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【発明の名称】 食器洗浄機
【発明者】 【氏名】斉藤 英二

【要約】 【課題】洗浄工程初期から洗浄水の洗剤濃度を確保でき、且つ、必要以上に洗剤濃度が上がることも防止できる食器洗浄機を提供する。

【構成】食器洗浄機1は、洗浄タンクに洗剤を供給するための洗剤供給装置62が接続される洗剤入口67と、洗浄ポンプを運転して洗浄工程を実行し、この洗浄工程の終了後、すすぎポンプを運転してすすぎ工程を実行すると共に、洗剤供給装置への電源供給を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、電源投入後、すすぎポンプを運転して洗浄タンクに給湯する給湯工程を実行すると共に、この給湯工程の終了後、洗剤供給装置に電源を供給する洗剤投入工程を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄室内において食器を洗浄する食器洗浄機において、
前記洗浄室内に設けられて洗浄水を噴射するための洗浄ノズルと、
洗浄タンク内の洗浄水を前記洗浄ノズルに圧送供給する洗浄ポンプと、
前記洗浄室内に設けられてすすぎ水を噴射するためのすすぎノズルと、
該すすぎノズルにすすぎ水を圧送供給するすすぎポンプと、
前記洗浄タンクに洗剤を供給するための洗剤供給手段が接続される洗剤入口と、
前記洗浄ポンプを運転して洗浄工程を実行し、該洗浄工程の終了後、前記すすぎポンプを運転してすすぎ工程を実行すると共に、前記洗剤供給手段への電源供給を制御する制御手段とを備え、
該制御手段は、電源投入後、前記すすぎポンプを運転して前記洗浄タンクに給湯する給湯工程を実行すると共に、該給湯工程の終了後、前記洗剤供給手段に電源を供給する洗剤投入工程を実行することを特徴とする食器洗浄機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄室内に食器を収納して洗浄する食器洗浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種食器洗浄機では、洗剤が溶解した洗浄水を洗浄ポンプにて洗浄ノズルに圧送供給し、食器に向けて噴射して洗浄する洗浄工程を実行すると共に、この洗浄工程の終了後、すすぎ水をすすぎポンプにてすすぎノズルに圧送供給し、食器に向けて噴射することにより、洗浄水を洗い流すすすぎ工程を実行している。このすすぎ工程で噴射されたすすぎ水は洗浄タンクに回収され、洗浄水として再利用される構成とされている。また、洗浄タンクには洗剤供給装置から洗剤が投入され、所定の洗剤濃度の洗浄水が生成される構成とされていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記洗剤供給装置は、食器洗浄機1は通常別体で設けられ、洗浄工程中に食器洗浄機1から電源が供給される構成とされている。そして、洗剤供給装置は洗浄タンク内の洗剤の濃度を検出する洗剤電極を備えており、電源が供給されている状態で、所定濃度を検出した場合には洗剤の供給を停止する。このようにして、洗浄タンク内の洗剤濃度を維持する構成とされていた。
【特許文献1】特開2004−135830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の食器洗浄機では電源投入後にすすぎノズルを介して洗浄タンクに給湯する給湯工程が実行され、この給湯工程の終了後に準備完了となり、最初の洗浄工程の開始と同時に洗剤の供給も開始される構成であった。そのため、最初の洗浄工程では洗浄水の洗剤濃度が不足して充分な洗浄能力を発揮できない問題があった。
【0005】
それを解消するために、給湯工程開始時から洗剤を投入するようにすると、給湯工程当初は洗剤電極まで水が達していないので、洗剤濃度零の状態を継続して検出するかたちとなる。そのため、必要以上に洗剤が投入されてしまい、濃度が濃く成りすぎる問題が生じる。
【0006】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、洗浄工程初期から洗浄水の洗剤濃度を確保でき、且つ、必要以上に洗剤濃度が上がることも防止できる食器洗浄機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の食器洗浄機は、洗浄室内において食器を洗浄するものであって、洗浄室内に設けられて洗浄水を噴射するための洗浄ノズルと、洗浄タンク内の洗浄水を洗浄ノズルに圧送供給する洗浄ポンプと、洗浄室内に設けられてすすぎ水を噴射するためのすすぎノズルと、このすすぎノズルにすすぎ水を圧送供給するすすぎポンプと、洗浄タンクに洗剤を供給するための洗剤供給手段が接続される洗剤入口と、洗浄ポンプを運転して洗浄工程を実行し、この洗浄工程の終了後、すすぎポンプを運転してすすぎ工程を実行すると共に、洗剤供給手段への電源供給を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、電源投入後、すすぎポンプを運転して洗浄タンクに給湯する給湯工程を実行すると共に、この給湯工程の終了後、洗剤供給手段に電源を供給する洗剤投入工程を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗浄室内において食器を洗浄する食器洗浄機において、洗浄室内に設けられて洗浄水を噴射するための洗浄ノズルと、洗浄タンク内の洗浄水を洗浄ノズルに圧送供給する洗浄ポンプと、洗浄室内に設けられてすすぎ水を噴射するためのすすぎノズルと、このすすぎノズルにすすぎ水を圧送供給するすすぎポンプと、洗浄タンクに洗剤を供給するための洗剤供給手段が接続される洗剤入口と、洗浄ポンプを運転して洗浄工程を実行し、この洗浄工程の終了後、すすぎポンプを運転してすすぎ工程を実行すると共に、洗剤供給手段への電源供給を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、電源投入後、すすぎポンプを運転して洗浄タンクに給湯する給湯工程を実行すると共に、この給湯工程の終了後、洗剤供給手段に電源を供給する洗剤投入工程を実行するようにしたので、初回の洗浄工程を開始する以前に洗浄タンクには洗剤が投入され、所定の洗剤濃度が確保された洗浄水が貯留されることになる。
【0009】
これにより、洗浄工程当初から所用の洗浄作用を得ることができるようになり、洗浄能力の向上を図ることが可能となる。特に、給湯工程開始時より洗剤を投入するものではないので、洗剤投入開始時には洗浄タンクには充分水が貯留されており、従って、濃度の誤検出によって必要以上に洗剤が投入されてしまう不都合も回避できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用した食器洗浄機1の洗浄室2と機械室3内を透視した正面図、図2は図1の食器洗浄機1の洗浄室2の平面図、図3は食器洗浄機1の洗浄室2内下部のノズル支持軸4部分の拡大斜視図、図4及び図5はノズル支持軸4の平断面図、図6は食器洗浄機1の電気回路のブロック図、図7は食器洗浄機1の動作を説明するタイミングチャートである。
【0011】
実施例の食器洗浄機1の本体6はステンレス等の鋼板から構成されており、本体6の上部には複数の透孔を有する略矩形状(実施例では略正方形状)の底板10上方に洗浄室2が構成され、その下方には機械室3が構成されている。洗浄室2は平面図示で略矩形状、実施例では略正方形状を呈した空間とされており、上下に移動可能な箱状の扉7によって開閉自在に閉塞される。また、機械室3の前面も図示しないパネルによって覆われている。
【0012】
洗浄室2には、ラック8を取り出し、及び、収納可能に支持するラックレール9が設けられている。ラック8も洗浄室2の形状に合わせて平面図示で略矩形状(実施例では略正方形状)とされており、縦横の対辺寸法である幅が略等しくされていると共に、底面は洗浄水やすすぎ水が通過できるように、網目状とされている。ラック8には食器が収納されるものであるが、底板10上方の洗浄室2内に略隙間無く収納される大きさの略正方形状を呈している。即ち、係る略正方形状(略矩形状)のラック8内(平面図示で底板10の形状に略合致する)が食器の洗浄領域(食器を収納可能な領域)となる。
【0013】
更に、洗浄室2内には、上下に各々洗浄ノズル13、及び、すすぎノズル14が略同軸に回転可能に設けられている。尚、洗浄ノズル13やすすぎノズル14は実施例のように洗浄室2内の上下に設ける場合の他、機種によっては下部のみ、或いは、上部のみの場合もある。
【0014】
一方、機械室3には洗浄タンク18、洗浄ポンプ19、及び、すすぎポンプ21が設けられている。また、機械室3に隣接してブースタータンク(すすぎタンク)22が配置されている。そして、洗浄ポンプ19が運転されると、洗浄タンク18内の洗浄水は吸い込まれ、ノズル支持軸4の外側に設けられた洗浄配管26を介して洗浄ノズル13に圧送供給される。洗浄ノズル13は、回転可能なアーム31と複数の洗浄水噴射口32を具備しており、洗浄ポンプ19から供給された洗浄水を洗浄水噴射口32からラック8に向かって噴射しながら、回転する。
【0015】
また、すすぎポンプ21が運転されると、ブースタータンク22内のきれいな温水であるすすぎ水が吸い込まれ、すすぎ配管36を介して各ノズル支持軸4、4に圧送供給される。このノズル支持軸4、4はラック8(洗浄領域)の上方及び下方の略中央にそれぞれ設けられ、上下方向に延在するとともに、その内部にはすすぎ配管36と接続されたすすぎ水流路4Aが形成されている。また、すすぎノズル14は、略水平に延在する中空のアーム41と、このアーム41に形成された複数のすすぎ水噴射口42とを具備しており、すすぎノズル14のアーム41が、ノズルホルダ45を介してノズル支持軸4に回転可能に支持される。
【0016】
ノズル支持軸4の上部(洗浄室2内上部のノズル支持軸4の場合には下部)には連通孔38・・・が四ヶ所形成されており、この連通孔38を覆う(水封状態)ように、前記ノズルホルダ45はノズル支持軸4に回転可能に取り付けられている。この四つの連通孔38・・・は、ラック8(洗浄領域)の四隅に向けてそれぞれ指向されている。そして、すすぎノズル14のアーム41はこのノズルホルダ45に二本相互に対向する位置に取り付けられている。尚、ノズル支持軸4の先端は封止されている。
【0017】
ノズル支持軸4の連通孔38・・・に対応する位置のノズルホルダ45内面には全周に渡って連通溝46が形成されており、この連通溝46は全ての連通孔38・・・に連通している。そして、すすぎノズル14、14のアーム41は連通孔38・・・に対応する高さの位置で、内部が連通溝46に連通するようにノズルホルダ45に取り付けられている。
【0018】
ノズル支持軸4のすすぎ水流路4Aにすすぎ水が圧送供給されると、このすすぎ水は、連通孔38・・・、及び、連通溝46を経てすすぎノズル14のアーム41の内部空間に入り、そこを通過してすすぎ水噴射口42からラック8に向かって噴射する。また、この噴射の反動により、すすぎノズル14が回転する。
【0019】
この場合、すすぎノズル14のアーム41が図4(図2)に示すようにノズル支持軸4の連通孔38に合致した位置のときは(ラック8の四隅に指向した位置。図2。)、すすぎポンプ21によってすすぎ水流路4Aに圧送供給されたすすぎ水は、連通孔38から出て真っ直ぐにすすぎノズル14のアーム41内に流入する。そして、すすぎ水噴射口42から噴射されることになる。また、図5に示すようにすすぎノズル14のアーム41がノズル支持軸4の連通孔38に合致していない位置(図5はすすぎノズル14が洗浄室2、即ち、ラック8の対辺に直交する向き(ノズル支持軸4とラック8の一辺との距離が最も近い)となっている位置。図8。)では、すすぎポンプ21によってすすぎ水流路4Aに圧送されて来たすすぎ水は、連通孔38・・・から出て連通溝46に入り、この連通溝46に沿って曲がった後、当該連通溝46を経てすすぎノズル14のアーム41内に流入することになる。
【0020】
この場合、本発明では連通溝46の深さ寸法を従来より浅く設定することにより、連通溝46が圧送供給されて来たすすぎ水に対して所定の流路抵抗を与えるように構成されている。すすぎポンプ21によりすすぎ水流路4Aに圧送されるすすぎ水の圧力が従来と同等である。従って、連通孔38にすすぎノズル14が合致した状態ではすすぎ水噴射口42から噴射されるすすぎ水はラック8の四隅に充分届く。一方、連通孔38にすすぎノズル14が合致していない状態では、すすぎノズル14のアーム41内に流入するすすぎ水は連通溝46を通過するときにその流路抵抗によって水圧が低減されるので、すすぎ水噴射口42から噴射されるすすぎ水の勢いは、連通孔38から真っ直ぐきたときよりも弱くなる。
【0021】
図9、図10はすすぎ水噴射口42から噴射されるすすぎ水の様子を示している。すすぎノズル14が連通孔38に合致してアーム41内に流入するすすぎ水の圧力が高いとき(図2)、すすぎ水噴射口42から噴射されるすすぎ水の角度は大きくなり(噴射量も多くなる)、その分ノズル支持軸4から遠くまですすぎ水は届く。一方、連通溝46の流路抵抗で圧力が低くなると、噴射角度は小さくなり(噴射量も少なくなる)、すすぎ水の届く範囲は狭くなる。この様子が図8に二点鎖線L(すすぎ水噴射領域)で示されている。図8のすすぎ水噴射領域は、洗浄領域(底板10に略合致するラック8内)の四隅をカバーしながら、ノズル支持軸4に最も近くなる一辺の中央部にもちょうどすすぎ水が届く形状となっている。
【0022】
これにより、ラック8(洗浄領域)の四隅には確実にすすぎ水を届かせながら、四隅以外の部分では(ラック8の辺がノズル支持軸4に近くなる位置)、すすぎ水の水勢を弱め、即ち、洗浄室2の壁面(扉7の内壁等)に直接当たってしまう水を抑制して、食器のみに吹き付けられるようにすることが可能となる。即ち、連通溝46は図8のすすぎ水噴射領域となるようにその寸法・形状が設定されている。
【0023】
このような構成で、ラック8(洗浄領域)の四隅及びそれ以外の部分に支障なくすすぎ水を届かせながら、四隅以外の部分では無駄なすすぎ水の噴射を連通溝46の流路抵抗によって制限し、ラック8内の洗浄領域における食器の洗浄能力を維持しながら、すすぎ水の消費量を削減し、後述するブースタータンク22の電気ヒータにおける消費エネルギーの削減も図ることが可能となる。特に、連通溝46に流路抵抗を設けるという簡単な構成で実現できるので、設計変更に伴うコストの高騰も零若しくは最低限に抑えられると云う利点がある。
【0024】
次に、図6は食器洗浄機1の制御装置(制御手段)51の電気回路のブロック図を示している。制御装置51はマイクロコンピュータ52により構成されており、マイクロコンピュータ52の入力には洗浄タンク18内上部(満水位の位置)に設けられた洗浄水位センサー53、電源スイッチ54、扉7の開閉を検出する扉スイッチ56、洗浄タンク18やブースタータンク22内の水温を検出する温度センサー(一つで示す)57の出力が接続されており、出力には前記洗浄ポンプ19、すすぎポンプ21の他、洗浄タンク18内の洗浄水やブースタータンク22内のすすぎ水を加熱する電気ヒータ(一つで示す)58や洗剤供給装置62に電源を供給するための洗剤用電源(端子板)61、終了ブザー60が接続されている。
【0025】
図1に戻って62は食器洗浄機1に洗剤を供給するための洗剤供給装置(洗剤供給手段)であり、洗剤容器63が接続されている。洗剤供給装置62は洗剤供給配管64と洗剤電極66(洗剤濃度検出手段)を備えており、洗剤供給配管64は食器洗浄機1の洗浄室2内底部に位置する壁面に構成された洗剤入口67に接続されている。また、洗剤電極66は洗浄タンク18内の前記洗浄水位センサ53下方に位置する部分に設けられた電極取付部68に取り付けられている。そして、洗剤供給装置62の図示しない制御装置は食器洗浄機1の洗剤用電源61に接続されて電源の供給を受ける。
【0026】
以上の構成で、次に図7を参照しながら食器洗浄機1の動作を説明する。先ず、電源スイッチ54がONされると(図7のA)、マイクロコンピュータ52は電気ヒータ58によりブースタータンク22内のすすぎ水を加熱する。そして、温度センサー57に基づき、所定温度の温水が生成されると、すすぎポンプ21を運転して洗浄タンク18に給湯する給湯工程を実行する。
【0027】
この給湯工程では、すすぎポンプ21は所定時間複数回運転される。すすぎポンプ21が運転されると、ブースタータンク22内のすすぎ水(きれいな温水)が吸引されて前述した如くすすぎノズル14から洗浄室2内に噴射される。噴射されたすすぎ水は底板10を経て洗浄タンク18内に流入する。これによって、洗浄タンク18内には徐々に温水が溜められて行き、その水位は徐々に上昇していく。
【0028】
そして、洗浄タンク18内の水位が洗剤電極66の位置を超えて満水位となり、洗浄水位センサー53の高さまで上昇すると、洗浄水位センサー53の出力がONとなるので、マイクロコンピュータ52はすすぎポンプ21を停止して、給湯工程を終了する。
【0029】
係る給湯工程が終了すると、次にマイクロコンピュータ52は洗剤投入工程を実行する。この洗剤投入工程では、マイクロコンピュータ52は洗浄ポンプ19を運転すると共に、洗剤用電源61をONして洗剤供給装置62に給電する。洗剤供給装置62は電源が供給されると、洗剤容器63から洗剤を吸引して洗剤供給配管64に送給し、洗浄タンク18に流入させる。一方、洗浄ポンプ19が運転されると、洗浄タンク18内の温水(以下、洗浄水と云う)が吸引され、前述した如く洗浄ノズル13から洗浄室2内に噴射される。噴射された洗浄水は底板10を経て洗浄タンク18内に回収され、循環される。係る循環によって洗剤供給配管64から洗浄タンク18内に供給された洗剤は洗浄水と均一に混ざり合うことになる。
【0030】
この洗剤投入工程を所定時間実行した後、マイクロコンピュータ52は洗浄ポンプ19を停止すると共に、洗剤電極66をOFFして洗剤供給装置62を停止させ、ブザー60を鳴動させて準備終了した旨を報知する(図7のB)。以上で食器洗浄機1は準備完了となる。尚、この洗剤投入工程中に洗剤濃度が所定濃度に達した場合、その時点で洗剤供給装置62は洗剤供給を停止する。
【0031】
食器を洗浄する際には、まず始めに、扉7を開けて、洗浄する食器を収納したラック8をラックレール9で支持して洗浄室2内に収納し、扉7を閉じる。マイクロコンピュータ52は扉スイッチ56によりこの扉7の開閉を検知すると、洗浄工程を実行する(図7のC)。この洗浄工程では、マイクロコンピュータ52は洗浄ポンプ19を運転し、洗剤が入っている洗浄タンク18の洗浄水を吸い込み加圧して、前述したように洗浄ノズル13から噴射し、食器を洗浄する。食器を洗浄した水は落下して再び洗浄タンク18に回収され、循環している。
【0032】
また、同時にマイクロコンピュータ52は洗剤用電源61をONして洗剤供給装置62に給電する。洗剤供給装置62は電源が供給されると、前述同様洗剤容器63から洗剤を吸引して洗剤供給配管64に送給し、洗浄タンク18に流入させる。洗剤供給装置62は洗剤電極66により洗浄タンク18内の洗剤の濃度を監視しており、所定の濃度に上昇した場合には洗剤供給配管64を介した洗剤の供給を停止する。これにより、洗浄タンク18内は所定の洗剤濃度に維持されることになる。そして、所定時間の洗浄工程が終了するとマイクロコンピュータ52は洗浄ポンプ19を停止すると共に、洗剤用電源61もOFFする。
【0033】
次に、マイクロコンピュータ52はすすぎ工程に移行する。このすすぎ工程ではマイクロコンピュータ52は、すすぎポンプ21を運転する。すすぎポンプ21は、運転されるとブースタータンク22内のすすぎ水を吸い込み加圧して、すすぎ配管36を介して上下のノズル支持軸4、4に供給する。
【0034】
下側のノズル支持軸4に供給されたすすぎ水は、連通孔38・・・を介して下側のすすぎノズル14から上方、即ち、ラック8に向かって噴射され、ラック8の食器をすすぎ、洗剤分などを落とす。更に、上側のノズル支持軸4に供給されたすすぎ水の動作は、下側のノズル支持軸4に供給されたすすぎ水の動作と上下が反転するだけで同じであるので、その説明は省略する。食器をすすいだすすぎ水は落下して洗浄タンク18に回収されており、洗浄タンク18の水位は徐々に上昇している。この洗浄タンク18の水位が所定の水位よりも上昇すると、洗浄タンク18の図示しないオーバーフローパイプ等を通って食器洗浄機1の外部に排水される。そして、所定時間すすぎ工程を実行すると、マイクロコンピュータ52はすすぎポンプ21を停止してすすぎ工程を終了し、ブザー60を鳴動させて終了を報知する(図7のD)。
【0035】
ここで、従来では洗剤供給装置62による洗剤の供給は、最初の洗浄工程の開始時に開始されていた。その理由は、例えば給湯工程の開始時から洗剤を洗浄タンク18に供給する制御とすると、洗剤電極66の周囲に未だ温水が溜まっていない状態で洗剤が供給され始めることになり、洗剤の濃度零であるものと洗剤供給装置62が誤判断して、洗剤電極66に水位が上昇するまで洗剤を供給し続け、洗浄タンク18内の洗剤の濃度が高く成りすぎてしまうからである。
【0036】
しかしながら、最初の洗浄工程の開始時から洗剤を供給するだけでは、当該洗浄工程における洗剤濃度が不足してしまい、食器の汚れを充分に落とせなくなる。そこで、本発明では前述したように給湯工程の終了後に洗剤投入工程を実行するものとした。これにより、最初の洗浄工程開始時から或る程度の洗剤濃度、或いは、必要な洗剤濃度が確保された洗浄水が洗浄タンク18内に貯留されることになり、最初の洗浄工程における洗浄能力を向上させることができるようになる。一方、洗剤投入工程の開始時には洗浄タンク18には満水位の温水が貯留されているので、洗剤電極66により、洗剤供給装置62は洗浄タンク18内の洗剤濃度を的確に判断できる。従って、必要以上に洗剤が投入されてしまう不都合も生じない。
【0037】
尚、実施例では洗浄領域が略正方形状となる食器洗浄機1について説明したが、それに限らず、或る程度の範囲であれば長方形状であっても本発明は有効である。その場合にも各四隅まですすぎ水を届かせ、且つ、ノズル支持軸4から遠い辺まですすぎ水が届くような流路抵抗となるように連通溝46を構成すれば節水効果と省エネ効果の向上は期待できる。また、実施例では洗剤供給装置62を食器洗浄機1とは別体で設けたが、それに限らず、食器洗浄機1に搭載し、マイクロコンピュータ52によって洗剤容器63から洗剤を吸引して供給する制御を実行してもよい。その場合にも、同様に最初の洗浄工程における洗浄効果の向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明を適用した食器洗浄機の洗浄室と機械室内を透視した正面図である。
【図2】図1の食器洗浄機の洗浄室の平面図である。
【図3】図1の食器洗浄機の洗浄室内下部のノズル支持軸部分の拡大斜視図である。
【図4】図1の食器洗浄機のノズル支持軸の平断面図である。
【図5】図1の食器洗浄機のノズル支持軸のもう一つの平断面図である。
【図6】図1の食器洗浄機の電気回路のブロック図である。
【図7】図1の食器洗浄機の動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】図1の食器洗浄機のすすぎ水噴射領域を示す洗浄室の平面図である。
【図9】図1の食器洗浄機のすすぎノズルからのすすぎ水の噴射の様子を説明するためのすすぎノズルの断面図である。
【図10】図1の食器洗浄機のすすぎノズルからすすぎ水の噴射の様子を説明するためのすすぎノズルのもう一つの断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 食器洗浄機
2 洗浄室
3 機械室
4 ノズル支持軸
4A すすぎ水流路
8 ラック
13 洗浄ノズル
14 すすぎノズル
38 連通孔
45 ノズルホルダ
46 連通溝
51 制御装置
52 マイクロコンピュータ
61 洗剤用電源
67 洗剤入口
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成18年7月21日(2006.7.21)
【代理人】 【識別番号】100098361
【弁理士】
【氏名又は名称】雨笠 敬


【公開番号】 特開2008−23082(P2008−23082A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−199138(P2006−199138)