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【発明の名称】 電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機
【発明者】 【氏名】岩佐 徹

【要約】 【課題】塵埃による悪臭を長期に渡って効果的に脱臭する電気掃除機用集塵袋を提供する。

【構成】塵埃吸引用の開口部2aを有する口芯2と、開口部2aより吸引された塵埃を捕集する袋状体4と、粒状又は粉状の脱臭剤3aを収納すると共に排出口3dを有する収納ケース3と、薄板状で、収納ケース3に接着される接着部を有すると共に排出口3dを覆う覆い部材5とを備え、電気掃除機運転時の吸引風により、接着部が剥がれ、排出口3dが露出するようにしたもので、掃除の際は、脱臭剤3aが袋状体4内に吸引され、吸引された塵埃と混合して堆積するので、塵埃と脱臭剤3aの接触面積が広くなり、脱臭効果が大きくしかも長時間持続でき、使用前の電気掃除機用集塵袋1の運搬時には、覆い部材5により排出口3dから脱臭剤3aが漏れ出ることが無く、また、最初の使用時に、接着部が吸引風により剥がれ、排出口3dが自動的に開口する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃吸引用の開口部を有すると共に電気掃除機内に装着される口芯と、前記開口部より吸引された塵埃を捕集する袋状体と、粒状又は粉状の脱臭剤を収納した収納ケースと、前記収納ケースに設けられ前記開口部に連通すると共に前記脱臭剤を排出する排出口と、薄板状で、前記収納ケースに接着される接着部を有すると共に前記排出口を覆う覆い部材とを備え、前記電気掃除機の運転開始の吸引風により、前記覆い部材の接着部が剥がれ、前記排出口が露出するようにした電気掃除機用集塵袋。
【請求項2】
覆い部材を複数に分岐し、その分岐された部分に接着部を設けた請求項1に記載の電気掃除機用集塵袋。
【請求項3】
分岐された部分を折り曲げた請求項2に記載の電気掃除機用集塵袋。
【請求項4】
分岐された部分の折り曲げ部にミシン目を設けた請求項3に記載の電気掃除機用集塵袋。
【請求項5】
分岐された部分の一部を収納ケースの裏面に接着又は固定するようにした請求項2〜4のいずれかに1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
【請求項6】
分岐した部分で排出口を覆うと共に、その分岐した部分の端部を収納ケースの裏面に接着又は固定するようにした請求項2〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
【請求項7】
収納ケースの裏面の、口芯の開口部の中で最も吸引力が作用する側と同じ側に、分岐した部分の端部を接着又は固定するようにした請求項6に記載の電気掃除機用集塵袋。
【請求項8】
電気掃除機用集塵袋を電動送風機を内蔵した電気掃除機に装着した時に、分岐した部分の収納ケースの裏面に接着された部分が、前記電動送風機の位置と同じ側になるようにした請求項5〜7のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋が装着される集塵室と、前記集塵室内に空気を吸引するための電動送風機を備えた電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機に関するもので、特に、電気掃除機用集塵袋内に堆積した塵埃の脱臭に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、電気掃除機用集塵袋内に堆積した塵埃の脱臭方法として、紙パックや集塵フィルターに脱臭剤を含浸させて、その脱臭剤によって塵埃から発する臭いを脱臭するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。又、電気掃除機の電気掃除機用集塵袋を収納する集塵室内空間に消臭芳香剤を設置したものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平5−70871号公報
【特許文献2】特許第2810090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の脱臭方法では、脱臭剤が紙パックや集塵フィルターの濾材のみに含浸されているだけなので、その濾材と塵埃との接触面積が少なく、かつ、接触時間も瞬間的であるため、十分な脱臭効果が得られない、という課題があった。そのため、上記従来の紙パックや集塵フィルターを装着した電気掃除機を運転した時に、塵埃の種類や蓄積期間によっては、電気掃除機からの排気風に混じって悪臭が発せられ、不快なものであった。
【0004】
又、特許文献2に記載された電気掃除機の構成は、集塵室内空間に消臭芳香剤を設置することで、集塵室内に消臭成分を飛散させて、電気掃除機用集塵袋内の塵埃の消臭を行い、運転時の排気臭を緩和させるようにしたものであるが、消臭芳香剤は、塵埃の臭気に別に香りを混合させて、排気臭を緩和するため、根本的な臭気の除去には至らず、吸引した塵埃の種類によっては、不快な異臭として電気掃除機から排気されるという課題を有していた。
【0005】
また、多量の塵埃を吸引して、それを長期に渡って保持できる従来の集塵袋式の電気掃除機では、吸引気流がほぼ全て塵埃中を通過するため、吸塵量の増加に従い、臭気発生量が増加し、特に、集塵袋の許容量に近い状態では、臭気発生が大幅に増加するため、消臭芳香剤の消臭効果では、ほとんど効果が得られないという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電気掃除機用集塵袋内の塵埃量や、貯留期間に関係なく、電気掃除機使用時の排気に含まれる塵埃由来の臭気を大幅に低減し、使用勝手の良い電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機用集塵袋は、塵埃吸引用の開口部を有すると共に電気掃除機内に装着される口芯と、前記開口部より吸引された塵埃を捕集する袋状体と、粒状又は粉状の脱臭剤を収納した収納ケースと、前記収納ケースに設けられ前記開口部に連通すると共に前記脱臭剤を排出する排出口と、薄板状で、前記収納ケースに接着される接着部を有すると共に前記排出口を覆う覆い部材とを備え、前記電気掃除機の運転開始の吸引風により、前記覆い部材の接着部が剥がれ、前記排出口が露出するようにしたもので、塵埃吸引時には、吸引風により、収納ケース内の粒状又は粉状の脱臭剤が収納ケースより排出され、それが、吸引される塵埃と混合して袋状体内に堆積することにより、塵埃と脱臭剤の接触面積が極めて広く、しかも脱臭剤が電気掃除機用集塵袋が廃棄或いは袋状体が空にされるまで残っているので、脱臭効果が大きくしかも長時間持続できるので、常に快適に掃除を行うことができる。また、使用前の電気掃除機用集塵袋の運搬時には、排出口が覆い部材で覆われているので、収納ケースから脱臭剤が漏れ出ることが無く、電気掃除機用集塵袋の使用時に支障をきたすことが無い。さらに、電気掃除機用集塵袋の最初の使用時には、覆い部材の接着部が、電気掃除機による吸引風により剥がれ、容易に脱臭剤の排出口が露出、すなわち自動的に開口し、脱臭剤が袋状体内に確実に吸引されるので、脱臭剤が電気掃除機内に落下または利用者に付着することなく電気掃除機用集塵袋を利用することができる。また覆い部材を可燃性材料で形成するようにすれば、覆い部材を電気掃除機用集塵袋から取り出す必要がなく、使用後に電気掃除機用集塵袋ごと捨てることができる。
【0008】
また、本発明の電気掃除機は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋が装着される集塵室と、前記集塵室内に空気を吸引するための電動送風機を備えたもので、優れた脱臭性能を長期間にわたって発揮し、常に快適に使用することが出来る電気掃除機を提供することが出来る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機は、塵埃由来の悪臭が排気に含まれるのを大幅に低減し、かつ電気掃除機用集塵袋内の塵埃が許容量に達するまで長期に渡って脱臭効果を維持させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、塵埃吸引用の開口部を有すると共に電気掃除機内に装着される口芯と、前記開口部より吸引された塵埃を捕集する袋状体と、粒状又は粉状の脱臭剤を収納した収納ケースと、前記収納ケースに設けられ前記開口部に連通すると共に前記脱臭剤を排出する排出口と、薄板状で、前記収納ケースに接着される接着部を有すると共に前記排出口を覆う覆い部材とを備え、前記電気掃除機の運転開始の吸引風により、前記覆い部材の接着部が剥がれ、前記排出口が露出するようにしたもので、塵埃吸引時には、吸引風により、収納ケース内の粒状又は粉状の脱臭剤が収納ケースより排出され、それが、吸引される塵埃と混合して袋状体内に堆積することにより、塵埃と脱臭剤の接触面積が極めて広く、しかも脱臭剤が電気掃除機用集塵袋が廃棄或いは袋状体が空にされるまで残っているので、脱臭効果が大きくしかも長時間持続できるので、常に快適に掃除を行うことができる。また、使用前の電気掃除機用集塵袋の運搬時には、排出口が覆い部材で覆われているので、収納ケースから脱臭剤が漏れ出ることが無く、電気掃除機用集塵袋の使用時に支障をきたすことが無い。さらに、電気掃除機用集塵袋の最初の使用時には、覆い部材の接着部が、電気掃除機による吸引風により剥がれ、容易に脱臭剤の排出口が露出、すなわち自動的に開口し、脱臭剤が袋状体内に確実に吸引されるので、脱臭剤が電気掃除機内に落下または利用者に付着することなく電気掃除機用集塵袋を利用することができる。また覆い部材を可燃性材料で形成するようにすれば、覆い部材を電気掃除機用集塵袋から取り出す必要がなく、使用後に電気掃除機用集塵袋ごと捨てることができる。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明の覆い部材を複数に分岐し、その分岐された部分に接着部を設けたもので、分岐された部分だけを収納ケースに接着すればよく、また、これにより吸引風による力で剥がす時には、最小限の力でよく、吸引風の力の強弱に関係なく容易に接着部を剥がして排出口を開口させることが出来る。
【0012】
第3の発明は、特に、第2の発明の分岐された部分を折り曲げたもので、折り曲げることにより排出口を覆うように接着するのが容易になるので、収納ケースへの覆い部材の取り付けが容易になる。
【0013】
第4の発明は、特に、第3の発明の分岐された部分の折り曲げ部にミシン目を設けたもので、分岐した部分の折り曲げが容易になり、また収納ケースへの接着部の接着も容易になる。
【0014】
第5の発明は、特に、第2〜4のいずれか一つの発明の分岐された部分の一部を収納ケースの裏面に接着又は固定するようにしたもので、収納ケースの裏面に接着又は固定した部分は、電気掃除機の電動送風機の吸引風によって剥れることなく残るので、収納ケースに設けた排出口の全てが露出するまで吸引風の抵抗を受けることができ、確実に全ての排出口を開口させることが出来る。
【0015】
第6の発明は、特に、第2〜5のいずれか一つの発明の分岐した部分で排出口を覆うと共に、その分岐した部分の端部を収納ケースの裏面に接着又は固定するようにしたもので、収納ケースの裏面に接着した部分は、電気掃除機の電動送風機の吸引風によって剥れることなく残り、収納ケースに設けた排出口の全てが露出するまで吸引風の抵抗を受けることができると共に、排出口を覆う部分と接着部が同一の分岐された部分にあるので、覆い部材の収納ケースへの取り付け、貼り付けがきわめて容易になる。
【0016】
第7の発明は、特に、第6の発明の収納ケースの裏面の、口芯の開口部の中で最も吸引力が作用する側と同じ側に、分岐した部分の端部を接着又は固定するようにしたもので、収納ケースの、口芯の開口部の中で最も吸引力が強い側と同じ側に接着した覆い部材の接着部は、吸引力が強いために最初に剥がれるが、同じ側の収納ケースの裏面に接着した部分は電動送風機の吸引風によって剥がれることなく残り、覆い部材の、その他の排出口を覆う部分の全てが開くまで吸引風の抵抗を受けることができるようになり、確実に全ての排出口を開口させることができる。
【0017】
第8の発明は、特に、第5〜7のいずれか一つの発明の電気掃除機用集塵袋を電動送風機を内蔵した電気掃除機に装着した時に、分岐した部分の収納ケースの裏面に接着された部分が、前記電動送風機の位置と同じ側になるようにしたもので、覆い部材の、電動送風機の設置位置と同じ側の収納ケースに接着された部分は、吸引力が強いために最初に剥がれるが、収納ケースの裏面に接着された部分は電動送風機の吸引風によって剥がれることなく残り、その他の排出口の全てが露出するまで吸引風の抵抗を受けることができ、確実に全ての排出口を開口させることができる。
【0018】
第9の発明は、電気掃除機に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋が装着される集塵室と、前記集塵室内に空気を吸引するための電動送風機を備えたもので、優れた脱臭性能を長期間にわたって発揮し、常に快適に使用することが出来る電気掃除機を提供することが出来る。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電気掃除機用集塵袋の展開斜視図で、図2は、同電気掃除機用集塵袋の覆い部材の展開図、図3は、同電気掃除機用集塵袋の収納ケースの断面図、図4は、同電気掃除機用集塵袋の収納ケースの後面図、図5は、同電気掃除機用集塵袋の覆い部材が機能する様子を示した図、図6、7は、同電気掃除機用集塵袋の要部断面図、図8は、同電気掃除機用集塵袋を搭載した電気掃除機の全体斜視図である。
【0021】
図1〜7において、本実施の形態における電気掃除機用集塵袋1(以下“集塵袋1”という)は、塵埃吸引用の開口部2aを有し、紙材又は樹脂材からなる口芯2と、口芯2の裏面(電気掃除機に装着した時に、吸引風の下流側になる面)に取着されると共に粒状又は粉状の脱臭剤3aを収納する収納ケース3と、前面に塵埃吸引用の吸引口4aを有し、紙や布などからなる濾材で袋状に形成された袋状体4から構成されている。本実施の形態では、袋状体4を紙材で形成し、収納ケース3の裏面に接着して取り付けている。
【0022】
収納ケース3は、口芯2の開口部2aと連通する開口部3bを備え、その開口部3bを形成すると共に口芯2の開口部2aから流入する吸引風の流れと平行な内周面3cには、収納ケース3の内部と開口部3bとを連通し、内部に収納された脱臭剤3aが排出される排出口3dが設けられている。また、収納ケース3の上端には、収納ケース3内に脱臭剤3aを投入した後に閉じられる蓋3eが設けられている(図は、蓋3eを閉じた状態を示している)。
【0023】
収納ケース3には、未使用の集塵袋1の運搬時に、脱臭剤3aの洩れを防止する為の薄板状の覆い部材5が、接着部5aにより排出口3dを覆うようにして設けている。薄板状の覆い部材5は、図2に示すように、内周面3cの両側に配された排出口3dを覆うように、内周面3cの両側に接着される接着部5aと、内周面3cの両側に接着部5aを接着したときに収納ケース3の開口部3bの開口面積を略2/3以上覆い、電気掃除機を運転したときに、それに内蔵された電動送風機(図示せず)によって生じる負圧を受ける負圧受け部5dと、収納ケース3の後面に接着される接着部5bを有している。
【0024】
なお、上記薄板状の覆い部材5は排出口3dを覆う形状のものであればどのようなものであっても良く、例えば排出口3dと同数の複数の分岐部分を持つものや、一つの接着部5aで複数の排出口3dを覆う場合には排出口3dの数よりも分岐部分が少なくなる場合がある。本実施の形態では、図2に示すように、覆い部材5を4箇所で分岐させて、4箇所の排出口3dを覆うと共に、内2つの分岐部分に、収納ケース3の裏面に接着される接着部5bを延設している。
【0025】
また接着部5aにミシン目5cを設けることにより、作業者の目印となり、折り目加工や貼り付け加工を容易にすることが出来る。
【0026】
覆い部材5を取り付けた新しい集塵袋1を、電気掃除機の所定に部位に装着し、電気掃除機を運転すると、薄板状の覆い部材5の負圧受け部5dが、電動送風機による負圧により内側に引っ張られて、薄板状の覆い部材5の接着部5aが外れるが、電気掃除機内の電動送風機位置と同一側(図5において(ア)側とする)は吸引風が強いため必ず他の排出口3dよりも常に先行して剥がれ、その後に他の接着した排出口3dが開口する。しかし、排出口3dに薄板状の覆い部材5の接着部5aのみを設けた場合は、先行して剥がれた接着部5aは開口するものの、排出口3dを複数設けてある場合は、その他の排出口3dは先行して剥がれた接着部5aが存在すると、薄板状の覆い部材5は横断的に覆うことが出来ず、そのために吸気風を薄板状の覆い部材5の負圧受け部5dが受けることができない。
【0027】
そのために、収納ケース3の裏面に接着された接着部5bを設け吸引風を受けることができる支点が必要になる。この支点は、収納ケース3の裏面に接着されているので、吸引風によって剥がれることはなく、吸引風の強さが位置によってばらつきがあった場合でも全ての排出口3dが開ききるまで、吸引風を薄板上の覆い部材5が受けることができ、全ての排出口3dが必ず開く。
【0028】
また、図2に示すように、吸引風の強さが一番強い位置に排出口3dの接着部5aと収納ケース3の後面の接着部5bを同一の分岐部分に設けることにより、収納ケース3への接着部を接着部以外に設けずに済むことができる。これはまず、吸引風の強い位置のところの接着部5aが開口するが、収納ケース3の後ろ側に接着される接着部5bを設けているために、覆い部材5が完全に剥がれ落ちない。これにより、他の排出口3dが開くまで負圧受け部5dで吸引風を受けつづけることができる。また、吸引風の強弱や接着部5aの強度にばらつきがあったとしても、この構成を取ることにより薄板状の覆い部材5は吸気口3dから必ず外れることができ、排出口3dの全てを必ず開けることができる。
【0029】
集塵袋1の組み立ての際には、言うまでもなく、口芯2の開口部2aと、収納ケース3の開口部3b及び袋状体4の吸引口4aが連通するように、それぞれの位置を合致させて取着される。また、本実施の形態では、脱臭剤3aとして、取り扱いの容易なゼオライトを使用している。
【0030】
以上のように本実施の形態によれば、集塵袋1の梱包時に、接着部5a、5bを有する紙または合成紙等で形成された薄板状の覆い部材5で、収納ケース3に設けた排出口3dを覆うようにすることにより、集塵袋1の運搬時に、収納ケース3から脱臭剤3aが漏れ出ることが無いので、集塵袋1の使用時に支障をきたすことが無い。
【0031】
また、薄板状の覆い部材5は、紙または合成紙で形成しているので、排出口3dへの取り付け、取り外しが容易になると共に、接着部5aを有するので排出口3dの密閉性が向上し、収納ケース3内の脱臭剤3aの脱臭性能が、集塵袋1の保管時に低下することがない。
【0032】
なお、上記薄板状の覆い部材5は、排出口3dを覆う形状のものであればどのようなものであっても良く、強度や耐久性を向上させるには樹脂、金属などを用いても良い。また、排出口3dを覆う薄板状の覆い部材5の密閉性を向上させることにより湿気が進入して固形化するのを防止することができ、長期間粒状或いは粉状に維持して確実に供給可能な状態に維持することが出来る。
【0033】
次に、本実施の形態における集塵袋1が装着される電気掃除機について、図8を用いて説明する。
【0034】
電気掃除機本体6(以下”掃除機本体6“という)は、後部に走行用の後輪7が一対、前部に同じく走行用の前輪キャスター8が設けられ、後部に電動送風機16が内蔵されている。掃除機本体6の前面には、後述の集塵室に連通する吸気口10が設けられ、この吸気口10にホース11の一端に設けた接続パイプ11aが接続され、ホース11の他端には、電気掃除機を使用する際に操作する先端パイプ11bが設けられている。さらに先端パイプ11bは、延長管12を介して床用吸い込み具13に接続される。
【0035】
次に、本実施の形態における集塵袋1を装着した電気掃除機の作用、動作について述べる。掃除機本体6から導出した電源コード(図示せず)のプラグ(図示せず)を壁コンセント(図示せず)に差し込み、先端パイプ11bに設けたスイッチ11cを操作すると、電動送風機16の運転が開始し、それによって発生した吸引力によって、集塵袋の収納ケース3に取り付けられた薄板状の覆い部材5の負圧受け部5dが、電動送風機による負圧により内側に引っ張られて、薄板状の覆い部材5の接着部5aが外れ、収納ケース3の排出口3dが開口し、吸引力はさらにホース11、延長管12を経て、床用吸い込み具13の底面に設けた吸い込み口(図示せず)に作用し、周囲の空気と共に、床面の塵埃が吸引される。
【0036】
床用吸い込み具13の吸い込み口(図示せず)から流入した空気は吸引風となって、塵埃と共に、延長管12、ホース11、吸気口10を経て、口芯2の開口部2a、収納ケース3の開口部3b、袋状体4の吸引口4aを通って、袋状体4内に流入し、そこで塵埃が捕集され、きれいになった空気が、電動送風機16を通って、掃除機本体6の後部に配した排気口(図示せず)から外部に排出される。
【0037】
そして、塵埃を含んだ吸引風が、収納ケース3の開口部3bを通過する際に、図7に示すように、排出口3dを通して収納ケース3内にエゼクター効果による吸引力が作用し、内部に収納された粒状又は紛状の脱臭剤3aが排出され、その排出された脱臭剤3aが塵埃と交じり合いながら、袋状体4内に入り奥側(電動送風機16側)から堆積していく。
【0038】
このとき塵埃は、ミクロ的に観察すると、個々の塵埃の外周が粒状或いは粉状の脱臭剤3aで囲まれたような形となるため、塵埃と脱臭剤3aとの接触面積は極めて大きなものとなり、かつ、集塵袋1内で、塵埃が脱臭剤3aで囲まれたような形で保持されるようになる。その結果、脱臭剤3aの脱臭効果は遺憾なく発揮され、臭気は大幅に低減する。例えば臭気の強い犬・猫の毛を集めたものを吸引させて掃除機本体6からの排気風の臭いを嗅いで見たが、その臭いはほとんど感じない程度に低減されていた。
【0039】
また、脱臭剤3aは、集塵袋1が廃棄或いは、袋状体4が空にされるまで塵埃と共に残っているので、脱臭効果が大きくしかも長時間持続できるので、常に快適に掃除を行うことができる。
【0040】
また、脱臭剤3aの粒径或いは粉径を、袋状体4の空気が通過する細孔(袋状体4を形成する紙材や布材の繊維間の隙間)より大きく設定しておけば、塵埃と共に吸引された脱臭剤3aが、袋状体4の細孔を通り抜けることが無く、脱臭剤3aによる脱臭効果を長期間に渡って維持できる。
【0041】
また、脱臭剤3aをゼオライトで形成し、そのゼオライトに疎水性加工を施せば、粒状又は粉状のゼオライトが、集塵袋1の保管時或いは、使用時に周囲の湿気を吸引して団子状になったりすることが無く、脱臭剤3aの、収納ケース3の排出口3dからの排出性が悪くなり脱臭性能が低下することが無い。
【0042】
また、収納ケース3を口芯2の下流側に設けているので、収納ケース3を備えていない従来の集塵袋を使用する電気掃除機にも使用できるようになり、互換性に優れ、集塵袋1の製造や在庫管理が簡素化される。
【0043】
また、口芯2と、収納ケース3と、袋状体4のそれぞれを紙材などの可燃材料で形成することにより、集塵袋1を廃棄する際、材料分別する必要が無く、一般の燃えるごみとして廃棄できるので、後始末が簡単でしかも衛生的である。
【0044】
また、可燃材料として、特に、紙材を用いれば、材料コストが安く、また成型用の金型が不要なので、量産性に優れ、トータルコストを大きく低減することができる。
【0045】
さらに、粒状又は粉状の脱臭剤3aに帯電防止加工を施せば、集塵袋1の運搬時或いは、集塵袋1を装着した掃除機本体6の移動や使用時に、収納ケース3内の粒状又は粉状の脱臭剤が振動で互いに擦りあっても静電気を帯びないので、互いにくっつきあって、排出口3dから出にくくなることが無く、常に優れた脱臭効果を発揮することが出来る。
【0046】
また、収納ケース3の、流入する空気の流れと平行な面に排出口3dを設けたことにより、収納ケース3内の粒状又は粉状の脱臭剤3aが、 吸引風のエゼクター効果による吸引作用により排出口3dから途切れることなく、しかも効率的に排出され、高い脱臭効果を発揮することが出来る。また、上記エゼクター効果は吸引流速に応じて変化するので、吸引風量が多い(吸塵量が多い)時には多く、吸引風量が少ない(吸塵量が少ない)時には少なくなる。すなわち脱臭剤3aは、吸塵量に応じて自動的に供給量が変わるので無駄なく且つ効果的に脱臭効果を発揮することになる。
【0047】
本実施の形態では、袋状体4を収納ケース3の裏面に接着して取り付けたが、口芯2の裏面に接着等で取り付けてもよく、コストや集塵袋1の組み立て性を考慮して適宜決められるものである。
【0048】
又本実施の形態では、袋状体4を紙材で形成したが、布材で形成し、さらに開閉自在の塵埃廃棄用の廃棄口(図示せず)を下流側端部に設け、袋状体4が塵埃で一杯になったら、前記廃棄口を開けて、中の塵埃を捨て、再度使うようにしても良い。この場合は、塵埃の廃棄の都度或いは、数回の塵埃の廃棄ごとに、収納ケース3に脱臭剤3aを補充する必要があるので、収納ケース3の蓋3eを開閉自在にしておき、使用者が必要に応じて脱臭剤3aを補充できるようにしておくと良い。さらに、収納ケース3を、透明または半透明材料で形成すれば、内部の脱臭剤3aの残量が容易に外部から見られるので、使用途中で脱臭剤3aが切れたりすることがなく使用勝手が向上する。
【0049】
また、上記のように、収納ケース3を透明または半透明材料で形成し、脱臭剤3aが入っている部分の前後に発光素子(図示せず)と受光素子(図示せず)を対向して設けて、脱臭剤3aの残量を検知し、少なくなったら、その旨を、音、光、振動等で使用者に報知するようにすれば、さらに使用勝手が良くなるものである。
【0050】
また、上記第1の実施の形態で説明した集塵袋1を電気掃除機に使用することにより、優れた脱臭性能を長期間にわたって発揮し、常に快適に、また楽しく掃除作業を行うことができるものである。
【0051】
なお、上記実施の形態では、脱臭剤3aとしてゼオライトを用いたが、吸着剤を用い、塵埃由来の臭気物質である低級脂肪酸類、アンモニア、アルデヒド等様々な臭気に対して吸着効果のある活性炭を用いても良い。
【0052】
さらに、上記脱臭剤3aに抗菌剤または芳香剤を混合させることも可能である。抗菌剤の抗菌材料としては、無機系としては、銀系、亜鉛系、銅系、有機系としては、イソチオシアン酸アリル類、カテキン類等を用いるのが、細菌、真菌に対して優れた抗菌効果を発揮し、特に銀系は、少量で高い抗菌効果を発揮する点で特に好ましく、脱臭とともに殺菌作用も得ることが出来て安全性の向上も図れる。
【0053】
ところで、長期旅行等により電気掃除機をしばらく放置した後に、掃除を行う際、収納ケース3内の脱臭剤3aが吸湿により固まって、脱臭剤3aの排出がスムーズに行われないケースが起こりうる。これを解決するために、収納ケース3に強制的に振動を与える振動手段(図示せず)を設け、この振動手段を、掃除機本体6の運転開始時に動作させるようにしても良い。なお、振動手段は、特に図示しないが、電気で振動する振動素子や、電源コードの引き出し操作或いは、後輪7の回転に機械的に連動して収納ケース3に振動を加える振動体などで形成すると良い。
【0054】
又、集塵袋1の袋状体4の少なくとも一部に振動を与える振動手段を設けて、その振動手段を定期的或いは、不定期に動作させるようにすれば、袋状体4内の塵埃と脱臭剤3aが揺すられ、相互間の接触状態が変わり、より効果的に脱臭することが出来る。
【0055】
なお、袋状体4に振動を加える振動手段としては、上述の収納ケース3に振動を加える振動手段と同じ構成でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明の電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機は、塵埃と脱臭剤との接触面積及び接触時間が従来に比べ飛躍的に多くなり、その結果脱臭効果は著しく良好なものとなるもので、電気掃除機に限らず、臭気を発する生ゴミ処理機等各種機器にも広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態1における電気掃除機用集塵袋の展開斜視図
【図2】同電気掃除機用集塵袋の覆い部材の展開図
【図3】(a)同電気掃除機用集塵袋の覆い部材を取り付けてない収納ケースの断面図、(b)覆い部材を取り付けた収納ケースの断面図
【図4】同収納ケースの後面図
【図5】(a)同収納ケースの斜視図(覆い部材を取り付けた状態)、(b)同覆い部材の一部の接着部が先行して剥がれた状態を示す収納ケースの斜視図(c)全ての接着部が剥がれた状態の収納ケースの斜視図
【図6】同電気掃除機用集塵袋の排出口が覆い部材で覆われている状態の要部断面図
【図7】同電気掃除機用集塵袋の排出口が開口状態の要部断面図
【図8】同電気掃除機用集塵袋を搭載した電気掃除機の全体斜視図
【符号の説明】
【0058】
1 電気掃除機用集塵袋(集塵袋)
2 口芯
2a 開口部
3 収納ケース
3a 脱臭剤
3d 排出口
4 袋状体
5 覆い部材
6 電気掃除機本体(掃除機本体)
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年7月25日(2006.7.25)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−23215(P2008−23215A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−201571(P2006−201571)