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【発明の名称】 蒸気洗浄具
【発明者】 【氏名】吉田 繁

【要約】 【課題】効率的な洗浄作業が可能な蒸気洗浄具を提供する。

【構成】前面に蒸気を噴射するノズル6を設けたボディ2に、柔軟かつ耐久性を有するパッド1を交換可能に装着し、ノズルから噴射した蒸気をパッドを通して被洗浄面Sに吹き付けつつパッドによる拭き取り及び研磨作業を行う構成とする。ボディの前面にはパッドを保持するためのパッドホルダー3を設け、ボディの前面側の側部にはパッドのずれ止め用の角部10を形成する。ノズル前面には蒸気溜まり空間としての凹部7を形成する。ボディの側部にグリップ部ともなる溝部8を形成し、溝部にパッドの縁部を締結具により着脱可能に止着する。ボディに設けた蒸気管5にアタッチメント11を介して柔軟な蒸気ホース12を接続し、蒸気ホースには蒸気バルブを取り付ける。ボディの背面に作業員が把持するためのハンドルを取り付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気洗浄機の付属品として使用されて被洗浄面に蒸気を吹き付けつつ洗浄作業を行うための蒸気洗浄具であって、
前面に蒸気を噴射するノズルを設けたプラスチック樹脂からなるボディに、柔軟かつ耐久性を有するパッドを交換可能に装着して、前記ノズルから噴射した蒸気をパッドを通して被洗浄面に吹き付けつつパッドによる拭き取り及び研磨作業を行う構成とし、
前記ボディの前面には前記パッドを保持するための突起形状を有するパッドホルダーを設けるとともに、該ボディの前面側の側部にはパッドを折り曲げてそのずれを防止するための角部を形成してなることを特徴とする蒸気洗浄具。
【請求項2】
請求項1記載の蒸気洗浄具であって、
ノズル前面にはパッドホルダーの厚み相当分の凹部を蒸気溜まり空間として形成してなることを特徴とする蒸気洗浄具。
【請求項3】
請求項1または2記載の蒸気洗浄具であって、
ボディの側部に作業員が把持する際のグリップ部となる溝部を形成して、該溝部の前部にパッドのずれ止めとしての角部を形成し、かつ該溝部にパッドの縁部を着脱可能に止着してなることを特徴とする蒸気洗浄具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の蒸気洗浄具であって、
ボディにはノズルに蒸気を供給するための蒸気管を設け、該蒸気管にはアタッチメントを介して柔軟な蒸気ホースを接続可能とし、該蒸気ホースには蒸気バルブを取り付けてなることを特徴とする蒸気洗浄具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の蒸気洗浄具であって、
ボディの背面には作業員が把持するためのハンドルを取り付けてなることを特徴とする蒸気洗浄具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄面に対して蒸気を吹き付けて洗浄を行う蒸気洗浄機の付属品として使用される蒸気洗浄具に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように蒸気洗浄は温水洗浄に比べて遙かに効果的な洗浄が可能なものであり、今後、各分野において広く普及する気運にある。蒸気洗浄に用いる洗浄具としてはたとえば特許文献1に示されるように空調装置の熱交換器フィンを蒸気洗浄する場合に使用する特殊な構成のものが知られている。
【特許文献1】特開2005−273967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の蒸気洗浄具としては、充分な洗浄効果が得られること、洗浄作業を容易にかつ効率的に行い得るように充分に使い易いものであること、また充分な耐熱性や耐久性を有するものであるあることが望まれるが、現時点では特許文献1に示されるような特殊用途に限定的に使用されるものはあるものの、広く一般に使用可能な汎用性に優れる有効適切な蒸気洗浄具は提供されていないのが実状である。
【0004】
上記事情に鑑み、本発明は充分な洗浄効果が得られることはもとより、効率的な洗浄作業を行うことのできる有効適切な蒸気洗浄具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、蒸気洗浄機の付属品として使用されて被洗浄面に蒸気を吹き付けつつ洗浄作業を行うための蒸気洗浄具であって、前面に蒸気を噴射するノズルを設けたプラスチック樹脂からなるボディに、柔軟かつ耐久性を有するパッドを交換可能に装着して、前記ノズルから噴射した蒸気をパッドを通して被洗浄面に吹き付けつつパッドによる拭き取り及び研磨作業を行う構成とし、前記ボディの前面には前記パッドを保持するための突起形状を有するパッドホルダーを設けるとともに、該ボディの前面側の側部にはパッドを折り曲げてそのずれを防止するための角部を形成してなることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸気洗浄具であって、ノズル前面にはパッドホルダーの厚み相当分の凹部を蒸気溜まり空間として形成してなることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の蒸気洗浄具であって、ボディの側部に作業員が把持する際のグリップ部となる溝部を形成して、該溝部の前部にパッドのずれ止めとしての角部を形成し、かつ該溝部にパッドの縁部を着脱可能に止着してなることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸気洗浄具であって、ボディにはノズルに蒸気を供給するための蒸気管を設け、該蒸気管にはアタッチメントを介して柔軟な蒸気ホースを接続可能とし、該蒸気ホースには蒸気バルブを取り付けてなることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の蒸気洗浄具であって、ボディの背面には作業員が把持するためのハンドルを取り付けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の蒸気洗浄具によれば、ノズルから噴射した蒸気をパッドを通して被洗浄面に吹き付けつつ同時にパッドにより被洗浄面に対する拭き取り及び研磨作業を行うことにより、汚染成分を瞬時に分解除去できる。しかもその際にはパッドの表面粗度による適度の研磨効果も発揮され、それにより優れた洗浄効果が得られ、効率的な蒸気洗浄作業が可能である。
また、パッドはもとよりボディやパッドホルダーその他の構成部材は80℃程度の耐熱性を有するもので充分であり、それにもかかわらず蒸気熱によって早期にへたってしまったり熱損傷を受けてしまうことなく長時間にわたって使用することができるように、蒸気熱を分散させたりボディの伝熱性を押さえることができる構造仕様となっている。また、各構成部品としては市販の汎用製品を利用可能であってそれらの組み合わせにより安価に製作でき、面倒なメンテナンスも不要であり、一部の部品が損傷した際にはそれのみを簡単に交換することもでき、したがって経済的な洗浄作業を行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の蒸気洗浄具の実施形態を説明する。
以下で説明する実施形態の蒸気洗浄具は、各種の蒸気洗浄機の付属品として使用されるものであるが、その蒸気洗浄機は有資格者でなくても誰でも自由に製造でき取り扱うことのできる簡易ボイラー仕様のもの、具体的には伝熱面積が0.5m以下、蒸気圧が0.1MPa以下(ボイラー内蒸気温度は約120℃以下)のものであることを前提としており、また環境面では混合ガス燃料による無騒音燃焼が行われるものとなっており、作業面においてもボイラー容器寸法の制約もあって小形軽量機となっているため機動性に優れた洗浄作業を行い得るものである。
なお、0.1MPa超の蒸気ボイラーとすることは、取扱者はボイラー取扱技能講習を修了しなければならず、製造者は定期点検義務が求められることから、実効性は少ない。
【0012】
図1〜図3に示す本実施形態の蒸気洗浄具は、被洗浄面に対する拭き取りおよび研磨作業を行うための柔軟なパッド1をボディ2に着脱可能(つまり交換可能)に装着したことを基本とするものである。
パッド1はたとえばナイロン製の不織布からなるものであって、本実施形態では耐熱温度80℃、寸法が115mm×250mm程度の市販品が好適に採用可能である。なお、この種のパッド1の市販品には表面の粗さが粗目、中粗目、細目、極細目(磨き用)等、各種のものが揃っているので、被洗浄面Sの材質や汚染の程度、要求される洗浄の程度に応じて適切な粗さのものを選択して使用することにより被洗浄面Sに傷を付けてしまうような懸念もない。
【0013】
ボディ2は適宜のプラスチック樹脂、たとえばPVC樹脂、ABS樹脂、PP樹脂、PC樹脂等からなるブロック状の成型品であって、本実施形態ではパッド1の寸法に対応してたとえば幅60mm、長さ115mm、高さ40mm程度の寸法とされている。
ボディ2の前面(被洗浄面Sに対して対向する面、各図において下面)にはパッド1を保持するためのパッドホルダー3が設けられている。パッドホルダー3は上記で例示したようなプラスチック樹脂、たとえばABS樹脂からなる厚さ3.5mm程度のもので、ボディ2の前面に対して接着等により一体に形成されており、その表面にはパッド1を係止してそのずれ止めとなる多数の突起4が形成されている。
【0014】
ボディ2には蒸気管5が設けられ、その蒸気管5には複数(図示例では3つ)のノズル6が所定間隔で取り付けられ、それらノズル6によりボディ2の前面側に蒸気を噴射可能とされている。本実施形態においては、蒸気管5としては、ボディ2を中空円筒状に削り加工し、直接蒸気が通るようにしている。ノズル6としては噴射口径が1.0〜2.0mm、噴射蒸気量0.125L/min、噴射圧0.06〜0.1Mpaの蒸気仕様とするため、ステンレス製あるいは鋳鉄製のものが好適である。
上記のパッドホルダー3は各ノズル6の前面で切除された形状であり、したがってノズル6の前面にはパッドホルダー3の厚み相当分(上記の例では3.5mm)の深さの凹部7が自ずと形成され、その凹部7が蒸気溜まり空間として機能し、ノズル6から噴射された蒸気がこの凹部7に滞留しつつ噴射されることでそこからのパッド1への蒸気の浸透が効果的になされるようになっている。
【0015】
ボディ2の両側部には溝部8がそれぞれ形成されていて、その溝部8は図2に示すように作業員が把持する際のグリップ部として機能するとともに、その溝部8に対してパッド1の縁部をバンド等の締結具9により締め付けて止着することでパッド1をボディ2に対して簡単に装着でき、かつ簡単に取り外して交換できるようにされている。そして、その溝部8の形成によりボディ2の前面側には相対的な凸部としての角部10が形成され、その角部10によってパッド1は折り曲げられた状態で装着されることにより、その角部10が自ずとパッド1のずれ止め部として機能してパッド1の脱落や位置ずれが自ずと防止され、パッドホルダー3に突起4が形成されていることと相まってパッド1はボディ2に対して確実に保持されてそのずれが確実に防止されるようになっている。
【0016】
ボディ2に設けられている蒸気管5の基端部にはアタッチメント11を介して蒸気管5と同径寸法の蒸気ホース12が着脱可能に接続され、その蒸気ホース12が上述した蒸気洗浄機に対して直接あるいは他の蒸気ホースを介して接続されることにより、蒸気洗浄機からの蒸気が減圧されることなくそのまま供給されるようになっている。
アタッチメント11としては蒸気仕様の耐熱性を有する樹脂製あるいはステンレス製のカプラーあるいはニップルが好適に採用可能であり、蒸気ホース12としては2”/8〜3”/8インチシリコンブレードホースが好適に採用可能である。また、図1に示すように蒸気ホース12には作業員が手元で開閉操作するための蒸気バルブ13が取り付けられ、その蒸気バルブ13としては蒸気噴射を簡単にONN・OFFし得るボールバルブが好適に採用可能である。
【0017】
以上の構成のもとに、本実施形態の蒸気洗浄具によれば、ノズル6から噴射した蒸気を蒸気溜まり空間としての凹部7からパッド1を通して被洗浄面Sに吹き付けつつ、同時にパッド1により被洗浄面Sに対する拭き取り及び研磨作業を行うことにより、蒸気により汚染成分を瞬時に分解してパッド1により直ちに拭き取ることができ、しかもその際にはパッド1の表面粗度による適度の研磨効果も発揮され、それにより床や壁の別なく、それらの材質の別なく、また汚染の程度によらず、いずれの場合も優れた洗浄効果が得られるものであり、効率的な蒸気洗浄作業が可能である。なお、必要であれば洗剤を併用して洗浄を行っても勿論良い。
また、パッド1はもとよりボディ2やパッドホルダー3その他の構成部材は80℃程度の耐熱性しか有していないにもかかわらず、それらが蒸気熱によって早期にへたってしまったり熱損傷を受けてしまうことなく、長時間にわたって安定に使用することができるように蒸気熱を分散させたり、ボディの伝熱性を押さえる構造仕様となっている。ただし、パッド1は消耗品であるので適宜交換する必要があるが、パッド1としては安価な市販製品を使用可能であるし、その交換作業は締結具9により極めて容易に行うことができる。
そして、本実施形態の蒸気洗浄具は、消耗品であるパッド1はもとより、他の構成部品も何等特殊なものを必要とせず、いずれも市販の安価な汎用製品を利用してそれらを組み合わせることで容易にかつ安価に製作できるものであるし、面倒なメンテナンスも不要であり、仮に一部の部品が損傷したような際にはそれのみを簡単に交換して補修することも可能であるので、各種の蒸気洗浄機の付属品として極めて有効なものである。
【0018】
以上で本発明の一実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、対象とする被洗浄面Sの部位や用途、その仕上げ材の材質、汚染の程度、要求される洗浄程度、その他の諸条件を考慮して最適な洗浄効果が得られるように適宜の設計的変更を行えば良く、たとえば以下に列挙するような変形や応用が考えられる。
【0019】
ボディ2の形状や寸法、ノズル6の数やその配列、個々のノズル6の噴射口径や蒸気噴射量、噴射圧等は任意であることはいうまでもなく、上記実施形態のように3つのノズル6を一列に配列することに代えて、より多数のノズル6を格子状や千鳥格子状に縦横に配列することも考えられる。但し、洗浄具全体をあまり大きくすると重くなって取り回し難くなって作業性が低下するので、作業員が片手で容易に取り回すことができる程度にしておくことが現実的である。
【0020】
上記実施形態のようにノズル6の前面側には蒸気溜まり空間としての凹部7を形成することが好ましいが、その凹部7の大きさや容積(つまり平面的な大きさや深さ)も、上記の諸条件との関連により適宜変更して最適に設定すれば良い。但し、そのような凹部7は必ずしも設ける必要はなく、たとえばノズル6の前面とパッドホルダー3の表面を揃えたうえで突起4によりパッド1とパッドホルダー3との間に蒸気溜まり空間となるような適当な隙間を確保することも考えられる。
【0021】
上記実施形態ではパッド1を保持するためのパッドホルダー3の表面にパッド1を係止してずれ止めとなる突起4を設けたが、それに代えてたとえばマジックテープ(登録商標)等のいわゆるファスナーテープの類をパッドホルダー3として採用し、それにパッド1を直接貼り付けた状態で保持することも考えられる。ただし、いずれにしてもパッドホルダー3には適当な蒸気溜まり空間を確保することが好ましい。
【0022】
上記実施形態ではボディ2の側部に溝部8を形成してそこにパッド1の縁部をバンド等の締結具9により締め付けて止着するようにし、その溝部8をグリップ部としても機能するものとしたが、必ずしもそうすることはなく、ボディ2の前面側の側部にパッド1のずれ止めとして機能する角部10を確保し、パッドホルダー3が突起形状を有する限りにおいては、ボディ2に対するパッド1の装着の形態や、作業員がボディ2をグリップするための形態は任意である。
たとえば、ボディ2に対するパッド1の止着の形態としては、上記実施形態のようにバンド等の締結具9によることに代えて、パッド1をワンタッチで着脱できるような取り付け金具や、あるいはフック状の係止具等を備えておく等、適宜の構成が考えられる。
また、上記のような溝部8を設けることに加えて、あるいはそれに代えて、図4に示すように適宜のハンドル15をボディ2の背面側に設けることも考えられ、その場合には操作性がより向上するばかりでなく作業員が蒸気熱を受け難くなる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態である蒸気洗浄具の外観を示す図である。
【図2】同、正面図である。
【図3】同、平面図、側断面図、正断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態である蒸気洗浄具を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
S 被洗浄面
1 パッド
2 ボディ
3 パッドホルダー
4 突起
5 蒸気管
6 ノズル
7 凹部(蒸気溜まり空間)
8 溝部(グリップ部)
9 締結具
10 角部(ずれ止め)
11 アタッチメント
12 蒸気ホース
13 蒸気バルブ
15 ハンドル
【出願人】 【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和


【公開番号】 特開2008−11973(P2008−11973A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184420(P2006−184420)