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【発明の名称】 延長管および電気掃除機
【発明者】 【氏名】村田 博光

【要約】 【課題】伸縮時の摺動性を必要以上に低下させることなくシール性を確保した延長管を提供する。

【構成】内管12を外管11に対して内管12の固定位置に摺動させた状態でパッキン21に当接する突部29を内管12の径方向に突設する。内管12を固定位置に摺動させた状態では、パッキン21の突出片部24が内管12の外周面に圧接して外管11と内管12との隙間を確実に閉塞して延長管8のシール性を向上できる。内管12が固定位置以外の位置では、パッキン21の突出片部24が内管12の外周の空間部30内に位置して内管12の外周面と接触することがなく、伸縮荷重が重くならずに、伸縮時の摺動性が低下しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管と、
この外管の内径よりも小さい外径を有し、この外管に対して軸方向に摺動可能に一端部が挿入された内管と、
前記外管と前記内管との間を気密に閉塞するシール部材とを具備し、
前記内管は、外周面に径方向に突設されるとともに、前記外管に対して所定位置に摺動させた状態で前記シール部材に当接して前記内管の外周部と前記外管の内周部との隙間を閉塞可能な突部を備えている
ことを特徴とした延長管。
【請求項2】
内管は、軸方向に異なる複数の位置に、前記内管を前記外管に対して固定可能な固定部をそれぞれ備え、
突部は、前記各固定部から軸方向に略等距離に位置してそれぞれ設けられている
ことを特徴とした請求項1記載の延長管。
【請求項3】
少なくとも一つの突部は、内管を外管に対して最大に伸張するように摺動した状態で前記外管の内部でシール部材と当接している
ことを特徴とした請求項1記載の延長管。
【請求項4】
突部と内管の外周部との間にスロープ部を具備し、
このスロープ部と、前記突部と前記内管の外周部とが、連続して形成されている
ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか一記載の延長管。
【請求項5】
電動送風機を収容した掃除機本体と、
前記電動送風機の吸込側に連通するように前記掃除機本体に接続可能な請求項1ないし4いずれか一記載の延長管と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外管に対して軸方向に摺動可能に内管の一端部を挿入した延長管およびこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気掃除機は、電動送風機を収容した掃除機本体を備え、この掃除機本体には、電動送風機の吸込側に連通してホース体、延長管および床ブラシが順次連通接続可能となっている。そして、延長管は、掃除機本体側に位置する外管と、この外管に対して軸方向に摺動可能に一端部が挿入された内管とを有し、外管の内周部に、内管の外周面との隙間を閉塞するシール部材としての円環状のパッキンが嵌着されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−165338号公報(第4−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の電気掃除機の延長管では、パッキンの内周側が内管の外周面に当接しているため、このパッキンのシール性を向上する際に、パッキンの内周方向への突出量を増加させると、内管の外周面とパッキンとの摩擦が大きくなり、伸縮時の摺動性が低下するという問題点を有している。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、伸縮時の摺動性を必要以上に低下させることなくシール性を確保した延長管およびこれを備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、外管に対して軸方向に摺動可能に一端部が挿入された内管が、外周面に径方向に突設されるとともに、外管に対して所定位置に摺動させた状態でシール部材に当接して内管の外周部と外管の内周部との隙間を閉塞可能な突部を備えているものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、内管を外管に対して所定位置に摺動させた状態でシール部材に当接する突部を内管の外周面に径方向に突設することで、所定位置に摺動させた状態では外管と内管との隙間を確実に閉塞してシール性を向上でき、所定位置以外の位置では、シール部材と内管との当接が低減し、伸縮時の摺動性が低下しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の第1の実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図3を参照して説明する。
【0008】
図3において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1は、内部に収容された電動送風機2の駆動にて生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃を、着脱可能な図示しない集塵パックにて集塵する。
【0009】
また、この掃除機本体1には、外部から空気を吸引する本体吸込口3が開口されている。この本体吸込口3には、可撓性を有し湾曲可能な細長略円筒状のホース体4が連通接続されている。このホース体4の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手元操作部5が設けられている。この手元操作部5には、掃除する際に作業者が把持する把持部6が基端側に向けて突設され、この把持部6には、掃除機本体1内の電動送風機2などを複数の動作モードに設定する複数の設定ボタン7が設けられている。
【0010】
さらに、手元操作部5の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管8が着脱可能に連通接続されている。すなわち、延長管8は、ホース体4を介して電動送風機2の吸込側に連通接続されている。また、この延長管8の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に載置させて、この絨毯上の塵埃を吸い込む吸込口体としての床ブラシ9が着脱可能に連通接続されている。
【0011】
そして、延長管8は、図1ないし図3に示すように、例えば合成樹脂により略円筒状に形成されたパイプ状の外管11と内管12とを有し、内管12の一端部である下流側端部が外管11の先端部である上流側端部から進退可能、すなわち軸方向へ摺動可能に挿入されて、この内管12を外管11に対して進退させることで伸縮可能に構成されている。
【0012】
外管11は、手元操作部5の先端部に着脱可能に接続されるもので、この接続が手元操作部5の先端側に設けられたクランプ15により保持可能となっている。また、外管11の先端側には、内管12を所定位置で固定する固定操作部としての調整クランプである調整ボタン17が外部から操作可能に設けられている。
【0013】
さらに、外管11の内周部には、内管12との間を気密に閉塞するシール部材としてのパッキン21が取り付けられている。このパッキン21は、可撓性を有するゴムなどの部材で形成されており、外管11に対して固定された円環状のパッキン本体23と、このパッキン本体23の内周面から中心軸方向へと突出した突出片部24とを備えている。
【0014】
パッキン本体23は、内管12の外径寸法よりも大きい内径寸法を有している。
【0015】
また、突出片部24は、パッキン本体23の軸方向の略中心部に設けられ、パッキン本体23の周方向全体に連続した円環状に形成されている。さらに、この突出片部24の先端部には、この突出片部24が先細となるように、傾斜面24a,24aが軸方向の両端部に形成されている。
【0016】
一方、内管12は、外管11およびパッキン21の内径寸法、すなわち突出片部24の内径寸法よりも小さい外径寸法を有し、先端部である上流側端部に、床ブラシ9接続される接続部26が設けられ、この接続部26には、床ブラシ9との接続を保持する保持クランプ27が設けられている。また、内管12の外管11に挿入された下流側端部には、外管11の内周部との間に、内管12の外管11に対する抜けを防止する図示しない抜止部材が設けられている。さらに、内管12は、外管11に対して、軸方向に所定の突出量となる複数、例えば3箇所の所定位置で固定されるように、軸方向に異なる3つの位置に固定部としての被係止部である固定凹部28が外周面に設けられ、これら固定凹部28の軸方向位置のそれぞれと対応関係を有する軸方向位置、すなわち、各固定凹部28の近傍の外周面に突部29が設けられている。
【0017】
固定凹部28は、調整ボタン17に突設された係止突部17aに嵌合可能に設けられ、1つが内管12の下流側端部近傍に位置し、他のものは、これら固定凹部28が互いに略等間隔となるように内管12の軸方向に互いに離間されている。これら固定凹部28に対して、調整ボタン17が嵌合方向に付勢されている。
【0018】
そして、各突部29は、内管12が径方向に拡大されて形成されたもので、内管12の外周面の周方向全体に亘って連続した円環帯状となっている。これら突部29の外径寸法は、外管11およびパッキン本体23の内径寸法よりも小さく、かつ、突出片部24の内径寸法よりも大きく形成されている。また、これら突部29は、各固定凹部28の下流側で、かつ、各固定凹部28に調整ボタン17の係止突部17aが嵌合した状態でパッキン21の内周側に位置するように形成され、各固定凹部28から内管12の軸方向に略等距離に位置している。換言すれば、固定凹部28と突部29との内管12の軸方向の距離は、調整ボタン17の係止突部17aとパッキン21との内管12の軸方向の距離と略等しく形成されている。
【0019】
したがって、各突部29は、固定凹部28のそれぞれの間隔と略等しい間隔、すなわち、互いに略等間隔に離間され、かつ、上流端側に位置する突部29が接続部26に対して離間されている。このため、内管12の外周には、各突部29,29間、および、上流端側の突部29と接続部26との間に、それぞれ凹状の空間部30が形成されている。
【0020】
そして、各突部29の軸方向両端部には、内管12の外周面から突部29へと拡径された傾斜状すなわちスロープ状のスロープ部33,33が形成されている。すなわち、これらスロープ部33は、内管12の外周面から突部29の最大突出部に亘って滑らかに径寸法が大きくなるように形成され、突部29および内管12の外周部と連続している。
【0021】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
【0022】
掃除機本体1に図示しない集塵パックを取り付けた状態で、本体吸込口3にホース体4、適宜伸張させた延長管8および床ブラシ9を順次連通接続する。
【0023】
延長管8は、調整ボタン17を押圧操作することで、係止突部17aが固定凹部28から外れて内管12が外管11に対して摺動自在となり、この内管12を外管11に対して軸方向に引き出すことで内管12が外管11に対して伸張される。
【0024】
このとき、パッキン21の突出片部24は、内管12の上流端側の空間部30内を相対的に移動し、突部29の上流側に連続するスロープ部33に沿って摺動し、突部29の外周面に先端部が圧接される。長さが充分でない場合には、内管12を外管11に対してさらに引き出すことで、パッキン21の突出片部24が突部29の外周面に圧接されつつこの外周面を軸方向に滑り、この突部29の下流側に連続するスロープ部33に沿って空間部30へと移動し、上記動作を繰り返して次の突部29の外周面へと圧接される。
【0025】
そして、内管12の外管11からの伸張量、すなわち延長管8の全長が好ましい長さとなった場合には、調整ボタン17の押圧を解除することで、係止突部17aが固定凹部28に嵌合し、内管12が外管11に対して固定される。
【0026】
次いで、掃除機本体1から電源コードを引き出して図示しないコンセントに接続し、把持部6を把持して所定の設定ボタン7を操作して電動送風機2を所定の動作モードで駆動させる。
【0027】
そして、作業者は、床ブラシ9を床面上で前後に走行させて床面の塵埃を床ブラシ9の先端部から空気とともに吸い込む。
【0028】
この吸い込まれた空気は、吸込風となり、床ブラシ9、延長管8、ホース体4および本体吸込口3を経由して集塵パックに流入し、この集塵パックを通過する際に塵埃が捕集されて電動送風機2へと吸い込まれ、この電動送風機2を通過して排気風となり、図示しない排気口から掃除機本体1の外部へと排気される。
【0029】
掃除が終了すると、電動送風機2を停止させてコンセントから電源コードを抜き取り、この電源コードを掃除機本体1に収容するとともに、延長管8を縮めて掃除機本体1とともに収納する。
【0030】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、内管12を外管11に対して所定位置、具体的には内管12の固定位置に摺動させた状態でパッキン21に当接する突部29を内管12の径方向に突設することで、内管12を固定位置に摺動させた状態ではパッキン21の突出片部24が内管12の外周面に圧接されて外管11と内管12との隙間を確実に閉塞して延長管8のシール性を向上でき、内管12が固定位置以外の位置では、パッキン21の突出片部24が内管12の外周に形成された空間部30内に位置して内管12の外周面と接触することがなく、伸縮荷重が重くならずに、伸縮時の摺動性が低下しない。
【0031】
そして、延長管8のシール性が向上することにより、延長管8での空気漏れを抑制でき、電動送風機2による吸込効率を確保できる。
【0032】
また、突部29を、内管12を外管11に対して固定するための固定凹部28から軸方向に略等距離に設けることで、延長管8を伸縮させた際に、内管12を外管11に固定する位置では、外管11と内管12との隙間をパッキン21により閉塞して空気漏れを確実に防止できる。
【0033】
さらに、内管12の外周部および突部29の両端部と傾斜状に連続するスロープ部33を設けることにより、空間部30から突部29へとパッキン21の突出片部24が移動する際に、この突出片部24が突部29の端部に引っ掛かることがなく、伸縮時の摺動性の低下を、より確実に防止できる。
【0034】
そして、パッキン21の突出片部24の先端部に傾斜面24a,24aを設けて突出片部24を先細に形成することにより、突出片部24の先端部の柔軟性が増し、パッキン21の突出片部24が、空間部30から突部29へと移動する際、あるいは、突部29から空間部30へと移動する際に、この突出片部24が突部29の端部に引っ掛かることがなく、伸縮時の摺動性の低下を、より確実に防止できる。
【0035】
なお、上記第1の実施の形態において、固定凹部28は、4箇所以上設けたり、2箇所、あるいは1箇所設けたりした場合でも、突部29を固定凹部28のそれぞれに対応させることで、同様に適用できる。
【0036】
次に、第2の実施の形態を図4を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、突部29が内管12の下流側端部近傍のみに設けられ、内管12を外管11に対して最大に突出させるように摺動した状態で、この突部29が外管の内部にてパッキン21に当接するように配設されているものである。
【0038】
すなわち、突部29は、内管12の下流側端部近傍に設けられた固定凹部28よりも下流側の位置に設けられている。
【0039】
そして、このように構成することで、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができるとともに、上記第1の実施の形態と比較して、延長管8を伸張させても突部29が外部に露出することがなく、見栄えの低下を防止できる。
【0040】
また、延長管8を使用する場合には、作業者は一般に延長管8を最大伸張状態として使用するので、この最大伸張状態で内管12と外管11とを固定する固定凹部28のみに対応させて突部29を設ける簡単な構成としても、通常の掃除作業程度には充分に対応できる。
【0041】
なお、上記各実施の形態において、突部29は、固定凹部28に対応する位置以外の任意の所定位置に設けてもよい。
【0042】
また、突部29は、円環形状に限らず、外管11の内周に沿う形状であれば任意の形状に形成できる。
【0043】
さらに、パッキン21は、内管12の外周側に設けてもよい。
【0044】
そして、外管11などを含む電気掃除機の細部は、上記構成に限定されるものではなく、例えば電気掃除機としては、キャニスタ型の電気掃除機に限らず、延長管8を使用するアップライト型、あるいはハンディ型などであっても対応させて用いることができる。
【0045】
また、上記各実施の形態は、延長管8に給電用の電線を設けるもの、設けないものに拘らず適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態の延長管を示す側面図である。
【図2】同上延長管のシール部材を示す斜視図である。
【図3】同上延長管を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の延長管を示す側面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 掃除機本体
2 電動送風機
8 延長管
11 外管
12 内管
21 シール部材としてのパッキン
28 固定部としての固定凹部
29 突部
33 スロープ部
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】502285664
【氏名又は名称】東芝コンシューママーケティング株式会社
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝家電製造株式会社
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄

【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡

【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也


【公開番号】 特開2008−18011(P2008−18011A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191910(P2006−191910)