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【発明の名称】 食器洗い乾燥機
【発明者】 【氏名】井上 博喜

【要約】 【課題】扉の合わせ部を、洗浄工程及びすすぎ工程においては水漏れを防ぎ、乾燥工程においては洗浄槽の内部の空気及び水蒸気を排気する構成とすることにより、排気口を開設する必要をなくし食器洗い乾燥機に必要な部品点数を減らして、製造費用の削減を図ることができる食器洗い乾燥機を提供する。

【構成】前記筐体1の正面上側には板状の上扉22を備え、前記筐体1の正面下側には板状の下扉23を備え、上扉22の下端部を合わせ部22aとし、下扉23の上端部は合わせ部23aとする。上扉22の下面には内面側の縁に沿って、下側に適長突出している突条22bを上扉22と一体に設け、下扉23の上面には外面側の縁に沿って、上側に適長突出している突条23bを下扉23と一体に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に開口部を有する筐体と、前記開口部の上下に位置して、合わせ部を有し前記開口部を上下方向に開閉する複数の扉と、前記筐体の内部に設けられている洗浄槽とを備え、食器を乾燥する乾燥工程を含む運転を行う食器洗い乾燥機において、
前記乾燥工程にて前記合わせ部の間から前記洗浄槽の内部の空気を排気するようにしてあることを特徴とする食器洗い乾燥機。
【請求項2】
対向する他方の前記合わせ部に向けて突出しており、前記合わせ部に内外方向に並設され、上側に突出している先端が下側に突出している先端より上方に位置する突条を備え、前記先端のそれぞれと前記先端のそれぞれと対向する前記合わせ部との間及び前記突条同士の間に隙間があることを特徴とする請求項1に記載の食器洗い乾燥機。
【請求項3】
下側の前記扉の上面に水を溜める溜水溝が設けられ、前記合わせ部及び前記突条の間に水膜が形成されるようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の食器洗い乾燥機。
【請求項4】
前記溜水溝よりも浅く水を前記洗浄槽の内部に導く導水溝が前記溜水溝に連設されていることを特徴とする請求項3に記載の食器洗い乾燥機。
【請求項5】
下側の前記扉の内面であって前記合わせ部の近傍に遮蔽突部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の食器洗い乾燥機。
【請求項6】
前記遮蔽突部の上面は前記洗浄槽の底に向けて傾斜していることを特徴とする請求項5に記載の食器洗い乾燥機。
【請求項7】
前記扉の外面であって最下に位置する前記合わせ部より下側に離隔した位置に手を触れて操作する操作部を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の食器洗い乾燥機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄工程及びすすぎ工程においては水漏れを防ぐことができ、また乾燥工程においては洗浄槽の内部の空気及び水蒸気の排気を行うことができる扉を備える食器洗い乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食器洗い乾燥機にあっては、正面に開口部を有する筐体と、該筐体の正面の上側及び下側に支持されており、上下方向に開閉する2つの扉と、該扉の合わせ部に設けられているシール部材とを備えていた。シール部材を前記合わせ部に設けることにより扉を閉じた場合に隙間を生じないようにして、洗浄工程又はすすぎ工程にて水が扉の隙間から漏出することを防いでいた。
【0003】
また、上側の扉の上部に排気口が開設されており、下側の扉には扉の開閉に使用するハンドルが設けられていた。洗浄槽の内部の空気及び水蒸気を排気する場合には前記排気口を使用して、洗浄槽の内部の空気及び水蒸気が前記ハンドルに当たることを防ぎ、該ハンドルが高温になることを防止していた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3494150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の食器洗い乾燥機にあっては、食器洗い乾燥機の組み立てに前記シール部材を用いている。しかし、前記シール部材を前記合わせ部に取り付ける場合には水漏れを防ぐため精密に取り付ける必要があり、前記シール部材の取り付けに長時間を要するので、前記シール部材を用いることは食器洗い乾燥機の組立時間の短縮を図る上での制約となっていた。
【0005】
また前記排気口を上側の扉の上部に開設しているが、排気口を開設する場合には、排気口に洗浄水が直接噴射されて水が外に漏出することを防ぐために、洗浄槽の内部であって排気口に対向する位置に排気カバーを設ける必要があるので、食器洗い乾燥機に必要な部品点数が多くなり、食器洗い乾燥機の製造費用の削減が困難になるという問題点があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、乾燥工程にて扉の合わせ部の間から洗浄槽の内部の空気及び水蒸気を排気する構成とすることにより、排気口を開設する必要をなくし食器洗い乾燥機に必要な部品点数を減らして、製造費用の削減を図ることができる食器洗い乾燥機を提供することを目的とする。
【0007】
また扉の合わせ部に、対向する他方の合わせ部に向けて突出する突条を内外方向に並設することにより、洗浄工程又はすすぎ工程に水が扉の外側に漏出することを防ぎ、シール部材を取り付ける時間を削減し、食器洗い乾燥機の組立時間を短縮することができる食器洗い乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る食器洗い乾燥機は、正面に開口部を有する筐体と、前記開口部の上下に位置して、合わせ部を有し前記開口部を上下方向に開閉する複数の扉と、前記筐体の内部に設けられている洗浄槽とを備え、食器を乾燥する乾燥工程を含む運転を行う食器洗い乾燥機において、前記乾燥工程にて前記合わせ部の間から前記洗浄槽の内部の空気を排気するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、前記合わせ部の間から前記洗浄槽の内部の空気を排気する構成とすることにより、排気口を設ける必要がなくなり、食器洗い乾燥機に必要な部品点数が軽減される。
【0010】
また本発明に係る食器洗い乾燥機は、対向する他方の前記合わせ部に向けて突出しており、前記合わせ部に内外方向に並設され、上側に突出している先端が下側に突出している先端より上方に位置する突条を備え、前記先端のそれぞれと前記先端のそれぞれと対向する前記合わせ部との間及び前記突条同士の間に隙間があることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、前記合わせ部に、対向する他方の合わせ部に向けて突出させた突条を設けることにより、前記洗浄槽の内部に設けられている噴射ノズルから噴射された水が前記合わせ部の間に向けて噴射された場合であっても、水が前記突条に当たり、前記扉の外側に水が漏出することを防ぐ。
【0012】
また本発明に係る食器洗い乾燥機は、下側の前記扉の上面に水を溜める溜水溝が設けられ、前記合わせ部及び前記突条の間に水膜が形成されるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、下側の前記扉の上面に水を溜める溜水溝を設けることにより、溜水溝に水を溜めて前記合わせ部及び前記突条の間に水膜を形成し、洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽の内部の空気及び水蒸気が前記合わせ部の間から漏出することを防ぐ。
【0014】
また本発明に係る食器洗い乾燥機は、前記溜水溝よりも浅く水を前記洗浄槽の内部に導く導水溝が前記溜水溝に連設されていることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、前記溜水溝よりも浅い導水溝を前記溜水溝に連設することにより、前記溜水溝に過剰に流入した水を、前記導水溝を通して前記洗浄槽の内部に流すので、前記溜水溝に水が溜まり過ぎることを防ぎ、また、前記溜水溝の付近に滞留している水が前記溜水溝に流れやすくなり、該溜水溝の付近に滞留している水の量が減少する。
【0016】
また本発明に係る食器洗い乾燥機は、下側の前記扉の内面であって前記合わせ部の近傍に遮蔽突部を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、下側の前記扉の内面であって前記合わせ部の近傍に遮蔽突部を設けることにより、前記洗浄槽に設けられている噴射ノズルから前記合わせ部の間に向けて水が噴射された場合でも、噴射された水は前記遮蔽突部に当たり、前記合わせ部の間に形成された水膜が破られることを防止する。
【0018】
また本発明に係る食器洗い乾燥機は、前記遮蔽突部の上面は前記洗浄槽の底に向けて傾斜していることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、前記遮蔽突部の上面を前記洗浄槽の底に向けて傾斜させることにより、前記遮蔽突部の上面に付着した残菜が前記洗浄槽の内部に向けて水と共に洗い流され、前記遮蔽突部の上面に残菜が残ることを防ぐ。
【0020】
また本発明に係る食器洗い乾燥機は、前記扉の外面であって最下に位置する前記合わせ部より下側に離隔した位置に手を触れて操作する操作部を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、前記扉の外面であって最下に位置する前記合わせ部より下側に離隔した位置に手を触れて操作する操作部を設けることにより、前記合わせ部の間から排気される前記洗浄槽の内部の空気及び水蒸気が前記操作部に当たることを防ぎ、該操作部が高温になることを防止する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る食器洗い乾燥機においては、前記合わせ部の間から前記洗浄槽の内部の空気を排気する構成とすることにより、排気口を設ける必要がなくなり、食器洗い乾燥機に必要な部品点数を減らし、食器洗い乾燥機の組立に必要な製造費用の削減を図ることができる。
【0023】
また本発明に係る食器洗い乾燥機においては、前記合わせ部に、対向する他方の合わせ部に向けて突出させた突条を設けることにより、前記洗浄槽の内部に設けられている噴射ノズルから噴射された水が前記合わせ部の間に向けて噴射された場合であっても、水が前記突条に当たり、前記扉の外側に水は漏れ出ないので、シール部材を取り付ける時間を削減し食器洗い乾燥機の組立時間を短縮することができる。
【0024】
また本発明に係る食器洗い乾燥機においては、下側の前記扉の上面に水を溜める溜水溝を設けることにより、溜水溝に水を溜めて前記合わせ部及び突条の間に水膜を形成し、洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽の内部の空気及び水蒸気が前記合わせ部及び突条の間から漏れ出ないようにしている。したがって洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽の内部の温度が低下することを防ぎ、洗浄効果の低下を防止することができる。
【0025】
また本発明に係る食器洗い乾燥機においては、前記溜水溝よりも浅い導水溝を前記溜水溝に連設することにより、前記溜水溝に過剰に流入した水を、前記導水溝を通して前記洗浄槽の内部に流すので、前記溜水溝に水が溜まり過ぎることを防ぎ、また、前記溜水溝の付近に滞留している水が前記溜水溝に流れやすくなり、該溜水溝の付近に滞留している水の量が減少するので、例えば扉を開けた場合に、扉の外側に飛散する水の量を低減することができる。
【0026】
また本発明に係る食器洗い乾燥機においては、下側の前記扉の内面であって前記合わせ部の近傍に遮蔽突部を設けることにより、前記洗浄槽に設けられている噴射ノズルから前記合わせ部の間に向けて水が噴射された場合でも、噴射された水は前記遮蔽突部に当たり、前記合わせ部の間に形成された水膜が破られることを防止する。したがって洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽の内部の空気及び水蒸気が前記合わせ部の間から漏れ出ず、洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽の内部の温度が低下することを防ぎ、洗浄効果の低下を防止することができる。
【0027】
また本発明に係る食器洗い乾燥機においては、前記遮蔽突部の上面を前記洗浄槽の底に向けて傾斜させることにより、前記遮蔽突部の上面に付着した残菜が前記洗浄槽の内部に向けて水と共に洗い流され、前記遮蔽突部の上面に残菜が残ることを防ぐので、扉を開けたときに残った残菜が扉の外側に飛散することを防止することができる。
【0028】
また本発明に係る食器洗い乾燥機においては、前記扉の外面であって最下に位置する前記合わせ部より下側に離隔した位置に手を触れて操作する操作部を設けることにより、前記合わせ部の間から排気される前記洗浄槽の内部の空気及び水蒸気が前記操作部に当たることを防ぎ、該操作部が高温になることを防止するので、利用者は火傷をすることなく前記操作部に触れることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施の形態1)
以下、本発明を実施の形態1を示す図面に基づいて詳述する。図1は実施の形態1に係る食器洗い乾燥機の要部構成を示す模式的正面断面図、図2は洗浄工程又はすすぎ工程における要部構成を示す模式的右側面断面図、図3は乾燥工程における要部構成を示す模式的右側面断面図である。
【0030】
図において、1は食器洗い乾燥機の外装を成す筐体であり、洗浄槽2が筐体1の内部に設けられ、洗浄槽2の内部には食器16を載せる食器受具3が設けられている。食器受具3の下側には、食器に水を噴射する噴射ノズル11と、洗浄及びすすぎを行う場合に水を加熱し、乾燥を行う場合に洗浄槽2内の空気を暖める渦巻形状のヒータ4とが配置されている。洗浄槽2の内壁には水を噴射する固定ノズル18が取り付けられている。
【0031】
洗浄槽2の底部左側には洗浄槽2を窪ませてなる貯水タンク12が設けられている。貯水タンク12に水を給水する給水管13が洗浄槽2の左側面部と筐体1との間に配設されており、給水管13の一端部には給水弁14が取着され、給水管13の他端部は洗浄槽2の内部に向けて開口している給水口15が設けられている。
【0032】
筐体1の底部中央にはポンプ6及びポンプ6を駆動するモータ7が設けられており、貯水タンク12の底部とポンプ6とが吸込み管5を介して連接されている。ポンプ6の上部には上側に延びる送水管8が設けられており、送水管8は前記噴射ノズル11及び固定ノズル18に連なる送水ダクト17に連設されている。またポンプ6の上部には筐体1の背面に向けて延設されている排水管9が設けられており、排水管9の先端開口は排水口10となっている。
【0033】
筐体1の背部底面側には筐体1の外の空気を洗浄槽2の内部に送る送風ファン19が設けられている。送風ファン19の上側には送風ダクト20が連なっており、送風ダクト20は筐体1及び洗浄槽2の間に延設されている。送風ダクト20の延設端はヒータ4の近傍に位置しており、ヒータ4に向けて開口している送風口21となっている。
【0034】
筐体1は正面に開口部1aを備え、前記筐体1の正面上側には板状の上扉22が、上下に回動して上側に開き下側に閉じるように支持されており、前記筐体1の正面下側には板状の下扉23が、上下に回動して下側に開き上側に閉じるように支持されている。上扉22の下端部は合わせ部22aとなっており、下扉23の上端部は合わせ部23aとなっている。上扉22の下面には内面側の縁に沿って、下側に適長突出している突条22bが上扉22と一体に設けられ、下扉23の上面には外面側の縁に沿って、上側に適長突出している突条23bが下扉23と一体に設けられており、突条22b及び突条23bが内外方向に間隔を空けている。
【0035】
上扉22及び下扉23を閉じたときには、合わせ部22a及び23aはラビリンス構造を形成する。突条22bの先端は、合わせ部23aの突条23bが形成されていない部分に僅かな隙間を空けて接近して対向し、突条23bの先端は、合わせ部22aの突条22bが形成されていない部分に僅かな隙間を空けて接近して対向しており、合わせ部22a及び23aの間はクランク状の排気通路24となる。
【0036】
次に実施の形態1に係る食器洗い乾燥機の運転について説明する。洗浄工程又はすすぎ工程においては給水弁14を開き、水を給水管13に通して給水口15から貯水タンク12に水を供給する。貯水タンク12に供給された水は、吸込み管5を通ってポンプ6に送られる。ポンプ6に送られた水はモータ7の駆動により、送水管8及び送水ダクト17を経由して噴射ノズル11又は固定ノズル18に送られ、図2にて矢印で示すように噴射ノズル11又は固定ノズル18の噴射口から洗浄槽2の内部に噴射される。
【0037】
食器16に向けて噴射された水は、食器16の表面に当たり食器表面に付着した汚れを剥離させる。合わせ部22a及び合わせ部23aの間に向けて噴射された水は、突条22b又は突条23bに当たり、上扉22及び下扉23の外面側に水は漏れ出ない。
【0038】
水の噴射が終了するとモータ7が逆向きに駆動され、貯水タンク12に溜まっている水が吸込み管5を通りポンプ6に送られる。ポンプ6に送られた水は排水管9を通り排水口10から排水され、洗浄工程又はすすぎ工程は終了する。
【0039】
洗浄工程及びすすぎ工程が終了すると、乾燥工程に移る。図3の矢印は送風ファン19から筐体1の内部に取り込まれた空気の流れを示している。乾燥工程にて送風ファン19から取り込まれた筐体1の外の空気は、送風ダクト20の内部を通り、送風口21からヒータ4の近傍に送られる。
【0040】
送風ファン19から取り込まれた筐体1の外の空気はヒータ4にて加熱され、加熱された空気は食器16の表面に当たり、食器を乾燥させる。送風ファン19により筐体1の外の空気が洗浄槽2の内部に送られているので、食器16の表面に当たった空気は洗浄槽2の内部の空気及び水蒸気と共に押出されて排気通路24を通流し筐体1の外に排気される。
【0041】
前記洗浄槽2の内部にある空気及び水蒸気を前記排気通路24に通流させて排気させることにより、排気口を設ける必要がなくなり、食器洗い乾燥機に必要な部品点数を減らし、食器洗い乾燥機の組立に必要な製造費用を削減することができる。
【0042】
また、上扉22の下面に下側に適長突出している突条22bを設け、下扉23の上面に上側に適長突出している突条23bを設けることにより、前記洗浄槽2の内部に設けられている噴射ノズル11から噴射された水が前記合わせ部22a及び合わせ部23aとの間に向けて噴射された場合であっても、水は前記突条22b又は23bに当たり、前記扉の外側に水は漏出しないので、シール部材を取り付ける時間を削減して食器洗い乾燥機の組立時間を短縮することができる。
【0043】
なお、突条22bが上扉22の下面にて上扉22の外面側の縁に沿って下側に適長突出し、突条23bが下扉23の上面にて下扉23の内面側の縁に沿って上側に適長突出する構成であっても良い。また、3つ以上の扉が開口部1aを上下方向に開閉し、2以上の合わせ部の間から洗浄槽の内部の空気及び水蒸気を排気する構成であっても良い。また、突条は3つ以上あっても良い。
【0044】
(実施の形態2)
以下、本発明を実施の形態2を示す図面に基づいて詳述する。図4は実施の形態2に係る食器洗い乾燥機の洗浄工程又はすすぎ工程における要部構成を示す模式的右側面断面図、図5は合わせ部22a及び23a付近の構成を示す模式的部分拡大側面断面図である。
【0045】
下扉23の上面であって、突条22bの先端に対向する位置に左右方向に長い溜水溝23cが設けられている。溜水溝23cには、洗浄槽2の内部に向かって延伸しており溜水溝23cよりも浅い導水溝23dが連設されている。
【0046】
洗浄工程及びすすぎ工程にて噴射ノズル10又は固定ノズル18からヒータ4にて加熱された水が噴射され、合わせ部22a及び合わせ部23aの間に水が掛かり、溜水溝23cに水が溜まる。突条22bの先端及び合わせ部23aは接近して対向しているので、突条22bの先端及び合わせ部23aの間には水膜Sが形成される。特に洗浄工程においては水に洗剤が溶け込んでいることから水膜Sが形成されやすい。水膜Sが形成されると洗浄槽2の内部の空気及び水蒸気は排気通路24を通流できず筐体1の外に排気されない。
【0047】
乾燥工程にて送風ファン19から取り込まれた筐体1の外の空気が送風ダクト20の内部を通り洗浄槽2の内部に送られると、送風ファン19から取り込まれた筐体1の外の空気は水膜Sを押圧し、水膜Sを破る。水膜Sが破れると、送風ファン19から取り込まれた筐体1の外の空気は押出されて洗浄槽2の内部にある空気及び水蒸気と共に排気通路24を通流し、筐体1の外に排気される。
【0048】
洗浄工程及びすすぎ工程にて、合わせ部23aに水が掛かると、水は溜水溝23cに流入する。溜水溝23cに流入した水の水位が導水溝23dの底の位置よりも高くなると、溜水溝23cに流入した水は導水溝23dを通り洗浄槽2の内部へ流される。溜水溝23cに流入した水の水位が導水溝23dの底の位置よりも低くなると、溜水溝23cに流入した水は洗浄槽2の内部へ流されず、溜水溝23cには所定量の水が溜まる。
【0049】
下扉23の上面に水を溜める溜水溝23cを設けることにより、溜水溝23cに水を溜めて前記突条22bの先端及び合わせ部23aの間に水膜Sを形成し、洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽2の内部の空気及び水蒸気が前記排気通路24を通流して漏れ出ないようにしているので、洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽2の内部の温度が低下し、洗浄効果が低下することを防ぐことができる。
【0050】
また、前記溜水溝23cよりも浅い導水溝23dを前記溜水溝23cに連設することにより、前記溜水溝23cに過剰に流入した水を、前記導水溝23dを通して前記洗浄槽2の内部に流すので、前記溜水溝23cに水が溜まりすぎることを防ぎ、前記溜水溝23cの付近に滞留している水が前記溜水溝23cに流れやすくなり、該溜水溝23cの付近に滞留している水の量が減少するので、例えば上扉22及び下扉23を開けた場合又は乾燥工程にて前記洗浄槽2の内部の空気及び水蒸気を排気する場合に、上扉22及び下扉23の外側に飛散する水の量を低減することができる。
【0051】
なお、溜水溝23cに水が流入しやすいように、溜水溝23cに向かう傾斜を合わせ部23aに設けても良い。また、導水溝23dを溜水溝23cに複数連設させても良い。
【0052】
実施の形態2に係る食器洗い乾燥機の構成の内、実施の形態1と対応する構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0053】
(実施の形態3)
以下、本発明を実施の形態3を示す図面に基づいて詳述する。図6は実施の形態3に係る食器洗い乾燥機の洗浄工程又はすすぎ工程における要部構成を示す模式的右側面断面図である。
【0054】
下扉23の内面の上端縁に沿って突条の遮蔽突部25が設けられており、遮蔽突部25の上下方向に切断した場合の断面形状は、内側に向けて縮幅された略等脚台形となっている。上扉22及び下扉23には係合部材(図示せず)がそれぞれ設けられており、前記係合部材が互いに係合すると開口部1aが閉じられる構成となっている。下扉23の外面上部であって合わせ部23aの位置よりも下側に離隔した位置に、前記係合部材の係合を解除する係合解除ボタン26が設けられている。
【0055】
遮蔽突部25が下扉23の内面の上端縁に沿って設けられているので、噴射ノズル11から突条22bの先端及び合わせ部23aの間に向けて噴射された水は、遮蔽突部25に当たり、突条22bの先端及び合わせ部23aの間に形成された水膜Sが破られることを防ぐことができる。また、遮蔽突部25の上面は下扉23の内面に対し洗浄槽2の底に向けて傾斜しているので、遮蔽突部25の上面に付着した残菜は洗浄槽2の内部に向けて水で洗い流される。
【0056】
係合解除ボタン26が合わせ部23aの位置よりも下側に離隔した位置に設けられているので、乾燥工程にて排気された洗浄槽2の内部の高温の空気及び水蒸気が係合解除ボタン26に当たらず、該係合解除ボタン26が高温になることを防ぐ。
【0057】
下扉23の内面上端縁に沿って遮蔽突部25を設けることにより、前記洗浄槽2に設けられている噴射ノズル11から前記突条22bの先端及び合わせ部23aの間に向けて水が噴射された場合でも、噴射された水は前記遮蔽突部25に当たり、前記突条22bの先端及び合わせ部23aの間に形成された水膜Sが破られることを防止する。したがって洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽2の内部の空気及び水蒸気が前記排気通路24を通流せず、前記上扉22及び下扉23の外に前記洗浄槽2の内部の空気及び水蒸気は漏れ出ないので、洗浄工程及びすすぎ工程にて前記洗浄槽2の内部の温度が低下することを防ぎ、洗浄効果の低下を防止することができる。
【0058】
また、前記遮蔽突部25の上面を前記下扉23の内面に対し前記洗浄槽2の底に向けて傾斜させることにより、前記遮蔽突部25の上面に付着した残菜が前記洗浄槽2の内部に向けて水と共に洗い流され、前記遮蔽突部25の上面に残菜が残ることを防ぐので、残った残菜が前記上扉22及び下扉23を開けたときに飛散することを防止することができる。
【0059】
また、下扉23の外面であって前記合わせ部23aから下側に離隔した位置に係合解除ボタン26を設けることにより、前記洗浄槽2の内部の空気及び水蒸気が前記係合解除ボタン26に当たることを防ぎ、該係合解除ボタン26が高温になることを防止するので、利用者は火傷することなく前記係合解除ボタン26に触れることができる。
【0060】
なお、前記係合解除ボタン26のみならず、ハンドル等の手を触れて操作する操作部を前記下扉23の外面であって前記合わせ部23aから下側に離隔した位置に設けても良い。
【0061】
実施の形態3に係る食器洗い乾燥機の構成の内、実施の形態1又は2と対応する構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態1に係る食器洗い乾燥機の要部構成を示す模式的正面断面図である。
【図2】実施の形態1に係る食器洗い乾燥機の洗浄工程又はすすぎ工程における要部構成を示す模式的右側面断面図である。
【図3】実施の形態1に係る食器洗い乾燥機の乾燥工程における要部構成を示す模式的右側面断面図である。
【図4】実施の形態2に係る食器洗い乾燥機の洗浄工程又はすすぎ工程における要部構成を示す模式的右側面断面図である。
【図5】実施の形態2に係る食器洗い乾燥機の合わせ部及び付近の構成を示す模式的部分拡大側面断面図である。
【図6】実施の形態3に係る食器洗い乾燥機の洗浄工程又はすすぎ工程における要部構成を示す模式的右側面断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 筐体
1a 開口部
2 洗浄槽
3 食器受具
4 ヒータ
19 送風ファン
20 送風ダクト
21 送風口
22 上扉
23 下扉
22a,23a 合わせ部
22b,23b 突条
23c 溜水溝
23d 導水溝
24 排気通路
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫

【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁


【公開番号】 特開2008−18018(P2008−18018A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191958(P2006−191958)