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【発明の名称】 電気掃除機
【発明者】 【氏名】藤原 奨

【氏名】関口 剛徳

【氏名】北古味 壮

【要約】 【課題】温度や振動周波数によらず、ブロアモータの振動が筐体に伝播して発生する騒音を低減することができる電気掃除機を得る。

【構成】ブロアモータのファンケース部104を防振材105で支持する電気掃除機であって、ファンケース部104の前面に、圧電効果を有する高分子制振材料106を固着したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロアモータのファンケース部を防振材で支持する電気掃除機であって、
前記ファンケース部の前面に、圧電効果を有する高分子制振材料を固着したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記高分子制振材料は、
前記ファンケース部の前面のうち、前記防振材で覆われている部分以外を覆うように形成したことを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記高分子制振材料は、
前記ファンケース部の前面のうち、該ファンケース部の吸い込み口以外の部分を覆うように形成したことを特徴とする請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記高分子制振材料は、
前記ファンケース部の前面から放射する透過音を遮断できる面密度で形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記高分子制振材料の前面側を覆う吸音材を設け、
前記吸音材を、前記防振材と前記ファンケース部とにより挟み込んで固定したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項6】
ブロアモータのファンケース部を防振材で支持する電気掃除機であって、
前記ファンケース部の前面に吸音材を形成し、
前記吸音材は、前記防振材と前記ファンケース部とにより挟み込んで固定したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項7】
前記吸音材は、
前記ファンケース部の前面のうち、前記防振材で覆われている部分以外を覆うように形成したことを特徴とする請求項6に記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記吸音材は、
前記ファンケース部の前面のうち、該ファンケース部の吸い込み口以外の部分を覆うように形成したことを特徴とする請求項7に記載の電気掃除機。
【請求項9】
前記ファンケース部の前面に凸部を設け、
前記吸音材は、該凸部を覆うように形成して、前記吸音材と該凸部との間に空気室を設けたことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記吸音材は、PET材や再生布等を用いた繊維材料からなることを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれかに記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロアモータの振動が筐体に伝播して発生する騒音を低減することができる電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、『電動送風機の振動や騒音の減衰並びにファンケース周囲からの空気漏れの防止を行う』技術として、『ゴムや発泡樹脂などからなる平板状の弾性材を打ち抜き、中心孔1dを有するリング状の環状部1aと、平板帯状の帯状部1bとが、細幅の接続部1cを介して接続された形状の緩衝体1を形成した。そして、この緩衝体1の一面にファンケース4への取り付けのための接着剤層を添設しておき、緩衝体1を位置合わせして接合するだけで、環状部1aが電動送風機3のファンケース4の前面部4bに接着されると共に、帯状部1bがファンケース4の外周部4cに接着されることとした。』というものが提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−154876号公報(請求項1、要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、電気掃除機のブロアモータは、運転時にはファンケースの温度が100度台に達することもある。このとき、ゴムのような弾性材料を騒音低減のために用いていると、温度上昇に伴い弾性材料が柔らかくなってブロアモータと一緒に振動してしまい、振動減衰効果が十分に発揮できず、したがって騒音を十分に低減できないという課題があった。
また、ゴムや発泡材料を用いた場合、周波数特性上、振動を減衰させる対象が有する固有振動周波数の1つにしか対応することができず、固有振動周波数以外の振動が発生したときには、これを減衰させることができず、したがってこれによる騒音を十分に低減できないという課題があった。
【0004】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、温度や振動周波数によらず、ブロアモータの振動が筐体に伝播して発生する騒音を低減することができる電気掃除機を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電気掃除機は、
ブロアモータのファンケース部を防振材で支持する電気掃除機であって、
前記ファンケース部の前面に、圧電効果を有する高分子制振材料を固着したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る電気掃除機によれば、運転時にファンケースの温度が変化したり、固有振動周波数以外の振動が発生したときであっても、ブロアモータの振動が筐体に伝播して発生する騒音を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の内部構造のうち、ブロアモータ周辺を側面から見た様子を図示するものである。
図1の内部構造においては、モータケース101がモータを取り囲むとともに、モータ前面には流路壁102が設けられている。
モータ本体は、ロータ部103とファンケース部104を有し、ファンケース部104の前面中央には吸い込み口107が設けられている。また、ファンケース部104の側周は、モータ防振材105で支持されている。
また、点線矢印は、騒音の発生方向を示すものであるが、詳細は後述の図7を用いて説明する。
【0008】
ここで、図1の詳細な説明をする前に、本発明の理解を容易にするため、ブロアモータの振動が筐体に伝播することにより発生する騒音の発生要因について説明する。
【0009】
図7は、音放射特性を、音響インテンシティ分析結果により示すものである。
図7においては、音の放射方向を矢印の向きで表し、音の強さを矢印の長さで表している。
電気掃除機の騒音の原因はブロアモータが主であり、図7に示されるように、騒音はブロアモータの前面側(ファンケース部)と後部側(ロータ部)とに分割して放射されていることが分かる。
また、ブロアモータの前面側(ファンケース部)からは、音が透過して放射されており、吸い込み口である開口径から放射する音は、ファンケース面から透過する音と比較して少ないことが分かる。
さらには、ブロアモータの後部側(ロータ部)から放射する音は、前面側(ファンケース部)の方向に伝播するものは少なく、流体に伴って、モータ後方に放射することが分かる。この音のほとんどは、筐体からの透過音及び排気口からの放射音となる。
【0010】
本発明は、図7に示される音の発生要因のうち、ブロアモータの前面側(ファンケース部)から発生する騒音、特に、強い音を発するファンケース面からの騒音を低減することを目的とするものである。
【0011】
次に、図1の説明に戻る。
図1においては、ファンケース部104の前面を覆うように、高分子制振材106を固着している。
高分子制振材106は、中央部に穴を設けた円盤状の制振材料で、中央部の穴と吸い込み口107を合わせるようにして、ファンケース部104の前面側に両面テープ等によって固着させる。ファンケース部は運転時に高温になる場合もあるので、高分子制振材106を固着させる両面テープ等は、その温度条件に合った耐熱性を有するものを使用することが望ましい。
また、高分子制振材106の大きさは、ファンケース部104の前面を概ね全て覆うことのできる程度のものとする。このようにすることで、ファンケース部104の前面から発する騒音のうち、騒音の発生が少ない吸い込み口107以外から発するものを、十分に低減することを図るためである。
なお、ファンケース部104の前面のうち、円周に沿った端部には、モータ防振材105の一部が覆いかぶさっているため、この部分は高分子制振材106で覆う必要はない。
【0012】
次に、高分子制振材106の材質的な特徴について説明する。
本発明における高分子制振材106には、圧電効果を有する高分子制振材料を用いる。即ち、高分子制振材106に振動が加わると、圧電効果によって振動エネルギーが最終的に熱エネルギーに変換されるので、振動を減衰させることができるのである。
このような圧電効果を有する高分子材料としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが知られている。
【0013】
また、本発明で用いる高分子制振材料は、次のような性質を有する。
(1)温度特性について
振動対策をすべき材料の表面温度が上昇しても、材料が柔らかくならない。即ち、温度が変化しても振動減衰特性が変化しない。
そのため、従来用いられてたゴム等の弾性体とは異なり、ファンケース部104の温度が運転中に上昇しても、安定して一定の騒音低減効果を得ることができる。
(2)周波数特性について
高分子制振材料は特定の周波数(固有振動数)が無いため、ゴムや発泡材料を用いた場合とは異なり、特定の周波数対策ではなく、広い周波数帯域の騒音低減効果を発揮することができる。
(3)遮音効果について
高分子制振材料は、カーボンなどの高分子材料と、有機及び無機材料を任意比率で混合した材料である。有機及び無機材料には金属や樹脂材料を選択でき、面密度を任意に形成することができる。
面密度とは、単位面積当たりの重量のことであり、面密度を高くすることによって、単位面積当たりの剛性を高めるとともに、遮音効果を高めることができる。
即ち、ファンケース部104の前面に高い面密度で形成した高分子制振材106を設けることにより、ファンケース部104の前面を遮音板で覆ったような効果を奏することができる。
これにより、ファンケース部104の前面に音の透過を遮断するための「遮音層」を形成することとなり、透過音対策が効果的に行え、ファンモータ前面から放射する透過音を低減することができる。
【0014】
以上のような特性を持つ高分子制振材料をファンケース部104の前面に固着することにより、高い周波数を持つ振動成分を制振材料によって押さえ込むことができ、高周波振動の大幅な減衰効果を発揮することができる。また、ファンケース部104の前面に「遮音層」を形成することによって、騒音の周波数帯域全般にわたっての減衰効果を得ることもできる。
【0015】
以上のように、本実施の形態1によれば、
ファンケース部104の前面に、圧電効果を有する高分子制振材106を固着したので、運転時にファンケースの温度が変化したり、固有振動周波数以外の振動が発生したときであっても、ブロアモータの振動が筐体に伝播して発生する騒音を低減することができる。
【0016】
また、ファンケース部104の前面のうち、モータ防振材105で覆われている部分と、吸い込み口107とを除いた部分を、高分子制振材106で概ね全て覆うようにしたので、
ファンケース部104のファンケース前面から発する騒音を、十分に低減させることができる。
【0017】
また、高分子制振材106は、ファンケース部104の前面から放射する透過音を遮断できる程度の高い面密度を有するものを用いているので、
音の透過を遮断するための「遮音層」を形成することとなり、透過音対策が効果的に行え、ファンモータ前面から放射する透過音を低減することができる。
【0018】
実施の形態2.
図2の上図は、本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の内部構造のうち、ブロアモータ周辺を側面から見た様子を図示するものである。
図2の上図に示す構造においては、モータケース201〜吸い込み口207は、実施の形態1における図1のモータケース101〜吸い込み口107と同様の構成であるが、高分子制振材106の代わりに吸音材208を用いた点が相違している。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0019】
吸音材208は、中央部に穴を設けた円盤状に形成されており、中央部の穴と吸い込み口207を合わせるようにして、ファンケース部204の前面側に固定する。
また、吸音材208の大きさは、実施の形態1と同様にファンケース部204の前面を概ね全て覆うことのできる程度のものとする。このようにすることで、ファンケース部204の前面から発する騒音のうち、騒音の発生が少ない吸い込み口207以外から発するものを、ほぼ全て遮断することを図るためである。
なお、ファンケース部204の前面のうち、円周に沿った端部には、モータ防振材205の一部が覆いかぶさっているため、この部分は吸音材208で覆う必要はない。
【0020】
図2の下図は、図2の上図のうち、モータ防振材205の周辺を拡大したものである。
本実施の形態2においては、吸音材208をファンケース部204の前面に固定する際には、両面テープ等を用いずに、吸音材208の円周部を、モータ防振材205とファンケース部204とにより挟み込んで固定する。
これは、両面テープ等を用いて吸音材208を固定すると、ブロアモータから発生した騒音がテープ面で反射してしまうためである。吸音材208が十分に奏効するためには、騒音が吸音材208の内部に入射して、吸音材208の内部で騒音が減少することが望ましく、テープ面で反射してしまっては、このような効果が十分に得られない。
したがって、本実施の形態2においては、両面テープ等を用いずに、上記のようにファンケース部204の側周を支持しているモータ防振材205とファンケース部204との隙間で「挟み込む」方法で吸音材208を固定する。
なお、実施の形態1においては、高分子制振材106を両面テープ等により固定することとしたが、高分子制振材106は遮音層としての効果を有し、音を透過させないことを図るものであるので、本実施の形態2における吸音材208のように、音の反射による吸音効果の減少を意識する必要はないことを付言しておく。
【0021】
両面テープ等と同様の理由により、吸音材208の表面は、「膜」形成などの表面処理を施さずに、騒音が確実に吸音材208に入射するようにする。
また、吸音材208がモータへ吸い込まれることを防ぐために、吸音材208は、モータ前面の開口(吸い込み口207)よりも前面に飛び出ない程度の厚さで形成し、又は、中央部の穴は、吸い込み口207よりも広い口径を有することとする。
【0022】
吸音材208は、例えば再生PET材や再生布等を用いた繊維材料とすることができる。これにより、電源等のショート時に吸音材208に引火した場合でも、吸音材208が自己消火ないし溶けることによって、モータなどが燃えることを防ぐことができる。また、PET材は炭素・水素・酸素のみからなるため、焼損しても有害物質が発生することがなく、安全面からも好ましい。
【0023】
以上のように、本実施の形態2によれば、
ファンケース部204の前面に吸音材208を形成し、吸音材208は、モータ防振材205とファンケース部204とにより挟み込んで固定したので、
騒音が反射することなく確実に吸音材208に入射し、騒音低減効果を確実に発揮させることができる。
【0024】
また、吸音材208は、ファンケース部204の前面のうち、モータ防振材205で覆われている部分と、吸い込み口207とを除いた部分を覆うように形成したので、
ファンケース部204のファンケース前面から発する騒音を、十分に低減させることができる。
【0025】
また、吸音材208は、PET材や再生布等を用いた繊維材料からなるので、電源等のショート時に吸音材208に引火した場合でも、吸音材208が自己消火ないし溶けることによって、モータなどが燃えることを防ぐことができる。また、PET材は炭素・水素・酸素のみからなるため、焼損しても有害物質が発生することがなく、安全面からも好ましい。
【0026】
実施の形態3.
図3の上図は、本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の内部構造のうち、ブロアモータ周辺を側面から見た様子を図示するものである。
図3の上図に示す構造においては、モータケース301〜吸音材308は、実施の形態2における図2のモータケース201〜吸音材208とほぼ同様の構成であるが、ファンケース部304の形状が相違している。以下、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
【0027】
図3においては、ファンケース部304の前面に山形の凸部309を複数設け、吸音材308で凸部309を覆うようにして、ファンケース部304と吸音材308との間に空気室を設けている。一般に、騒音が空気層を通過する際には、その距離に応じて音圧レベルが現象するため、凸部309周辺の空気室により、音響減衰効果が得られる。
即ち、上記のような構成により、吸音材308による騒音減衰効果と、空気室による音響減衰効果とを同時に得ることができるので、騒音低減効果がさらに高まる。
【0028】
凸部309の高さが極端に高いと、吸音材308が吸い込み口307よりも前面に位置することとなり、吸音材308の吸い込み防止の観点から好ましくない。また、凸部309の高さが極端に高いと、吸音材308がファンケース部304の表面から剥離しやすくなってしまう。
よって、凸部309の高さは、吸音材308が吸い込み口307の前面に位置しない程度に止めておくことが望ましい。
【0029】
吸音材308の固定方法は、実施の形態2と同様に、吸音材308の円周部を、モータ防振材305とファンケース部304とにより挟み込んで固定する。理由は実施の形態2で述べたことと同様で、両面テープ等を用いて固定するとテープ面で音が反射してしまうからである。
また、吸音材308の材質や大きさ等については、実施の形態2における吸音材208と特段の差異はない。
【0030】
本実施の形態3においては、凸部309の形状は山形としたが、これに限られるものではなく、例えば円柱状や三角錐状に形成するなどしてもよい。即ち、上記に述べたように凸部309の周辺に空気室を形成することができれば、空気室による音響減衰効果が得られるため、凸部309の形状は任意のものとすることができる。また、凸部309の個数も、同様に任意に構成することができる。
【0031】
以上のように、本実施の形態3によれば、
ファンケース部304の前面に凸部309を設け、吸音材308は、凸部309を覆うように形成して、吸音材308と凸部309との間に空気室を設けたので、
吸音材308による騒音減衰効果と、空気室による音響減衰効果とを同時に得ることができ、騒音低減効果がさらに高まる。
【0032】
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4に係る電気掃除機の内部構造のうち、ブロアモータ周辺を側面から見た様子を図示するものである。
図4に示す構造においては、モータケース401〜吸い込み口407は、実施の形態1における図1のモータケース101〜吸い込み口107と同様であるが、高分子制振材406を吸音材408でさらに覆っている点が相違している。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0033】
図4においては、実施の形態1と同様に、ファンケース部404の前面に高分子制振材406を固着し、高分子制振材406の前面を、さらに吸音材408で覆っている。
吸音材408は、中央部に穴を設けた円盤状に形成されており、中央部の穴と吸い込み口407を合わせるようにして、ファンケース部404の前面側に固定する。
吸音材408の大きさは、高分子制振材406と略同じ大きさとしてもよいし、中央部に設ける穴を高分子制振材406の中央部の穴よりも大きくして、高分子制振材406よりも表面積を小さくするようにしてもよい。
騒音を確実に防止する観点からは、高分子制振材406の前面を全て吸音材408で覆ってしまうことが望ましいが、高分子制振材406単体で十分な騒音低減効果が得られるのであれば、吸音材408は補助的に用いる程度でもよい。
【0034】
吸音材408の固定方法は、実施の形態2と同様に、吸音材408の円周部を、モータ防振材405とファンケース部404とにより挟み込んで固定する。理由は実施の形態2で述べたことと同様で、両面テープ等を用いて固定するとテープ面で音が反射してしまうからである。
また、吸音材408の材質や大きさ等については、実施の形態2における吸音材208と特段の差異はない。
【0035】
図5は、電気掃除機の筐体の側断面図であり、図1〜図4に示す構成を、電気掃除機筐体内に設置する際の1例を示すものである。図5においては、吸音材をファンケース部前面に固定した場合(図2に相当)を例示している。
図5において、モータケース501〜吸音材508は、図2のモータケース201〜吸音材208と同様の構成である。
図5の電気掃除機は、クリーナ筐体510で全体を覆われており、筐体内の前方には集塵部511が形成され、筐体内の後方には、図1〜図4に示す構成が設置される。
集塵部511の空気は、吸い込み口507を介して、ブロアモータ部分に流入する。
また、クリーナ筐体510の後部には、総排気口512が設けられている。
点線矢印は、音の伝播方向を表すものである。
【0036】
図6は、本発明における騒音対策部材である高分子制振材や吸音材を装着する前後の騒音特性の測定結果を示すグラフである。
図6の縦軸は、ブロアモータから発する騒音の音圧レベル(dB)を表す。
図6の横軸は、ブロアモータから発する騒音の周波数(Hz)を表す。
【0037】
図6の実線で表されたグラフは、騒音対策部材を装着する前の騒音特性を示す。同グラフに示されるように、騒音対策部材を装着する前の騒音は、音の透過成分(N成分)の周波数帯域に第1のピークがあり、高次の分割振動成分によるファン回転成分(NZ成分)に第2のピークがある。
図6の点線で表されたグラフは、騒音対策部材を装着した後の騒音特性を示す。同グラフに示されるように、騒音対策部材を装着した後の騒音は、NZ成分のピーク振動が確実に減衰されるとともに、N成分の振動のピークが下がっていることが分かる。
なお、実施の形態1〜4のいずれの構成を用いた場合でも、図6の点線で表されたグラフと同様の効果を得ることができたことを付言しておく。
【0038】
以上のように、本実施の形態4によれば、
高分子制振材406の前面側を覆う吸音材408を設け、吸音材408を、モータ防振材405とファンケース部404とにより挟み込んで固定したので、
高分子制振材406や吸音材408を単体で用いる場合よりもさらに大きな騒音低減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施の形態1に係る電気掃除機の内部構造のうち、ブロアモータ周辺を側面から見た様子を図示するものである。
【図2】実施の形態2に係る電気掃除機の内部構造のうち、ブロアモータ周辺を側面から見た様子を図示するものである。
【図3】実施の形態3に係る電気掃除機の内部構造のうち、ブロアモータ周辺を側面から見た様子を図示するものである。
【図4】実施の形態4に係る電気掃除機の内部構造のうち、ブロアモータ周辺を側面から見た様子を図示するものである。
【図5】図1〜図4に示す構成を、電気掃除機筐体内に設置する際の1例を示すものである。
【図6】高分子制振材や吸音材を装着する前後の騒音特性の測定結果を示すグラフである。
【図7】音放射特性を、音響インテンシティ分析結果により示すものである。
【符号の説明】
【0040】
101 モータケース、102 流路壁、103 ロータ部、104 ファンケース部、105 モータ防振材、106 高分子制振材、107 吸い込み口、201 モータケース、202 流路壁、203 ロータ部、204 ファンケース部、205 モータ防振材、207 吸い込み口、208 吸音材、301 モータケース、302 流路壁、303 ロータ部、304 ファンケース部、305 モータ防振材、307 吸い込み口、308 吸音材、309 凸部、401 モータケース、402 流路壁、403 ロータ部、404 ファンケース部、405 モータ防振材、406 高分子制振材、407 吸い込み口、408 吸音材、501 モータケース、503 ロータ部、504 ファンケース部、505 モータ防振材、507 吸い込み口、508 吸音材、510 クリーナ筐体、511 集塵部、512 総排気口。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫


【公開番号】 特開2008−23010(P2008−23010A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−197597(P2006−197597)