【0042】
なお、シャッタ加振手段17の構成はこれに限られるものではなく、例えばシャッタ14の開口を検知するセンサ等の手段を備え、開口時にバイブレーションモータによりシャッタ14を振動させるなどの方法を用いることも出来る。
なお、電気的な制御によりシャッタ14を加振する場合は、別途動力源や開閉制御機構を要することに留意する。
【0043】
以上のように、本実施の形態2によれば、
シャッタ14の開口時に、シャッタ14を振動させるシャッタ加振手段17を有するので、シャッタ14上に堆積した塵埃を振るい落とすことができ、塵埃が微細フィルタ6に再付着することを防止ないしは低減できる。
【0044】
また、シャッタ加振手段17は、2次フィルタ部5の周縁の枠5’に、凸部15と当接するように複数の段差を設けることで形成し、
2次フィルタ部5の回転動作に伴って凸部15が段差を通過すると、当該段差がシャッタ14を振動させるように形成したので、
シャッタ14の加振のために新たな動力源や開閉制御機構を設ける必要がなく、製造コストや制御の簡略化などの点で有利である。
【0045】
実施の形態3.
実施の形態2では、シャッタ14上に堆積した塵埃を振るい落とすために、シャッタ加振手段17を設けた構成について説明した。
本発明の実施の形態3に係る電気掃除機では、シャッタ14の開口角と、塵戻し口11の位置について、より厳密に定義する。
【0046】
図12は、本実施の形態3に係る電気掃除機の、2次フィルタ部5の正面図である。
シャッタ14が完全に開口した状態での開口角18は、30度以上となるように構成される。これは、シャッタ14上に堆積した塵埃を振るい落とすためには、一定以上の開口角が必要であり、シャッタ加振手段17を有する状態では、概ね30度以上が必要となるからである。
なお、シャッタ加振手段17を有さない場合は、65度程度以上の開口角が必要となることを付言しておく。
シャッタ開口角18を一定以上とするためには、例えば凸部15の高さを必要に応じて高く形成すればよい。
【0047】
ここで、シャッタ開口角18の上限は、カバー8と電気掃除機の本体筐体との間隔にも依拠することに留意する必要がある。両者の間隔があまりにも狭いと、シャッタ14が開口し切る前に、シャッタ14の端部が本体筐体に接触し、それ以上開口することができないということになる。
ただし、小型化の観点からは、本体筐体のサイズを大きくすることでカバー8と電気掃除機の本体筐体との間隔を一定以上に保つのは、好ましくない。
そこで、塵戻し口11を、カバー8の真下部分に設けるのではなく、2次フィルタ部5の回転方向側にずらした位置に設けるとよい。このようにすることで、塵戻し口11の垂直位置が上方に移動するので、本体筐体のサイズを大きくすることなく、カバー8と電気掃除機の本体筐体との間隔を保つことができる。
また、2次フィルタ部5の回転方向側にずらした位置に設けることにより、カバー8の真下部分に堆積した塵埃を、掃除具7により掃き落とすことができ、本発明の目的であるカバー8内部の塵埃低減の観点からも好ましい。
【0048】
以上のように、本実施の形態3によれば、
凸部15は、シャッタ14の開口角度18が30度以上となるように形成されたので、
シャッタ加振手段17を有する状態で、シャッタ14上に体積した塵埃を確実に振るい落とすことができる。
【0049】
また、塵戻し口11は、カバー8の最下部よりも、2次フィルタ部5の回転方向側にずらした位置に設けられたので、
本体筐体のサイズを大きくすることなく、カバー8と電気掃除機の本体筐体との間隔を保つことができる。また、カバー8の真下部分に堆積した塵埃を、掃除具7により掃き落とすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施の形態1に係る電気掃除機を上から見た断面図である。
【図2】2次フィルタ部5の斜視図である。
【図3】2次フィルタ部5をより立体的に表した斜視図である。
【図4】2次フィルタ部5周辺の斜視図である。
【図5】2次フィルタ部5周辺をより立体的に表した斜視図である。
【図6】実施の形態1に係る電気掃除機の、2次フィルタ部5の正面図である。
【図7】カバー8に設ける空隙部の形状について説明するものである。
【図8】空隙部13を含む2次フィルタ部5の正面図である。
【図9】塵戻し口11に設けるシャッタ13の動作について説明するものである。
【図10】シャッタ14周辺の別の構成例である。
【図11】実施の形態2に係る電気掃除機の、2次フィルタ部5の正面図である。
【図12】実施の形態3に係る電気掃除機の、2次フィルタ部5の正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 本体吸気口、2 連結風路、3 集塵室、4 1次フィルタ部、5 2次フィルタ部、5’ 2次フィルタ部の枠、6 微細フィルタ、7 掃除具、8 カバー、9 ブロアモータ、10 バイパス風路、11 塵戻し口、12 風路、13 空隙部、14 シャッタ、15 凸部、16 切欠き部、17 シャッタ加振手段、18 シャッタ開口角。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
【出願日】 平成18年8月7日(2006.8.7)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫


【公開番号】 特開2008−36165(P2008−36165A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−214904(P2006−214904)